JP2015089782A - 車両のボンネット構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボンネットアウタパネルの張り剛性確保と歩行者の頭部傷害保護とを両立することができる車両のボンネット構造を提供する。
【解決手段】ボンネットアウタ11と、このボンネットアウタ11と協働して車幅方向中央部に空間部を構成するボンネットインナ12と、ストライカ4とを備え、ボンネットアウタ11の張り剛性を確保すると共に下方へ作用する衝撃荷重をボンネットインナ12へ伝達する脚部を備えたスティフナ20を有し、脚部22が、上下方向に延びる上側脚部24と、ボンネットインナ12に連結され上下方向に延びる下側脚部25と、上側脚部24と下側脚部25とを連結すると共に衝撃荷重によりスティフナ20の天板部21が所定量下方へ変位したとき、上側脚部24と下側脚部25との連結を解除して下側脚部25に対する上側脚部24の下方移動を許容するように分離する分離機構23とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保するためのスティフナを備えた車両のボンネット構造に関する。
従来より、エンジンルームを開閉可能に覆うボンネットの外板を構成するボンネットアウタパネルと、このボンネットアウタパネルに対して下側に配置され且つボンネットアウタパネルと協働して車幅方向中央部に空間部を構成するボンネットインナパネルと、ボンネットインナパネルに支持されたロック機構とを備えたボンネット構造が知られている。
ボンネットの車幅方向中央前端部分には、ロック機構のストライカを装着するための空間部が形成されているため、ボンネットアウタパネルの張り剛性が低くなり、車両の商品性の観点から、ボンネットアウタパネルの車幅方向中央前端部分の裏面に当接する補強部材(スティフナ又はデントレインフォースメント)を設けて耐デント性を確保している。
一方、歩行者保護保護の観点から、自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)が開始され、法規として歩行者頭部保護基準が導入されている。
歩行者頭部保護基準では、歩行者の頭部を模擬したインパクタを車両の検証部位に衝突させ、発生する衝撃値から算出された基準評価値としてのHIC(Head Injury Criteria)値にて評価したとき、試験エリアの2/3以上の部分でHIC≦1000,それ以外の部分でもHIC≦2000の遵守が要求されている。
図15に示すように、HICはインパクタ衝突時の変位量が増加する程減少する傾向があるため、検証部位の変形スペース(衝撃吸収ストローク)が大きい程HICを低減することができる。そこで、ボンネットアウタパネルの耐デント性確保と衝撃吸収ストローク確保とを両立する技術が提案されている。
特許文献1の車両のボンネット構造は、ボンネットアウタパネルと、前端部の後端から屈曲されて下方へ延びる立壁部とこの立壁部の下端から屈曲されて後方へ延びる底部とを備えたボンネットインナパネルと、ボンネットアウタパネルとボンネットインナパネルとの間に配置されたスティフナとを有し、このスティフナが、ボンネットアウタパネルに接合されてボンネットアウタパネルを補強する補強部と、補強部の前端から屈曲されて立壁部側へ延びる第1壁部と、この第1壁部の下端から前側上方に折り返されて立壁部に沿って延びる第2壁部と、この第2壁部の上端から屈曲されて前方へ延び且つ前端部に接合された接合フランジとを備えている。これにより、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保しつつ、補強部に所定値以上の下方へ向かう衝撃荷重が作用したとき、第1壁部を第1壁部と第2壁部との折返し部を基点として下方に曲げ変形させることができる。
特許文献2の車両のボンネット構造は、ボンネットアウタパネルと、このボンネットアウタパネルに対して下側に配置され且つボンネットアウタパネルと協働して車幅方向中央部に空間部を構成するボンネットインナパネルと、空間部の底部に接合され且つストライカを支持するボンネットロックレインフォースメントと、左右方向両端部に上下方向に延びてボンネットロックレインフォースメントに支持される1対の脚部をを有するスティフナとを備え、1対の脚部の中段部に折れ線部が夫々形成されている。これにより、スティフナに対して所定値以上の下方へ向かう衝撃荷重が作用したとき、折れ線部を基点として脚部を曲げ変形させることによりスティフナの高さを低くすることができる。
特開2008−143417号公報 特開2008−296796号公報
車両事故における歩行者の被害は、軽傷レベルのAIS(Abbreviated Injury Scale)1,2では挫傷や裂傷の占める割合が高く、重症レベルのAIS3以上では頭部傷害、特に脳損傷が主な要因になっている。そこで、ボンネットのインパクタ試験におけるインパクタの変位量(mm)とインパクタの減速度(m/s2)とで表された潰れ線図を作成し、脳損傷を低減するための目標特性をばねマス計算を用いてFEM解析により求めた。
図16に、ばねマス計算によって求めた頭部衝撃エネルギーを効率的に吸収可能な目標特性L1と、従来技術としてスティフナが省略されたボンネットの変形特性L2と、別の従来技術として折れビード付き脚部を備えた略コ字状のスティフナを設けたボンネットの変形特性L3との潰れ線図を示す。
目標特性L1に示すように、歩行者の脳損傷を防止するためには、衝撃荷重入力初期において、所定変位量未満ではインパクタの進出変位が抑制され、所定変位量以上ではインパクタの進出変位が促進される変形挙動、所謂所定変位量を境にしてインパクタの減速度を正から負へ減速度の方向を反転する第1の変形挙動が必要である。
