JP2002267623A - 電子ビーム欠陥検査装置 - Google Patents

電子ビーム欠陥検査装置

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JP2002267623A
JP2002267623A JP2001069498A JP2001069498A JP2002267623A JP 2002267623 A JP2002267623 A JP 2002267623A JP 2001069498 A JP2001069498 A JP 2001069498A JP 2001069498 A JP2001069498 A JP 2001069498A JP 2002267623 A JP2002267623 A JP 2002267623A
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electron beam
electron
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inspection apparatus
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JP2001069498A
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Takuma Yamamoto
琢磨 山本
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速且つ高分解能での検査が可能な電子ビー
ム欠陥検査装置を実現。 【解決手段】 試料15の表面に複数の電子ビームを照射
する電子ビーム照射手段10,11,12,13と、試料の表面か
らの二次電子、反射電子もしくは散乱電子を受けて検査
像を結像する検査像結像手段13,16,17,18,23と、検査像
の複数の電子ビームの照射位置に対応した複数の検出領
域を有する検出器19と、試料の表面を、複数の電子ビー
ムに対して相対的に移動する移動手段14とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ上に形成さ
れた半導体デバイスのパターンやコンタクト導通不良な
どの欠陥を電子ビームを使用して検出する電子ビーム欠
陥検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの微細化が進むに
従って、歩留まり向上のために微細化に対応した検査方
法が要求されている。現在、半導体前工程の検査におい
ては、主に明視野及び暗視野の光学式検査装置が使用さ
れている。暗視野による検査装置の場合には、CMP処
理されたようなフラットな表面上の異物に対しては高感
度であるが、凹凸のあるレイヤーではノイズ成分が増加
してしまい、十分な感度を得るのが難しいという問題が
ある。これに対して、明視野の光学的検査装置の場合に
は、凹凸のあるレイヤーに対しても適切な感度における
検査が可能であるが、検出感度は光の波長により決定さ
れる光学的分解能を超えることできず、近年の半導体デ
バイスのパターンはこの限界を超えるようになってき
た。そのため、光学式でこれ以上の微細化に対応するの
は難しくなってきた。
【0003】そこで、電子ビームによる検査装置が使用
されるようになってきた。電子ビームによる検査装置
は、高い空間分解能、下層の導通不良の検出が可能であ
る、焦点深度が深くラインやホールの底部の検査が可能
であるなどの各種の利点を有するが、従来の装置は一本
の電子ビームを走査して像を得ているため、光学式に比
べて検査速度が遅いという問題を有していた。これが、
電子ビームによる検査装置が光学式検査装置を補う形で
しか使用されていない大きな原因である。
【0004】電子ビームによる検査装置の検査速度を向
上させるため、例えば、特開平9−311112号公報
や特開平10−134757号公報は、試料の表面に複
数の電子ビームを照射し、各電子ビームによる二次電
子、反射電子及び後方散乱電子をそれぞれ検出すること
により検査速度を向上した検査装置を開示している。ま
た、特開平11−326247号公報は、ある程度の面
積を有する大きな電子ビームを試料の表面に照射し、試
料表面からの二次電子、反射電子及び後方散乱電子を二
次電子ビームとしてその電子像を結像し、結像面に電子
ビームに対して感動を有する撮像手段を配置して、電子
像に対応する画像信号を高速に得る方法及び装置を開示
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−31111
2号公報や特開平10−134757号公報などに開示
された複数の電子ビームを照射する検査装置は、各電子
ビームによる二次電子、反射電子及び後方散乱電子を分
