JP2004330047A - 内分泌撹乱物質光分解用金属又は金属酸化物担持型BiVO4光触媒 - Google Patents

内分泌撹乱物質光分解用金属又は金属酸化物担持型BiVO4光触媒 Download PDF

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繁 甲谷
Akihiko Kudo
昭彦 工藤
Ryoichi Nakagaki
良一 中垣
Kunihiro Tokumura
邦弘 徳村
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Abstract

【課題】光触媒活性を改善した可視光応答性のBiVO微粉末触媒の提供
【解決手段】銀Ag微粒子または酸化銅CuO微粒子を担持させたバナジン酸ビスマスBiVO粉末からなる可視光応答性の、光酸化力増強光触媒、特に内分泌撹乱物質光分解用光触媒
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基本的には可視光応答性のBiVO微粉末にAgまたはCuOを担持させた光触媒活性を改善した光触媒に関する。また、前記光触媒を内分泌撹乱物質の光分解、特にCOまでの完全酸化分解性を改善した内分泌撹乱物質分解用光触媒および前記触媒を用いた浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノニルフェノール(NP)、オクチルフェノール(OP)、ビスフェノールA、天然エストロゲンなどは低濃度で内分泌攪乱作用をする環境汚染物質として認識され、大量に放出されたこれらの物質を浄化する技術の開発は非常に重要な課題となっている。この問題の解決の難しさは色々な形で環境中に存在することにある。従って、前記問題の物質を浄化するためには、それらの物質の存在形態に合った効率的な手段の開発が重要である。また、その手段はできる限り省エネルギーであり、その処理のために別の形態で環境に負荷を与えるようでは積極的な解決手段とはいえない。
【0003】
前記環境汚染物質類におけるNPとOPとしては直鎖型や分岐型などの多くの異性体が知られているが、環境中から主に検出され、エストロゲン作用が比較的強いのは分岐型である。NPとOPは主にノニルフェノールエトキシレート(NPEO)とオクチルフェノールエトキシレート(OPEO)の形で非イオン界面活性剤(洗剤)として用いられている。日本では、主に工業用の洗浄剤、分散剤として繊維工業、製紙工業、金属工業、農薬工業等に使用されている。
【0004】
【非特許文献1】
Giger, W., et al, Science 225. 623 (1984)
【非特許文献2】
環境省総合環境政策局環境保健部 「ノニルフェノールが魚類に与える内分泌撹乱作用の試験結果に関する報告」、平成13年8月
【非特許文献3】
日本化学会編、季刊化学総説 「内分泌撹乱物質研究の最前線」、学会出版センター、No.50、p86 (2001)
【非特許文献4】
Ternes T.A., Kreckel P., and Mueller J., Sci.Total Environ.225,91 (1999)
【非特許文献5】
松井三郎、滝上英孝、下水処理場・し尿処理場におけるエストロゲン様物質の消長、医学のあゆみ、Vol.190、p749 (1999)
【非特許文献6】
岩本正和監修、環境触媒ハンドブック、エヌ・ティー・エス、第11章(2001)頁843−932
【非特許文献7】
Kohtani S., Makino S.,Kudo, A., Tokumura K., Ishigaki Y., Matsunaga T., Nikaido O., Hayakawa K., Nakagaki, R.,Chem.Lett.,660(2002)
【非特許文献8】
工藤昭彦、水の光分解を目指した不均一系光触媒材料の開発−その基礎から最先端の研究まで−、表面、Vol.36、p625(1998)
【非特許文献9】
日本化学会編、季刊化学総説 「光が関わる触媒化学−光合成から環境化学まで」、学会出版センター、No.23、p69 (2001)
【特許文献1】
特願2002−181107(平成14年6月21日出願)
【特許文献2】
特開2001−246264号、特許請求の範囲、〔0005〕〜〔0010〕
【0005】
