JP4128983B2 - シリコン塩化物の製造方法およびそれを用いる多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不純物、特に塩化アルミニウム濃度の低い高純度のシリコン塩化物の製造方法、およびこの方法により得られるシリコン塩化物を用いる多結晶シリコンの製造方法に関する。なお、「シリコン塩化物」とは、トリクロロシランを主体とし、四塩化珪素、ジクロロシラン等を含むクロロシラン類を意味する。「高純度のシリコン塩化物」といえば、実質的には高純度トリクロロシランである。
シリコン塩化物は、光ファイバー、太陽電池用および半導体用多結晶シリコン等の原料として使用されており、通常、流動層型反応装置(反応炉)を用い、金属シリコンと塩化水素、または金属シリコンと四塩化珪素および水素を反応させることにより製造されている。
すなわち、金属シリコンが充填された層(固定層、流動層)に塩化水素(HCl)、または、四塩化珪素(SiCl4)と水素(H2)を送気して、金属シリコンの粒子を浮遊懸濁(流動化)させた状態で反応させ、トリクロロシラン(SiHCl3)、すなわち、ここでいうシリコン塩化物を生成させる。金属シリコンに作用させるガスの違いに応じて、主に下記(1)式または(2)式の反応が起こる。
Si+3HCl→SiHCl3+H2 ・・・(1)
Si+3SiCl4+2H2→4SiHCl3 ・・・(2)
前記いずれの用途においても原料として高純度のシリコン塩化物が必要とされるため、生成した気体状のシリコン塩化物は冷却、液化され、蒸留操作により不純物が分離、除去される。特に、半導体用多結晶シリコンの製造においては、超高純度のシリコン塩化物が必要とされるので、蒸留には多数段の蒸留塔が用いられる。
前記の反応後のガス中には、生成したトリクロロシランや副生物としての四塩化珪素、水素、未反応ガス等の他、金属シリコンの微粉や、金属シリコンに含まれるAl、Fe等が塩素化されて発生する固体状およびガス状の物質が含まれている。
反応後のガスは冷却され、ガス中のトリクロロシラン(沸点:31.8℃)、四塩化珪素(沸点:57.6℃)等の沸点の低いシリコン塩化物(クロロシラン類)は凝縮液化し、液化しない水素、未反応ガスは別途回収される。一方、前記の微粉や塩素化されて生じた固体状物質は、冷却前にフィルターまたは固気分離器(サイクロン)で除去されるか、またはそのままシリコン塩化物の凝縮液中に取り込まれる。しかし、フィルター等による除去は、微粉に対してはある程度の効果はあるが、完全ではなく、またフィルター等を通過するガス状の物質に対しては効果がない(前記の微粉や固体状およびガス状の物質を、以下、「不純物」ともいう)。
そこで、凝縮液は蒸留塔へ導かれ、蒸留により沸点の低いシリコン塩化物(クロロシラン類)が回収され、不純物が分離、除去されてシリコン塩化物の純度が向上する。
一方、凝縮液中に残留した微粉や塩化アルミニウム、塩化鉄等の不純物は次第に濃化し、過飽和になって、蒸留塔のリボイラー(蒸発器)に残渣として蓄積される。そのため、熱交換効率(この場合は、蒸発効率)が悪化するので頻繁な清掃が必要となる。また、前記不純物は蒸留塔周辺の配管の内壁等に析出、固着し、場合によっては配管の閉塞を生じさせる。
さらに、塩化アルミニウムは、リボイラー、配管等の清掃時や定期整備の際、空気中の水分と反応して腐食性が強くなるため、これらリボイラー、配管等の寿命を短縮させるという問題もある。
なお、蒸留塔のリボイラーに蓄積する残渣や、配管の内壁等の析出物や閉塞物の主成分は塩化アルミニウム(AlCl3)で、原料である金属シリコン中に含まれるAlが塩化水素または四塩化珪素により塩化され生成したものである。
ところで、アルミニウムはシリコンの抵抗率に影響を与える不純物であり、これまでは、例えば、抵抗率1000Ω・cm以上、あるいは2000Ω・cm以上の超高純度多結晶シリコンを製造するためには金属シリコンのアルミニウム濃度も極低濃度でなければならない、という考え方が業界の“常識”であった。そのため、高純度多結晶シリコンのメーカーはいずれもアルミニウム濃度が500ppm未満の“アルミニウム濃度が極めて低い金属シリコン”を使用している。
その結果、金属シリコンを塩化水素などと反応させる反応炉から冷却(液化)工程を経て蒸留塔に至るまでの配管等においては、塩化アルミニウムの析出や閉塞は生じてはおらず、それが問題となるのは、蒸留塔のリボイラー、その周辺の配管等であった。
