JP2015048448A - ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びに成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を経由してスルフィド基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法において、樹脂中への脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量を充分低減すること。【解決手段】本発明は、下記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)と、脂肪族アミド化合物とを反応させ、下記一般式(2)で表される構成単位を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程を含む、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。(式中、X−は、アニオンを表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びに成形品に関し、特に、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を経由して得られるポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びに成形品に関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下「PPS樹脂」と略すことがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下「PAS樹脂」と略すことがある。)は、耐熱性、耐薬品性等に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯機部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。
従来、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、例えば、p−ジクロロベンゼンと、硫化ナトリウム、又は水硫化ナトリウム及び水酸化ナトリウムとを原料として、有機極性溶媒中で重合反応させる溶液重合により製造されている(例えば、特許文献1、2参照。)。現在市販されているポリフェニレンスルフィド樹脂は、一般にこの方法により生産されている。しかしながら、当該方法は、モノマーにジクロロベンゼンを用いることから、合成後の樹脂中に残存するハロゲン濃度が高くなる傾向にある。さらに、高温高圧・強アルカリという過酷な環境下で重合反応を行う必要があるため、接液部に高価・難加工性のチタン、クロム又はジルコニウムを用いた重合容器を使用する必要がある。
そこで、重合モノマーにジクロロベンゼンを用いることなく、かつ、温和な重合条件で、ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法として、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を前駆体として利用する方法が知られている。該方法では、室温、酸性条件下、溶媒に可溶なポリ(アリーレンスルホニウム塩)を製造し、得られたポリ(アリーレンスルホニウム塩)を求核試薬又は還元剤により脱アルキル化させる方法がとられる(例えば、特許文献3参照)。
米国特許第2,513,188号明細書 米国特許第2,583,941号明細書 特開平5−178993号公報
上記のポリ(アリーレンスルホニウム塩)を経由してポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法は、比較的高分子量のポリアリーレンスルフィド樹脂を得ることができる点で優れているものの、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として用いる求核試薬であるピリジンやキノリンが、樹脂中に残存するという問題がある。このため、樹脂加工する際などにガス発生の一因となり、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の品質低下や作業環境の悪化、金型のメンテナンス性を低下させる原因となっている。
そこで、本発明の目的は、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を経由してスルフィド基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法において、樹脂中への脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量を充分低減することにある。
本発明は、下記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)と、脂肪族アミド化合物とを反応させ、下記一般式(2)で表される構成単位を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程を含む、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
Figure 2015048448

(式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は前記アルキル基を置換基として有していてもよいアリール基を表し、Xは、アニオンを表す。)
Figure 2015048448

(式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
本発明によれば、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を経由してスルフィド基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法において、樹脂中への脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量を充分低減することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)と脂肪族アミド化合物とを反応させ、ポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程を含む。
本実施形態に用いられる脂肪族アミド化合物は、例えば、下記一般式(10)で表される化合物で表される。
Figure 2015048448
一般式(10)中、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R11とR13は結合して環状構造を形成していてもよい。炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
一般式(10)で表される化合物は、例えば、下記反応式で表されるようにして、いわゆる脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として機能すると考えられる。すなわち、前記化合物は、スルホニウム塩の硫黄原子と結合するアルキル基又アリール基を脱アルキル化又は脱アリール化してスルフィド化するように機能し得る。
