JP6135422B2 - 金属錯体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

金属錯体およびそれを用いた発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、金属錯体、該金属錯体を含有する組成物および該金属錯体を用いて得られる発光素子に関する。本発明はまた、該金属錯体の製造に有用な化合物および該金属錯体の製造に関する。
発光素子の発光層に用いる発光材料として、三重項励起状態からの発光を示す燐光発光性化合物が種々検討されている。このような燐光発光性化合物としては、中心金属が第5周期または第6周期に属する遷移金属である金属錯体が数多く検討されている。例えば、特許文献1では、トリアリールアミン構造を有する配位子を有する金属錯体(例えば、下記式で表される金属錯体)が提案されている。
Figure 0006135422
特開2004−355899号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された金属錯体(すなわち、トリアリールアミン構造を有する配位子を有する金属錯体)を用いて製造される発光素子は、得られる外部量子収率が十分ではなかった。
そこで本発明は、外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な金属錯体を提供することを目的とする。本発明はまた、該金属錯体を含有する組成物および該金属錯体を用いて得られる発光素子を提供することを目的とする。本発明はさらに、該金属錯体の製造に有用な化合物および該金属錯体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第一に、下記式(1)で表される金属錯体を提供する。
Figure 0006135422
[式(1)中、
は、1、2または3を表す。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、環を構成する炭素原子、酸素原子または窒素原子であってもよい。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、3または4を表す。
およびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。複数存在するEは、同一でも異なっていてもよく、Eが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、Rは存在しても存在しなくてもよい。
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、R、R、RおよびRが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するR同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRと、Rとが結合して、Rが結合するEおよびRが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。ただし、R、RおよびRの少なくとも1つは、下記式(2)で表される基である。
環Aは、窒素原子、Eおよびm1個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。]
Figure 0006135422
[式(2)中、
およびRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
本発明は、第二に、前記金属錯体を含有する組成物を提供する。
本発明は、第三に、前記金属錯体を用いて得られる発光素子を提供する。
本発明は、第四に、下記式(9)で表される化合物を提供する。
下記式(9)で表される化合物。
Figure 0006135422
[式(9)中、
およびRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していもてよい。
は、−B(ORW1で表される基(RW1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
本発明は、第五に、前記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される金属錯体とを反応させる工程を含む、前記式(1)で表される金属錯体の製造方法を提供する。
Figure 0006135422
[式(10)中、
N、n、A、G、A、m、E、E、Rおよび環Aは、前記と同じ意味を表す。
16、R17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、−B(ORW1で表される基(RW1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)、アルカンスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、R19は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Eに隣接するEと結合するRと、R16とが結合して、Rが結合するEおよびR16が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。R16とR17とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R17とR18とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R18とR19とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。ただし、R16、R17およびR18の少なくとも1つは、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。]
本発明によれば、外部量子収率に優れる発光素子の製造に有用な金属錯体を提供することができる。そして、本発明の好ましい実施形態によれば、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な金属錯体を提供することができる。また、本発明によれば、該金属錯体を含有する組成物および該金属錯体を用いて得られる発光素子を提供することができる。本発明はさらに、該金属錯体の製造に有用な化合物、および、該金属錯体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、i-Prはイソプロピル基、n-Buはn-ブチル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
本明細書において、水素原子は、軽水素原子であっても重水素原子であってもよい。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×103〜1×108である重合体を意味する。高分子化合物に含まれる構成単位は、合計100モル%である。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐および環状のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-n-プロピルヘプチル基、n-デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-n-ヘキシル-デシル基、n-ドデシル基等の非置換アルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-n-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基等の置換アルキル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖、分岐および環状のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐および環状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾシロール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐および環状のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐および環状のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキセシニル基、5−ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式中、RおよびRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(A-21)〜式(A-54)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成する事が可能な基であり、好ましくは、式(B-1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)、(B-5)、(B-6)、(B-7)、(B-8)、(B-9)、(B-10)、(B-11)、(B-12)、(B-13)、(B-14)、(B-15)、(B-16)または(B-17)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、これらの基は置換基を有していてもよい。]
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基またはアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
「デンドロン」とは、原子または環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(デンドリマー構造)を有する基である。なお、デンドロンを部分構造として有する化合物(デンドリマーと呼ぶ場合がある。)としては、例えば、WO02/067343、特開2003−231692、WO2003/079736、WO2006/097717等の文献に記載の構造が挙げられる。
デンドロンとしては、好ましくは、式(D-A)または(D-B)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DA1は、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DA2およびTDA3は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 0006135422
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DA1、GDA2およびGDA3は、それぞれ独立に、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DA4、TDA5、TDA6およびTDA7は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、5以下の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0または1であることがより好ましい。また、mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
DA1は、好ましくは式(GDA-11)〜(GDA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
[式中、
*1、*2および*3は、各々、ArDA1、ArDA2およびArDA3との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DA2は、好ましくは式(GDA-21)〜(GDA-25)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。GDA3は、好ましくは式(GDA-31)〜(GDA-35)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
[式中、
*2、*4および*5は、各々、ArDA2、ArDA4およびArDA5との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006135422
[式中、
*3、*6および*7は、各々、ArDA3、ArDA6およびArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基またはアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子またはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは式(ArDA-1)〜(ArDA-3)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基である。
DA2、TDA3、TDA4、TDA5、TDA6およびTDA7は、好ましくは式(TDA-1)〜(TDA-3)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜(D-A3)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)〜(D-B3)で表される基である。
Figure 0006135422
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
np1は、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基である。
<金属錯体>
次に、本発明の金属錯体について説明する。本発明の金属錯体は、式(1)で表される。
式(1)で表される金属錯体は、式(2)で表される基を有する。
式(1)中、R、RおよびRの少なくとも1つは、式(2)で表される基であり、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらの少なくとも1つが、式(2)で表される基であればよいが、複数存在するRの全て、複数存在するRの全て、または、複数存在するRの全てが、式(2)で表される基であることが好ましい。
式(2)中、RおよびRは、本発明の金属錯体の合成が容易になるため、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはプロピル基であることが好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
式(2)中、RおよびRは、本発明の金属錯体の合成が容易になるため、アリール基が好ましい。アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはハロゲン原子が好ましく、アルキル基またはアリール基がより好ましい。
式(2)で表される基としては、本発明の金属錯体の溶媒に対する溶解性および成膜性が優れるので、下記式(2−1)または(2−2)で表される基が好ましい。また、式(2)で表される基としては、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の輝度寿命が優れるため、下記式(2−2)で表される基が好ましい。
Figure 0006135422
[式(2−1)〜式(2−2)中、
およびRは、前記と同じ意味を表す。
1g、R2g、R3g、R11g、R12g、R13g、R14gおよびR15gは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1g、R2g、R3g、R11g、R12g、R13g、R14gおよびR15gは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。]
式(2−1)中、本発明の金属錯体の合成が容易になるため、R2gおよびR3gが水素原子またはアルキル基であり、R1gが水素原子であることが好ましく、R2gがアルキル基であり、R1gおよびR3gが水素原子であること、または、R3gがアルキル基であり、R1gおよびR2gが水素原子であることがより好ましく、R3gがアルキル基であり、R1gおよびR2gが水素原子であることが更に好ましい。
式(2−2)中、本発明の金属錯体の合成が容易になるため、R12g、R14gおよびR15gが水素原子またはアルキル基であり、R11gおよびR13gが水素原子であることが好ましく、R14gおよびR15gが水素原子またはアルキル基であり、R11g、R12gおよびR13gが水素原子であることがより好ましく、R14gがアルキル基であり、R11g、R12g、R13gおよびR15gが水素原子であること、または、R15gがアルキル基であり、R11g、R12g、R13gおよびR14gが水素原子であることが更により好ましく、R15gがアルキル基であり、R11g、R12g、R13gおよびR14gが水素原子であることが特に好ましい。
式(1)で表される金属錯体は、イリジウム原子と、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字(3−n)でその数を規定されている配位子とから構成されている。
