JP2019048995A - ポリアリーレンスルフィド樹脂、及びポリ(アリーレンスルホニウム塩) - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド樹脂、及びポリ(アリーレンスルホニウム塩) Download PDF

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Abstract

【課題】構成単位の設計の自由度が高く、しかも十分に高い分子量を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造を可能にする方法を提供する。【解決手段】本発明は、下記一般式(20)で表される構成単位を有する、ポリアリーレンスルフィド樹脂に関する。式中、R2bは、直接結合、−Ar6−、−CO−Ar6−又は−C(CF3)2−Ar6−を表し、Ar1、Ar2、Ar3b及びAr6は、それぞれ独立に、フェニレン、ナフチレン、及びビフェニレンから選ばれるいずれか1つを表し、Zは、直接結合、−S−、−O−又は−C(CF3)2−を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)及びその製造方法、並びに、スルホキシドに関する。
ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下「PPS樹脂」と略すことがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下「PAS樹脂」と略すことがある。)は、耐熱性、耐薬品性等に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯機部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。
従来、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、例えば、p−ジクロロベンゼンと、硫化ナトリウム、又は水硫化ナトリウム及び水酸化ナトリウムとを原料として、有機極性溶媒中で重合反応させる溶液重合により製造されている(例えば、特許文献1、2参照。)。現在市販されているポリフェニレンスルフィド樹脂は、一般にこの方法により生産されている。
しかしながら、当該方法は、モノマーにジクロロベンゼンを用いることから、合成後の樹脂中に残存するハロゲン濃度が高くなる傾向にあり、かつ、高温高圧・強アルカリという過酷な環境下で重合反応を行う必要があるため、接液部に高価・難加工性のチタン、クロム又はジルコニウムを用いた重合容器を使用する必要があった。
そこで、重合モノマーにジクロロベンゼンを用いることなく、かつ、温和な重合条件で、ポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法が知られている。例えば、特許文献3には、ポリアリーレンスルフィド樹脂を合成する前駆体として溶媒可溶性のポリ(アリーレンスルホニウム塩)が開示されている。ポリ(アリーレンスルホニウム塩)は、メチルフェニルスルホキシドのようなスルフィニル基を1つ有するスルホキシド(以下、「1官能性スルホキシド」ということがある。)を酸存在下で単独重合させる方法により製造される(例えば、特許文献3)。
米国特許第2,513,188号明細書 米国特許第2,583,941号明細書 特開平9−178993号公報
JOURNAL OF MACROMOLECULAR SCIENCE Part A−Pure and Applied Chemistry、Volume 40、Issue 4、p.415−423
1官能性スルホキシドの単独重合によりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法の場合、樹脂が有する構成単位は、原料である1官能性スルホキシドの構造により決定される。したがって、使用の目的等に応じて、ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する構成単位の変更を行う場合には、原料である1官能性スルホキシドの設計から取り組むことが多い。しかし、使用できる1官能性スルホキシドの選択肢は少なく、ポリアリーレンスルフィド樹脂の構成単位を変更できる範囲は実質的に非常に限られる。
スルフィニル基を2つ有するスルホキシド(以下、「2官能性スルホキシド」ということがある。)である1,4−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼンを五酸化二リン及びトリフルオロメタンスルホン酸の存在下、種々の芳香族化合物と反応させる方法が、非特許文献1に開示されている。この方法によれば、芳香族化合物を変更することで、スルフィド基を有する多様なポリアリーレンスルフィド樹脂を製造することが可能である。しかし、この方法では、十分に高い分子量の樹脂を得ることが困難である。
そこで、本願発明の目的は、構成単位の設計の自由度が高く、しかも十分に高い分子量を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造を可能にする方法を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)で表されるスルホキシドと下記一般式(2)で表される芳香族化合物とを反応させ、下記一般式(10)で表される構成単位を有するポリ(アリーレンスルホニウム塩)を得る工程と、前記ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を脱アルキル化又は脱アリール化し、下記一般式(20)で表される構成単位を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程と、を含む、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に関する。
Figure 2019048995