この蒸留塔のリボイラーやその周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出や配管の閉塞は、前述したように、塩化アルミニウム等の不純物が濃縮し、析出することによるものと考えられ、従来から、これら不純物を蒸留塔の塔底から抜き出す方法が採られる場合が多かった。しかし、この塔底から抜き出した液中にはシリコン塩化物(クロロシラン類)が含まれているので、有用成分の損失が大きく、また、抜き出し後の加水分解処理等に要する費用も嵩み、経済的にも不利である。
その対策として、例えば特許文献1には、塩化アルミニウムを含有するクロロシラン類液からクロロシラン類を蒸発させて回収する際に、前記蒸発を薄膜蒸発法により行い、かつ、塩化アルミニウムの濃縮物を液状で取り出す方法が開示されている。
また、本発明者は、蒸留塔の塔底の塩化アルミニウムが濃縮された塔底液を抜き出して再濃縮装置で加熱し、有用成分であるクロロシラン類(トリクロロシラン、四塩化珪素、ジクロロシラン等)をガス化分離(回収)して蒸留塔に戻し、塩化アルミニウムが濃縮した液を系外へ抜き出すクロロシラン類の製造方法を提案した(特願2003−047372)。
このように、塩化アルミニウム等の不純物を蒸留塔の塔底から抜き出し、前記再濃縮装置等で処理することにより、シリコン塩化物(クロロシラン類)を回収するとともに、蒸留塔のリボイラーや、その周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞を効果的に抑制することができる。
特開2001−261324号公報
前述したように、超高純度シリコン塩化物を製造するに際し、(イ)反応炉から冷却工程を経て蒸留塔に達する間の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞、および、(ロ)蒸留工程で生じるリボイラーや周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞等の問題がある。(イ)の問題は、アルミニウム濃度が500ppm未満の金属シリコンを原料として使用しているため、通常は、生じることはなく、また、(ロ)の問題は、塩化アルミニウム等の不純物を蒸留塔の塔底から抜き出し、再濃縮装置等で処理することにより回避可能である。
しかし、前記(イ)において、アルミニウム濃度が500ppm未満の金属シリコンを使用するのは、「超高純度多結晶シリコンを製造するためには金属シリコンのアルミニウム濃度も極低濃度でなければならない」という従来からの考え方に基づくもので、詳細な検討に基づき導出されたものではない。また、配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞防止の観点から採られている手段でもない。前述のように、反応後のガスを冷却して得られる凝縮液を蒸留することによってアルミニウムはシリコン塩化物から分離、除去されるので、アルミニウム濃度が500ppm以上の、より安価で入手しやすい金属シリコンを原料として使用できる可能性は十分あると言える。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、超高純度多結晶シリコンの製造面、ならびに、反応炉から蒸留塔に至る間の配管等における塩化アルミニウムの析出および配管の閉塞防止の観点からみて、適正な濃度範囲のアルミニウムを含有する金属シリコンを原料として使用する高純度のシリコン塩化物の製造方法、およびこの方法により得られるシリコン塩化物を用いる多結晶シリコンの製造方法を提供することを課題としている。
本発明者は、前記反応炉から蒸留塔に至る間の配管等における塩化アルミニウムの析出について調査をした結果、反応炉から排出されるガスを冷却して得られる凝縮液中の塩化アルミニウム濃度が200ppm(温度条件:50〜60℃)を超えると、塩化アルミニウムの析出が起こることを知見した。これは、前記凝縮液中の塩化アルミニウム濃度を常に200ppm以下にする必要があることを示している。
凝縮液中の塩化アルミニウムは、金属シリコン中に含まれるアルミニウムが塩化水素または四塩化珪素により塩化されて生じたものであるから、その濃度(凝縮液中の塩化アルミニウム濃度)は金属シリコンのアルミニウム濃度に依存する。そこで、さらに調査を行った結果、凝縮液中の塩化アルミニウム濃度を200ppm以下にするためには、原料である金属シリコンのアルミニウム濃度を3500ppm以下に抑える必要があることを確認した。
