JP2015089859A - テトラクロロシラン回収方法及び多結晶シリコン製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸留により回収されるテトラクロロシラン等の純度を高く維持し、また金属塩化物等も円滑に除去しつつ、テトラクロロシランの回収効率を高める。【解決手段】多結晶シリコンを析出させる反応炉5からの排出ガスを凝縮し、気液分離して、その凝縮液をさらに蒸留することにより、ポリマーを分離してテトラクロロシランを回収する回収工程と、テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化した後の転化反応ガスを凝縮した後、その凝縮液を精製蒸留系18により蒸留することにより、金属塩化物を除去して、テトラクロロシランを精製するクロロシラン精製工程とを備え、回収工程において分離されたポリマーを含む残渣をクロロシラン精製工程で精製蒸留系18に投入し、ポリマーを金属塩化物とともに排出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、多結晶シリコンを析出する際の排出ガスやテトラクロロシランの転化反応により排出される排出ガスからのテトラクロロシラン回収方法、及びテトラクロロシランを回収しながら多結晶シリコンを製造する方法に関する。
半導体材料に用いられる高純度多結晶シリコンは、例えば、金属シリコンの塩化水素との反応により生成したトリクロロシラン(三塩化珪素:SiHCl3:TCS)と水素とを混合して原料とし、この混合ガスを反応炉に導入して赤熱したシリコン棒に接触させ、高温下のトリクロロシランの水素還元や熱分解によってシリコン棒表面に多結晶シリコンを析出させる方法(シーメンス法)によって主に製造されている。
この多結晶シリコンの製造において、反応炉の排出ガスには、未反応のトリクロロシラン及び水素、副生成物のテトラクロロシラン(四塩化珪素:SiCl:STC)、塩化水素などが含まれている。
このため、特許文献1では、反応後の排出ガスを気液分離して水素を回収するとともに、残った凝縮液をさらに複数回蒸留して、トリクロロシラン、テトラクロロシランを回収している。また、その蒸留残渣には、シリコンを2原子以上含む高次塩化珪素化合物を主成分とするポリマーが含まれており、これを蒸留塔から抜き出して加水分解等を経て排棄処理している。
一方、この蒸留により得られたテトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランを含むクロロシラン類を生成し、これを蒸留精製することにより得たトリクロロシランをシリコン析出の原料として再利用することも行われている。
特許文献2では、珪素粒子(金属シリコン)、テトラクロロシラン及び水素を、銅シリサイドを含む触媒の存在下で、流動層で高温で反応させることにより、トリクロロシランを製造する技術が開示されている。
また、この転化反応で生じたガス中には、生成されるトリクロロシランの他に、未反応のテトラクロロシラン、水素が含まれているとともに、原料として用いた金属シリコンの微粉や金属シリコン中の不純物(Fe、Al、Ti、Ni等)が反応して生成された金属塩化物及びポリマーが含まれる。この金属塩化物のうち塩化アルミニウム(AlCl)は、比較的昇華点が低く、配管閉塞や腐食の原因となる。そこで、転化反応ガスを凝縮して蒸留することにより、高純度のトリクロロシランを得るとともに、金属塩化物等は、蒸留残渣として抜き出して処分されている(特許文献3参照)。
特開平1−203213号公報 特開平10−29813号公報 特開2006−1804号公報
ところで、反応炉の排出ガスからポリマーを除去する場合、そのポリマーのみを除去しようとすることは、蒸留により回収されるテトラクロロシラン等の純度を低下させる原因となるため困難である。このため、これらポリマーの沸点よりも若干低い温度で蒸留することが行われ、それにより、比較的沸点の高いテトラクロロシランの一部がポリマーとともに系外に排出される。
一方、転化反応ガスから除去される金属塩化物等は、大部分が固形状物であるため、これを蒸留装置から抜き出すために、液分としてテトラクロロシランが含まれるようにし、このテトラクロロシランによって流動性を付与した状態で排出している。