Figure 2015048448
脂肪族アミド化合物は、芳香族アミド化合物に比べ水への混和性が高く、かつポリアリーレンスルフィド樹脂との相溶性が低いため、反応混合物の水洗によって容易に除去可能である。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量を低減することができる。その結果、樹脂加工する際などのガス発生を抑制し、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の品質向上や作業環境の改善、さらには金型のメンテナンス性を向上させることができる。また、脂肪族アミド化合物は、比較的低い分子量の有機化合物の溶解性にも優れることから、当該脂肪族アミド化合物の使用は、反応混合物からポリアリーレンスルフィドのオリゴマー成分を容易に除去することも可能にする。その結果、ガス発生の一因にもなり得る当該オリゴマー成分を当該脂肪族アミド化合物により除去することで、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の品質を相乗的に向上させ得ることができる。
このような脂肪族アミド化合物としては、例えば、ホルムアミド等の1級アミド化合物、β−ラクタム等の2級アミド化合物、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の3級アミド化合物等の前記一般式(10)で表される化合物のほか、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸等の尿素系化合物を用いることができる。脂肪族アミド化合物は、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の溶解性及び水への溶解性の観点から、R12及びR13が脂肪族基である脂肪族3級アミド化合物を含むことが好ましく、中でもN−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
脂肪族アミド化合物は、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として機能するほか、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)に対する溶解性に優れることから反応溶媒として用いることもできる。よって、脂肪族アミド化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の総量に対し、下限が1.00当量以上の範囲であることが好ましく、1.02当量以上の範囲であることがより好ましく、1.05当量以上の範囲であることがさらに好ましい。脂肪族アミド化合物の使用量が、1.00当量以上であれば、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の脱アルキル化又は脱アリール化を充分に行うことができる。一方、上限は100当量以下であることが好ましく、10当量以下であることがより好ましい。反応溶媒として脂肪族アミド化合物のみを用いてもよいし、これとトルエン等の他の溶媒を併用してもよい。
本実施形態に用いられるポリ(アリーレンスルホニウム塩)は、下記一般式(1)で表される構成単位を有する。
Figure 2015048448
一般式(1)中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を置換基として有していてもよいアリール基を表し、Xは、アニオンを表す。
ここで、Xとしては、例えば、スルホネート、カルボキシレート、ハロゲンイオン等のアニオンが挙げられる。Ar及びArは、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン等のアリーレン基であってもよい。Ar及びArは、同一であっても異なってもよいが、好ましくは、同一である。
Ar及びArの結合の態様は特に制限されるものではないが、アリーレン基中、遠い位置で結合するものであることが好ましい。例えば、Ar及びArがフェニレン基である場合、パラ位で結合する単位及びメタ位で結合する単位であることが好ましく、パラ位で結合する単位がより好ましい。パラ位で結合する単位で構成されることにより、樹脂の耐熱性及び結晶性の面で好ましい。
Ar又はArで表されるアリーレン基が官能基を置換基として有する場合、当該官能基は、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基又はスルホ基であることが好ましい。ただし、Ar又はArが置換基を有するアリーレン基である一般式(1)の構成単位の割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶化度及び耐熱性の低下を抑制する観点から、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)全体の10質量%以下の範囲であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基や、フェニル、ナフチル、ビフェニル等の構造を有するアリール基が挙げられ、さらに当該アリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基を置換基として芳香環上に1〜4個の範囲で有していてもよい。
一般式(1)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)は、例えば、芳香族スルホキシドを酸存在下で重合させる方法により得ることができる。
芳香族スルホキシドは、例えば、下記一般式(20)で表される化合物を含む。2つの置換基の置換位置は特に限定されないが、好ましくは2つの置換位置が分子内でできる限り遠い位置にあることが望ましい。好ましい置換位置は、パラ位である。
Figure 2015048448
一般式(20)中、R及びArは、一般式(1)で定義したものと同様であり、Rは、水素原子、Ar−、Ar−S−又はAr−O−を表し、Arは、官能基を置換基を有してもよいアリール基を表す。
ここで、Arとしては、フェニル、ナフチル、ビフェニル等の構造を有するアリール基が挙げられ、当該アリール基は、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基及びスルホ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を置換基として有していてもよい。
