JP2008123716A - 時定数測定機能を搭載した走査型電子顕微鏡 - Google Patents

時定数測定機能を搭載した走査型電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】走査型電子顕微鏡において、一次電子線や二次電子の偏向量が少なくなる最適な走査方法を決定して安定した画像を取得できるようにするものである。
【解決手段】エネルギーフィルタを用いてエネルギーを弁別し、得られる電子収量の変化から試料電位の変動を測定し、電子線照射時に形成される帯電の時定数を抽出する。抽出した時定数を基に走査方法を最適化し、SEM像に現れる歪みや倍率変動を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子線を用いて試料を観察する電子顕微鏡であって、電子線照射によって試料から発生する電子を検出し、試料の形状や組成を測定もしくは検査するための走査電子顕微鏡に関する。
ULSI(Ultra-Large Scale Integration)素子の微細化や高集積化が急速に進められ、加工寸法が数十nmのデバイス加工が行われつつある。また高速化のために低誘電率膜やメタルゲート膜の採用、対エッチング耐性を高めるための3層レジストなど、多種類の新材料を用いた多層化が進行している。そのために、ULSI加工時の寸法精度(CD)管理に対する要請が厳しくなっている。
レジストや絶縁膜、Low−k材等の絶縁体は半導体加工工程で多く用いられているが、この絶縁体(試料)表面は、電子線照射により帯電する。帯電すると試料表面から脱出しようとする二次電子の量を変えたり、また一次電子線の軌道を曲げたりするため、走査電子顕微鏡の画像を歪ませることになる。その結果として、真の加工寸法や形状を測定することが困難になっている。例えばArFレジストでは、エッチング工程でラインエッジラフネス(LER)が発生したのか、また電子顕微鏡での帯電による寸法の誤測定なのかの判定ができなくなる。また高アスペクトのコンタクトホール観察では、コンタクトホールの形状が歪んで観測されたり、ホールの上部径と下部径の識別が困難となったりする問題が発生する。帯電は電子の移動・拡散による空間的変化に加え、ホール・電子再結合などによる減衰など、空間的/時間的に変化する。また、観察条件(試料表面に入射する電子のエネルギー、倍率、電流量、走査方法)によって“正に帯電”したり、“負に帯電”したりする。そのため、帯電を制御することが重要になっている。
従来から、帯電制御として以下の方法が考えられている。例えば、特許文献1には、観察時の倍率とは異なる低倍率で予め一次電子を照射して(プリドーズ)、観察領域より広い範囲に電子を照射させて積極的に帯電させ、これより観察領域での帯電を一様化することで、安定な画像を取得することが記載されている。また、特許文献2では、観察時の一次電子線のエネルギーと異なるエネルギーの電子線を予め照射することにより、正や負の帯電を相殺させたり緩和させたりし、帯電の影響を受けにくくしている。さらに、同様の技術を開示する特許文献3によれば、観察領域及びそれより広い領域は、複数回のフレームサイクルの間に正の電荷でフラッド(照射)されることにより、走査領域と周囲領域の間の電圧差を減少させ、その後、観察領域を個別に走査することにより、観察領域の画像を明るくして観察する。また、特許文献4には、概略円形である孔を走査する際に、表面電荷の影響を減少させる走査技術が開示されている。さらに、低倍率において孔の中心位置を特定し、高倍率において電子ビームを孔の中心から放射状に外側に向かう方向に、孔の縁を越える点まで走査することを繰り返す方法もある。これらの技術によって、帯電の影響を抑制し、正確な画像の安定取得を図っている。
また、帯電電位の計測方法として、特許文献5には、複数画像の輝度変化から輝度の時定数を求め、これらの時定数を電位情報として出力する技術について開示されている。
特開平5−151927号公報 特開2000−20057号公報 特表2001−508592号公報 特許3238705号公報 特開昭62−52841号公報
一般的に、絶縁体試料表面の帯電量と分布は、以下の要因に大きく依存することが知られている。
a)一次電子のエネルギー、電流密度、観察倍率及び試料の二次電子/後方散乱電子イールドに依存する変化。
b)電子の移動や拡散、電子−ホール再結合による消滅等に依存する時間的変化。
c)走査方法に依存する変化。
特許文献1は上述のように、プリドーズによって観察領域よりも広い領域に帯電させて、観察領域での電位を一様と見なせるようにし、画像の安定化を図るものである。しかしながら、この場合、帯電の影響を一様と見なせるようにしても、上記b)の帯電の時間変化やc)の帯電が次の走査時の電子軌道が偏向することが考慮されていないので、走査の間隔や走査回数によって画像が変化したり歪むなどの問題点がある。
