JP2015109195A - 熱硬化型導電性ペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性粉末として、銅、銅合金、銅を銀でコートした銀コート銅、または銅合金を銀でコートしたコート銅合金を用いた場合であっても、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を有する熱硬化型導電性ペースト組成物を提供する。【解決手段】 (A)導電性粉末と、(B)熱硬化型樹脂と、(C)硬化剤と、(D)無機イオン交換体とを含有する熱硬化型導電性ペースト組成物であって、(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用い、(B)熱硬化型樹脂として、ブロック化ポリイソシアネート化合物、またはブロック化ポリイソシアネート化合物およびエポキシ樹脂を含有する熱硬化型導電性ペースト組成物を提供する。【選択図】 なし
Description
本発明は、熱硬化型導電性ペースト組成物に関し、特に、フィルム、基板、電子部品等の基材に塗布または印刷し、加熱硬化させることにより、優れた接着性および導電性を備えた塗膜を形成することのできる熱硬化型導電性ペースト組成物に関する。
従来から、フィルム、基板、電子部品等の基材に電極または電気配線(配線)等を形成する方法の一つとして、熱硬化型導電性ペーストを用いる方法が広く知られている。この方法において、比較的低温で導体パターンを形成する場合には、導電性金属粉末(導電性粉末)と熱硬化型樹脂とを含有する熱硬化型のものが用いられる。そして、この熱硬化型導電性ペースト組成物を基材上に所定の導体パターンで塗布または印刷し、その後に基材上の導体パターンを乾燥硬化させるために加熱が行われ、これにより、所定の導体パターンの電極や配線等が基材上に形成される。
熱硬化型導電性ペースト組成物において、熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物等、また、導電性粉末としては、主に銀が用いられる。
例えば、特許文献1には、銀粉末と、ブロック化ポリイソシアネート化合物と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含む熱硬化型導電性ペースト組成物が開示されている。
一方で、銀は高価なため、より安価な銅、銅合金、銅または銅合金を銀でコートした銀コート銅または銀コート銅合金等を導電性粉末として用いた熱硬化型導電性ペーストの開発も行われており、特許文献2および3には、銀粉末と同等で、安価なものとして銀粉末と銅粉末を機械的に強制接合させた銀−銅複合粉末を合成樹脂・溶剤に分散させてなる導電性塗料が開示されている。
本発明者らは、特許文献1に開示される熱硬化型導電性ペースト組成物における銀粉末に替え、特許文献2および3に開示されるような銀−銅複合粉末を用いた熱硬化型導電性ペーストとして、熱硬化型樹脂にブロック化ポリイソシアネート化合物、またはブロック化ポリイソシアネート化合物およびエポキシ樹脂を用い、導電性粉末として、銅、銅合金、銅を銀でコートした銀コート銅、または銅合金を銀でコートしたコート銅合金を用いた熱硬化型導電性ペーストの開発を検討した。
しかし、導電性粉末として銀のみを用いた場合に比べ、熱硬化型導電性ペーストの保存により経時的に粘度が増大し、導電性が低下するという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を有する熱硬化型導電性ペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物は、前記の課題を解決するため、(A)導電性粉末と、(B)熱硬化型樹脂と、(C)硬化剤と、(D)無機イオン交換体とを含有し、(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用い、(B)熱硬化型樹脂として、ブロック化ポリイソシアネート化合物、またはブロック化ポリイソシアネート化合物およびエポキシ樹脂を含有する構成である。
前記構成において、前記(D)無機イオン交換体が、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、アンチモン、およびビスマスのうちいずれか1種を主成分としてもよい。
また、前記構成において、前記(D)無機イオン交換体の含有量が、前記(A)導電性粉末に対し、0.01〜3質量%であってもよい。
そして、前記構成において、前記(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種、並びに銀を用い、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種と銀との配合比率が質量比で100:0〜1:99(100:0を除く。)であってもよい。
さらに、前記構成において、前記(A)導電性粉末として、金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、鉛およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有してもよい。
