JP6278820B2 - 中栓付きヒンジキャップ - Google Patents
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Description
しかしながら、プルリングを引き上げて弱化部を破断するには比較的大きな力が必要であり、指先の力が弱い子供やお年寄りには開封が困難なことがあった。
このため、プルリングによる開栓ではなく、オーバーキャップの螺合部の回転動作によって開栓することができるキャップが先行技術として従来より知られている(例えば、特許文献2参照)。
そのため、係合片7を切り取る開封操作が面倒であるとともに、切り取った係合片がゴミとなり開封時に廃棄しなければならないという手間がかかり、適切に廃棄されないと環境を汚染する恐れがあった。
しかしながら、上記キャップ1は、通常の開栓時の動作と異なり、一度オーバーキャップ3のねじを締め込む方向に回動し、その後、逆にねじを緩める方向に回動してオーバーキャップ3を取り外してから容器を使用しなければならないため、使用者にとってわかりにくく、かつ、手間がかかるという問題があった。
さらに、キャップ本体と中栓が、開封位置において互いの周方向位置を固定するロック機構を具えている実施形態では、ヒンジキャップの上蓋を常に開閉可能に保持して、容器を使用状態に維持することができる。
外筒10の外周面には、上部から傾斜を有するテーパー角面14と、テーパー角面14の下方に下向き段部16が設けられ、下向き段部16の下方は切り欠かれた凹面15が形成され、さらにその下方には、中栓Aを容器本体1から分離して分別廃棄可能とする分別機構が、次のように設けられている。
縦切断部19には、上部に指先を入れて引っ掛けるための引っ掛け凹部20が形成され、縦切断部19に近接する側の把持部18内周面には手指で把持しやすくするための把持凹部21が波状に複数設けられている。
薄肉始断部22から間隙端部17aと周方向反対側には、薄肉始断部22の上面の高さに一致して、外筒10の周方向所定範囲にわたって外周面から径方向に切欠き凹部23が設けられ、外筒10の内周側に破断可能な薄肉の周方向切断部24が形成されている。
また、本実施例では、間隙17は、切り欠き凹部23の終端部23aから中心角10°程度わずかに離間した周方向位置から、約110°の円弧範囲にわたって形成されている。
これらの係止凸部30、乗り越え凸部31、逆転防止壁32、打栓凹部33は、上壁12側の同一水平面上に設けられ、逆転防止壁32からヒンジキャップWを開封する回転方向である開封方向[図3(a)の図中の矢印Y]に沿って、打栓凹部33、乗り越え凸部31、係止凸部30の順に配設されている。
乗り越え凸部31は係止凸部30より径方向の高さが低く、開封方向と反対側の面、すなわち爪係合面35と反対側は、傾斜した乗り越え傾斜面37となっている。
係止凸部30と乗り越え凸部31が設けられた筒壁部6の外周面に形成されたロック外周面は、中栓A側のロック機構を構成する。
また、筒壁部6の上部には、外周面が第1芯だし周面38を形成する上向き段部39が設けられ、内周側では注出筒部7の基部41に連設している。
なお、打栓凹部33に対応する筒壁部6の内周側に突出部40が形成されているが、筒壁部6全体の肉厚を抑えるためのものであり、必ずしも必要ではない。
注出口を形成する円筒状下部43の内周面には、全周にわたって設けられた薄肉弱化部45を介して栓体47が一体に連設されている。
栓体47は、上部に円筒状の係合筒48が立設され、下部は底壁49が薄肉弱化部45とともに注出口を密閉する隔壁を構成している。
底壁49は、係合筒48の外周側に下面から所定の高さを有する拡径部52と、拡径部52の外周側に連設され、外側に向けて漸次肉薄になるとともに薄肉弱化部45に連設するフランジ部53とを有している。
本実施例では第1係合リブ50は周方向4個所に設けているが、4個所に限らず栓体の形状等に合わせて複数の適宜個所に設けることができる。
