JP2008296796A - 自動車のフード構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者保護性能を確保しつつ、ストライカー上方エリアの張り剛性を向上させた自動車のフード構造を提供する。
【解決手段】フードロックリインフォースメントパネル40がストライカー30を支持する水平部41を備え、フードデントリインフォースメントパネル50がフードアウターパネル10の裏面に接する当接部51と、この当接部51の両側縁から下方へ延出し水平部41に接合された第1足部52と、を備え、当接部51の後縁50Eがフードロックリインフォースメントパネル40から距離を置いて配置される。
【選択図】図1
【解決手段】フードロックリインフォースメントパネル40がストライカー30を支持する水平部41を備え、フードデントリインフォースメントパネル50がフードアウターパネル10の裏面に接する当接部51と、この当接部51の両側縁から下方へ延出し水平部41に接合された第1足部52と、を備え、当接部51の後縁50Eがフードロックリインフォースメントパネル40から距離を置いて配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は車両のフード構造に係り、特にフードデントリインフォースメントパネルを備えても歩行者保護性能を確保できるフード構造に関するものである。
図6は従来の自動車のフード構造100を示す断面図である。図中のFrは車両前方を、Upは車両上方を示す。
このフード構造100は、フードアウターパネル110と、このフードアウターパネル110と距離を置いて下方に配置されたフードインナーパネル120と、このフードインナーパネル120の前部から下方へ突出したストライカー130と、このストライカー130を支持するフードロックリインフォースメントパネル140と、を備えている。
このフード構造100は、フードアウターパネル110と、このフードアウターパネル110と距離を置いて下方に配置されたフードインナーパネル120と、このフードインナーパネル120の前部から下方へ突出したストライカー130と、このストライカー130を支持するフードロックリインフォースメントパネル140と、を備えている。
フードインナーパネル120は、ストライカー130を支持する第1水平部121と、この第1水平部121の後縁から後上方向へ延出した第1傾斜部122と、この第1傾斜部122の上縁から後方へ水平に延びた棚部123と、を備えている。
フードロックリインフォースメントパネル140は、第1水平部121の上に重なる第2水平部141と、第1傾斜部122の前側に設けられ第1傾斜部122との間にクリアランスを形成するように第2水平部141の後縁から後上方向へ棚部123の上方又は前方上まで延出した第2傾斜部142と、を備えている。
この種のフード構造100では、例えば、図6に示すようにフードインナーパネル120の棚部123の上方領域に衝突物Xが衝接した場合、衝突物Xはフード下方へ向けて所定距離進入する。この進入に伴って、フードを構成するフードアウターパネル110やフードインナーパネル120が変形して衝突物Xに対する衝撃を吸収する。よって、この種のフード構造では、歩行者保護性能が確保される。
一方、図7に示すように、フードを裏打ちするフードデントリインフォースメントパネル150を設けたフード構造100Aも知られている。図7に示すフードデントリインフォースメントパネル150は、ストライカー130上方のフードアウターパネル領域を裏打ちするように配設され、その後縁150Eはフードロックリインフォースメントパネル140の第2傾斜部142の上端部142Eと接合している。このフード構造100Aによれば、ストライカー上方のフードアウターパネル110の張り剛性が高められている。
このようなフードデントリインフォースメントパネルを備えたフード構造が特許文献1に開示されている。
特開2007−30693号公報
このようなフードデントリインフォースメントパネルを備えたフード構造が特許文献1に開示されている。
しかし、図6に示す従来のフード構造100においては、ストライカー上方のフードアウターパネル110の張り剛性を高めるために図7に示すフードデントリインフォースメントパネル150を設けようとすると、衝突物Xがフードに衝突した際にフードデントリインフォースメントパネル150が衝突物Xの進入の妨げとなり、エネルギー吸収ストロークが低減して、歩行者保護性能が低減するおそれがある。
そこで、歩行者保護性能を確保しつつ、フードの張り剛性を確保した構造が要望されている。
そこで、歩行者保護性能を確保しつつ、フードの張り剛性を確保した構造が要望されている。
