JP2015110263A - 汚染物質除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライアイスペレットを噴射ノズルに供給するための供給ホースを長く伸ばして除染作業の能率を向上させることができる汚染物質除去方法を提供する。
【解決手段】ドライアイスペレットDPに硬化剤としてエチルアルコールALが添加され、圧縮空気に冷却剤として窒素ガス35が混入されることによって、ドライアイスペレットDPの衝撃エネルギーの低下を抑制して、ペレット供給ホース21a及びエア供給ホース22aを例えば100m位まで長く伸ばすことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、有毒物質、放射性物質、細菌等の汚染物質(有害な物質)を除去する方法に関する。
例えば高速道路のトンネルにおいては、定期的に壁面や灯具の清掃・補修が行われるが、自動車の排気ガスに由来する黒煤、NOx粉塵、SOx粉塵、PM粉塵、ダイオキシン等の有毒物質(汚染物質)が問題視されている。すなわち、清掃の際に発生する塵埃や処理水が大気、水、土等の環境を汚染したり、除染作業者や周辺住民の健康を阻害したりするおそれがある。そこで、特許文献1では、二次汚染が発生しないドライアイスペレットをブラストメディア(投射材)とし、ブラストノズル(噴射ノズル)及び噴射領域を覆うカバーにより囲まれた移動作業区画を備え、そのカバー内の汚染物質を負圧吸引することによって、汚染の拡大を防止している。
また、例えば原子力発電所や核燃料再処理工場等においては、放射性廃棄物、建屋等の放射性物質(汚染物質)を除染する際に発生する塵埃や処理水が大気、水、土等の環境を汚染したり、除染作業者や周辺住民の健康を阻害したりするおそれがある。そこで、特許文献2では、二次汚染が発生しないドライアイスペレットをブラストメディア(投射材)とし、遮断壁により囲まれブラストガン(噴射ノズル)を収容する移動作業室と、噴射領域を覆うフードとを備え、そのフード内の汚染物質を負圧吸引することによって、汚染の拡大を防止している。
特許文献1,2のようにドライアイスペレットの噴射ノズルを含む作業区画を移動可能とすることによって、トンネル内部、原発建屋内部等の全体を効率的に除染できる。しかし、このような場合にドライアイスペレットの供給ホースを長く伸ばして作業区画の移動範囲を広げようとしても、搬送距離が長くなるにつれてノズルから噴出するドライアイスペレットが徐々に小さくなり、やがて噴射ノズルからペレットが噴射しなくなって剥離機能が失われる現象が発生する。合成樹脂製の供給ホースを介して噴射ノズルに供給されるドライアイスペレットは、ペレット同士の接触(及び摩擦)によって、あるいは供給ホース内面とペレットとの接触(及び摩擦)によって、物理的に削られたり、供給ホース内面との付着・離脱を繰り返したり、摩擦熱の発生に伴う温度上昇により噴射前に昇華が進んだりする結果、次第に小さくなると考えられる。また、圧縮空気がエア供給ホースを流れる間に温度上昇すると、混合時にドライアイスペレットへ伝熱してドライアイスペレットの昇華ひいては衝撃エネルギーの低下を促進することも想定される。これらが相乗的に作用する結果、一般的には供給ホースによるドライアイスペレットの搬送可能距離は10m未満とされている。
ところで、高速道路のトンネルの半径が10m以上に達する場合や、原発建屋での移動距離が10m以上必要な場合はたびたび発生する。このような場合、噴射ノズルの他にペレット及び圧縮空気の供給源(少なくともその一部)を移動作業区画とともにトンネル内あるいは建屋内で移動させないと除染作業が継続できなくなり、除染作業の能率が低下し、除染コストが上昇する。
特開平10−337667号公報 特開2013−210210号公報
本発明の課題は、ドライアイスペレットを噴射ノズルに供給するための供給ホースを長く伸ばして除染作業の能率を向上させることができる汚染物質除去方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の汚染物質除去方法は、
