JP4272036B2 - 荷電粒子ビーム観察方法 - Google Patents

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Description

本発明は、IC,LSI等の半導体デバイスの製造プロセスにおける試料の観察等を行うのに適した荷電粒子ビーム観察方法に関する。
半導体デバイスは、例えば、シリコンウエハ(シリコン基板)の上に多層構造が形成されたものである。この多層構造において、特定の層と層の間には絶縁層が形成され、該絶縁層にコンタクトホール或いはビアホールが形成されている。そして、該コンタクトホール或いはビアホールに配線(導電性材料)を埋め込むことによって特定層間の電気的接続を行うようにしている。尚、以後コンタクトホールを例に上げて説明する。
この様なコンタクトホールは、半導体デバイスを製造する過程で、絶縁層にレジストを塗布し、その上にコンタクトホールのパターンを露光し、その後、現像処理、エッチング処理等を施すことによって形成される。
この様なコンタクトホールの形成において、所定の径のコンタクトホールが形成されなかったり、或いは、図1に示す様に、伝導層Dとの境に絶縁層Aの一部が残ったコンタクトホールCHが形成されたりすることがある。
その為、コンタクトホールを形成した後、コンタクトホールの形成状態を検査することは、その後の製造プロセスを行うか否かの決定上で重要となる。又、この検査によって得られたコンタクトホールの形成状態によって、前の工程で行われた現像処理若しくはエッチング処理が適切であったか否かの判断を行うことが出来、且つ、コンタクトホールの形成プロセスの不良原因の解析も行うことが出来る。
この様なコンタクトホールの形成状態の検査は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)の電子ビーム照射により、非破壊で行われている。即ち、コンタクトホール上を電子ビームで走査し、該走査によって検出された、例えば、二次電子に基づいてコンタクトホールの二次電子像を表示装置上の画面上に表示させ、該コンタクトホールの像を観察することにより、コンタクトホールの形成状態の検査を行っている。
この様な電子ビーム走査によってコンタクトホールの二次電子像を得る場合、絶縁層の電子ビーム照射による帯電が問題となる。特に、最近、半導体素子の集積率の向上,動作速度の向上の為に、絶縁層の材料として低誘電率のもの(例えば、誘電率2前後の有機物)が使われているが、この低誘電率の物質は電子ビームに対して帯電を引き起こし易い為、この様な低誘電率の物質で絶縁層を形成すると、SEM観察時のS/N比の劣化及び帯電コントラストによる観察画像の歪みを引き起こしたりする。
所で、絶縁物試料においては、照射電子ビームエネルギーEに対して、入射電子量に対する二次電子の放出量の比δが変化し(図2の曲線参照)、或る低エネルギー領域(図2では、δ=1であるEaとEbの間)でδ>1となり、それ以外のエネルギー領域ではδ<1となり、前者の場合には試料表面が正に、後者の場合には負に帯電する事が知られている(尚、δ=1になるエネルギー値Ea,Ebは物質により異なる)。
さて、前記コンタクトホールの二次電子像を得ようとする場合に試料表面が負に帯電すると、コンタクトホールの底部から発生する二次電子が試料表面の帯電した負電荷に基づく電界により外部へ出ていくのを抑制され、その結果、二次電子像作成するための二次電子を十分に検出出来ない。特に、アスペクト比(深さ/径)の大きいコンタクトホールにはついてはこの現象が顕著である。一方、試料表面が正に帯電すると、コンタクトホールの底部から発生する二次電子が試料表面の帯電した正電荷に基づく電界により外部へ出ていくのが促進され、その結果、二次電子像作成するための二次電子を十分に検出することが出来る。
