JP2015043334A - 走査型電子顕微鏡及び試料観察方法 - Google Patents

走査型電子顕微鏡及び試料観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走査型電子顕微鏡を用いた観察において、一次荷電粒子線照射起因帯電の影響を抑制し、二次電子の検出率を向上させることで二次元パターンの輪郭のコントラストを向上させると共にシェーディングを抑制できる好適な走査装置及び方法を提供する。【解決手段】GUIと、試料に関する情報を入力する試料情報入力手段と、該試料情報入力手段により入力することによって推奨走査条件が前記GUIに表示する表示手段と、該推奨走査条件を選択することによって前記試料に応じた走査線密度で走査することを特徴とする走査型電子顕微鏡。【選択図】 図5

Description

本発明は、荷電粒子線を用いて試料を観察する走査型荷電粒子顕微鏡において、荷電粒子線照射により試料から放出される電子を検出・画像化し、それを基に、試料の形状や組成を観察する方法及びそれらのための走査型荷電粒子顕微鏡に関する。
半導体デバイスの集積化とそれに伴うプロセスマージンの狭小化により、超微細パターンを観察する走査型電子顕微鏡をベースとした検査・計測装置に対して、従来のライン及びスペース計測(一次元測長)に加え、コンタクトホールや配線パターンなどの二次元寸法計測のニーズも高まっている。
しかし、従来技術では、レジストやSiO2などの絶縁材料からなる微細パターンをSEM観察する場合、そのパターンの輪郭線強度は電子線走査方向に依存する(電子線走査方向に平行するパターンエッジの強度は低下し、)。これは、電子線照射により試料が帯電することに起因しており、よって、画像において形状歪みや明るさムラが生じる。図1に画像を取得する際の電子線の視野内走査法の一例を示す。この走査法で得られたレジストパターン(図2(a))の画像を図2(b)に示す。レジストのエッジの輪郭線強度およびラインプロファイルが電子線走査方向に依存し、場合によっては、電子線走査方向に平行な輪郭線(平行エッジ)が消失してしまうことがある。この画像を用いてパターン輪郭線を抽出すると、図2(c)に示したように、輪郭データで欠損(パターン輪郭消失)や誤抽出(ゴースト発生すなわち本来パターンがないはずのところにラインが検出される)が生じてしまう。その結果、輪郭線情報に基づく試料上パターンの本来の加工寸法や形状を測定することが困難になっている。
この原因として、試料表面の帯電状態が電子線走査とパターンエッジの相対方向によって異なることが挙げられる。図3に示すように、パターンエッジに対して平行に電子線を走査した場合(図3(a))は、垂直に走査した場合(図3(b))よりも前走査ラインで生成した正帯電が強く、電子ビーム照射により発生した二次電子が試料表面に引き戻される確率が高くなる。これにより、画像上輪郭線強度が低減しパターンの輪郭が抽出できなくなり、パターンの寸法や形状計測の障害となっている。
上記障害を抑制するには、電子線照射帯電の影響を抑制する必要がある。従来、電子線照射起因帯電を抑制するには、以下のような方法が開示されている。例えば、特許文献1には、試料近辺に不活性ガスを導入し、一次電子線照射によりイオン化させ、画像撮影時試料表面発生した帯電を中和することが記載されている。特許文献2には、画像取得の各フレームの合間にフラッドガンや一次電子線(画像取得時と異なる照射エネルギー)照査により照射帯電中和することが記載されている。また、特許文献3、4、5には、一次電子線がパターンエッジに垂直または斜め走査するように電子線の走査方向を制御することによる照射帯電の影響を抑制することが記載されている。さらに、特許文献6には、視野内一次電子線の走査間隔を観察試料毎に最適化する方法がある。
特許第4057653号公報 米国特許第7488938号明細書 米国特許第6879719号明細書 米国特許第7439503号明細書 米国特許第6710342号明細書 特開2008−123716号公報
一般的に、非金属材料を含む試料の電子線照射起因帯電量及び分布は、次の要因に大きく依存することが知られている。
(1)試料の電子線照射する前の初期帯電状態:帯電量、分布
(2)一次電子のエネルギー、プローブ電流、観察視野、照射時間、電子線照射による試料の二次電子/後方散乱電子イールド。電子線の視野内各照射位置の順番。
(3)電子線照射起因非金属材料表面/バルクの電子・ホールの移動、拡散、再結合
(4)観察時試料周辺領域の電場/磁場分布
特許文献1には、不活性ガスから生成したイオンや電子を利用し、試料表面の電荷と再結合することにより、一次電子線照射起因帯電をリアルタイムに抑制することを図ることが記載されている。しかしながら、この場合、一次電子は、不活性ガスとの衝突により、ビーム径が太くなり画像の面分解能が低下する問題点がある。
また、特許文献2には、フラッドガンや一次電子線を用いて画像取得のためのフレーム照射の前に試料の初期帯電状態をリセットすることを図るものである。しかしながら、この場合、フラッドガンや一次電子線照射で試料電位を正確に制御することが困難である。また、これによって画像取得のスループットを低下させてしまう問題点がある。