また、図15に示すように、HICとボンネットの変位量とは相関関係があるため、例えばAIS4の発生率が約20%以下に相当するHIC値(1000)を達成するには所定の衝撃吸収ストロークを要する。それ故、第1の変形挙動の後において、所定の衝撃吸収ストローク値に到達するまで一定減速度で変形する第2の変形挙動が必要である。
即ち、衝撃荷重入力初期における第1の変形挙動(衝撃吸収挙動)と、この第1の変形挙動とこれに連続する第2の変形挙動との総変位量(衝撃吸収ストローク)との2つの要件を満たさなければ、脳損傷を含む重度の傷害を防止することができない。
変形特性L2では、ボンネットの剛性が低くなるため、十分な衝撃吸収ストロークを確保している。しかし、衝撃荷重入力初期において第1の変形挙動を実行できないため、歩行者の脳損傷を確実に防止することができない。また、スティフナが省略されているため、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保することが困難である。
変形特性L3では、スティフナが装着されているため、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保することができる。また、衝撃荷重入力中期において減速度の方向を反転する変形挙動が実行されている。しかし、この変形挙動は、減速度の方向を反転する時期が遅く、衝撃荷重入力初期に減速度の方向を反転する第1の変形挙動ではないため、歩行者の脳損傷を確実に防止できない。しかも、減速度の反転後、再度減速度が上昇してしまうため、十分な衝撃吸収ストロークを確保することができない。
また、変形特性L3の減速度の方向を反転する変形挙動を低変位量側に移行させるために、変形特性L3のスティフナの剛性を高くすることも考えられる。
しかし、変形特性L3の変形挙動が高加速度側且つ低変位量側に全体的に移行するに過ぎないため、衝撃吸収ストロークが更に小さくなり、依然として十分な衝撃吸収ストロークを確保することができない。尚、スティフナの剛性を低くした場合には、変形特性L3の全体挙動が低加速度側且つ高変位量側に移行し、減速度の方向を反転する衝撃吸収挙動は更に遅くなり、衝撃荷重入力後期に実行される。
つまり、変形特性L3のスティフナは、その一体成形されている構造上、衝撃荷重入力初期から衝撃荷重入力後期に亙って連続的に変形するため、スティフナの屈曲した部分が変形を抑制するために変形抑制部材として機能するものの、屈曲変形の前後で略同じ変形挙動を行うものと推測される。それ故、衝撃荷重入力初期と衝撃荷重入力中後期とで変形挙動を異なるものにするためには、屈曲変形の前後で別の変形特性を有するスティフナ構造を採用することが必要である。
特許文献1,2の車両のボンネット構造は、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保しつつ、スティフナの脚部の屈曲変形を利用して衝撃吸収ストロークの確保を図っている。
しかし、前述のように、各々のスティフナが衝撃荷重入力初期から衝撃荷重入力後期に亙って連続的に変形するため、図16に示す変形特性L3の検証結果と同様の変形挙動になるものと推測される。それ故、特許文献1,2の技術は、衝撃荷重入力初期に減速度の方向を反転する第1の変形挙動を実行することができないため、歩行者の頭部傷害保護を十分に図ることができない虞があり、また、十分な衝撃吸収ストロークを確保できない虞がある。
本発明の目的は、ボンネットアウタパネルの張り剛性確保と歩行者の頭部傷害保護とを両立することができる車両のボンネット構造等を提供することである。
請求項1の車両のボンネット構造は、エンジンルームを開閉可能に覆うボンネットの外板を構成するボンネットアウタパネルと、このボンネットアウタパネルに対して下側に配置され且つボンネットアウタパネルと協働して車幅方向中央部に空間部を構成するボンネットインナパネルと、このボンネットインナパネルに支持されたロック機構とを備えた車両のボンネット構造において、前記ボンネットアウタパネルの裏面に当接してボンネットアウタパネルの張り剛性を確保するためのスティフナであって、下方へ作用する衝撃荷重を前記ボンネットインナパネルへ伝達する脚部を備えたスティフナを有し、前記脚部が、上下方向に延びる上側脚部と、前記ボンネットインナパネルに連結され上下方向に延びる下側脚部と、前記上側脚部と下側脚部とを連結する分離機構であって、前記衝撃荷重により前記スティフナの天板部が所定量下方へ変位したとき、前記上側脚部と下側脚部との連結を解除して前記下側脚部に対する上側脚部の下方移動を許容するように分離する分離機構とを備えたことを特徴としている。
この車両のボンネット構造では、分離機構が上側脚部とボンネットインナパネルに連結された下側脚部とを連結するため、ボンネットインナパネルに支持されたスティフナの天板部によってボンネットアウタパネルを裏面から支持すると共に展張することができる。