また、金属シリコン中にアルミニウムが存在することにより、金属シリコンに塩化水素、または、四塩化珪素と水素を作用させてシリコン塩化物を生成させる過程で、顕著な「反応性向上」効果が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたもので、その要旨は、下記(1)に記載のシリコン塩化物の製造方法の実施形態3、および(2)のシリコン塩化物の製造方法、並びにこれらの方法により得られるシリコン塩化物を用いる下記(3)の多結晶シリコンの製造方法にある。
(1)金属シリコンと塩化水素、または金属シリコンと四塩化珪素および水素を流動層で反応させた後、冷却し、得られるトリクロロシラン濃度を高めたシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する方法であって、前記金属シリコンのアルミニウム濃度が500〜3500ppmであるシリコン塩化物の製造方法。
ここで、「シリコン塩化物」とは、前記のように、トリクロロシランを主体とし、四塩化珪素、ジクロロシラン等を含むクロロシラン類を意味する。また、「高純度のシリコン塩化物」といえば、一部ジクロロシランなども含むが、実質的にはトリクロロシランである。なお、「シリコン塩化物」を「高純度のシリコン塩化物」の意味で用いる場合もある。
また、金属シリコンのアルミニウム濃度を表す「ppm」は質量の比で、この場合は、金属シリコン1質量に対してアルミニウムが500×10-6〜3500×10-6質量の割合で含まれていることを表す。
前記(1)のシリコン塩化物の製造方法で、『蒸留工程において、塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を系外へ排出する』方法(これを「実施態様1」の方法という)を採用することとすれば、系内での塩化アルミニウム濃度の上昇を抑え、蒸留工程で生じるリボイラーや周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞を確実に抑制することができる。
前記(1)のシリコン塩化物の製造方法で、『蒸留工程において、塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、残留する再濃縮物を系外へ排出する』方法(これを「実施態様2」の方法という)を採用すれば、前記実施態様1の方法を採用した場合と同様の効果(塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞抑制効果)に加え、塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収することができる。
ここで、「再濃縮物」とは、蒸留塔から抜き出した塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収した後に残留する濃縮液で、蒸留塔から抜き出された塩化アルミニウム濃縮液が再濃縮されたものである。
また、前記実施態様2の方法において、「塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、残留する再濃縮物を系外へ排出する」工程が、『塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、再濃縮装置で加熱することにより前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、再濃縮物を再濃縮装置から抜き出すに際し、前記反応させる金属シリコン量1kgに対して、蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量を1〜20kgとし、再濃縮物の抜き出し量を0.05〜0.45kgとする工程である』方法(これを「実施態様3」の方法という)を採用することとすれば、シリコン塩化物の回収率を高めるとともに、塩化アルミニウムを系外へ効率的に排除して、リボイラーや周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞を確実、かつ効果的に抑制できる。
(2)金属シリコンと四塩化珪素および水素を流動層で反応させた後、冷却し、得られるトリクロロシラン濃度を高めたシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する方法であって、前記金属シリコンのアルミニウム濃度が500〜3500ppmであり、蒸留工程において、塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、残留する再濃縮物を系外へ排出することを特徴とするシリコン塩化物の製造方法。
(3)前記の「実施態様3」の方法、または上記(2)の方法により得られるシリコン塩化物を原料として用いる多結晶シリコンの製造方法。