本発明では、以上の構成により、導電性粉末に、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金を用いても、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を有する熱硬化型導電性ペースト組成物を提供することができる、という効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。
[(A)導電性粉末]
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物における(A)導電性粉末は、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用いるものであるが、これらの具体的な配合種およびその配合比率は特に限定されることなく、本発明により、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を実現することができる。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物における(A)導電性粉末は、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用いるものであるが、これらの具体的な配合種およびその配合比率は特に限定されることなく、本発明により、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を実現することができる。
本発明における銅合金とは、銅を主体とし、種々元素(銀、亜鉛、ニッケル、コバルト、錫、鉛、アルミニウム、クロム、カドミウム、ベリリウム、テルル等)を添加した合金であり、銀コート銅または銀コート銅合金とは、還元メッキ被覆法や置換メッキ被覆法等によって銅または銅合金の粒子表面に銀を被覆した粒子である。
また、銅を主体としたとは、合金のうち銅を50質量%以上含有するものをいう。
(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種に加え、銀を含有してもよい。
この場合、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種と銀との配合比率は、質量比で100:0〜1:99(100:0を除く。)の範囲となるようにする。
また、(A)導電性粉末として、金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、鉛およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有してもよい。
本発明においては、(A)導電性粉末に含まれるアルカリ金属イオン量の上限が定められていることが好ましい。具体的には、(A)導電性粉末に含まれるナトリウムイオン量およびカリウムイオン量はいずれも200ppm未満であることが好ましく、100ppm未満であることがより好ましく、10ppm未満であることがさらに好ましい。本発明では、少なくともナトリウムイオン量が200ppm未満であることが好ましい。これらイオン量が200ppmを超えれば、熱硬化型導電性ペーストにより電極や配線等を形成した電子部品または電子装置において、その電気特性や信頼性に問題が生じ易くなる。一方、これらイオンの下限は低ければ低い程良い。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物における(A)導電性粉末は、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用いるものであるが、これら(A)導電性粉末の形状は、フレーク状粉末および球状粉末を用いることができる。
本発明におけるフレーク状粉末とは、部分的に凹凸があり変形が見られても、全体として見た場合に、平板または厚みの薄い直方体に近い形状の粉末であればよい。なお、フレーク状とは、薄片状または鱗片状と言い換えることができる。また、本発明における球状粉末とは、部分的に凹凸があり変形が見られても、全体として見た場合に、直方体よりは立方体に近い立体形状の粉末であればよい。なお、球状とは、粒状と言い換えることができる。
本発明における導電性粉末のうちフレーク状粉末の好ましい構成について具体的に説明する。フレーク状粉末の平均粒径D50は2〜20μmの範囲内であることが好ましく、BET比表面積は0.1〜1m2 /gの範囲内であることが好ましく、タップ密度は3〜7g/cm3 の範囲内であることが好ましく、アスペクト比は5〜15の範囲内であることが好ましい。
より具体的には、フレーク状粉末の平均粒径D50は、前記の通り2〜20μmの範囲内が好ましいが、2〜12μmの範囲内であればより好ましく、6〜10μmの範囲内であればさらに好ましい。フレーク状粉末の平均粒径D50が2μmより小さければ、導電性粉末同士の接触抵抗が大きくなる傾向にあり、十分な導電性が得られなくなるおそれがある。一方、平均粒径D50が20μmより大きければ、導電性粉末同士の接触抵抗は小さくなるが、メッシュスクリーンを用いて導体パターンを印刷する場合、メッシュスクリーンの目詰まりが生じたり、微細配線の形成が困難となったりするおそれがある。