一般式(20)で表される化合物としては、例えば、メチルフェニルスルホキシド、メチル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホキシド等を用いることができる。これらの化合物のうち、メチル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホキシドが好ましい。芳香族スルホキシドは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を合成する際に使用する酸は、有機酸、無機酸のいずれも使用することができる。酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、青酸、テトラフルオロほう酸等の非酸素酸;硫酸、リン酸、過塩素酸、臭素鍛、硝酸、炭酸、ホウ酸、モリブデン酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸等の無機オキソ酸;硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、プロトン残留ヘテロポリ酸塩、モノメチル硫酸、トリフルオロメタン硫酸等の硫酸の部分塩もしくは部分エステル;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸等の1価もしくは多価のカルボン酸;モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲン置換カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等の1価もしくは多価のスルホン酸;ベンゼンジスルホン酸ナトリウム等の多価のスルホン酸の部分金属塩;五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化銅、塩化鉄等のルイス酸などを挙げることができる。これらの酸のうち、反応性の観点から、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸の使用が好ましい。これらの酸は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また本反応は脱水反応のため、脱水剤を併用してもよい。脱水剤としては、例えば、酸化リン、五酸化二リン等のリン酸無水物;ベンゼンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸無水物等のスルホン酸無水物;無水酢酸、無水フルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸等のカルボン酸無水物;無水硫酸マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル、塩化カルシウムなどを挙げることができる。これらの脱水剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を合成する際には、適宜溶媒を使用することができる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素系溶媒、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、スルホラン、DMSOなどの含硫黄系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係るポリ(アリーレンスルホニウム塩)と脂肪族アミド化合物とを反応させる際の条件は、脱アルキル化又は脱アリール化が適切に進行するように、適宜調整することができる。反応温度は、40〜250℃の範囲であることが好ましく、70〜220℃の範囲であることがより好ましい。
本実施形態の製造方法によれば、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量を低減することが可能である。樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と脱アルキル化剤又は脱アリール化剤等の他の成分とを含む樹脂の質量を基準として、1000ppm以下の範囲であることが好ましく、700ppm以下の範囲がより好ましく、100ppm以下の範囲であることが更に好ましい。1000ppm以下とすることにより、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の品質に対する実質的な影響を低減できる。本実施形態の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂は、混在する脱アルキル化剤又は脱アリール化剤等の成分の種類及び含有量に基づいて、他の方法により製造されたポリアリーレンスルフィド樹脂と区別され得る。
本実施形態に係るポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒で洗浄する工程を更に含んでもよい。このような洗浄工程を含むことにより、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂に含まれる脱アルキル化剤又は脱アリール化剤等の残存量をより確実に低減することができる。
かかる洗浄工程において使用する溶媒は、特に制限されるものではないが、未反応物を溶解させるものであることが好ましい。溶媒としては、例えば、水、塩酸水溶液、酢酸水溶液、シュウ酸水溶液、硝酸水溶液等の酸性水溶液、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶剤などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒のうち、反応試薬の除去及び樹脂のオリゴマー成分の除去の観点から、水、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
本実施形態に係る製造方法によれば、下記一般式(2)で表される構成単位を含み、スルフィド基を有するポリアリーレンスルフィド樹脂が得られる。
Figure 2015048448
一般式(2)中、R及びArは、一般式(1)で定義したものと同様である。
本実施形態の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂のガラス転移温度は、70〜110℃の範囲であることが好ましく、80〜95℃の範囲であることがより好ましい。樹脂のガラス転移温度は、DSC装置により測定される値のことを示す。
本実施形態の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の融点は、260〜300℃の範囲であることが好ましく、270〜290℃の範囲であることがより好ましい。樹脂の融点は、DSC装置により測定される値のことを示す。
本実施形態に係る製造方法により得られる、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、他の成分と組み合わせて、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として利用することができる。他の成分としては、例えば、無機質充填剤や、熱可塑性樹脂、エラストマー、及び架橋性樹脂から選ばれる、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の樹脂等を使用することができる。
無機質充填剤としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状充填剤、タルク、マイカ等の板状充填剤、ガラスビーズ、シリカビーズ、ガラスバルーン等の粒状充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト繊維等の繊維状充填剤、並びにガラスフレークが挙げられる。これらの無機質充填剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。無機質充填剤が配合されることにより、高剛性、高耐熱安定性の組成物が得られる。ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラック、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機質充填剤を含有することが特に好ましい。