日本界面活性剤工業会の調査で、生産量のうち約85%が、NPEOであり、その他はOPEOなどであることが報告されている。日本での平成10年の生産量は約46850トン(ただし、配合品を含む)にものぼる。NPやNPEOは、自然界での発生は知られておらず、全て人為発生源からのものである。NPの排出は、NPEOの分解によって生じているものと想定され、特に、下水処理場の好気性汚泥処理等によりNPEOのエトキシ基の側から分解が起こり、中間体を経て最終的には嫌気性汚泥処理によりNPにまで分解されることが報告されている〔前記文献1〕。環境中に排出されたNPは、微生物などによる生分解を受けにくく、底質や懸濁物質、水生生物に吸着されて存在するか、水に溶存状態もしくは懸濁状態で存在するものと考えられている。平成13年の環境省の報告書によれば、NPは魚などの水棲生物の生殖異常に対する影響が懸念されている〔前記文献2〕。
【0006】
前記人為発生源物質に対し、ヒトが本来持っている天然のエストロゲン(女性ホルモン)は、17β−エストラジオール(E2)、エストロン(E1)、エストリオール(E3)の3種がある。これらエストロゲン類は、エストロゲン作用が極めて強いこと、また水処理での除去が難しいことにおいても非常に問題とされている。体内で代謝酵素によって抱合化(conjugate)されたE2は、尿から排泄され、環境中に放出されるまでに、家庭内、下水管内、下水処理場と3段階の過程を経る。最近、これらの過程のいずれかにおいて、脱抱合反応が起こり、下水中で再びフリーのE2に戻るという報告がある〔前記文献3〕。また、下水処理場においては活性汚泥槽中で抱合体がE2へと脱抱合され、E2はE1へと酸化され最終的にE1は未確認物質へと変化するという報告もある〔前記文献4〕。これらエストロゲン類は、下水処理施設において活性汚泥を脱水する時に得られる脱水濾液から高濃度に検出されることから、一次的に生物吸着した状態で除去されているだけで、活性汚泥中の微生物による実際の分解率はかなり低いと推定される〔前記文献5〕。
【0007】
前記の環境ホルモン問題に対する根本的な解決のため、内分泌撹乱物質を含む排水を浄化する有効的な処理方法の開発が求められている。その方法の1つとして光触媒を用いた光分解反応を挙げることができる。現在、一般に広く使用されている光触媒は二酸化チタン(TiO)であり、これを用いた環境汚染物質の分解に関する研究が数多くなされている〔前記文献6〕。TiOは光酸化力が強く、ほとんどの有機物を二酸化炭素(CO)まで無機化することができる。しかしながら、TiOのバンドギャップは3eV以上と大きく、作用スペクトルは紫外領域にあることから、太陽光に含まれる可視光を有効に利用できないという欠点がある。因みに、太陽光の紫外線部分は全体のわずか4%である。そのため、太陽光を有効に利用でき、かつ、COにまで無機化できる強い酸化力を持った可視光応答性の光触媒の開発が望まれる。
【0008】
近年、我々の研究グループでは、可視光応答性光触媒バナジン酸ビスマス(BiVO)を使って、太陽光での直鎖型NP(4−n−NP)の分解を行った〔前記文献7、前記特許文献1〕。その結果、4−n−NPの光分解活性はTiOと同等か、過剰の酸素存在下ではBiVOのほうが優れていることが明らかとなった。しかし、COへの無機化はほとんど観測されず、生成した何らかの中間体を酸化できずにいる。TiOの酸化力を増強するために遷移金属を添加することが公知であるが、Ag微粒子や酸化銅CuO微粒子の担持による酸化力の増強について言及する記載はない〔前記特許文献2〕。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記太陽光の利用効率、特に被処理物質のCOまでの分解特性の問題などを改善した新規な触媒を提供することおよび前記新規触媒を利用した浄化方法を提供することである。この問題を解決するために、本発明者らはBiVOの表面に金属や金属酸化物を担持させて、光触媒活性の向上による酸化力の増強効果を図ることを考えた。前記特許文献2には光触媒のTiOにPt、Pd、Ru、Ir、Ni、Fe、Co、Cr、Cu、V、Mn、などを担持させ酸化力の増強を図ることが記載されている。一般に、白金や酸化ニッケルなどの助触媒を表面に担持させることによって光触媒の活性、例えば、メタノール水溶液からの水素発生の活性、が大幅に改善される場合がある〔前記文献8、9〕。
【0010】
