JP2013242153A - 除染方法及び除染装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染面をあまり傷付けることなく汚染物質を剥離することができ、汚染層の状況等に応じて除染作業を効率的に実施できる汚染物質除去装置を提供する。
【解決手段】共用の噴射ガン24(又は別々の噴射ガン)から、ドライアイス(ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDP)と、除染剤DCとが併用される形で汚染面に向けて噴射される。
【選択図】図3

Description

本発明は、放射性物質等の汚染物質を除去する除染方法及び除染装置に関する。
例えば原子力発電所や核燃料再処理工場等において地震、津波等の自然災害や事故によって放射能漏れが発生すると、それによって放射能汚染を生じる。例えば放射性物質が道路の舗装面に蓄積して除染が必要になる場合がある。
放射性物質の除染のために汚染面(例えばアスファルト舗装面)を薬剤で洗浄することが考えられるが、薬剤のみでは除染しきれない場合がある。他方、アスファルト層を物理的に取り除くとすれば大変な作業になる。また、装置や設備の除染において、特許文献1のように汚染された装置や設備を解体する場合があるが、完全な除染は困難なことから、解体したものを埋めたり長期にわたり隔離管理しなければならない。
特開2011−209157号公報
本発明の課題は、汚染面をあまり傷付けることなく汚染物質を剥離することができ、汚染層の状況等に応じて除染作業を効率的に実施できる除染方法及び除染装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明は、
除染する領域を負圧雰囲気にするとともに、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイスと、汚染物質を捕獲する又は汚染物質との化学反応により汚染物質の汚染レベルを低減する除染剤とを、併用して汚染面に噴射し、その噴射により剥離されかつ除染剤に捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質を周りの空気とともに負圧吸引して搬送かつろ過し、ろ過後の空気を排出することを特徴とする。
ドライアイスの噴射時の衝撃エネルギーにより汚染物質を剥離するので、サンド噴射のような研磨材を吹き付ける場合に比べて、汚染面をあまり傷付けることなく汚染物質を剥離することができる。しかも、ドライアイス自体は昇華して気体となるので後処理がいらない。また、ドライアイスと共に除染剤が噴射されるため汚染物質の除去効率が一層増し、より効率的により確実な除染作業が行える。
本発明において「汚染物質」は、放射性物質、有毒物質、細菌等のように大気、水、土等の環境を汚染する有害物質一般であり、例えば原子力発電所及びその周辺地域においては、セシウム、プルトニウム等の放射性物質である。
本発明において「除染剤」は、酸、無機塩、中性洗剤、界面活性剤等を含む。さらにいえば、本発明において「除染剤」は、1種類もしくは複数種類の多孔質材料からなる多孔質材料混合粉体(細孔の大きさによって、ミクロポーラス材料(活性炭やゼオライト等)、メソポーラス材料(MCMやFSM、メソポーラスシリカ等)、マクロポーラス材料(軽石や火山灰等)とに分けられるが、いずれであってもよい)を含み、他にも、アモルファス系フローレン、ゼオライト、焼成した貝殻といった粉体(固体)を含む。この場合、これらの中から土質に合わせて1以上のものを選択して噴射できるように構成してもよい。さらに本発明において「除染剤」は、シリカ化合物、汚染物質との化学反応を速める界面活性剤、椰子油系の界面活性剤、磁気水系の浸透補助液、汚染物質(例えばセシウム等の放射性物質)を吸着する吸着剤といった浄化液(液体)等を含む。この場合、これらの中から除染効率を高められるよう1以上のものを選択して噴射できるように構成してもよい。さらに本発明の「除染剤」は、放射能除染を目的に開発され、複数種の多孔質材料の粉体と反応を促進させる界面活性剤とから組成する浄化液を含み、例えば液体の放射性除染剤TU−1や粉体の放射性除染剤TU−2等を含む。
本発明に係る汚染物質除去装置の第1実施例を示す概要図。 図1の具体例として、舗装面から放射性物質を除去する車載式汚染物質除去装置の概略説明図。 ドライアイスの噴射装置を示す説明図。 パウダー供給部の詳細を示す説明図。 切削刃及びパウダーホッパの近傍を示す斜視図。 ブースの一例を示す説明図。 図5Aの断面説明図。 ブースの他の例を示す説明図。 図5Cの断面説明図。 ブースのさらに他の例を示す説明図。 捕獲装置の主要部を拡大して示す説明図。 図3のドライアイス噴射装置によるアスファルト除染作業の一例を説明する概略図。 ドライアイスの噴射装置の第2実施例を示す説明図。 図8のペレットホッパの一例を示す説明図。 図8のペレットホッパの他の例を示す説明図。 図8のドライアイス噴射装置によるアスファルト除染作業の一例を説明する概略図。 ドライアイスの噴射装置の第3実施例示す説明図。 図12のドライアイスの噴射装置における第1状態を説明する概略図。 図12のドライアイスの噴射装置における第2状態を説明する概略図。 図12のドライアイスの噴射装置における第3状態を説明する概略図。 ドライアイスの噴射装置の第3実施例及び第4実施例であって、それらドライアイス噴射装置によるアスファルト除染作業の一例を説明する概略図。 ドライアイスの噴射装置の第5実施例を示す説明図。 ドライアイスの噴射装置の第6実施例を示す説明図。 ドライアイスの噴射装置の第7実施例を示す説明図。 ドライアイスの噴射装置の第8実施例を示す説明図。 噴射ガンを別々に設けた例を示す説明図。 図19で圧縮空気の供給系を共用する例を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
(第1実施例)