ペレット供給ホースを介して供給されるドライアイスペレットとエア供給ホースを介して供給される圧縮空気とを噴射ノズルで混合し、汚染物質が付着した汚染面に噴射してその汚染物質を該汚染面から剥離し、その剥離した汚染物質を捕獲して回収する汚染物質除去方法において、
前記圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間の空気流路途中において、その空気流路内を通過する圧縮空気を0℃以下に冷却する冷却剤が不活性ガス状態で混入され、
前記噴射ノズルから前記ドライアイスペレットと圧縮空気とが前記汚染面に噴射されたとき、前記冷却剤は不活性ガスとして、前記ドライアイスペレットにより剥離された汚染物質及び前記ドライアイスペレットが昇華した二酸化炭素とともに回収されることを特徴とする。
このように、冷却剤の混入により圧縮空気を0℃以下に冷却するので、ドライアイスペレットが壊れにくく(削られにくく)なり、温度上昇が抑制されて噴射前(厳密に言えば、汚染物質剥離前)の昇華が進みにくくなる。その結果、ペレット供給ホース(及びエア供給ホース)を長く(例えば100m程度あるいはそれ以上まで)伸ばして広範な作業領域を確保でき、除染作業の能率を向上させることができる。
本発明において「汚染物質」は、有毒物質、放射性物質、細菌等のように大気、水、土等の環境を汚染したり、除染作業者や周辺住民の健康を阻害したりするおそれのある有害な物質一般をいう。例えば高速道路のトンネルにおいては、主として黒煤、NOx粉塵、SOx粉塵、PM粉塵、ダイオキシン等の有毒物質である。また、原子力発電所、核燃料再処理工場及びそれらの周辺地域においては、主としてセシウム、プルトニウム等の放射性物質である。
捕獲装置は、例えば面状の不織布系エアフィルタと、その下流に活性炭層及びゼオライト層の一方及び他方を直列に備え、エアフィルタ、活性炭層及びゼオライト層の一方及び他方を通過した、汚染物質除去後の空気を排出する。
ところで、ドライアイスペレットの硬度を高めるために硬化剤を添加する場合、その硬化剤はエチルアルコール、メチルアルコール等のアルコール類であり、ドライアイスブロックを切削して得られた粉末状(パウダー状)のドライアイス(すなわちドライアイスパウダー)、あるいは液体二酸化炭素が固化した粉末状(雪状)のドライアイス(すなわちドライアイススノー)を押し固めてドライアイスペレットに成形する際に噴霧して添加される。
ドライアイスペレットの成形時に硬化剤としてのアルコール類を噴霧することによって、ペレットの硬さを均一に高めることができる。なお、硬化剤にはエチルアルコール、メチルアルコールの他、芳香族アルコール(例えば、ベンジルアルコール、サリチルアルコール)や脂環式アルコール(例えば、シクロヘキサノール、シクロオクタノール)等を含む。
ドライアイスペレットは、硬化剤を添加後のモース硬度が2.5〜3になるように調製される。
硬化剤の添加によってドライアイスペレットのモース硬度が2.5〜3に向上することにより、ペレット供給ホースを長く伸ばしても、ペレット同士の接触(及び摩擦)や供給ホース内面との接触(及び摩擦)に強い(壊れにくく削られにくい)ペレットとなる。硬化剤を添加したドライアイスペレットのモース硬度は石膏(モース硬度2)よりも硬く方解石(モース硬度3)とは同程度である。なお、モース硬度が2.5を下回ると、ペレット同士の接触や供給ホース内面との接触によってドライアイスペレットが噴射前に小さくなり衝撃エネルギーが不足するおそれがある。一方、モース硬度が3を上回ると衝撃エネルギーが大きくなって汚染面を傷つけるおそれがある。
冷却剤は窒素ガス、二酸化炭素又は希ガスであり、圧縮空気が噴射ノズルから汚染面に噴射されるとき空気流路を流れる圧縮空気に混入される。