また、フレーク状粉末のBET比表面積は、前記の通り0.1〜1m2 /gの範囲内が好ましいが、0.2〜0.8m2 /gの範囲内であればより好ましく、0.2〜0.5m2 /gの範囲内であればさらに好ましい。フレーク状粉末のBET比表面積が0.1m2 /gより小さければ、フレーク厚みが厚くなりすぎてフレーク状粉末の形状が球形に近くなるため、導電性粉末同士の接触面積が小さくなる傾向にあり、十分な導電性が得られなるおそれがある。一方、BET比表面積が1m2 /gを超えれば、導電性粉末同士の接触面積は大きくなるが、ペースト粘度が高くなるため、高充填化が困難となる(すなわち、導電性ペースト組成物中の導電性粉末の含有量を向上することが困難となる)傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。
また、フレーク状粉末のタップ密度は、前記の通り3〜7g/cm3 の範囲内が好ましいが、3〜6g/cm3 の範囲内であればより好ましく、3.5〜5.5g/cm3 の範囲内であればさらに好ましい。フレーク状粉末のタップ密度が3g/cm3 未満であれば、フレーク状粉末が嵩高くなり、高充填化が困難となる傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。一方、タップ密度が7g/cm3 を超えれば、フレーク状粉末を工業的に生産することが通常困難となる。
また、フレーク状粉末のアスペクト比は、前記の通り5〜15の範囲内が好ましいが、6〜12の範囲内であればより好ましく、6〜10の範囲内であればさらに好ましい。フレーク状粉末のアスペクト比が5未満であれば、フレーク化が不十分なため導電性粉末同士の接触面積が小さくなる傾向にあり、十分な導電性が得られないおそれがある。一方、アスペクト比が15を超えれば、導電性粉末同士の接触面積は大きくなるが、高充填化が困難となる傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。
前記フレーク状粉末の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、公知の方法で製造された球状粉末(後述)を元粉として、当該元粉に公知の機械的処理を施すことによりフレーク状粉末を製造することができる。元粉の粒径や凝集度等の物性は、導電性ペースト組成物の使用目的(電極や配線等の種類、あるいはこれら電極や配線等を備える電子部品または電子装置等の種類)に応じて適宜選択することができる。
次に、本発明における(A)導電性粉末のうち球状粉末の好ましい構成について具体的に説明する。球状粉末の平均粒径D50は0.1〜10μmの範囲内であることが好ましく、BET比表面積は0.5〜1.7m2 /gの範囲内であることが好ましく、タップ密度は1.5〜5g/cm3 であることが好ましく、凝集度D50/DSEMが2〜15の範囲内であることが好ましい。
より具体的には、球状粉末の平均粒径D50は、前記の通り0.1〜10μmの範囲内が好ましいが、1〜5μmの範囲内であればより好ましく、1〜3μmの範囲内であればさらに好ましい。球状粉末の平均粒径D50が0.1μmより小さければ、熱硬化型導電性ペーストが高粘度化して、ペースト化することが困難になるおそれがある。一方、平均粒径D50が10μmより大きければ、フレーク状粉末の場合と同様に、メッシュスクリーンを用いて導体パターンを印刷する場合、メッシュスクリーンの目詰まりが生じたり、微細配線の形成が困難となったりするおそれがある。
また、球状粉末のBET比表面積は、前記の通り0.5〜1.7m2 /gの範囲内が好ましいが、0.6〜1.6m2 /gの範囲内であればより好ましく、0.9〜1.6m2 /gの範囲内であればさらに好ましい。球状粉末のBET比表面積が0.5m2 /gより小さければ、(A)導電性粉末同士の接触面積が小さくなる傾向にあり、十分な導電性が得られないおそれがある。一方、BET比表面積が1.7m2 /gを超えれば、(A)導電性粉末同士の接触面積は大きくなるが、ペースト粘度が高くなり高充填化が困難となる傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。
また、球状粉末のタップ密度は、前記の通り1.5〜5g/cm3 の範囲内が好ましいが、2〜5g/cm3 の範囲内であればより好ましく、3〜4g/cm3 の範囲内であればさらに好ましい。球状粉末のタップ密度が1.5g/cm3 未満であれば、(A)導電性粉末が嵩高くなり、高充填化が困難となる傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。一方、タップ密度が5g/cm3 を超えれば、球状粉末の分散性が良好になり過ぎ、(A)導電性粉末の間に樹脂成分が回りこみ易くなるため、(A)導電性粉末同士の界面抵抗が大きくなる傾向にあり、十分な導電性が得られないおそれがある。
また、球状粉末の凝集度D50/DSEMは、前記の通り2〜15の範囲内が好ましいが、3〜11の範囲内であればより好ましく、3〜7.5の範囲内であればさらに好ましい。凝集度D50/DSEMが2より小さければ、球状粉末の分散性が良好になり過ぎ、(A)導電性粉末の間に樹脂成分が回りこみ易くなるため、(A)導電性粉末同士の界面抵抗が大きくなる傾向にあり、十分な導電性が得られないおそれがある。一方、凝集度D50/DSEMが15より大きければ、(A)導電性粉末が嵩高くなり、高充填化が困難となる傾向にあるので、十分な導電性が得られないおそれがある。