従って、半導体製造プロセスにおける試料の観察等にSEMを用いる場合、SEMの一次電子のエネルギーは前記図2のEa〜Ebの範囲が選択されている。しかし、この範囲は照射エネルギーは低エネルギーであるために、得られる二次電子像の分解能が低いものになってしまう。そこで、通常、試料に照射される一次電子ビームを、試料直前迄は高速に維持し、試料直前で減速する対策が採用されている。
しかし、この様に試料に減速電界がかかると、試料への正の帯電量が著しく増加し、その為に、得られた二次電子像に正の帯電に基づく歪みが発生する。
特開2000−331635号公報
さて、通常、SEMで試料を観察する場合、スポット状に絞った電子ビームで試料上を連続して隙間なくラスター走査しているが、前記特許文献1では、上記問題を解決するために、低倍率の観察時に、連続した走査を行わずに、飛び飛び、即ち、断続した走査を行うようにして、帯電の影響を低減している。
即ち、図3の(a)に示す様に、試料上の観察領域R上を仮想的に、例えば、縦横に等分割し、分割領域B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9,………毎に、低速走査と高速走査を繰り返し、実質的に、隣り合わない分割領域B1,B3,B5,B7,B9,……が本格的な走査(二次電子像が得られる程度のエネルギー強度が与えられる走査)が行われるようにする事により、走査された各領域に帯電が生じても、各走査領域の間には一定の距離が開けられているので、互いに電気的な影響を及ぼさない。この結果、得られる二次電子像に帯電に基づく歪みが低減される。尚、分割領域B2,B4,B6,B8,B10,……は帯電されない程度に高速に走査されるので、二次電子像形成に寄与程の二次電子が得られない。
しかしながら、観察領域内のほぼ1/2の部分で本格的な走査して、二次電子を得ているので、二次電子像を作成するための画素数が従来のほぼ1/2となり、得られる二次電子像は不完全なものになってしまい、観察に支障を来す。
そこで、従来と同じ画素数を得る為に、引き続いて、図3の(b)に示す様に、分割領域B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8,B9,………毎に、高速走査と低速走査を繰り返し、実質的に、隣り合わない分割領域B2,B4,B6,B8,B10,……が本格的な走査が行われるようにする事により、分割領域B2,B4,B6,B8,B10,……から二次電子を検出し、第1回目の走査で得られた二次電子信号と合わせる様にしても良いが、従来の連続走査に比べ、走査時間が可成り多くなってしまう。
本発明は、この様な問題を解決する新規な荷電粒子ビーム装置を提供することを目的とする。
本発明の荷電粒子ビーム観察方法は、最初、荷電粒子ビームで試料上を二次元的に広く走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に低倍で試料の荷電粒子ビーム像を表示させ、次に、該低倍試料像から特定した試料上の領域を荷電粒子ビームで二次元的に走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に高倍で特定部分の荷電粒子ビーム像を表示させるに様にした荷電粒子ビーム観察方法において、低倍像観察時、水平飛び越し数を変化させ、その都度、試料上を走査し、得られた荷電粒子ビームに基づく信号により低倍で試料の荷電粒子ビーム像を順次若しくは同時に表示装置に表示させ、前記各水平走査による試料内部での電子の拡散領域の重なりに基づく帯電が影響した試料像を表示させる様にしたことを特徴とする。
