JP2015059089A - 抗ウイルス性組成物、その製造方法およびウイルス不活性化方法 - Google Patents

抗ウイルス性組成物、その製造方法およびウイルス不活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】明所および暗所において優れた抗ウイルス性を発現する、抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤および光触媒、その抗ウイルス性組成物の製造方法、ならびにウイルス不活性化方法を提供する。
【解決手段】本発明の抗ウイルス性組成物はBiVO4および2価銅化合物を含有する。本発明の抗ウイルス剤および光触媒は本発明の抗ウイルス性組成物を含む。本発明の抗ウイルス性組成物の製造方法は、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを混合して混合物を作製する混合工程、および混合物から抗ウイルス性組成物を分離する分離工程を含む。本発明のウイルス不活性化方法は本発明の抗ウイルス性組成物、本発明の抗ウイルス剤または本発明の光触媒を用いてウイルスを不活化する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウイルスを不活化する抗ウイルス性組成物、その抗ウイルス性組成物を含む抗ウイルス剤および光触媒、その抗ウイルス性組成物の製造方法ならびにウイルス不活性化方法に関する。
近年、人体の健康に悪影響を及ぼす新たなウイルスが発見されており、その感染の拡大が強く懸念されている。そのようなウイルスの感染症の拡大を防ぐ材料として光触媒が注目されている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特許文献1には、CuO/TiO2(質量%比)=1.0〜3.5の範囲で銅を含有するアナターゼ型酸化チタンからなるファージ・ウイルスの不活性化剤が記載されている。銅を含む酸化チタンがファージ・ウイルスを不活化することを見出すことにより、特許文献1に記載の発明の不活性化剤は完成に至った。特許文献2には、白金担持酸化タングステン粒子は可視光照射下で抗ウイルス活性を発現することが記載されている。
バナジン酸ビスマス(以下、BiVO4と記載)は優れた可視光応答型水分解光触媒として広く知られている(たとえば、非特許文献1〜3参照)。そのバンドギャップは2.3eV程度であり、3.0〜3.2eVである酸化チタンのバンドギャップに比べて小さい。つまり、光触媒材料としてよく知られている酸化チタンに比べて、より長波長側の光(可視光)を光触媒に対して有効に利用できる。また、BiVO4には有機物分解光触媒としての報告例もある。たとえば、特許文献3には、銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたBiVO4粉末は、内分泌撹乱物質光分解用光触媒としての高い活性を示すことが記載されている。
特開2006−232729号公報 特開2011−136984号公報 特開2004−330047号公報
J.Phys.Chem.B2006,110,pp11352−11360 J.Am.Chem.Soc.1999,121,pp11459−11467 光機能材料研究会、会報光触媒 vol.37、p.31−32(2012)
特許文献1では、CuO/TiO2のサンプルについて、紫外線照射下(実施例1〜4、比較例3〜4)、可視光照射下(比較例2)および暗所(比較例1)で抗ウイルス性評価を行っている。そして、可視光照射下(比較例2)および暗所(比較例1)では、ファージ・ウイルス不活性化効果は全くなかった。ところで、近年急速に普及している白色LED蛍光灯の光は紫外光を含まない。特許文献1に記載のファージ・ウイルスの不活性化剤は、暗所下および可視光照射下で、抗ウイルス活性が全くないことから、白色LED蛍光灯下でも抗ウイルス活性が全くないことが予想される。このため、特許文献1に記載されたファージ・ウイルスの不活性化剤の内装材への応用は極めて限定的になる。特許文献2に記載の白金担持酸化タングステン粒子は、可視光照射下において抗ウイルス性が発現しているものの、白金が極めて希少で高価であるため、白金担持酸化タングステン粒子の産業上の利用は困難である。また、特許文献1に記載のファージ・ウイルスの不活性化剤および特許文献2に記載の白金担持酸化タングステン粒子は、ともに、ウイルスを不活性化するための光照射時間が1〜6時間と非常に長く、人が頻繁に触るような部材への適用は難しい。
特許文献3には、銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたBiVO4粉末の内分泌撹乱物質光分解用光触媒としての優れた効果が記載されている。しかし、特許文献3には、抗ウイルス活性に関する記載はない。また、有機物分解活性が優れている光触媒材料は、抗ウイルス活性が優れているとは限らない(たとえば、非特許文献3参照)。つまり、両効果の発現メカニズムは根本的に異なるので、有機物分解活性が優れていることと抗ウイルス活性が優れていることとの間には関連性はない。このため、銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたBiVO4粉末を抗ウイルス剤として用いることを当業者は考えることさえしなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、明所および暗所においても優れた抗ウイルス性を発現する、抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤、光触媒、その抗ウイルス性組成物の製造方法およびウイルス不活性化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、BiVO4および2価銅化合物を含有する組成物が、可視光照射下および暗所において優れた抗ウイルス活性を発現することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は次の[1]〜[19]の発明を提供するものである。
[1]BiVO4および2価銅化合物を含有する抗ウイルス性組成物。
[2]2価銅化合物中の銅元素質量が、BiVO4の100質量部に対して0.01〜20質量部である、上記[1]に記載の抗ウイルス性組成物。
[3]2価銅化合物は、(a)下記一般式(1):
Cu2(OH)3X (1)
(式中、Xは陰イオンを示す)
で表される水酸基含有2価銅化合物、(b)2価銅のハロゲン化物、(c)2価銅の無機酸塩、(d)2価銅の有機酸塩、(e)酸化第二銅、(f)硫化銅、(g)アジ化銅(II)および(h)ケイ酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、上記[1]または[2]に記載の抗ウイルス性組成物。