特許文献3、特許文献4、特許文献5には、電子線がパターンエッジに平行に走査しないことで、二次電子と試料表面の電荷のクーロン力を抑制し、エッジからの二次電子信号の検出率を改善することを図るものである。しかしながら、上記走査方向の決定に、事前に画像の取得し、パターンエッジを抽出する工程が必要で、画像取得のスループットを低下させてしまう問題点がある。また、寸法が小さく、形状が複雑なパターンに高精度が画像を取得するには、電子線が走査時の位置制御が困難である。
特許文献6には、エネルギーフィルタを用いて二次電子のエネルギーを弁別し、得られる電子収量の変化から試料電位の変動を測定し、電子ビーム照射時に形成される帯電の時定数を抽出する。抽出した時定数を基にインターレス走査の走査間隔を最適化し、画像に現れる歪みや倍率変動を抑制するものであるこの方法でも一定の効果は得られるが、LSIパターンの微細化やパターン形状の複雑化に対して、SEM像においてエッジ強度の向上及びシェーディング抑制にはまだ不十分であることを実験で確認した。シェーディングは、ゴーストと同じことである。
本発明の目的は、走査型電子顕微鏡を用いた観察において、一次荷電粒子線照射起因帯電の影響を抑制し、二次電子の検出率を向上させることで二次元パターンの輪郭のコントラストを向上させると共にシェーディングを抑制できる好適な走査装置及び方法を提供するものである。
本発明は、試料上の二次元領域に対し、電子線を走査して走査領域の画像を形成する走査型電子顕微鏡において、前記試料に応じて走査線密度を変化させて走査することを特徴とする。
また、本発明は、GUIと、試料に関する情報を入力する試料情報入力手段と、該試料情報入力手段により入力することによって推奨走査条件が前記GUIに表示する表示手段と、該推奨走査条件を選択することによって前記試料に応じた走査線密度で走査することを特徴とする。
さらに、前記試料の電気特性を測定する手段と、測定された前記電気特性に基づいて前記走査線密度を変化させて走査することを特徴とする。
さらに、電気特性に基づいて、走査する複数の走査線の走査順序と前記走査線間を走査する時間間隔のうち少なくとも1つを制御して走査することを特徴とする。
さらに、電気特性は、電子線を前記試料に照射することで前記試料から放出される二次荷電粒子の強度の時間変化に基づいて算出された前記試料の帯電緩和時定数であることを特徴とする。
さらに、さらに、電気特性は、電子線を前記試料の複数箇所に照射することで前記試料から放出
される二次荷電粒子の強度の時間変化に基づいて算出された前記試料の帯電緩和時定数であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、前記電子線の走査速度又は/及び前記電子線の電流を制御することを特徴とする。
さらに、走査線密度は、7.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、3.52×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、3.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、画像から(信号/ノイズ)を算出し、算出された値に応じてフレーム数を算出することを特徴とする。
さらに、焦点又は非点補正量を算出し、荷電粒子光学系にフィードバックすることを特徴とする。
また、本願発明は、試料上の二次元領域に対し、電子線を走査して走査領域の画像を形成する試料観察方法において、前記試料に応じて走査線密度を変化させて走査することを特徴とする。
さらに、試料の電気特性を測定し、測定された前記電気特性に基づいて前記走査線密度を変化させて走査することを特徴とする。
さらに、電気特性に基づいて、走査する複数の走査線の走査順序と前記走査線間を走査する時間間隔のうち少なくとも1つを制御して走査することを特徴とする。
さらに、電気特性は、電子線を前記試料に照射することで前記試料から放出される二次荷電粒子の強度の時間変化に基づいて算出された前記試料の帯電緩和時定数であることを特徴とする。
さらに、電気特性は、電子線を前記試料の複数箇所に照射することで前記試料から放出される二次荷電粒子の強度の時間変化に基づいて算出された前記試料の帯電緩和時定数であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、前記電子線の走査速度又は/及び前記電子線の電流を制御することを特徴とする。
さらに、走査線密度は、7.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、3.52×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、走査線密度は、3.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする。
さらに、画像から(信号/ノイズ)を算出し、算出された値に応じてフレーム数を算出することを特徴とする。
さらに、焦点又は非点補正量を算出し、荷電粒子光学系にフィードバックすることを特徴とする。