本発明の荷電粒子ビーム観察方法は、最初、荷電粒子ビームで試料上を二次元的に広く走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に低倍で試料の荷電粒子ビーム像を表示させ、次に、該低倍試料像から特定した試料上の領域を荷電粒子ビームで二次元的に走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に高倍で特定部分の荷電粒子ビーム像を表示させるに様にした荷電粒子ビーム観察方法において、低倍像観察時、水平飛び越し数を変化させ、その都度、試料上を走査し、得られた荷電粒子ビームに基づく信号により低倍で試料の荷電粒子ビーム像を順次若しくは同時に表示装置に表示させ、前記各水平走査による試料内部での電子の拡散領域の重なりに基づく帯電が影響した試料像が表示された後、高倍像観察時、観察倍率と該観察倍率で試料上を荷電粒子ビーム走査した時に前記帯電が発生しない飛び越し走査線数の組み合わせが複数組記憶されたテーブルから試料の観察倍率に応じた飛び越し走査線数を呼び出し、該呼び出した飛び越し走査線数に基づいて荷電粒子ビームで試料上を二次元的に飛び越し走査する様にし、その際、該走査は(飛び越し線数+1)回行い、各回の走査は互いに試料上で重複しない様にしたことを特徴とする。
前記飛び越し水平走査本数は、走査サイズと荷電粒子ビームのスポットサイズに基づいて決められていることを特徴とする。
本発明の荷電粒子ビーム観察方法によれば、観察すべき試料が絶縁物若しくは絶縁物を含む試料であっても、走査全体に要する時間と走査により得られる画像情報量が従来の連続走査と同様の元で、帯電の無い、或いは帯電の少ない状態で試料の荷電粒子ビーム像が得られる。
本発明は、以下に説明する原理に基づいている。
絶縁物試料S上を電子ビームEBで二次元的に走査する場合、各水平走査が従来の様に隙間なく連続してラスター状に行われた場合、図4の(a)に示す様に、各水平走査間の電子ビームEB1,EB2,EB3,……の照射による試料内部に入った電子に基づく拡散領域EK1,EK2,EK3,……が互いに重なり合い、順次、隣の拡散領域へ電子が移動し、電荷の溜まり具合が順次増大することにより、帯電が発生すると思われる。
そこで、図4の(b)に示す様に、各水平走査間の電子の拡散領域EK1,EK2,EK3,……が重ならない様に水平走査が或る間隔(例えば、電子ビームスポット径の3倍以上の間隔)を開けて行われれば、帯電の発生が起こり難いことを検証した。
但し、この様な各水平走査間に一定の間隔を開ける走査を観察すべき試料領域で1回実施したのでは従来の連続走査と同じ二次電子画素数が得られないので、各回の走査時に順次走査開始位置をずらしてこの様な走査を複数回繰り返す。又、この様な走査の回数を仮にN回繰り返す場合、各回における水平走査間は完全に飛ばしているので、1回当たりの走査時間は従来の連続走査に対して1/Nとなり、従来の連続走査と同じ画素数を同じ時間で得ることが出来る。
尚、この様に複数回の観察領域の走査が行った場合、前の回で水平走査された部分と、後の回で水平走査された部分が帯電を発生しない間隔より狭くなるが、前の回で水平走査された部分と、次の回で水平走査された部分は、時間的に連続しておらず、少なくとも1つの観察領域の走査にかかる時間は間隔が開いているので、各電子の拡散領域相互間の影響度が極めて低下し、帯電の発生が極めて少ないものと考えられる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図5は本発明の荷電粒子ビーム装置の1概略例を示したものである。
図中1は電子銃で、該電子銃からの電子ビームはコンデンサレンズ2と対物レンズ3により半導体試料4上に適宜集束される。5X,5YはX方向,Y方向偏向コイルで、試料上を電子ビームで走査させるものである。前記試料4はステージ駆動機構6により移動制御されるステージ7上に載置されている。8,9はそれぞれ前記コンデンサレンズ2,対物レンズ3の励磁強度をコントロールするためのレンズ制御回路、10は前記偏向コイル5X,5Yに偏向信号を供給する偏向制御回路である。11は前記電子銃1に加速電圧を供給するための加速電圧制御回路、12は電子ビームの試料上での走査幅をコントロールするための倍率信号を前記偏向制御回路10に供給する倍率制御回路、13はステージの移動制御信号をステージ駆動機構6に供給するステージ制御回路である。