このため、多結晶シリコン製造装置において多量のテトラクロロシランがポリマーや金属塩化物とともに排出されており、テトラクロロシランの回収効率を低下させる要因となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、蒸留により回収されるテトラクロロシラン等の純度を高く維持し、また金属塩化物等も円滑に除去しつつ、テトラクロロシランの回収効率を高めることができるテトラクロロシラン回収方法及び高純度の多結晶シリコン製造方法の提供を目的とする。
本発明のテトラクロロシラン回収方法は、多結晶シリコンを析出させる反応炉からの排出ガスを凝縮し、気液分離して、その凝縮液をさらに蒸留することにより、ポリマーを分離してテトラクロロシランを回収する回収工程と、前記テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化した後の転化反応ガスを凝縮した後、その凝縮液を精製蒸留系により蒸留することにより、金属塩化物を除去して、テトラクロロシランを精製するクロロシラン精製工程とを備え、前記回収工程において分離されたポリマーを含む残渣を前記クロロシラン精製工程で前記精製蒸留系に投入し、前記ポリマーを前記金属塩化物とともに排出することを特徴とする。
また、本発明の多結晶シリコン製造方法は、トリクロロシランと水素とを含む混合ガスを反応炉内で反応させて多結晶シリコンを析出させるシリコン析出工程と、前記反応炉から排出される排出ガスを凝縮し、気液分離して水素を回収するとともに、凝縮液をさらに蒸留することにより、ポリマーを分離して、テトラクロロシランを回収する回収工程と、前記テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化する転化反応工程と、転化反応後の排出ガスを凝縮した後、その凝縮液を精製蒸留系により蒸留することにより、金属塩化物を除去して、テトラクロロシラン及びトリクロロシランを精製するクロロシラン精製工程とを備え、クロロシラン精製工程で得られたトリクロロシランを前記シリコン析出工程の前記混合ガスの一部として使用するとともに、前記回収工程において分離されたポリマーを含む残渣を前記クロロシラン精製工程で前記精製蒸留系に投入し、前記ポリマーを前記金属塩化物とともに排出することを特徴とする。
前述したように、回収工程において、テトラクロロシランが残渣としてポリマーとともに排出される。一方、クロロシラン精製工程における精製蒸留系においても、テトラクロロシランが残渣として金属塩化物とともに排出される。これらテトラクロロシランは、回収されるテトラクロロシランの純度を高く維持するために、あるいは固形状物である金属塩化物の流動を容易にするために必要な量排出される。この場合、クロロシラン精製工程における精製蒸留系で金属塩化物を除去するために排出されるテトラクロロシランは、回収工程でポリマーを除去するために排出されるテトラクロロシランの量よりも多いため、回収工程からの残渣を精製蒸留系に添加しても、この残渣に含まれるポリマー及びクロロシラン製造工程から生じた金属塩化物の両方を除去するのに十分である。したがって、少なくとも回収工程から生じる残渣中に含まれるテトラクロロシランに相当する量のテトラクロロシランは、クロロシラン精製工程における精製蒸留系により蒸発してテトラクロロシランのガスとして回収することができる。
また、金属塩化物中にはテトラクロロシランと沸点が近いボロンの塩化物も含まれており、従来の蒸留精製ではテトラクロロシランと分離するのが難しいが、ポリマーを添加して蒸留することにより、ボロンの塩化物もポリマーに取り込んで排出することができ、回収されるテトラクロロシランの純度を高めることができる。
本発明によれば、多結晶シリコンを析出した際の排出ガスからテトラクロロシランを回収する際に分離したポリマーを含む残渣を、テトラクロロシランの転化反応ガスからテトラクロロシランを回収する際の精製蒸留系に添加することにより、従来では廃棄処分されていたテトラクロロシランを効率良く回収することができる。さらに、金属塩化物中に含まれるボロン化合物も分離除去できるため、回収されるテトラクロロシランの純度を高めることができる。そして、このようにテトラクロロシランを回収しながら、多結晶シリコンの析出と、その原料であるトリクロロシランの製造とを連続的に行うことにより、効率的に高純度の多結晶シリコンを製造することができる。
本発明の実施形態の多結晶シリコン製造方法を実施するための多結晶シリコン製造装置の全体を示す概略図である。
以下、本発明の多結晶シリコン製造方法の実施形態について説明する。