Figure 2019048995

Figure 2019048995

Figure 2019048995

(式(1)、(2)、(10)又は(20)中、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R2aは、水素原子、−Ar、−S−Ar、−O−Ar、−CO−Ar、−SO−Ar又は−C(CF−Arを表し、R2bは、直接結合、−Ar−、−S−Ar−、−O−Ar−、−CO−Ar−、−SO−Ar−又は−C(CF−Ar−を表し、Ar、Ar、Ar3b及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Ar3a及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基を表し、Zは、直接結合、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−を表し、Xは、アニオンを表す。)
本発明によれば、構成単位の設計の自由度が高く、しかも十分に高い分子量を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造を可能にする方法を提供することができる。本発明によればまた、上記方法に使用可能なポリ(アリーレンスルホニウム塩)及びその製造方法、並びに、スルホキシドを提供することができる。
また、従来の1官能性スルホキシドの単独重合によるポリアリーレンスルフィド樹脂の合成方法においては反応系の制御が困難な傾向にある。一方、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、スルホキシドと芳香族化合物との少なくとも2種の化合物の反応を利用している。したがって、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法においては、原料化合物の配合を調整することにより容易に反応系を制御することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、スルホキシドと、芳香族化合物とを反応させ、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を得る工程と、前記ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を脱アルキル化又は脱アリール化し、ポリアリーレンスルフィド樹脂を得る工程と、を含む。
本実施形態において使用されるスルホキシドは、下記一般式(1)で表される化合物であり、2つのスルフィニル基を有する。
Figure 2019048995
一般式(1)中、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Zは、直接結合、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−を表す。また、一般式(1)において、Zが−S−であるとき、Rは炭素原子数2〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基であるとしてもよい。
一般式(1)で表されるスルホキシドは、例えば、下記一般式(3)で表される化合物を酸化剤等と反応させることにより酸化させることで得ることができる。
Figure 2019048995
一般式(3)中、R、Ar、Ar及びZは、一般式(1)のR、Ar、Ar及びZと同様に定義される。
酸化剤は、特に制限されず種々の酸化剤を使用することができる。酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、酸素、オゾン、有機ペルオキシド、過酸化水素、硝酸、メタ−クロロペルオキシ安息香酸、オキソン(登録商標) 、4酸化オスミニウム等を、使用することができる。
一般式(3)で表される化合物は、必要に応じて、下記一般式(4)で表される化合物とジメチルジスルフィド等とを用いて、Yで示されるハロゲン原子とスルフィド基とで置換反応させることで、スルフィド化合物を合成することができる。
Figure 2019048995
一般式(4)中、Yは、ハロゲン原子を表し、Ar、Ar及びZは、一般式(1)のAr、Ar及びZと同様に定義される。Yは、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等であり、塩素原子であることが好ましい。
一般式(1)、(3)又は(4)で表される化合物において、Ar及びArは、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン等のアリーレン基であってもよい。Ar及びArは、同一であっても異なってもよいが、好ましくは、同一である。
Ar及びArの結合の態様は特に制限されるものではないが、アリーレン基中、遠い位置で結合するものであることが好ましい。例えば、Ar及びArがフェニレン基である場合、パラ位で結合する単位(1,4−フェニレン基)及びメタ位で結合する単位(1,3−フェニレン基)であることが好ましく、パラ位で結合する単位がより好ましい。パラ位で結合する単位で構成されることにより、得られる樹脂の耐熱性及び結晶性の面で好ましい。
Ar又はArで表されるアリーレン基が置換基を有する場合、置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基又はスルホ基であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、4,4’−ビス(メチルスルフィニル)ビフェニル、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]エーテル、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルフィド、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]ケトン、2,2-ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらの化合物は単独で、又は組み合わせて使用することができる。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基や、フェニル、ナフチル、ビフェニル等の構造を有するアリール基が挙げられ、さらに当該アリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基を置換基として芳香環上に1〜4個の範囲で有していてもよい。
本実施形態において使用される芳香族化合物は、例えば、下記一般式(2)で表される。
Figure 2019048995
一般式(2)中、R2aは、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、−Ar、−S−Ar、−O−Ar、−CO−Ar、−SO−Ar又は−C(CF−Arを表し、Ar3a及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基を表す。R2aが、炭素原子数1〜10のアルキル基の場合には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。Ar3a又はArで表されるアリール基が置換基を有する場合、当該置換基は、アルキル基(メチル基等)、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基又はスルホ基であることが好ましい。Ar3a及びArは、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル等の構造を有するアリール基が挙げられ、当該アリール基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基及びスルホ基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよい。Ar3a及びArは、同一であっても異なってもよいが、好ましくは、同一である。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ビフェニル、ジフェニルスルフィド、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン等が挙げられる。これらの化合物のうち、結晶性の観点から、ビフェニル、ジフェニルスルフィド又はジフェニルエーテルが好ましい。より高分子量体としてポリアリーレンスルフィド樹脂を得る観点からは、ジフェニルスルフィドが好ましい。ジフェニルスルフィドはまた、融点が低く、それ自体溶媒として機能させることが可能であり、反応温度の制御等の観点からも好ましい。ポリアリーレンスルフィド樹脂の融点を低下させる観点からは、ジフェニルエーテルが好ましい。ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性を向上させる観点からは、ベンゾフェノンが好ましい。非晶性のポリアリーレンスルフィド樹脂を得る観点からは、ジフェニルスルホン又はヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパンが好ましい。非晶性とすることにより、ポリアリーレンスルフィド樹脂の成形加工性及び透明性を向上させることが可能である。
スルホキシドと芳香族化合物との反応は、酸存在下で行われることが好ましい。酸は、有機酸、無機酸のいずれも使用することができる。酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、青酸、テトラフルオロほう酸等の非酸素酸;硫酸、リン酸、過塩素酸、臭素鍛、硝酸、炭酸、ホウ酸、モリブデン酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸等の無機オキソ酸;硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、プロトン残留ヘテロポリ酸塩、モノメチル硫酸、トリフルオロメタン硫酸等の硫酸の部分塩もしくは部分エステル;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、コハク酸、安息香酸、フタル酸等の1価もしくは多価のカルボン酸;モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロゲン置換カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸等の1価もしくは多価のスルホン酸;ベンゼンジスルホン酸ナトリウム等の多価のスルホン酸の部分金属塩;五塩化アンチモン、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズ、塩化亜鉛、塩化銅、塩化鉄等のルイス酸などを挙げることができる。これらの酸のうち、反応性の観点から、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸の使用が好ましい。これらの酸は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また本反応は脱水反応のため、脱水剤を併用してもよい。脱水剤としては、例えば、酸化リン、五酸化二リン等のリン酸無水物;ベンゼンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸無水物等のスルホン酸無水物;無水酢酸、無水フルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸等のカルボン酸無水物;無水硫酸マグネシウム、ゼオライト、シリカゲル、塩化カルシウムなどを挙げることができる。これらの脱水剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