図1の概念図に示す汚染物質除去装置1は、除染する領域を負圧雰囲気にする負圧形成手段8と、昇華して気体になるドライアイスと汚染物質を捕獲する又は汚染物質との化学反応により汚染物質の汚染レベルを低減する除染剤とを、併用して汚染面に噴射する噴射装置24と、その噴射により剥離されかつ除染剤に捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質を周りの空気とともに負圧吸引して搬送する搬送手段6と、その空気とともに搬送された汚染物質をろ過するろ過装置71,72と、ろ過後の空気を排出する排出手段70と、を備える除染装置である。
具体的には、図1の汚染物質除去装置1は、図3に示すように、汚染物質が付着した汚染面PSに噴射されるドライアイス(ここではドライアイスが粉状の性状にされたドライアイスパウダーDPとするが、後述のドライアイスペレットDPEでもよいし、それら双方でもよい)を供給するドライアイス供給部(ここではパウダー供給部21とする)と、汚染面PSに噴射される予め定められた除染剤DCを供給する除染剤供給部221と、ドライアイスパウダーDPを汚染面PSに噴射するドライアイス噴射装置として機能するとともに除染剤DCを汚染面PSに噴射する除染剤噴射装置としても機能する、共通かつ一体的な噴射装置24(ここでは噴射ガンとする)と、ドライアイスパウダーDP及び除染剤DCが噴射される汚染面PSの周辺の空間を被うブース3と、そのブース3内に位置して汚染面PSから剥離された汚染物質RM(図7参照)を吸引する負圧吸引部4(吸引口)と、その負圧吸引部4から搬送手段6(連通手段)としてのホース6を介して接続され、負圧吸引部4で吸引されホース6を介して移送される汚染物質RMを捕獲部72(フィルタ装置)に集め、かつ空気とともに通過させる過程で汚染物質RMを捕獲する捕獲装置7(ろ過装置)と、を備える。
また、図1の汚染物質除去装置1は、負圧吸引部4及びホース6と共に、負圧吸引部4に作用する負圧を生じさせる負圧形成手段8(負圧発生装置)としての負圧ポンプ8(吸引ポンプ)と、ドライアイスパウダーDP及び除染剤DCが噴射されるブース3内の負圧が一定範囲内に保たれるように、圧力センサ91によるブース3内の負圧測定値に基づいて負圧ポンプ8を制御する負圧制御装置としての負圧コントローラ9とを備える。これによって、ブース3内の除染領域が所定範囲内の負圧雰囲気になり、噴射装置24の噴射により剥離されかつ除染剤DCに捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質RMが周りの空気とともに負圧吸引して搬送される。
図2は、図1の染物質除去装置1が、放射性の汚染物質RMで汚染された舗装面PS(原子力発電所の敷地や道路の表面を構成するアスファルト面やコンクリート面等)を除染する装置に適用されるもので、除染する舗装面PSがブース3で隔離され、例えば移動可能な車両100の荷台101には、除染剤供給部221、パウダー供給部21、捕獲装置7,負圧ポンプ8,負圧コントローラ9等が搭載され、噴射ガン24(ノズル)から舗装面PS(汚染面)にドライアイスパウダーDPや除染剤DCが噴射される(図7参照)。
図3に示すように、除染剤供給部221とパウダー供給部21とは並列的に2系統設けられ、それらの下端に共通(兼用)の噴射ガン(作業者によって把持される噴射部)24が接続され、その共通の噴出口24cから除染剤DCとドライアイスパウダーDPとが混合して噴射される。
噴射ガン24は、加圧された除染剤DC(又は負圧吸引された除染剤DC)を噴射するものであり、その噴射を開始及び停止するオンオフ操作部としてのオンオフレバー24aを備える。また、噴射ガン24は、圧縮空気と共にドライアイスパウダーDPを噴射して(供給して)、除染剤DCに混合させるものということもでき、オンオフレバー24aは、その噴射を開始及び停止するオンオフ操作部ともいえる。つまり、ここでのオンオフレバー24aは、除染剤DCの噴射とドライアイスパウダーDPの噴射との双方を同時に開始及び停止する共通(兼用)のオンオフ操作部をなしている。
除染剤供給部221は、ここでは図3に示すように、除染剤DCを収容する除染剤収容部(タンク)221bと、加圧ポンプ221pと、除染剤供給ホース221d,221aとを備える。除染剤DCは、除染剤収容部221bから除染剤供給ホース221dを経て加圧源としての加圧ポンプ221pに吸入されて加圧されるとともに、加圧された除染剤DCが吐出側の除染剤供給ホース221aを経て噴射ガン24へ導かれる。
パウダー供給部21は、ここでは図3に示すように、ドライアイスブロックDBを切削刃21cで旋削してドライアイスパウダーDPを作成するパウダー作成部2とそのドライアイスパウダーDPを集めるパウダーホッパ21dと、そのパウダーホッパ21dと噴射ガン24とを接続するパウダー供給ホース21aとを備える。ドライアイスパウダーDPは、パウダーホッパ21dからパウダー供給ホース21aを経て、圧縮空気の供給路であるエア供給ホース22aに合流する形で噴射ガン24へ導かれる。エア供給ホース22aは、加圧源としてのエアコンプレッサ22cからの圧縮空気を除染剤供給ホース221aへと導く供給路であり、その圧縮空気と共に除染剤供給ホース221aに導かれるドライアイスパウダーDPを、除染剤供給ホース221a内の除染剤DCに混合させる。
また、パウダー供給部21は、ここでは図4Aに示すように、車輪28によって移動可能なフレーム20と、ドライアイスブロックDBをホルダ21eを介して回転させるモータ21bと、ドライアイスブロックDBの切削によって得られたドライアイスパウダーDPを収容するパウダーホッパ21dと、ドライアイスパウダーDPを圧縮空気とともに噴射する噴射ガン24へパウダーホッパ21dからドライアイスパウダーDPを導くパウダー供給ホース21aと、加圧源としてのエアコンプレッサ22c(車輪29により移動可能)からの圧縮空気を噴射ガン24へ導く共通のエア供給ホース22aとを含む。