また、衝撃荷重によりスティフナの天板部が所定量下方へ変位したとき、分離機構が上側脚部と下側脚部との連結を解除して下側脚部に対する上側脚部の下方移動を許容するように分離するため、下側脚部に対する上側脚部の分離前後のスティフナの変形挙動を異ならせることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部とを備え、前記上側フランジ部の下面と下側フランジ部の上面とが接着材で接着されていることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部のうち一方のフランジ部に固定された係合部付クリップ部とを備え、前記上側フランジ部と下側フランジ部のうち他方のフランジ部が前記係合部付クリップ部の係合部に係合されていることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記分離機構が、前記上側脚部と下側脚部のうち一方の端部に前後方向一側に突出するように固定された複数のピン部と、前記上側脚部と下側脚部のうち他方の端部に前記複数のピン部が夫々係合する複数の係合穴及び前記複数の係合穴から延び前記ピン部よりも狭い幅の上下方向に延びる複数のスリット部とを備え、前記複数のスリット部は、前記ピン部に衝撃荷重が作用したとき、拡開して前記複数のピン部の通過を夫々許容することを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部と、前後方向の一方に延びて前記上側フランジ部の下面に当接した上端フランジ部と前後方向の他方に延びて前記下側フランジ部の上面に当接した下端フランジ部とを有する中間脚部とを備えたことを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記上側フランジ部の下面と上端フランジ部の上面及び前記下端フランジ部の下面と下側フランジ部の上面とが夫々接着材で接着されていることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記分離機構が、前記上側フランジ部と上端フランジ部のうち一方に固定された第1係合部付クリップ部と、前記下端フランジ部と下側フランジ部のうち一方に固定された第2係合部付クリップ部とを備え、前記上側フランジ部と上端フランジ部のうち他方が前記第1係合部付クリップ部の係合部に係合され、前記下端フランジ部と下側フランジ部のうち他方が前記第2係合部付クリップ部の係合部に係合されていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、ボンネットインナパネルに支持されたスティフナの天板部によってボンネットアウタパネルを裏面から支持すると共に展張するため、ボンネットアウタパネルの張り剛性を増加することができる。また、下側脚部に対する上側脚部の分離前後のスティフナの変形挙動を異ならせることができるため、衝撃荷重入力初期において減速度の方向を反転させる衝撃吸収挙動を実行でき、衝撃吸収挙動後、再度減速度を上昇させることなく所定の衝撃吸収ストロークに到達するまで一定減速度で変形させることができる。これにより、ボンネットアウタパネルの張り剛性確保と歩行者の頭部傷害保護とを両立することができる
請求項2の発明によれば、部品点数を減少することができ、構造の簡単化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、スティフナの組み立て作業の簡単化を図ることができる。
請求項4の発明によれば、スリット部の上下長の調節により、上側脚部と下側脚部との分離タイミングを容易に設定することができる。
請求項5の発明によれば、上側脚部と下側脚部との分離後の減速度を容易に増加することができる。
請求項6の発明によれば、上側脚部と下側脚部との分離後の減速度を増加しつつ、構造の簡単化を図ることができる。
請求項7の発明によれば、上側脚部と下側脚部との分離後の減速度を増加しつつ、スティフナの組み立て作業の簡単化を図ることができる。
本発明の実施例1に係るボンネット前端部の車幅方向中央部の縦断面図である。 スティフナの要部斜視図である。 ボンネットのインパクタ試験における潰れ線図を示すグラフである。 スティフナの衝撃吸収挙動を示す模式図であって、(a)は衝撃荷重入力前状態、(b)は上側脚部と下側脚部との分離前状態、(c)は上側脚部と下側脚部との分離後状態を示す。 実施例2に係るスティフナの要部斜視図である。 要部分解斜視図である。 係合部付クリップの斜視図である。 実施例3に係るスティフナの要部斜視図である。 図8のIX−IX線断面図である。 下側脚部の正面図である。 スティフナの衝撃吸収挙動を示す模式図であって、(a)は衝撃荷重入力前状態、(b)は上側脚部と下側脚部との分離後状態を示す。 実施例4に係るスティフナの要部斜視図である。 スティフナの衝撃吸収挙動を示す模式図であって、(a)は衝撃荷重入力前状態、(b)は上側脚部と下側脚部と中間脚部との分離後状態を示す。 実施例5に係るスティフナの要部分解斜視図である。 HICと変位量との相関関係を示すグラフである。 解析結果及び従来技術のボンネットのインパクタ試験における潰れ線図を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。尚、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方として説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、車両Vには、エンジンルーム2を開閉可能に覆うボンネット1が配設されている。このボンネット1の後端部には車幅方向に延びる軸心を備えたヒンジ(図示略)が装着され、ボンネット1がヒンジの軸心回りに回転可能に構成されている。
ボンネット1の先端部の下方にはラジエータ(図示略)を支持する略矩形状のシュラウド3が設けられ、その前方にはバンパビーム及びフロントバンパ等が配設されている(何れも図示略)。