本発明は上記問題を解決するために創作されたものであり、歩行者保護性能を確保しつつ、ストライカー上方エリアの張り剛性を向上させた、自動車フード構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、車体外側面を構成するフードアウターパネルと、このフードアウターパネルの下方に配置され周縁をフードアウターパネルの周縁と接合されたフードインナーパネルと、フード前部の下面に設けられたストライカーと、フード前部を補強するフードロックリインフォースメントパネルと、ストライカーの上方においてフードアウターパネルの裏面に当接してフードアウターパネルの張り剛性を強化するフードデントリインフォースメントパネルと、を備えた自動車のフード構造において、フードロックリインフォースメントパネルは、ストライカーを支持する水平部を備え、フードデントリインフォースメントパネルは、フードアウターパネルの裏面に接する当接部と、この当接部の両側縁から下方へ延出し水平部に接合された第1足部と、を備え、当接部の後縁はフードロックリインフォースメントパネルから距離を置いて配置されることを特徴としている。
本発明の自動車フード構造において、好ましくは、第1足部が折れ線部を有する。
本発明の自動車フード構造において、好ましくは、第1足部が折れ線部を有する。
本発明によれば、ストライカー上方のフードアウターパネル面を裏打ちするフードデントリインフォースメントパネルの後縁がフードロックリインフォースメントパネルと接合せずに配設されるため、フードアウターパネル面に衝突物が衝接した場合に衝突物の進入を妨げず、フード内への所望の進入距離を確保できる。また、フードデントリインフォースメントパネルは第1足部によって支持されるため、フードロック上方のフードアウターパネルを手で押しても、所望の張り剛性が確保される。よって、歩行者保護性能を確保しつつ、ストライカー上方エリアの張り剛性を向上させることができる。
以下、図1乃至図5を参照して本発明の実施形態を説明する。各図において、符号Frは車両前方を、Upは車両上方を、Outは車幅外方向を示す。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係るフード構造1の斜視図であり、車幅中間位置で左側を切り欠いた形態を示している。図2はこのフード構造1の断面図である。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係るフード構造1の斜視図であり、車幅中間位置で左側を切り欠いた形態を示している。図2はこのフード構造1の断面図である。
フード構造1は、車体外側面を構成するフードアウターパネル10と、このフードアウターパネル10の下方に配置され周縁をフードアウターパネル10の周縁と接合されたフードインナーパネル20と、フード前部の下面に設けたストライカー30と、このストライカー30を取り付けたフード前部を補強するフードロックリインフォースメントパネル40と、フードアウターパネル10の裏面に当接してフードアウターパネル10の張り剛性を強化するフードデントリインフォースメントパネル50と、を備えている。
フードアウターパネル10とフードインナーパネル20とは、内部に空間Sが画成されるよう周縁で溶接等によって互いに接合されている。この空間S内にフードロックリインフォースメントパネル40とフードデントリインフォースメントパネル50とが配設される。
フードインナーパネル20は、ストライカー30を支持する第1水平部21と、この第1水平部21の後縁から後上方向へ延出した第1傾斜部22と、を備えている。第1水平部21、第1傾斜部22はそれぞれパネル状に形成されており、それらはプレス成形によって一体に構成される。
フードロックリインフォースメントパネル40は、第1水平部21の上に重ねられた第2水平部41と、第1傾斜部22の前側に設けられ第1傾斜部22との間にクリアランスを形成するように第2水平部41の後縁から後上方向へ延出した第2傾斜部42と、を備えている。
フードデントリインフォースメントパネル50は、フードアウターパネル10の裏面に接する当接部51と、この当接部51の後部両側縁から下方へ延出し第2水平部41に接合された第1足部52と、を備えている。当接部51は、ストライカー上方位置においてフードアウターパネル10を裏打ちするように配設される。
左右の各第1足部52には、図3に示すように、高さ方向において中間程度の位置に折れきっかけとなるための折れ線部52Aが設けられている。
