JP5040717B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は高純度シリコンの製造方法に関する。より詳しくは、亜鉛還元法によって四塩化珪素からシリコンを製造する際に、副生された塩化亜鉛を水素ガスで還元して亜鉛と塩化水素とを分離回収し、亜鉛は四塩化珪素との反応に使用し、塩化水素は四塩化珪素の製造に使用する高純度シリコンの製造方法に関する。
近年、地球の温暖化を防止するため、温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の排出量を低減させる要求が高まっている。そのため、火力発電所の建設も難しくなり、新たな電力需要に応える技術として、太陽光発電に関心が高まっている。
太陽光発電ではシリコンを用いた太陽電池を用いて太陽光から電気を得る。太陽電池用シリコンには、主に半導体用シリコンの規格外品が使用されているが、今後、太陽光発電設備が普及し、太陽電池の需要も飛躍的に増大すれば、シリコンの供給量が不足するおそれがある。
そのため、半導体用シリコンの製造とは別に、太陽電池用シリコンの製造を行う必要がある。その方法の一つとして、亜鉛還元法により四塩化珪素からシリコンを製造する方法が提案されているが、その際に副生する多量の塩化亜鉛の処理が問題となる。
この問題を解決するため、副生した塩化亜鉛を電気分解することにより亜鉛と塩素を回収し、亜鉛は四塩化珪素の還元用原料として、また塩素は塩化水素にして四塩化珪素の製造に使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法は設備が大型になり多大な投資を必要とし、シリコンのコストアップをもたらすという問題がある。
特開平11−92130号公報
本発明は、亜鉛還元法によって四塩化珪素からシリコンを製造する際に、副生した塩化亜鉛を効率的に処理することによって、比較的安価に高純度シリコンを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、四塩化珪素と亜鉛ガスとの気相反応により高純度シリコンを製造する際に、副生された塩化亜鉛を水素ガスと反応させて亜鉛と塩化水素とを分離回収し、回収された亜鉛は再度四塩化珪素との気相反応に使用し、回収された塩化水素は金属珪素と反応させて四塩化珪素の製造に使用することによって、上記課題が解決されることを見出し、以下の構成からなる本発明を完成した。
[1] (1)金属珪素を塩化水素ガスと反応させる工程、(2)前記工程(1)で得られた反応生成物を蒸留し、四塩化珪素を得る工程、(3)前記工程(2)で得られた四塩化珪素を、温度800〜1200℃の反応炉内で、亜鉛ガスと気相反応させ、高純度シリコンを生成する工程、(4)前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を水素ガスと反応させる工程、および(5)前記工程(4)で得られた反応生成物から亜鉛と塩化水素とを分離回収する工程を含むとともに、前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3
)の反応に供給される亜鉛ガスの原料として使用し、かつ、前記工程(5)で分離回収された塩化水素を、前記工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスの原料として使用することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
[2] 前記工程(4)の反応に供給される塩化亜鉛が430〜900℃の塩化亜鉛ガスであることを特徴とする前記[1]に記載の高純度シリコンの製造方法。
[3] 前記工程(4)における塩化亜鉛と水素ガスとの反応が700〜1500℃の温度で行われることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の高純度シリコンの製造方法。
[4] 前記工程(5)において、前記工程(4)で得られた反応生成物を50℃以下に冷却した後、亜鉛は粉体亜鉛として分離回収され、塩化水素は水に吸収させて分離回収されることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
[5] 前記工程(5)において、さらに未反応の水素ガスを分離回収し、該未反応水素ガスを前記工程(4)の反応に供給される水素ガスとして使用することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
[6] 前記工程(2)において、前記工程(1)で副生された水素ガスを分離回収し、該副生水素ガスを前記工程(4)の反応に供給される水素ガスとして使用することを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