また、特許文献2は、観察時の一次電子線のエネルギーと異なるエネルギーの電子線を予め照射することにより、正や負の帯電を緩和させるものである。この場合、例えば予備照射で正に帯電させて観察時に負に帯電させるエネルギーで電子を照射すると、観察領域の帯電は緩和されるが、経過時間と共に帯電量や分布が変化すること、走査する場所とされていない場所とでも分布が変化する。すなわちb)及びc)の現象を考慮していないため、走査で得られた画像が‘真の’画像である保証がないことや、時間や回数によって変化するという問題がある。さらに、特許文献3についても、同様の問題がある。
特許文献4は、円形の孔の中心から外側に向かって電子線を走査する方法であるが、孔の底に電荷が蓄積されて、次の走査時に中心に照射された電子線は偏向されることになる。これは走査に要する時間や走査回数によっても変化するので、真の画像の安定取得が困難となる。
また、特許文献5は、複数の画像の輝度変化から電位分布を表示する方法であるが、この時の輝度変化の主要因は、低いエネルギーの放出電子が、帯電の影響で試料に引き戻されたり、軌道が偏向されて検出不能になるためである。このため、出力される電位情報は、放出電子のエネルギー分布や帯電領域の広さに大きく依存する事となり、正確な帯電電位の変化の計測は困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、走査型電子顕微鏡において、一次電子線や二次電子の偏向量が少なくなる最適な走査方法を決定して安定した画像を取得できるようにするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、試料の帯電状態を測定し、その測定結果を用いて、帯電の影響を低減する電子線の走査順序を決定する方法を提供する。
一般に、二次電子/後方散乱電子のイールドは、ULSIに使われる材料毎に電子の加速エネルギーによって異なり、また電子線の電流密度や観察倍率によっても帯電の分布や電位が異なる。そのため、材料毎にまた時間によって変動する帯電をモニターする必要がある。そこで、本発明では、エネルギーフィルタを用いて、放出電子のエネルギーを弁別し、特定のエネルギーを持つ電子(特に高エネルギーで試料より放出された電子)の挙動に着目している。
即ち本発明は、試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタと、エネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を抽出する時定数抽出手段と、抽出した時定数に基づいて試料を電子線で走査する走査順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、決定された走査順序で試料を走査して観察することを特徴とする。
ここで、走査順序決定手段は、抽出された時定数と1ラインの走査時間及び走査間隔で規定される走査条件を基に、時間−距離の空間上に走査点を配置し、各走査点の距離が最大となるように走査順序を決定するようにしてもよい。そして、走査点の配置は、三角形、四角形、或いは六角形となるように走査順序が決定される。また、走査順序決定手段は、電子線照射に起因する電位変動の時定数の基準となる時定数に対する比較結果に応じて、時間−距離の空間上に配置した走査点の縦横比を変更するようにしてもよい。
時定数抽出手段は、エネルギーフィルタのフィルタ電位を固定し、試料に一次電子線を照射したときの輝度の時間変化から電位変動の時定数を抽出するようにする。そして、時定数抽出手段は、一次電子線の照射位置を移動させながら試料上の複数位置に一次電子線を照射するように電子線照射手段を制御し、複数位置で得られた輝度の時間変化平均値を時間変化曲線とし、電位変動の時定数を抽出する。
本発明による走査順序決定方法は、試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡における前記試料の走査順序決定方法であって、試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を抽出する時定数抽出工程と、抽出した時定数に基づいて前記試料を前記電子線で走査する走査順序を決定する走査順序決定工程と、を備えることを特徴とする。