スルホキシドと芳香族化合物との反応には、適宜溶媒を使用することができる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒等、塩化メチレン、クロロホルム等の含ハロゲン系溶媒、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素系溶媒、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、スルホラン、DMSOなどの含硫黄系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
スルホキシドと、芳香族化合物とを含有する混合物を反応させ、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を得る工程は、反応が適切に進行するように、条件を適宜調整することができる。反応温度は、−30〜150℃の範囲であることが好ましく、0〜100℃の範囲であることがより好ましい。
上記工程により得られるポリ(アリーレンスルホニウム塩)は、下記一般式(10)で表される構成単位を有する。
Figure 2019048995
一般式(10)中、R2bは、直接結合、−Ar−、−S−Ar−、−O−Ar−、−CO−Ar−、−SO−Ar−又は−C(CF−Ar−を表し、Ar3b及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Xは、アニオンを表し、Ar、Ar、R及びZは、一般式(1)のAr、Ar、R及びZと同様に定義される。Ar3b及びArは、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン等のアリーレン基であってもよい。Ar3b及びArは、同一であっても異なってもよいが、好ましくは、同一である。アニオンを表すXとしては、例えば、スルホネート、カルボキシレート、ハロゲンイオン等のアニオンが挙げられる。また、一般式(10)において、Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、且つR2bが直接結合であるとき、Zは、直接結合、−CO−、−SO−又は−C(CF−であるとしてもよく、Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、R2bが−Ar−、且つArが1,4−フェニレン基であるとき、Zは、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−であるとしてもよい。
一般式(10)で表される構成単位において、Ar3b及びArの結合の態様は特に制限されるものではなく、一般式(1)、(3)、(4)のAr及びArの結合の態様と同様の考えを適用し得る。
Ar3b又はArで表されるアリーレン基が置換基を有する場合、置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基又はスルホ基であることが好ましい。ただし、Ar、Ar、Ar3b及びArが置換基を有するアリーレン基である一般式(10)の構成単位の割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶化度及び耐熱性の低下を抑制する観点から、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)全体の10質量%以下の範囲であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
上記ポリ(アリーレンスルホニウム塩)が有する構成単位は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の使用の目的等に合わせて、例えば、一般式(1)で表されるスルホキシドと一般式(2)で表される芳香族化合物との組み合わせを変更することにより、適宜選択することができる。
本実施形態に係るポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を脱アルキル化又は脱アリール化する工程を含む。ポリ(アリーレンスルホニウム塩)を脱アルキル化又は脱アリール化は、例えば、以下の反応式で表されるように進行すると考えられる。
Figure 2019048995
かかる工程では、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤を使用することができる。脱アルキル化剤又は脱アリール化剤は、求核剤又は還元剤を含む。求核剤としては、含窒素芳香族化合物、アミン化合物、アミド化合物等を用いることができる。還元剤としては、金属カリウム、金属ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ヒドラジン等を用いることができる。これらの化合物は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
芳香族化合物としては、ピリジン、キノリン、アニリン等が挙げられる。これらの化合物のうち、汎用化合物であるピリジンが好ましい。
アミン化合物としては、トリアルキルアミン、アンモニア等が挙げられる。
アミド化合物としては芳香族アミド化合物、脂肪族アミド化合物を用いることができる。脂肪族アミド化合物は、例えば、下記一般式(30)で表される化合物で表される。
Figure 2019048995
一般式(30)中、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、R11とR13は結合して環状構造を形成していてもよい。炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
一般式(30)で表される化合物は、例えば、下記反応式で表されるようにして、スルホニウム塩の硫黄原子と結合するアルキル基又アリール基を脱アルキル化又は脱アリール化する、脱アルキル化又は脱アリール化剤として機能すると考えられる。
Figure 2019048995
さらに、当該脂肪族アミド化合物は、芳香族アミド化合物に比べ水への混和性が高く、反応混合物の水洗によって容易に除去可能である。このため、芳香族アミド化合物を用いた場合に比べ、ポリアリーレンスルフィド樹脂中の脂肪族アミド化合物の残存量を低減することができる。
このように脂肪族アミド化合物を脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として用いると、樹脂加工する際などのガス発生を抑制し、ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の品質向上や作業環境の改善、さらには金型のメンテナンス性を向上させることができるため好ましい。また、脂肪族アミド化合物は有機化合物の溶解性にも優れることから、当該脂肪族アミド化合物の使用は、反応混合物からポリアリーレンスルフィドのオリゴマー成分を容易に除去することも可能にする。その結果、ガス発生の一因にもなり得る当該オリゴマー成分を、当該脂肪族アミド化合物により除去することで、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の品質を相乗的に向上させ得ることができる。
このような脂肪族アミド化合物としては、例えば、ホルムアミド等の1級アミド化合物、β−ラクタム等の2級アミド化合物、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素等の3級アミド化合物等を用いることができる。脂肪族アミド化合物は、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の溶解性及び水への溶解性の観点から、R12及びR13が脂肪族基である脂肪族3級アミド化合物を含むことが好ましく、3級アミド化合物の中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
脂肪族アミド化合物は、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として機能するほか、溶解性に優れることから反応溶媒として用いることもできる。よって、脂肪族アミド化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の総量に対し、下限が1.00当量以上の範囲であることが好ましく、1.02当量以上の範囲であることがより好ましく、1.05当量以上の範囲であることがさらに好ましい。脂肪族アミド化合物の使用量が、1.00当量以上であれば、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)の脱アルキル化又は脱アリール化を充分に行うことができる。一方、上限は100当量以下であることが好ましく、10当量以下であることがより好ましい。反応溶媒として脂肪族アミド化合物のみを用いてもよいし、これとトルエン等の他の溶媒を併用してもよい。
本実施形態に係るポリ(アリーレンスルホニウム塩)と脂肪族アミド化合物とを反応させる際の条件は、脱アルキル化又は脱アリール化が適切に進行するように、適宜調整することができる。反応温度は、50〜250℃の範囲であることが好ましく、80〜220℃の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係るポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を水、水溶性溶媒又はこれらの混合溶媒で洗浄する工程を更に含んでもよい。このような洗浄工程を含むことにより、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂に含まれる脱アルキル化剤又は脱アリール化剤等の残存量をより確実に低減することができる。この傾向は、脱アルキル化剤又は脱アリール化剤として、脂肪族アミド化合物を使用した際に、顕著となる。
洗浄工程を経ることにより、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量をより確実に低減することが可能である。樹脂中の脱アルキル化剤又は脱アリール化剤の残存量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂と脱アルキル化剤又は脱アリール化剤等の他の成分とを含む樹脂の質量を基準として、1000ppm以下の範囲であることが好ましく、700ppm以下の範囲であることがより好ましく、100ppm以下の範囲であることがさらに好ましい。1000ppm以下とすることにより、得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の品質に対する実質的な影響を低減できる。