さらに、本実施形態では、当接部51の後縁がフードロックリインフォースメントパネル40から距離を置いて配置されている。即ち、フードデントリインフォースメントパネル50の後縁50Eはフードロックリインフォースメントパネル40と接合されていない。
左右の各第1足部52には、図3に示すように、高さ方向において中間程度の位置に折れきっかけとなるための折れ線部52Aが設けられている。
さらに、本実施形態では、当接部51の後縁がフードロックリインフォースメントパネル40から距離を置いて配置されている。即ち、フードデントリインフォースメントパネル50の後縁50Eはフードロックリインフォースメントパネル40と接合されていない。
このように構成されたフード構造1では、図2に示すようにフードインナーパネル10の第1傾斜部22の上方領域においてフードアウターパネル10に衝突物Xが衝接すると、フード内へ向けて衝突物Xが進入する。この進入の過程では、先ず衝突物Xによってフードアウターパネル10及びフードデントリインフォースメントパネル50に荷重が加わる。この荷重がフードデントリインフォースメントパネル50の第1足部52に伝わると、第1足部52には折れ線部52Aが形成されているため、第1足部52は折れ線部52Aを境に折れ曲がる。よって、フードアウターパネル10及びフードデントリインフォースメントパネル50がフードインナーパネル20方向に変形し、フードデントリインフォースメントパネル50がフードロックリインフォースメントパネル40に当接する。そして、衝突物Xがさらにフード内へ進入することで、フードロックリインフォースメントパネル40が変形し、フードロックリインフォースメントパネル40がフードインナーパネル20に当接する。これにより、フードインナーパネル20が変形して、衝突物Xの進入が止まる。
一方、開いたフードを閉じる際に、フードアウターパネル10の上面のうちストライカー上方の部分を押しても、フードアウターパネル10の当該部分がフードデントリインフォースメントパネル50に支持されているため、ストライカー上方エリアのパネル面が窪むことはない。このように、張り剛性が確保される。
以上のように、本実施形態に係るフード構造1によれば、ストライカー上方のフードアウターパネル面を裏打ちするフードデントリインフォースメントパネル50の後縁50Eがフードロックリインフォースメントパネル40と接合せずに配設され、さらに、第1足部52によって支持されているため、フードアウターパネル面に衝突物Xが衝接した場合には衝突物Xの進入を妨げず、フード内への所望の進入距離を確保できる。よって、フード構造1によれば、歩行者保護性能を確保できることに加えて、ストライカー上方エリアの張り剛性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第2実施形態に係るフード構造1Aの断面図である。第2実施形態に係るフード構造1Aは、フードデントリインフォースメントパネルの構成が第1実施形態と異なる。図5は第2実施形態に係るフード構造1Aにおけるフードデントリインフォースメントパネル50A及びフードロックリインフォースメントパネル40を示す斜視図である。なお、第1実施形態に係るフード構造1と同一の部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図4は本発明の第2実施形態に係るフード構造1Aの断面図である。第2実施形態に係るフード構造1Aは、フードデントリインフォースメントパネルの構成が第1実施形態と異なる。図5は第2実施形態に係るフード構造1Aにおけるフードデントリインフォースメントパネル50A及びフードロックリインフォースメントパネル40を示す斜視図である。なお、第1実施形態に係るフード構造1と同一の部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態に係るフードデントリインフォースメントパネル50Aは、第1足部52を備えている点と後縁50Eがフードロックリインフォースメントパネル40に接合せずに配置される点では第1実施形態と同じであるが、以下の構成で第1実施形態と相違している。
まず、フードデントリインフォースメントパネル50Aの前縁50Fがフードロックリインフォースメントパネル40から距離を置いて配置される。即ち、図4に示すように、前縁50Fがフードロックリインフォースメントパネル40と接合せずに配設される。
さらに、フードデントリインフォースメントパネル50Aは、前縁50Fがフードロックリインフォースメントパネル40と接合しない代わりに、当接部51の前部を支持する第2足部55を備えている。図5に示すように、第2足部55は、当接部51を切り起こして形成されており、第2水平部41に接合している。