本発明によれば、走査型電子顕微鏡を用いた観察において、一次荷電粒子線照射起因帯電の影響を抑制し、二次電子の検出率を向上させることで二次元パターンの輪郭のコントラストを向上させると共にシェーディングを抑制できる好適な走査装置及び方法を提供することができる。
インターレス走査 走査方法を用いたレジスト間隙パターンの輪郭抽出例 電子ビームのパターンエッジに対する走査方向と帯電分布、二次電子軌道への影響の説明図 非金属材料表面上チャージによるクーロン力作用の説明図 実施例1の装置構成の説明図 帯電領域の画像輝度の時間変化から帯電緩和時定数を抽出する説明図 一次電子線走査方法を決定するまでの構成図 実施例1における画像取得ためのシーケンス 実施例2の装置構成の説明図 実施例2における画像取得ためのシーケンス 実施例3における画像取得ためのシーケンス 実施例4における画像取得ためのシーケンス 実施例5における画像取得ためのGUI 実施例6における電子線入射線密度と2次信号検出効率の関係を示す図。
以下、本発明の実施形態について添付図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明による実施形態は、本発明を実現する上での一例に過ぎず、本発明は、これによって限定されるものではない。
本発明の実施形態では、試料の電子線照射起因帯電緩和特性(時定数)を測定し、その結果を基に、電子線照射帯電の影響を抑制する電子線の照射方法を決定する方法及びそれを備えた走査型電子顕微鏡を提供する。
電子線照射起因試料から放出する二次電子及び後方散乱電子の挙動は、照射領域近辺試料の帯電量及び分布に大きく左右される。特に2次信号の大半を占める二次電子の運動エネルギーが小さい(数eV)ため、試料に蓄積した電荷とのクーロン力により軌道が大きく変化する。照射位置の二次電子が受けるクーロン力は、次のように考える。
図4に示したx軸上( x = ±l )一様な電荷(電荷線密度λ0)がSi基板上の絶縁膜表面に分布する場合、位置(0 y 0)の電位を式(1)で算出した。
Figure 2015043334
ここで、λ0:電子線照射直後試料表面電荷の線密度(C/m):
Figure 2015043334
Figure 2015043334
2l:視野のサイズ(m)、h:絶縁膜の膜厚(m)
同様に、位置(0 y 0)での電界強度Eyは、式(2)であらわすことができる。
Figure 2015043334
式(2)、(3)、(4)によれば、上記二次電子の軌道を影響するクーロン力抑制するには、一次荷電粒子線走査線密度λ入射を低減することが有効である。
本発明による試料の観察方法は、一次荷電粒子線が試料に照射する際の走査線密度λ入射を7.20×10−19 (C/nm)以下にするとスループットが向上し横のラインが見えるようになる。望ましいのは3.52×10−19 (C/nm)以下に低減するように一次荷電粒子線の走査条件を決定するとスループットが向上し横のラインがより明確になり縦のラインと同じコントラストになることを実験により確認した。
さらに、一般的に試料の材料、構造によって、電子線の照射に起因する帯電電荷の交換時間変化が異なる。上記二次電子と試料帯電の相互クーロン作用を抑制するには、原理的に試料毎に帯電の時間変化を測定し、それに応じて最適な走査方法を選択する必要がある。そこで、本発明による試料の観察方法は、エネルギーフィルタを用いて、一次荷電粒子線照射により試料から放出した二次電子のエネルギーを分光し、特定のエネルギーを持つ二次電子の強度の時間変化から試料の帯電緩和時定数を算出する手段と、算出した時定数を基に一次荷電粒子線の試料上走査する順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、決定された走査走査線密度及び走査順序で試料を走査する工程を含むことを特徴とする。
本発明による走査型電子顕微鏡は、試料に一次荷電粒子線を照射し、試料から放出した二次電子及び後方散乱電子のうち少なくとも1つにより試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、一次荷電粒子線の走査線密度を7.20×10−19 (C/nm)以下、推奨値3.52×10−19 (C/nm)以下になるように一次荷電粒子線のプローブ電流及び走査速度のうち少なくとも1つを調整する手段を備え、試料を走査して観察することを特徴とする。
さらに、本発明による別の形態の走査型電子顕微鏡は、試料に一次荷電粒子線を照射し、試料から放出した二次電子及び後方散乱電子のうち少なくとも1つにより試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、一次荷電粒子線の走査線密度を7.20×10−19 (C/nm)以下、推奨値3.52×10−19 (C/nm)以下になるように一次荷電粒子線のプローブ電流及び走査速度のうち少なくとも1つを調整する手段と、試料から放出した二次電子のうち、特定値以上のエネルギーを持つ二次電子を分光するエネルギーフィルタと、前記エネルギーフィルタによって測定した二次電子信号強度の時間変化から帯電緩和時定数を抽出、記録する手段と、前記時定数を基に、一次荷電粒子線の走査順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、決定された一次荷電粒子線の走査方法で前記試料を観察することを特徴とする。