図1は、多結晶シリコン製造装置の全体の概略構成を示しており、この多結晶シリコン製造装置1は、多結晶シリコン析出装置2とトリクロロシラン製造装置3とから構成されている。図中、トリクロロシランはTCS、テトラクロロシランはSTC、水素はHとして表記している。
多結晶シリコン析出装置2は、多結晶シリコンの原料となるトリクロロシラン、水素を蒸発させてガス化する蒸発器4、ガス化したトリクロロシランに水素を混合して反応させて多結晶シリコンを析出する反応炉5、反応炉5から排出される排出ガスを気液分離する凝縮器6、分離された気体中の水素を再度原料として使用するために回収精製する水素回収系7、凝縮器6の凝縮液を蒸留してトリクロロシラン及びテトラクロロシランを回収する回収蒸留系8を備えている。
反応炉5内には複数のシリコン棒が立設されており、これらシリコン棒を赤熱状態として、その表面に原料のガスを接触させることにより、シリコン棒の表面に多結晶シリコンが析出するようになっている。水素回収系7では反応炉5から排出される排出ガス中の不純物が除去され、水素が精製される。また、回収蒸留系8には、排出ガスの凝縮液中に含まれるトリクロロシランを蒸留によって回収する蒸留塔9(複数設置される)及びその蒸留塔9の残渣からポリマーを蒸留により分離してテトラクロロシランを得るポリマー分離装置10が設けられる。
トリクロロシラン製造装置3は、テトラクロロシランを蒸発させてガス化する蒸発器16、ガス化したテトラクロロシランに水素を混合して金属シリコンと反応させて、トリクロロシランを含むクロロシラン類を生成する転化炉15、転化炉15から排出される排出ガスを冷却して気液分離する凝縮系17、その凝縮液を蒸留してテトラクロロシラン及びトリクロロシランを精製する精製蒸留系18を備えている。
転化炉15に供給される金属シリコンは、主に粒状をなしており、転化炉15は、この金属シリコンと水素、テトラクロロシランを流動状態によって反応させる構成である。凝縮系17は、転化炉15から排出される排出ガス中に含まれるシリコン粉末を捕捉するダスト捕捉器、排出ガスを冷却する冷却器等を備えている。精製蒸留装置18には、テトラクロロシランを蒸留によって回収する蒸留塔19(複数設置される)及びその蒸留塔19の残渣から金属塩化物を除去してトリクロロシランを得る金属塩化物除去装置20が設けられる。
次に、この多結晶シリコン製造装置1により多結晶シリコンを製造する方法について工程ごとに説明する。
<シリコン析出工程>
原料となるトリクロロシランと水素とを蒸発器4で蒸発させ、水素ガスを混合させて原料ガスとして反応炉5に供給する。反応炉5内には、赤熱状態とされたシリコン棒が複数立設されており、供給された原料ガスは、これらシリコン棒に接触して反応し、シリコン棒の表面に多結晶シリコンを析出させる。
<回収工程>
反応炉5から排出される排出ガスを凝縮器6により気液分離して水素を水素回収系7により精製して回収し、再度原料ガスとして再利用すべく、蒸発器4に供給する。
一方、凝縮器6で凝縮された液分は、さらに回収蒸留系8の蒸留塔9を通してトリクロロシランを蒸留分離して回収するとともに、ポリマー分離装置10によりポリマーを蒸留分離してテトラクロロシランを回収する。このポリマー分離装置10では、ポリマーを確実に分離して、回収されるテトラクロロシラン中の不純物を極力低減するために、テトラクロロシランの一部がポリマーとともに液分に残り、このテトラクロロシランを含んだポリマーが排出される。この場合、テトラクロロシランは、ポリマーとほぼ同量排出されるようにしてもよい。
この回収蒸留系8で得られたトリクロロシランは、原料の一部として使用するために反応炉5の前の蒸発器4に供給される。ポリマーから分離されたテトラクロロシランは、例えばタンクに貯留され、一部は他の工業用途に供される場合があるが、後述する転化反応工程の原料として供給される。
<転化反応工程>
転化反応工程では、テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化する。金属シリコンは、珪石(SiO)を精錬して、純度98%程度にした粒状のシリコンであり、金属成分の不純物が含まれる。
これら原料のうち、テトラクロロシラン蒸発器16で蒸発された後に水素と混合され、転化炉15に供給される。転化炉15内では、シリコンの粒が流動状態を形成し、その流動状態下においてテトラクロロシラン、シリコン、水素が反応してトリクロロシランを含む反応ガスが生成される。この場合、反応触媒として塩化銅(CuCl)などの銅系の触媒が用いられる。