[4]一般式(1)のXが、ハロゲン、カルボン酸の共役塩基、無機酸の共役塩基およびOHからなる群から選択されるいずれかである、上記[3]に記載の抗ウイルス性組成物。
[5](b)2価銅のハロゲン化物は、塩化銅、フッ化銅および臭化銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、上記[3]に記載の抗ウイルス性組成物。
[6](c)2価銅の無機酸塩は、硫酸銅、硝酸銅、ヨウ素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、ピロリン酸銅および炭酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、上記[3]に記載の抗ウイルス性組成物。
[7](d)2価銅の有機酸塩は2価銅のカルボン酸塩である、上記[3]に記載の抗ウイルス性組成物。
[8]2価銅化合物は一般式(1)で表される水酸基含有2価銅化合物である、上記[3]または[4]に記載の抗ウイルス性組成物。
[9]Xは、Cl、CH3COO、NO3および(SO41/2からなる群から選択される1種である、上記[3]〜[8]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物。
[10]800ルクスの照度の可視光照射3分間で99.9%以上のウイルス不活化能力を有する上記[1]〜[9]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物。
[11]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物を含有する抗ウイルス剤。
[12]上記[1]〜[10]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物を含有する光触媒。
[13]BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを混合して混合物を作製する混合工程、および混合物から抗ウイルス性組成物を分離する分離工程を含む、抗ウイルス性組成物の製造方法。
[14]分離工程によって分離された抗ウイルス性組成物を熱処理する熱処理工程をさらに含む、上記[13]に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
[15]混合工程において、混合物のpHを8〜12の範囲内に調整する、上記[13]または[14]に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
[16]2価銅化合物原料は、一般式(2):
CuX2 (2)
(式中、Xは陰イオンを示す)
で表される少なくとも1種の2価銅化合物を含む、上記[13]〜[15]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
[17]混合工程において、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質との合計質量におけるBiVO4の質量の割合が3〜25質量%である、上記[13]〜[16]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
[18]混合工程において、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料とを水に混合して撹拌した後に、アルカリ性物質を添加する、上記[13]〜[17]のいずれかに記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
[19]上記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物、上記[11]に記載の抗ウイルス剤または上記[12]に記載の光触媒を用いてウイルスを不活化する、ウイルス不活性化方法。
本発明によれば、明所および暗所において優れた抗ウイルス性を発現する、抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤、光触媒、その抗ウイルス性組成物の製造方法およびウイルス不活性化方法を提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、BiVO4および2価銅化合物を含有する組成物を使用して、紫外光のない明所および暗所において優れた抗ウイルス性を発現する、抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤、光触媒、その抗ウイルス性組成物の製造方法およびウイルス不活性化方法を得られることを見出し、本発明を想到した。以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「明所」とは、波長が400nm以上の可視光が存在するが、紫外光が存在しない箇所のことをいい、「暗所」とは、紫外光を含め、光の存在しない箇所のことをいう。
[抗ウイルス性組成物]
本発明の抗ウイルス性組成物は、BiVO4および2価銅化合物を含有する組成物である。BiVO4と2価銅化合物とを組み合せることにより、明所および暗所において優れた抗ウイルス性を発現する、抗ウイルス性組成物を得ることができる。
<BiVO4
本発明のBiVO4は、可視光領域で高い光触媒活性を示す。BiVO4には、固相法で製造されたものと液相法で製造されたものとがあり、本発明の抗ウイルス性組成物に、そのいずれを用いることができる。BiVO4には、たとえば、特開2001−2419号公報に記載のBiVO4の製造方法により製造されたものおよび特開2004−24936号公報に記載のBiVO4の製造方法により製造されたものなどが挙げられる。
BiVO4の比表面積は、好ましくは1〜200m2/gであり、より好ましくは3〜100m2/gであり、さらに好ましくは4〜70m2/gであり、とくに好ましくは8〜50m2/gである。BiVO4の比表面積が1m2/g以上であると、抗ウイルス性組成物の表面に対するウイルスの接触頻度が大きくなり、抗ウイルス性組成物の明所および暗所における抗ウイルス特性がより優れるようになる。BiVO4の比表面積が200m2/g以下であると、抗ウイルス性組成物の取扱いがより容易になる。ここで比表面積とは、窒素吸着によるBET法にて測定した比表面積である。
<2価銅化合物>
本発明の2価銅化合物は、銅の価数が2である銅化合物である。2価銅化合物は単独では、明所および暗所における抗ウイルス特性を示さない。しかし、驚くことに、BiVO4と組み合わせることにより、明所および暗所における抗ウイルス特性が2価銅化合物に発現する。2価銅化合物は、銅の価数が2である銅化合物であればとくに限定されない。たとえば、2価銅化合物は、(a)下記一般式(1):