本発明によれば、一次荷電粒子線照射起因の帯電が観察中に低減され、試料から放出した二次電子又は後方散乱電子が、帯電への影響を最小限に抑制することができる。よって、非金属材料を含む2次元パターンの輪郭線強度の向上やシェーディング抑制を実現でき、より安定かつ高精度な観察ができる。
また、本発明によれば、従来の観察技術に比べ、画像を取得する際、2次信号(二次電子及び後方散乱電子)の検出効率(各画素において、2次信号強度/一次荷電粒子線の注入電子数)が高いため、より短時間で同様なシグナル/ノイズ比を持つ画像の取得が可能となり、観察の高速化にも繋がる。
本発明で提供した一次電子線走査線密度及び視野内ライン走査順序制御を用いて撮影した図2(a)に示したレジストパターンの画像を図2(d)に示す。又、その輪郭抽出結果を図2(e)に示す。二次元パターンの画像で輪郭強度の向上及びそれによる輪郭線抽出の正確性が向上したことを実験で証明した。
更なる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態及び添付図によって明らかになるものである。
〔装置の構成〕
本発明の実施形態で走査型電子顕微鏡の概略構成を図5のブロック図に示す。
陰極1と第一陽極2の間には、演算装置22で制御される高電圧制御電源13により電圧が印加され、所定のエミッション電流が陰極1から引き出される。陰極1と第二陽極3の間には演算装置22で制御される高電圧制御電源13により加速電圧が印加されるため、陰極1から放出された一次電子線4は加速されて後段のレンズ系に進行する。一次電子線4は、入力装置の指令により、集束レンズ制御電源14で制御された集束レンズ5で収束され、絞り板7で一次電子線4の不要な領域が除去され、一次電子線のプローブ電流Ipを制御する。
その後、対物レンズ制御電源15で制御された対物レンズ6により、試料8に微小スポットとして収束され、偏向器10で試料上を二次元的に走査される。偏向器10の走査信号は、入力装置19で指定された視野大きさ、走査速度、画素数を含む走査条件に応じて偏向器制御電源16により制御される。また、試料8は二次元的に移動可能な試料ステージ23上に固定されている。試料ステージ23はステージ制御部17により移動が制御される。一次電子線4の照射によって試料8から発生した二次電子9は、エネルギーフィルタの制御電源で制御されたエネルギーフィルタ26を通過し、二次電子検出器11により検出され、描画装置20は検出された2次信号を可視信号に変換して別の平面上に適宜配列するように制御を行うことで、SEM像表示装置18に試料の表面形状に対応した画像を画像として表示する。
二次電子検出器11で検出された信号は、信号アンプ28で増幅された後、描画装置20内の画像メモリに蓄積されるようになっている。画像メモリのメモリ位置に対応したアドレス信号は、演算装置22内、或いは別に設置されたコンピュータ内で生成され、アナログ変換された後に、偏向器10に供給されるX方向のアドレス信号は、例えば画像メモリが512×512画素でラスタ走査の場合、0から512を繰り返すデジタル信号であり、Y方向のアドレス信号はX方向のアドレス信号が0から512に到達したときにプラス1され、0から512の繰り返しのデジタル信号である。これがアナログ信号に変換される。
画像メモリのアドレスと電子ビームを走査するための偏向信号のアドレスが対応しているので、画像メモリには偏向器10による電子ビーム偏向領域の二次元像が記録される。なお、画像メモリ内の信号は、読み出しクロックで同期された読み出しアドレス生成回路で時系列に順次読み出すことができる。アドレスに対応して読み出された信号はアナログ変換され、画像表示装置18の輝度変調信号となる。
画像メモリには、S/N改善のため画像データを合成して記憶する機能が備えられている。例えば、8回の二次元走査で得られた画像を重ねて記憶することで、1枚の完成した像を形成する。すなわち、1回もしくはそれ以上のX−Y走査単位で形成された画像を合成して最終的な画像を形成する。1枚の完成した画像を形成するための画像数(以下、フレーム積算枚数)は任意に設定が可能であり、二次電子発生効率等の条件を考慮して適正な値が設定される。
入力装置19はオペレータと演算装置22のインターフェースを行うもので、オペレータはこの入力装置19を介して上述の各ユニットの制御を行う他に、測定点の指定や寸法測定の指令を行う。
また、本装置は検出された二次電子等に基づいてラインプロファイルを抽出する手段であるラインプロファイル抽出機能24を備えている。ラインプロファイルは一次電子線を走査した時に二次電子の検出量、或いは画像の輝度情報等に基づいて形成されるものであり、得られたラインプロファイルは例えば半導体ウェハ上に形成されたパターンの寸法計測等に用いられる。本実施例1においては、パターン輪郭の抽出可否を判定する機能25において前記ラインプロファイルを用いる。