空気流路での冷却剤の混入により、圧縮空気は空気流路に続くエア供給ホース内でも低温(0℃以下)を維持しやすくなり、噴射ノズルから噴射されるドライアイスペレットの衝撃エネルギーの低下を抑制できる。なお、冷却剤には窒素ガス、二酸化炭素の他、希ガス、すなわち、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンを含む。
圧縮空気は、冷却剤の混入時の温度が0℃〜−10℃になるように調整される。
冷却剤の混入によって圧縮空気の温度を、圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間(すなわち、エア供給ホースよりも上流側)において0℃〜−10℃とすることにより、ペレット供給ホース(及びエア供給ホース)を長く伸ばしても圧縮空気の温度が低く維持され、噴射ノズルから噴射されるドライアイスペレットの衝撃エネルギーの低下を抑制できる。なお、圧縮空気の温度がエア供給ホースよりも上流側で0℃を上回ると汚染面との衝突前にドライアイスペレットの昇華が進み、ドライアイスペレットの衝撃エネルギーが低下するおそれがある。一方、圧縮空気の温度がエア供給ホースより上流側で−10℃を下回るとエア供給ホースが凍結して、品質の劣化が進行し損傷しやすくなる。
本発明に係る汚染物質除去方法をトンネル内の除染に適用した例を示す概要図。 本発明に係る汚染物質除去方法を原発建屋内の除染に適用した例を示す概要図。 図1と図2に共通の要部である供給エリアを拡大して示す説明図。 捕獲装置の主要部を拡大して示す説明図。 図3の変形例を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係る汚染物質除去方法の適用例としてトンネル内の除染を例示する概要図である。図1の概念図に示す汚染物質除去装置1は、汚染物質RMが付着したトンネルTNの壁面PS(汚染面)に噴射されるドライアイスペレットDPを供給するペレット供給部21と、作業者によって把持され、ドライアイスペレットDPを壁面PSに噴射する噴射ノズル24(噴射ガン)とを備える。また、汚染物質除去装置1は、汚染物質RMが飛散しないように、ドライアイスペレットDPが噴射される壁面PSの周辺の空間を被う蛇腹開閉式のブース3と、そのブース3内に位置して壁面PSから剥離された汚染物質RMを吸引する負圧吸引部4(吸引口)と、その負圧吸引部4から連通手段としての蛇腹伸縮式のホース6を介して接続され、負圧吸引部4で吸引されホース6を介して移送される汚染物質RMを捕獲部72(フィルタ装置)に集め、かつ空気とともに通過させる過程で汚染物質RMを捕獲する捕獲装置5とを備える。さらに、汚染物質除去装置1は、負圧吸引部4に作用する負圧を生じさせる負圧発生装置としての負圧ポンプ8(吸引ポンプ)を備える。
この汚染物質除去装置1は、黒煤、NOx粉塵、SOx粉塵等の有毒物質である汚染物質RMで汚染された壁面PSを除染する。例えば移動可能な高所作業車100の昇降作業台101には、噴射ノズル24を把持した作業者が乗り込み、噴射ノズル24から壁面PSにドライアイスペレットDPが噴射される。この昇降作業台101の全体と除染する壁面PSの一部とがブース3で隔離される。ペレット供給部21,捕獲装置5,負圧ポンプ8等はトンネルTNの外部に配置される。
この汚染物質除去装置1では、ペレット供給ホース21aを介して供給されるドライアイスペレットDPとエア供給ホース22aを介して供給される圧縮空気とを噴射ノズル24で混合し、汚染物質RMが付着した壁面PSに噴射してその汚染物質RMを壁面PSから剥離し、その剥離した汚染物質RMを捕獲装置5で捕獲して回収する。ペレット供給ホース21a及びエア供給ホース22aは硬質又は軟質の合成樹脂製である。なお、圧縮空気の供給源であるエアコンプレッサ11及びエアドライヤ12からペレット供給部21まで空気流路13の固定配管(鋳鉄管、ステンレス鋼管、銅管等の金属管)が直列的かつ一直線状に接続され、ペレット供給部21でエア供給ホース22aに接続されている。したがって、圧縮空気は、エアコンプレッサ11からエアドライヤ12、空気流路13、エア供給ホース22aを経て噴射ノズル24へ供給される。