[7] 前記工程(3)で排出された反応ガスを732℃以下の温度に冷却することにより、該反応ガスから液体として分離回収された塩化亜鉛を前記工程(4)に供給し、該反応ガスから粉体亜鉛として分離回収された亜鉛を前記工程(3)で供給される亜鉛ガスの原料として使用するとともに、該反応ガスから分離回収された四塩化珪素を前記工程(3)に供給される四塩化珪素として使用することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
本発明によれば、亜鉛還元法によって四塩化珪素からシリコンを製造する際に副生した塩化亜鉛を、直接水素ガスと反応させることによって、多大な投資を必要とする溶融塩電気分解のような大型の設備を用いることなく、亜鉛および塩化水素をそれぞれ分離回収することができるため、比較的安価に高純度シリコンを効率的に製造することができる。
以下、本発明に係る高純度シリコンの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明における高純度シリコンとは、太陽電池用シリコンの原料として使用可能な純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上のシリコンをいう。
図1は、本発明の高純度シリコンの製造方法を示すフローシートである。図1に示すように、本発明の高純度シリコンの製造方法は、(1)原料となる金属珪素を塩化水素ガスと反応させる塩化工程と、(2)前記工程(1)で得られた反応生成物から四塩化珪素を分離精製する蒸留工程と、(3)前記工程(2)で得られた四塩化珪素を、亜鉛ガスと気相反応させ、高純度シリコンを生成する亜鉛還元工程と、(4)前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を水素ガスと反応させる水素還元工程と、(5)前記工程(4)で得られた反応生成物から亜鉛と塩化水素とを分離回収する分離工程とを含む。以下、各工程について説明する。
(1)塩化工程
この工程では、原料となる粗製の金属珪素を塩化水素ガスと反応させることにより、四塩化珪素を生成する。金属珪素と塩化水素ガスとの反応は、公知の方法で行うことができる。具体的には、好ましくは温度250〜1000℃、より好ましくは300〜800℃の反応器内において金属珪素と塩化水素ガスとの流動床反応により行うことができる。なお、本工程(1)では、下記反応式に示すように、四塩化珪素が生成されるとともに、トリクロロシラン及び水素ガスも副生され、温度が高いほど四塩化珪素の比率が高まる。
Si+3HCl→SiHCl3+H2
Si+4HCl→SiCl4+2H2
本工程(1)の反応に供給される金属珪素としては、特に限定されないが、たとえば、シリコン純度75〜95%のフェロシリコンやシリコン純度95%以上の金属珪素などを用いることができる。また、本工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスとしては、特に限定されないが、後述する分離工程(5)で回収された塩化水素を原料の一部もしくは全部として用いることができる。
(2)蒸留工程
この工程では、トリクロロシラン、四塩化珪素および水素ガスを含む前記工程(1)の反応生成物を蒸留してトリクロロシランおよび水素ガス等を除去し、四塩化珪素を分離精製する。なお、前記工程(1)で副生された水素ガスについては、別途分離回収され、後述する水素還元工程(4)の反応に供給される水素ガスとして用いることができ、また、トリクロロシランは水素還元反応、いわゆるシーメンス法等の原料として用いることができる。
上記蒸留は公知の方法および条件で行うことができる。具体的には、反応生成ガスを凝縮器で凝縮して水素ガスを分離し、凝縮液を蒸留塔に通し、蒸発缶で加熱することで塔頂からトリクロロシランを取り出し、塔底から四塩化珪素を取り出すことができる。さらに、トリクロロシラン及び四塩化珪素をそれぞれ繰り返し蒸留することにより、各々を高純度化することができる。
(3)亜鉛還元工程
この工程では、前記蒸留工程(2)で分離精製された四塩化珪素を亜鉛により還元し、高純度シリコンを生成する。還元は四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとの気相反応により、公知の設備と条件で行うことができる。具体的には、温度800〜1,200℃、好ましくは900〜1100℃の反応炉内において、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させることにより行うことができる。反応温度が前記範囲内であれば、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとの反応が容易であり、反応炉の損傷も起こりにくい。また、反応炉内の圧力としては、たとえば0〜500kPaGである。