かかる洗浄工程において使用する溶媒は、特に制限されるものではないが、未反応物を溶解させるものであることが好ましい。溶媒としては、例えば、水、塩酸水溶液、酢酸水溶液、シュウ酸水溶液、硝酸水溶液、等の酸性水溶液、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒等、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒等、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の含ハロゲン溶剤などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒のうち、反応試薬の除去及び樹脂のオリゴマー成分の除去の観点から、水、N−メチルピロリドンが好ましい。
本実施形態に係る製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂は、下記一般式(20)で表される構成単位を有する。
Figure 2019048995
一般式(20)中、R2b、Ar、Ar、Ar3b及びZは、一般式(10)のR2b、Ar、Ar、Ar3b及びZと同様に定義される。また、一般式(20)において、Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、且つR2bが直接結合であるとき、Zは、直接結合、−CO−、−SO−又は−C(CF−であるとしてもよく、Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、R2bが−Ar−、且つArが1,4−フェニレン基であるとき、Zは、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−であるとしてもよい。
一般式(20)で表される構成単位において、Ar、Ar、Ar3b及びArの結合の態様は特に制限されるものではなく、一般式(1)、(3)、(4)のAr及びArの結合の態様と同様の考えを適用し得る。
Ar、Ar、Ar3b及びArで表されるアリーレン基が置換基を有する場合、置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基又はスルホ基であることが好ましい。ただし、Ar、Ar、Ar及びArが置換基を有するアリーレン基である一般式(20)の構成単位の割合は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の結晶化度及び耐熱性の低下を抑制する観点から、ポリアリーレンスルフィド樹脂全体の10質量%以下の範囲であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
上記ポリアリーレンスルフィド樹脂が有する構成単位は、樹脂の使用の目的等に合わせて、例えば、一般式(1)で表されるスルホキシドと一般式(2)で表される芳香族化合物との組み合わせを変更することにより、適宜選択することができる。
本実施形態の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量は、9000以上の範囲であることが好ましく、11000以上の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲にあることにより、より優れた耐熱性や機械特性を発揮する。重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される値のことを示す。なお、ゲル浸透クロマトグラフィーの測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。ただし、重量平均分子量の測定値に実質的な影響を及ぼさない範囲で、測定条件を適宜変更することは可能である。
本実施形態の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の融点は、100〜400℃の範囲であることが好ましく、150〜300℃の範囲であることがより好ましい。樹脂の融点は、DSC装置により測定される値のことを示す。
本実施形態に係る製造方法により得られる、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、他の成分と組み合わせて、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物として利用することができる。他の成分としては、例えば、無機質充填剤や、熱可塑性樹脂、エラストマー、及び架橋性樹脂から選ばれる、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の樹脂等を使用することができる。
無機質充填剤としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状充填剤、タルク、マイカ等の板状充填剤、ガラスビーズ、シリカビーズ、ガラスバルーン等の粒状充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト繊維等の繊維状充填剤、並びにガラスフレークが挙げられる。これらの無機質充填剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。無機質充填剤が配合されることにより、高剛性、高耐熱安定性の組成物が得られる。ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラック、及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機質充填剤を含有することが特に好ましい。
無機質充填剤の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは5〜200質量部の範囲、さらに好ましくは15〜150質量部の範囲である。無機質充填剤の含有量がこれらの範囲にあることにより、成形品の機械的強度保持の点でより優れた効果を得ることができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、エラストマー、及び架橋性樹脂から選ばれる、ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の樹脂を含有してもよい。これら樹脂は、無機質充填剤とともに樹脂組成物中に配合することもできる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、シリコーン樹脂、及び液晶ポリマー(液晶ポリエステル等)が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドは、アミド結合(−NHCO−)を有するポリマーである。ポリアミド樹脂としては、例えば、(i)ジアミンとジカルボン酸の重縮合から得られるポリマー、(ii)アミノカルボン酸の重縮合から得られるポリマー、(iii)ラクタムの開環重合から得られるポリマー等が挙げられる。
ポリアミドを得るためのジアミンの例としては、脂肪族系ジアミン、芳香族系ジアミン、及び脂環族系ジアミン類が挙げられる。脂肪族系ジアミンとしては、直鎖状又は側鎖を有する炭素原子数3〜18のジアミンが好ましい。好適な脂肪族系ジアミンの例としては、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−炭素原子数テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカンメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,14−テトラデカメチレンジアミン、1,15−ペンタデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,17−ヘプタデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系ジアミンとしては、フェニレン基を有する炭素原子数6〜27のジアミンが好ましい。好適な芳香族系ジアミンの例としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4'−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ベンジジン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3',5,5'−テトラメチルジフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、及び2,2'−ジメチルベンジジンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環族系ジアミンとしては、シクロヘキシレン基を有する炭素数4〜15のジアミンが好ましい。好適な脂環族系ジアミンの例としては、4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシレンメタン、4,4'−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、及びピペラジンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドを得るためのジカルボン酸としては、脂肪族系ジカルボン酸、芳香族系ジカルボン酸、及び脂環族系ジカルボン酸を挙げることができる。
脂肪族系ジカルボン酸としては、炭素原子数2〜18の飽和又は不飽和のジカルボン酸が好ましい。好適な脂肪族系ジカルボン酸の例としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、マレイン酸、及びフマル酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族系ジカルボン酸としては、フェニレン基を有する炭素原子数8〜15のジカルボン酸が好ましい。好適な芳香族系ジカルボン酸の例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、及び1,4−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の多価カルボン酸を、溶融成形可能な範囲内で用いることもできる。