捕獲装置5には、ブース3から負圧ポンプ8で吸引され、汚染物質RM、ドライアイスペレットDPが昇華した二酸化炭素等を含んだ空気から、壁面コンクリート等の固体のかけらを気体との質量差によって分離する分離室71が設けられ、さらにその下流側に汚染物質RM等を吸着して捕獲するための捕獲部72(フィルタ装置)が接続されている。なお、実施例では分離室71と捕獲部72との間に負圧ポンプ8を設けているが、分離室71の前方又は捕獲部72の後方に負圧ポンプ8を設けてもよい。また、分離室71にはサイクロン等の分離装置を設けて固体を分離してもよい。
図4に示すように、分離室71の下流の捕獲部72(フィルタ装置)には、面状の不織布系エアフィルタであるHEPAフィルタ72a、その下流に活性炭層72b、さらにその下流にゼオライト層72cが、上下方向に直列状に配置されている。HEPAフィルタ72aと活性炭層72bとの間、及び活性炭層72bとゼオライト層72cとの間は、所定長さの接続管73でそれぞれ接続されている。負圧ポンプ8で吸引され捕獲部72に導入された空気は、HEPAフィルタ72a→活性炭層72b→ゼオライト層72cの各々を通過する間に汚染物質RM、二酸化炭素(ドライアイスペレットDPが昇華したもの)等の所定成分が選択的に吸着・捕集されるので、これらを通過した後の空気を大気中に排出できるようになる。なお、HEPAフィルタ72a→ゼオライト層72c→活性炭層72bの順に通過するようにしてもよい。
上記したHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)72aは繊維径1μm以下のろ紙状繊維層であり、粒径0.1μmの粒子でも99.99%以上の集塵率を有する。したがって、不織布系エアフィルタとしてHEPAフィルタ72aを用いることにより、微細な固形物(例えば、チリ、ホコリ、土粒子、昇華しなかったドライアイス等)、場合によっては所定の放射性汚染物質等も捕獲できる可能性がある。また、活性炭層72bやゼオライト層72cにより放射性汚染物質である、例えばセシウム134,137等の吸着や捕獲が行われる。活性炭は高い吸着能を有する多孔質の炭素性物質であり、ゼオライト(沸石ともいう)は気体の選別的吸着性をもつ分子ふるいとなるので、ドライアイスが昇華した二酸化炭素、後述するエチルアルコールや窒素ガス等の捕獲も一定範囲で可能である。
ゼオライト層72cの出口側には、残留する放射線量を測定するセンサ74が設けられ、センサ74の測定値に基づいて切換コントローラ75が2つの切換弁を制御している。すなわち、センサ74による残留放射線量の測定値が許容範囲内であるとき、切換コントローラ75は出口側の第一切換弁76を開いて、通過後の空気を大気中に排出する(循環側の第二切換弁77は閉じる)。一方、測定値が許容範囲外であるとき、切換コントローラ75は出口側の第一切換弁76を閉じ、循環側の第二切換弁77を開いて、通過後の空気を分離室71及び負圧ポンプ8を経由して(図1,図2参照)HEPAフィルタ72a、活性炭層72b及びゼオライト層72cへ循環する。
このように、ドライアイスペレットDP噴射時の衝撃エネルギーによって汚染物質RMを壁面PSから剥離し、ドライアイスペレットDPの全部又はそのほとんどは昇華して気体となるので、効率的かつ安全に除染作業が行える。
次に、図2は本発明に係る汚染物質除去方法の適用例として原発建屋内の除染を例示する概要図である。図2の概念図に示す汚染物質除去装置1では、放射性汚染物質RMが付着した原発建屋BLの壁面PS(汚染面)に、ドライアイスペレットDPが噴射される。つまり、この汚染物質除去装置1は、セシウム、プルトニウム等の放射性汚染物質RMで汚染された壁面PSを除染する。例えば移動可能な無人走行車200の昇降作業台201には、遠隔操作可能な噴射ノズル24が搭載され、噴射ノズル24から壁面PSにドライアイスペレットDPが噴射される。この昇降作業台201の全体と除染する壁面PSの一部とがブース3で隔離される。ペレット供給部21,捕獲装置5,負圧ポンプ8等は原発建屋BLの外部に配置され、安全のため原発建屋BL内を無人で除染する。