外周壁60のヒンジDとの連設部の周方向両側には本体側保護突起92a,92bが設けられ、それぞれヒンジDと反対側になだらかな彎曲面を形成する本体側保護突起92を構成している。
キャップ本体Bは、外周壁60と、外周壁60の上端内周に連設する環状の基板部61と、基板部61から垂設される位置決め筒部62とからなっている。
係合片65は比較的薄肉で弾性を有し、ヒンジキャップWが中栓Aに嵌挿装着される際に、係合片65が反転して内方上向きになる程度に、外周壁60内周面と外筒10の外周面との間隙が設定されている。
基板部61は、外周壁60に連設する外周縁から内側上方に傾斜した傾斜環66と、傾斜環66の内周縁に連設する環板67とからなり、環板67の内周縁には、中栓Aの第1芯だし周面38と協同する第2芯だし周面68が形成されている。
爪部70は、爪基部72とロック爪73からなり、ロック爪73は位置決め筒部62の内周面に設けられた爪基部72から前記開封方向と反対側へ斜め内側に向かって延びている。
駐止突起71は、爪部70から前記開封方向と反対側へロック爪73の長さと同じか、若干大きな周方向間隔を置いて配設され、その内周側の径方向高さは、乗り越え凸部31の外周側と摺接するか、微小間隙を有する程度に設定されている。
爪部70と駐止突起71が設けられた位置決め筒部62の内周面に形成されたロック内周面は、ヒンジキャップW側のロック機構を構成する。
本実施例では、位置決め筒部62の下端面は、上壁12の上面に当接する高さまで延びているが、位置決め筒部62の下端面の高さは必ずしもこのように限定されない。
側周壁81の内周には頂壁から垂下して内方に突出する補強リブ85が設けられ、補強リブ85の下端面は、側周壁81の下端部の内周側端面とともに環板67に当接する高さまで延びている。
側周壁81の下端部には、傾斜環66に対応する傾斜端部86が形成され、傾斜端部86の下端周縁の所定箇所にはヒンジDが連設されるとともに、ヒンジDの反対側の下端周縁には摘み87が設けられている。
また、密封筒部82の先端外周面には、注出筒42の内周面に当接して容器内を密閉するためのシール端部89が形成されている。
係着部83は、第1係合突部51に係合可能な第2係合突部90が外周面に設けられ、中心部を肉抜きした筒状に形成されている。
また、ヒンジDとの連設部の両側には、本体側保護突起92(92a,92b)と一致する周方向位置に、蓋側保護突起93がそれぞれ93a,93bとして設けられており、閉蓋時には本体側保護突起92と重なり合って、ヒンジDと反対側になだらかな彎曲面を形成する。
また、本実施例では、係止凸部30、乗り越え凸部31、逆転防止壁32、および爪部70と駐止突起71は、それぞれ一対設けられているが、これに限定されず、3箇所以上の複数箇所に設けられても良い。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
ヒンジキャップWを中栓Aに組み付けるには、図6に示すように、ヒンジキャップWを閉蓋状態にしてから、中栓Aとの周方向位置を図8に示す状態に位置決めする。
図8の図中矢印のT方向は、ヒンジDと中栓Aの軸心、注出筒42の高さが高い部分の中央付近を結ぶ方向、すなわち内容物の注出方向を示し、図8に示す中栓AとヒンジキャップWとの周方向位置関係の組み付け状態をセット状態という。
本実施例では、中栓Aに対してヒンジキャップWを上方から押し込んで組み立てているが、必ずしもこのような形態に限定する必要はなく、小さな回転角度で締め込みを完了することができる多条ねじ等によって組み立ててもよい。
図8(a)に示すセット状態では、爪部70と駐止突起71とが打栓凹部33に対応する位置にくるようになっており、打栓時にヒンジキャップWを中栓Aの上方から嵌入する際に、多少傾いたりしても爪部70が損傷したりすることを防止するようになっている。
また、セット状態では、基板部61の環板67が上向き段部39に嵌入するようになり、第1芯だし周面38と第2芯だし周面68とが、ヒンジキャップWと中栓Aの軸心を一致させるように作用する。