前記球状粉末の製造方法は特に限定されるものではなく、本実施の形態では、例えば、湿式還元法により製造したものを好適に用いることができるが、電解法やアトマイズ法等、公知の他の方法により製造した球状粉末も用いることができる。
[(B)熱硬化型樹脂]
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物に用いられる(B)熱硬化型樹脂は、加熱硬化型導電性ペースト組成物の分野で公知の成分を好適に用いることができる。代表的には、(B1)エポキシ樹脂、並びに、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。良好な導体抵抗を実現するため、(B)熱硬化型樹脂としては、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有するか、または(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物に用いられる(B)熱硬化型樹脂は、加熱硬化型導電性ペースト組成物の分野で公知の成分を好適に用いることができる。代表的には、(B1)エポキシ樹脂、並びに、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を挙げることができる。良好な導体抵抗を実現するため、(B)熱硬化型樹脂としては、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有するか、または(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
(B)熱硬化型樹脂として、これら(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いる場合には、後述するように、これらは、所定の配合比で配合されて用いられることが好ましい。
(B1)エポキシ樹脂の具体的な種類や構造は特に限定されないが、いずれも1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する多価エポキシ樹脂であることが好ましい。例えば、エピクロルヒドリンと、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、レゾルシン等の多価フェノール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールと、を反応させて得られるグリシジルエテールタイプ;エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン等のポリアミノ化合物と、を反応させて得られるグリシジルアミンタイプ;アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸等の多価カルボキシル化合物と、を反応させて得られるグリシジルエステルタイプ、オレフィンの酸化等から合成される脂環式タイプ等を挙げることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
また、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の化合物を好適に用いることができる。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;等を挙げることができる。これらポリイソシアネート化合物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、これらのポリイソシアネート化合物の中でも、3核体以上のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがより好ましく用いられる。
また、本実施の形態では、公知のポリイソシアネートと公知のポリオールとを公知の方法により反応させて合成した末端イソシアネート基含有化合物も、本発明におけるポリイソシアネート化合物として好適に用いることができる。この場合に用いられるポリオールについては特に限定されず、一般的なポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類等を好適に用いることができる。
本発明における(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物は、前述したポリイソシアネート化合物をブロック化したものであるが、ポリイソシアネート化合物のブロック化剤についても特に限定されず、イミダゾール類、フェノール類、オキシム類等を好適に用いることができる。
本発明に係る熱硬化型導電性ペーストでは、(B)熱硬化型樹脂として、(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を併用する場合、これらの混合比(配合比)は特に限定されないが、質量比で、B1:B2=0:100〜90:10(0:100を除く。)の範囲内で配合されることが好ましく、10:90〜80:20の範囲内で配合されることがより好ましい。