図3は図1と図2に共通の要部である供給エリアを拡大して示す説明図である。図3に示すように、ボンベに入った液体二酸化炭素31を断熱膨張させつつシリンダ32に噴出させると粉末状(雪状)に固化し(凝固点(昇華点)−78.5℃)、その粉末状のドライアイススノーD1をピストン33で押し固めると棒状のドライアイスD2ができる。この棒状のドライアイスD2をカッタ34で切断すると、円柱状のドライアイスペレットDPができる。粉末状ドライアイススノーD1を押し固める際に、シリンダ32内にエチルアルコールALを噴霧することによって、ドライアイスペレットDPにエチルアルコールALを均一に添加する。
ドライアイスペレットDPにエチルアルコールALを添加することによって、通常のドライアイスペレットDPではモース硬度1.5(滑石より硬く石膏より柔らかい)〜2(石膏と同程度)であったものが、モース硬度2.5(石膏より硬く方解石より柔らかい)〜3(方解石と同程度)に硬化する。エチルアルコールALを硬化剤として添加し、硬度を高めたドライアイスペレットDPを噴射ノズル24から噴射させることによって、ペレット供給ホース22aで搬送中に形状変化(小さくなったり、割れたり)しなくなり、衝撃エネルギーの低下が抑制される。また、ドライアイスペレットDPのブラスト時には、エチルアルコールALは常温で揮発性を有し、活性炭層72bやゼオライト層72cに吸着されるので二次汚染は発生しない。
ドライアイスペレットDPは、円柱状、角柱状等の所定の形状(例えば直径2〜3mm、長さ2〜6mmくらいの短軸円柱状)に形成されているので、これをそのままペレット供給部21のペレットホッパ21bに投入する。噴射ノズル24に供給される圧縮空気のベンチュリ効果により、ペレットホッパ21b内のドライアイスペレットDPが吸引され、ペレット供給ホース21aを介して噴射ノズル24へ供給され、圧縮空気に混合された状態で噴射ノズル24から噴射される。
エアドライヤ12とペレット供給部21との間の空気流路13(金属製管路)に、ボンベに入った液体窒素を蒸発(沸点−195.8℃)させた窒素ガス35を不活性ガス状態で混入すると、空気流路13内を通過する圧縮空気は0℃以下(具体的には0℃〜−10℃)に冷却される。このように、空気流路13に窒素ガス35を冷却剤として混入することによって、ドライアイスペレットDPの衝撃エネルギーの低下を抑制できる。また、ドライアイスペレットDPのブラスト時には、窒素ガス35は不活性ガス状態であり、活性炭層72bやゼオライト層72cに吸着されるので二次汚染は発生しない。
このように、ドライアイスペレットDPに硬化剤としてエチルアルコールALが添加され、また圧縮空気に冷却剤として窒素ガス35が混入されることによって、ドライアイスペレットDPの衝撃エネルギーの低下を抑制して、ペレット供給ホース21a(及びエア供給ホース22a)を例えば100m位まで長く伸ばすことができる。その結果、エアコンプレッサ11、エアドライヤ12、空気流路13等をトンネルTNや原発建屋BLの外部に設置し、ペレット供給ホース21a、エア供給ホース22a、噴射ノズル24等をトンネルTNや原発建屋BLの内部で移動すればよいので、除染作業能率が飛躍的に向上する。
図5は図3の変形例を示す説明図である。図5に示すように、角柱状(例えば、100mm×100mm×130mmで、重量約2kg)のドライアイスブロックDBを切削刃30で切削して得られる粉末状(パウダー状)のドライアイスパウダーD1’をシリンダ32に導入し、その粉末状のドライアイスパウダーD1’をピストン33で押し固めると棒状のドライアイスD2ができる。この棒状のドライアイスD2をカッタ34で切断すると、円柱状のドライアイスペレットDPができる。粉末状ドライアイスパウダーD1’を押し固める際に、シリンダ32内にエチルアルコールALを噴霧することによって、ドライアイスペレットDPにエチルアルコールALを均一に添加する。