本発明による別の形態の走査型電子顕微鏡は、試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタと、予め観察する試料毎に、前記エネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を記録する時定数記録手段と、指示入力に応じて観察すべき試料を指定する試料指定手段と、指定された試料に対応する時定数を時定数記録手段から取得し、この時定数に基づいて観察すべき試料を電子線で走査するときの走査順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、決定された走査順序で試料を走査して観察することを特徴とする。
本発明によるさらに別の形態の走査型電子顕微鏡は、試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、予め観察すべき試料毎に、試料を電子線で走査するときの走査順序を記録する走査順序記憶手段と、指示入力に応じて観察すべき試料を指定する試料指定手段と、指定された試料に対応する走査順序を走査順序記憶手段から取得し、その走査順序に基づいて試料を前記一次電子線で走査する走査手段と、を備え、走査順序は、それぞれの試料に対して、試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数が抽出され、抽出した時定数に基づいて決定されることを特徴とする。
さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
本発明によれば、最適な(電子線照射によって発生する帯電の影響を最も受けにくい)走査順序を決定でき、その走査順序によって試料を走査すれば、精度の良い安定した画像を取得することができる。
以下、本発明による実施形態について添付図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明による実施形態は本発明を実現する上での一例に過ぎず、本発明はこれによって限定されるものではない。
<装置構成>
図1は、本発明の実施形態で用いるSEM(Scanning Electron Microscope)の概略構成を示す図である。電界放出陰極11と引出電極12との間に引出電圧13を印加することで、一次電子ビーム1を生成する。一次電子ビーム1はコンデンサレンズ14、上走査偏向器21、下走査偏向器22で走査偏向を受ける。上走査偏向器21、下走査偏向器22の偏向強度は、対物レンズ17のレンズ中心を支点として試料23上を二次元走査するように調整されている。偏向を受けた一次電子ビーム1は、対物レンズ17の通路に設けられた加速円筒18でさらに後段加速電圧19の加速をうける。後段加速された一次電子ビーム1は、対物レンズ17のレンズ作用で試料23上に細く絞られる。
一次電子ビーム1が試料23を照射すると二次信号2乃至3が発生する。ここで考慮する二次信号はエネルギーの低い二次電子2とエネルギーの高い二次電子3である。対物レンズ17と試料23間に作られている電界は、発生した二次信号に対しては加速電界として作用するため、対物レンズ17の通路内に吸引され、対物レンズ17の磁界でレンズ作用を受けながら上昇する。対物レンズ17内を通過した二次信号2乃至3は走査偏向器22、21を通過し、エネルギーフィルタ30に入射し、エネルギーの低い二次電子2はエネルギーフィルタ30を通過できず、エネルギーの高い二次電子3はエネルギーフィルタ30を通過する。一次電子ビーム1を試料23に照射し続けると、試料23が帯電し、試料電位Vsが変動する。ここで試料電位Vsは電子線照射によって形成される帯電電位ΔVsと試料ホルダ24に印加されるリターディング電位25の和である。帯電により試料電位Vs(=Vr+ΔVs)が増加すると、エネルギーフィルタ30を通過できる二次電子の数が減少するため、検出器7で検出される信号電子4は減少する。
そして、時定数抽出から走査順序を決定するまでの構成図である図2に示されるように、検出器7の出力は入力D1として時定数抽出装置110に供給される。時定数抽出装置110は、入力データD1から帯電の時定数としてτ1とτ2(図7参照)の2つを抽出する。抽出された時定数τ1若しくはτ2は時定数記録装置120に保存され、保存した時定数と走査条件D2(走査間隔Δl、走査回数n)を用いて走査順序決定装置130で走査順序を決定する。そして、決定された走査順序で試料に対して電子線を走査してその試料を観察する。
<処理シーケンス>
図3は、本実施形態によるSEMの処理シーケンスを説明するためのフローチャートである。
ステップS100では同種のサンプル或いは同じウェハで以前に時定数が測定されてそれらが時定数記録装置120に格納されているか否かが判断され、時定数測定の要否が決定される。時定数を計測する場合はステップS101で時定数の測定箇所に電子線を移動する。時定数の計測箇所は、試料の平坦部若しくは観察部、観察部と等価なパターン部が望ましい。
