JP2015085979A - ヒンジキャップ - Google Patents
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ヒンジキャップには、通常、上蓋とキャップ本体とに互いに係合してシール部を形成する係合部が設けられているが、容器を勢いよく振ったときには、上蓋が開いたり密封が弱まって漏出したりする危険があり、上蓋を押さえて容器を振る必要があった。
このような要請から、開封後に確実な閉蓋状態を維持するためのロック機構を備えたヒンジキャップが、近年提案されてきている。
たとえば、上蓋のつまみを形成する折り返し指掛かり部21が下端縁21aを幅広にした逆T字状とされ、同形状の開口部が設けられた円筒部9(キャップ本体)に収容されることによって、上蓋を押し上げる力が作用しても、当該下端縁21aが開口部に干渉、係合して開蓋を防止するようにしたロック機構を有するヒンジキャップが、特許文献1に記載されている。
また、位置決め突起の周方向両側の側周壁外周面に、所定の間隔を置いてストッパー部が突設されている実施形態では、ロックリングの不必要な回動を阻止して、使用感を向上させることができる。
図1〜4に示すように、キャップ本体Aは、容器内と連通する注出口を形成する注出筒5と、注出筒5に上壁6の内周縁で連設し、上壁6の下部に垂設された外筒7,内筒8からなる係合筒部4とからなっている。
外筒7の外周上縁の所定位置にはヒンジCが設けられ、上蓋本体B1が連設されている。
外筒7の外周上縁のヒンジCと反対側には、後述するロックリングB2の連結部61と係合して閉蓋状態を維持する係合凸部9が、周方向所定幅に突設されている。
また、上壁6の上部には、上蓋Bを係止する蓋係止部10が環状に立設され、その上部には外方に突出する膨出部11が設けられている。
隔壁22には、破断可能な薄肉弱化部23により画成され、隔壁22から切り取られることによって容器内部と連通する注出口を形成する除去部24が形成されており、除去部24の上部には、ヒンジC側に立設する支柱25を介してプルリング26が連設されている。
プルリング26には、ヒンジCの反対側下部に薄肉の指当て部27が設けられている。
係止凸部28は、ヒンジCを中心とする周方向所定幅に形成され、リップ部20の先端部付近に、先端側から注出口方向に向けて漸次高さを増すように肉盛りされた凸面と、その下縁にリップ部20内周面に対して略垂直な壁面を形成する上係止段部29とからなっている。
上蓋本体B1は、頂壁31と、頂壁31の周縁部から垂下する側周壁32と、頂壁31の裏面から垂設された密封筒33とからなっている。
舌片40は、軸方向断面が弓形状をなし、舌片40の外周面は、上蓋Bを開閉する際に注出筒5のリップ部20の内周面を摺動するように湾曲面を形成している。
舌片40は、所定周範囲にわたって最も高く形成された先端部を有する山形をなし、先端部には、外周面に面取りをしたカット面43が形成されて、付着した内容液が滴下しやすいように鋭角な尖端が形成されている。
舌片40側の中間係止部を形成する係止凹部41は、先端側に外周面に略垂直な壁面を形成する下係止段部42と、係止凸部28の凸面に対応するように下係止段部42の底縁から舌片40の基部側に向かって深さが漸次浅くなる凹面とからなっている。
係止凹部41は、係止凸部28と嵌合したときに、上係止段部29と下係止段部42がかみあって上蓋Bがそれ以上開かないように係止するとともに、凸面と凹面の嵌合によって上蓋Bが所定の開度に維持されるようになっている。
上蓋Bを開蓋途中で係止する中間係止部は、本実施例では、注出筒5の側に係止凸部28を、舌片40の側に係止凹部41を設けているが、逆に、注出筒5の側に係止凹部を、舌片40の側に係止凸部を設けてもよく、適宜選択可能である。
上段中径部45と中段小径部46には、ロックリングB2が嵌合され、上段中径部45の外周面とロックリングB2の内周面とは、摺動可能となるようわずかな隙間を有している。
また、中段小径部46の上部には、位置決め突起52と、位置決め突起52から周方向に所定間隔を配して前方ストッパー部53,後方ストッパー部54がそれぞれ突設されている。
位置決め突起52と前方ストッパー部53,後方ストッパー部54との間隔は、少なくとも後述するロックリングB2の係止突起64が嵌入し得る周方向幅に設定される。
突出リブ51も、その数、配置される周方向位置および軸方向位置については、位置決め突起52、前方ストッパー部53、後方ストッパー部54に干渉しない限りは適宜決定し得るが、上段中径部45とともにロックリングB2の内周面を支持するためには、軸方向で下方に設けることが好ましい。