離して検出するのが難しく、電子ビームの本数を大幅に
増加させることができず、検査速度を十分に向上させる
ことはできない。また、試料を連続移動させながら像を
取得できず、ステップアントリピート動作が必要となる
ために検査速度を増加させることが困難である。
【0006】また、特開平11−326247号公報が
開示している検査装置では、分解能は電子像を結像する
場合の分解能に影響されるが、高分解能の電子像を得る
のが難しいという問題がある。また、ある程度の面積の
電子ビームを照射するために試料表面内チャージを引き
起こしやすいという問題がある。本発明は、このような
問題点に解決して、高速且つ高分解能での検査が可能な
電子ビーム欠陥検査装置を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の電子ビーム欠陥
検査装置は、上記目的を実現するため、試料の表面に複
数の電子ビームを照射し、試料表面からの二次電子、反
射電子もしくは後方散乱電子の電子像を結像して、照射
した各電子ビームによる電子像を分離して形成し、電子
像の各電子ビームに対応する部分に検出領域を有する検
出器で各電子ビームによる二次電子、反射電子もしくは
後方散乱電子を検出する。なお、複数の電子ビームは離
れて配置する必要があり、試料の全面に電子ビームを照
射して電子像を検出するには、試料の表面を複数の電子
ビームに対して相対的に移動し、複数の電子ビームの試
料の表面での照射位置を変化させることが必要である。
【0008】すなわち、本発明の電子ビーム欠陥検査装
置は、試料の表面に複数の電子ビームを照射する電子ビ
ーム照射手段と、試料の表面からの二次電子、反射電子
もしくは散乱電子を受けて検査像を結像する検査像結像
手段と、検査像の複数の電子ビームの照射位置に対応し
た複数の検出領域を有する検出器と、試料の表面を複数
の電子ビームに対して相対的に移動する移動手段とを備
えることを特徴とする。
【0009】本発明の電子ビーム欠陥検査装置によれ
ば、試料の表面に照射された複数の電子ビームによる試
料表面からの二次電子、反射電子もしくは後方散乱電子
は、検査像結像手段により電子像として結像される。試
料表面からの電子の速度のばらつきによる収差等の影響
のため、この電子像の分解能を高くすることは難しい
が、電子ビームの間隔をある程度広げれば各電子ビーム
による電子像を分離して形成することは容易であり、分
離した各電子ビームによる電子像を、対応する位置に複
数の検出領域を有する検出器で検出すれば各電子ビーム
による二次電子、反射電子もしくは後方散乱電子を正確
に検出することが可能である。本発明によれば、検出の
分解能は試料表面に照射される電子ビームの大きさで決
定され、試料表面に照射される電子ビームを小さくする
ことは、検査像結像手段により二次電子、反射電子もし
くは後方散乱電子から形成する電子像の分解能を高くす
ることよりはるかに容易であり、高分解能の検査を行え
る。更に、電子ビームの本数を増加させることも容易で
あり、検査速度を大幅に向上できる。
【0010】各電子ビームの間隔は、検査像結像手段の
結像性能に応じて、結像された各電子ビームによる電子
像を分離できるように決定するが、例えば、各電子ビー
ムの中心は、試料の表面では、隣接する電子ビームの中
心から、電子ビームの試料の表面での大きさの2倍以上
離れていることが望ましい。上記のように、試料の全面
に電子ビームを照射して電子像を検出するには、試料の
表面を複数の電子ビームに対して相対的に移動すること
が必要であるが、検査速度を高くするには、試料の表面
を複数の電子ビームに対して一方向に連続して移動する
走査を行って、試料の全面に電子ビームを照射できるこ
とが望ましい。そこで、走査した時の複数の電子ビーム
の軌跡が走査に垂直な方向に等間隔で、複数の電子ビー
ムの試料の表面での大きさが略この間隔に等しいことが
望ましい。これであれば、1回の走査で試料の表面に密
に電子ビームを照射できる。
【0011】更に、1回の走査で試料の表面に密に電子
ビームを照射できる複数の電子ビームを2組設け、走査
した時の複数の電子ビームの軌跡がそれぞれ2つ以上一
致するようにし、検出器は、蓄積及び遅延機能を有し、
軌跡が一致する電子ビームの照射位置に対応する少なく
とも2つの検出領域の出力を、試料の表面の同一箇所の
出力になる時に加算するようにすれば、検出感度を一層
向上できる。これは、いわゆるTDI(Time Delay Inte
gration)方式と呼ばれる方式である。
【0012】結像された各電子ビームによる電子像は、
ぼけがなければ試料の表面での大きさに検査像結像手段
による結像倍率を乗じた大きさになるはずであるが、実
際にはそれよりも大きくなっている。そこで、相互に分
離可能な範囲内で、検出器の各検出領域をそれよりも大