(B1)エポキシ樹脂と(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物との合計を100質量部とした場合に、(B1)エポキシ樹脂が90質量部以下であれば、すなわち(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物が10質量部以上であれば、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物の硬化収縮による(A)導電性粉末同士の接触を促進させる効果が大きく、十分な導電性を得ることができるため好ましい。
(B)熱硬化型樹脂の含有量は特に限定されないが、本実施の形態では、(A)導電性粉末100質量部に対して1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、1〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、1〜20質量部の範囲内であることがさらに好ましい。(B)熱硬化型樹脂の含有量が1質量部以上であれば、基板との密着性良好であり、40質量部以下であれば、十分な導電性を得ることができるため好ましい。
また、本発明に係る熱硬化型導電性ペーストは、(B)熱硬化型樹脂として、(B1)エポキシ樹脂、並びに、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物以外に、バインダー樹脂として公知の他の樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂として使用可能な他の樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが特に限定されない。
[(C)硬化剤]
本発明に係る熱硬化型導電性ペーストに用いられる(C)硬化剤は、(B)熱硬化型樹脂を硬化させることができる化合物であれば特に限定されない。本実施の形態では、(B)熱硬化型樹脂として、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有するか、または(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有することが好ましいので、(C)硬化剤としては、少なくとも(B1)エポキシ樹脂または(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を硬化させるものであれば、その種類等は特に限定されず、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の各種化合物を挙げることができる。
本発明に係る熱硬化型導電性ペーストに用いられる(C)硬化剤は、(B)熱硬化型樹脂を硬化させることができる化合物であれば特に限定されない。本実施の形態では、(B)熱硬化型樹脂として、(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有するか、または(B1)エポキシ樹脂および(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有することが好ましいので、(C)硬化剤としては、少なくとも(B1)エポキシ樹脂または(B2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を硬化させるものであれば、その種類等は特に限定されず、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の各種化合物を挙げることができる。
具体的には、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等の酸無水物類;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノエチルアミン、メチルジデシルアミン、メチルジオレイルアミン、トリアリルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン等の第三級アミン類;三フッ化ホウ素エチルエーテル、三フッ化ホウ素フェノール、三フッ化ホウ素ピペリジン、酢酸三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素トリエタノールアミン、三フッ化ホウ素モノエタノールアミン等のフッ化ホウ素を含むルイス酸あるいはその化合物;味の素ファインテクノ株式会社から市販されているアミキュアシリーズPN−23またはMY−24等、富士化成工業株式会社から市販されているフジキュアシリーズFXR−1020またはFXR−1030等のアミンアダクト類;ジシアンジアミド;等が挙げられる。これら化合物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(C)硬化剤の添加量は特に限定されないが、本実施の形態では、(B)熱硬化型樹脂100質量部に対して1〜30質量部の範囲内であることが好ましく、1〜15質量部の範囲内であることがより好ましく、1〜10質量部の範囲内であることがさらに好ましい。(C)硬化剤の添加量が1質量部未満であれば、(B)熱硬化型樹脂の硬化が不十分となるおそれがあり、また、硬化物(電極や配線等)に良好な導電性が得られないおそれがある。一方、30質量部を超えれば、ペースト粘度が高くなるおそれがあり、また、コスト的にも好ましくない。
[(D)無機イオン交換体]