<クロロシラン精製工程>
前述したように転化反応工程で生成される転化反応ガスには、トリクロロシランの他に、未反応のテトラクロロシラン、水素が含まれているとともに、金属シリコンの微粉や金属シリコン中の不純物(Fe、Al、Ti、Ni等)が反応して生成された金属塩化物及び高次塩化珪素化合物からなるポリマーが含まれる。
まず、転化反応後のガスは凝縮系17に送られ、金属シリコン粉末等の微粉が捕捉されるとともに、冷却されて凝縮することにより気液分離され、凝縮液は、次の精製蒸留系18により、テトラクロロシラン及びトリクロロシランに蒸留される。この蒸留により回収されたテトラクロロシランは、転化炉15の原料の一部として再利用されるべく蒸発器16に供給され、気化された後、凝縮による気液分離後の水素と混合され転化炉15に供給される。また、回収されたトリクロロシランはシリコン析出工程の原料ガスの一部として使用される。
また、この精製蒸留系18において、蒸留塔19では高次塩化珪素化合物からなるポリマーが除去され、金属塩化物除去装置20では金属塩化物がトリクロロシラン及びテトラクロロシランから分離除去される。そのうち、金属塩化物除去装置20の残渣は、主に原料の金属シリコンに含まれていたアルミニウムが塩化した塩化アルミニウム等の金属塩化物で、固形状物であるため、流動性を付与して排出し易くするため、テトラクロロシランの一部が残渣に含まれるように蒸留しており、金属塩化物とともにテトラクロロシランも排出される。
この金属塩化物除去装置20においては、前述したように、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10から排出されたポリマーが添加される。このポリマー分離装置10で分離されたポリマーには、このポリマーとほぼ同量のテトラクロロシランが含まれており、これらポリマー及びテトラクロロシランが金属塩化物除去装置20に添加される。そして、金属塩化物除去装置20では、これらを蒸留してトリクロロシラン及びテトラクロロシランが回収される。残った残渣には、金属塩化物及び液分のテトラクロロシランを含ませておく必要があるが、この場合のテトラクロロシランは、固形物である金属塩化物に流動性を付与して排出し易くするためのものであり、例えば、金属塩化物(塩化アルミニウム)の量に対して2倍以上の量とされる。この量は、ポリマー分離装置10においてポリマー除去のために必要であったテトラクロロシランの量よりも多いため、添加したポリマーを除去するために十分である。
したがって、金属塩化物除去装置20では、金属塩化物、ポリマー分離装置10から持ち込まれたポリマー及び金属塩化物の流動のために必要な量のテトラクロロシランが排出され、ポリマー分離装置10からポリマーとともに持ち込まれたテトラクロロシランに相当する量のテトラクロロシランは、蒸留により、回収されるテトラクロロシランの中にほぼ全量が含まれた結果となる。
このようにして、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10から分離したポリマーをトリクロロシラン製造装置3の精製蒸留系18の金属塩化物除去装置20に添加することにより、従来では、ポリマー分離装置10からポリマーとともに廃棄していた分のテトラクロロシランとほぼ同量のテトラクロロシランを回収することができ、その回収効率が高くなる。
例えば、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10からの残渣物及びトリクロロシラン製造装置3の金属塩化物除去装置20からの残渣物の両方とも排出していた従来の場合、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10では、ポリマーがおよそ50t/月、テトラクロロシランがおよそ50t/月の比率で排出されており、トリクロロシラン製造装置3の金属塩化物除去装置20においては、金属塩化物がおよそ30t/月、テトラクロロシランがおよそ70t/月の比率で排出されていた。テトラクロロシランとしてはおよそ120t/月が排出されていたことになる。