Cu2(OH)3X (1)
(式中、Xは陰イオンを示す)
で表される水酸基含有2価銅化合物、(b)2価銅のハロゲン化物、(c)2価銅の無機酸塩、(d)2価銅の有機酸塩、(e)酸化第二銅、(f)硫化銅、(g)アジ化銅(II)および(h)ケイ酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる。
一般式(1)のより好ましいXは、Cl、BrおよびIなどのハロゲン、CH3COOなどのカルボン酸の共役塩基、NO3および(SO41/2などの無機酸の共役塩基ならびにOHからなる群から選択されるいずれかである。一般式(1)のさらに好ましいXは、Cl、CH3COO、NO3、(SO41/2およびOHからなる群から選択される1種または2種以上からなり、一般式(1)のさらに好ましいXは、Cl、CH3COO、NO3、(SO41/2およびOHからなる群から選択される1種である。
より好ましい(b)2価銅のハロゲン化物は、塩化銅、フッ化銅および臭化銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる。
より好ましい(c)2価銅の無機酸塩は、硫酸銅、硝酸銅、ヨウ素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、ピロリン酸銅および炭酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる。
より好ましい(d)2価銅の有機酸塩は、2価銅のカルボン酸塩である。好ましい2価銅のカルボン酸塩には、蟻酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅、ペラルゴン酸銅、カプリン酸銅、ミスチン酸銅、パルミチン酸銅、マルガリン酸銅、ステアリン酸銅、オレイン酸銅、乳酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅、安息香酸銅、フタル酸銅、イソフタル酸銅、テレフタル酸銅、サリチル酸銅、メリト酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタル酸銅、アジピン酸銅、フマル酸銅、グリコール酸銅、グリセリン酸銅、グルコン酸銅、酒石酸銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、イソ吉草酸銅、β‐レゾルシル酸銅、ジアセト酢酸銅、ホルミルコハク酸銅、サリチルアミン酸銅、ビス(2-エチルヘキサン酸)銅、セバシン酸銅およびナフテン酸銅からなる群から選択される1種または2種以上のものが挙げられる。
その他の好ましい2価銅化合物には、オキシン銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、フタロシアニン銅、銅エトキシド、銅イソプロポキシド、銅メトキシドおよびジメチルジチオカルバミン酸銅からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
本発明の2価銅化合物は、好ましくは、上記一般式(1)で表される水酸基含有2価銅化合物、2価銅のハロゲン化物、2価銅の無機酸塩および2価銅の有機酸塩からなる群から選択される1種または2種以上である。また、不純物が少ないことおよびコストがかからないことから、本発明の2価銅化合物は、さらに好ましくは、上記一般式(1)で表される水酸基含有2価銅化合物である。なお、上記一般式(1)で表される水酸基含有2価銅化合物は、無水物であっても水和物であってもよい。
本発明の抗ウイルス性組成物に含有される2価銅化合物中の銅元素質量(Cuの質量)は、BiVO4の100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.1〜15質量部であり、とくに好ましくは0.3〜10質量部である。2価銅化合物中の銅元素質量が、BiVO4の100質量部に対して0.01質量部以上であると、明所および暗所における抗ウイルス特性および抗菌性が良好になる。また、2価銅化合物中の銅元素質量が、BiVO4の100質量部に対して20質量部以下であると、BiVO4の表面が2価銅化合物により被覆されてしまうことが防止され、抗ウイルス性組成物の光触媒活性を高くできるとともに、少量の抗ウイルス性組成物で、ウイルスを不活化できるので経済的になる。
ここで、BiVO4の100質量部に対する2価銅化合物中の銅元素質量は、2価銅化合物の原料とBiVO4の原料との仕込み量から算出することができる。また、BiVO4の100質量部に対する2価銅化合物中の銅元素質量は、後述するICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析により抗ウイルス性組成物の各成分の含有量を測定することで特定することもできる。
抗ウイルス性組成物において、2価銅化合物はBiVO4に担持されていてもよい。また、抗ウイルス性組成物において、2価銅化合物は、BiVO4に担持させずに、BiVO4の中に分散していてもよい。
本発明の抗ウイルス性組成物は、前述のとおり、必須成分として、BiVO4および2価銅化合物を含有するが、本発明の目的を阻害しない範囲内において、他の任意成分を含有してもよい。ただし、抗ウイルス特性の向上の観点から、抗ウイルス性組成物中におけるBiVO4および2価銅化合物の合計含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、とくに好ましくは100質量%である。
[抗ウイルス性組成物の製造方法]
本発明の抗ウイルス性組成物は、本発明の抗ウイルス性組成物の製造方法により、好適に製造することができる。本発明の抗ウイルス性組成物の製造方法には、たとえば、次の第1〜3の実施形態の抗ウイルス性組成物の製造方法が挙げられる。
[本発明の第1の実施形態の抗ウイルス性組成物の製造方法]
本発明の第1の実施形態における抗ウイルス性組成物の製造方法は、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを混合して混合物を作製する混合工程および混合物から抗ウイルス性組成物を分離する分離工程を含む。以下、本発明の第1の実施形態における抗ウイルス性組成物の製造方法を詳細に説明する。
<混合工程>
(BiVO4
BiVO4は、上記抗ウイルス性組成物で説明したBiVO4と同じものである。混合物中におけるBiVO4の割合は、混合物の質量に対して、すなわち、BiVO4と2価銅化合物原料または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質との合計質量に対して、好ましくは3〜25質量%であり、より好ましくは5〜22.5質量%であり、さらに好ましくは7〜20質量%である。BiVO4の割合が3質量%以上であると、抗ウイルス性組成物の生産性が高くなり経済的になり、BiVO4の割合が25質量%以下であると、混合物の粘度が高くなることにより混合物の取り扱いが困難になることを抑制できる。