無機質充填剤の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは5〜200質量部の範囲、さらに好ましくは15〜150質量部の範囲である。無機質充填剤の含有量がこれらの範囲にあることにより、成形品の機械的強度保持の点でより優れた効果を得ることができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、エラストマー、及び架橋性樹脂から選ばれる、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の樹脂を含有してもよい。これら樹脂は、無機質充填剤とともに樹脂組成物中に配合することもできる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、シリコーン樹脂、及び液晶ポリマー(液晶ポリエステル等)が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドは、アミド結合(−NHCO−)を有するポリマーである。ポリアミド樹脂としては、例えば、(i)ジアミンとジカルボン酸の重縮合から得られるポリマー、(ii)アミノカルボン酸の重縮合から得られるポリマー、(iii)ラクタムの開環重合から得られるポリマー等が挙げられる。
ポリアミドを得るためのジアミンの例としては、脂肪族系ジアミン、芳香族系ジアミン、及び脂環族系ジアミン類が挙げられる。脂肪族系ジアミンとしては、直鎖状又は側鎖を有する炭素数3〜18のジアミンが好ましい。好適な脂肪族系ジアミンの例としては、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカンメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,14−テトラデカメチレンジアミン、1,15−ペンタデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,17−ヘプタデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系ジアミンとしては、フェニレン基を有する炭素数6〜27のジアミンが好ましい。好適な芳香族系ジアミンの例としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、4,4'−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ベンジジン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3',5,5'−テトラメチルジフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、及び2,2'−ジメチルベンジジンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環族系ジアミンとしては、シクロヘキシレン基を有する炭素数4〜15のジアミンが好ましい。好適な脂環族系ジアミンの例としては、4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシレンメタン、4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、及びピペラジンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドを得るためのジカルボン酸としては、脂肪族系ジカルボン酸、芳香族系ジカルボン酸、及び脂環族系ジカルボン酸を挙げることができる。
脂肪族系ジカルボン酸としては、炭素原子数2〜18の飽和又は不飽和のジカルボン酸が好ましい。好適な脂肪族系ジカルボン酸の例としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、マレイン酸、及びフマル酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系ジカルボン酸としては、フェニレン基を有する炭素原子数8〜15のジカルボン酸が好ましい。好適な芳香族系ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4'−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、及び1,4−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の多価カルボン酸を、溶融成形可能な範囲内で用いることもできる。
アミノカルボン酸としては、炭素原子数4〜18のアミノカルボン酸が好ましい。好適なアミノカルボン酸の例としては、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、及び18−アミノオクタデカン酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドを得るためのラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ζ−エナントラクタム、及びη−カプリルラクタムが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましいポリアミドの原料の組み合わせとしては、ε−カプロラクタム(ナイロン6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン6,6)、1,4−テトラメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン4,6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,9−ノナメチレンジアミン/1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、及びm−キシリレンジアミン/アジピン酸が挙げられる。これらの中でも、1,4−テトラメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン4,6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、又は1,9−ノナメチレンジアミン/1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸から得られるリアミド樹脂が更に好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは3〜100質量部の範囲、さらに好ましくは5〜45質量部の範囲である。ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量がこれらの範囲にあることにより、耐熱性、耐薬品性及び機械的物性の更なる向上という効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合されるエラストマーとしては、熱可塑性エラストマーが用いられることが多い。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマー及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。なお、本明細書において、熱可塑性エラストマーは、前記熱可塑性樹脂ではなくエラストマーに分類される。