きくすれば、効率よく電子像を検出できる。移動手段
は、例えば、試料を保持して主走査方向に連続移動が可
能なXYステージである。
【0013】更に、電子ビーム照射手段が、電子ビーム
を出力する電子源と、電子ビームを長方形の平行電子ビ
ームにする電磁レンズ系と、複数の電子ビームに対応す
る開口を有するマスクと、長方形の平行電子ビームをマ
スク上で主走査方向に垂直な方向に走査する副走査手段
とを備えるように構成し、検出器の1回の読み出し動作
の間に整数回の副走査を行うようにすれば、電子ビーム
の照射時間を短くして試料のチャージアップを低減でき
ると共に、マスクを照射する平行電子ビームの副走査方
向のむら、すなわち各電子ビームの副走査方向の強度の
ばらつきによる影響を低減できる。なお、長方形平行電
子ビーム副走査方向の長さは可変であり、試料に照射さ
れる電子の量が制御可能であることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の電
子ビーム欠陥検査装置の構成を示す図である。第1実施
例の電子ビーム欠陥検査装置は、半導体デバイスの製造
工程で、ウエハなどの基板上に形成されたパターンを検
査して欠陥を検出する装置であり、検出結果は製造工程
にフィードバックされて、工程の改善などに使用され
る。
【0015】図1の構成において、電子源10から放出
された電子は、電磁レンズ11により平行な電子ビーム
となり、複数の開口が配列されたマスク12を通過し、
マスク12の開口に対応した複数の電子ビームが形成さ
れる。複数の電子ビームは、後述するE−Bフィルタ1
6をそのまま通過した後、電磁レンズ13により縮小さ
れて基板15の表面に照射される。電子源10としては
電流密度の高いものが望ましいため、本実施例では熱電
界放出電子銃を使用しており、10keVの引き出し電
圧を印加している。引き出された10keVの電子は、
リターディング電圧印加回路23により基板15に印加
される−5keVから−9.5keVのリターディング
電圧により減速されて基板15に照射される。
【0016】図2は、マスク12の開口の配列を示す図
である。図示のように、マスク12には多数の開口30
が形成されており、開口30は5個を1組とするグルー
プ31a,31b,32a,32bなどに分けられる。
図3は、マスク12の開口の配列の位置関係を詳細に示
す図であり、図2と対応させれば、参照番号111a〜
115aで示す開口がグループ31aに属し、参照番号
111b〜112bで示す開口がグループ31bに属
し、参照番号121a〜125aで示す開口がグループ
32aに属し、参照番号121b〜122bで示す開口
がグループ32bに属する。各グループ内の開口は、順
にy軸方向に1ピッチP、x軸方向に5Pずつずれて配
置されている。従って、例えば、開口115aは開口1
11aに対して、y軸方向に4P、x軸方向に20Pず
れている。グループ32aの開口は、グループ31aの
開口をy軸方向に5Pだけ平行移動した関係を有する。
また、グループ31bの開口はグループ31aの開口を
x軸方向に25Pだけ平行移動した関係を有する。
【0017】本実施例では、マスク12の各開口30
は、1μm角であり、ピッチPも1μmである。マスク
12を通過した電子ビームは開口に対応する複数の小さ
な電子ビームに分割され、電磁レンズ13により1/1
0に縮小されて基板15上に照射される。従って、基板
15上には、0.1μm角で図3のピッチPが0.1μ
mの複数の電子ビームが照射されることになる。電子ビ
ームは回折による影響が少ないので、小さな電流密度で
クーロン相互作用が小さければ、マスク12の開口を正
確に縮小した形で基板15上に複数の電子ビームを照射
できる。
【0018】基板15の表面の各電子ビームが照射され
た領域からは二次電子及び反射電子が発生するが、これ
ら二次電子及び反射電子は基板15に印加されているリ
ターディング電圧により電子源10の方向(図では上方
向)に加速された後、E−Bフィルタ16により軸B−
B’方向に曲げられ、電磁レンズ17及び位置調整用の
電磁レンズ18により検出器19の表面に投影される。
すなわち、基板15の表面の二次電子及び反射電子の像
が検出器19の表面に結像される。なお、位置調整用の
電磁レンズ18は、投影される像における基板15の表
面の複数の電子ビームの照射位置と検出器19の検出領
域が一致するように調整するもので、検出器19の位置
を変化させる駆動機構を設けて位置が一致するように調
整することも可能である。E−Bフィルタ16は、電子
ビームを基板に照射する光学系の光軸A−A’に垂直な
平面内において、電界と磁界を直交させた構造を有し、
電子ビームが図1で上から下に進む時には電界と磁界に
よる偏向力が相殺して電子ビームは偏向せず、下から上
に進む時には電界と磁界による偏向力が合わされて、電