フレーム20は、ドライアイスブロックDBを載置する載置部20bを備え、この載置部20bに形成されたスリット20cから上側にやや突出するように切削刃21cが設けられ、この切削刃21cに押し付けるようにドライアイスブロックDBが載置される。ホルダ21eは、複数の針21fを備え、これらの針21fがドライアイスブロックDBの上面に食い込んでそのブロックDBに回転トルクを伝達する。ホルダ21eは、駆動軸21g及び減速機構21hを介してモータ21bに接続され、モータ21bは、電動モータ又はエアモータであり、その出力は減速機構21hを介してホルダ21eを回転させる駆動軸21gと、ホルダ21eを切削に従って下降させていくネジ軸21iとに分配される。ネジ軸21iは、減速機構21hに保持されフレーム20の一部20aに設けられたナット21jと螺合する。
ドライアイスブロックDBは、例えば図4Bに示すように、角柱状、円柱状等のブロック体であり、その底面が切削刃21cに押し付けられ、載置部20bに形成された回転摺動面20d上をホルダ21eの駆動軸21gを中心に回転する。パウダーホッパ21dは、上部の開口21kから下部に向かって横断面が漸次小さくなる形状を有し、その下部にパウダー供給ホース21aが連結されている。
図4A,図4Bにおいて、モータ21b及びホルダ21eによりドライアイスブロックDBが回転すると、切削刃21cによりそのブロックDBが切削されてドライアイスパウダーDPが得られ、これがパウダーホッパ21dに収容される。切削の進行に従い、このネジ軸21iの作用によりホルダ21eは下方へ変位しホルダ21eが切削刃21cに接近する下限位置でモータ21bは停止する。モータ21bはコントローラ25に接続され、コントローラ25にはモータ21bの回転数を変更することによりドライアイスパウダーDPの粒度を変更するパウダー粒度変更操作部としての操作パネル26が接続される。
なお、ドライアイスパウダーDPEは、典型事例で言えば、ドライアイスブロックDBから例えば0.5〜1mm角くらいの不規則なサイコロ状の粒子に削り出されたものとすることができる。ドライアイスパウダーDP(例えば上記サイズでのドライアイスパウダー)として市販されたものを利用してもよい。ドライアイスパウダーDPは、上記サイズとは異なるものを単独で用いてもよいし、上記サイズのものと混合して用いてもよい。
操作パネル26は、例えば複数段階に切り替えられることにより、モータ21bの回転数ひいてはドライアイスブロックDBの切削によって得られるドライアイスパウダーDPの粒度を変更する。例えば、モータ21bの回転数(回転速度)を低くすれば粒子の大きなドライアイスパウダーDPが生じ、回転数を高めれば粒度が小さいパウダーDPが得られ、粒度が大きいほど質量も大きいから、噴射時の衝突エネルギーもそれだけ大きなものとなる。
図3に戻る。パウダー供給ホース21aは、エア供給ホース22aに接続する。エア供給ホース22aは、パウダー供給ホース21aとの接続部の下流側(噴射ガン24側)において、除染剤供給ホース221aに接続する。エア供給ホース22aから圧縮空気が高速で流れると、ベンチュリ効果によってパウダー供給ホース21a内の空気が吸引され、その結果、パウダー供給部21に存在するドライアイスパウダーDPも吸引されて、これらが噴射ガン24側へと供給される。噴射ガン24側へと供給された空気やドライアイスパウダーDPは、除染剤供給ホース221aへと供給されて除染剤DCに混合され、噴出口24cから射出される。
ここでの除染剤DCは液体であり、具体的には、複数種の多孔質材料の粉体と汚染物質との化学反応を促進させる界面活性液から組成するスラリー状の浄化液をなす放射能除染液TU−1等である。このため、圧縮空気により高速で除染剤供給ホース221aへと供給されるドライアイスパウダーDPは、除染剤供給ホース221a内の除染液DCに取り込まれ、ドライアイスパウダーDP混合の除染液DCが噴射ガン24先端の噴出口24cから噴射される。
なお、液体の除染剤DC(除染液)としては、他にも、汚染物質との化学反応を速める界面活性剤や椰子油系の界面活性剤等の界面活性剤を例示でき、さらにはシリカ化合物や磁気水系の浸透補助液等であってもよい。これらが選択されることで、除染効率を増すことができる。また、除染する舗装面PSの性質(土質やPH)や汚染レベルに応じて、除染液DCの配合の組み合わせを変えることもでき、より一層の放射能除染効果が得られる。
図3に示すように、ドライアイスパウダーDPの供給路であるパウダー供給ホース21aの途中には、その供給路を開閉する電磁弁21vが配置される。圧縮空気の供給路であるエア供給ホース22aの途中には、その供給路を開閉する電磁弁22bが配置されるとともに、パウダー供給ホース21aとの接続部の下流側にも電磁弁22vが配置される。他方、液体の除染剤DCの供給路である除染剤供給ホース221aの途中には、その供給路を開閉する電磁弁221c,221vが、加圧ポンプ221pの吸入側と吐出側にそれぞれ配置される。これら全ての電磁弁22b,22v,221c,221v,21vが開いた状態となることで、噴出口24cからドライアイスパウダーDPが除染剤DCに混合して噴射される。
なお、ここでは、ドライアイスパウダーDP混合の液体除染剤DCが噴射ガン24先端の広角噴霧用の噴出口24cから広角に噴霧されるものとする。噴出口24cは、直線噴射用の噴出口としてもよいし、噴射角度を絞った直線的な噴射から広角噴霧までを調整可能な噴出口としてもよい。
コントローラ25は、図3に示すように、CPU25a、タイマ25b、シーケンス回路25c及び制御プログラム25dを備える。コントローラ25は、噴射ガン24のオンオフレバー24aが引かれるとそのレバー24aからオンオフ信号を受け、受けた信号に応じて、エアコンプレッサ22c、モータ21b,221e、電磁弁22b,22v,221v,221c,21v等へ指令信号を出力する。