本発明のシリコン塩化物の製造方法によれば、アルミニウム濃度が従来用いているものよりも高い金属シリコンを原料として使用することにより、高い反応率で、しかも反応炉から蒸留塔に至る間の配管等において塩化アルミニウムの析出や配管の閉塞を生じさせずに、高純度のシリコン塩化物を製造することができる。また、これによって、原料として用いる金属シリコンのアルミニウム濃度が500ppm未満という“制約”を大きく緩和することができ、原料コストを低減できるという利点もある。
この方法により得られるシリコン塩化物は、アルミニウム濃度が問題ないレベルまで低下しており、半導体用多結晶シリコンの製造に用いられる超高純度多結晶シリコンの原料としても十分使用可能である。
また、本発明の多結晶シリコンの製造方法では、コスト的に有利なシリコン塩化物を原料として使用するので、多結晶シリコンの製造コスト低減が可能である。
以下に、本発明のシリコン塩化物の製造方法、およびこの方法により得られるシリコン塩化物を用いる多結晶シリコンの製造方法について詳細に説明する。
本発明のシリコン塩化物の製造方法は、次の(a)〜(c)の工程を備えた高純度シリコン塩化物の製造方法であって、工程(a)の金属シリコンのアルミニウム濃度が500〜3500ppmである点に特徴を有する方法である。
(a)金属シリコンと塩化水素、または金属シリコンと四塩化珪素および水素を流動層で反応させた後、
(b)冷却し、
(c)得られるトリクロロシラン濃度を高めたシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する。
工程(a)では、通常、流動層型反応装置(反応炉)を用い、炉内に金属シリコンを装入し、約600℃に加熱された水素および四塩化珪素を送入して流動層とする。反応炉1内では前記(2)式の反応が起こり、トリクロロシランが生成する。
反応炉から排出されるガス中には、反応生成物であるトリクロロシラン(SiHCl3)の他に、未反応の水素(H2)、四塩化珪素(SiCl4)および未反応の金属シリコンの微粉や、塩化アルミニウム、塩化鉄等の不純物が存在している。なお、塩化アルミニウムは、通常は液体では存在せず、固体または気体の状態であり、固体を約180℃以上に加熱すると昇華する。
工程(b)では、前記反応炉から排出されたガスを冷却する。これによって、沸点の低いトリクロロシラン、四塩化珪素等を凝縮、液化するとともに、金属シリコンの微粉や塩化アルミニウム等の不純物をトリクロロシラン、四塩化珪素等の凝縮液(シリコン塩化物凝縮液)中に捕集する。すなわち、前記の「シリコン塩化物凝縮液」とは、この反応炉からの排出ガスを冷却して得られるクロロシラン類の未精製混合液である。なお、塩化アルミニウムは100℃前後でもシリコン塩化物凝縮液に数%しか溶解せず、常温ではほとんど溶解しない。
冷却方法は、例えば冷却されたシリコン塩化物凝縮液をスプレーする方式を用いればよい。得られるシリコン塩化物凝縮液をポンプで強制循環させながらスプレーすることにより、シリコン塩化物凝縮液を得ることができる。
冷却により凝縮せず、また、凝縮液中に捕集もされない水素および未反応ガスは、回収され、反応炉の原料ガスとして再利用される。一方、シリコン塩化物凝縮液は強制循環経路から一部が抜き出され、蒸留塔へ送られる。
工程(c)では、前記の冷却により得られるシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する。
この工程で用いる蒸留塔では、前記抜き出されたシリコン塩化物凝縮液がリボイラーでスチーム加熱され、トリクロロシラン、四塩化珪素等は蒸発して塩化アルミニウム等の不純物と分離される。これによって、高純度のシリコン塩化物を製造することができる。なお、得られたシリコン塩化物はその用途に応じてさらに精留される。
本発明のシリコン塩化物の製造方法において、前記の工程(a)で原料として用いる金属シリコンのアルミニウム濃度を500ppm以上とするのは、これにより、金属シリコンに塩化水素、または、四塩化珪素と水素を作用させてシリコン塩化物を生成させる過程で、顕著な「反応性向上」効果が得られるからである。
一方、金属シリコンのアルミニウム濃度を3500ppm以下とするのは、この濃度が3500ppmを超えると、反応炉から蒸留塔に至る間の配管等で塩化アルミニウムの析出が起こるからである。
本発明の方法で得られるシリコン塩化物を原料として使用しても、得られる超高純度の多結晶シリコンの品質は、従来の方法で得られるシリコン塩化物を原料として使用した場合と異ならない。シリコン塩化物製造時の原料として用いる金属シリコンのアルミニウム濃度の違いが超高純度多結晶シリコンの品質に影響を与えない理由は、以下のように推測される。