本工程(3)では、下記反応式に示すように、高純度シリコンが生成されるとともに、塩化亜鉛が副生される。
SiCl4+2Zn→Si+2ZnCl2
高純度シリコンを生成させた後の反応ガスは、塩化亜鉛、亜鉛および四塩化珪素等を含む混合ガスであるが、温度を塩化亜鉛の沸点以下、具体的には732℃以下、好ましくは500℃程度まで下げることによって、塩化亜鉛は液体として分離回収される。また、亜鉛は粉体または液体亜鉛として回収され、本工程(3)に供給される亜鉛ガスの原料の一部として使用できる。残った四塩化珪素は、本工程(3)に供給される原料ガスの一部として再度使用できる。
本工程(3)の反応に供給される亜鉛ガスとしては、特に限定されないが、前述した未
反応亜鉛ガスを含む反応ガスから回収された粉体または液体亜鉛や、後述する分離工程(5)で回収された粉体亜鉛を原料として用いることができる。
(4)水素還元工程
この工程では、下記反応式に示すように、前記亜鉛還元工程(3)で副生された塩化亜鉛を水素ガスで還元して塩化水素および亜鉛を生成する。
ZnCl2+H2→Zn+2HCl
塩化亜鉛と水素ガスとの還元反応は、好ましくは700〜1500℃、より好ましくは800〜1400℃、特に好ましくは900〜1300℃の温度で行われる。モル比は、好ましくは水素:塩化亜鉛=2:1〜200:1、より好ましくは5:1〜100:1で行われる。また、反応滞留時間は、好ましくは0.01〜1秒、より好ましくは0.03〜0.1秒で行われる。また、本反応は可逆反応であるため、反応後は直ちに亜鉛の融点以下に強制冷却される。このような反応条件で、塩化亜鉛を水素ガスで還元することにより、金属亜鉛の微粉末が得られる。
本工程(4)の還元反応に供給される塩化亜鉛は、好ましくは430〜900℃、より好ましくは500〜800℃の塩化亜鉛ガスであり、前記工程(3)で得られた塩化亜鉛を蒸発・ガス化して供給することが好ましい。また、必要に応じて窒素ガスやアルゴンガスなどをキャリアーガスとして使用することが好ましい。前記条件で塩化亜鉛を蒸発・ガス化することにより、反応部へ塩化亜鉛ガスを安定して供給することができる。
本工程(4)で供給される水素ガスとしては、特に限定されないが、前記塩化工程(1)で副生され、前記蒸留工程(2)で分離回収された副生水素ガスや、後述する分離工程(5)で分離回収された未反応の水素ガスを再利用することができる。
(5)分離工程
この工程では、前記水素還元工程(4)で得られた反応生成物から、亜鉛、塩化水素ならびに未反応の塩化亜鉛および水素ガスを分離回収する。分離回収方法としては、たとえば、前記反応生成物を50℃以下に冷却することにより、亜鉛は粉体亜鉛として分離回収し、未反応の塩化亜鉛は固形状で回収され、塩化水素は水に吸収または深冷分離や膜分離により分離回収され、未反応水素ガスを分離回収することができる。
回収された亜鉛は、前記亜鉛還元工程(3)の反応に供給される亜鉛ガスの原料として使用される。また、回収された塩化水素は、前記塩化工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスの原料として使用され、塩化水素が不足する場合は、必要に応じて購入した塩化水素などにより補充される。さらに、回収された未反応の塩化亜鉛および水素ガスは、それぞれ前記水素還元工程(4)の反応に供給される塩化亜鉛および水素ガスとして再使用される。
このように、本発明では、副生された塩化亜鉛が直接水素ガスにより還元されるため、電気分解のような高価な設備を必要とせず、生成する亜鉛および塩化水素は有効に循環利用される。以下、図を参照して、本発明の製造方法における前記工程(4)および(5)について具体的に説明する。
図2は、本発明の高純度シリコンの製造方法の工程(3)で副生された塩化亜鉛と、水素ガスとを反応させ、得られた反応生成物から亜鉛、塩化水素、未反応原料を分離回収する装置の一例を示す模式図である。反応器1は、横型管状であり、蒸発部2、反応部5および冷却部7からなる。蒸発部2および反応部5の温度は、それぞれ管外の電熱炉で調節され、冷却部7は管外からの空冷により冷却される。
塩化亜鉛は、石英製蒸発器3において管外からの電熱により蒸発・ガス化され、好ましくは430〜900℃、より好ましくは500〜800℃の塩化亜鉛ガスとなる。塩化亜鉛ガスは、反応器の蒸発部2側のキャリアーガス供給部4から供給されるキャリアーガス(通常、窒素ガス)とともに反応部5に導かれる。なお、キャリアーガスは必ずしも使用しなくてもよい。
塩化亜鉛ガスは、反応部5で、反応器1の蒸発部2側の水素ガス供給部6から供給される水素ガスと接触・混合して反応する。この反応は、好ましくは700〜1500℃、より好ましくは800〜1300℃で行われ、反応温度の調節は反応部電気炉によって行われる。