式(1)中、nは、2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(1)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式中、*は、イリジウム原子と結合する部位を示す。]
式(1)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、下記で表される配位子であってもよい。ただし、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、添え字nでその数を定義されている配位子とは異なる。
Figure 0006135422
[式中、
*は、イリジウム原子と結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
L2は、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
式(1)中、R〜Rは、本発明の金属錯体の溶媒に対する溶解性および成膜性が優れるので、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子が好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基がより好ましく、水素原子であることが更により好ましい。ただし、R〜Rの少なくとも1つは、式(2)で表される基である。
式(1)中、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の外部量子収率がより優れるため、Rが、式(2)で表される基であることが好ましく、Rが、式(2)で表される基であり、R、RおよびRが、水素原子であることがより好ましい。
式(1)中、環Aは、窒素原子、Eおよびm1個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。なお、隣接するR同士が結合することで形成される環が、該5員環または6員環の芳香族複素環に縮環したものであってもよい。
環Aは、本発明の金属錯体における配位子の原料を入手しやすいため、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、イソキノリン環、キノリン環であることが好ましく、ピリジン環であることがより好ましい。なお、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Aがピリジン環である場合、環Aの構造としては、下記式(3)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006135422
[式中、
*は、イリジウム原子と結合する部位を示す。Rは、前記と同じ意味を表す。]
式(1)で表される金属錯体は、本発明の金属錯体の安定性(熱に対する安定性、および、溶液中での安定性)が優れ、本発明の金属錯体の合成が容易となるため、下記式(1−a)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式(1−a)中、
、R、R、R、A、A、Gおよびn1は、前記と同じ意味を表す。
10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R10、R11、R12およびR13が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R10とR11が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R11とR12が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R12とR13が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
10〜R13で表されるアルキル基としては、炭素原子数が1〜10のアルキル基が好ましい。
10〜R13で表されるアリール基としては、アルキル基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。
10〜R13で表される1価の複素環基としては、1,3,5−トリアジニル基であることが好ましく、2位および4位にアリール基を置換基としてを有する1,3,5−トリアジニル基であることがより好ましい。
10〜R13で表されるアリール基および1価の複素環基としては、デンドロンであることが好ましい。
10〜R13としては、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の外部量子収率がより優れるため、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、R10〜R13の少なくとも3つが水素原子であり、さらにより好ましくは、R10〜R13の全てが水素原子であるか、R10、R12およびR13が水素原子であり、かつ、R11がアルキル基、アリール基または1価の複素環基であるか、または、R10、R11およびR13が水素原子であり、かつ、R12がアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、特に好ましくは、R10〜R13の全てが水素原子である。
式(1)で表される金属錯体としては、例えば、下記式(Ir−1)〜(Ir−69)で表される金属錯体が挙げられ、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の外部量子収率がより優れるため、式(Ir−4)、(Ir−5)、(Ir−10)、(Ir−11)、(Ir−12)、(Ir−20)、(Ir−21)、(Ir−22)、(Ir−23)(Ir−12)、(Ir−26)、(Ir−27)、(Ir−28)、(Ir−29)、(Ir−32)、(Ir−33)、(Ir−50)または(Ir−51)で表される金属錯体が好ましく、式(Ir−4)、(Ir−5)、(Ir−10)、(Ir−11)、(Ir−26)、(Ir−28)または(Ir−50)で表される金属錯体がより好ましく、式(Ir−4)または(Ir−5)で表される金属錯体が更に好ましい。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式(Ir−1)〜(Ir−69)中、
L5は、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、2位および4位にアリール基を置換基としてを有する1,3,5−トリアジニル基、または、デンドロンから選ばれる基である。RL5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
は、前記式(2)で表される基である。Zが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(Ir−1)〜(Ir−69)中、
L5は、下記群IIの式(II−01)〜式(II−19)から選ばれる基であることが好ましい。
は、前記式(2)で表される基である下記群IIIの式(III−01)〜式(III−12)から選ばれる基であることが好ましい。
<群II>
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
<群III>
Figure 0006135422
Figure 0006135422
式(Ir−1)〜(Ir−69)中、RL5としては、式(II−16)〜式(II−19)から選ばれる基であることが好ましい。
式(Ir−1)〜式(Ir−69)中、Zとしては、式(III−2)または(III−7)で表される基が好ましい。
本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子には、本発明の金属錯体を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
式(1)で表される金属錯体(式(1−a)で表される金属錯体であってもよい。)には、複数の幾何異性体が考えられ、いずれの幾何異性体であってもよいが、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の輝度寿命が優れるため、facial体が金属錯体全体に対して80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることが更により好ましく、100モル%(すなわち、他の幾何異性体を含まないこと)が特に好ましい。
<金属錯体の製造方法>
本発明の金属錯体は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを反応させる方法により製造することができる。必要に応じて、反応系中に有機溶媒、塩基、塩化銀化合物等が存在していてもよい。
配位子となる化合物と金属化合物との反応の例としては、イリジウム原子を有する金属錯体の場合、「J. Am. Chem. Soc., 1984, 106, 6647」、「Inorg. Chem., 1991, 30, 1685」、「Inorg. Chem., 1994, 33, 545」、「Inorg. Chem., 2001, 40, 1704」、「Chem.Lett., 2003, 32, 252」等に記載の方法が挙げられ、白金原子を有する金属錯体の場合、「Inorg. Chem., 1984, 23, 4249」、「Chem. Mater., 1999, 11, 3709」、「Organometallics, 1999, 18, 1801」等に記載の方法が挙げられる。
配位子となる化合物と金属化合物との反応温度は、通常、反応系に存在する有機溶媒の常圧における融点から有機溶媒の常圧における沸点の間で設定すればよいが、−90℃から常圧における有機溶媒の沸点の間で設定するのが好ましい。配位子となる化合物と金属化合物との反応において、密閉した反応器を用いる場合、例えば、マイクロウェーブ反応装置を使用する場合は、有機溶媒の沸点以上で反応させることができる。
配位子となる化合物と金属化合物との反応時間は、通常、30分間〜150時間である。マイクロウェーブ反応装置を使用する場合、反応時間は、通常、数分〜数時間である。
配位子となる化合物の合成は、例えば、ベンゼン誘導体と芳香族複素環式化合物とのSuzukiカップリング、Grignardカップリング、Stilleカップリング等のカップリング反応により合成することができる。その一例を挙げると、2−フェニルピリジン誘導体と芳香族複素環式化合物とを有機溶媒に溶解させ、アルカリ、適切な触媒を用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させることにより、前記配位子となる化合物を合成することができる。この合成は、「オルガニックシンセシーズ(Organic Syntheses)、コレクティブ第6巻(Collective Volume VI)、407−411頁、ジョンワイリーアンドサンズ(John Wiley&Sons, Inc.)、1988年」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第106巻、2651頁(2006年)」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第102巻、1359頁(2002年)」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第95巻、2457頁(1995年)」、「ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem)、第576巻、147頁(1999年)」等を参考にして実施することができる。
芳香族複素環式化合物は、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume14、 Part5、 36頁 (JOHN WILEY&SONS)」、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume37、3頁(JOHN WILEY&SONS)」等の文献に記載の方法で合成することができる。また、市販の芳香族複素環式化合物を用いてもよい。
カップリング反応に用いる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、エタノール、テトラヒドロフランが挙げられ、カップリング反応の種類に応じて適宜選択することができる。
カップリング反応に用いる触媒としては、パラジウム触媒が好ましい。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられる。パラジウム触媒は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物と併用してもよい。
カップリング反応に用いる塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド等の有機塩基が挙げられ、カップリング反応の種類に応じて適宜選択することができる。
本発明の金属錯体の製造方法の一例について、具体的に説明する。
式(1)で表される金属錯体は、前記式(9)で表される化合物と、前記式(10)で表される金属錯体とをカップリング反応させる工程を含む方法により製造することができる。式(9)で表される化合物と、式(10)で表される金属錯体とのカップリング反応は、前記配位子となる化合物の製造方法で述べたのと同じ方法で行うことができる。
Figure 0006135422
−B(ORW1で表される基としては、例えば、下記式(W−1)〜(W−10)で表される基が挙げられる。
Figure 0006135422
式(9)中、Wで表されるアルカンスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基が挙げられる。また、Wで表されるアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基が挙げられる。
式(9)中、Wとしては、式(9)で表される化合物と式(10)で表される金属錯体とのカップリング反応が容易に進行するので、−B(ORW1で表される基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。また、Wとしては、式(9)で表される化合物の合成が容易であるため、下記群IVの式(IV−1)〜(IV−5)から選ばれる基であることが好ましく、式(IV−5)で表される基であることがより好ましい。
<群IV>
Figure 0006135422
式(9)で表される化合物は、当該化合物の合成が容易であるため、下記式(11−1)または(11−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式(11−1)および(11−2)中、W、R1g〜R3g、R11g〜R15g、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。]
式(11−1)および式(11−2)で表される化合物としては、例えば、下記式(Z1−1)〜(Z1−12)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式(Z1−1)〜(Z1−12)中、W1aは、前記群IVの式(IV−1)〜(IV−5)から選ばれる基を表す。]
式(9)で表される化合物の好ましい形態の一つである式(11−1)で表される化合物は、例えば、下記のスキーム1(Scheme1)で合成することができる。なお、式(11−1)で表される化合物に該当するのは、スキーム1における化合物11−1−eである。
Figure 0006135422
[スキーム1中、R1g〜R3g、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。]
上記スキーム1で、化合物11−1−cは、公知のBuchwaldアミノ化反応として知られる反応、すなわち、化合物11−1−aで表されるブロモベンゼン誘導体と化合物11−1−bで表されるアニリン誘導体とを、有機溶媒中において、パラジウム触媒および塩基の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記スキーム1で、化合物11−1−eは、化合物11−1−cと化合物11−1−dで表されるビス(ピナコラート)ジボロンを、有機溶媒中において、公知のイリジウム触媒、4,4’−ジ−tert−ブチルビピリジル等の配位子を添加し反応させることにより合成することができる。
また、式(9)で表される化合物の好ましい形態の一つである式(11−2)で表される化合物は、例えば、下記のスキーム2(Scheme2)で合成することができる。なお、式(11−2)で表される化合物に該当するのは、スキーム2における化合物11−2−jである。
Figure 0006135422
[スキーム2中、R11g〜R15g、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。]