具体的には、コントローラ25は、オンオフレバー24aからオン信号を受けると、エアコンプレッサ22c、モータ21b,ポンプ221pを駆動させるとともに、全ての電磁弁22b,22v,221v,221c,21vを開状態とする。これによって、図3のように、加圧ポンプ221pから除染剤DCが噴射ガン24へ供給され、かつコンプレッサ22cからの圧縮空気と共にドライアイスパウダーDPが噴射ガン24へ供給される。そして、噴射ガン24に供給された除染剤DCとドライアイスパウダーDPとが混合し、ドライアイスパウダーDPが混合した除染剤DCが噴出口24cから噴射される。他方、コントローラ25は、オンオフレバー24aからオフ信号を受けると、エアコンプレッサ22c、モータ21b,加圧ポンプ221pを駆動停止させ、かつ全ての電磁弁22b,22v,221v,221c,21vが閉状態とする。これによって、噴射ガン24の噴出口24cからの噴射が止まる。制御プログラム25dはこうした噴射ガン24の噴射制御を司るプログラムとしてメモリに書き込まれており、CPU25aによって実行される。
なお、コントローラ25は、オンオフレバー24aからオン信号を受けると、電磁弁22b,22vを開いて圧縮空気をエアコンプレッサ22cから噴射ガン24へ導き、かつタイマ25bによる制限時間の計測の後、シーケンス回路25cを介してモータ21bを起動する。これによって、供給ホース21a内に残留するドライアイスパウダーDPを排出できる。
図2に戻る。ブース3からは、負圧ポンプ8により放射性物質RM、除染剤DC、及びドライアイスパウダーDPが昇華した二酸化炭素等を含んだ空気等が負圧により吸引される。なお、除染剤DCに汚染物質RMが吸着される場合は、図7に示すように、汚染物質RMを吸着した除染剤DCもろとも負圧で吸引される。吸引された空気は、捕獲装置7に導かれる。捕獲装置7には、空気と共に吸引されるアスファルト等の固体や除染剤DC等の液体を、気体との質量差によって分離する分離室71が設けられ、さらにその下流側に放射性物質RM等を吸着して捕獲するための捕獲部72(フィルタ装置)が接続されている。つまり、これら分離室71と捕獲部72とが、ブース3から負圧吸引された空気とともに搬送された汚染物質をろ過するろ過装置7として機能している。
なお、ここでは分離室71と捕獲部72との間に負圧ポンプ8を設けているが、分離室71の前方又は捕獲部72の後方に負圧ポンプ8を設けてもよい。また、分離室71にはサイクロン等の分離装置を設けて固体を分離してもよい。
図6に示すように、分離室71の下流の捕獲部72(フィルタ装置)には、面状の不織布系エアフィルタであるHEPAフィルタ72a、その下流に活性炭層72b、さらにその下流にゼオライト層72cが、上下方向に直列状に配置されている。HEPAフィルタ72aと活性炭層72bとの間、及び活性炭層72bとゼオライト層72cとの間は、所定長さの接続管73でそれぞれ接続されている。負圧ポンプ8で吸引され捕獲部72に導入された空気は、HEPAフィルタ72a→活性炭層72b→ゼオライト層72cの各々を通過する間に放射性物質RM(図7参照)、二酸化炭素(ライアイスパウダーDPが昇華したもの)、除染剤DC等の所定成分が選択的に吸着・捕集されるので、これらを通過した後の空気を大気中に排出できるようになる。なお、HEPAフィルタ72a→ゼオライト層72c→活性炭層72bの順に通過するようにしてもよい。
上記したHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)72aは繊維径1μm以下のろ紙状繊維層であり、粒径0.1μmの粒子でも99.99%以上の集塵率を有する。したがって、不織布系エアフィルタとしてHEPAフィルタ72aを用いることにより、微細な固形物(例えば、チリ、ホコリ、土粒子、昇華しなかったドライアイス、後述する重曹等)、場合によっては所定の放射性汚染物質等も捕獲できる可能性がある。また、活性炭層72bやゼオライト層72cにより放射性汚染物質である、例えばセシウム134,137等の吸着や捕獲が行われる。活性炭は高い吸着能を有する多孔質の炭素性物質であり、ゼオライト(沸石ともいう)は気体の選別的吸着性をもつ分子ふるいとなるので、ドライアイスが昇華した二酸化炭素の捕獲も一定範囲で可能である。
ゼオライト層72cの出口側には、ろ過後の空気を排出する排出手段70が設けられる。ここでの排出手段70は、残留する放射線量を測定するセンサ74と、センサ74の測定値に基づいて2つの切換弁を制御する切換コントローラ75と、切換弁76,77とを有し、センサ74による残留放射線量の測定値が許容範囲内であるとき、切換コントローラ75は出口側の第一切換弁76を開いて、通過後の空気を大気中に排出する(循環側の第二切換弁77は閉じる)。一方、測定値が許容範囲外であるとき、切換コントローラ75は出口側の第一切換弁76を閉じ、循環側の第二切換弁77を開いて、通過後の空気を活性炭層72b及びゼオライト層72cへ循環する。また、排出する空気の流れを形成する負圧ポンプ8及び負圧コントローラ9も排出手段70に含めてもよい。
図2に戻る。負圧コントローラ9は、圧力センサ91によるブース3内の負圧測定値が所定の負圧範囲(例えば−2〜−10Pa(−20×10−6〜−100×10−6kgf/cm2))になるように、負圧発生装置(具体的には、負圧ポンプ8による負圧吸引力)をコントロールする。例えば圧力センサ91の負圧測定値が負圧上限値(−10Pa)を上回ったときには負圧ポンプ8の回転数を減少させて真空度を低下させ、負圧下限値(−2Pa)を下回ったときには負圧ポンプ8の回転数を増加させて真空度を上昇させる。これによって、ブース3内での吸引作用や捕獲部72での放射性物質RM等の吸着(捕獲)を安定させることができる。