10N(テンナイン、すなわち、Si:99.99999999%以上)あるいは11N程度の超高純度の多結晶シリコンを得るためには、原料となるシリコン塩化物の純度を極限まで高める必要がある。特に、抵抗率を下げる原因となるホウ素、燐の除去が必要で、そのために蒸留を行うが、そのとき副次的にアルミニウム塩化物も十分に除去されると考えられる。すなわち、アルミニウム濃度が多少高い金属シリコンを原料として用いても、ホウ素、燐を除去する蒸留の過程で、アルミニウム濃度は問題ないレベルまで低下するものと推測される。
また、原料である金属シリコンのアルミニウム濃度が従来使用されている金属シリコンのアルミニウム濃度より高いにもかかわらず、超高純度多結晶シリコンの品質、配管の閉塞等に関して問題が生じないのは、後述する本発明の実施態様1、実施態様2または実施態様3の方法に示すように、塩化アルミニウム等の不純物を蒸留塔の塔底から抜き出し、または抜き出し後、再濃縮装置等で処理することにより、系内の塩化アルミニウム濃度の上昇が効果的に抑制されていることも理由の一つと考えられる。
本発明のシリコン塩化物の製造方法によれば、後述する実施例に示すように、金属シリコンに塩化水素、または、四塩化珪素と水素を作用させてシリコン塩化物を生成させる過程で、顕著な反応性向上効果が得られる。さらに、原料である金属シリコンのアルミニウム濃度に関する“制約”が大きく緩和されるので、原料の入手が容易になり、原料コストを低減できるという利点もある。
前記本発明のシリコン塩化物の製造方法で、前記(c)の蒸留工程において、「塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を系外へ排出する」こととしてもよい。すなわち、工程(a)、(b)、(c)に加え、下記の工程(d)を備えた方法で、前記の「実施態様1」の方法である。
(d)塩化アルミニウム濃縮液を系外へ排出する。
この工程を加えることにより、塩化アルミニウム等の不純物が混在しているシリコン塩化物凝縮液を蒸留して高純度のシリコン塩化物を得る(回収する)だけではなく、前記回収後の、塩化アルミニウムが濃縮した液(つまり、「塩化アルミニウム濃縮液」)を系外へ排出することとなる。したがって、操業を長期間継続しても、系内での塩化アルミニウム濃度の上昇を抑えることが可能となり、蒸留工程で生じるリボイラーや周辺の配管における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞を確実に抑制することができる。
また、前記本発明のシリコン塩化物の製造方法で、(c)の工程において、「塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、残留する再濃縮物を系外へ排出する」こととしてもよく、望ましい。工程(a)、(b)、(c)に加え、下記の工程(d′)、(e)および(f)を備えた方法で、前記の「実施態様2」の方法である。
(d′)塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、
(e)前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、
(f)残留する再濃縮物を系外へ排出する。
工程(d′)で、塩化アルミニウム濃縮液の抜き出しは、蒸留塔の塔底から行えばよい。
工程(e)において、塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収する方法は任意である。通常は、塩化アルミニウム濃縮液を加熱して、シリコン塩化物を蒸発させて回収する。例えば、前掲の特許文献1に記載される薄膜蒸発法を用いてもよいし、前述の、本発明者が提案した再濃縮装置を用いることもできる。
工程(f)で、残留する再濃縮物を系外へ排出するに際し、その方法は限定されないが、前記の再濃縮装置を用いれば、工程(e)のシリコン塩化物の回収と残留塩化アルミニウム濃縮液の系外への排出を一連の操作で効率よく行えるので、望ましい。なお、その際の具体的な操業条件については、原料である金属シリコンの消費量、蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量、および再濃縮装置からの再濃縮物の抜き出し量のバランスを考慮して定める必要がある。その最適条件を定めたのが、次に述べる「実施態様3」の方法である。