反応生成物を冷却部7で50℃以下に冷却した後、亜鉛を粉体亜鉛として分離回収し、塩化水素を、塩化水素ガス吸収器10において水に吸収させて分離回収し、未反応の塩化亜鉛および水素ガスは再度反応に供することができる。
また、図3の反応器1は、図2の場合と異なり、蒸発部2が縦型であり、塩化亜鉛ガス入口11から石英製蒸発器3に間欠的に塩化亜鉛が供給され、半連続的に粉体亜鉛が製造される。
本発明の高純度シリコンの製造方法において、副生された塩化亜鉛と水素ガスとを反応させる反応装置は、横型反応管でも縦型反応管でも構わない。また、反応管の材質としては、耐熱性や不純物の混入防止のため、一般的に石英が用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)塩化工程
石英製反応器に金属珪素50gを仕込み、電気炉により金属珪素が300℃となるように加熱した。次いで、この反応器内に、塩化水素ガスを150NL/Hrの速度で反応器下部より供給するとともに、金属珪素を60g/Hrで供給し、10時間反応を行った。生成したクロロシランガスはブラインコンデンサーにより凝縮捕集され、3000gの反
応液を得た。得られた反応液の組成は、ガスクロマトグラフ分析よりトリクロロシラン85.2%、四塩化珪素14.0%であり、反応液中の不純物金属化合物の総計は、高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)より140ppmであった。
(2)蒸留工程
得られた反応液の単蒸留により不純物金属化合物を除去した後、理論段数30段の精留塔により蒸留を繰り返し行った。蒸留は、ガスクロマトグラフの分析により四塩化珪素の純度が99.99%以上、高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)より不純物金属化合物の総計が1ppm以下となるまで繰り返し精留を行い160gの四塩化珪素を
得た。
(3)亜鉛還元工程
反応器を、電気炉により全体が約950℃となるように加熱した。次いで、この反応器内に、シリコン塩化物ガスとして950℃の前記工程(2)で得られた四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.7:1となるように供給して7.5時間反応を行い、純度99.999%の高純度シリコン9.8gを得た。また、高純度シリコン生成後の反応ガスを200℃に冷却することにより、純
度85%の副生塩化亜鉛123gを得た。なお、高純度シリコンの純度は高周波誘導プラ
ズマ発光分析法(ICP−AES)により求めた。また、副生塩化亜鉛は、塩化亜鉛を純水に溶解して不溶物の未反応亜鉛を除去した後、不溶物亜鉛の割合と水溶性亜鉛滴定とCl滴定とにより純度を求めた。
(4)水素還元工程
図2に示すような石英製反応器1を用い、蒸発部2の石英製蒸発器3に、前記工程(3)で得られた約20gの副生塩化亜鉛(純度85%)を入れ、600℃で蒸発させるとと
もに、キャリアーガス供給部4からキャリアーガスとして1L/Hrの窒素ガスと、水素ガス供給部6から130L/Hrの水素ガスとを、1200℃の反応部5に供給した。
(5)分離工程
前記工程(4)で生成した亜鉛を、冷却部7またはダストトラップ8で粉体亜鉛として捕集した。得られた粉体亜鉛の純度は99.99重量%以上であり、四塩化珪素の亜鉛還元法に用いられる亜鉛として使用可能な純度であった。粉体亜鉛に含まれる不純物の高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)による分析結果を表1に示す。また、生成された塩化水素を、塩化水素ガス吸収器10で水に吸収させて回収するとともに、未反応の水素ガスと分離した。
前記工程(4)から(5)を6回繰返した後、前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)の反応に供給される亜鉛ガスの原料として使用し、かつ、前記工程(5)で分離回収された塩化水素を、前記工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスの原料として使用した。
〔参考例1〕
実施例1の(3)亜鉛還元工程における副生塩化亜鉛に代えて塩化亜鉛試薬(東信化学工業株式会社製、純度99.23%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粉体亜鉛、塩化水素および未反応水素ガスを分離回収した。得られた粉体亜鉛の純度は99.99重量%以上であった。粉体亜鉛に含まれる不純物の高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)による分析結果を表1に示す。