続いてステップS102において、エネルギーフィルタ30に印加する阻止電位が決定され、フィルタ電位が設定される。このフィルタ電位は、試料上の局所的な帯電分布によって影響を受けない高エネルギーの二次電子を取り込むための電位である。そして、ステップS103及びS104で一次電子ビーム1を試料23に照射して二次信号4と時間の関係(入力D1:図7参照)を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した入力D1を時定数抽出装置110に入力し、観察試料の時定数τを抽出する。抽出処理の詳細については後述する。
ステップS106では、抽出した時定数τを時定数記録装置120に保存する。
ステップS107では、抽出した時定数と走査条件(入力D2)を元に最適な走査順序を決定する。走査順序の決定方法の詳細については後述する。なお、ここで走査条件とは、走査間隔Δlと走査回数n、1lineの走査時間Δtを意味する。
ステップS108では、走査順序決定装置から出力された走査順序を用いて実際に試料観察を行う。また、ここで出力された走査順序を記録装置に保存しておけば、以後材料若しくは構造若しくはパターンが同等と見なせる試料観察時に、時定数の測定や走査順序の最適化を行う必要なく最適な走査順序でSEM像を取得できる。
ステップS100で時定数の計測は不要と判断した場合には、処理はステップS110に移行する。ステップS110では、過去に時定数を測定した場合は、時定数記録装置120より時定数を読み出す。過去に測定した経験がない場合には、観察試料の材料から時定数を推定する。
<エネルギーフィルタ及び二次信号と時間の関係取得処理(ステップS104)について>
図4は、エネルギーフィルタ30の作用を説明する図である。図4に示すように、試料23及びエネルギーフィルタ30にそれぞれVr(25:例えば0V)、Vf(45:例えば5V)の電位印加した場合、阻止電位Vrf(=Vr−Vf、試料23の電位に対してどの位低い電位を設定しているかを示す)が形成される。この時、試料23から放出された電子のうち阻止電位Vrfよりもエネルギーの高いものは検出できるが低い電子はできない。
ここで、電子線照射によって帯電が発生し、試料上の電位がΔVsだけ上昇した場合を考える(図5参照)。この時、試料電位VsはVs=Vr+ΔVsとなり、阻止電位Vrf(=Vr+ΔVs−Vf)がΔVsだけ上昇するため、エネルギーフィルタによって取り出されて検出される電子が減少する。このため画像の輝度が減少する。以上の原理を用いて、画像の輝度(図5の斜線部分)から帯電電位ΔVs(=電子線を照射していない試料上の箇所を基準とした変動分)を求めることができる。また、エネルギーフィルタ30に印加する電圧Vfを調整し、高エネルギーで試料23から放出された電子の収量変化のみに着目すれば、試料帯電により放出電子の軌道が変化する事を考慮することなく高精度な電位測定を行える。
具体的な方法としては、エネルギーフィルタ30に電圧Vfを印加し、そこを通過する電子による画像の輝度の時間変化を測定する。時間変化を測定する方法としては、観察ウェハ内にある観察箇所若しくは平坦部で、エネルギーフィルタを透過する電子による画像輝度の時間変化を測定する。この時、一次電子の走査方法は、目的に応じて任意に設定すればよい(一点照射、ライン走査、TV走査、ランダム走査、etc)。また、S/N比を上げる観点からフィルタ電位を固定し、観察ウェハ内の、複数の箇所で上記を実施する。
また、ウェハ内において材料やパターン形状の異なる箇所で測定すれば、任意の箇所での電位変化を測定できる。
これらの測定結果から、信号強度Sの時間変化曲線S(t)(図7参照)を取得する。
なお、走査順序決定にはμsオーダの高い時間分解能で数Vの試料電位の変動を計測し、時定数を抽出する必要がある。エネルギーフィルタを用いた電位計測の時間分解能と計測電位の精度にはトレードオフの関係があり、時間分解能が向上すると検出される二次信号4のS/Nが減少し、計測電位の誤差が増大する。そこで、ウェハ上の複数の測定点を移動し、二次信号4を複数回測定する。測定した信号値の平均値を用いれば、S/Nが向上し、電位の測定精度と時間分解能を両立できる。時定数の測定シーケンスを図6に示す。
図6において、ステップS201で信号値の平均値を求めるための測定回数Mを決定する。この測定回数Mの値は、最初に信号値を1回測定し、その測定結果のS/Nを見て決定される。つまり、図7のような信号の時間変化曲線を得るには、時間と二次電子信号量の関係を取得しなければならないが、1回の測定のみでは良好な信号を取ることができない。そこで、S/Nを良くするためにM回平坦な場所で測定することとしている。