また、記憶装置21において検査対象のパターンレイアウトやエッジ形状情報、観察用
レシピが保存される。
〔帯電制御の手法〕
試料の帯電緩和特性(時定数)の測定の一例を図6に示す。
一次電子線4が、試料8に照射すると、二次信号9(二次電子及び後方散乱電子のうち少なくとも1つを含む)発生する。試料ホルダ23、対物レンズ6及び電極27に作られている電界は、二次信号9に対しては加速電界として作用するため、対物レンズ6の通路内に引き上げられ、対物レンズ6の磁界の作用を受けながら上昇し、さらに走査偏向器10を通過し、エネルギーフィルタ26に入射する。エネルギーフィルタ26の設定値により運動エネルギーの低い二次信号成分は、エネルギーフィルタ26を通過できず、それより高い成分は、エネルギーフィルタ26を通過する。一次電子線4が、試料8を一定のドーズ量で照射し、試料8を帯電させ、試料8の照射位置電位Vsが変動する。ここで試料電位Vsは、一次電子線4照射で生成した試料4の帯電電位ΔVsと試料ホルダ23に印加されたリターディング電位Vrの和である。帯電により試料電位Vsが増加すると、エネルギーフィルタ26を通過できる二次信号量が減少するため、検出器11で検出される二次信号量が減少し画像上輝度が減少する。一次電子線4を試料8に予め照射し帯電領域を形成し、一定の時間間隔後同一領域を再度照射し、取得した画像上輝度を記録する。図6に前記時間間隔が変化した時に画像上帯電領域の明るさの変化曲線の一例を示す。この時、一次電子線4の走査方法は、目的に応じて任意設定でよい(1点照射、ライン走査、2次元走査)。また、S/Nを上げるために、試料上複数箇所で上記測定を行い、その結果を平均化して出力する。
一次電子線走査方法を決定するまでの構成図である図7に示されるように、まずは、式(3)に示したように一次電子線4の照射エネルギー、試料の二次電子および後方散乱電子イールド、プローブ電流及び走査速度の上限を基に、一次電子線4の走査線密度を所定値以下になるように一次電子線のプローブ電流及び走査速度を決定する。ここで走査線密度とは試料上に単位長さあたりに抽入される電荷量と定義する。
次に、前記輝度の時間変化曲線を時定数演算装置29に入力され、試料8の帯電緩和時定数を抽出し、記憶装置21に保存される。保存された帯電緩和時定数及び一次電子線走査の制限条件(画像画素数、視野、積算回数のいずれかを含む)を用いて走査方法決定装置30で一次電子線4の走査方法を決定する。走査方法には、前記一次電子線4の走査線密度を決定するプローブ電流及び走査速度、上記走査線密度に対応する視野内の走査順序を含む。走査順序の決定には、例えば従来技術と同様の方法を用いればよい。そして、決定された走査方法或はオペレータが候補から選んだ走査方法で試料に対し一次電子線4を試料8に走査し画像を取得してその試料を観察する。
上記輝度の時間変化をS(t)∝1−exp(-t/τ)と表した場合(τ:試料の帯電緩和時定数)、図6に示したカーブとのフィッティングにより求められる。輝度が急速に上がり、定常状態になった成分は、試料内上電子・ホールペアの消滅や一旦試料外に放出した二次電子若しくは後方散乱電子が再び試料上ホールと再結合などによるもので、この時定数をτ1とする。ゆっくり変化する成分は、試料の表面やバルクを通してリークする過程によるものと考えられ、この時定数をτ2とする。通常のSEM観察条件においては、τ1<τ2である。
SEM観察/撮影時間が時定数τ1に比べ小さい場合、SEM観察/撮影中照射帯電の緩和が小さいため、パターン輪郭線強度やシェーディングなどに影響が大きい。SEM観察/撮影時間がτ1とτ2の間にある場合、τ1に対応する帯電の緩和により、その分の影響を抑制することが可能である。SEM観察/撮影時間がτ2に比べ長い場合、両者の影響を抑制することが可能となる。本実施例では、SEM観察/撮影時間と同程度又はそれ以下の時定数τを持つ照射帯電の制御方法及びそれを用いた走査型電子顕微鏡を提供することにより、ライン走査の時間に注目し、時定数の比較的に短い帯電を最小限に抑制するように走査方法を決定する事により、2次元観察に可能とした高画質な画像を取得する。
〔処理シーケンス〕
図8は、本実施形態による画像取得ためのシーケンスを説明するためのフローチャートである。
ステップ100では、同種類試料或は同じウェハで以前の帯電緩和時定数の測定暦の結果が記憶装置21に格納されているかどうかが判断され、帯電緩和時定数測定の要否が決定される。帯電緩和時定数測定する場合は、ステップ101で帯電緩和時定数測定箇所に電子線を移動する。帯電緩和時定数の測定箇所は、観察領域近辺にある平坦部若しくは観察部、それと等価なパターン部が望ましい。
続いてステップ102において、エネルギーフィルタ26に印加するエネルギーフィルタ電位である阻止電位が設定され、エネルギーフィルタ26に印加される。エネルギーフィルタ電位は、試料上局所的な帯電分布によって影響を受けない高エネルギーの二次電子を取り込むための電位である。そして、ステップ103から109までは、一次電子線4を試料8に照射して2次信号9と照射間歇時間関係を取得する。ステップ103では、試料上一定のドーズ量でライン走査し帯電を生成する。Δtの時間間隔を待って(ステップ104)上記ラインの中心位置からライン走査し(ステップ105)、次の測定位置に移動(ステップ107)。所定時間t1内(ステップ106)上記ステップ103―ステップ107を繰り返す。また、一定S/Nを得るため、予め測定回数を設定し(ステップ108)上記ステップ103からステップ107までの測定を繰り返す。