具体的には、切削刃30は、ドライアイスブロックDBを載置する載置部301に形成されたスリット301aから上方に突出して配置され、ドライアイスブロックDBの底面に押し付けられている。ドライアイスブロックDBは、載置部301に形成された回転摺動面301b上でホルダ302の駆動軸303を中心に回転し、切削刃30で削られて粉末状のドライアイスパウダーD1’が生成される。粉末状のドライアイスパウダーD1’は、漏斗状のホッパ304からパウダーホース305を介してシリンダ32に導入される。ホッパ304は、切削刃30の下方に位置するラッパ状の開口304aから下部に向かって横断面が漸次小さくなる逆円錐状に形成されている。
図5においても、ドライアイスペレットDP(通常のモース硬度は1.5〜2)は、エチルアルコールALの添加により、モース硬度2.5(石膏より硬く方解石より柔らかい)〜3(方解石と同程度)に硬化する。しかも図5では、元々均一な硬さのドライアイスブロックDBを削って得られた粉末状のドライアイスパウダーD1’を再び押し固める際にエチルアルコールALを噴霧(添加)するので、成形後の各ドライアイスペレットDPにエチルアルコールALが均一に分布しやすい。したがって、図3のように液体二酸化炭素31を断熱膨張させた粉末状のドライアイススノーD1からドライアイスペレットDPを成形する場合に比べて、モース硬度2.5〜3のドライアイスペレットDPを得るためのエチルアルコールALの添加量を減少(例えば、20〜50%程度)させることができる。
なお、図2において、図1と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略した。同様に、図5において、図3と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略した。
また、これらの実施例は、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。さらに、上記した放射性物質、有毒物質に限らず、大気、水、土等の環境を汚染する汚染物質を除去する装置や方法に広範に適用できる。
以上の説明に基づいて、上記した汚染物質除去装置を新規な発明として把握することもできる。例えば、
ペレット供給ホースを介して供給されるドライアイスペレットとエア供給ホースを介して供給される圧縮空気とを混合し、汚染物質が付着した汚染面に噴射してその汚染物質を該汚染面から剥離する噴射ノズルと、
その噴射ノズル及び前記汚染面の周辺の空間を被うブースと、
そのブース内に位置して汚染面から剥離された汚染物質を吸引する負圧吸引部と、
その負圧吸引部から吸引された汚染物質を捕獲する捕獲装置と、
前記負圧吸引部に作用する負圧を生じさせる負圧発生装置とを備え、
前記圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間の空気流路途中には、その空気流路内を通過する圧縮空気を0℃以下に冷却する冷却剤を不活性ガス状態で混入する混入手段が設けられ、
前記噴射ノズルから前記ドライアイスペレットと圧縮空気とが前記汚染面に噴射されたとき、前記冷却剤は不活性ガスとして、前記ドライアイスペレットにより剥離された汚染物質及び前記ドライアイスペレットが昇華した二酸化炭素とともに前記捕獲装置に回収される汚染物質除去装置である。
また、他の汚染物質除去方法を新規な発明として把握することもできる。例えば、
ペレット供給ホースを介して供給されるドライアイスペレットとエア供給ホースを介して供給される圧縮空気とを噴射ノズルで混合し、汚染物質が付着した汚染面に噴射してその汚染物質を該汚染面から剥離し、その剥離した汚染物質を捕獲して回収する汚染物質除去方法において、
前記ドライアイスペレットには、該ドライアイスペレットの硬度を高めるとともに常温での揮発性を有する硬化剤が添加され、