すなわち、前記の工程(a)、(b)、(c)に加え、(d′)、(e)および(f)を備えた「実施態様2」の方法において、工程(e)および(f)の代わりに、下記の工程(e′)および(f′)を備えた方法を採用してもよく、より望ましい。
(d′)塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、
(e′)再濃縮装置で加熱することにより前記塩化アルミニウム濃縮液に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、
(f′)再濃縮物を再濃縮装置から抜き出すに際し、前記反応させる金属シリコン量1kgに対して、蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量を1〜20kgとし、再濃縮装置からの再濃縮物の抜き出し量を0.05〜0.45kgとする。
工程(d′)で、塩化アルミニウム濃縮液の抜き出しは、蒸留塔の塔底から行えばよい。なお、抜き出し量は、後の工程(f′)で定める量とする。
工程(e′)で、抜き出した塩化アルミニウム濃縮液を加熱するための再濃縮装置としては、例えば、以下に示す装置(前掲の特願2003−047372の添付図面に記載の再濃縮装置)を用いればよい。
図1は、再濃縮装置の概略構成例を示す図である。図示するように、再濃縮装置1は、 上部に塩化アルミニウム濃縮液送入口2とシリコン塩化物排出口3を備え、円筒形でその下方が凸状をなす蒸発容器4で、この容器4の内側には攪拌手段が設けられている。蒸発容器4は二重壁構造をなし(図示せず)、内壁と外壁の間を蒸気が通過して、容器4内へ供給される塩化アルミニウム濃縮液を加熱できるように構成され、さらに、底部には、塩化アルミニウム濃縮液が再濃縮されて生じた再濃縮物を系外へ抜き出すために一時溜め置く再濃縮物溜まり5が設けられている。再濃縮物溜まり5には、再濃縮物を系外へ抜き出すための排出管12と、定量ポンプ13が取り付けられている。
攪拌手段は、蒸発容器4の中央に垂直に取り付けられた回転軸6と、その回転軸6の下方に放射状に、かつ蒸発容器4の下方の内壁に沿うように設けられた攪拌羽根7と、再濃縮物溜まり5内を攪拌し、系外への抜き出しを円滑に行うための攪拌羽根8を有し、回転軸6の上部に連結されたモータ9により正逆両方向に回転できるように構成されている。
攪拌羽根7を前記のように内壁に沿うように設けるのは、蒸発容器4内を攪拌することによって容器4の内壁面における再濃縮物の固着を防止するためである。
シリコン塩化物排出口3は回収されたシリコン塩化物を凝縮させるための凝縮器10に接続され、流量計11を経て蒸留塔に連結されている。
この再濃縮装置を用いれば、塩化アルミニウム濃縮液を蒸発容器4内で容器の内外壁間を通過する蒸気により加熱し、塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物をガス化して回収することができる。なお、シリコン塩化物排出口3から蒸発容器4外へ排出されたシリコン塩化物のガスは、凝縮器10で液化し、流量計11を経て蒸留塔に戻され、トリクロロシラン、四塩化珪素として回収される。
工程(f′)では、再濃縮物を再濃縮装置から抜き出すが、この再濃縮装置を用いれば、蒸発容器4内の塩化アルミニウム濃縮液を攪拌羽根7により攪拌しながら再濃縮し、再濃縮物を再濃縮物溜まり5内で攪拌羽根8により攪拌しつつ排出管12から系外へ抜き出すことができる。攪拌羽根7、8の攪拌効果で、塩化アルミニウムが蒸発容器4や再濃縮物溜まり5の内壁面に固着することはない。
その抜き出しの際、反応させる金属シリコン量1kgに対して、蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量を1〜20kgとし、再濃縮装置からの再濃縮物の抜き出し量を0.05〜0.45kgとする。
蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量が20kgより多ければ経済的に不利であり、1kgより少なければ再濃縮装置での処理量が少なく、塩化アルミニウムを十分に抜き出すことができず、配管の閉塞等の原因になる。
再濃縮装置からの再濃縮物の抜き出し量が0.05kgより少なければ、再濃縮装置内での塩化アルミニウムの濃度が高くなり、排出管に詰まりが発生し、さらに塩化アルミニウムの濃度が高くなることによって再濃縮物の液自体の沸点が上昇するため、塩化アルミニウム等が蒸気として蒸留塔に戻る場合も生じる。また、抜き出し量が0.45kgより多い場合は、シリコン塩化物の分離、回収が十分ではなく、系外への排出による損失が大きくなる。