前記レンズ制御回路8,9、偏向制御回路10、加速電圧制御回路11、倍率制御回路12、ステージ制御回路13には、それぞれ、DA変換器14,15,16,17,18,19を介して各種指令と各種データ処理を行う制御装置20からレンズ制御指令、偏向制御指令、加速電圧制御指令、倍率制御指令、ステージ移動指令が送られる。
図中21は試料4からの二次電子を検出するための二次電子検出器で、検出された二次電子信号はアンプ22及びAD変換器23を介して前記制御装置20に送られる。24は表示装置(例えば、陰極線管や液晶表示装置等)、25は複数のフレームメモリからなる記憶装置である。
26は観察倍率と該観察倍率に適した飛び越し走査線数の組み合わせが多数記憶されたテーブルである。この観察倍率と該観察倍率に適した飛び越し走査線数の組み合わせは、次の様にして決められている。
一般に、試料上の観察すべき領域を電子ビームで二次元的に走査し、該走査により観察領域から検出された二次電子による画像信号に基づいて表示装置の表示画面に観察領域の二次電子像が表示される。この場合、表示装置でのビームの走査範囲と試料上でのビームの走査範囲の比が観察倍率である。さて、観察倍率に拘わらず、ビームの走査本数は一定である。又、コンデンサレンズ2と対物レンズ3でスポット状にフォーカスされるビームのスポットサイズは、主に加速電圧とビーム電流で決まるので、加速電圧とビーム電流が決まると、ビームのスポットサイズはある値に決まってしまう。従って、観察倍率に応じて、各水平走査線同士の間隔が異なり、倍率が高くなるほど各水平走査線同士の間隔が狭くなり、倍率が低くなるほど各水平走査線同士の間隔が広くなる。即ち、観察倍率に応じて、各水平走査間の電子の拡散領域の重なり具合が異なるのである。
そこで、絶縁物試料の観察において、前記原理に従って帯電が発生しない様に隣同士の水平走査の間隔を開ける場合、観察倍率によって、隣同士の水平走査の間隔の開け具合を変えなければならない。水平走査の間隔を開ける場合、通常の連続走査に対して、飛び越し水平走査を行うことで実行する。この飛び越し水平走査本数(連続走査に対して、飛び越す水平走査本数)は、(倍率に対応した走査サイズ)/(ビームスポットサイズ・K)で決められている。尚、Kは絶縁試料の絶縁物質の種類によって決まる係数である。
この様な構成の荷電粒子ビーム装置により、半導体基板上に作成されたコンタクトホールを観察する場合についての一例を以下に説明する。
ステージ制御回路13は制御装置20からのステージ移動指令に基づいてステージ駆動機構6に移動駆動信号を送り、半導体試料4の観察すべき領域の中心が電子光軸上に来る様にステージ7を移動させる。
この状態において、電子銃1からの電子ビームは、制御装置20からの加速電圧制御指令を受けた加速電圧制御回路11により設定された加速電圧に従って試料4方向に加速される。
電子銃1からの電子ビームは、コンデンサレンズ2及び対物レンズ3により試料上にスポット状にフォーカスを結ぶ。同時に、電子ビームはX方向偏向コイル5X及びY方向偏向コイル5Yにより観察領域を走査する。
この際、制御装置20からの倍率制御指令に基づいて倍率制御回路12は偏向制御回路10からX方向偏向コイル5X及びY方向偏向コイル5Yに所定の倍率で観察が可能な走査信号を供給されるように偏向制御回路10に倍率コントロール信号を送る。
同時に、制御装置26はテーブル26から設定された観察倍率に適した飛び越し走査線数を呼び出し、DA変換器16を介して偏向制御回路10に飛び越し本数に対応した信号を送る。例えば、設定された観察倍率に対して飛び越し本数が3の場合について説明する。