上記スキーム2で、化合物11−2−cは、公知のSuzukiカップリング反応として知られる反応、すなわち、化合物11−2−aで表されるベンゼンボロン酸誘導体と化合物11−2−bで表されるジブロモベンゼン誘導体とを、公知のパラジウム触媒、塩基、および、有機溶媒若しくは有機溶媒と水との混合溶媒の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記スキーム2で、化合物11−2−eは、化合物11−1−cと化合物11−1−dで表されるビス(ピナコラート)ジボロンを、有機溶媒中において、公知のパラジウムまたはニッケル触媒の存在下で反応させることにより合成することができる。パラジウム触媒は、必要に応じて、酢酸カリウム等の塩基や、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等のリン化合物を併用してもよい。反応としては、「Tetrahedron、2001、57、9813−9816」、「Tetrahedron Letters、1997,38、3447−3450」、「The Journal of the Organic Chemistry、2000、65、9268―9271」等に記載の反応が好ましい。
上記スキーム2で、化合物11−2−fは、有機溶媒中において、化合物11−2−eを臭化第一銅とを反応させることにより合成することができる。
上記スキーム2で、化合物11−1−hは、公知のBuchwaldアミノ化反応として知られる反応、すなわち、化合物11−1−fで表されるブロモベンゼン誘導体と化合物11−1−gで表されるアニリン誘導体とを、有機溶媒中において、パラジウム触媒および塩基の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記スキーム2で、化合物11−1−jは、化合物11−1−hと化合物11−1−iで表されるビス(ピナコラート)ジボロンを、有機溶媒中において、公知のイリジウム触媒、4,4’−ジ−tert−ブチルビピリジル等の配位子を添加し反応させることにより合成することができる。
上記スキーム1における化合物11−1−eの合成、上記スキーム2における化合物11−2−jの合成に用いる反応としては、「Journal of the American Chemical Society、2002、124、390−391」、「Angewandte Chemie International Edition、2002、41、3056−3058」、「Journal of the American Chemical Society、2005、127、14263−14278」等に記載の反応が好ましい
次に、式(10)で表される金属錯体について説明する。
式(10)中、R16、R17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、R19は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R16、R17、R18およびR19が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。ただし、R16、R17およびR18の少なくとも1つは、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
ここで、R16、R17およびR18の少なくとも1つは、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であるが、R16、R17およびR18がそれぞれ複数存在する場合、それらの少なくとも1つが、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であればよいが、複数存在するR16の全て、複数存在するR17の全て、または、複数存在するR18の全てが、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましい。
式(10)中、式(10)で表される金属錯体の合成が容易であるため、R17は、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、R16およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基であることが好ましい。
式(10)中、R16〜R18で表されるアルカンスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基は、それぞれ、Wで表されるアルカンスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基と同じ意味を表す。
式(10)中、R17としては、式(10)で表される金属錯体の合成が容易であるため、臭素原子、ヨウ素原子または式(IV−5)で表される基であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
式(10)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(10a)および(10c)で表される金属錯体錯体は、例えば、下記式(12)で表される金属錯体から合成することができる。
Figure 0006135422
[式(12)中、
、E、環A、A、A、G、n1、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
[式(10a)中、
、E、環A、A、A、G、n1、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
[式(10c)中、
、E、環A、A、A、G、n1、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
より具体的には、式(12)で表される金属錯体を有機溶媒に溶解させ、N−ブロモスクシンイミドを加えて反応させることで、式(10)においてR17が臭素原子である式(10a)で表される金属錯体を合成することができる。この反応において、有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化された炭化水素系溶媒等を用いることができる。
式(10a)で表される金属錯体とビス(ピナコラート)ジボロンとを、パラジウム触媒下で反応させることにより、−B(ORW1で表される基を重合反応性基として有する式(10c)で表される化合物へと変換することができる。
式(10a)で表される金属錯体の好ましい形態である下記式(10b)で表される金属錯体は、例えば、下記の方法で合成することができる。なお、下記におけるTfは、−SOCFで表される基を意味する。
Figure 0006135422
[式(10b)中、
、E、環A、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
[式(13)中、
、E、環A、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
[式(14)中、
、E、環A、m、R、R16、R18およびR19は、前記と同じ意味を表す。]
まず、式(13)で表される化合物と塩化イリジウム三水和物とを反応させることにより、式(14)で表される金属錯体を合成する。
この反応は、通常、有機溶媒中で行う。有機溶媒としては、反応を円滑に進めるために極性溶媒が好ましい。このような溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。溶媒としては、極性溶媒と水の混合溶媒でもよい。混合溶媒の例としては、水/2−エトキシエタノール混合溶媒等が挙げられる。極性溶媒/水の混合比は任意の割合で用いることができるが、式(13)で表される化合物を高温で溶解できるので、10/1〜1/1の範囲であることが好ましい。
反応時間は、通常、30分〜50時間であり、30分〜24時間の範囲が好ましい。
反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、50℃〜200℃の範囲がより好ましい。
次に、式(14)で表される金属錯体と式(13)で表される化合物を、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で反応させることにより、式(10b)で表される金属錯体を合成することができる。
式(13)で表される化合物の量は、式(14)で示される金属錯体に対して、通常、2〜30当量、好ましくは、2〜10当量である。塩化銀化合物の量は、式(14)で表される金属錯体に対して、通常2〜20当量、好ましくは2〜5当量である。
反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、金属錯体の純度の観点から、50℃〜160℃の範囲がより好ましく、70℃〜130℃が更に好ましい。
反応時間は、通常、30分〜72時間であり、1時間〜48時間の範囲が好ましい。
上記で合成された金属錯体の同定および分析は、元素分析、核磁気共鳴(NMR)分析、質量分析(MS)および赤外吸収(IR)分析等により行うことができる。
<組成物>
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の金属錯体とを含有する。
本発明の組成物において、本発明の金属錯体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
[ホスト材料]
本発明の金属錯体は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料との組成物とすることにより、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の外部量子収率がより優れたものとなる。本発明の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の金属錯体と、ホスト材料とを含有する組成物において、本発明の金属錯体の含有量は、本発明の金属錯体とホスト材料との合計を100重量部とした場合、通常、0.05〜80重量部であり、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部である。
ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T)は、本発明の組成物を用いて得られる発光素子の外部量子収率がより優れるため、本発明の金属錯体の有する最低励起三重項状態(T)と同等のエネルギー準位、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
ホスト材料としては、本発明の組成物を用いて得られる発光素子を溶液塗布プロセスにて作製する観点から、本発明の金属錯体を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
ホスト材料に用いられる低分子化合物としては、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)および1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mcP)等のカルバゾール骨格を有する化合物;1,1−ビス[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン(TAPC)、4,4’−ビス[N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)およびN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(NPB)等のトリアリールアミン骨格を有する化合物;2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等のフェナントロリン骨格を有する化合物;トリフェニルトリアジン等のトリアリールトリアジン骨格を有する化合物;p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)および4,4’−ビス(トリフェニルシリル)ビフェニル(BSB)等の有機ケイ素化合物;1,3,5−トリス(N−フェニルベンゾイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾール(t−Bu−TAZ)および2−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)等のアゾール骨格を有する化合物;並びに、それらの骨格を組み合わせた化合物が挙げられる。該骨格を組み合わせた化合物としては,例えば、4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TCTA)等のカルバゾール骨格およびトリアリールアミン骨格を有する化合物が挙げられる。
ホスト材料に用いられる高分子化合物としては、例えば、後述の正孔輸送材料である高分子化合物、後述の電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[高分子ホスト]
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」ともいう。)に関して説明する。
高分子ホストとしては、式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基としては、特に好ましくは式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)または式(A-20)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基としては、特に好ましくは式(A-21)〜式(A-24)、式(A-30)〜式(A-35)、式(A-38)〜式(A-41)、式(A-53)または式(A-54)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(A-24)、式(A-30)、式(A-32)、式(A-34)または式(A-53)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基の特に好ましい範囲、とりわけ好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基の特に好ましい範囲、とりわけ好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)〜(Y-13)で表される構成単位が挙げられ、高分子ホストと本発明の金属錯体との組成物を用いた発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)、(Y-2)または(Y-3)で表される構成単位であり、電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-4)〜(Y-7)で表される構成単位であり、正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-8)〜(Y-10)で表される構成単位である。
Figure 0006135422
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、式(Y-1')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、RY11は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、より好ましくはアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−またはC(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくはアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基、または、一方がアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006135422
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006135422
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-3)で表される構成単位は、式(Y-3')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、RY11およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-4)で表される構成単位は、式(Y-4')で表される構成単位であることが好ましく、式(Y-6)で表される構成単位は、式(Y-6')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、RY1およびRY3は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006135422