ステップ110では、前記ステップ109まで取得したデータを時定数演算装置29に入力し、前記の方法で試料の帯電緩和時定数τを算出し、記憶装置21に保存する。ステップ111では、抽出した帯電緩和時定数τ及び前記一次電子線4の走査に対する制限条件を基に、図7に示した方法で最適な走査方法を決定する。複数の走査方法の候補が存在する場合は、オペレータにより選択することも可能である。その一例として、予め各走査線密度において、試料の帯電緩和時定数τに対応する走査方法のリストを記憶装置21に保存し、走査線密度及び帯電緩和時定数τが入力されると、走査方法の候補が表示され、オペレータにより決定される。
ステップ112では、走査方法決定装置から出力された走査方法を用いて試料のSEM画像を取得し、観察を行う。また、ここで出力された走査方法を試料と共に記憶装置に保存し、後継の観察で試料の材料若しくは構造若しくはパターンが同等とみなせる場合、帯電緩和時定数測定や走査方法の最適化を行う必要なく最適な走査方法で画像を取得できる。ステップ100で帯電緩和時定数τの計測が不要と判断した場合には、ステップ111に移行する。ステップ111では、同等の試料で過去に帯電緩和時定数の測定暦がある場合、記憶装置21から帯電緩和時定数を読み出す。測定暦がない場合には、入力装置19から指定するかデフォルト値を使用する。
本実施例1では、帯電緩和時定数を例にとって説明したが、電子線照射時の帯電変化特性時定数を用いてもよい。
図9に示した装置構成で本実施例を説明する。
図5に示した実施例1の装置構成に比べ、実施例2の装置構成では、試料の帯電緩和特性を測定するためのエネルギーフィルタ及びその制御系の代わりに、ケルビンプローブフォース顕微鏡或いはケルビンプローブが設置される。それぞれを用いて、ケルビンプローブフォース顕微鏡法或いはケルビン法により試料の帯電緩和の時間変化を測定する。測定データを用いて、図7に示した構成図で一次電子線走査方法を決定する。本実施例による画像取得ためのフローチャートを図10に示す。実施例1のフローチャートに比べ、試料帯電の時間変化の測定に、エネルギーフィルタ26を用いた方法の代わりにケルビンプローブフォース顕微鏡或いはケルビン法を用いた。
図11に示したフローチャートを用いて本実施例を説明する。ステップ201で開始し、試料をロードする(ステップ202)。ステップ203では、試料に関する情報を入力または、装置から呼び出す。ステップ203では、観察用試料をロードし、電子線照射帯電に関わる材料情報を入力する。ステップ204では、上記試料情報を基に、記憶装置21から推奨する走査方法の候補を決定する。ステップ205では、上記推奨走査方法を更に絞り込むために試し測定位置を指定し、各推奨走査方法を用い画像取得を行う。ステップ206では、前ステップで取得した画像に対して、パターン輪郭抽出処理を行い、抽出エラー率を算出する。抽出エラー率が所定値より小さい走査方法が存在する場合、その走査方法を用いて本観察を行い、処理を終了する。また、上記条件を満たす走査方法が複数存在する場合、抽出エラー率が最少となる走査方法を本観察に用いる。抽出エラー率が所定値より小さい走査方法が存在しない場合、推奨走査方法を決定する試料情報の入力し直しを行いリトライするか、試し測定で抽出エラー率が最少となる走査方法を用いて本観察を行う或いは測定せず終了にする。
また、上記抽出エラー率の代わりに、パターンエッジコントラストの閾値を設定し、各走査方法で得た画像からエッジコントラストを抽出しで設定した閾値と比較し走査方法の候補を決定してもよい。
また、決めた走査表法で画像のS/Nを求め、本観察で画像の積算フレーム回数を算出し、画像取得方法にフィードバックしてもよい。
図12に示したフローチャートを用いて本実施例を説明する。ステップ301−303では、観察用試料をロードし、電子線照射帯電に関わる材料情報を入力する。ステップ304では、パターンエッジ強度・均一性や明度の均一性において最適な走査方法を決定する。決定方法は、前記実施例3に述べた方法でもよい。ステップ305では、上記推奨走査方法で、一次電子線を制御するあるパラメータを変化させ、一連の画像の取得を行う。ステップ306では、前ステップで取得した画像に対して、解析処理を行い、一次電子線の状態(例えばフォーカス状態、非点など)を制御するパラメータの補正値を抽出し、それらにフィードバックする。ステップ307では、補正した一次電子線を用いて、本観察を行う。
図13に示したGUI401や図8を用いて実施例1の内容を補足説明する。使用者がアライメント407を選択し、レイアウト402の任意の複数の位置を選択することによってアライメントを演算装置22で処理する。この処理を行なうと図8のS100を処理することになる。S100でYesの場合には、図13のキャリブレーション408を使用者は選択する。その際、試料に関する情報(試料作成時の試料の工程名、レジストの膜厚、材料、パターン等)を選択することになる。その後、図8でS101の処理を行い、S111まで処理を行なう。