このとき、同時に係着部83は係合筒48に嵌合し、第2係合突部90は第1係合突部51を乗り越えて係合する。
本実施例では、上蓋Cの補強リブ85および側周壁81の内周側下端が環板67に当接し、環板67から垂設された位置決め筒部62の下端が上壁12に当接しているから、上蓋Cの上部に加えられた打栓力は効率的に嵌合筒部5に伝えられ、無理な力が加わることがない。
セット状態におけるキャップ方向γ−γと注出方向Tがなす角度は必ずしも90°に限定されず、シール端部89の回転半径Rが注出筒42内周面と開蓋不能に交差するように、注出筒42の形状等によって60°〜120°程度の範囲で適宜決定することができる。
このとき、爪部70と駐止突起71は、打栓凹部33から離れて乗り越え凸部31の方向へ回転していくが、ヒンジキャップWを誤って開封方向Yと反対方向に回転させることがあっても、駐止突起71が逆転防止壁32に係合して、誤った方向への回転を阻止する。
また、本体側保護突起92(92a,92b)と蓋側保護突起93(93a,93b)は、重なり合ってヒンジDと反対側になだらかな彎曲面を形成しているので、使用者がヒンジキャップWを把持して回転させるとき、手指がヒンジDの角に当たることを防ぐことができる。
このときのヒンジキャップWのキャップ方向γ1−γ1は、セット状態におけるキャップ方向γ−γから前記θ1回転することになる。
角度θ1は、本実施例では約45°であるが、これに限定されない。
このとき、栓体47は中栓Aから切り離されることになるが、第1係合突部51が第2係合突部90に係合しているので栓体47は上蓋Cにより支持され、容器内に落下することはない。
続いて、駐止突起71は乗り越え凸部31と互いに摺接ないしは微小な間隙を有して径方向に重なり合うようになる。
そして、爪基部72が係止凸部30に当接してヒンジキャップWの回転が止まると同時に、ロック爪73が弾性により復元し、爪部70は係合凹部36に嵌合する。
このとき、図10に示されるように、キャップ方向γ2−γ2は注出方向Tと完全に一致し、セット状態のキャップ方向γ−γから角度θ2回転した開封状態となる。
角度θ2は、前述したセット状態のキャップ方向γ−γと注出方向Tとがなす角度90°と一致している。
また、爪部70は、爪基部72が係止凸部30の基部係合面34に当接して開封方向Yへのさらなる回転を阻止し、ロック爪73が乗り越え凸部31の爪係合面35に当接するとともに、駐止突起71が乗り越え凸部31と径方向で重なり合い爪部70付近の位置決め筒部62の変形を防ぐので、開封方向Yの反対方向への回転を阻止して開封状態を維持することができる。
なお、中栓付きヒンジキャップのロック機構は、このような本実施例の態様に限定されず、種々のロック機構が採用可能であり、用途等に応じて場合によってはなくてもよい。
このように、本実施例の中栓付きヒンジキャップは、打栓した直後のセット状態から、ヒンジキャップWを開封方向Yへ回転させるという一つの操作だけで開栓と開蓋を可能とし、簡単な操作で容器の使用を開始することができるという顕著な効果を奏する。
まず、縦切断部19の引っ掛け凹部20に手指を掛けて把持部18を手前に引っ張ると、縦切断部19が破断し把持部18が外方に展開する。
把持凹部21に指をかけて把持し、さらに把持部18を強く引っ張ると、間隙17の端部17aに隣接して設けられた薄肉始断部22が破断し、切欠き凹部23によって薄肉に形成された周方向切断部24へと破断が進んでいく。
B キャップ本体
C 上蓋
D ヒンジ
Q ヒンジの回転中心
R シール端部の回転半径
W ヒンジキャップ
1 容器本体
2 口部
3 係止突条
5 嵌合筒部
6 筒壁部
7 注出筒部
10 外筒
11 内筒
12 上壁
13 係止縮径部
14 テーパー角面
15 凹面
16 下向き段部
17 間隙
17a 間隙端部
18 把持部
19 縦切断部
20 引っ掛け凹部
21 把持凹部
22 薄肉始断部
23 切欠き凹部
23a 終端部
24 周方向切断部
30 係止凸部
31 乗り越え凸部
32 逆転防止壁
33 打栓凹部
34 基部係合面
35 爪係合面