位置決め突起52の突出高さは、ストッパー部53,54よりも若干低く設定されている。
また、側周壁32の内周面の下端近傍には、蓋係止部10の膨出部11と嵌合して上蓋Bを閉蓋しシール部を形成して密封状態を保持する係止溝57が設けられている。
リング本体60の内周面には、所定周方向位置4個所に係止リブ63が周方向所定幅に突設され、連結部61の周方向位置から中心角で略90°開いた位置に係止突起64が突設されている。
係止リブ63の数や配置位置は適宜決定し得るが、周方向に均等に配置されていることが望ましい。
また、係止突起64は、必ずしも連結部61の周方向位置から中心角で略90°開いた位置に限定されず、位置決め突起52,ストッパー部53,54との係合に支障がない範囲で適宜決定し得る。
同様に、係止突起64にも嵌合傾斜面64bが形成されている。
リング本体60の下端縁66が、大段部49に摺動可能に当接し、係止リブ63の係止上面63aが小段部48に摺動可能に当接するように、係止上面63aの軸方向高さ位置が決定される。
リング本体60は、上蓋本体B1に嵌合して下端縁66が大段部49に当接したとき、上端縁67が頂壁31と略同一の高さになり、外周面が下段大径部47の外周面と略一致するように設定すれば、外観が優れたものとなり好ましい。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
図4に示されるように、開蓋状態になっている成形直後のキャップ本体Aと上蓋本体B1は、閉蓋した上で上蓋本体B1の上方からロックリングB2を押圧嵌合する。
この際、図6に示されるように、ロックリングB2の係止突起64が上蓋本体B1の位置決め突起52と前方ストッパー53との間に嵌入するように、上蓋本体B1とロックリングB2の周方向位置を一致させて上方から押圧する。
このように、係止突起64を位置決め突起52と前方ストッパー53との間に嵌入すると、使用前にロックリングB2が不用意にロック状態になったり、不必要に回動することを防いで使い勝手がよい。
なお、ロックリングB2の嵌合時に周方向位置がずれて、係止突起64を位置決め突起52と前方ストッパー53との間に嵌入することができなかった場合でも、前方ストッパー部53および後方ストッパー部54には、それぞれ傾斜壁面53b,54bが形成されているので、係止突起64が傾斜壁面53b,54bを乗り越えるようにロックリングB2を強制的に回動させれば、ロック解除状態に設定することができる。本実施例のように、必ずしも前方ストッパー部53および後方ストッパー部54にそれぞれ傾斜壁面を設ける必要はなく、少なくとも前方ストッパー53に設ければ十分である。
また、ロックリングB2の内周面は、上段中径部45と突出リブ51とによって、ガタつきを防ぎながら摺動可能に支持されている。
容器を使用した後、再度閉蓋して注出筒5と密封筒33、および蓋係止部10と係止溝57によって容器内を密封された閉蓋状態を確実に保持するために、本実施例のヒンジキャップは、図6〜8に示されるようなロック操作を可能としている。
まず、図6に示されたロック解除状態では、ロックリングB2の連結部61は、ヒンジCの反対側から所定角度ロック解除方向[図7(a)に示される矢印のロック方向(締結回転方向)と反対方向:平面視で左回り方向]に偏奇しており、キャップ本体Aの係合凸部9は、係合溝68に一部嵌入しているがフック部70には係合していない。
このとき、係合凸部9は係合溝68内を突き当たり部69に向けて進み、図7(c)に示されるように、フック部70は係合凸部9の下部に入り込みはじめる。
位置決め突起52は、ロックリングB2の不用意なロック状態への回動を阻止するとともに、係止突起64が乗り越えるときの抵抗によるクリック感を与えることにより、ロック操作が開始されたことを使用者に認識させることができる。
フック部70は、係合凸部9の下部に入り込み、係合凸部9によってロックリングB2の上方への移動が阻止されて上蓋Bの開蓋を確実に防止する。
フック部70は、ロック状態において必ずしも係合凸部9の下端面に当接している必要はなく、開蓋を防ぐに十分な程度であれば多少の隙間を有していてもよい。
なお、突き当たり部69は必ずしも必要ではなく、係合溝68は周方向に貫通されていてもよい。
このロック状態では、係止突起64は後方ストッパー54と位置決め突起52との間に位置しているので、ロックリングB2に多少の外力がロック解除方向に作用しても、係止突起64が位置決め突起52を乗り越えなければならないため、容易にロック解除されることはなく、上蓋Bの開蓋を確実に防止することができる。