先ず、飛び越しのない連続する水平走査信号(図8のH0)に対して、1,5,9,13,……番目のラインを走査する(即ち、2,3,4、6,7,8、……番目のラインを飛び越したラインを走査する)水平走査信号(図8のH1)をX方向偏向コイル5Xに供給し、Y方向偏向コイル5Yには図8のV1に示す垂直走査信号を供給すると、図7の(a)に示す様に、試料上の所定の観察領域Qを帯電が発生しない水平走査間隔で1,5,9,13,……番目のラインを走査する。次に、3,7,11,……番目のラインを走査する(即ち、1,2、4、5,6、8,9,10、……番目のラインを飛び越したラインを走査する)水平走査信号(図8のH2)をX方向偏向コイル5Xに供給し、Y方向偏向コイル5Yには図8のV2に示す垂直走査信号を供給すると、図7の(b)に示す様に、試料上の所定の観察領域Qを帯電が発生しない水平走査間隔で3,7,11,……番目のラインを走査する。次に、2,6,10,……番目のラインを走査する(即ち、1、3,4,5、7,8,9、……番目のラインを飛び越したラインを走査する)水平走査信号(図8のH3)をX方向偏向コイル5Xに供給し、Y方向偏向コイル5Yには図8のV3に示す垂直走査信号を供給すると、図7の(c)に示す様に、試料上の所定の観察領域Qを帯電が発生しない水平走査間隔で2,6,10,……番目のラインを走査する。次に、4,8,12,……番目のラインを走査する(即ち、1,2,3、5,6,7、……番目のラインを飛び越したラインを走査する)水平走査信号(図8のH4)をX方向偏向コイル5Xに供給し、Y方向偏向コイル5Yには図8のV4に示す垂直走査信号を供給すると、図7の(d)に示す様に、試料上の所定の観察領域Qを帯電が発生しない水平走査間隔で4,8,12,……番目のラインを走査する。これらの4回の走査の都度、観察領域Qから発生した二次電子は二次電子検出器21に検出され、アンプ22及びAD変換器23を介して制御装置20に送られる。該制御装置は一旦、記憶装置25の1つのフレームメモリに保存し、その後呼び出して、各4回の走査で得られた二次電子信号を合成して表示装置24の画面に表示するので、該画面上には、観察領域Qを連続走査した場合(図6)と同様に分解能の良い二次電子像が表示される。
尚、観察領域Qを4回走査しているが、各回の観察領域Qの走査においては3本ずつ水平走査を飛ばしているので、1回当たりの観察領域Qの走査時間は、飛ばし走査をしない連続走査の1/4で済むので、4回の走査は実質的に連続走査した時と同一時間で済む。
又、同一回の走査においては、帯電が発生しない間隔を保って水平走査されているので、当然の事ながら帯電が発生しない。又、前記の様に、4回の観察領域の走査が行った場合、前の回で水平走査された部分と、後の回で水平走査された部分が帯電を発生しない間隔より狭くなるが、前の回で水平走査された部分と、次の回で水平走査された部分は、時間的に連続しておらず、少なくとも1つの観察領域の走査にかかる時間は間隔が開いているので、各電子の拡散領域相互間の影響度が極めて低下し、帯電の発生が極めて少ないものと考えられる。
尚、前記8図に示す如き水平走査信号及び垂直走査信号の代わりに、図9の水平走査信号H0、垂直走査信号V0を、それぞれ、X方向偏向コイル5X、Y方向偏向コイル5Yに送るようにしても良い。この場合は、水平信号は連続する水平信号でよく、垂直信号だけを、観察領域Sの走査開始のレベルがずれた(Da,Db,Dc)信号にすれば良いので、走査信号の形成が簡単に済む。
尚、前記例は、飛び越し数3の例を示したが、観察すべき倍率が変わると、飛び越し数が変化するが、前記例と同様な走査が行われる。従って、観察倍率が何であれ、帯電が低減された状態(或いは無い状態)で、試料の観察が可能となる。
次に、この様な構成の荷電粒子ビーム装置により、半導体基板上に作成されたコンタクトホールの内、特定のコンタクトホールについて詳細に観察する場合についての一例を以下に説明する。