子ビームは偏向する。E−Bフィルタ16については知
られているので、ここではこれ以上の詳しい説明は省略
する。なお、電子源10、電磁レンズ11、電磁レンズ
13,17、18、及びE−Bフィルタ16は、電子光
学系制御回路22により制御される。
【0019】図4は、検出器19の表面の検出領域を説
明する図である。基板15の表面の像が検出面上に結像
され、基板15の表面の各電子ビームが照射された領域
41は、図4で参照番号41で示す領域に相当するとす
る。二次電子及び反射電子が発生するのは、基板15の
表面の各電子ビームが照射された領域からであり、検出
表面における二次電子及び反射電子の像は領域41に存
在する。しかし、電磁レンズ17の結像能力は十分でな
く、検出表面における二次電子及び反射電子の像はぼけ
て領域41を越えて分布することになる。そこで、広が
った二次電子及び反射電子の像を効率よく検出するた
め、検出器19の検出領域42は領域41より大きくし
ている。ただし、検出の分解能は基板表面の各電子ビー
ムの大きさで決定されるので、検出器19の各検出領域
を大きくしても分解能は低下しない。すなわち、得られ
る二次電子像及び反射電子像の分解能は走査型電子顕微
鏡(SEM)と同様に基板に照射される電子ビームの径
によって決定される。なお、検出表面における各電子ビ
ームの二次電子及び反射電子の像が相互に重なると分離
して検出できないので、基板表面に照射する複数の電子
ビームの間隔は、電磁レンズ17の結像能力を考慮して
相互に重なることのないように決定する必要がある。な
お、電磁レンズ17の結像能力が十分良好な場合や検出
感度が問題にならない場合には、検出器19の各検出領
域は領域41に示す大きさやそれ以下の大きさでもよ
い。
【0020】検出器19は、検出領域42の部分に設け
た蛍光体の層により電子を光に変換して検出し、検出領
域42以外の部分は金属膜で覆うことにより光を検出し
ない構造になっている。なお、検出器の感度が十分でな
い場合には、蛍光体層の上にMCP(Multi Channel Pla
te)を取り付けて電子を増幅した後蛍光体層により光に
変換する方式とすることも可能である。検出器19の信
号は信号処理回路20に転送され、検出結果から欠陥の
有無、欠陥の種類、サイズなどを判定する処理が行われ
るが、この部分は従来の電子ビーム欠陥検査装置や光学
式欠陥検査装置と同様のものが使用されるので、ここで
は説明を省略する。
【0021】基板15はx方向に連続移動可能なXYス
テージ14上に保持され、XYステージ14の移動によ
り各電子ビームが基板15上に照射される位置が連続的
に変化する。XYステージ14の移動は、ステージ制御
回路21により制御される。ここで、図2及び図3を参
照して複数の電子ビームの配置と走査の関係について説
明する。図3に示すように、各グループの開口はy方向
に順に1ピッチPだけずれて配置され、更に図2及び図
3に示すようにこのようなグループがy方向に5Pずつ
ずれて順次配置されている。従って、ステージをx方向
に連続移動すると、基板表面のすべての領域を電子ビー
ムが密に通過する。いま、このようなグループがy方向
にm個配列されている場合には、y方向に5m個の開口
が配列され、1回の連続移動で5mPの幅を走査できる
ことになる。なお、検出器も同様にy方向に5m個の検
出領域が配列され、1回の読み出しで5m個の出力が順
次転送される。ここでは、5m個の検出領域群を1行と
し、1行の検出領域の個数を電荷転送列数と呼ぶ。ただ
し、開口111aと開口112aはx軸方向に5Pだけ
ずれているので、開口111aと開口112aを通過し
た隣接する電子ビームがy座標が同一の点に照射される
のはこの距離を移動する時間差分だけ照射タイミングが
異なる。
【0022】次に、図3に示すように、グループ31a
の開口111aとグループ31bの開口111bはy方
向の位置は同じであり、ステージをx方向に連続移動す
ると同一軌跡上を通過する。ただし、開口111aと開
口111bはx方向に25Pだけずれており、同一点を
通過するタイミングは、25Pを移動する時間差分だけ
異なる。そこで、検出器19では、開口111aに対応
する電子ビームを検出する検出領域の出力を25Pを移
動する時間差分だけ遅延させ、開口111bに対応する
電子ビームを検出する検出領域の出力に加算する処理を
行う。これを他の開口についても行う。なお、図示の例
では、y座標が同一なのは2個の開口、すなわち行数は
2であったが、y座標が同一なN個の開口を設けること
(行数をNにすること)も可能である。これにより同一
点についてN回の検出が行われることになり、各電子ビ
ームの強度が同じであれば検出感度がN倍になり、検出
感度が同一であれば各電子ビームの強度を1/Nにでき
る。電子ビームの強度を1/NにしてN回に分けて照射