これに対して、本実施形態の装置では、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10で排出されるおよそ50t/月のポリマーと、およそ50t/月のテトラクロロシランとが、トリクロロシラン製造装置3の金属塩化物除去装置20に添加され、この金属塩化物除去装置20からの排出物は、金属塩化物がおよそ30t/月、ポリマーがほぼポリマー分離装置10から持ち込まれた分のおよそ50t/月、テトラクロロシランがおよそ70t/月となり、ポリマー分離装置10からポリマーとともに持ち込まれた分のテトラクロロシランに相当する量(およそ50t/月)のテトラクロロシランは、回収されるテトラクロロシランに含まれることになる。
また、トリクロロシラン製造装置2で転化炉15に供給される金属シリコンには、アルミニウムの他にも、ボロンなども含まれており、同様に塩素化され、転化反応ガス中に含まれる。このボロンの塩化物(BCl)は、トリクロロシランやテトラクロロシランと比較的沸点が近いため、蒸留で分離することが難しいが、多結晶シリコン析出装置2のポリマー分離装置10で排出されるポリマーは、クロロジシラン(Si2Cl6)、クロロトリシラン(Si3Cl8)、テトラクロロジシラン(Si22Cl4)など、シリコンを2原子以上含む高次塩化珪素化合物からなるので、このポリマーを金属塩化物除去装置20に添加することにより、ボロンの塩化物と反応して、テトラクロロシランよりも沸点がかなり高い錯体を形成し、これをポリマーに含ませて排出することができる。したがって、回収されるテトラクロロシランの純度を高めることができるという副次的効果も得られる。
このように、この多結晶シリコン製造装置1においては、多結晶シリコン析出後の排出ガスから水素、テトラクロロシラン等を回収した後の残渣をトリクロロシラン精製の際の金属塩化物除去装置20に添加することにより、テトラクロロシランの回収効率を高めるとともに、回収されるテトラクロロシランの純度をも高めることができるという、優れた効果を奏するものである。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、回収蒸留系8のポリマー分離装置10により分離されたポリマー及びテトラクロロシランを精製蒸留系18の金属塩化物除去装置20に添加したが、図1の二点鎖線で示すように蒸留塔19に添加してもよく、これにより、蒸留塔19においてもポリマーを除去することができる。
1 多結晶シリコン製造装置
2 多結晶シリコン析出装置
3 トリクロロシラン製造装置
4 蒸発器
5 反応炉
6 凝縮器
7 水素回収系
8 回収蒸留系
9 蒸留塔
10 ポリマー分離装置
15 転化炉
16 蒸発器
17 凝縮系
18 精製蒸留系
19 蒸留塔
20 金属塩化物除去装置

Claims (2)

  1. 多結晶シリコンを析出させる反応炉からの排出ガスを凝縮し、気液分離して、その凝縮液をさらに蒸留することにより、ポリマーを分離してテトラクロロシランを回収する回収工程と、前記テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化した後の転化反応ガスを凝縮した後、その凝縮液を精製蒸留系により蒸留することにより、金属塩化物を除去して、テトラクロロシランを精製するクロロシラン精製工程とを備え、前記回収工程において分離されたポリマーを含む残渣を前記クロロシラン精製工程で前記精製蒸留系に投入し、前記ポリマーを前記金属塩化物とともに排出することを特徴とするテトラクロロシラン回収方法。
  2. トリクロロシランと水素とを含む混合ガスを反応炉内で反応させて多結晶シリコンを析出させるシリコン析出工程と、前記反応炉から排出される排出ガスを凝縮し、気液分離して水素を回収するとともに、凝縮液をさらに蒸留することにより、ポリマーを分離して、テトラクロロシランを回収する回収工程と、前記テトラクロロシランを金属シリコン、水素と反応させて、トリクロロシランに転化する転化反応工程と、転化反応後のガスを凝縮した後、その凝縮液を精製蒸留系により蒸留することにより、金属塩化物を除去して、テトラクロロシラン及びトリクロロシランを精製するクロロシラン精製工程とを備え、クロロシラン精製工程で得られたトリクロロシランを前記シリコン析出工程の前記混合ガスの一部として使用するとともに、前記回収工程において分離されたポリマーを含む残渣を前記クロロシラン精製工程で前記精製蒸留系に投入し、前記ポリマーを前記金属塩化物とともに排出することを特徴とする多結晶シリコン製造方法。
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