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-101)〜(Y-130)で表されるアリーレン基からなる構成単位、式(Y-201)〜(Y-207)で表される2価の複素環基からなる構成単位、式(Y-301)〜(Y-308)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、高分子ホストと本発明の金属錯体との組成物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、高分子ホストと本発明の金属錯体との組成物を用いた発光素子の電荷輸送性が優れるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは3〜20モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006135422
[式中、aX1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
X1は、高分子ホストと本発明の金属錯体との組成物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、高分子ホストと本発明の金属錯体との組成物を用いた発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基としては、特に好ましくは式(A-1)または式(A-9)で表される基であり、とりわけ好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基としては、特に好ましくは式(A-21)、式(A-22)または式(A-27)〜式(A-46)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基としては、特に好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)または式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基の特に好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基の特に好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基の特に好ましい範囲、とりわけ好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基の特に好ましい範囲、とりわけ好ましい範囲と同様である。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)〜(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X-1)〜(X-6)で表される構成単位であり、更に好ましくは式(X-3)〜(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)〜(X1-19)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは式(X1-1)〜(X1-14)で表される構成単位である。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、下記表1の高分子化合物P−1〜P−6が挙げられる。ここで、「その他」の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006135422
[表中、p、q、r、sおよびtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、上記観点から、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
<高分子ホストの製造方法>
次に、高分子ホストの製造方法について説明する。
高分子ホストは、例えば、式(M-Y1)で表される化合物、式(M-Y2)で表される化合物および式(M-X)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、高分子ホストの製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
Figure 0006135422
[式中、ArY1、ArX1〜ArX4、RX1、RX2、RX3、aX1およびaX2は、前記と同じ意味を表し、ZC1〜ZC6は、それぞれ独立に、置換基A群および置換基B群からなる群から選ばれる基を示す。]
例えば、ZC1、ZC2、ZC5およびZC6が置換基A群から選ばれる基である場合、ZC3およびZC4は、置換基B群から選ばれる基を選択する。
例えば、ZC1、ZC2、ZC5およびZC6が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC3およびZC4は、置換基A群から選ばれる基を選択する。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2C1で表される基。
(式中、RC1は、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを示す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基;、および、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
−B(ORC2)2で表される基としては、下記式で表される基が例示される。
Figure 0006135422
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基および置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合する。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物と、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
縮合重合は、通常、触媒、塩基および溶媒の存在下で行われ、必要に応じて、相間移動触媒を共存させて行ってもよい。
触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4-シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ(tert-ブチルホスフィン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001〜3モル当量である。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。塩基は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
相間移動触媒としては、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。相間移動触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
塩基の使用量は、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
相関移動触媒の使用量は、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001〜100モル当量である。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100重量部に対して、10〜100000重量部である。
縮合重合の反応温度は、通常-100〜200℃である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
本発明の金属錯体および溶媒を含有する組成物(以下、「インク」ということがある。)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりを防止するために、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
インクに含まれる溶媒は、該インク中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-デカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
インクにおいて、溶媒の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;式(X)で表される基を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種のみでも二種以上でもよい。
[発光材料]
発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイルジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、低分子化合物および高分子化合物を含んでいてもよく、好ましくは、三重項発光錯体および高分子化合物を含む。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、0.1〜400重量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<膜>
膜は、本発明の金属錯体を含有する。
膜には、本発明の金属錯体を架橋により溶媒に対して不溶化させた、不溶化膜も含まれる。不溶化膜は、本発明の金属錯体を加熱、光照射等の外部刺激により架橋させて得られる膜である。不溶化膜は、溶媒に実質的に不溶であるため、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
膜を架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、外部量子収率が良好になるので、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
膜を架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
膜は、発光素子における正孔輸送層または正孔注入層として好適である。
膜は、インクを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法により作製することができる。
膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
<発光素子>
本発明の発光素子は、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子であり、本発明の金属錯体が分子内または分子間で架橋されたものであってもよく、本発明の金属錯体が分子内および分子間で架橋されたものであってもよい。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の金属錯体を用いて得られる層とを有する。
[層構成]
本発明の金属錯体を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性および正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層および電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層および電子注入層の材料としては、本発明の金属錯体の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料および電子注入材料が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料および発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層および発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数および厚さは、外部量子収率および素子寿命を勘案して調整すればよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、以下のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてテトラヒドロフランを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
LC−MSの測定は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(アジレント テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン(THF−d8)または重塩化メチレン(CDCl)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名 MERCURY 300)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、島津製作所製、商品名:LC−20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
<実施例1> 化合物S1の合成
Figure 0006135422
<stage1>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミン(化合物S1a)(38g、137mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(595mg、0.7mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(403mg、1.3mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(19g、195mmol)およびトルエン(195mL)を加え、100℃で加熱攪拌した。その後、そこへ、トルエン(65mL)に溶解させた2−ブロモ−1,3−ジメチルベンゼン(化合物S1b)(24g、130mmol)を30分かけて滴下した。得られた反応混合物を100℃で2時間加熱攪拌した後に、トルエン(585ml)を加え、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除き、ろ液を得た。得られたろ液に、活性白土(50g)を加え、ろ過した。得られたろ液に、再び、活性白土(50g)およびシリカゲル(10g)を加え、ろ過した。得られたろ液から溶媒を減圧濃縮により留去した。得られた残渣にトルエン(100ml)およびn−ヘキサン(200ml)を加え、加熱攪拌することで完全に溶解させた。その後、そこへ、エタノール(200ml)を滴下し、室温まで冷却した後に、析出した白色粉末をろ取し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、目的物である化合物S1c(36.1g)を白色粉末として得た。収率は72%であった。得られた化合物S1cのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.87%を示した。
TLC/MS(DART positive):m/z=386[M+H]
<stage2>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物S1c(21g、55mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(化合物S1d)(35g、138mmol)、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(443mg、1.7mmol)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(547mg、0.83mmol)および1,4−ジオキサン(730mL)を加え、加熱還流下で22時間反応させた。その後、溶媒を減圧濃縮により留去し、得られた残渣にトルエン(500mL)および活性炭(10g)を加え、80℃に加熱しながら1時間攪拌した後に、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除き、ろ液を得た。得られたろ液に、再び、活性炭(10g)およびトルエンを加え、80℃に加熱しながら1時間攪拌した後に、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除きろ液を得た。得られたろ液から溶媒を減圧濃縮により留去することにより固体を得た後に、得られた固体を再結晶(エタノール)により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、目的物である化合物S1(25.9g)を白色固体として得た。収率は90%であった。得られた化合物S1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は97.44%を示した。
H−NMR(THF−d,300MHz):δ(ppm)=7.52(s,2H),7.19(dd,4H),6.83(dd,4H),1.98(s,6H),1.33(s,12H),1.28(s,12H).