すれば、基板表面のチャージアップが生じにくくなり良
好な検出が可能になる。この方式は、いわゆるTDI方
式と呼ばれ、上記のような同一軌跡上にN個の検出領域
を有し、各検出領域の出力をそれぞれ所定時間遅延させ
て加算するセンサをTDIセンサと呼ぶ。
【0023】検査のスループットは、TDIセンサの電
荷転送列数mに電荷転送周波数を乗じたもので表され
る。例えば、電荷転送列が2000のTDIセンサにお
いて500kHzの周波数で電荷が転送された場合に
は、1Gピクセル/秒の検査速度が得られることにな
る。図5は、本発明の第2実施例の電子ビーム欠陥検査
装置の構成を示す図である。第2実施例の電子ビーム欠
陥検査装置も、ウエハなどの基板上に形成されたパター
ンを検査して欠陥を検出する装置であり、第1実施例と
類似の部分については説明の一部を省略する。
【0024】図5の構成において、熱電界放出電子銃で
ある電子源60から引き出し電圧10keVで引き出さ
れた電子は、電磁レンズ61により平行な電子ビームと
なり、長方形の開口を有するスリット62を通過して長
方形に成形される。この長方形の電子ビームは、走査光
学系63により第1実施例と同様の複数の開口を有する
マスク64に対して走査される。マスク64を通過した
複数の電子ビームは、E−Bフィルタ69を通過した
後、静電レンズ65aと磁気レンズ65bから構成され
る対物レンズにより縮小されて基板66の表面に照射さ
れる。基板66は一方向に連続移動可能なXYステージ
67上に保持され、リターディング電圧印加回路68に
より−5keVから−9.5keVのリターディング電
圧が印加される。
【0025】基板66の表面からの二次電子及び反射電
子が発生するが、これら二次電子及び反射電子はリター
ディング電界により加速された後、E−Bフィルタ69
により軸D−D’方向に曲げられ、電磁レンズ70及び
位置調整レンズ71によりTDIセンサである検出器7
2の表面に投影される。検出器72からの検出信号は、
信号処理回路73に転送され、画像比較方式により欠陥
検出を行う。また、第2実施例の装置では、ステージ6
7はステージ制御回路74により、電子光学系は電子光
学系制御回路75により制御される。
【0026】図6は、スリット62により形成された長
方形の電子ビームでマスク64を走査する様子を示す。
図6において、参照番号50はマスク64の開口であ
り、参照番号51はスリット62により成形された電子
ビームを示す。電子ビーム51は、走査光学系63によ
りステージ67の連続移動方向(x方向)に垂直な方向
(y方向)に走査される。ここで、電子ビーム51の形
状は、x方向はマスク64で開口が設けられた開口部を
すべてカバーするのに十分な長さであり、y方向はマス
ク64の開口部の幅よりも短い長方形である。電子ビー
ム51は、走査光学系63によりy方向に一定速度で繰
り返し走査される。その際の走査周波数は、TDIセン
サ72の電荷転送周波数をfとした時に、f/2となる
ように設定される。これにより1回のTDIセンサ72
からの読み出しの間に書く開口部50から同一量の電子
ビームが基板に照射される。例えば、転送周波数が50
0kHzであるTDIセンサに対して走査周波数を25
0kHzとすると、電荷転送の間に各電子ビームが1回
照射されることになる。各電子ビームが照射される時間
は電子ビーム51の走査方向の幅を変えることにより制
御できる。すなわち、電子ビームを照射することによる
基板66のチャージアップが起きやすい場合には、幅を
狭くして電子ビームの照射時間を低減することにより、
チャージアップの影響を低減できる。なお、対象とする
基板に応じて電子ビーム51の幅を変えられることが望
ましく、スリットを2つのスリットから構成し、2つの
スリットの間の幅を変えるなどの構成により、幅を可変
にできる。
【0027】また、第2実施例においては、対物レンズ
を静電レンズ65aと磁気レンズ65bから構成し、倍
率を変化させる場合には、磁気レンズ65bに流す電流
値は一定として静電レンズ65aに印加する電圧を変化
させることにより行う。これにより、磁気レンズ65b
に流す電流を増減させる時に生じる熱ドリフトの影響を
なくすことが可能になる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により電子
ビームによる欠陥検査の特徴である高分解能の特性を生
かしながら、検査速度を大幅に向上させることが可能に
なり、高速かつ高感度での欠陥検査が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例の電子ビーム欠陥
検査装置の基本構成を示す図である。
【図2】図2は、第1実施例におけるマスクの開口パタ
ーンを示す図である。
【図3】図3は、第1実施例におけるマスクの開口パタ