S111で推奨条件をGUI405に表示され、使用者が推奨条件を選択することによって決定する。推奨条件でレシピを作成し、その試料に応じた走査線密度で走査してSEM像を取得する(S112)。このようにすることによって、好適な走査線密度で計測することで、試料パターンの特に横ラインを計測することができる。また、GUIにより使用者の操作性を向上することが出来る。
本GUIは、試料403のレイアウト402、位置、傾きを含む設定・校正を行う「アライメント」画面、ビームの走査条件を選定する「キャリブレーション」画面、選定されたビーム条件を校正する「ビーム校正」画面、検査・計測の位置、シーケンスを含む設定を行う「レシピ作成」画面、検査・計測を実施する「計測」画面からなる。「キャリブレーション」画面では、ウェハの材料や構造を含む情報を入力/選択する手段が設けられ、ユーザーによりインプットすることが可能である。装置は、試料上特定な場所で計測試料の帯電特性を計測し推奨走査条件を提供か、データベースから推奨走査条件を呼び出す。それらの走査条件による試し計測結果を表示する。その結果に基づき、本検査・計測に用いる走査条件がユーザーによりまたは自動的に決定する。
図14に示したグラフを用いて本実施例を説明する。図14に一例として膜構造がレジスト/BARC/Si基板からなるスペースパターンのSEM像(スペースのエッジ方向とSEM像取得する際のライン走査方向とを平行するため、以下平行エッジと呼ぶ)を示す。SEM像から抽出した平行エッジのラインプロファイルも合わせて示す。スペース部とホワイトバンドの最大値間の差分を平行エッジ強度S//とする。図14には、電子線走査線密度により単位入射電子あたりのレジストパターンの平行エッジ強度S///Ipの依存性を示す。走査線密度が0.5個/nm以下になると、S///Ipが飽和傾向にあることを示す。2次元計測のためにSEM像からパターン輪郭を抽出する際、解析ツールまたは計測要求によって(容認できる)誤抽出率が異なる。検査・計測の前に図14に示した平行エッジ強度または平行/垂直エッジ強度比を測定し、所定の閾値に合わせて電子線走査線密度を含む走査条件を選ぶ。我々の評価では、電子線走査線密度が2個/nm以下(すなわち、3.2×10−19(C/nm)以下)に設定することで、S///Np-pが1.1以上となり、パターン輪郭の抽出に支障をなくすことができる。
1:陰極、2:第1陽極、3:第2陽極、4:一次電子ビーム、5:集束レンズ、6:対物レンズ、7:絞り板、8:試料、9:二次電子、10:偏向器、11:二次電子検出器、12:エネルギーフィルタ制御電源、13:高電圧制御電源、14:集束レンズ制御電源、15:対物レンズ制御電源、16:偏向器制御電源、17:ステージ制御部、18:画像表示装置、19:入力装置、20:描画装置、21:記憶装置、22:制御演算装置、23:試料ステージ、24:ラインプロファイル抽出機能、25:パターン輪郭の抽出可否判定機能、26:エネルギーフィルタ、27:電極、28:2次信号アンプ、29:時定数演算装置、30:走査方法決定装置、31:走査線密度設定装置、32:プローブ制御部、33:ケルビンプローブフォース顕微鏡用プローブ或いはケルビンプローブ、401:検査・計測制御用GUI、402:ウェハ上チップのレイアウト、403:検査・計測対象(ウェハ)、404:帯電緩和特性の測定結果、405:推奨走査条件の選択メニュー、406:検査・計測ウェハの情報の選択部、407:アライメント選択部、408:キャリブレーション選択部

Claims (18)

  1. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡であって、
    前記試料の画像情報を取得する手段と、
    前記手段にて取得された前記画像情報に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査の条件を設定する条件設定部と、
    前記条件設定部にて定められた前記走査の条件に基づき、前記一次電子線の走査速度および前記一次電子線の電流のうち少なくとも一つを制御する制御部と、を有することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査型電子顕微鏡において、
    前記画像情報は、前記試料に前記一次電子線を一定の時間後に再度照射して取得した画像の輝度情報であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の走査型電子顕微鏡において、
    前記画像情報は、前記試料の帯電緩和特性であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  4. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡であって、
    前記試料の情報を入力する入力部と、