このように、上蓋Bを開蓋途中の所定開度で係止することができるから、内容液の注出時に上蓋Bが邪魔になることがなく、上蓋Bに手を添えなくてはならないような面倒もない。
また、ドレッシングを充填した容器のように、使用前に閉蓋した状態で容器を振ったりする場合には、内容液が上蓋Bの内周面に付着することがあるが、再度容器を使用するために上蓋Bを開けたときには、係止されて立ち上がった上蓋Bの内周面に付着していた内容液は、ヒンジC側に流下して舌片40を伝い注出筒5側に還流するから、付着液が垂れて周囲を汚すようなことがなく、清潔に使用することができる。
B 上蓋
B1 上蓋本体
B2 ロックリング
C ヒンジ
D 容器本体
1 口部
2 係合突条
4 係合筒部
5 注出筒
6 上壁
7 外筒
8 内筒
9 係合凸部
10 蓋係止部
11 膨出部
15 外周切り込み部
16 内周切り込み部
17 縦薄肉部
18 スリット溝
19 横薄肉部
20 リップ部
21 中間筒部
22 隔壁
23 薄肉弱化部
24 除去部
25 支柱
26 プルリング
27 指当て部
28 係止凸部(中間係止部)
29 上係止段部
31 頂壁
32 側周壁
33 密封筒
35 下端
40 舌片
41 係止凹部(中間係止部)
42 下係止段部
43 カット面
45 上段中径部
46 中段小径部
47 下段大径部
48 小段部
49 大段部
51 突出リブ
52 位置決め突起
53 前方ストッパー
54 後方ストッパー
53a,54a 垂直壁面
53b,54b 傾斜壁面
57 係止溝
60 リング本体
61 連結部
63 係止リブ
63a 係止上面
64 係止突起
63b,64b 嵌合傾斜面
66 下端縁
67 上端縁
68 係合溝
69 突き当たり部
70 フック部
Claims (6)
- 容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体とヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、外周面に係合凸部が設けられ、
上蓋は、ヒンジによって開閉し閉蓋状態でキャップ本体と協働して容器内を密封する上蓋本体と、上蓋本体の外周面に回転可能に取り付けられたロックリングとからなり、
ロックリングの下端部に連結部が垂設され、該連結部は、閉蓋状態でロックリングを回動することによって係合凸部と係合し、閉蓋状態を維持することを特徴とするヒンジキャップ。 - 連結部の内周面には、内方に張り出したフック部を有する係合溝が周方向に延設されており、閉蓋状態でロックリングを回動することによって係合溝が係合凸部に嵌合し、フック部が係合凸部の下部に入り込むようになっていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
- 上蓋本体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設された側周壁からなり、
側周壁の外周面の所定個所には、連結部が係合凸部に係合するとき、ロックリングの内周面に設けられた係止突起が抵抗をもって乗り越えることができる高さを有する位置決め突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ。 - 位置決め突起の周方向両側の側周壁外周面には、ロックリングの不必要な回動を阻止するストッパー部が所定の間隔を置いて突設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。
- 少なくとも連結部が係合凸部に係合する締結回転方向と反対側のストッパー部には、締結回転方向と反対側になだらかな傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジキャップ。
- キャップ本体には、注出口を形成する注出筒が設けられ、
上蓋本体の頂壁の裏面に、注出筒の内面に当接して容器内部を密封する密封筒が設けられており、
密封筒の下端のヒンジ側には、開蓋途中で注出筒内面に接する舌片が垂設され、舌片と注出筒には、上蓋の所定開度において互いに嵌合する中間係止部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のヒンジキャップ。
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