このように、本実施例の汚染物質除去装置1によれば、除染する領域を負圧雰囲気にするとともに、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイス(ドライアイスパウダー)DPと、汚染物質RMを捕獲する又は汚染物質RMとの化学反応により汚染物質の汚染レベルを低減する除染剤DCとを、併用して汚染面PSに噴射し、その噴射により剥離されかつ除染剤DCに捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質RMを周りの空気とともに負圧吸引して搬送かつろ過し、ろ過後の空気を排出する除染が可能となる。つまり、除染する領域となるブース3内の負圧を一定範囲内に維持しながら、ブース3内にドライアイス(ここではドライアイスパウダーDP)及び除染剤DCを噴射し、その時の衝撃エネルギーによって放射性物質RMを舗装面PSから剥離する。比較的粒が小さいドライアイスパウダーDPの緻密な剥離機能(細部への到達力)によって、舗装面PSの細部まで除染が可能となる。また、ドライアイス(ここではドライアイスパウダーDP)の全部又はそのほとんどは昇華して気体となるので、効率的かつ安全に除染作業が行える。さらに、ドライアイスパウダーDPと共に除染剤DCが噴射されるため、舗装面PSからの汚染物質RMの剥離機能はより一層増すから、より効率的な除染が可能となる。
以上、本発明の第1実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。例えば上記実施例において一部の構成要件を省略する、さらには他の構成要件を追加する等、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
以下、上記第1実施例とは異なる実施例について説明する。なお、上記第1実施例と共通の機能を有する部位には、上記第1実施例と同一符号を付することで説明を省略する。
(第2実施例)
上記第1実施例のドライアイスパウダーDPを、ドライアイスペレットDPEとすることができる。例えば図8に示すように、汚染物質除去装置1は、除染剤供給部221と、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイスペレットDPEを供給するペレット供給部121との双方を有し、図11に示すように、汚染物質RMが付着した汚染面PSに噴射ガン24から除染剤DCと共にドライアイスペレットDPEを噴射するよう構成できる。
この場合、ドライアイスペレットDPEが液体の除染剤DCに混合された状態で噴射ガン24の噴出口24cから舗装面PSに噴射(ここでは噴霧とする)される。相対的に質量が大きいドライアイスペレットDPEの高い衝撃エネルギーによって、舗装面PSに付着(固着)した放射性物質RMの厚い汚染層を剥離除去することができる。
ドライアイスペレットDPEは、典型事例で言えば、例えば直径2〜3mm、長さ2〜4mmくらいの短軸円柱状に形成される。ドライアイスパウダーDPよりも相対的に質量が大きいドライアイスペレットは衝撃エネルギーが高いので、除染すべき汚染層が厚い場合とか頑固に固着している場合の除染(剥離除去)に適している。
ペレット供給部121は、図8に示すように、ドライアイスペレットDPEを収容するペレットホッパ121bを備える。ペレットホッパ121bからペレット供給ホース121aを経てドライアイスペレットDPEが圧縮空気とともに噴射ガン24へ導かれる。さらに、加圧源としてのエアコンプレッサ22cからの圧縮空気を噴射ガン24へ導くエア供給ホース22aが設けられる。噴射ガン24は、圧縮空気とドライアイスペレットDPEの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部としてのオンオフレバー24aを備える。
なお、ペレット供給部121においてドライアイスペレットDPEを供給する場合、例えば図9に示すように、電磁弁121c(図3参照)に代わり又はそれと併せ、ペレットホッパ121bの下部にシャッタ121c’を設け、ドライアイスペレットDPEの供給時にシャッタ121c’を手動で又はソレノイド121d等の駆動装置で開き、またペレットホッパ121bの外壁面に振動装置122を設けて、ペレットホッパ121b内でのドライアイスペレットDPEのブリッジ現象を抑制することができる。これにより、ドライアイスペレットDPEが円滑に噴射ガン24に供給される。
また、図10に示すように、ペレットホッパ121bの下部にスクリューコンベア123を設け、ドライアイスペレットDPEの供給時にモータ123aによりスクリューコンベア123を駆動して、ドライアイスペレットDPEをペレット供給ホース121a側へ送り出すこともできる。この場合、図9の振動装置122やシャッタ121c’を必要に応じて付加してもよい。スクリューコンベア123によりペレットホッパ121bから強制的にドライアイスペレットDPEが送り出されるので、ドライアイスペレットDPEの供給における信頼性が高まる。
(第3実施例)
上記の第1及び第2実施例においては、除染剤DCには上述した液体のものを用いているが、個体・粉体のものを用いてもよい。たとえば、上述の液体の除染剤DCを粉体としたものを用いてもよいし、その他にも、1種類もしくは複数種類の多孔質材料の多孔質材料混合粉体(細孔の大きさによって、ミクロポーラス材料(例えば活性炭やゼオライト等)、メソポーラス材料(例えばMCMやFSM、メソポーラスシリカ等)、マクロポーラス材料(例えば軽石や火山灰等)とに分けられるが、それらのいずれであってもよい)を用いてもよいし、アモルファス系フローレン、ゼオライト、焼成した貝殻といった粉体(固体)を用いてもよい。また、粉体の放射性除染剤TU−2等を用いてもよい。土質に合ったものを選択することで、除染効率を増すことができる。
例えば図12に示すように、上記の第1〜第3実施例における液体の除染剤DCに代わる固体・粉体の除染剤DCPとして、上述したような多孔質材料混合粉体を用いてもよい。具体的には、上記の第1〜第3実施例における除染剤供給部121に代わる除染剤供給部321を設ける。除染剤供給部321は、図12に示すように、除染剤DCPを収容する除染剤ホッパ321bを備え、除染剤ホッパ321bから除染剤供給ホース321aを経て除染剤DCPが圧縮空気とともに噴射ガン24へ導かれる。さらに、加圧源としてのエアコンプレッサ22cからの圧縮空気を噴射ガン24へ導くエア供給ホース22aが設けられる。噴射ガン24は、圧縮空気と、除染剤DCPと、ドライアイスパウダーDPやドライアイスペレットDPEの噴射を開始及び停止するオンオフ操作部としてのオンオフレバー24aを備える。