    前記入力部に入力された試料の情報に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査の条件を設定する条件設定部と、
    前記条件設定部にて定められた前記走査の条件に基づき、前記一次電子線の走査速度および前記一次電子線の電流のうち少なくとも一つを制御する制御部と、を有することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の走査型電子顕微鏡において、
    前記試料の情報とは、前記試料の材料、パターン構造、レジストの膜厚や試料作成時の試料の工程名であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  6. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡であって、
    前記一次電子線の推奨走査条件をGUIに表示する表示部を有し、
    前記推奨走査条件の選択に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  7. 請求項6に記載の走査型電子顕微鏡において、
    前記試料に関する情報を入力する入力部を有し、
    前記入力部により入力された前記試料に関する情報によって、前記表示する前記奨走査条件を定めることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  8. 請求項6に記載の走査型電子顕微鏡において
    前記走査線密度は、7.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  9. 請求項6に記載の走査型電子顕微鏡において
    前記走査線密度は、3.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  10. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡を用いた試料観察方法であって、
    前記試料の画像情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにて取得された前記画像情報に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査の条件を設定する条件設定ステップと、
    前記条件設定ステップにて定められた前記走査の条件に基づき、前記一次電子線の走査速度および前記一次電子線の電流のうち少なくとも一つ
    を制御する制御ステップと、を有することを特徴とする試料観察方法。
  11. 請求項10に記載の試料観察方法において、
    前記画像情報は、前記試料に前記一次電子線を一定の時間後に再度照射して取得した画像の輝度情報であることを特徴とする試料観察方法。
  12. 請求項10に記載の試料観察方法において、
    前記画像情報は、前記試料の帯電緩和特性であることを特徴とする試料観察方法。
  13. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡を用いた試料観察方法であって、
    前記試料の情報を入力する入力ステップと、
    前記入力ステップにて入力された試料の情報に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査の条件を設定する条件設定ステップと、
    前記条件設定部にて定められた前記走査の条件に基づき、前記一次電子線の走査速度および前記一次電子線の電流のうち少なくとも一つを制御する制御ステップと、を有することを特徴とする試料観察方法。
  14. 請求項13に記載の試料観察方法において、
    前記試料の情報とは、前記試料の材料、パターン構造、レジストの膜厚や試料作成時の試料の工程名であることを特徴とする試料観察方法。
  15. 試料を一次電子線で走査して画像を形成する走査型電子顕微鏡を用いた試料観察方法であって、
    前記一次電子線の推奨走査条件をGUIに表示する表示ステップと、
    前記推奨走査条件の選択に基づき、前記一次電子線により注入される前記走査の方向の単位距離当たりの電子数が、所定の値以下となるように前記走査する走査ステップを有することを特徴とする試料観察方法。
  16. 請求項15に記載の試料観察方法において、
    前記試料に関する情報を入力する入力ステップを有し、
    前記入力ステップにより入力された前記試料に関する情報によって、前記表示する前記奨走査条件を定める条件設定ステップを有することを特徴とする試料観察方法。
  17. 請求項15に記載の試料観察方法において
    前記走査線密度は、7.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする試料観察方法。
  18. 請求項15に記載の試料観察方法において
    前記走査線密度は、3.2×10―19(C/nm)以下であることを特徴とする試料観察方法。
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