工程(a)〜(b)に加え、工程(d′)、(e′)および(f′)を備えた前記の「実施態様3」の方法によれば、シリコン塩化物の回収率を高めるとともに、塩化アルミニウムを系外へ効率的に排除して、リボイラーや周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞を確実、かつ効果的に抑制できる。
本発明の多結晶シリコンの製造方法は、前述した本発明のシリコン塩化物の製造方法により得られるシリコン塩化物を原料として用いる多結晶シリコンの製造方法である。
多結晶シリコンは、通常、高純度のトリクロロシラン(すなわち、ここでいう高純度シリコン塩化物)を高純度の水素とともにCVD炉内に導入し、下記(3)式および(4)式の反応によりトリクロロシランを分解して、約1100℃に加熱された多結晶シリコン心棒に多結晶シリコンを析出、成長させることにより製造される。
SiHCl3+H2→Si+3HCl ・・・(3)
4SiHCl3→Si+3SiCl4+2H2 ・・・(4)
原料として超高純度のトリクロロシランが必要とされるが、前記の「実施態様2」または「実施態様3」の方法により得られるシリコン塩化物は、抵抗率を下げる原因となるホウ素、燐はもちろん、アルミニウム濃度も問題ないレベルまで低下しているので、高純度多結晶シリコン、例えば、半導体用多結晶シリコンの原料としても十分使用可能である。なお、製造に際しての具体的な条件は、通常用いられている条件等に準じて定めればよい。
「実施態様2」または「実施態様3」の方法により得られるシリコン塩化物は、いずれもアルミニウム濃度が500〜3500ppmの金属シリコンを原料として用いているので、高い反応率で製造されたものである上に、原料(金属シリコン)コストを低減できる利点を有している。また、蒸留塔から抜き出した塩化アルミニウム濃縮液中のシリコン塩化物を回収することにより、コストの上昇が抑えられている。したがって、このシリコン塩化物を原料として用いる本発明の多結晶シリコンの製造方法は、多結晶シリコンの製造コスト低減を図る上で有利である。
アルミニウム濃度が200〜8000ppmの範囲で異なる金属シリコンをそれぞれ原料として使用し、トリクロロシランの製造設備の運転を行って、シリコン塩化物生成反応の反応率、ならびに、反応炉から蒸留塔に至る間の配管等および蒸発塔のリボイラーやその周辺の配管等における塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞状況を調査した。なお、用いたトリクロロシランの製造設備は、前述した再濃縮装置を備えたものである。
表1に、用いた金属シリコンのアルミニウム濃度を示す。
Figure 0004128983
先ず、反応炉に表1に示した濃度のアルミニウムを含む金属シリコンを装入し、550℃に加熱された水素(H2)および四塩化珪素(SiCl4)を送入して流動層とし、下記のシリコン塩化物生成反応を生じさせた。前記(2)式の反応である。
Si+3SiCl4+2H2→4SiHCl3
次いで、反応炉から排出されるガス〔トリクロロシラン(SiHCl3)の他、水素、四塩化珪素および金属シリコンの微粉、塩化アルミニウム、塩化鉄等が含まれる〕をスプレー方式の冷却装置で冷却し、前記の微粉や塩化アルミニウム等が捕集された状態の(つまり、それらを含む)シリコン塩化物凝縮液の一部を抜き出して蒸留塔へ送り、リボイラーでスチーム加熱して、シリコン塩化物(トリクロロシラン、四塩化珪素)をガス化回収した。
蒸留塔の底部に溜まった塩化アルミニウム濃縮液を、反応炉における金属シリコンの消費量1kgに対して1kgの割合で抜き出し、再濃縮装置へ送った。また、再濃縮装置でシリコン塩化物をガス化回収し、再濃縮させて得られた再濃縮物を反応炉における金属シリコンの消費量1kgに対して0.05kgの割合で再濃縮装置から抜き出した。
シリコン塩化物生成反応の反応率、および配管の閉塞状況の調査結果を、表1に併せて示す。反応炉に投入されたSiCl4の一部が前記(2)式によりSiHCl3に変化して反応炉からの排ガスとして排出されるが、表1における「反応率」とは、反応炉に投入されたSiCl4がSiHCl3に変化する割合であり、従来例を100として表示した。
「配管の閉塞状況」は、反応炉から蒸留塔に至る間の配管における詰まりの有無を表す。配管が詰まり、操業不能となった場合の他、塩化アルミニウムの析出が多く、配管差圧が大きくなり、炉内圧力が上昇する等、操業に悪影響が生じた場合も、「詰まり発生」と表示した。なお、蒸発塔のリボイラーやその周辺の配管等においては、塩化アルミニウムの析出、配管の閉塞は生じなかった。塩化アルミニウム等の不純物を蒸留塔の塔底から抜き出し、再濃縮装置で処理しているからである。