ーンの詳細を示す図である。
【図4】図4は、第1実施例における検出器の検出領域
を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施例の電子ビーム欠陥
検査装置の基本構成を示す図である。
【図6】図6は、第2実施例におけるマスクの走査を示
す図である。
【符号の説明】
10…電子源(熱電界放出電子銃) 11…電磁レンズ 12…マスク 13…電磁レンズ 14…XYステージ 15…基板 16…E−Bフィルタ 17…電磁レンズ 18…位置調整用レンズ 19…検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/66 H01L 21/66 J Fターム(参考) 2G001 AA03 AA10 BA07 BA14 CA03 DA02 FA21 GA01 GA06 GA09 GA11 HA01 HA13 JA02 JA03 JA04 JA11 KA03 LA11 MA05 PA11 SA01 SA02 SA04 4M106 AA01 BA02 CA39 DB01 DB04 DB05 DJ04 DJ23 5C033 BB02 NN01 NN02 NP06 NP08 UU03 UU04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の表面に複数の電子ビームを照射す
    る電子ビーム照射手段と、 前記試料の表面からの二次電子、反射電子もしくは散乱
    電子を受けて検査像を結像する検査像結像手段と、 前記検査像の前記複数の電子ビームの照射位置に対応し
    た複数の検出領域を有する検出器と、 前記試料の表面を、前記複数の電子ビームに対して相対
    的に移動する移動手段とを備えることを特徴とする電子
    ビーム欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記試料の表面では、各電子ビームの中心は、隣接する
    電子ビームの中心から、前記電子ビームの前記試料の表
    面での大きさの2倍以上離れている電子ビーム欠陥検査
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記複数の電子ビームの照射位置は、前記移動手段で相
    対的に移動した時の前記複数の電子ビームの軌跡が前記
    移動方向に垂直な方向に等間隔で、前記複数の電子ビー
    ムの前記試料の表面での大きさが略この間隔である電子
    ビーム欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記移動手段で相対的に移動した時の前記複数の電子ビ
    ームの軌跡は、少なくとも2つの電子ビームの軌跡がそ
    れぞれ一致し、 前記検出器は、蓄積及び遅延機能を有し、前記軌跡が一
    致する電子ビームの照射位置に対応する少なくとも2つ
    の検出領域の出力を、前記試料の表面の同一箇所の出力
    になる時に加算する電子ビーム欠陥検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    電子ビーム欠陥検査装置であって、 前記検出器の各検出領域は、各電子ビームの前記試料の
    表面での大きさに、前記検査像結像手段による結像倍率
    を乗じた大きさよりも大きい電子ビーム欠陥検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記移動手段は、前記試料を保持し、前記電子ビーム照
    射手段と前記検査像結像手段と前記検出器とを含むコラ
    ムに対して前記試料を主走査方向に移動するXYステー
    ジである電子ビーム欠陥検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記電子ビーム照射手段は、 電子ビームを出力する電子源と、 前記電子ビームを長方形の平行電子ビームにするコリメ
    ータ手段と、 前記複数の電子ビームに対応する開口を有するマスク
    と、 前記長方形の平行電子ビームを、前記マスク上で前記主
    走査方向に垂直な方向に走査する副走査手段とを備える
    電子ビーム欠陥検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電子ビーム欠陥検査装
    置であって、 前記コリメータ手段は、前記電子ビームを平行ビームと
    する手段と、前記長方形の平行電子ビームの形状に対応
    する開口を有し、前記平行な電子ビームが通過するスリ
    ットとを有し、 該スリットの前記開口の形状は可変である電子ビーム欠
    陥検査装置。
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