ボンネット1は、ボンネット1の意匠面である外板を構成するボンネットアウタパネル(以下、ボンネットアウタと省略する)11と、ボンネットアウタ11に対して下側に配設されてボンネット1の内板を構成するボンネットインナパネル(以下、ボンネットインナと省略する)12と、ボンネットインナ12に支持されたストライカ4(ロック機構)と、ボンネットアウタ11の裏面に当接してボンネットアウタ11の張り剛性を確保するためのスティフナ20等を備えている。
ボンネットアウタ11とボンネットインナ12は、アルミニウム合金板をプレス成形することにより形成され、ボンネットアウタ11の周縁の折返し部分がボンネットインナ12の周縁部分を挟み込む加工、所謂ヘミング加工によって接合されている。
図1に示すように、ボンネットインナ12は、車幅方向中央部で且つ前端部分が緩湾曲状のボンネットアウタ11に対して離隔するように下方へ突出形成され、周縁部分がボンネットアウタ11に挟み込まれた前端部12aと、この前端部12aの後端部から後方下がり傾斜状に延びる前側傾斜部12bと、この前側傾斜部12bの後端部から後方に略水平状に延びる底部12cと、この底部12cの後端部から後方上がり傾斜状に延びる後側傾斜部12dとを備えている。このボンネットインナ12は、車幅方向中央部で且つ前端部分にボンネットアウタ11と協働して略直方体状の空間部Sを構成している。
底部12cには、側面視にて略U字状の鉄鋼製ストライカ4が下方へ突出するように設けられている。このストライカ4は、シュラウド3側に固定されたラッチ(図示略)に係合可能に構成され、車幅方向に延びる板状のストライカレインフォースメント(以下、ストライカレインと省略する)13を介して底部12cに支持されている。
ストライカレイン13は、ストライカ4の基端部に接合され且つ空間部S内に配置されている。このストライカレイン13は、前側傾斜部12bと底部12cとの上面に配設されて溶接により接合されている。
次に、スティフナ20について説明する。
図1,図2に示すように、スティフナ20は、空間部Sの内部に配設され、側面視にて断面略コ字状に形成されている。このスティフナ20は、アルミニウム合金板にて形成され、ボンネットアウタ11の裏面に当接する天板部21と、この天板部21の前端部及び後端部から下方へ夫々延びて底部12cに支持された前後1対の脚部22と、これら1対の脚部22に夫々設けられた前後1対の分離機構23等を備えている。
天板部21は、ボンネットアウタ11の裏面に微小隙間を介して対向配置されている。この天板部21は、前端部分と後端部分とが接着材5(例えばマスチック)によってボンネットアウタ11の裏面に夫々接着されている。
天板部21の前後方向中間部分には、前端部分及び後端部分に対して下方へ凹入した凹入部21aが車幅方向全域に亙って形成されている。
前後1対の脚部22は、天板部21の前端部及び後端部から下方へ夫々延びる1対の上側脚部24と、1対の上側脚部24を夫々支持する1対の下側脚部25を備えている。
尚、1対の脚部22及び1対の分離機構23は、略前後対称構造であるため、以下、前側の脚部22と前側の分離機構23とについて主に説明する。
上側脚部24は、天板部21の前端部から略直交状に下方へ屈曲するように天板部21と一体形成されている。この上側脚部24は、縦壁部24aと、この縦壁部24aの下端部の左端部分と右端部分に設けられた1対の上側フランジ部24bとを備えている。
これら1対の上側フランジ部24bは、縦壁部24aの下端部から略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成されている。
下側脚部25は、縦壁部25aと、上側フランジ部24bを下側から支持する下側フランジ部25bと、下側脚部25をボンネットインナ12に固定するための接合フランジ部25cとを備えている。
下側フランジ部25bは、縦壁部25aの上端部から略直交状に屈曲して後方へ延びるように形成され、縦壁部25aの左端部から右端部に亙って設けられている。
上側フランジ部24bの下面と下側フランジ部25bの上面とを接着材26によって固着することにより、上側脚部24と下側脚部25とを連結している。
接合フランジ部25cは、縦壁部25aの下端部から屈曲して前方へ延びるように形成され、縦壁部25aの左端部から右端部に亙って設けられている。接合フランジ部25cはストライカレイン13の上面に固着されている。
以上により、天板部21と上側脚部24の縦壁部24aを、上側フランジ部24bと下側フランジ部25bとを間に介して下側脚部25の縦壁部25aよりも後側にオフセットして配置した状態で下側脚部25に連結することができる。
尚、後側の下側脚部25の接合フランジ部25cは、後側傾斜部12dの上面に固着されている。
分離機構23は、上側脚部24と下側脚部25とを連結し、ボンネットアウタ11に作用した下方へ向かう衝撃荷重により天板部21が所定量下方へ変位したとき、上側脚部24と下側脚部25との連結を解除し、下側脚部25に対する上側脚部24の下方移動を許容して分離するように構成されている。
この分離機構23は、1対の上側フランジ部24bと、下側フランジ部25bと、接着材26と、縦壁部24aと縦壁部25aとのオフセット配置等からなり、図3のボンネット1のインパクタ試験における潰れ線図に示す目標特性Lを実行可能に構成されている。
次に、図3,図4(a)〜図4(c)に基づき、インパクタ6によるスティフナ20の衝撃吸収挙動について説明する。
図4(a)に示すように、インパクタ6からの衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用してスティフナ20が変形を開始するまで、上側フランジ部24b及び下側フランジ部25bは略水平状の姿勢を維持している。それ故、接着材26は、衝撃荷重を上側フランジ部24bからの圧縮荷重として受けている。