(2価銅化合物または2価銅化合物原料)
2価銅化合物は、上記抗ウイルス性組成物で説明した2価銅化合物と同じものである。また、2価銅化合物原料としては、たとえば、下記一般式(2)で表される1種または2種以上の2価銅化合物原料が挙げられる。
CuX2 (2)
一般式(2)において、Xは上述の一般式(1)のXと同じである。すなわち、Xは、陰イオンであり、好ましくはCl、BrおよびIなどのハロゲン、CH3COOなどのカルボン酸の共役塩基、NO3および(SO41/2などの無機酸の共役塩基、またはOHである。Xは、より好ましくはCl、CH3COO、NO3および(SO41/2から選択される1種または2種以上であり、さらに好ましくはCl、CH3COO、NO3および(SO41/2から選択される1種である。
下記の化学式に示す反応により、2価銅化合物原料は加水分解され2価銅化合物となり、BiVO4の表面に担持され、抗ウイルス性組成物が形成する。なお、下記の化学式のHXは、水洗浄して乾燥するなどして抗ウイルス性組成物から除去される。
2CuX2+BiVO4+3H2O→Cu2(OH)3X/BiVO4+3HX
ここで、「Cu2(OH)3X/BiVO4」は、Cu2(OH)3XがBiVO4に担持されていることを示す。
一般式(2)で表される2価銅化合物原料は、1種の2価銅化合物原料(すなわち、Xが特定の1種である2価銅化合物原料の単体)であってもよく、たとえばCu(NO32とCu(OH)2の混合物のように、Xの異なる2種以上の2価銅化合物原料の混合物であってもよい。また、一般式(2)で表される2価銅化合物原料は、CuX12(ただし、X1およびX2は互いに異なる陰イオン)であってもよい。さらに、この一般式(2)で表わされる2価銅化合物原料は、無水物であっても水和物であってもよい。
2価銅化合物原料の銅元素質量は、BiVO4の100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部であり、より好ましくは0.1〜15質量部であり、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。2価銅化合物原料の銅元素質量が0.01質量部以上であると、明所および暗所における抗ウイルス特性が優れた抗ウイルス性組成物を製造することができる。また、2価銅化合物原料の銅元素質量が20質量部以下であると、BiVO4の表面が2価銅化合物原料により被覆されてしまうことが防止され、良好な光触媒活性を示す抗ウイルス性組成物を製造することができる。また、製造された抗ウイルス性組成物は少量でウイルスを不活化することができるので、経済的である。なお、2価銅化合物の銅元素質量は、上記抗ウイルス性組成物で説明した2価銅化合物の銅元素質量と同じである。
(水)
水は、混合物を作製するときに使用する溶媒である。この水は、水以外の極性溶媒をさらに含んでもよい。2価銅化合物または2価銅化合物原料とアルカリ性物質とが水に溶解すれば、水に含まれる極性溶媒はとくに限定されない。極性溶媒には、たとえば、アルコール類、ケトン類およびそれらの混合液が挙げられる。より具体的には、極性溶媒は、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランからなる群から選択され、これらは、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
(アルカリ性物質)
好ましいアルカリ性物質には、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、トリメチルアミン、アンモニア、塩基性界面活性剤(たとえば、ビッグケミー・ジャパン(株)製、BYK−9077など)などが挙げられる。とくに好ましいアルカリ性物質は水酸化ナトリウムである。アルカリ性物質は、溶液として添加するのが好ましい。添加するアルカリ溶液におけるアルカリ性物質の濃度は、好ましくは0.1〜5mol/Lであり、より好ましくは0.3〜4mol/Lであり、さらに好ましくは0.5〜3mol/Lである。アルカリ溶液におけるアルカリ性物質の濃度が5mol/L以下であると、アルカリ溶液を添加したときに2価銅化合物の析出が不均一になることを抑制できる。
(混合)
BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを混合する順序はとくに制限されない。しかし、最初にBiVO4を水に混合するとともに必要に応じて攪拌し、次いで、2価銅化合物または2価銅化合物原料を混合し、これらを撹拌することが好ましい。また、最初に2価銅化合物または2価銅化合物原料を水に混合するとともに必要に応じて攪拌し、次いで、BiVO4を混合し、これらを撹拌してもよい。また、水に2価銅化合物または2価銅化合物原料とBiVO4とを同時に混合し、攪拌してもよい。
アルカリ性物質を添加するタイミングには、BiVO4および/または2価銅化合物もしくは2価銅化合物原料を水に混合する前のタイミング、BiVO4および/または2価銅化合物もしくは2価銅化合物原料を水に混合している途中のタイミング、ならびにBiVO4および/または2価銅化合物もしくは2価銅化合物原料を水に混合した後のタイミングがある。これらの3つのタイミングのうち少なくとも1つのタイミングでアルカリ性物質を添加すればよい。しかし、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料とを水に混合して十分に攪拌した後にアルカリ性物質を添加することが好ましい。
BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを攪拌する攪拌時間は、BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを均一に混合できれば、とくに限定されない。たとえば、攪拌時間は、好ましくは約5〜約120分間であり、より好ましくは約10〜約60分間であり、さらに好ましくは約15〜約45分間である。また、攪拌しているときの混合物の温度はとくに限定されないが、たとえば室温〜約70℃である。
これらBiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質との混合物のpHを調整してもよい。たとえば、混合物中のアルカリ性物質の量を調整することにより、混合物のpHを調整することができる。BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質との混合物のpHは好ましくは8〜12であり、より好ましくは9〜11.5であり、さらに好ましくは9.5〜11である。混合物のpHが8〜12であると、2価銅化合物原料が良好に加水分解されてBiVO4の表面に担持されるとともに、アルカリ性物質の使用量が低減され、廃液処理が容易になる。なお、混合物のpHは、pHメーター((株)堀場製作所製、D−51)を使用して測定した値である。混合物を加熱する場合、上記pHメーターを使用して25℃の温度の混合物のpHを測定してから、混合物を加熱した。
<分離工程>
分離工程により、上述のようにして得られた混合物から抗ウイルス性組成物を、たとえば固形分として分離することができる。この分離工程の分離方法はとくに限定されず、たとえば、ろ過、沈降分離、遠心分離、蒸発乾固などにより、抗ウイルス性組成物を混合物から分離してもよい。好ましくは、抗ウイルス性組成物は混合物のろ過により混合物から分離される。分離した抗ウイルス性組成物は、必要に応じて水洗、乾燥、粉砕および分級などが行われる。
<熱処理工程>
分離工程によって混合物から分離された抗ウイルス性組成物をさらに熱処理してもよい。この熱処理により、2価銅化合物は、BiVO4に、より強固に担持される。
熱処理工程における熱処理温度は、好ましくは150〜600℃であり、より好ましくは200〜500℃であり、さらに好ましくは250〜450℃である。熱処理温度が150℃以上であると、2価銅化合物はBiVO4に、より強く結合する。熱処理温度が600℃以下であると、焼結による生じる粒成長および比表面積の減少が抑制され、得られる抗ウイルス性組成物における明所および暗所における抗ウイルス特性がより良好になる。
熱処理工程における熱処理時間は、好ましくは1〜10時間であり、より好ましくは2〜8時間であり、さらに好ましくは3〜5時間である。熱処理時間が1時間以上であると、2価銅化合物はBiVO4に、より強く結合する。熱処理時間が10時間以下であると、焼結による生じる粒成長および比表面積の減少が抑制され、得られる抗ウイルス性組成物における明所および暗所における抗ウイルス特性がより良好になる。なお、熱処理雰囲気は、空気中などの酸素が存在する雰囲気が好ましい。
[本発明の第2の実施形態の抗ウイルス性組成物の製造方法]
本発明の第2の実施形態における抗ウイルス性組成物の製造方法は、BiVO4および2価銅化合物を混合する混合工程を含む。この混合工程における混合は、乾式混合でもよいし、湿式混合でもよく、周知の混合方法により行うことができる。また、BiVO4および2価銅化合物は、上記抗ウイルス性組成物で説明したBiVO4および2価銅化合物と同じものである。
BiVO4および2価銅化合物を湿式混合により混合する場合、湿式混合で使用する溶媒は、BiVO4および2価銅化合物を溶解しないものであればとくに限定されない。湿式混合で使用する溶媒には、たとえば、水、アルコール類、ケトン類およびそれらの混合液が挙げられる。アルコール類には、たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールおよびこれらの混合液が挙げられる。ケトン類には、たとえば、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトンおよびこれらの混合液が挙げられる。
本発明の第2の実施形態の製造方法により製造された抗ウイルス性組成物は、BiVO4および2価銅化合物を単に混合したものであり、2価銅化合物はBiVO4にあまりよく担持していない。しかし、この製造方法により製造された抗ウイルス性組成物も明所および暗所において優れた抗ウイルス性を発現する。
BiVO4および2価銅化合物を混合して作製した抗ウイルス性組成物をさらに熱処理してもよい。熱処理の方法は、たとえば、上述の熱処理工程の熱処理と同様の方法である。
[本発明の第3の実施形態の抗ウイルス性組成物の製造方法]
本発明の第3の実施形態における抗ウイルス性組成物の製造方法は、BiVO4を2価銅化合物水溶液と混合して混合物を作製する混合工程、混合物を加熱する加熱工程および加熱した混合物から抗ウイルス性組成物を分離する分離工程を含む。2価銅化合物水溶液は、銅成分の濃度が数〜数十g/100mL程度である2価銅化合物の水溶液である。また、分離工程の分離方法はとくに限定されず、たとえば、ろ過、沈降分離、遠心分離、蒸発乾固などにより、抗ウイルス性組成物を混合物から分離してもよい。さらに、BiVO4および2価銅化合物は、上記抗ウイルス性組成物で説明したBiVO4および2価銅化合物と同じものである。
本発明の第3の実施形態における製造方法は、具体的には、たとえば、以下のようにして実施される。2価銅化合物水溶液中の銅の量が、後で添加するBiVO4の質量に対して0.01〜20質量部になるような量の2価銅化合物水溶液を所定の容器に入れる。次いで、その容器の中へBiVO4を入れ、BiVO4を2価銅化合物水溶液と混合して、BiVO4を銅化合物水溶液中に懸濁させて、混合物を作製する。50〜90℃程度の温度に混合物を加熱した後、混合物をろ過することにより、抗ウイルス性組成物が得られる。なお、2価銅化合物水溶液中の銅成分の濃度および混合物の加熱温度は、上述の銅成分の濃度および加熱温度に限定されるものではない。ろ過により得られた抗ウイルス性組成物は、必要に応じて水洗、乾燥、粉砕および分級などが行われる。
分離工程により混合物から分離したた抗ウイルス性組成物をさらに熱処理してもよい。熱処理の方法は、たとえば、上述の第1の実施形態の方法における熱処理工程の熱処理と同様の方法である。
[抗ウイルス剤および光触媒]
本発明の抗ウイルス剤および光触媒は本発明の抗ウイルス性組成物を含む。これにより、本発明の抗ウイルス剤および光触媒は、明所および暗所において優れた抗ウイルス特性を有する。
[抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤および光触媒の使用形態]
本発明の抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤および光触媒(以下、「本発明の抗ウイルス性組成物等」ということがある)の使用形態はとくに限定されない。たとえば、本発明の抗ウイルス性組成物等を、微粉末および顆粒などの固体状の形態で使用してもよい。この場合、たとえば、本発明の抗ウイルス性組成物等を所定の容器に充填して使用する。または、所定の基材の表面および/または内部に本発明の抗ウイルス性組成物等を含ませる使用形態で、本発明の抗ウイルス性組成物等を使用してもよい。一般的には、後者の使用形態が好ましい。なお、上記の基材には、たとえば、繊維、金属、セラミックおよびガラスなどの一般的な部材からなる単一基材、ならびに上述の部材の2種以上の部材からなる複合基材が挙げられる。しかし、基材はこれらに限定されない。