ステージ制御回路13は制御装置20からのステージ移動指令に基づいてステージ駆動機構6に移動駆動信号を送り、半導体試料4の観察すべき領域の中心が電子光軸上に来る様にステージ7を移動させる。
この状態において、電子銃1からの電子ビームは、制御装置20からの加速電圧制御指令を受けた加速電圧制御回路11により設定された加速電圧に従って試料4方向に加速される。
電子銃1からの電子ビームは、コンデンサレンズ2及び対物レンズ3により試料上にスポット状にフォーカスを結ぶ。同時に、電子ビームはX方向偏向コイル5X及びY方向偏向コイル5Yにより観察領域を走査する。
さて、観察領域は比較的広く取られており、その為に、制御装置20からの倍率制御指令に基づいて倍率制御回路12は偏向制御回路10からX方向偏向コイル5X及びY方向偏向コイル5Yに低倍観察が可能な走査信号を供給されるように偏向制御回路10に倍率コントロール信号を送るのであるが、この際、制御装置20は倍率制御回路12に、偏向制御回路10が次の様な走査信号をX方向偏向コイル5X及びY方向偏向コイル5Yに供給するような指令を出す。
最初、通常の水平走査に対して、例えば、水平走査を10本づつ飛び越して観察領域を二次元的走査を行う。そして、この時観察領域からの二次電子を二次電子検出器21で検出し、該二次電子信号をアンプ22及びAD変換器23を介して制御装置20に送る。該制御装置はこの二次電子信号を一旦記憶装置25のフレームメモリに記憶させる。
次に、水平走査の飛び越し本数を順次減らして行き(例えば、9本,8本,7本,6本,5本,4本,3本,1本と)、その都度、観察領域の二次元的走査で得られた二次電子信号を前記記憶装置25の別のフレームメモリに記憶させる。
この様に、水平走査の飛び越し本数を順次減らして行き、その都度、観察領域の二次元的走査を行い、検出された二次電子信号を記憶装置25の各フレームメモリに記憶させているが、その都度、一旦記憶させた二次電子信号を呼び出して、表示装置24に観察領域の二次電子像を表示させても良いし、所定の回数の二次元走査が終了してから、記憶装置25の各フレームメモリから各二次電子信号を呼出し、表示装置の表示画面に同時に多分割表示させるようにしても良い。
さて、半導体試料が前記した様に多数のコンタクトホールが形成された試料の場合、前記操作では、各コンタクトの二次電子像が順次若しくは同時に表示されるが、飛び越し本数を減らして行くと、ある本数の所で、各水平走査間の電子の拡散領域が重なり出して帯電が発生し出す。又、その重なり具合は飛び越し本数を減らして行くに従って大きくなるので、帯電具合も大きくなる。帯電現象が発生すると、二次電子像に変化(輝度等の変化)が表れるので、帯電現象の発生及び帯電現象の変遷等が表示装置24の表示画面に表示された二次電子像で観察することが出来る。又、コンタクトホールの底面に絶縁物質が残っている場合、二次電子像に特徴的に表れるので、表示画面から底面に絶縁物質が残っているコンタクトホールを見つけることが出来る。
この様な操作で、詳しく見たいホールが見つけた場合、観察倍率を上げて試料像を観察することになるが、見たいコンタクトホールが存在する箇所の中心が電子光軸上に来る様にステージ7を移動し、前記図6〜図9を使用して説明した前記例の様に操作すれば、観察したい倍率がどんな倍率であれ帯電しない状態或いは帯電を低減した状態の試料像を詳細に観察することが出来る。
尚、前記例ではコンタクトホールの観察を例に上げて本発明を説明したが、コンタクトホールの観察に限定されず、本発明は絶縁物質の試料の観察にも有効である。
又、前記例では、電子ビームの走査により絶縁試料を観察する例を説明したが、イオンビームの走査により絶縁試料を観察する場合にも、本願発明は有効である。
又、前記例では試料の二次電子像を観察するものを説明したが、試料からの反射電子等を検出して、反射電子像等を観察するものにも本発明は有効である。