当接部51を左右に二分する中心線Cに対して、左右の第2足部55,55と左右の第1足部52,52とは対称の位置に設けられている。また、第2足部55,55は、第1足部52,52より車両前方の位置に配置されている。
第2足部55,55にも第1足部52,52と同様に、折れ線部55A(図4参照)が高さ中間程度の位置に設けられる。
当接部51を左右に二分する中心線Cに対して、左右の第2足部55,55と左右の第1足部52,52とは対称の位置に設けられている。また、第2足部55,55は、第1足部52,52より車両前方の位置に配置されている。
第2足部55,55にも第1足部52,52と同様に、折れ線部55A(図4参照)が高さ中間程度の位置に設けられる。
このように構成された第2実施形態に係るフード構造1Aも、フードインナーパネル10の第1傾斜部22の上方領域においてフードアウターパネル10に衝突物Xが衝突すると、第1足部52と第2足部55とが折れ曲がることで歩行者保護性能が確保され、一方、フード閉動作時にストライカー上方領域のフードアウターパネル面を手で押しても、当該フードアウターパネル面が当接部51によって裏打ちされているため張り剛性が確保される。
また、第2足部55がフードデントリインフォースメントパネル50A自体を切り起こして形成されるため、フードデントリインフォースメントパネル50Aに重量が追加されることはない。
また、第2足部55がフードデントリインフォースメントパネル50A自体を切り起こして形成されるため、フードデントリインフォースメントパネル50Aに重量が追加されることはない。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。例えば、第2足部55はフードデントリインフォースメントパネル自体を切り起こさずに形成されてもよい。
1,1A フード構造
10 フードアウターパネル
20 フードインナーパネル
21 第1水平部
22 第1傾斜部
30 ストライカー
40 フードロックリインフォースメントパネル
41 第2水平部
42 第2傾斜部
50,50A フードデントリインフォースメントパネル
50E 後縁
50F 前縁
51 当接部
52 第1足部
52A,55A 折れ線部
55 第2足部
X 衝突物
S 空間
10 フードアウターパネル
20 フードインナーパネル
21 第1水平部
22 第1傾斜部
30 ストライカー
40 フードロックリインフォースメントパネル
41 第2水平部
42 第2傾斜部
50,50A フードデントリインフォースメントパネル
50E 後縁
50F 前縁
51 当接部
52 第1足部
52A,55A 折れ線部
55 第2足部
X 衝突物
S 空間
Claims (4)
- 車体外側面を構成するフードアウターパネルと、このフードアウターパネルの下方に配置され周縁を上記フードアウターパネルの周縁と接合されたフードインナーパネルと、フード前部の下面に設けられたストライカーと、上記フード前部を補強するフードロックリインフォースメントパネルと、上記ストライカーの上方において上記フードアウターパネルの裏面に当接して上記フードアウターパネルの張り剛性を強化するフードデントリインフォースメントパネルと、を備えた自動車のフード構造において、
上記フードロックリインフォースメントパネルは、上記ストライカーを支持する水平部を備え、
上記フードデントリインフォースメントパネルは、上記フードアウターパネルの裏面に接する当接部と、この当接部の両側縁から下方へ延出し上記水平部に接合された第1足部と、を備え、
上記当接部の後縁は上記フードロックリインフォースメントパネルから距離を置いて配置されることを特徴とする、自動車フード構造。 - 前記第1足部は折れ線部を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動車フード構造。
- 前記フードデントリインフォースメントパネルは、前記第1足部より車両前方位置に前記水平部に接合された第2足部を備え、
前記当接部の前縁は上記フードロックリインフォースメントパネルから距離を置いて配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車フード構造。 - 前記第2足部が折れ線部を有することを特徴とする、請求項3に記載の自動車フード構造。
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- 2007-05-31 JP JP2007146304A patent/JP2008296796A/ja active Pending
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