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物に用いられる(C)無機イオン交換体は、熱硬化型導電性ペースト組成物中の銅イオンを捕捉できるものであれば、特に限定されないが、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、アンチモン、およびビスマスのうちいずれか1種を主成分とすることが好ましい。
本発明において(D)無機イオン交換の主成分とは、(D)無機イオン交換体を構成する成分のうち、50質量%以上含有するものをいう。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物に用いられる(C)無機イオン交換体は、熱硬化型導電性ペースト組成物中の銅イオンを捕捉できるものであれば、特に限定されないが、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、アンチモン、およびビスマスのうちいずれか1種を主成分とすることが好ましい。
本発明において(D)無機イオン交換の主成分とは、(D)無機イオン交換体を構成する成分のうち、50質量%以上含有するものをいう。
このような(D)無機イオン交換体としては、具体的には、例えば、東亜合成株式から市販されているIXEPLASシリーズ、IXEシリーズの陽イオン交換もしくは両イオン交換タイプ(IXEPLAS A−1、A−2、B−1、IXE−100、300、600、633、6107、6136等)、または協和化学工業株式会社から市販されているキョーワードシリーズの陽イオン交換もしくは両イオン交換タイプ(キョーワード 600、700、1000、2000等)が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、(D)無機イオン交換体を、(A)導電性粉末に対し0.01〜3質量%の量で含有することが好ましく、0.02〜2質量%の量で含有することがより好ましく、0.03〜1質量%の量で含有することがさらに好ましい。(D)無機イオン交換体の含有量が0.01質量%以上であれば、銅イオンを十分捕捉でき、より優れた保存安定性を有し、3質量%以下であれば、十分な導電性を得ることができるため好ましい。
[熱硬化型導電性ペースト組成物の製造]
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物の製造方法は特に限定されず、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の方法を好適に用いることができる。代表的な一例としては、前述した各成分を所定の配合割合(質量基準)で配合し、公知の混練装置を用いてペースト化する方法が挙げられる。混練装置としては、例えば、3本ロールミル等を挙げることができる。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物の製造方法は特に限定されず、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の方法を好適に用いることができる。代表的な一例としては、前述した各成分を所定の配合割合(質量基準)で配合し、公知の混練装置を用いてペースト化する方法が挙げられる。混練装置としては、例えば、3本ロールミル等を挙げることができる。
なお、本発明に係る熱硬化型導電性ペーストにおいては、必要に応じて、前述した各成分((A)導電性粉末と、(B)熱硬化型樹脂と、(C)硬化剤と、(D)無機イオン交換体)以外に、熱硬化型導電性ペーストの分野で公知の各種添加剤を含有してもよい。当該添加剤としては特に限定されないが、具体的には、例えば、分散剤、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、消泡剤、粘度調整剤等を挙げることができる。これら添加剤は本発明の作用効果を妨げない範囲において添加することができる。
また、本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物により導体パターンの形成方法は特に限定されず、公知の種々の方法を好適に用いることができる。代表的には、後述する実施例に示すように、スクリーン印刷法が挙げられ、特に、このスクリーン印刷法による導体パターンの形成に好適に用いられるが、本発明はこれに限定されず、インクジェット法やディスペンサー法等、他の印刷法にも適用することができる。
[熱硬化型導電性ペースト組成物の用途]
本発明に係る熱硬化型導電性ペーストは、高精細な電極や配線等の形成に広く利用することができる。具体的には、例えば、太陽電池セルの集電電極;チップ型電子部品の外部電極;RFID(Radio Frequency IDentification)、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、またはエレクトロルミネセンス等に用いられる部品の電極または配線;等の用途に好適に用いることができる。これら用途の中でも特に好ましい用途の1つとして、太陽電池セルの集電電極を挙げることができる。
[熱硬化型導電性ペースト組成物の用途]