適宜の手段により剥離可能な、フロアーポリッシュなどのコーティング剤に本発明の抗ウイルス性組成物等を含有させてもよい。また、本発明の抗ウイルス性組成物等を所定の膜に固定化して、本発明の抗ウイルス性組成物等を連続膜の表面に露出させてもよい。あるいは、スパッタリングによりガラスに形成した薄膜状のBiVO4の表面に、スパッタリングにより本発明の抗ウイルス性組成物等の薄膜をさらに形成することにより作製した膜状体の形態で、本発明の抗ウイルス性組成物等を使用してもよい。また、本発明の抗ウイルス性組成物等を分散させた溶媒を用いて作製した塗料の形態で、本発明の抗ウイルス性組成物等を使用してもよい。
本発明の抗ウイルス性組成物等を基材表面に固定化した材料には、たとえば、バインダーなどの一般的な固定化手段を用いて本発明の抗ウイルス性組成物等を基材表面に固定化した材料などが挙げられる。有機系バインダーおよび無機系バインダーのいずれも、本発明の抗ウイルス性組成物等を固定化するバインダーとして用いることができるが、光触媒物質によるバインダーの分解を避けるために無機系バインダーを用いることが好ましい。バインダーの種類はとくに限定されない。無機系バインダーには、たとえば、光触媒物質を基材表面に固定化するために通常用いられるシリカ系などの無機系バインダーが挙げられる。有機系バインダーには、たとえば、重合および溶媒揮発により薄膜を形成可能な高分子バインダーなどが挙げられる。
本発明の抗ウイルス性組成物等を基材内部に含む材料には、たとえば、本発明の抗ウイルス性組成物等を樹脂中に分散させて分散物を作製し、その分散物を硬化させることにより得られる材料が挙げられる。本発明の抗ウイルス性組成物等を分散させる樹脂には天然樹脂および合成樹脂のいずれも使用することができる。合成樹脂には、たとえば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロニトリル/スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。
本発明の抗ウイルス性組成物等を使用する場所はとくに限定されない。たとえば、任意の光線の存在下のほか、暗所においても本発明の抗ウイルス性組成物等を使用することができる。また、本発明の抗ウイルス性組成物等は、水の存在下(たとえば、水中および海水中など)、乾燥状態(たとえば、冬季などにおける低湿度の状態など)、高湿度の状態、または有機物の共存下においても、優れたウイルス不活化特性を有し、持続的にウイルスを不活化することができる。たとえば、壁、床および天井などに本発明の抗ウイルス性組成物等を配置することができる。また、病院および工場などの建築物、工作機械、測定装置類、電化製品の内部および部品(たとえば、冷蔵庫、洗濯機および食器洗浄機などの内部ならびに空気洗浄機のフィルターなど)などの任意の対象物に、本発明の抗ウイルス性組成物等を適用できる。暗所には、たとえば、機械内部、冷蔵庫の収納室、および夜間または不使用時に暗所となる病院施設(待合室や手術室など)などが挙げられるが、これらに限定されない。
従来から、インフルエンザ対策のーつとして、セラミックフィルターまたは不織布フィルターにBiVO4をコーティングするとともに、そのフィルターに紫外線を照射するための光源を組み込んだ空気洗浄機が提案されている。しかし、本発明の抗ウイルス性組成物等を空気洗浄機のフィルターに用いた場合、紫外線光源が必要なくなり、これにより、空気清浄機のコストを低減し、空気清浄機の安全性を高めることができる。
[ウイルス不活性化方法]
本発明は、本発明の抗ウイルス性組成物、本発明の抗ウイルス剤または本発明の光触媒を用いてウイルスを不活化する、ウイルス不活性化方法を提供する。上述したように、本発明の抗ウイルス性組成物は抗ウイルス性を発現するので、本発明の抗ウイルス性組成物を用いてウイルスを不活化できる。また、本発明の抗ウイルス剤および光触媒は本発明の抗ウイルス性組成物を含有するので、本発明の抗ウイルス剤または光触媒を用いてウイルスを不活化できる。本発明の抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤および光触媒は、800ルクスの照度の可視光照射3分間で、好ましくは99.0%以上、より好ましくは99.9%以上のウイルス不活化能力を有する。ここで、ウイルス不活化能力は、LOG(N/N0)の式により算出できる。式中、Nは可視光照射前のファージ濃度であり、Nは可視光照射後のファージ濃度である。ウイルス不活化能力は、後述の実施例において詳細に説明する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
後述の実施例1〜4および比較例1〜6において、以下のBiVO4原料を使用した。
<BiVO4原料>
2mol/Lの硝酸にNH4VO3と(99.0%)とBi(NO33・5H2O(関東化学(株)、99.9%)を0.12mol/L溶解させた水溶液をそれぞれ調製した。これらの水溶液(100mL)を混合した後,3gの尿素を溶解させ、ホットスターラー上で90℃に加熱し、24時間保持した。得られた懸濁液をろ過、乾燥することで、BiVO4粉末を得た。乾燥させたBiVO4原料の結晶構造を粉末X線回折装置(PANalytical社製、X’pertPRO)を用いて測定した。測定には銅ターゲットのCu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=20〜100deg、サンプリング幅0.0167degおよび走査速度3.3deg/minの測定条件でX線回折測定を行った。測定の結果、BiVO4原料はBiVO4単相であることがわかった。
次に、実施例1〜4および比較例1〜7の製造方法を説明する。
<実施例1>
蒸留水100mLに6gのBiVO4を懸濁させて懸濁液を作製し、0.0805g(100質量部のBiVO4に対して銅で0.5質量部)のCuCl2・2H2O(関東化学(株)製)をその懸濁液に添加して、10分攪拌した。この懸濁液のpHが10になるように、1mol/Lの水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)水溶液を添加し、30分間攪拌混合を行った。この懸濁液をろ過し、得られた粉体を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕し、実施例1の抗ウイルス性組成物を得た。
<実施例2>
0.0805gのCuCl2・2H2Oを懸濁液に添加する代わりに、0.1179g(100質量部のBiVO4に対して銅で0.5質量部)のCuSO4・5H2O(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した以外は実施例1と同様の方法で実施例2の抗ウイルス性組成物を作製した。