しかしながら、光触媒への担持物質の効果に関して、光触媒と担持物質との関係は明確ではない。本発明者らは、前記本発明者らが開発した太陽光の応答スペクトル領域を可視まで広げたBiVOの分解特性を改善すべく、多くの担持材料を前記BiVO触媒と組み合わせた材料を作成し、その光分解特性について鋭意検討する中でAg微粒子または酸化銅CuO微粒子が前記環境ホルモンである直鎖型NP(4−n−NP)とE2の光分解速度、およびCO無機化率において顕著な改善があることを見出した。また、酸化ニッケルNiOの微粒子を担持さることも、前記2者程ではないが、可視光照射下での直鎖型NP(4−n−NP)とE2の分解速度並びにCO無機化率の改善に有効であることを見出した。これにより本発明の前記課題を解決することができた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、(1)銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたバナジン酸ビスマスBiVO粉末からなる可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒である。好ましくは、(2)BiVO微粉末が尿素の存在下にNHVOとBi(NOを反応させる工程を含む製造方法により得られたものである前記(1)に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒であり、より好ましくは、(3)前記BiVO微粉末が反応工程を60℃〜95℃の範囲で実施して得られたものである前記(2)に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒であり、一層好ましくは、前記BiVO微粉末が反応工程を90℃±5℃の温度で実施し、最長8時間の熟成をすることにより得られたものである前記(3)に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒である。
【0012】
本発明の第2は、(5)可視光応答性の銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたBiVO微粉末光触媒を用いて少なくとも可視光を含む光の照射下で内分泌攪乱物質を含有する被浄化系を処理して前記内分泌攪乱物質を光分解する浄化方法である。好ましくは、(6)BiVO微粉末が尿素の存在下にNHVOとBi(NOを反応させる工程を含む製造方法により得られたものである前記(5)に記載の内分泌攪乱物質を光分解する浄化方法であり、より好ましくは、(7)被浄化系をアルカリ性とすることを特徴とする前記(5)または(6)に記載の浄化方法であり、(8)一層好ましくは、被浄化系に酸素を溶存させることを特徴とする前記(5)、(6)または(7)に記載の浄化方法である。
【0013】
【本発明の実施の態様】
本発明をより詳細に説明する。
A.本発明の特徴は、前記特許文献1において提案した本発明者らが開発した可視光応答性を改善したBiVO微粉末にAgNOまたはCu(NO水溶液から含浸法で銀微粒子またはCuO微粒子を担持させ、より商用ベース材料に近づけた内分泌撹乱物質光分解用触媒とすること、および前記新規触媒を利用した浄化方法を提供するものである。
1,Agを担持させる場合、担持量が1.0〜1.3重量%の時最大、すなわち担持されていない触媒の約4倍のCO無機化率の活性が得られ、前記最大値の前後0.25〜0.3重量%でAgの担持の効果は見られなくなった。すなわち、Agの担持効果があるのは0.75重量%を越え1.6重量%未満であった。
2,CuOを担侍した場合、担持量2.4重量%において担持されていない触媒の約2.5倍のCO無機化率の活性が得られた。
CO無機化率の活性とはCOにまで無機化できる酸化力を意味する。
【0014】
B.本発明の光分解触媒(Cat.)の活性は図1のように実験装置により測定した。
直鎖型NP(4−n−NP)または17β−エストラジオール(E2) のアルカリ水溶液25mL(pH〜13、濃度2×10−4M)をナス型フラスコ(FL)に入れ、担持型BiVO粉末0.1gを加えた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、500W高圧水銀灯(HgL)からの可視光(F、フィルター:東芝L−42、波長>400nm)を照射した。CO無機化率を求める光照射実験では、80mLの容積をもつナス型フラスコに入った4−n−NPまたはE2の懸濁液25mL(pH〜7、濃度2×10−4M)の中に担持型BiVO粉末0.1gを加え、セプタムで栓をした後、CO濃度が0.1ppm以下の人工空気を20分間バブリングしてCOガスを追い出し、その後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、上記高圧水銀灯からの可視光を照射して実施した。