36 係合凹部
37 乗り越え傾斜面
38 第1芯だし周面
39 上向き段部
40 突出部
41 基部
42 注出筒
43 円筒状下部
44 リップ部
45 薄肉弱化部
47 栓体(隔壁)
48 係合筒
49 底壁
50 第1係合リブ
51 第1係合突部
52 拡径部
53 フランジ部
60 外周壁
61 基板部
62 位置決め筒部
65 係合片
66 傾斜環
67 環板
68 第2芯だし周面
70 爪部
71 駐止突起
72 爪基部
73 ロック爪
80 頂壁
81 側周壁
82 密封筒部
83 係着部
85 補強リブ
86 傾斜端部
87 摘み
88 第2係合リブ
89 シール端部
90 第2係合突部
92(92a,92b) 本体側保護突起
93(93a,93b) 蓋側保護突起
Claims (6)
- 容器本体の口部に装着され、注出口から内容物を案内する注出筒を具える中栓と、該中栓に装着されるヒンジキャップとからなり、
ヒンジキャップは、中栓に回転可能に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設される上蓋とからなっており、
上蓋の頂壁裏面から垂設される密封筒部の外周面先端部には、注出筒内周面に当接して容器内を密封するシール端部が設けられ、
ヒンジキャップの中栓に対する周方向位置が、ヒンジを中心とするシール端部の注出筒内周面との接点を通る回転半径が注出筒内周面と交差して開蓋不能な未開封位置と、シール端部の前記回転半径が注出筒内周面から離隔して開蓋可能となる開封位置とに移動可能に配設されていることを特徴とする中栓付きヒンジキャップ。 - 注出筒の内周には、ヒンジキャップを未開封位置から開封位置へ開封方向に回転することによって開口され、注出口が形成される隔壁が連設されていることを特徴とする請求項1記載の中栓付きヒンジキャップ。
- 隔壁は、注出筒の内周面に薄肉弱化部を介して連結され、内周に第1係合突部を設けるとともに外周の周方向複数個所に第1係合リブを設けた係合筒を立設する栓体であり、
上蓋は、頂壁裏面の密封筒部の内側に垂設され、外周に第1係合突部に係合可能な第2係合突部が形成された係着部と、密封筒部内周の周方向複数個所に第2係合リブとをさらに具え、
第2係合リブは、ヒンジキャップを開封方向へ回転する際に、第1係合リブに係合して薄肉弱化部を破断可能に配設されていることを特徴とする請求項2記載の中栓付きヒンジキャップ。 - キャップ本体と中栓は、開封位置において互いの周方向位置を固定するロック機構を具えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中栓付きヒンジキャップ。
- ロック機構は、径方向に隙間を有して軸方向に嵌入可能および互いに回転可能に形成された、中栓に設けられた注出筒より大径のロック外周面と、キャップ本体の下部に設けられたロック内周面とからなり、
ロック外周面から外方に、周方向所定間隔を有する係合凹部を挟んで乗り越え凸部と、乗り越え凸部より開封方向に係止凸部とが突設され、ロック内周面からは内方に爪部が突設されており、
爪部は、径方向の高さが、乗り越え凸部とロック内周面との間隙より低く、係止凸部とロック内周面との間隙より高い高さを持った爪基部と、爪基部から開封方向と反対側へ斜め内方に延びる弾性変形可能なロック爪とからなり、爪部は前記係合凹部に嵌合可能であることを特徴とする請求項4記載の中栓付きヒンジキャップ。 - 中栓の外周面に下方が切り欠かれた凹面を形成する下向き段部が設けられ、キャップ本体の外周壁内周面には、斜め内側下向きに弾性変形可能な複数の係合片が設けられており、
係合片と下向き段部は、キャップ本体の前記外周壁内周面を中栓の前記外周面に嵌挿することにより、係合片が内方上向きに変形して下向き段部に係合可能に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中栓付きヒンジキャップ。
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