<実施例3>
CuCl2・2H2Oの懸濁液への添加量を0.0805gから0.1610g(100質量部のBiVO4に対して銅で1質量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法で実施例3の抗ウイルス性組成物を作製した。
<実施例4>
CuCl2・2H2O懸濁液への添加量を0.0805gから0.4829g(100質量部のBiVO4に対して銅で3質量部)に変更した以外は実施例1と同様の方法で実施例4の抗ウイルス性組成物を作製した。
<比較例1>
比較例1はBiVO4原料であった。
<比較例2>
BiVO4原料5g(100質量部)と、銅(関東化学(株)製、粉末状、45μm以下、325mesh)0.025g(0.5質量部)とをメノウ乳鉢に入れ、30分間粉砕混合することにより比較例2の組成物を作製した。
<比較例3>
0.0805gのCuCl2・2H2Oを懸濁液に添加する代わりに、0.0625g(100質量部のBiVO4に対して亜鉛で0.5質量部)のZnCl2(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した以外は実施例1と同様の方法で比較例3の組成物を作製した。
<比較例4>
0.0805gのCuCl2・2H2Oを懸濁液に添加する代わりに、0.1452g(100質量部のBiVO4に対して鉄で0.5質量部)のFeCl3・6H2O(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した以外は実施例1と同様の方法で比較例4の組成物を作製した。
<比較例5>
0.0805gのCuCl2・2H2Oを懸濁液に添加する代わりに、0.1215g(100質量部のBiVO4に対してニッケルで0.5質量部)のNiCl2・6H2O(関東化学(株)製)を懸濁液に添加した以外は実施例1と同様の方法で比較例5の組成物を作製した。
<比較例6>
BiVO4を、ルチル型酸化チタンF1−R(昭和タイタニウム株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で比較例6の組成物を作製した。
<比較例7>
蒸留水100mLに3gのCuCl2・2H2O(関東化学株式会社製)を懸濁させて、10分攪拌した。次に、pHが10になるように、1mol/Lの水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)水溶液を添加し、30分間攪拌混合を行い、混合物を作製した。混合物をろ過して、得られた粉体を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで解砕してCu2(OH)3Cl単相の組成物である、実施例7の組成物を作製した。
<測定>
以上のように作製した実施例1〜4および比較例1〜7について、以下の測定を行った。
(ICP発光分光分析)
ICP発光分光分析により実施例1〜4および比較例3〜5の組成物中の銅イオンなどを定量した。具体的には、実施例1〜4および比較例3〜5をフッ酸溶液中で加熱して全溶解して溶解液を作製した。そして、ICP発光分析装置((株)島津製作所製、型番ICPS−7500)を使用して溶解液から抽出した抽出液を分析し、組成物中の銅イオンなどを定量した。
(可視光照射下における抗ウイルス特性の評価:LOG(N/N0)の測定)
実施例1〜4および比較例1〜7の組成物の抗ウイルス特性は、バクテリオファージを用いたモデル実験により以下の方法で確認した。なお、バクテリオファージに対する不活化能を抗ウイルス特性のモデルとして利用する方法は、たとえばAppl.Microbiol Biotechnol.,79,pp.127−133(2008)に記載されており、この方法により信頼性のある結果が得られることが知られている。また本測定はJIS R 1706を基礎としている。
深型シャーレ内にろ紙を敷き、少量の滅菌水を加えた。ろ紙の上に厚さ5mm程度のガラス製の台を置き、その上に実施例および比較例の試料0.25mgを塗布したガラス板(50mm×50mm×1mm)を置いた。この上に1/500NBを用いてバクテリオファージ感染価が約6.7×106〜約2.6×107pfu/mLとなるように調製しQβファージ(NBRC20012)懸濁液を100μL滴下し、試料表面とファージとを接触させるためにPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムを被せた。この深型シャーレにガラス板で蓋をしたものを、測定用セットとした。同様の測定用セットを複数個用意した。
また、光源として15W白色蛍光灯(パナソニック(株)製、フルホワイト蛍光灯、FL15N)に紫外線カットフィルター(日東樹脂工業(株)製、N−113)を取り付けたものを使用した。照度が800ルクス(照度計:(株)トプコン製、IM−5にて測定)になる位置に複数個の測定用セットを静置した。光照射開始から3分、10分および60分経過後にガラス板上の試料のファージ濃度測定を行った。また、測定時の部屋の照度は200ルクス以下となるようにした。なお、光照射開始からの経過時間は、市販のストップウォッチを使用して測定した。
ファージ濃度の測定は以下の方法で行った。ガラス板上の試料を9.9mLのファージ回収液(SCDLP培地)に浸透させ、振とう機にて10分間振とうさせた。このファージ回収液をぺプトン入り生理食塩水を用い適宣希釈した。別に培養しておいた5.0×108〜2.0×109個/mLの大腸菌(NBRC106373)培養液とカルシウム添加LB軟寒天培地とを混合した液に、先ほど希釈した液を1mL加え混合した後、この液をカルシウム添加LB寒天培地にまき、37℃で15時間培養した後に、ファージのプラーク数を目視で計測した。得られたプラーク数にファージ回収液の希釈倍率を乗じることによってファージ濃度Nを求めた。
初期ファージ濃度N0と、所定時間後のファージ濃度Nとから、ファージ相対濃度(LOG(N/N0))を求めた。なお、LOG(N/N0)の値が小さいほど(マイナスの値が大きいほど)、試料の抗ウイルス特性は優れている。
(暗所における抗ウイルス特性の評価:LOG(N/N0)の測定)
測定用セットを暗所に置き、光源から光を照射しなかったこと以外は上記の(明所における抗ウイルス特性の評価:LOG(N/N0)の測定)と同様の測定を行った。なお、LOG(N/N0)の値が小さいほど(マイナスの値が大きいほど)、試料の抗ウイルス特性は優れている。
<結果>
(ICP発光分光分析)