本発明に係る熱硬化型導電性ペーストは、高精細な電極や配線等の形成に広く利用することができる。具体的には、例えば、太陽電池セルの集電電極;チップ型電子部品の外部電極;RFID(Radio Frequency IDentification)、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、またはエレクトロルミネセンス等に用いられる部品の電極または配線;等の用途に好適に用いることができる。これら用途の中でも特に好ましい用途の1つとして、太陽電池セルの集電電極を挙げることができる。
本発明について、実施例、比較例および参考例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例における各種合成反応や物性等の測定・評価は次に示すようにして行った。
(測定・評価方法)
[導電性粉末の評価方法]
(1)平均粒径D50
フレーク状粉末および球状粉末の平均粒径D50はレーザー回折法により評価した。フレーク状粉末または球状粉末の試料0.3gを50mlビーカーに秤量し、イソプロピルアルコール30mlを加えた後、超音波洗浄器(アズワン株式会社製USM−1)により5分間処理することで分散させ、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置9320−HRA X−100)を用いて、平均粒径D50を測定して評価した。
[導電性粉末の評価方法]
(1)平均粒径D50
フレーク状粉末および球状粉末の平均粒径D50はレーザー回折法により評価した。フレーク状粉末または球状粉末の試料0.3gを50mlビーカーに秤量し、イソプロピルアルコール30mlを加えた後、超音波洗浄器(アズワン株式会社製USM−1)により5分間処理することで分散させ、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置9320−HRA X−100)を用いて、平均粒径D50を測定して評価した。
(2)BET比表面積の評価
フレーク状粉末または球状粉末のBET比表面積は、試料1gをモノソーブ(カウンタクローム(Quanta Chrome)社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定して評価した。なお、当該BET比表面積測定において、測定前の脱気条件は60℃にて10分間とした。
フレーク状粉末または球状粉末のBET比表面積は、試料1gをモノソーブ(カウンタクローム(Quanta Chrome)社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定して評価した。なお、当該BET比表面積測定において、測定前の脱気条件は60℃にて10分間とした。
(3)タップ密度の評価
フレーク状粉末または球状粉末のタップ密度は、タップ密度測定装置(株式会社柴山科学器械製作所製のカサ比重測定装置SS−DA−2)を使用し、試料15gを計量して20mlの試験管に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、次の式によりタップ密度を算出して評価した。
フレーク状粉末または球状粉末のタップ密度は、タップ密度測定装置(株式会社柴山科学器械製作所製のカサ比重測定装置SS−DA−2)を使用し、試料15gを計量して20mlの試験管に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、次の式によりタップ密度を算出して評価した。
タップ密度=試料質量(15g)/タッピング後の試料容積(cm3 )
[ペースト粘度の測定]
熱硬化型導電性ペースト組成物のペースト粘度は、Brookfield社製DV−III粘度計を用いて測定した。測定時のコーンとしてはCP−52を用い、1rpm回転時(ずり速度2s−1)のペースト粘度(η1rpm)を測定した。
熱硬化型導電性ペースト組成物のペースト粘度は、Brookfield社製DV−III粘度計を用いて測定した。測定時のコーンとしてはCP−52を用い、1rpm回転時(ずり速度2s−1)のペースト粘度(η1rpm)を測定した。
[導体抵抗の測定]
基材としてはアルミナ基板を用いた。そして、図1に示すように、このアルミナ基板の表面に、実施例または比較例の熱硬化型導電性ペースト組成物を用いて、両端に端子11aおよび11bを有し配線部分11cがつづら折り状となっている導体パターン11をスクリーン印刷した。その後、アルミナ基板を180℃の熱風乾燥機中で60分間加熱し、導体パターン11(熱硬化型導電性ペースト組成物)を硬化させた。これにより導体抵抗評価用サンプルを作製した。
基材としてはアルミナ基板を用いた。そして、図1に示すように、このアルミナ基板の表面に、実施例または比較例の熱硬化型導電性ペースト組成物を用いて、両端に端子11aおよび11bを有し配線部分11cがつづら折り状となっている導体パターン11をスクリーン印刷した。その後、アルミナ基板を180℃の熱風乾燥機中で60分間加熱し、導体パターン11(熱硬化型導電性ペースト組成物)を硬化させた。これにより導体抵抗評価用サンプルを作製した。
各実施例または比較例の導体抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の膜厚を表面粗さ計(株式会社東京精密製サーフコム480A)で、電気抵抗をデジタルマルチメータ(株式会社アドバンテスト製R6551)で測定し、それら膜厚と電気抵抗と配線パターンのアスペクト比に基づいて導体抵抗を算出して評価した。