エラストマー(特に熱可塑性エラストマー)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂がカルボキシル基等の官能基を有する場合、これと反応し得る官能基を有することが好ましい。これにより、接着性及び耐衝撃性等の点で特に優れた樹脂組成物を得ることができる。かかる官能基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基、及び、式:R(CO)O(CO)−又はR(CO)O−(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される基が挙げられる。かかる官能基を有する熱可塑性エラストマーは、例えば、α−オレフィンと前記官能基を有するビニル重合性化合物との共重合により得ることができる。α−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン及びブテン−1等の炭素原子数2〜8のα−オレフィン類が挙げられる。前記官能基を有するビニル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等のα、β−不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びその他の炭素原子数4〜10のα、β−不飽和ジカルボン酸及びその誘導体(モノ若しくはジエステル、及びその酸無水物等)、並びにグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ基、カルボキシ基、及び、式:R(CO)O(CO)−又はR(CO)O−(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体が、靭性及び耐衝撃性の向上の点から好ましい。
エラストマーの含有量は、その種類、用途により異なるため一概に規定することはできないが、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは3〜100質量部の範囲、さらに好ましくは5〜45質量部の範囲である。エラストマーの含有量がこれらの範囲にあることにより、成形品の耐熱性、靭性の確保の点でより一層優れた効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合される架橋性樹脂は、2以上の架橋性官能基を有する。架橋性官能基としては、エポキシ基、フェノール性水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシ基、酸無水物基、及びイソシアネート基などが挙げられる。架橋性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。芳香族系エポキシ樹脂は、ハロゲン基又は水酸基等を有していてもよい。好適な芳香族系エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、及びビフェニルノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの芳香族系エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら芳香族系エポキシ樹脂の中でも特に、他の樹脂成分との相溶性に優れる点から、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
架橋性樹脂の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは3〜100質量部、更に好ましくは5〜30質量部の範囲である。架橋性樹脂の含有量がこれら範囲にあることにより、成形品の剛性及び耐熱性の向上という効果が特に顕著に得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、官能基を有するシラン化合物を含有することができる。係るシラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
シラン化合物の含有量は、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。シラン化合物の含有量がこれらの範囲にあることにより、ポリアリーレンスルフィド樹脂と他の成分との相溶性向上という効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤及び滑剤等のその他の添加剤を含有してもよい。添加剤の含有用は、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の範囲である。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(溶融重合の反応生成物)と、その他の成分とを溶融混練する方法により、ペレット状のコンパウンド等の形態で得ることができる。溶融混錬の温度は、例えば、250〜350℃の範囲である。溶融混錬の時間は、例えば、5〜30秒である。溶融混錬は、2軸押出機等を用いて行うことができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、単独で又は他の材料と組み合わせて、射出成形、押出成形、圧縮成形及びブロー成形のような各種溶融加工法により、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形品に加工することができる。本実施形態に係る製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂又はこれを含む樹脂組成物は、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤、ポリアリーレンスルフィド樹脂のオリゴマー成分等の残存量を充分に低減することが可能であるから、加熱されたときのガス発生量が少ないことから、高品質の成形品の容易な製造が可能となる。
本発明の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂又は該樹脂を含む樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する耐熱性、寸法安定性等の諸性能も具備しているので、例えば、コネクタ、プリント基板及び封止成形品等の電気・電子部品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品などの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくはコンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維若しくはフィルム用の材料として幅広く有用である。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例では、下記の試薬を使用した。
メチルフェニルスルホキシド:東京化成工業(株)製、純度98%
チオアニソール:和光純薬工業(株)製、純度99%
メタンスルホン酸:和光純薬工業(株)製、和光特級