実施例1における銅イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して0.5質量部であり、実施例2における銅イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して0.5質量部であり、実施例3における銅イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して1質量部であり、実施例4における銅イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して3質量部であった。これより、実施例1〜4では、仕込みの銅イオン(CuCl2・2H2O由来)の全量がBiVO4の表面に担持されたことがわかった。
比較例3の亜鉛イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して0.5質量部であった。これより、仕込みの亜鉛イオンの全量がBiVO4の表面に担持されたことがわかった。また、比較例4の鉄イオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して0.5質量部であった。これより、仕込みの鉄イオンの全量がBiVO4の表面に担持されたことがわかった。さらに、比較例5のニッケルイオンの割合は、BiVO4の100質量部に対して0.5質量部であった。これより、仕込みのニッケルイオンの全量がBiVO4の表面に担持されたことがわかった。
(可視光照射下における抗ウイルス特性の評価:LOG(N/N0)の測定)
結果を以下の表1に示す。
Figure 2015059089
(暗所における抗ウイルス特性の評価:LOG(N/N0)の測定)
結果を以下の表2に示す。
Figure 2015059089
実施例1〜4と比較例1〜7との対比から、実施例1〜4は、明所および暗所において優れた抗ウイルス特性を有することがわかった。とくに明所においては、実施例1〜4は、3分間の極めて短い光照射条件でも、99.9%程度のファージを不活化しており、従来の光触媒に比べ、優れた即効性を有することを確認できた。とくに、実施例2〜4は、800ルクスの照度の可視光照射3分間で99.9%以上のウイルス不活化能力を有することがわかった。

Claims (19)

  1. BiVO4および2価銅化合物を含有する抗ウイルス性組成物。
  2. 前記2価銅化合物中の銅元素質量が、前記BiVO4の100質量部に対して0.01〜20質量部である、請求項1に記載の抗ウイルス性組成物。
  3. 前記2価銅化合物は、(a)下記一般式(1):
    Cu2(OH)3X (1)
    (式中、Xは陰イオンを示す)
    で表される水酸基含有2価銅化合物、(b)2価銅のハロゲン化物、(c)2価銅の無機酸塩、(d)2価銅の有機酸塩、(e)酸化第二銅、(f)硫化銅、(g)アジ化銅(II)および(h)ケイ酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、請求項1または2に記載の抗ウイルス性組成物。
  4. 前記一般式(1)のXが、ハロゲン、カルボン酸の共役塩基、無機酸の共役塩基およびOHからなる群から選択されるいずれかである、請求項3に記載の抗ウイルス性組成物。
  5. 前記(b)2価銅のハロゲン化物は、塩化銅、フッ化銅および臭化銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、請求項3に記載の抗ウイルス性組成物。
  6. 前記(c)2価銅の無機酸塩は、硫酸銅、硝酸銅、ヨウ素酸銅、過塩素酸銅、シュウ酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、ピロリン酸銅および炭酸銅からなる群から選択される1種または2種以上からなる、請求項3に記載の抗ウイルス性
  7. 前記(d)2価銅の有機酸塩は2価銅のカルボン酸塩である、請求項3に記載の抗ウイルス性
  8. 前記2価銅化合物は前記一般式(1)で表される水酸基含有2価銅化合物である、請求項3または4に記載の抗ウイルス性組成物。
  9. 前記Xは、Cl、CH3COO、NO3および(SO41/2からなる群から選択される1種である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物。
  10. 800ルクスの照度の可視光照射3分間で99.9%以上のウイルス不活化能力を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物を含有する抗ウイルス剤。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物を含有する光触媒。
  13. BiVO4と2価銅化合物または2価銅化合物原料と水とアルカリ性物質とを混合して混合物を作製する混合工程、および
    前記混合物から抗ウイルス性組成物を分離する分離工程を含む、抗ウイルス性組成物の製造方法。
  14. 前記分離工程によって分離された抗ウイルス性組成物を熱処理する熱処理工程をさらに含む、請求項13に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
  15. 前記混合工程において、前記混合物のpHを8〜12の範囲内に調整する、請求項13または14に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
  16. 前記2価銅化合物原料は、一般式(2):
    CuX2 (2)
    (式中、Xは陰イオンを示す)
    で表される少なくとも1種の2価銅化合物を含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
  17. 前記混合工程において、前記BiVO4と前記2価銅化合物または前記2価銅化合物原料と前記水と前記アルカリ性物質との合計質量における前記BiVO4の質量の割合が3〜25質量%である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
  18. 前記混合工程において、前記BiVO4と前記2価銅化合物または前記2価銅化合物原料とを水に混合して撹拌した後に、アルカリ性物質を添加する、請求項13〜17のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物の製造方法。
  19. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の抗ウイルス性組成物、請求項11に記載の抗ウイルス剤または請求項12に記載の光触媒を用いてウイルスを不活化する、ウイルス不活性化方法。
JP2013191895A 2013-09-17 2013-09-17 抗ウイルス性組成物、その製造方法およびウイルス不活性化方法 Ceased JP2015059089A (ja)

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