なお、固体・粉体の除染剤DCPであれば、図9ないし図10のドライアイスペレットDPEと同様にして、除染剤ホッパ321bから除染剤供給ホース321aへと供給されるよう構成できる。
(同じく第3実施例)
また、第1及び第2実施例の汚染物質除去装置1を、例えば図12に示すように、第1実施例(図3参照)と同様のパウダー供給部21と、第2実施例(図8参照)と同様のペレット供給部121と、除染剤供給部321とを有し、図14に示すように、噴射ガン24を、ドライアイスペレットDPEを汚染面PSに噴射する第1ドライアイス噴射装置として機能するとともにドライアイスパウダーDPを汚染面PSに噴射する第2ドライアイス噴射装置として機能する噴射装置として構成することができる。
さらにこの場合、コントローラ25は、噴射ガン24から除染剤DCPと共に噴射するドライアイスを、パウダー供給部21から供給されるドライアイスパウダーDPのみとする第1状態(図13A参照)と、ペレット供給部121から供給されるドライアイスペレットDPEのみとする第2状態(図13B参照)と、ドライアイスペレットDPEとドライアイスパウダーDPの双方とする第3状態(図13C参照)とに切り換える切換手段として構成することもできる。これらの第1〜第3の状態への切り替えは、コントローラ25が、第1〜第3状態を人為的に設定する(切り換える)設定スイッチ24bからの設定信号を受け、これに基づいて電磁弁21v,121c,221v,221cの開閉を切り替えることによって実現できる。つまり、切換手段は、コントローラ25と電磁弁21v,121c,221v,221cと設定スイッチ24bとにより構成される。
(第4実施例)
なお、図12に示す第3実施例は、除染剤供給部321を、図14に示すように、図3や図8と同様の除染剤供給部221としてもよい。つまり、図12に示す第3実施例において、除染剤DCPに代わって、液体の除染剤DCを用いる構成としてもよい。さらにいえば、除染剤DC,DCPの双方を用いる構成としてもよい。なお、水を除染剤として用いてもよいし、水飲みを除染剤としてもよい。
(第5〜第8実施例)
上記の第1〜第4実施例の汚染物質除去装置1は、除染剤DCや除染剤DCEと共に、ドライアイスパウダーDPやドライアイスペレットDPEといったドライアイスを噴射するが、それらに加えて、ドライアイスパウダーDPより密度が高い非昇華性の固形物を併用して噴射する構成としてもよい。例えば第5〜第8実施例の汚染物質除去装置1は、図15〜図18に示すように、昇華しない微細な固形物として重曹SHを用い、重曹SHと共に、ドライアイスパウダーDPやドライアイスペレットDPEを噴射する汚染物質除去装置1とすることができる。
なお、第5〜第8実施例(図15〜図18参照)の汚染物質除去装置1では、第3及び第4実施例と同様(図13参照)、噴射ガン24に設けられた設定スイッチ24bの操作により、ドライアイスパウダーDPとドライアイスペレットDPEのいずれか、もしくは双方を選択する形で噴射することが可能とされている。
(第5実施例)
図15の汚染物質除去装置1は、図3のパウダー供給部21及び液体の除染剤供給部221と、汚染面PSに噴射するための重曹供給部23(固形物供給部)とを有して構成され、パウダー供給部21から供給されるドライアイスパウダーDPに加えて、重曹供給部23から供給される、ドライアイスパウダーDPより密度が高い非昇華性の固形物SHを併用して噴射する。そして、重曹SHの供給路である重曹供給ホース23aの途中には、その供給路を開閉する電磁弁23cが配置される。
この場合、コントローラ25は、パウダー供給部21から供給されるドライアイスパウダーDPのみを噴射ガン24から噴射する第1状態と、パウダー供給部21から供給されるドライアイスパウダーDPと重曹供給部23から供給される重曹SHを噴射ガン24から噴射する第2状態とに切り換える切換手段として構成できる。これらの第1状態及び第2状態への切り替えは、コントローラ25が、第1状態及び第2状態をいずれかに人為的に設定する(切り換える)設定スイッチ24bからの設定信号を受け、これに基づいて電磁弁21v,23c,221v,221cの開閉を切り替えることによって実現できる。つまり、切換手段は、コントローラ25と電磁弁21v,23c,221v,221cと設定スイッチ24bとにより構成される。
(第6実施例)
図16の汚染物質除去装置1は、図15の汚染物質除去装置1において、液体の除染剤供給部221を、図12と同様にして固体・粉体の除染剤供給部321に置き換えて構成される。
なお、図15及び図16の汚染物質除去装置1は、パウダー供給部21を、ペレット供給部121に置き換えた構成としてもよく、この場合、上記切換手段は、コントローラ25と電磁弁121c,23c,221v,221cと設定スイッチ24bとにより構成される。また、パウダー供給部21と共にペレット供給部121を有した構成としてもよく、この場合、上記切換手段は、コントローラ25と電磁弁21v,121c,23c,221v,221cと設定スイッチ24bとにより構成される。
(第7実施例)
図17の汚染物質除去装置1は、2種類の除染剤DC1,DC2を噴射可能な構成とされている。具体的には、液体の除染剤供給部221を有する図15の汚染物質除去装置1に図16の固体・粉体の除染剤供給部321を設けて、2種類の除染剤DC1及びDC2を噴射ガン24から噴射可能な構成とされている。さらにいえば、液体の除染剤DC(DC1)と、固体・粉体の除染剤DCE(DC2)とのいずれか又は双方の噴射が可能な構成とされている。
(第8実施例)