【0015】
C.前記光照射実験における分析条件;
前記4−n−NPとE2の濃度変化は逆相高速液体クロマトグラフィー(逆相HPLC)で追跡した。分析条件は;
カラム:Supelco TPR−100(4.6mm i.d×150mm)、25℃
移動相:アセトニトリル:水=3:1(4−n−NP)、2:1(E2)
流速:0.8mL/分
検出:UV 280nm
4−n−NPの分解では中間体としてギ酸が生成するが、これは間接吸光度検出イオンクロマトグラフィーで分析した。
この分析条件は以下のとおりである〔早川和一、宮崎元一、ぶんせき、No.1、p47(1991)に説明されている〕。
カラム:三菱化学 GEL SCA02(6.0mmi.d.×50mm)、25℃
移動相:0.5mMフタル酸水素カリウム水溶液
流速:1mL/分
検出:280nm
【0016】
D.分解生成物のCO発生量(無機化率)の分析は以下の方法で実施した。
図1の装置において、光照射後、0.2−0.3mLの濃硫酸(2.5M)を注射器でセプタムを通して試料溶液に加えた。25℃の水浴中で熱平衡に達した後、ヘッドスペースに発生しているCOガスはセプタムを通して注射器で1mL採取し、メタナイザー(400℃)とFID検出器(170℃)およびPorapak Qカラム(3.0mm i.d.×2m,100℃)を搭載したガスクロマトグラフで分析した。キャリアーガスは窒素を用いた。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この例示により本発明が限定的に解釈されるものではない。
実施例1
4−n−NPのアルカリ水溶液25mL(pH〜13、濃度2×10−4M)を80mLの容積をもつナス型フラスコに入れ、1.3重量%Ag(■)、2.4重量%CuO(▲)、2.8重量%Fe(◇)または2.5重量NiO(○)担持型BiVO粉末、および未担持BiVO粉末(●)0.1gを加えた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、500W高圧水銀灯からの可視光(波長>400nm)を照射した。CO無機化率を、前記ナス型フラスコに入った4−n−NPの懸濁液25mL(pH〜7、濃度2×10−4M)の中に担持型BiVO粉末0.1gを加え、セプタムで栓をした後、CO濃度が0.1ppm以下の人工空気を20分間バブリングしてCOガスを追い出し、その後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、上記高圧水銀灯からの可視光を照射して実施した。図2は照射時間と4−n−NPの分解速度を示す時間経過における前記NPの濃度Cと初期濃度Cの比C/Cとの相関を示した。いずれの減衰も直線的であり、0次反応速度則に従って分解している様子がわかる。分解は、もとのBiVO(●)よりもAg>CuO>NiOの順で速く反応が進む。特にAgを担持させた場合、分解速度はもとのBiVOより約3倍にも上昇した。一方、鉄の酸化物を担持させたときには、もとのBiVOよりも分解は遅くなっている。
【0018】
図3に前記各金属および金属酸化物を担持させたBiVO触媒の光照射3時間におけるCO無機化率特性を示す。Agを担持させると最もCO無機化率が大きく、未担持のBiVOと比較すると約4倍にも活性が向上している。前記のNPの分解速度に対応して、CO無機化率もAg>CuO>NiO>Feの順になっている。Feの場合は、未担持のBiVOと誤差範囲内で一致しており、CO無機化率に対する効果は見られなかった。
【0019】
実施例2
1.3重量%Ag担持型BiVO粉末を用い、可視光(波長>400nm)を照射して4−n−NPを分解する実験において、時間経過に対する、4−n−NPの減少(●)、CO無機化率(□)およびギ酸濃度(△)の変化を図4に示す。300分後には無機化率は約2%になった。COの発生はその後も続くものと予想される。ギ酸の生成も確認され、120分後からはほぼ一定の濃度で推移している。このことから、ギ酸からCOへの酸化は比較的遅いことが理解できる。
【0020】
実施例3
図5にBiVO粉末へのAg担持量とCO無機化率の相関を光照射3時間後で対比したものを示す。Ag担持量0.75重量%のときは、活性の上昇は見られなかった。1.0重量%と1.3重量%のとき、担持していないものに比べ有意な差が見られた。活性は担持量1.3重量%のときが最大で、1.6重量%になると逆に活性は減少した。