また、空間部Sの上壁に相当するボンネットアウタ11の一部分は、接着材5を介してスティフナ20により展張されているため、張り剛性を確保できる。
衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用してスティフナ20が変形を開始すると、天板部21、上側脚部24及び下側脚部25等に潰れ変形が生じる。
また、図4(b)に示すように、天板部21、上側脚部24及び下側脚部25等の潰れ変形に加えて、上側フランジ部24b及び下側フランジ部25bが略Z字状の屈曲変形を開始する。このとき、図3に示す変位量X未満の期間に相当している。この期間では、インパクタの進出変位が抑制されるため、変位量が大きくなる程減速度が大きくなっている。
図4(c)に示すように、ボンネット1の潰れ変形が更に増大して図3に示す変位量がXに到達したとき、上側フランジ部24b及び下側フランジ部25bが略上下方向姿勢になり、衝撃荷重が接着材26の接着力よりも大きくなるため、上側脚部24が下側脚部25から分離する。また、縦壁部24aが縦壁部25aに対してオフセット配置されているため、上側脚部24は障害物によって阻害されることなく、下方移動して底部12cに落下する。このとき、図3に示す変位量Xから変位量Yの期間に相当している。この期間では、上側脚部24の支持が存在しないため、インパクタ6の進出変位が促進され、変位量が大きくなる程減速度が小さくなっている。尚、接着材26の接着力は、変位量Xの時点で衝撃荷重よりも小さく、上側フランジ部24bが下側フランジ部25bから剥離するように予め設定されている。
脚部22の分離後、変位量Yから変位量Zの間は、天板部21、上側脚部24及び下側脚部25等が潰されてインパクタ6が所定の一定減速度で下方変位する。
このとき、狙いとする所定の一定減速度や衝撃吸収ストロークに基づいてスティフナ20、特に下側脚部25の板厚等が予め設定されている。尚、変位量Zは、例えば、HIC値が1000を達成可能な衝撃吸収ストローク長である。
次に、上記車両Vのボンネット構造の作用・効果について説明する。
このボンネット構造によれば、ボンネットインナ12に支持されたスティフナ20の天板部21によってボンネットアウタ11を裏面から支持すると共に展張するため、ボンネットアウタ11の張り剛性を増加することができる。また、下側脚部25に対する上側脚部24の分離前後のスティフナ20の変形挙動を異ならせることができるため、衝撃荷重入力初期において減速度の方向を反転させる衝撃吸収挙動を実行でき、衝撃吸収挙動後、再度減速度を上昇させることなく所定の衝撃吸収ストロークに到達するまで一定減速度で変形させることができる。これにより、ボンネットアウタ11の張り剛性確保と歩行者の頭部傷害保護とを両立することができる
分離機構23が、上側脚部24の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部24bと、下側脚部25の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部25bとを備え、上側フランジ部24bの下面と下側フランジ部25bの上面とが接着材26で接着されているため、部品点数を減少することができ、構造の簡単化を図ることができる。
次に、実施例2のスティフナ20Aについて図5〜図7に基づいて説明する。実施例1と同様の主要な構成要素には同じ参照符号を付けて図示し、それらについての説明は省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
実施例1では、脚部22の上側脚部24と下側脚部25とを接着材26を用いて連結したが、実施例2では、脚部22Aの上側脚部24Aと下側脚部25Aとをクリップ部27(係合部付クリップ部)を用いて連結している。
図5,図6に示すように、分離機構23Aは、1対の上側フランジ部24cと、下側フランジ部25bと、クリップ部27と、縦壁部24aが縦壁部25aとのオフセット配置等から構成される。1対の上側フランジ部24cは、上側脚部24Aの縦壁部24aの下端部の左端部分と右端部分とから略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成されている。
下側フランジ部25bは、下側脚部25Aの縦壁部25aの上端部から略直交状に屈曲して後方へ延びるように形成され、下側脚部25Aの左端部から右端部に亙って設けられている。下側フランジ部25bの左端部分と右端部分には、1対の上側フランジ部24cに対応するように1対のクリツプ穴25dが形成されている。
図7に示すように、クリップ部27は、略直方体状の本体部27aと、この本体部27aの底部から下方に延びるクリップ27bとを備えている。
本体部27aには、この本体部27aの側壁に形成された略矩形状の開口から本体部27aの内部に延び且つ上側フランジ部24cに係合可能な係合部27cが設けられている。
クリップ27bは、本体部27aの底部中央部に固着され、クリツプ穴25dへの挿通によってクリップ部27を下側フランジ部25bに固定している。
下側フランジ部25bに固定された1対のクリップ部27に1対の上側フランジ部24cを係合することにより、上側脚部24Aと下側脚部25Aとを連結している。
尚、上側フランジ部24cと係合部27cとの係合力は、実施例1と同様に、変位量Xの時点で衝撃荷重よりも小さくなるように設定されている。