図18の汚染物質除去装置1は、1種類以上(ここでは複数種類)の固体・粉体の除染剤DC(DC1,DC2)と、1種類以上(ここでは複数種類)の液体の除染剤DCE(DC3,DC4)との双方をそれぞれ噴射ガン24から噴射可能で、さらにそれら除染剤DC1〜DC4の組み合わせを選択的に行い、選択された組み合わせで除染剤DC1〜DC4を噴射可能な構成とされている。具体的には、図17の汚染物質除去装置1において、種類の異なる固体・粉体の除染剤DC1,DC2のそれぞれの除染剤供給部321,321と、種類の異なる液体の除染剤DC1,DC2のそれぞれの除染剤供給部221,221とを設けて、それら複数種類の除染剤DC1〜DC4を1種類以上の組み合わせて噴射可能な構成とされている。
第7及び第8実施例においては、図17及び図18に示すように、ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDP、除染剤DC,DCP、さらに重曹等の固形物SHの噴射ガン24からの噴射を、共通(兼用)の噴射口24cではなく、固体・粉体噴射用の噴射口24c1と、液体噴射用の噴射口24c2とをそれぞれ噴射ガン24に設け、固体・粉体と、液体とをそれぞれ別の噴射口24c1,24c2とから噴射させている。第7及び第8実施例において、液体噴射用の噴射口24c2から噴射(ここでは噴霧とするが、噴射角度を絞った直線的な噴射でもよい)される液体は、液体の除染剤DCである。また、第7及び第8実施例において、固体・粉体噴射用の噴射口24c1から噴射される固体・粉体は、ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDP、DCPであるが、それらの中の1以上のものとすることもできる。
また、第3〜第8実施例によれば、汚染層の状況等に応じて多様な噴射態様を選択できる。設定スイッチ24b(切換スイッチ)が噴射ガン24に設けられているので、除染を行う作業者が舗装面PS(図2参照)上の汚染層の状況に応じて、手元操作により容易に噴射状態を設定(切り換え)でき、その上で、オンオフレバー24aをオンに操作することで、設定された噴射状態に従う噴射が実行される。
また、第1〜第8実施例によれば、図2,図7,図11及び図14に示すように、車両100あるいは作業者によってブース3,噴射ガン24,吸引口4等を一定時間毎に、あるいは連続的に移動させ、噴射ガン24から、除染剤DC,DCPと共に、ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDPを噴射して、アスファルト102の舗装面PSの除染作業が行われる。除染作業で舗装面PSから剥離された放射性物質RMは、吸引口4から吸引されホース6を介して捕獲装置7に収容され、前述のようにHEPAフィルタ72a、活性炭層72b及びゼオライト層72cを経て浄化された後、大気に放出される。その際、舗装面PSに対しブース3を移動させてドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDPの噴射領域を変えることができる。また、ブース3に対してある程度噴射ガン24を移動可能ないし旋回可能として、ブース3を動かさなくても一定範囲を除染できるようにしてもよい。
具体的には、図5Aに示すブース3は、その少なくとも上面が透視性又は不透視性部材(例えば透明樹脂シート材等)で構成され、全体として所定の形状(図では直方体の蓋のような形状)に形成され、ブース3の上面部3bには長手方向に沿ってスリット3a(切れ目又は長孔)が開口している。このスリット3aから噴射ガン24、場合により吸引ホース6の端部をブース3の内部に挿入し、ブース3内でスリット3aに沿って長手方向に移動することができる。また、スリット3aにある噴射ガン24を揺動させることによって、ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDPの噴射方向(噴射領域)を変えることもできる。なお、ブース3の上面部3bに円形状等所定形状の開口3cを形成し、開口周縁に放射状のスリット3dを形成することにより、その開口周縁部を弾性的にあるいは柔軟に変形させて吸引ホース6の端部を挿入・保持することができる。また、図5Bに示すように、ゴム等の弾性材料又は柔軟材料でできた、スリット3aを有する蓋体3b1がブース3の上部開口を塞ぐ場合、蓋体3b1のスリット3aを押し開いて噴射ガン24、場合により吸引ホース6の端部をブース3に抜き差ししたりブース3を移動したりできるので、ブース3内部の密閉性を一定限度で保つことができる。
また、図5C,図5Dに示すように、透視性又は不透視性の樹脂シート材等の柔軟性部材3eの端部をオーバーラップさせて(重ね合わせて)ブース3の上面部を形成し、この重ね合わせ部分3e,3eの隙間を介して噴射ガン24、場合により吸引ホース6の端部をブース3に抜き差ししたりブース3を移動したりしてもよい。なお、図5Aの上面部3bと同様に、図5Cにおいても吸引ホース6の端部を挿入・保持する開口3cやスリット3dを設けてもよい。
なお、スリット3a(切れ目、長孔)は図5Eに示すように複数設けることができる。この図では複数(2つ)のスリット3aが所定の間隔で平行に形成されているが、スリット3aの個数や形成方向は任意に設定することができる。図5C,図5Dの重ね合わせ部分3e,3e(これもスリットの一種と見ることができる)についても同様である。ブース3の上面部(蓋体3b1)を透視性のある材料で構成すれば、ブース3内が外部から見えるから、作業性が向上する。
ところで、ドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDPの衝撃エネルギーにより放射性物質RMを剥離する現象は、次のような効果も期待できる。すなわち、除染媒体であるドライアイスペレットDPEやドライアイスパウダーDPは、圧縮空気によって固体状態で高速で(場合によっては超音速で)加速されて舗装面PSに噴射され、舗装面PS上で昇華して気体(二酸化炭素)になるときの膨張現象(あるいは小爆発現象)により、ガス状ウェッジ(くさび)として放射性物質RMを剥離する(ガスウェッジ作用)ことに寄与するとも考えられる。