また、「評価」の欄の「◎印」は、反応率が120以上で、かつ、3ヶ月にわたる運転期間中、配管の詰まりが無かった場合、「○印」は、反応率が110以上120未満で、かつ、同期間中、配管の詰まりが無かった場合、「×印」は、同期間中に配管の詰まりが発生した場合である。「◎印」または「○印」であれば、良好と評価した。
表1において、金属シリコンのアルミニウム濃度がそれぞれ500ppm、1000ppmおよび3500ppmの本発明例1、2および3では、反応率が110以上で、かつ配管の詰まりが認められず、良好な結果が得られた。
従来例は、アルミニウム濃度が500ppm未満(200ppm)の金属シリコンを使用した場合で、アルミニウム濃度が極めて低いので、配管の詰まりは認められない。
これに対して、アルミニウム濃度が8000ppmの金属シリコンを使用した比較例では、配管に詰まりが発生した。また、反応率の向上も飽和に近く、アルミニウム濃度が1000ppm、3500ppmの場合と同程度であった。
本発明のシリコン塩化物の製造方法によれば、高純度のシリコン塩化物を製造するに際し、反応率を向上させ得るとともに、原料として用いる金属シリコンのアルミニウム濃度が500ppm未満という“制約”を大きく緩和することができる。従って、この方法は、光ファイバー、太陽電池用および半導体用多結晶シリコン等の原料としての高純度シリコン塩化物の製造に好適に利用することができる。
また、本発明の多結晶シリコンの製造方法は、半導体用多結晶シリコンの製造に用いられる超高純度多結晶シリコンの製造にも十分利用することができ、本発明のシリコン塩化物の製造方法で得られる、より安価なシリコン塩化物を原料として使用するので、コスト面で有利である。
再濃縮装置の概略構成例を示す図である。
符号の説明
1:再濃縮装置
2:塩化アルミニウム濃縮液送入口
3:シリコン塩化物排出口
4:蒸発容器
5:再濃縮物溜まり
6:回転軸
7:攪拌羽根
8:攪拌羽根
9:モータ
10:凝縮器
11:流量計
12:排出管
13:定量ポンプ

Claims (4)

  1. 金属シリコンと塩化水素、または金属シリコンと四塩化珪素および水素を流動層で反応させた後、冷却し、得られるトリクロロシラン濃度を高めたシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する方法であって、
    前記金属シリコンのアルミニウム濃度が500〜3500ppmであり、
    蒸留工程において、塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、再濃縮装置で加熱することにより前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、
    再濃縮物を再濃縮装置から抜き出すに際し、前記反応させる金属シリコン量1kgに対して、蒸留塔からの塩化アルミニウム濃縮液の抜き出し量を1〜20kgとし、再濃縮装置からの再濃縮物の抜き出し量を0.05〜0.45kgとすることを特徴とするシリコン塩化物の製造方法。
  2. 金属シリコンと四塩化珪素および水素を流動層で反応させた後、冷却し、得られるトリクロロシラン濃度を高めたシリコン塩化物凝縮液を蒸留することにより高純度のシリコン塩化物を製造する方法であって、
    前記金属シリコンのアルミニウム濃度が500〜3500ppmであり、
    蒸留工程において、塩化アルミニウムを含有するシリコン塩化物凝縮液からシリコン塩化物を蒸発させて回収し、シリコン塩化物凝縮液中の塩化アルミニウムが濃縮した塩化アルミニウム濃縮液を蒸留塔から抜き出し、
    前記塩化アルミニウム濃縮液中に残存するシリコン塩化物を回収するとともに、残留する再濃縮物を系外へ排出することを特徴とするシリコン塩化物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のシリコン塩化物の製造方法により得られるシリコン塩化物を原料として用いることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
  4. 請求項2に記載のシリコン塩化物の製造方法により得られるシリコン塩化物を原料として用いることを特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
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