以上のように、分離機構23Aが、上側脚部24Aの下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部24cと、下側脚部25Aの上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部25bと、上側フランジ部24cと下側フランジ部25bのうち一方のフランジ部に固定されたクリップ部27とを備え、上側フランジ部24cと下側フランジ部25bのうち他方のフランジ部がクリップ部27の係合部27cに係合されているため、組み立てが嵌め込み作業だけで良く、スティフナ20Aの組み立て作業の簡単化を図ることができる。
次に、実施例3のスティフナ20Bについて図8〜図11に基づいて説明する。実施例1,2と同様の主要な構成要素には同じ参照符号を付けて図示し、それらについての説明は省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
実施例1の分離機構23では、脚部22の上側脚部24と下側脚部25とを接着材26を用いて連結したが、実施例3の分離機構23Bでは、脚部22Bの上側脚部24Bと下側脚部25Bとをシェアピン機構を用いて連結している。
図8〜図10に示すように、分離機構23Bは、1対のピン部28と、1対の係合穴29aと、1対のスリット部29bと、1対の開放部29cと、縦壁部24aが縦壁部25aとのオフセット配置等から構成される。
1対のピン部28は、縦壁部24aの下端側部分の左端部分と右端部分に夫々装着されている。各ピン部28は、頭部28aと、この頭部28aよりも小径の軸部28bとを備え、頭部28aが縦壁部24aから前方へ突出するように縦壁部24aに固着されている。
1対の係合穴29aは、縦壁部25aの上端側部分の左端部分と右端部分に1対のピン部28に夫々係合可能に形成されている。各係合穴29aは、頭部28aよりも小径で且つ軸部28bよりも大径の円状開口に形成されている。
係合穴29aの下側には、係合穴29aの下端部に連なって直線状に下方へ延びるスリット部29bが形成されている。このスリット部29bのスリット幅は軸部28bの直径よりも狭く形成されている。
スリット部29bの下側には、スリット部29bの下端部に連なって開放部29cが形成されている。この開放部29cの開口幅は軸部28bの直径よりも広く形成されている。
次に、図11(a),図11(b)に基づき、インパクタ6によるスティフナ20Bの衝撃吸収挙動について説明する。
図11(a)に示すように、インパクタ6からの衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用してスティフナ20Bが変形を開始するまで、軸部28bが係合穴29aに支持されているため、上側脚部24Bと下側脚部25Bとが一体的に連結されている。
衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用してスティフナ20Bが変形を開始すると、天板部21、上側脚部24B及び下側脚部25B等に潰れ変形が生じ、スティフナ20Bの下方変位に伴って、軸部28bがスリット部29bを押し拡げて下降移動を開始する。
図11(b)に示すように、潰れ変形が更に増大して変位量がX(図3参照)に到達したとき、軸部28bが下方に移行して開放部29cの上端位置に到達するため、上側脚部24B(縦壁部24a)と下側脚部25B(縦壁部25a)とが分離され、天板部21と上側脚部24Bに下方移動して底部12cに落下する。
尚、スリット部29bの上下長とスリット幅は、変位量Xの時点で軸部28bが開放部29cの上端位置に到達するように予め設定されている。
このスティフナ20Bによれば、スリット部29bの上下長の調節により、上側脚部24Bと下側脚部25Bとの分離タイミングを容易に設定することができる。
次に、実施例4のスティフナ20Cについて図12,図13に基づいて説明する。実施例1〜3と同様の主要な構成要素には同じ参照符号を付けて図示し、それらについての説明は省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
実施例1では、脚部22が上側脚部24と下側脚部25とにより形成されたが、実施例4では、脚部22Cが上側脚部24Cと下側脚部25Cと中間脚部30とにより形成されている。
図12に示すように、上側脚部24Cは、縦壁部24dと、この縦壁部24dの下端部の左端部分と右端部分に設けられた1対の上側フランジ部24eとを備えている。これら1対の上側フランジ部24eは、縦壁部24dの下端部から略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成されている。
下側脚部25Cは、縦壁部25eと、この縦壁部25eの上端部に設けられた下側フランジ部25fと、下側脚部25Cをボンネットインナ12に固定するための接合フランジ部25cとを備えている。下側フランジ部25fは、縦壁部25eの上端部から略直交状に屈曲して後方へ延びるように形成され、縦壁部25eの左端部から右端部に亙って設けられている。
上側脚部24Cと下側脚部25Cとの間には、中間脚部30が介在されている。この中間脚部30は、縦壁部30aと、この縦壁部30aの上端部に設けられた上端フランジ部30bと、縦壁部30aの下端部に設けられた下端フランジ部30cとを備えている。
上側脚部24Cと下側脚部25Cと中間脚部30との高さ(全高)比は、略1:1:5になるように設定している。
上端フランジ部30bは、縦壁部30aの上端部から略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成され、縦壁部30aの左端部から右端部に亙って設けられている。