第1〜第8実施例においては、ドライアイスペレットDPEの噴射装置、ドライアイスパウダーDPの噴射装置、除染剤DCの噴射装置、除染剤DCPの噴射装置を、共通の噴射ガン24として一体化して構成したが、図19,図20に示すようにドライアイスペレットDPE及び/又はドライアイスパウダーDP用の噴射装置(噴射ガン24B)と、除染剤DC,DCPの噴射装置(噴射ガン24A)とをそれぞれ別体に設けてもよい。図19は圧縮空気の供給系(エア供給ホース22a)を別系統とした例、図20はそれを共用する例である。なお、図20でにおいては、固体・粉体の除染剤DCPを採用しているため、圧縮空気の供給系が共用可能である。また、噴射ガン24Aが液体の除染剤DC専用の噴射装置であった場合には、除染剤DCの噴射を噴霧の形で行ってもよいし、噴射角度を絞った直線的な噴射の形で行ってもよい。
なお、第5〜第8実施例においては、重曹SH等の固形物の噴射装置も1つの噴射ガン24として一体化して構成したが、別体に設けてもよい。その場合には、重曹ホッパ23b内の重曹SH(固形物)は、噴射ガン24とは別に設ける重曹用噴射ガンへ供給される。さらに、電磁弁121c,21v,23cの代わりに人為的に開閉操作されるシャッタ、ダンパ等の開閉装置を用いてもよく、これらの切換手段は各ホッパ121b,21d,23bから噴射ガン24に至る任意の位置に設けることができる。
また、第5〜第8実施例において、ドライアイスとともに噴射する固形物として、記載例では重曹(重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、重炭酸ソーダともいう)を用いたが、胡桃の殻、ガーネット(ザクロ石ともいう)、食塩等、あるいはこれらの混合物等をはじめ、固形物であれば汚染除去に有効である限り、種類を問わず用いることができる。
また、第1〜第8実施例においては、ベンチュリ効果によって、圧縮空気と共に、ドライアイスパウダーDPやドライアイスペレットDPE、除染剤DCP、重曹等の固形物SH等のような固体や粉体を噴射ガン24へ導く圧縮空気供給部22が形成されている。圧縮空気供給部22は、加圧源としてのエアコンプレッサ22cと、エアコンプレッサ22cからの圧縮空気を噴射ガン24へ導く供給路としてのエア供給ホース22aとを有して構成され、その圧縮空気によって、エア供給ホース22aに途中で合流する上記の固体や粉体を、噴射ガン24(あるいは24A,24B)の噴射口24c(あるいは24c1)や、除染剤供給部221(除染剤供給ホース221a)へと導く。つまり、圧縮空気供給部22は、パウダー供給部21やペレット供給部221、除染剤供給部221,321、固体物供給部(重曹供給部)23の一部を構成している。なお、エア供給ホース22aに固体や粉体を合流させる各種供給ホース21a,121a,23a,321aは、エア供給ホース22aの供給方向に対し鋭角をなして合流しており、固体や粉体をスムーズに下流側へ導いている。
以上の記載例は、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。さらに、上記した放射性物質に限らず、有毒物質、細菌等のように大気、水、土等の環境を汚染する汚染物質を除去する装置一般に適用できる。
1 汚染物質除去装置(除染装置)
221,321 除染剤供給部
121 ペレット供給部
21 パウダー供給部
22 圧縮空気供給部
23 重曹供給部(固形物供給部)
24 噴射ガン(噴射装置)
24b 設定スイッチ(切換手段)
25 コントローラ(噴射制御装置;切換手段)
3 ブース
6 ホース(搬送手段;連通手段)
7(71,72) 捕獲装置(ろ過装置)
70 排出手段
8 負圧ポンプ(負圧形成手段;負圧発生装置)
9 負圧コントローラ
DC 液体の除染剤
DCP 個体・粉体の除染剤
DPE ドライアイスペレット
DP ドライアイスパウダー
SH 重曹(固形物)

Claims (6)

  1. 除染する領域を負圧雰囲気にするとともに、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイスと、汚染物質を捕獲する又は汚染物質との化学反応により汚染物質の汚染レベルを低減する除染剤とを、併用して汚染面に噴射し、その噴射により剥離されかつ除染剤に捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質を周りの空気とともに負圧吸引して搬送かつろ過し、ろ過後の空気を排出することを特徴とする除染方法。
  2. 前記ドライアイスは、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイスペレットである請求項1に記載の除染方法。
  3. 前記ドライアイスは、ドライアイスが粉状の性状にされたドライアイスパウダーである請求項1に記載の除染方法。
  4. 前記ドライアイスは、所定の形状及び大きさに成形されたドライアイスペレット及びドライアイスが粉状の性状にされたドライアイスパウダーを含む請求既1に記載の除染方法。
  5. 前記ドライアイスパウダーに加えて、ドライアイスパウダーより密度が高い非昇華性の固形物を併用して噴射する請求項3に記載の除染方法。
  6. 除染する領域を負圧雰囲気にする負圧形成手段と、
    昇華して気体になるドライアイスと汚染物質を捕獲する又は汚染物質との化学反応により汚染物質の汚染レベルを低減する除染剤とを、併用して汚染面に噴射する噴射装置と、
    その噴射により剥離されかつ除染剤に捕獲され又はこれと化学反応した汚染物質を周りの空気とともに負圧吸引して搬送する搬送手段と、
    その空気とともに搬送された汚染物質をろ過するろ過装置と、
    ろ過後の空気を排出する排出手段と、
    を含むことを特徴とする除染装置。
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