<実施例2> 化合物S2の合成
Figure 0006135422
<stage1>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、2,6−ジメチルアニリン(化合物S2a)(3.0g、25mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(7.0g、74mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba)、450mg、0.5mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(290mg、1.0mmol)およびトルエン(180mL)を加え、100℃のオイルバスで加熱しながら攪拌した。その後、そこへ、トルエン(60mL)に溶解させた化合物S2b(26g、62mmol)を30分間かけて滴下した。得られた反応混合物を加熱還流下で16時間攪拌した後に室温まで冷却した。その後、そこへ、トルエン(100mL)を加え、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除き、溶液を得た。得られた溶液をイオン交換水で2回、15重量%の食塩水で1回洗浄した後、減圧濃縮により溶媒を留去することにより固体を得た。得られた固体にヘキサンを加え、攪拌した後に、固形分をろ取し、得られた固形分を再結晶(トルエン/エタノール)により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物S2c(13.2g)を白色固体として得た。収率は95%であった。得られた化合物S2cのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.7%を示した。
TLC/MS(DART positive):m/z=803[M+H]
<Stage2>
(触媒溶液の調整)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)([Ir(OMe)(1,5−cod))]、110mg、0.16mmol)、1,4−ジオキサン(10mL)および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.4mL、2.9mmol)を加え、10分間攪拌した。その後、そこへ、1,4−ジオキサン(5mL)に溶解させた4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(99mg、0.37mmol)を加え、10分間攪拌することにより触媒溶液を得た。
(反応)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物S2c(13g、16mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(化合物S1d)(17g、65mmol)および1,4−ジオキサン(66mL)を加え、アルゴンガスを15分間バブリングした後に、80℃のオイルバスで加熱した。その後、そこへ、上記で調整した触媒溶液を加え、120℃のオイルバスで加熱しながら15時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、減圧濃縮により溶媒を留去した後に、トルエン(80mL)および活性炭(8g)を加え、室温で1時間攪拌した後に、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除いた。得られたろ液から減圧濃縮により溶媒を留去した後、エタノールを加え、析出した固体をろ取し、50℃で一晩減圧乾燥することにより、白色固体(14.5g)を得た。得られた固体を再結晶(トルエン/アセトニトリル)により精製した後、50℃で一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物S2(13.5g)を白色固体として得た。収率は90%であった。得られた化合物S2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%を示した。
TLC/MS(DART positive):m/z=929[M+H]
<実施例3> 金属錯体M1の合成
Figure 0006135422
<stage1>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、fac−Ir(ppy)(40.04g、61.2mmol)、ジクロロメタン(8L)およびN−ブロモスクシンイミド(47.07g、264.4mmol)を加え、68時間攪拌した。その後、析出している固体をろ取し、ジクロロメタンで洗浄し、45℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である化合物M1a(26.4g)を黄色固体として得た。収率は48%であった。得られた化合物のHPLC面積百分率値(検出波長UV280nm)は97%を示した。
<stage2>
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物M1a(9.46g、10.6mmol)、化合物S1(25g、48mmol)、テトラヒドロフラン(860mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.47g、1.3mmol)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(55mL、75mmol)を加え、加熱還流下で40時間反応させた。その後、そこへ、トルエンを加え、得られた有機層をイオン交換水で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に2-プロパノール(700mL)を加え、攪拌した後に固体をろ取した。得られた固体に、トルエン(500mL)および活性炭(10g)を加え、80℃に加熱しながら1時間攪拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除き、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体(44g)を得た。得られた固体を再結晶(トルエン/2−プロパノール)により精製する操作を2回繰り返した後、メタノールで洗浄し、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である金属錯体M1(17g)を黄色固体として得た。収率は94%であった。得られた金属錯体M1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.6%を示した。
LC/MS(APCI positive):m/z=1806[M+H]
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.10(d,3H),7.99(s,3H),7.76−7.67(mult,6H),7.41(s,6H),7.23(d,12H),7.16(d,3H),7.03−6.90(mult,24H),2.08(s,18H),1.30(s,54H).
<実施例4> 金属錯体M2の合成
Figure 0006135422
<stage1>
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物M1a(2.23g、2.5mmol)、化合物S2(10.44g、11.3mmol)、テトラヒドロフラン(200mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.35g、0.30mmol)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.9mL、17.5mmol)を加え、加熱還流下で48時間反応させた。その後、そこへ、トルエンを加え、得られた有機層をイオン交換水で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体に、トルエン(500mL)および活性炭(10g)を加え、80℃に加熱しながら1時間攪拌した後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固形分を取り除き、得られたろ液を減圧濃縮することにより得られた固体を再結晶(トルエン/アセトニトリル)により精製する操作を2回繰り返した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である金属錯体M2(4.9g)を黄色固体として得た。収率は64%であった。得られた金属錯体M2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%を示した。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.12(d,3H),8.02(d,3H),7.75−7.70(mult,3H),7.65(d,3H),7.19(dd,4H),7.52(dt,24H),7.45−7.39(mult,36H),7.31(d,3H),7.22−7.18(mult,3H),7.01−6.94(mult,3H),2.22(s,18H),1.32(s,108H).
<合成例1> 金属錯体CM1の合成
Figure 0006135422
<stage1>
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物M1(750mg、0.84mmol)、化合物CS1(1.62g、3.36mmol)、テトラヒドロフラン(70mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(117mg、0.10mmol)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(4.4g、5.9mmol)を加え、加熱還流下で18時間反応させた。その後、そこへ、トルエンを加え、得られた有機層をイオン交換水で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより固体(2.8g)を得た。得られた固体を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘキサン=2/1)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、再結晶(トルエン/メタノール)により精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である金属錯体MC1(1.17g)を黄色固体として得た。収率は81%であった。得られた金属錯体MC1のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.8%を示した。
LC/MS(APCI positive): m/z=1722[M+H]
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.04(d,3H),7.89(d,3H),7.70(dt,3H),7.64(d,3H),7.48(d,6H),7.29(dt,12H),7.10−6.95(mult,24H),1.31(s,54H).
(単量体)
高分子化合物P1〜P5およびIP1の合成において用いた単量体CM1〜CM11およびこれらの単量体から誘導される構成単位CU1〜CU11の構造を下記表2〜5に示す。
単量体CM1〜CM11は下記の方法に従って合成し、99.5%以上のHPLC面積百分率値を示したものを用いた。
単量体CM1は、特開2010―189630号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM2は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
単量体CM3は、特開2010―189630号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM4は、下記の方法により合成した。
単量体CM5は、下記の方法により合成した。
単量体CM6は、下記の方法により合成した。
単量体CM7は、下記の方法により合成した。
単量体CM8は、特開2011―174062号公報に記載の方法に従って合成した。
単量体CM9は、国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
単量体CM10は、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
単量体CM11は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
Figure 0006135422
<合成例2> 単量体CM4の合成
単量体CM5は、下記の第一工程および第二工程により合成した。
Figure 0006135422
(第一工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM1(24.92g、50mmol)、4−ブロモヨードベンゼン(56.58g、200mmol)、トルエン(300ml)、tert−ブタノール(200ml)、テトラヒドロフラン(150ml)、イオン交換水(100ml)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.156g、1mmol)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(147.27g)を加え、85℃のオイルバスにより加熱しながら2時間攪拌した。その後、そこへ、トルエン(200ml)を加え、室温まで冷却し、水層を分液により除去し。得られた有機層をイオン交換水(200ml)で2回、15重量%食塩水(200ml)で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム(約20g)を加え乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより黄色固体(73g)を得た。得られた黄色固体にメタノール(750ml)を加え、得られたスラリーを室温にて2時間攪拌した後に、アルゴンガス雰囲気下で二日間静置した。得られた固体をろ取し、メタノール(100ml)で洗浄することにより、白色固体(31g)を得た。得られた白色固体を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを再結晶(クロロホルム/メタノール)により精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物CM4a(21.39g)を白色結晶として得た。収率は76.9%であった。得られた化合物CM4aのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.55(d,4H),7.22(d,4H),7.07(s,2H),2.52(t,4H),1.45(m,4H),1.17(m,12H),0.82(t,6H).