アミノカルボン酸としては、炭素原子数4〜18のアミノカルボン酸が好ましい。好適なアミノカルボン酸の例としては、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、及び18−アミノオクタデカン酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミドを得るためのラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ζ−エナントラクタム、及びη−カプリルラクタムが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好ましいポリアミドの原料の組み合わせとしては、ε−カプロラクタム(ナイロン6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン6,6)、1,4−テトラメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン4,6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,9−ノナメチレンジアミン/1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、及びm−キシリレンジアミン/アジピン酸が挙げられる。これらの中でも、1,4−テトラメチレンジアミン/アジピン酸(ナイロン4,6)、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸、1,9−ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム、又は1,9−ノナメチレンジアミン/1,6−ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸から得られるリアミド樹脂が更に好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは3〜100質量部の範囲、さらに好ましくは5〜45質量部の範囲である。ポリアリーレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量がこれらの範囲にあることにより、耐熱性、耐薬品性及び機械的物性の更なる向上という効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合されるエラストマーとしては、熱可塑性エラストマーが用いられることが多い。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマー及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。なお、本明細書において、熱可塑性エラストマーは、前記熱可塑性樹脂ではなくエラストマーに分類される。
エラストマー(特に熱可塑性エラストマー)は、ポリアリーレンスルフィド樹脂がカルボキシル基等の官能基を有する場合、これと反応し得る官能基を有することが好ましい。これにより、接着性及び耐衝撃性等の点で特に優れた樹脂組成物を得ることができる。かかる官能基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基、及び、式:R(CO)O(CO)−又はR(CO)O−(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される基が挙げられる。かかる官能基を有する熱可塑性エラストマーは、例えば、α−オレフィンと前記官能基を有するビニル重合性化合物との共重合により得ることができる。α−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン及びブテン−1等の炭素原子数2〜8のα−オレフィン類が挙げられる。前記官能基を有するビニル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等のα、β−不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びその他の炭素原子数4〜10のα、β−不飽和ジカルボン酸及びその誘導体(モノ若しくはジエステル、及びその酸無水物等)、並びにグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ基、カルボキシ基、及び、式:R(CO)O(CO)−又はR(CO)O−(式中、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体が、靭性及び耐衝撃性の向上の点から好ましい。
エラストマーの含有量は、その種類、用途により異なるため一概に規定することはできないが、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して好ましくは1〜300質量部の範囲、より好ましくは3〜100質量部の範囲、さらに好ましくは5〜45質量部の範囲である。エラストマーの含有量がこれらの範囲にあることにより、成形品の耐熱性、靭性の確保の点でより一層優れた効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に配合される架橋性樹脂は、2以上の架橋性官能基を有する。架橋性官能基としては、エポキシ基、フェノール性水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシ基、酸無水物基、及びイソシアネート基などが挙げられる。架橋性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、芳香族系エポキシ樹脂が好ましい。芳香族系エポキシ樹脂は、ハロゲン基又は水酸基等を有していてもよい。好適な芳香族系エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、及びビフェニルノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの芳香族系エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら芳香族系エポキシ樹脂の中でも特に、他の樹脂成分との相溶性に優れる点から、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
架橋性樹脂の含有量は、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは3〜100質量部、更に好ましくは5〜30質量部の範囲である。架橋性樹脂の含有量がこれら範囲にあることにより、成形品の剛性及び耐熱性の向上という効果が特に顕著に得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、官能基を有するシラン化合物を含有することができる。係るシラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
シラン化合物の含有量は、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲、好ましくは0.1〜5質量部の範囲である。シラン化合物の含有量がこれらの範囲にあることにより、ポリアリーレンスルフィド樹脂と他の成分との相溶性向上という効果が得られる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤及び滑剤等のその他の添加剤を含有してもよい。添加剤の含有用は、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の範囲である。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(溶融重合の反応生成物)と、その他の成分とを溶融混練する方法により、ペレット状のコンパウンド等の形態で得ることができる。溶融混錬の温度は、例えば、250〜350℃の範囲である。溶融混錬の時間は、例えば、5〜30秒である。溶融混錬は、2軸押出機等を用いて行うことができる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、単独で又は他の材料と組み合わせて、射出成形、押出成形、圧縮成形及びブロー成形のような各種溶融加工法により、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形品に加工することができる。本実施形態に係る製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂又はこれを含む樹脂組成物は、加熱されたときのガス発生量が少ないことから、高品質の成形品の容易な製造が可能となる。
本発明の製造方法により得られるポリアリーレンスルフィド樹脂又は該樹脂を含む樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の本来有する耐熱性、寸法安定性等の諸性能も具備しているので、例えば、コネクタ、プリント基板及び封止成形品等の電気・電子部品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品などの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくはコンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維若しくはフィルム用の材料として幅広く有用である。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例では、下記の試薬を使用した。
ビス[4−(メチルチオ)フェニル]スルフィド:シグマアルドリッチ製 製品番号S203815−25MG
硝酸(1.38):和光純薬工業(株)製、試薬特級、含量60〜61%、密度1.38g/mL
ジフェニルエーテル:和光純薬工業(株)製、和光特級
臭素:和光純薬工業(株)製、試薬特級
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製、2.6mol/L、n−ヘキサン溶液
ジメチルジスルフィド:和光純薬工業(株)製、和光1級
ジフェニルスルフィド:和光純薬工業(株)製、和光特級
ジフェニルエーテル:和光純薬工業(株)製、和光特級
ビフェニル:和光純薬工業(株)製、和光特級
トリフルオロメタンスルホン酸:和光純薬工業(株)製、和光特級
メタンスルホン酸:和光純薬工業(株)製、和光特級
酸化リン(v)(五酸化二リン):和光純薬工業(株)製、和光1級
1.評価法
1−1.同定方法(H−NMR)
BRUKER製DPX−400の装置にて、各種重溶媒に溶解させて測定した。
1−2.同定方法(GC−MS)
島津製作所製GCMS−QP2010を用いて測定した。
1−3.5%重量減少温度
TG−DTA装置(株式会社リガク TG−8120)を用いて、20mL/minの窒素流下、20℃/minの昇温速度で測定を行い、5%重量減少温度を測定した。
1−4.融点
パーキンエルマー製DSC装置 Pyris Diamondを用いて、50mL/minの窒素流下、20℃/minの昇温条件で40〜350℃まで測定を行い、融点を求めた。
1−5.重量平均分子量
センシュー科学製高温ゲルパーミエーションクロマトグラフSSC−7000を用いて測定した。平均分子量は標準ポリスチレン換算で算出した。
溶媒:1−クロロナフタレン
投入口:250℃
温度:210℃
検出器:UV検出器(360nm)
サンプル濃度:1g/L
流速:0.7mL/min
2−モノマーの合成
(実施例1)
Figure 2019048995