(実施例1〜18)(比較例1〜6)(参考例1〜2)
[熱硬化型導電性ペースト組成物作製方法]
表1に示す(A)導電性粉末、表2に示す(B)熱硬化型樹脂、(C)硬化剤、および(D)無機イオン交換体を用いて、(A)導電性粉末/(B)熱硬化型樹脂/(C)硬化剤は、質量比で90/10/0.5の割合で配合し、(D)無機イオン交換体を(A)導電性粉末に対し、表3に示すような配合比で、添加して3本ロールミルで混練した後、ブチルジグリコールアセテートを加えてペーストの粘度を100Pa・s(1rpm)に調整して熱硬化型導電性ペースト組成物を作製した。
[熱硬化型導電性ペースト組成物作製方法]
表1に示す(A)導電性粉末、表2に示す(B)熱硬化型樹脂、(C)硬化剤、および(D)無機イオン交換体を用いて、(A)導電性粉末/(B)熱硬化型樹脂/(C)硬化剤は、質量比で90/10/0.5の割合で配合し、(D)無機イオン交換体を(A)導電性粉末に対し、表3に示すような配合比で、添加して3本ロールミルで混練した後、ブチルジグリコールアセテートを加えてペーストの粘度を100Pa・s(1rpm)に調整して熱硬化型導電性ペースト組成物を作製した。
表1中、銅合金は、ニッケルと亜鉛を添加した合金である。
得られた熱硬化型導電性ペースト組成物について、初期の導体抵抗、30℃下3日間保存後および0℃下3ヶ月保存後の粘度及び導体抵抗を測定した。結果は、表4に示した。
表4に示す所定の保存期間経過後の粘度および導体抵抗は、熱硬化型導電性ペースト組成物作製直後の粘度および導体抵抗を1.0とした相対値を示す。
実施例1〜18および比較例1〜5の結果を比較すると、実施例1〜18の粘度および導体抵抗は、1.0または1.1であり、比較例1〜5の粘度はいずれも1.4以上、導体抵抗はいずれも1.2以上となっており、(D)無機イオン交換体を含有することにより、(A)導電性粉末として銅、銀コート銅、銅合金または銀コート銅合金を用いた熱硬化型導電性ペーストの粘度および導体抵抗の変化が小さく、良好な結果が得られることがわかる。
このように本発明によれば、(D)無機イオン交換体を用いることで、導電性粉末に、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金を用いても、保存による粘度の増大や導電性の低下を防ぎ、優れた保存安定性を有する熱硬化型導電性ペースト組成物を提供することが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施例や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、各種電子機器や電子部品を製造する分野に好適に用いることができ、特に、太陽電池の集電電極、チップ型電子部品の外部電極、RFID、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、またはエレクトロルミネセンス等に用いられる部品の電極や配線等、より高精細な電極や配線を形成することが求められる分野に好適に用いることができる。
11 導体パターン
11a 端子
11b 端子
11c 配線部分
11a 端子
11b 端子
11c 配線部分
Claims (5)
- (A)導電性粉末と、(B)熱硬化型樹脂と、(C)硬化剤と、(D)無機イオン交換体とを含有し、
(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種を用い、
(B)熱硬化型樹脂として、ブロック化ポリイソシアネート化合物、またはブロック化ポリイソシアネート化合物およびエポキシ樹脂を含有することを特徴とする、熱硬化型導電性ペースト組成物。 - 前記(D)無機イオン交換体が、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、アンチモン、およびビスマスのうちいずれか1種を主成分とすることを特徴とする、
請求項1に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。 - 前記(D)無機イオン交換体の含有量が、前記(A)導電性粉末に対し、0.01〜3質量%であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。 - 前記(A)導電性粉末として、銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種、並びに銀を用い、
銅、銅合金、銀コート銅、および銀コート銅合金からなる群より選択される少なくとも1種と銀との配合比率が質量比で100:0〜1:99(100:0を除く。)であることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。 - 前記(A)導電性粉末として、金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、鉛およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有することを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。
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