1対の上側フランジ部24eの下面と上端フランジ部30bの上面とを接着材26によって固着することにより、上側脚部24Cと中間脚部30とを連結している。
1対の下端フランジ部30cは、縦壁部30aの下端部から略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成され、縦壁部30aの左端部分と右端部分とに設けられている。
1対の下端フランジ部30cの下面と下側フランジ部25fの上面とを接着材26によって固着することにより、下側脚部25Cと中間脚部30とを連結している。
分離機構23Cは、上側脚部24Cと下側脚部25Cとを中間脚部30を介して連結し、ボンネットアウタ11に作用した下方へ向かう衝撃荷重により天板部21が所定量下方へ変位したとき、上側脚部24Cと中間脚部30との連結及び下側脚部25Cと中間脚部30との連結を解除し、下側脚部25Cに対する上側脚部24Cの下方移動を許容して分離するように構成されている。この分離機構23Cは、1対の上側フランジ部24eと、下側フランジ部25f、接着材26と、中間脚部30と、縦壁部24dと縦壁部25eとのオフセット配置等から構成されている。
次に、図13(a),図13(b)に基づき、インパクタ6によるスティフナ20Cの衝撃吸収挙動について説明する。
図13(a)に示すように、インパクタ6からの衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用してスティフナ20Cが変形を開始するまで、接着材26が上側フランジ部24eと上端フランジ部30b及び下側フランジ部25fと下端フランジ部30cを接着しているため、上側脚部24Cと下側脚部25Cとが中間脚部30を介して連結されている。
衝撃荷重がボンネットアウタ11に対して下方に作用して中間脚部30が変形を開始すると、上側フランジ部24eと上端フランジ部30b及び下側フランジ部25fと下端フランジ部30cが屈曲変形を開始する。
図13(b)に示すように、ボンネット1の潰れ変形が更に増大して変位量がX(図3参照)に到達したとき、衝撃荷重が接着材26の接着力よりも大きくなるため、上側フランジ部24eと上端フランジ部30b及び下側フランジ部25fと下端フランジ部30cが夫々剥離し、中間脚部30をスティフナ20C内の内部相当部分に倒伏させることにより上側脚部24Cと下側脚部25Cとを分離している。これにより、衝撃荷重によって天板部21が所定量下方移動したとき、上側脚部24Cが瞬時に下方移動して底部12cに落下するため、簡単な構造で分離後の減速度を容易に増加することができる。
次に、実施例5のスティフナ20Dについて図14に基づいて説明する。実施例1〜4と同様の主要な構成要素には同じ参照符号を付けて図示し、それらについての説明は省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
実施例4では、脚部22Cの上側フランジ部24eと上端フランジ部30b及び下側フランジ部25fと下端フランジ部30cを接着材26で接着したが、実施例5では、脚部22Dの上側フランジ部24cと上端フランジ部30b及び下側フランジ部25fと下端フランジ部30dをクリップ部27を介して連結している。
分離機構23Dは、上側フランジ部24cと、下側フランジ部25fと、クリップ部27と、中間脚部30Aと、縦壁部24dと縦壁部25eとのオフセット配置等から構成されている。1対の上側フランジ部24cは、上側脚部24Dの縦壁部24dの下端部の左端部分と右端部分とから夫々略直交状に屈曲して前方へ延びるように形成されている。
下側フランジ部25fは、下側脚部25Dの縦壁部25eの上端部から略直交状に屈曲して後方へ延びるように形成され、下側脚部25Dの左端部から右端部に亙って設けられている。下側フランジ部25fの左端部分と右端部分には、1対の上側フランジ部24cに対応するように1対のクリツプ穴25gが形成されている。
中間脚部30Aは、縦壁部30aと、この縦壁部30aの上端部に設けられた上端フランジ部30bと、縦壁部30aの下端部に設けられた1対の下端フランジ部30dとを一体的に備えている。1対の下端フランジ部30dは、縦壁部24dの下端部の左端部分と右端部分とから略直交状に屈曲して前方へ延びるように夫々形成されている。
下段側クリップ部27(第2係合部付クリップ部)のクリップ27bは、クリツプ穴25gへの挿通によって下側フランジ部25fに固定されている。下側フランジ部25fに固定された1対のクリップ部27に1対の下端フランジ部30dを係合することにより、中間脚部30Aと下側脚部25Dとを連結している。
上段側クリップ部27(第1係合部付クリップ部)のクリップ27bは、クリツプ穴30eへの挿通によって上端フランジ部30bに固定されている。上端フランジ部30bに固定された1対のクリップ部27に1対の上側フランジ部24cを係合することにより、中間脚部30Aと上側脚部24Dとを連結している。
これにより、衝撃荷重によって天板部21が所定量下方移動したとき、上側脚部24Dが瞬時に下方移動して底部12cに落下するため、スティフナ20Dの組み立て作業の簡単化を図りつつ分離後の減速度を容易に増加することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、前後1対の脚部を備えたスティフナの例を説明したが、少なくとも上側脚部と下側脚部とを連結状態から分離状態へ接続を解除できれば良く、単一の脚部で構成しても良く、また、前後に配設された3つ以上の脚部で構成することも可能である。