コンタクトホールの形成状態の例を示したものである。 照射電子エネルギーと二次電子放出比との関係を示している。 観察領域を分割し、飛び飛びの走査領域を示している。 絶縁試料上を連続して電子ビームで水平走査した時、各水平走査間による試料内部の電子拡散領域の影響状態を表している。 本発明の荷電粒子ビーム装置の一概略例を示している。 本発明の荷電粒子ビーム装置による観察領域の電子ビーム走査状態を示している。 本発明の荷電粒子ビーム装置による観察領域の電子ビーム走査状態を示している。 本発明の荷電粒子ビーム装置で使用される走査信号の一例を示している。 本発明の荷電粒子ビーム装置で使用される走査信号の一例を示している
符号の説明
A…絶縁層
D…伝導層
CH…コンタクトホール
R…観察領域
S…絶縁試料
Q…観察領域
EB1,EB2,EB3…電子ビーム
EK1,EK2,EK3…拡散領域
1…電子銃
2…コンデンサレンズ
3…対物レンズ
4…試料
5X…X方向偏向コイル
5Y…Y方向偏向コイル
6…ステージ駆動機構
7…ステージ
8,9…レンズ制御回路
10…偏向制御回路
11…加速電圧制御回路
12…倍率制御回路
13…ステージ制御回路
14,15,16,17,18,19…DA変換器
20…制御装置
21…二次電子検出器
22…アンプ
23…AD変換器
24…表示装置
25…記憶装置
26…テーブル

Claims (4)

  1. 最初、荷電粒子ビームで試料上を二次元的に広く走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に低倍で試料の荷電粒子ビーム像を表示させ、次に、該低倍試料像から特定した試料上の領域を荷電粒子ビームで二次元的に走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に高倍で特定部分の荷電粒子ビーム像を表示させるに様にした荷電粒子ビーム観察方法において、低倍像観察時、水平飛び越し数を変化させ、その都度、試料上を走査し、得られた荷電粒子ビームに基づく信号により低倍で試料の荷電粒子ビーム像を順次若しくは同時に表示装置に表示させ、前記各水平走査による試料内部での電子の拡散領域の重なりに基づく帯電が影響した試料像を表示させる様にした荷電粒子ビーム観察方法
  2. 最初、荷電粒子ビームで試料上を二次元的に広く走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に低倍で試料の荷電粒子ビーム像を表示させ、次に、該低倍試料像から特定した試料上の領域を荷電粒子ビームで二次元的に走査し、該走査により検出された試料からの荷電粒子ビームに基づく信号により表示装置に高倍で特定部分の荷電粒子ビーム像を表示させるに様にした荷電粒子ビーム観察方法において、低倍像観察時、水平飛び越し数を変化させ、その都度、試料上を走査し、得られた荷電粒子ビームに基づく信号により低倍で試料の荷電粒子ビーム像を順次若しくは同時に表示装置に表示させ、前記各水平走査による試料内部での電子の拡散領域の重なりに基づく帯電が影響した試料像が表示された後、高倍像観察時、観察倍率と該観察倍率で試料上を荷電粒子ビーム走査した時に前記帯電が発生しない飛び越し走査線数の組み合わせが複数組記憶されたテーブルから試料の観察倍率に応じた飛び越し走査線数を呼び出し、該呼び出した飛び越し走査線数に基づいて荷電粒子ビームで試料上を二次元的に飛び越し走査する様にし、その際、該走査は(飛び越し線数+1)回行い、各回の走査は互いに試料上で重複しない様にした荷電粒子ビーム観察方法
  3. 前記飛び越し水平走査本数は、走査サイズと荷電粒子ビームのスポットサイズに基づいて決められている前記請求項2に記載の荷電粒子ビーム観察方法。
  4. 前記高倍像観察時の水平走査の間隔は荷電粒子ビームのスポットサイズの3倍以上である前記請求項2の記載の荷電粒子ビーム観察方法。
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