〔参考例2〕
実施例1の(4)水素還元工程において、図3に示すような石英製反応器1を用い、蒸発部2の石英製蒸発器3に約40gの脱水した塩化亜鉛試薬(東進化学製)を入れ、710℃で蒸発させるとともに、キャリアーガス供給部4からキャリアーガスとして1L/Hrの窒素ガスと、水素ガス供給部6から90L/Hrの水素ガスとを、1200℃の反応部5に供給した。生成された亜鉛は、冷却部7またはダストトラップ8で粉体亜鉛として捕集され、粉体亜鉛、塩化水素および未反応水素ガスを分離回収した。得られた粉体亜鉛の純度は99.99重量%以上であり、四塩化珪素の亜鉛還元法に用いられる亜鉛として使用可能な純度であった。粉体亜鉛に含まれる不純物の高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)による分析結果を表1に示す。
Figure 0005040717
本発明の高純度シリコンの製造方法を示すフローシートである。 本発明の製造方法において、塩化亜鉛と水素ガスとを反応させる装置の一例をしめす模式図である。 本発明の製造方法において、塩化亜鉛を間欠的に供給して水素ガスと反応させる装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 反応器
2 溶融蒸発部
3 石英製蒸発器
4 キャリアーガス供給部
5 反応部
6 水素ガス供給部
7 冷却部(空冷)
8 ダストトラップ
9 フィルター
10 塩化水素ガス吸収器
11 塩化亜鉛ガス入口
12 生成亜鉛受器
13 温度計保護管

Claims (7)

  1. (1)金属珪素を塩化水素ガスと反応させる工程、
    (2)前記工程(1)で得られた反応生成物を蒸留し、四塩化珪素を得る工程、
    (3)前記工程(2)で得られた四塩化珪素を、温度800〜1200℃の反応炉内で、亜鉛ガスと気相反応させ、高純度シリコンを生成する工程、
    (4)前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を水素ガスと反応させる工程、および
    (5)前記工程(4)で得られた反応生成物から亜鉛と塩化水素とを分離回収する工程
    を含むとともに、
    前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)の反応に供給される亜鉛ガスの原料として使用し、かつ、前記工程(5)で分離回収された塩化水素を、前記工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスの原料として使用すること
    を特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 前記工程(4)の反応に供給される塩化亜鉛が430〜900℃の塩化亜鉛ガスであることを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンの製造方法。
  3. 前記工程(4)における塩化亜鉛と水素ガスとの反応が700〜1500℃の温度で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. 前記工程(5)において、前記工程(4)で得られた反応生成物を50℃以下に冷却した後、亜鉛は粉体亜鉛として分離回収され、塩化水素は水に吸収させて分離回収されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
  5. 前記工程(5)において、さらに未反応の水素ガスを分離回収し、該未反応水素ガスを前記工程(4)の反応に供給される水素ガスとして使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
  6. 前記工程(2)において、前記工程(1)で副生された水素ガスを分離回収し、該副生水素ガスを前記工程(4)の反応に供給される水素ガスとして使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
  7. 前記工程(3)で排出された反応ガスを732℃以下の温度に冷却することにより、該反応ガスから液体として分離回収された塩化亜鉛を前記工程(4)に供給し、該反応ガスから粉体亜鉛として分離回収された亜鉛を前記工程(3)で供給される亜鉛ガスの原料として使用するとともに、該反応ガスから分離回収された四塩化珪素を前記工程(3)に供給される四塩化珪素として使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高純度シリコンの製造方法。
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