2〕前記実施例1〜3においては、衝撃荷重によって天板部が所定量下方移動したとき、前後1対の上側脚部が前後1対の下側脚部の間に落下する例を説明したが、前後1対の上側脚部の間隔を前後1対の下側脚部の間隔よりも大きくすることで、前後1対の下側脚部が前後1対の上側脚部に前後方向において挟まれるように前後1対の上側脚部を落下させても良い。
3〕前記実施例においては、天板部を含む前後1対の上側脚部と前後1対の下側脚部とを同一の材料で構成した例を説明したが、衝撃吸収仕様に応じて、一方の脚部の剛性を高くするために板厚を厚くする、或いは剛性の高い材質にしても良い。
また、前記実施例4,5において、前後1対の上側脚部及び下側脚部と中間脚部との材質を変更することも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、ボンネットアウタパネルの張り剛性を確保するためのスティフナを備えた車両のボンネット構造において、ボンネットアウタパネルの張り剛性確保と歩行者の頭部傷害保護とを両立することができる。
1 ボンネット
2 エンジンルーム
11 ボンネットアウタ(ボンネットアウタパネル)
12 ボンネットインナ(ボンネットインナパネル)
20,20A〜20D スティフナ
22,22A〜22D 脚部
23,23A〜23D 分離機構
24,24A〜24D 上側脚部
24b,24c,24e 上側フランジ部
25,25A〜25D 下側脚部
25b,25f 下側フランジ部
26 接着材
27 クリップ部
28 ピン部
28a 頭部
28b 軸部
30,30A 中間脚部
30b 上端フランジ部
30c,30d 下端フランジ部
S 空間部
V 車両

Claims (7)

  1. エンジンルームを開閉可能に覆うボンネットの外板を構成するボンネットアウタパネルと、このボンネットアウタパネルに対して下側に配置され且つボンネットアウタパネルと協働して車幅方向中央部に空間部を構成するボンネットインナパネルと、このボンネットインナパネルに支持されたロック機構とを備えた車両のボンネット構造において、
    前記ボンネットアウタパネルの裏面に当接してボンネットアウタパネルの張り剛性を確保するためのスティフナであって、下方へ作用する衝撃荷重を前記ボンネットインナパネルへ伝達する脚部を備えたスティフナを有し、
    前記脚部が、上下方向に延びる上側脚部と、
    前記ボンネットインナパネルに連結され上下方向に延びる下側脚部と、
    前記上側脚部と下側脚部とを連結する分離機構であって、前記衝撃荷重により前記スティフナの天板部が所定量下方へ変位したとき、前記上側脚部と下側脚部との連結を解除して前記下側脚部に対する上側脚部の下方移動を許容するように分離する分離機構とを備えたことを特徴とする車両のボンネット構造。
  2. 前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部とを備え、
    前記上側フランジ部の下面と下側フランジ部の上面とが接着材で接着されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のボンネット構造。
  3. 前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部と、前記上側フランジ部と下側フランジ部のうち一方のフランジ部に固定された係合部付クリップ部とを備え、
    前記上側フランジ部と下側フランジ部のうち他方のフランジ部が前記係合部付クリップ部の係合部に係合されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のボンネット構造。
  4. 前記分離機構が、前記上側脚部と下側脚部のうち一方の端部に前後方向一側に突出するように固定された複数のピン部と、前記上側脚部と下側脚部のうち他方の端部に前記複数のピン部が夫々係合する複数の係合穴及び前記複数の係合穴から延び前記ピン部よりも狭い幅の上下方向に延びる複数のスリット部とを備え、
    前記複数のスリット部は、前記ピン部に衝撃荷重が作用したとき、拡開して前記複数のピン部の通過を夫々許容することを特徴とする請求項1に記載の車両のボンネット構造。
  5. 前記分離機構が、前記上側脚部の下端部の少なくとも一部が前後方向の一方に延びた上側フランジ部と、前記下側脚部の上端部の少なくとも一部が前後方向の他方に延びた下側フランジ部と、前後方向の一方に延びて前記上側フランジ部の下面に当接した上端フランジ部と前後方向の他方に延びて前記下側フランジ部の上面に当接した下端フランジ部とを有する中間脚部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両のボンネット構造。
  6. 前記上側フランジ部の下面と上端フランジ部の上面及び前記下端フランジ部の下面と下側フランジ部の上面とが夫々接着材で接着されていることを特徴とする請求項5に記載の車両のボンネット構造。
  7. 前記分離機構が、前記上側フランジ部と上端フランジ部のうち一方に固定された第1係合部付クリップ部と、前記下端フランジ部と下側フランジ部のうち一方に固定された第2係合部付クリップ部とを備え、
    前記上側フランジ部と上端フランジ部のうち他方が前記第1係合部付クリップ部の係合部に係合され、前記下端フランジ部と下側フランジ部のうち他方が前記第2係合部付クリップ部の係合部に係合されていることを特徴とする請求項5に記載の車両のボンネット構造。
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