(第二工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM4a(11.13g、20mmol)、ビスピナコールジボロン(12.70g、50mmol)、1,4−ジオキサン(100ml)、酢酸カリウム(11.78g、120mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.183g、0.20mmol)およびジフェニルホスフィノフェロセン(0.222g、0.40mmol)を加え、110℃のオイルバスで加熱しながら、還流下で5時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、アルゴンガス雰囲気下で一晩静置した。その後、トルエン(100ml)を加え、セライトを敷いたろ過器に通液することにより不溶物を除去した。得られたろ液を減圧濃縮した後、ヘキサン(120ml)およびトルエン(60ml)を加えた。得られた溶液に活性炭(10g)を加え、90℃のオイルバスで加熱しながら30分間攪拌した後、室温まで冷却した。その後、ろ過により不溶物を除去する操作を2回繰り返すことで、無色透明の液体を得た。得られた無色透明の液体を濃縮することにより、固体(13.9g)を得た。得られた固体を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを再結晶(酢酸エチル/メタノール)により精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物CM4(9.67g)を白色結晶として得た。収率は74.3%であった。HPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.87(d,4H),7.38(d,4H),7.10(s,2H),2.55(t,4H),1.44(m,28H),1.15(m,12H),0.80(t,6H).
<合成例3> 単量体CM5の合成
単量体CM5は、下記の第一工程〜第三工程により合成した。
Figure 0006135422
(第一工程)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、テトラヒドロフラン(市販脱水品、600mL)、マグネシウム(168.2g、6.92mol)およびヨウ素(0.7g、2.7mmol)を加え、45℃に加熱した。その後、そこへ、n−ヘキシルブロミド(224g、1.36mol)を滴下し、テトラヒドロフラン(市販脱水品、880mL)を加えた。その後、そこへ、n−ヘキシルブロミド(895g、5.42mol)をテトラヒドロフラン(市販脱水品、1.82L)で希釈した溶液を3時間かけて滴下し、50℃で2時間撹拌した。その後、そこへ、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)ジクロリド(NiCl(dppp)、29.4g、54.2mmol)を加えた。その後、45℃まで加熱し、同温度で4−クロロトルエン(化合物CM5a、343.5g、2.71mol)を滴下した。その後、65℃まで加熱し、同温度で5時間撹拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液にテトラヒドロフラン(市販脱水品、5.5L)を加えた後、室温まで冷却した。得られた溶液を、7℃まで冷却した塩酸(2mol/L、3.4L)へ滴下した。その後、トルエンを用いて抽出し、得られた有機層を水で洗浄した後に、減圧下で溶媒を留去することにより、目的物である化合物CM5b(425g)を黄色油状物として得た。収率は82%であった。
LC/MS(APPI、positive):[M+]176
(第二工程)
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物CM5b(424.4g、2.23mmol)、ジクロロメタン(1.7L)およびヨウ素(56.6g、223mmol)を加えた後、3℃まで冷却した。その後、臭素(908.7g、5.69mol)を2時間かけて滴下し、5℃で1時間撹拌した後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。その後、イオン交換水およびジクロロメタンを用いて抽出し、得られた有機層を減圧濃縮した。その後、トルエンおよび活性炭を加え、室温で1時間撹拌した後、ろ過した。得られた有機層を減圧濃縮することにより、目的物である化合物CM5c(745.7g)を黄色油状物として得た。収率は87%であった。
LC−MS(APPI、positive):[M+]332
(第三工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM5c(744.5g、1.93mol)、1,2−ジメトキシエタン(6.2L)、酢酸カリウム(1136g、11.6mol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.12kg、4.44mol)および[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II))ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl(dppf)・CHCl、47.3g、57.9mmol)を加え、85℃に加熱しながら24時間撹拌した。その後、室温まで冷却し、トルエンおよび水を用いて抽出し、得られた有機層から溶媒を減圧留去した。得られた残渣にトルエンおよび活性炭を加え、室温で1時間撹拌した後、ろ過した。得られた有機層を塩化ナトリウム水溶液および水で洗浄した後、減圧濃縮し、メタノールを加えた。析出した固体をろ取し、乾燥させた。得られた固体にイソプロパノールを加え、加熱溶解させた後に冷却した。析出した固体をろ取し、乾燥させることにより、単量体CM5(709g)を白色粉末固体として得た。収率は86%であった。得られた単量体CM5のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)=7.53(s,2H),2.81(t,2H),2.48(s,3H),1.55−1.29(m,34H),0.88(t,3H).
LC−MS(APPI、positive):[M+]428
<合成例4> 単量体CM6の合成
単量体CM6は、下記の第一工程および第二工程により合成した。
Figure 0006135422
(第一工程)
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、氷浴により冷却した1,4−ジブチルベンゼン(化合物CM6a、100g、0.53mol)、鉄粉(2.9g、0.053mol)、CHCl(140mL)およびトリフルオロ酢酸(4mL)を加えた。その後、そこへ、臭素(185g、1.16mol)をクロロホルム(330mL)で希釈した溶液を滴下し、4時間撹拌した後に、水酸化カリウム水溶液(2mol/L、250mL)で洗浄することにより油層を得た。得られた油層をイオン交換水で水層が無色透明になるまで繰り返し洗浄した後に、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することでオレンジ色の油状物を得た。得られた油状物をヘキサン(500mL)で希釈した後、活性炭(15g)を加え撹拌し、セライトを敷いたろ過器に通液することで不溶物を除去した。得られたろ液を減圧濃縮した後、再結晶(エタノール)により精製する操作を3回繰り返すことにより、目的物であるCM6b(120g)を白色粉末として得た。収率は94%であった。
1H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.35(s,2H),2.64(t,4H),1.61−1.51(m,4H),1.42−1.35(m,4H),0.94(t,6H).
13C−NMR(75.5MHz,CDCl):δ(ppm)=141.56,134.05,123.35,35.52,32.24,22.73,14.21.
LC/MS(APPI,positive):m/z=346([M]
(第二工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM6b(100g、288mmol)、ビスピナコレートジボロン(168g、660mmol)、酢酸カリウム(170g、1724mmol)、脱水ジオキサン(1340mL)およびPdCl(dppf)・CHCl(14.12g、17.28mmol)を加え、110℃のオイルバスで加熱しながら12時間撹拌した後、溶媒を減圧留去することにより混合物を得た。得られた混合物にトルエン(1.5L)を加え、攪拌した後に、セライトをしいたろ過器に通液することで不溶物を除去し、ろ液を得た。得られたろ液をイオン交換水(1.5L)を用いて洗浄することにより油層を得た。得られた油層に、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、赤色タール状物(185g)を得た。得られた赤色タール状物に、トルエン(2L)および活性炭200gを加え、80℃で2時間加熱撹拌した後に、セライトを敷いたろ過器に通液することで不溶物を除去し、ろ液を得た。得られたろ液を減圧濃縮した後、再結晶(ヘキサン)により精製し、次いで、再結晶(エタノール)により精製する操作を2回繰り返した後、室温で2日間減圧乾燥することで、目的物である化合物CM6(80g)を白色結晶として得た。収率は63%であった。得られた単量体CM6のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.53(s,2H),2.82(t,4H),1.59−1.33(mult,32H),0.92(t,6H).
13C−NMR(75.5MHz,CDCl):δ(ppm)=146.09,136.47,83.26,35.97,35.19,24.83,23.00,14.02.
TLC/MS(DART, positive):m/z=440([M]),441[M+H]).