60%過塩素酸:和光純薬工業(株)製、和光一級
ピリジン:和光純薬工業(株)製、試薬特級
炭酸水素カリウム:和光純薬工業(株)製、試薬特級
臭素:和光純薬工業(株)製、試薬特級
トリフルオロメタンスルホン酸:和光純薬工業(株)製、和光特級
キノリン:和光純薬工業(株)製、試薬特級
1.評価法
1−1.同定方法(H−NMR、13C−NMR)
BRUKER製DPX−400の装置にて、各種重溶剤に溶解させて測定した。
1−2.ガラス転移温度及び融点
パーキンエルマー製DSC装置 Pyris Diamondを用いて、50mL/minの窒素流下、20℃/minの昇温条件で40〜350℃まで測定を行い、ガラス転移温度及び融点を求めた。
1−3.脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の樹脂中残存量
島津製作所製GCMS−QP2010を用いて、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤のポリアリーレンスルフィド樹脂中の残存量を測定した。
2.モノマーの合成
(過塩素酸メチルフェニル[4−(メチルチオ)フェニル]スルホニウムの合成)
Figure 2015048448

3Lの3つ口フラスコに、メチルフェニルスルホキシド70.0[g]とチオアニソール62.0[g]を入れて、窒素雰囲気下、氷浴で5℃以下に冷却した。メタンスルホン酸1[L]を10℃以下に保って、反応溶液に加えた。その後氷浴を外して、室温に温度を上げ、20時間攪拌した。次に、攪拌後の反応溶液を、60%過塩素酸水溶液2[L]に投入し、1時間攪拌した。水1[L]及びジクロロメタン1[L]加えて、抽出/分液操作により、有機層を回収した。さらに水層にジクロロメタン500[mL]を加えて、有機層を回収する操作を2回行った。回収した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水した。脱水後、ろ過によって硫酸マグネシウムをろ別し、ロータリーエバポレーターでろ液を濃縮し、溶媒を除去した。残った粘調性固体にエーテルを加えて結晶化させた。結晶物をろ過によってろ別し、得られた固体を20時間減圧乾燥させることで、過塩素酸メチルフェニル[4−(メチルチオ)フェニル]スルホニウム130.0[g](収率75%)を得た。H−NMR測定により、目的物が合成されたことを確認した。
H−NMR(溶媒CDCl):2.49,3.63,7.40,7.65,7.78.7.85[ppm]
(メチル−4−(フェニルチオ)フェニルスルフィドの合成)
Figure 2015048448

2Lの3つ口フラスコに、過塩素酸メチルフェニル[4−(メチルチオ)フェニル]スルホニウム100.0[g]を入れて、窒素雰囲気下、ピリジン500[mL]を添加して30分攪拌した。その後、100[℃]に昇温し、30分攪拌した。反応溶液を3[L]の10%HCl溶液に投入して、10分攪拌し、ジクロロメタンで抽出/分液操作により有機層を回収した。回収した有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水した。ろ過によって硫酸マグネシウムをろ別し、ロータリーエバポレーターでろ液を濃縮し、溶媒を除去した。ヘキサン/クロロホルム=3/1(体積比)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィーにより、目的成分を回収し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。得られた液体を20時間減圧乾燥することで、メチル4−(フェニルチオ)フェニルスルフィド55.5[g](収率83%)を得た。H−NMR測定により、目的物が合成されたことを確認した。
H−NMR(溶媒CDCl):2.48,7.18〜7.23、7.28〜7.31[ppm]
(メチル4−(フェニルチオ)フェニルスルホキシドの合成)
Figure 2015048448

5Lの3つ口フラスコに、メチル4−(フェニルチオ)フェニルスルフィド50.0[g]と炭酸水素カリウム43.0[g]、水390[mL]、ジクロロメタン500[mL]、を入れて30分攪拌した。ジクロロメタン500[mL]に臭素34.5[g]溶解させた溶液を反応容器内に5分間で滴下し、30分攪拌した。反応溶液に塩化カリウム(KCl)飽和溶液1[L]とジロロメタン1[L]を投入し、抽出/分液操作により有機層を回収した。残った水層にジクロロメタン500[mL]を加えて、有機層を回収する操作を2回行った。回収した有機層を水洗し、分液操作により有機層を回収、無水硫酸マグネシウムを加えて脱水した。脱水後、ろ過により硫酸マグネシウムをろ別し、ロータリーエバポレーターでろ液を濃縮し、溶媒を除去した。残った粘調性固体にエーテルを加えて結晶化させた。結晶物をろ過によってろ別し、得られた固体を20時間減圧乾燥させることで、メチル4−(フェニルチオ)フェニルスルホキシド30.5[g](収率57%)を得た。H−NMR、13C−NMR測定により、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(溶媒CDCl):2.71,7.34,7.39,7.46,7.52[ppm]
13C−NMR(溶媒CDCl):46.0,124.5,128.5,129.7,133.0,133.5,141.5,144.3[ppm]
3.ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の合成
Figure 2015048448

(合成例1)
500mLの3つ口フラスコに、メチル4−(フェニルチオ)フェニルスルホキシド2.0[g]を入れ、窒素雰囲気下、氷浴にて冷却した。その後、トリフルオロメタンスルホン酸10[mL]をゆっくり滴下した。室温まで昇温し、20時間攪拌した。攪拌後の反応溶液に水を入れて、10分攪拌した後、ろ過した。その後、水洗及びろ過し、固体を回収した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することで、目的物であるポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.8[g](収率91%)を得た。
分析用に得られた目的物から少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸によってイオン交換後、重DMSOに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(重DMSO):3.27,3.83,7.66,8.08[ppm]
(合成例2)
3Lの3つ口フラスコにポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]5.0[g]、メタンスルホン酸500[mL]を加えて、室温で24時間攪拌しイオン交換した。その後、ろ過し、ろ集物を水洗、真空乾燥することで、ポリ[メタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]3.9[g](収率90%)を得た。走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置(SEM−EDS)によりフッ素が検出されないことを確認した。