10Lの3つ口フラスコに、ビス[4−(メチルチオ)フェニル]スルフィド20.0[g]、ジクロロメタン5[L]を加えて溶解させ、氷浴にて冷却した。硝酸(1.38)14[mL]を少しずつ滴下し、室温下で72時間攪拌した。炭酸カリウム水溶液で中和して、ジクロロメタンにて抽出/分液操作を行い、有機層を回収した。無水硫酸マグネシウムにて有機層を乾燥した。ろ過後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することで粗生成物を得た。酢酸エチルを展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーによって分離し、目的生成物を回収し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することでビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルフィド6.7g(収率30%)を得た。H−NMR測定及びGC−MS測定により目的物が得られたことを確認した。
H−NMR(溶媒CDCl):2.75、7.49、7.61[ppm]
GC−MS:m/z 310
(実施例2)
Figure 2019048995

5Lの3つ口フラスコに、ジフェニルエーテル80.0[g]を入れ、ジクロロメタン2[L]を溶媒として溶解させた。氷浴にて冷却した後、臭素129[mL]をゆっくりと滴下した。滴下後、室温下で72時間攪拌した。反応溶媒に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し反応を停止させた。有機相をジクロロメタンで抽出/分液操作を行い、有機層を回収した。後に無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。ろ過後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除いた後、減圧乾させることで4,4’−ジブロモジフェニルエーテル80.2[g](収率52%)を得た。
H−NMR(溶媒CDCl):6.88、7.44[ppm]
GC−MS:m/z 328
3Lの3つ口フラスコに、上記4,4’−ジブロモジフェニルエーテル75.0[g]を入れ、窒素雰囲気下にして、乾燥テトラヒドロフラン900[mL]を加えて溶解させ、−50℃まで冷却した。n−ブチルリチウム溶液2.6[mol/L]のヘキサン溶液を440[mL]を加えて、30分攪拌した後に、ジメチルジスルフィド102[mL]を加えて、24時間攪拌した。反応溶液に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、有機層をジエチルエーテルで抽出、水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を除いた後、減圧乾燥することでビス[4−(メチルチオ)フェニル]エーテル36.0[g](収率60%)を得た。
H−NMR(溶媒CDCl):2.48、6.94、7.26[ppm]
5Lの3つ口フラスコに、ビス[4−(メチルチオ)フェニル]エーテル20.0[g]を入れ、ジロロメタン5[L]を加えて溶解させ、氷浴にて冷却した後、硝酸(1.38)15[mL]を少しずつ滴下し、室温下で72時間攪拌した。炭酸カリウム水溶液で中和して、ジクロロメタンにて抽出/分液後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液をロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することで粗生成物を得た。クロロホルム/メタノール=10/1(体積比)の展開溶媒を用いて、カラムクロマトグラフィーによって分離し、目的生成物を回収し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。得られた溶液を減圧乾燥することでビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]エーテル9.4[g](収率42%)を得た。H−NMR測定及びGC−MS測定により目的物が得られたことを確認した。またハロゲンである臭素が無いことをSEM−EDS(日本電子 JSM−6360A)で確認した。
H−NMR(溶媒CDCN):2.76、7.18、7.68[ppm]
GC−MS:m/z 294
3−ポリアリーレンスルフィド樹脂の合成
(実施例3)
Figure 2019048995

500mLのセパラブルフラスコにビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルフィド0.932[g]を入れ、窒素雰囲気下にし、ジフェニルスルフィド0.560[g]を加え、氷浴にて冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸5[mL]をゆっくり滴下した。室温まで昇温し、20時間攪拌した。反応溶液を水に入れて、10分攪拌した後、ろ過した後、水洗後ろ過し、固体を回収した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、減圧乾燥することで、ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.25[g](収率99%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸によってイオン交換後、重DMSOに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(溶媒重DMSO):3.27、3.93、7.76、8.19[ppm]
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.00[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することにより、ポリフェニレンスルフィド0.64[g](収率56%)を得た。重量平均分子量20000、融点278℃、5%重量減少温度478℃であった。
(実施例4)
Figure 2019048995

ジフェニルスルフィドに代えて、ジフェニルエーテル0.511[g]を用いた以外は、実施例3と同様にして、ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.19[g](収率98%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸によってイオン交換後、重酢酸に溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(溶媒重酢酸):3.17、3.92、7.61、7.87、8.08、8.18[ppm]
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.00[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することにより、ポリ[(フェニレンエーテル)−(フェニレンスルフィド)]0.54[g](収率48%)を得た。重量平均分子量12000、融点229℃、5%重量減少温度491℃であった。
(実施例5)
Figure 2019048995

ジフェニルスルフィドに代えて、ビフェニル0.463[g]を用いた以外は、実施例3と同様にして、ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−ビフェニル)スルホニウム]2.08[g](収率95%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸によってイオン交換後、重アセトニトリルに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
1H−NMR(重アセトニトリル):3.32、3.58、7.45、7.66、7.78、7.95[ppm]
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−ビフェニル)スルホニウム]1.80[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することにより、ポリ[(フェニレンスルフィド)−(ビフェニレンスルフィド)]0.87[g](収率88%)を得た。重量平均分子量18000、融点325℃、5%重量減少温度505℃であった。
(実施例6)
トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、メタンスルホン酸5[mL]と酸化リン1[g]を用いた以外は実施例3と同様にして、ポリ[メタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]1.76[g](収率90%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、重DMSOに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(重DMSO):3.27,3.93,7.76,8.19[ppm]
ポリ[メタンスルホン酸メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]1.50[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し72時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することで、ポリフェニレンスルフィド0.60[g](収率60%)を得た。重量平均分子量60000、融点278℃、5%重量減少温度478℃であった。
(実施例7)
Figure 2019048995

ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルフィドに代えて、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]エーテル0.885[g]を用いた以外は実施例3と同様にして、ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.15[g](収率95%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸に投入してイオン交換後、重酢酸に溶解させたものについてH−NMR測定し、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(溶媒重酢酸):3.17、3.92、7.61、7.87、8.08、8.18[ppm]
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム−4’−メチル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム]2.0[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することで、ポリ[(フェニレンエーテル)−(フェニレンスルフィド)]0.50[g](収率45%)を得た。重量平均分子量18000、融点225℃、5%重量減少温度489℃であった。
(実施例8)
Figure 2019048995

ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]スルフィド及びジフェニルスルフィドに代えて、ビス[4−(メチルスルフィニル)フェニル]エーテル0.885[g]、ジフェニルエーテル0.511[g]を用いた以外は実施例3と同様にして、ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム]2.15[g](収率98%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸に投入してイオン交換後、重アセトニトリルに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(溶媒CDCN):3.33、3.58、7.36、7.94[ppm]
ポリ[トリフルオロメタンスルホン酸メチル(4−フェニルオキシフェニル)スルホニウム]2.0[g]を100mLナスフラスコに入れ、ピリジン100[mL]を加えて、室温で30分攪拌した後に、110℃に昇温し20時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、析出物をろ過にてろ別し、クロロホルム、NMP、水で洗浄した。洗浄後、固体を減圧乾燥することで、ポリ[(フェニレンエーテル)−(フェニレンスルフィド)]0.44[g](収率40%)を得た。重量平均分子量22000、融点190℃、5%重量減少温度515℃であった。
(比較例1)
Figure 2019048995

500mLセパラブルフラスコに1,4−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼン2.00[g]を入れ、窒素雰囲気下、ジフェニルスルフィド1.84[g]と五酸化二リン3.0[g]を加えて、氷浴にて冷却した。その後、トリフルオロメタンスルホン酸30[mL]をゆっくり滴下した。0℃で1時間滴下した後、室温で24時間攪拌した。反応溶液にジエチルエーテルを添加し、ろ過することでポリ[メチルスルフォニオ−1,4−フェニレンメチルスルフォニオ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンビストリフラート]5.5[g](収率85%)を得た。
分析用にサンプルの少量を分取し、過剰のメタンスルホン酸によってイオン交換後、重DMSOに溶解させたものについてH−NMR測定を行うことにより、目的物が合成されていることを確認した。
H−NMR(重DMSO):3.27、3,83、7.83、8.35[ppm]
ポリ[メチルスルフォニオ−1,4−フェニレンメチルスルフォニオ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンビストリフラート]5.0[g]を500mLナスフラスコに入れ、ピリジン200mLを加えて、110℃に昇温し2時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後に、水に投入し、塩酸で洗浄し、水洗した。洗浄後、固体を減圧乾燥することにより、ポリフェニレンスルフィド1.7[g](収率70%)を得た。重量平均分子量8000、融点278℃、5%重量減少温度450℃であった。
実施例1,2で合成されたスルホキシド化合物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法に使用できることが確認された。実施例3〜8のように、スルホキシドと芳香族化合物との組み合わせを変更することにより、種々の構造単位を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を製造することができることが確認された。また、実施例3〜8の製造方法によれば、比較例1の製造方法に比べ、より高い分子量のポリアリーレンスルフィド樹脂を製造可能であることが確認された。

Claims (2)

  1. 下記一般式(20)で表される構成単位を有する、ポリアリーレンスルフィド樹脂。
    Figure 2019048995

    (式中、R2bは、直接結合、−Ar−、−CO−Ar−又は−C(CF−Ar−を表し、Ar、Ar、Ar3b及びArは、それぞれ独立に、フェニレン、ナフチレン、及びビフェニレンから選ばれるいずれか1つを表し、Zは、直接結合、−S−、−O−又は−C(CF−を表し、
    Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、且つR2bが直接結合であるとき、Zは、直接結合又は−C(CF−であり、
    Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、R2bが−Ar−、且つArが1,4−フェニレン基であるとき、Zは、−S−、−O−又は−C(CF−である。)
  2. 下記一般式(10)で表される構成単位を有する、ポリ(アリーレンスルホニウム塩)。
    Figure 2019048995

    (式中、Rは、炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R2bは、直接結合、−Ar−、−CO−Ar−、−SO−Ar−又は−C(CF−Ar−を表し、Ar、Ar、Ar3b及びArは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、Zは、直接結合、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−を表し、Xは、アニオンを表し、
    Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、且つR2bが直接結合であるとき、Zは、直接結合、−CO−、−SO−又は−C(CF−であり、
    Ar、Ar及びAr3bが1,4−フェニレン基、R2bが−Ar−、且つArが1,4−フェニレン基であるとき、Zは、−S−、−O−、−CO−、−SO−又は−C(CF−である。)
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