<合成例5> 単量体CM7の合成
単量体CM7は、下記の第一工程〜第三工程により合成した。
Figure 0006135422
(第一工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、マグネシウム(6.12g、252mmol)、テトラヒドロフラン(72ml)およびヨウ素(約0.1g)を加え、加熱還流下で1時間攪拌することでヨウ素の色が消失させ、マグネシウムを活性化した。その後、そこへ、1−ブロモ−2−シクロヘキシルエタン(34.4g、180mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)に希釈した溶液を1.5時間かけて滴下した。その後、70℃のオイルバスで加熱しながら還流下で1時間攪拌し、得られた溶液を、アルゴンガス雰囲気下において、グラスフィルターを用いて加圧ろ過することにより余剰のマグネシウムを除去することで溶液を得た(以下、Grignard溶液という。)。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ジブロモベンゼン(化合物CM7a、16.99g、72mmol)、PdCl(dppf)(300mg、0.36mmol)およびテトラヒドロフラン(72ml)を加えた。その後、上記Grignard溶液を室温にて30分間かけて滴下した。その後、75℃のオイルバスで加熱しながら還流下で4時間攪拌した。その後、氷浴にて冷却し、塩酸(2mol/L、80mL)を加えた。その後、室温にて1時間攪拌し、一晩室温にて静置した。その後、そこへ、ヘキサン(300ml)を加え、水層を分液により除去することで油層を得た。得られた油層をイオン交換水(200ml)、15重量%食塩水(200ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、約24gのオレンジ色の固体を得た。得られたオレンジ色の固体を、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製することにより、白色固体(18.55g)を得た。得られた白色固体を再結晶(エタノール)により精製し、室温にて2日間減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM7b(13.61g)を白色針状結晶として得た。収率は63%であった。得られた化合物CM7bのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.3%を示した。
1H−NMR(300MHz,THF−d):δ(ppm)=7.05(s,4H),2.58(t,4H),1.74(m,10H),1.49(q,4H),1.24(m,8H),0.94(q,4H).
(第二工程)
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM7b(20.0g、67mmol)、鉄粉(0.37g、6.7mmol)およびクロロホルム(30ml)を加え、氷浴にて冷却した後に、トリフルオロ酢酸(0.50ml、6.7mmol)を加え、2分間攪拌した。その後、臭素(23.6g、147.4mmol)をクロロホルム(40ml)に希釈した溶液を3時間かけて滴下した。その後、氷浴にて冷却しながら6時間攪拌し、室温にて一晩静置した。その後、室温にて6時間攪拌し、得られた反応溶液を水酸化ナトリウム水溶液(10重量%、140g)へと加えた後、室温にて1時間攪拌した。その後、分液により水層を分離することで油層を得た。得られた油層に亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%、150g)を加え、1時間攪拌した後に、分液により水層を分離することで油層を得た。得られた油層をイオン交換水(150ml)、15重量%食塩水(150ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。その後、固体をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、約31gの白色固体を得た。得られた白色固体を再結晶(エタノール)により精製することにより、白色針状結晶(約25g)を得た。得られた白色針状結晶をヘキサンに溶解させた後、シリカゲルショートカラムに通液した。その後、減圧濃縮し、再結晶(エタノール)により精製することにより、目的物である化合物CM7c(21.87g)を白色針状結晶として得た。収率は71.5%であった。得られた化合物CM7cのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
1H−NMR(300MHz,THF−d):δ(ppm)=7.45(s,2H),2.70(m,4H),1.76(m,10H),1.48(m,4H),1.28(m,8H),1.01(m,4H).
(第三工程)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CM7c(20.534g、45mmol)、ビスピナコールジボロン(28.57g、112.5mmol)、酢酸カリウム(13.25g、135mmol)、1,2−ジメトキシエタン(225ml)、酢酸パラジウム 0.303g、1.35mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロボレート塩(PCy・HBF、0.994g、2.70mmol)を加え、100℃のオイルバスで加熱しながら還流下で24時間攪拌した。その後、そこへ、ビスピナコールジボロン(11.41g、45mmol)および酢酸カリウム(4.43g、45mmol)を加え、加熱還流下で3時間攪拌した。その後、そこへ、酢酸パラジウム(0.151g、0.67mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロボレート塩(PCy・HBF、0.497g、1.35mmol)を加え、加熱還流下で7時間攪拌した。その後、そこへ、Pd(OAc)(0.151g、0.67mmol)およびPCy・HBF(0.497g、1.35mmol)を加え、加熱還流下で12時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、ヘキサン(500ml)を加え、セライトをしいたろ過器に通液するとともに、セライトをトルエン(2L)で洗浄し、それぞれで得られたろ液を混合した後、濃縮することにより黄色固体(約35g)を得た。得られた黄色固体をヘキサンおよびクロロホルムの混合溶媒(ヘキサン/クロロホルム=7/3(v/v))(800ml)に溶解させた後、シリカゲルショートカラムに通液した。その後、濃縮することにより黄色固体(約26g)を得た。得られた黄色固体をクロロホルム(40ml)に溶解させた後、メタノール(120ml)を滴下し、室温まで冷却することにより固体を得た。得られた固体をトルエン(800ml)に溶解させた後、活性炭(26g)を加え、90℃で1時間攪拌した後にセライトを敷いたろ過器に通液することで不溶物を除去し、減圧濃縮した後に、メタノールを加えることにより固体を析出させ、得られた固体をろ取することにより黄色固体(約17g)を得た。得られた黄色固体を再結晶(トルエン)により精製する操作を3回繰り返した後、減圧乾燥することにより、目的物である化合物CM7(16.17g)を白色固体として得た。収率は65.3%であった。得られた化合物CM7のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%を示した。
1H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.52(s,2H),2.82(m,4H),1.72(m,10H),1.42−1.12(m,38H),0.93(q,4H).
<合成例6> 高分子化合物P1の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表6に示す単量体混合物P1aおよびトルエン(54mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、酢酸パラジウム(0.45mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(2.99mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(18.9g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、2.5時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。反応液中に存在する高分子化合物のMnは6.1×10であり、Mw=1.1×10であった。
(工程2)得られた反応液に、下記表6に示す単量体混合物P1bおよびトルエン(29ml)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、酢酸パラジウム(0.67mg)およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.57mg)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、4.5時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(264mg)、酢酸パラジウム(1.27mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(7.49mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(18.9g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で16時間攪拌した。
(工程4)得られた反応液に、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後に、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で4回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラムおよびシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P1(3.523g)を得た。高分子化合物P1のMnは4.2×10であり、Mwは1.0×10であった。
Figure 0006135422
<合成例7> 高分子化合物P2の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表7に示す単量体混合物P2aおよびトルエン(29mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、酢酸パラジウム(0.11mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(1.00mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.3g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、2.5時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。反応液中に存在する高分子化合物のMnは8.7×10であり、Mw=1.2×10であった。
(工程2)得られた反応液に、下記表7に示す単量体混合物P2bおよびトルエン(13ml)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、酢酸パラジウム(0.47mg)およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(3.23mg)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、5時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(144mg)、酢酸パラジウム(0.57mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.10mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.3g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、16時間攪拌した。
(工程4)は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P2(1.766g)を得た。高分子化合物P2のMnは4.1×10であり、Mwは1.1×10であった。
Figure 0006135422
<合成例8> 高分子化合物P3の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表8に示す単量体混合物P3aおよびトルエン(38mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(0.66mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14.9g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、4時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。反応液中に存在する高分子化合物のMnは5.8×10であり、Mwは9.6×10であった。
(工程2)得られた反応液に、下記表8に示す単量体混合物P3bおよびトルエン(20ml)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(3.08mg)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、7時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(208mg)、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(3.65mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(14.9g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、1時間攪拌した。
(工程4)は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P3(2.414g)を得た。高分子化合物P3のMnは4.3×10であり、Mwは1.1×10であった。
Figure 0006135422
<合成例9> 高分子化合物P4の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表9に示す単量体混合物P4aおよびトルエン(27mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(0.39mg)、および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.7g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、3時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。反応液中に存在する高分子化合物のMnは5.4×10であり、Mwは9.2×10であった。
(工程2)得られた反応液に、下記表9に示す単量体混合物P4bおよびトルエン(15ml)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(2.19mg)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、4.5時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(150mg)、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(2.64mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.7g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、15.5時間攪拌した。
(工程4)は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P4(1.70g)を得た。高分子化合物P4のMnは4.4×10であり、Mwは1.1×10であった。
Figure 0006135422
<合成例10> 高分子化合物P5の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表10に示す単量体混合物P5aおよびトルエン(27mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(0.47mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、3時間攪拌することで、高分子化合物を含む反応液を得た。反応液中に存在する高分子化合物のMnは5.6×10であり、Mwは9.4×10であった。
(工程2)得られた反応液に、下記表10に示す単量体混合物P5bおよびトルエン(15ml)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(2.20mg)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、5時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(147mg)、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(2.59mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、15時間攪拌した。