分析用に得られた目的物から少量を分取し、重DMSOに溶解させたものをH−NMR測定により、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(重DMSO):3.27,3.93,7.76,8.19[ppm]
4.ポリアリーレンスルフィド樹脂の合成(ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の脱アルキル化又は脱アリール化)
(実施例1)
Figure 2015048448

合成例1で得られたポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.0[g]を100mLナスフラスコに入れ、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として、N−メチル−2−ピロリドン80[mL](157当量)を加えて、室温で30分攪拌した後に、100℃に昇温し48時間攪拌した。攪拌後の反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、水80[mL]で3回洗浄した。得られた固体を減圧乾燥することで、ポリフェニレンスルフィド1.0[g](収率90%)を得た。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)92℃、融点278℃であったことから、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存N−メチル−2−ピロリドン量を確認したところ、80[ppm]であることが確認された。
(実施例2)
脱アルキル化剤又は脱アリール化剤を、N−メチル−2−ピロリドン5.5[mL](10当量)に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリフェニレンスルフィド0.83[g](収率73%)をえた。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)92℃、融点278℃であったことから、PPS樹脂が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存N−メチル−2−ピロリドン量を確認したところ、10[ppm]以下であることが確認された。
(実施例3)
脱アルキル化剤又は脱アリール化剤を、N−メチル−2−ピロリドン0.8[mL](1.5当量)に変更し、さらに溶媒としてトルエン5[mL]を加えた以外は、実施例1と同様にして、ポリフェニレンスルフィド0.91[g](収率80%)を得た。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)92℃、融点278℃であったことから、PPS樹脂が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存N−メチル−2−ピロリドン量を確認したところ、10[ppm]以下であることが確認された。
(実施例4)
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]の代わりに、合成例2で得られたポリ[メタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]1.7[g]を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリフェニレンスルフィド0.88[g](収率78%)を得た。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)89℃、融点275℃であったことから、PPS樹脂が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存N−メチル−2−ピロリドン量を確認したところ、10[ppm]以下であることが確認された。
(比較例1)
脱アルキル化剤又は脱アリール化剤を、ピリジン66[mL](157当量)に変更した以外は、実施例と同様にして、ポリフェニレンスルフィド0.93[g](収率82%)を得た。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)88℃、融点273℃であったことから、PPS樹脂が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存ピリジン量を確認したところ、3600[ppm]であることが確認された。
(比較例2)
脱アルキル化剤又は脱アリール化剤を、キノリン98[mL](157当量)に変更した以外は、実施例と同様にして、ポリフェニレンスルフィド1.02[g](収率90%)を得た。得られた固体について熱分析を行った結果、ガラス転移温度(Tg)85℃、融点270℃であったことから、PPS樹脂が生成していることを確認した。得られたPPS樹脂について、GC−MSにより、残存キノリン量を確認したところ、10000[ppm]以上であることが確認された。
Figure 2015048448
表1に示される結果から明らかなように、実施例1〜4の方法で合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量は、比較例1,2の方法により合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂に比べ顕著に低減されることが確認された。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)と、脂肪族アミド化合物とを反応させ、下記一般式(2)で表される構成単位を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程を含む、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
    Figure 2015048448

    (式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、アニオンを表す。)
    Figure 2015048448

    (式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
  2. 前記脂肪族アミド化合物が、脂肪族3級アミド化合物を含む、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
  3. 下記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)と、脂肪族アミド化合物とを反応させる工程を含む方法により得られ、下記一般式(2)で表される構成単位を有する、ポリアリーレンスルフィド樹脂。
    Figure 2015048448

    (式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、アニオンを表す。)
    Figure 2015048448

    (式中、Rは、直接結合、−Ar−、−Ar−S−又は−Ar−O−を表し、Ar及びArは、官能基を置換基として有してもよいアリーレン基を表す。)
  4. 請求項3に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂を含む、成形品。
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