【0021】
実施例4
17β―エストラジオール(E2)のアルカリ水溶液25mL(pH〜13、濃度2×10−4M)を80mLの容積をもつナス型フラスコに入れ、1.3重量%Ag(■)、2.4重量%CuO(▲)、2.8重量%Fe(◇)または2.5重量NiO(○)担持型BiVO粉末、および未担持BiVO粉末(●)0.1gを加えた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら、500W高圧水銀灯からの可視光(波長>400nm)を照射した。データのばらつきはあるものの、AgとCuOを担持させた場合は、もとのBiVOよりも分解は速くなった。興味深いことに、E2ではAgよりもCuOを担持させたほうが分解は速くなった。一方、NiOとFeを担持させた場合には、逆に分解速度が抑制されるという結果となった。
【0022】
以上のことから、光触媒効果を向上させる担持金属または金属酸化物との組み合わせを予測することは難しいことが理解できる。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の銀Ag微粒子または酸化銅CuO微粒子を担持させたバナジン酸ビスマスBiVO粉末からなる光触媒は、太陽光の利用を向上させ、より実用性を高めものであることから、環境浄化技術へ貢献することが大いに期待できるという優れた効果をもたすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光触媒による環境ホルモンの光分解の概念および検討原理を示す。
【図2】1.3重量%Ag(■)、2.4重量%CuO(▲)、2.8重量%Fe(◇)または2.5重量NiO(○)担持型BiVO粉末、および未担持BiVO粉末(●)からなる光触媒の可視光(波長>400nm)照射時間と4−n−NPの分解との相関
【図3】各金属又は金属酸化物担持型BiVO粉末、および未担持BiVO粉末からなる光触媒の可視光(波長>400nm)3時間照射時のCO無機化率の比較
【図4】1.3重量%Ag担持型BiVO粉末光触媒の可視光(波長>400nm)照射時間と4−n−NPの分解での、4−n−NPの減少(●)、CO無機化率(□)およびギ酸濃度(△)の変化との相関
【図5】光触媒BiVO粉末へのAg担持量と該光触媒の可視光(波長>400nm)3時間照射時のCO無機化率の相関
【図6】1.3重量%Ag(■)、2.4重量%CuO(▲)、2.8重量%Fe(◇)または2.5重量NiO(○)担持型BiVO粉末、および未担持BiVO粉末(●)からなる光触媒の可視光(波長>400nm)照射時間と17β―エストラジオールの分解との相関

Claims (8)

  1. 銀Ag微粒子または酸化銅CuO微粒子を担持させたバナジン酸ビスマスBiVO粉末からなる可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒。
  2. BiVO微粉末が尿素の存在下にNHVOとBi(NOを反応させる工程を含む製造方法により得られたものである請求項1に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒。
  3. 前記BiVO微粉末が反応工程を60℃〜95℃の範囲で実施して得られたものである請求項2に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒。
  4. 前記BiVO微粉末が反応工程を90℃±5℃の温度で実施し、最長8時間の熟成をすることにより得られたものである請求項3に記載の可視光応答性の内分泌撹乱物質光分解用光触媒。
  5. 可視光応答性の銀微粒子または酸化銅微粒子を担持させたBiVO微粉末光触媒を用いて少なくとも可視光を含む光の照射下で内分泌攪乱物質を含有する被浄化系を処理して前記内分泌攪乱物質を光分解する浄化方法。
  6. BiVO微粉末が尿素の存在下にNHVOとBi(NOを反応させる工程を含む製造方法により得られたものである請求項5に記載の内分泌攪乱物質を光分解する浄化方法。
  7. 被浄化系をアルカリ性とすることを特徴とする請求項5または6に記載の浄化方法。
  8. 被浄化系に酸素を溶存させることを特徴とする請求項5、6または7に記載の浄化方法。
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