(工程4)は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物P5(1.68g)を得た。高分子化合物P5のMnは4.2×10であり、Mwは1.1×10であった。
Figure 0006135422
<合成例11> 高分子化合物IP1の合成
(工程1および2)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記表11に示す単量体混合物IPaおよびトルエン(580mL)を加え、80℃に加熱した。その後、そこへ、酢酸パラジウム4.3mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(27.0mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(68.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、約7時間攪拌した。
(工程3)得られた反応液に、フェニルボロン酸(0.23g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(13.4mg)および20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(68.5g)を加え、オイルバスの温度を100℃とすることで更に加熱し、還流下で、16時間攪拌した。
(工程4)は、高分子化合物P1の合成と同様にすることで、高分子化合物IP1(19.5g)を得た。高分子化合物IP1のMnは7.5×10であり、Mwは3.6×10であった。
Figure 0006135422
高分子化合物P1〜P5およびIP1は、上記表6〜11に示す単量体の仕込み比(モル比)から求めた理論値では、以下の表12に示す構成単位およびモル比で構成されてなる共重合体である。
なお、表12中、「構成単位」の欄に示される各構成単位は、「構成単位群」に示される「PAa」から選ばれる構成単位と「PAb」から選ばれる構成単位とが、「ブロック(A)」中において、交互に重合しており、同様に、「PBa」から選ばれる構成単位と「PBb」から選ばれる構成単位とが、「ブロック(B)」中において、交互に重合していることを示す。表12中、「ブロック(A)」とは、各高分子化合物の合成における(工程1)において用いられた単量体から誘導される構成単位からなるブロックであり、「ブロック(B)」とは、高分子化合物の合成における(工程2)において用いられた単量体から誘導される構成単位からなるブロックである。また、表12中には、高分子化合物の合成における(工程1)で得られた高分子化合物のポリスチレン換算の分子量および(工程4)で得られた高分子化合物のポリスチレン換算の分子量に関してもまとめて記載した。
Figure 0006135422
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製および評価
(発光素子CD1の作製)
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに高分子化合物IP1を0.65重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)を2.2重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより発光層とした形成した。
(陰極の形成)
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=70重量%/30重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD2を作製した。
発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD3を作製した。
発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D1> 発光素子D1の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体M1(高分子化合物P1/金属錯体M1=80重量%/20重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D1を作製した。
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D2> 発光素子D2の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体M1(高分子化合物P1/金属錯体M1=70重量%/30重量%)を用いた以外は比較例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。
発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D3> 発光素子D3の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体M2(高分子化合物P1/金属錯体M2=70重量%/30重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D3を作製した。
発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D4> 発光素子D4の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P1および金属錯体M2(高分子化合物P1/金属錯体M2=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D4を作製した。
発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D5> 発光素子D5の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P2および金属錯体M1(高分子化合物P2/金属錯体M1=70重量%/30重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D5を作製した。
発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D6> 発光素子D6の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P3および金属錯体M2(高分子化合物P3/金属錯体M2=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D6を作製した。
発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D7> 発光素子D7の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P4および金属錯体M2(高分子化合物P4/金属錯体M2=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D7を作製した。
発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
<実施例D8> 発光素子D8の作製および評価
比較例CD1における、高分子化合物P1および金属錯体MC1(高分子化合物P1/金属錯体MC1=80重量%/20重量%)に代えて、高分子化合物P5および金属錯体M2(高分子化合物P5/金属錯体M2=60重量%/40重量%)を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D8を作製した。
発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/mにおける外部量子効率EQE[%]、発光スペクトルピーク波長[nm]およびCIE色度座標(x、y)を表13にそれぞれ示す。
Figure 0006135422
<実施例:発光素子の安定性評価>
本発明の金属錯体を用いた上記発光素子D1〜D8に関して、初期輝度が12000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、発光輝度が初期輝度の50%となるときのまでの所要時間を測定した。この初期輝度の50%となるまでに要した時間を輝度半減寿命(下記表中でLT50と表す。)と呼ぶ。これらの結果を下記表14に示す。
Figure 0006135422
これらの結果から、本発明の金属錯体M1およびM2を用いて得られる発光素子は、金属錯体MC1を用いて得られる発光素子と比較して、外部量子効率に優れることがわかる。また、本発明の金属錯体M1およびM2を用いた発光素子は、そのCIE色度座標(x、y)から、良好な緑色発光を示すものであることがわかる。そして、金属錯体M1および金属錯体M2を用いて得られる発光素子は、輝度寿命にも優れるものであり、金属錯体M2を用いて得られる発光素子の輝度寿命は特に安定性に優れるものであることがわかる。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される金属錯体。
    Figure 0006135422
    [式(1)中、
    は、1、2または3を表す。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、環を構成する炭素原子、酸素原子または窒素原子であってもよい。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    は、3または4を表す。
    およびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。複数存在するEは、同一でも異なっていてもよく、Eが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、Rは存在しても存在しなくてもよい。
    、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、R、R、RおよびRが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するR同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRと、Rとが結合して、Rが結合するEおよびRが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RとRとが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。ただし、R、RおよびRの少なくとも1つは、下記式(2)で表される基である。
    環Aは、窒素原子、Eおよびm 個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。]
    Figure 0006135422
    [式(2)中、
    およびRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
    およびRは、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  2. 下記式(1−a)で表される、請求項1に記載の金属錯体。
    Figure 0006135422
    [式(1−a)中、
    、R、R、R、A、A、Gおよびn1は、前記と同じ意味を表す。
    10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R10、R11、R12およびR13が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R10とR11が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R11とR12が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R12とR13が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
  3. 前記式(2)で表される基が、下記式(2−1)で表される基または下記式(2−2)で表される基である、請求項2に記載の金属錯体。
    Figure 0006135422
    [式(2−1)〜式(2−2)中、
    およびRは、前記と同じ意味を表す。
    1g、R2g、R3g、R11g、R12g、R13g、R14gおよびR15gは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。複数存在するR1g、R2g、R3g、R11g、R12g、R13g、R14gおよびR15gは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
  4. 前記Rが、前記式(2)で表される基である、請求項2または3に記載の金属錯体。
  5. 前記R、RおよびRが、水素原子である、請求項4に記載の金属錯体。
  6. 前記R10、R11、R12およびR13が、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、かつ、前記R10、R11、R12およびR13の少なくとも3つが水素原子である、請求項5に記載の金属錯体。
  7. 前記nが、3である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属錯体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体と、
    下記式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物とを含有する組成物。
    Figure 0006135422
    [式(Y)中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体と、
    正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体を用いて得られる発光素子。
  11. 下記式(9)で表される化合物。
    Figure 0006135422
    [式(9)中、
    およびRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
    およびRは、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもてよい。
    は、−B(ORW1で表される基(RW1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  12. 請求項11に記載の前記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される金属錯体とを反応させる工程を含む、請求項1に記載の前記式(1)で表される金属錯体の製造方法。
    Figure 0006135422
    [式(10)中、
    は、1、2または3を表す。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、環を構成する炭素原子、酸素原子または窒素原子であってもよい。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    は、3または4を表す。
    およびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。複数存在するEは、同一でも異なっていてもよく、Eが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、Rは存在しても存在しなくてもよい。
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、R16、R17およびR18は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、−B(ORW1で表される基(RW1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)、アルカンスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、R19は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよく、R16、R17、R18およびR19が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するR同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRと、R16とが結合して、Rが結合するEおよびR16が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。R16とR17とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R17とR18とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R18とR19とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。ただし、R16、R17およびR18の少なくとも1つは、−B(ORW1で表される基、アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
    環Aは、窒素原子、Eおよびm 個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。]
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