前記圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間の空気流路途中において、その空気流路内を通過する圧縮空気を0℃以下に冷却する冷却剤が不活性ガス状態で混入され、
前記噴射ノズルから前記ドライアイスペレットと圧縮空気とが前記汚染面に噴射されたとき、前記硬化剤は揮発性ガスとして、かつ前記冷却剤は不活性ガスとして、前記ドライアイスペレットにより剥離された汚染物質及び前記ドライアイスペレットが昇華した二酸化炭素とともに回収される汚染物質除去方法である。
さらに、他の汚染物質除去装置を新規な発明として把握することもできる。例えば、
ペレット供給ホースを介して供給されるドライアイスペレットとエア供給ホースを介して供給される圧縮空気とを混合し、汚染物質が付着した汚染面に噴射してその汚染物質を該汚染面から剥離する噴射ノズルと、
その噴射ノズル及び前記汚染面の周辺の空間を被うブースと、
そのブース内に位置して汚染面から剥離された汚染物質を吸引する負圧吸引部と、
その負圧吸引部から吸引された汚染物質を捕獲する捕獲装置と、
前記負圧吸引部に作用する負圧を生じさせる負圧発生装置とを備え、
前記ドライアイスペレットの製造過程において、該ドライアイスペレットの硬度を高めるとともに常温での揮発性を有する硬化剤を添加する添加手段が設けられ、
前記圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間の空気流路途中には、その空気流路内を通過する圧縮空気を0℃以下に冷却する冷却剤を不活性ガス状態で混入する混入手段が設けられ、
前記噴射ノズルから前記ドライアイスペレットと圧縮空気とが前記汚染面に噴射されたとき、前記硬化剤は揮発性ガスとして、かつ前記冷却剤は不活性ガスとして、前記ドライアイスペレットにより剥離された汚染物質及び前記ドライアイスペレットが昇華した二酸化炭素とともに前記捕獲装置に回収される汚染物質除去装置である。
1 汚染物質除去装置
3 ブース
4 吸引口(負圧吸引部)
5 捕獲装置
6 ホース
8 負圧ポンプ(負圧発生装置)
11 エアコンプレッサ(圧縮空気供給源)
12 エアドライヤ(圧縮空気供給源)
13 空気流路
21 ペレット供給部
21a ペレット供給ホース
22a エア供給ホース
24 噴射ノズル(噴射ガン)
31 液体二酸化炭素
35 窒素ガス(冷却剤)
72 捕獲部(フィルタ装置)
TN トンネル
BL 原発建屋
PS 壁面(汚染面)
RM 汚染物質(有毒物質;放射性物質)
AL エチルアルコール(硬化剤)
DP ドライアイスペレット
DB ドライアイスブロック

Claims (3)

  1. ペレット供給ホースを介して供給されるドライアイスペレットとエア供給ホースを介して供給される圧縮空気とを噴射ノズルで混合し、汚染物質が付着した汚染面に噴射してその汚染物質を該汚染面から剥離し、その剥離した汚染物質を捕獲して回収する汚染物質除去方法において、
    前記圧縮空気の供給源とエア供給ホースとの間の空気流路途中において、その空気流路内を通過する圧縮空気を0℃以下に冷却する冷却剤が不活性ガス状態で混入され、
    前記噴射ノズルから前記ドライアイスペレットと圧縮空気とが前記汚染面に噴射されたとき、前記冷却剤は不活性ガスとして、前記ドライアイスペレットにより剥離された汚染物質及び前記ドライアイスペレットが昇華した二酸化炭素とともに回収されることを特徴とする汚染物質除去方法。
  2. 前記冷却剤は窒素ガス、二酸化炭素又は希ガスであり、前記圧縮空気が前記噴射ノズルから前記汚染面に噴射されるとき前記空気流路を流れる圧縮空気に混入される請求項1に記載の汚染物質除去方法。
  3. 前記圧縮空気は、前記冷却剤の混入時の温度が0℃〜−10℃になるように調整される請求項1又は2に記載の汚染物質除去方法。
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