ステップS202では、電子線を照射し二次信号4の時間変化を取得する。そして、ステップS203で測定箇所を移動する。ステップS204では、測定回数がMになるまで測定を繰り返す。
最後に、ステップS205において、測定したM回の信号値の平均曲線を求め、入力D1として時定数抽出装置110に引き渡す。
図7は、以上のようにして得られた信号電子4と電子線の照射時間の関係(例)を示している。
<時定数の抽出処理(ステップS105)について>
続いて、時定数抽出装置110で実行される時定数抽出処理について詳細に説明する。
信号強度の時間変化を、係数S0、時定数τとして、S=S0・exp(−t/τ)と表した場合、時定数τは図7のS(t)とのフィッティングにより求められる。つまり、一次電子線によって試料が正に帯電する場合、図7のように信号強度は変化する。はじめの急速な変化は、電子線によって正電荷が蓄積されている状態であり、輝度が暗くなる。この時定数をτ1(電子線照射によって正の電荷が蓄積される過程を特徴付ける時定数)と表す。その後ゆっくり変化するのは、電子の移動・拡散による散逸と電子・ホールの再結合によって電荷が消滅する過程と一次電子線による正電荷の供給との差をあらわし、この時定数をτ2とする。帯電の時定数としてτ1とτ2の2つを抽出する。通常のSEM観察条件下においてはτ1<τ2となっている。
ここで、ある時定数τで電位変動する試料を観察した場合の観察時間とSEM像の関係を考察する。
1)観察時間が時定数τに比べて十分小さい場合は、帯電の影響を受けないので、SEM像は歪まない。2)観察時間と時定数τが同程度の場合は、観察中に帯電による影響が変化するので、SEM像が不均一に歪む。3)観察時間が時定数に比べて十分大きい場合は、観察中に同じ大きさの帯電の影響を受け続けるので、倍率が変動する、つまり一様に像が歪む。
そこで、ライン毎の歪み量を最小にしたければ1ラインの取得時間に近い時定数を選択し走査順序を決定すればよく、フレームごとの歪み量を最小にしたければ1フレームの取得時間に近い時定数を選択して走査順序を決定すればよいことになる。
このように、時定数としてτ1及びτ2のいずれを用いるかは、走査に要する時間や注目している現象の特性時間によって判断する。つまり、走査に要する時間(ライン走査の時間)に注目して走査順序を決定すると、1フレーム内の歪量の差が最小化される。また、注目している減少の特性時間、つまり観察に要する時間(数ピクセル、数ライン、1フレーム、1枚、数枚、数十枚・・・の画像の取得時間)に注目して走査順序を決定すると、観察に要する時間に対する歪量が最小化される。
<走査順序決定の処理(ステップS107)について>
次に、走査順序決定装置130が実行する走査順序決定処理について詳細に説明する。
電子線照射によって蓄積される帯電の影響は、電子線を照射した場所から、可能な限り距離を離して次の走査をすること、もしくは次の照射までの時間をできるだけ空けることによって除かれることが分かっている。しかし、単に走査の距離や時間間隔を空ける事は、画像取得のスループットを落とすことになる。
そこで、走査方法の最適化のため、電子線照射が及ぼす距離と時間の関係を次のように定量化することとする。
ここでは、ライン毎に電子線を走査する場合を例にして、定量化方法を示す。現在の走査ラインから次の走査ラインまでの距離をΔl、次の走査までに要する時間(走査時間)をΔt、帯電電荷量をQとする。ここで帯電電荷量Qは、上記の信号強度の時間変化から、Q=Q0exp(−Δt/τ)と表される。この時に、前回走査したラインからlだけ離れた位置を走査した時に電子線が受ける力FはF=Q/lと表されるので、電子線の偏向量ΔLはaを比例定数として、
ΔL=a・Q0exp(−Δt/τ)/l (1)
と表される。さらに観察領域での走査本数をnとすると、観察領域全体での一次電子の偏向量Lは、
L=ΣΔL=Σa・Q0exp(−Δt/τ)/l (2)
と表される。
今、一例として9回ライン走査する場合(1ラインの走査時間Δt、走査間隔Δl)の走査点の配置を図8に示す。画像の上から順番に走査した時の走査点の配置を図8(a)に示す。1回目の走査は一番上のラインを走査するため、走査点をAに配置する。2回目の走査は、1回目の走査のΔt秒後に次のラインを走査するため、Bに走査点を配置する。2回目の走査時には、1回目の走査時に形成された帯電の影響を受け、一次電子が偏向される。この時の偏向量ΔLは(2)式よりa・Q0・exp(−Δt/τ)/Δlとなる。このように上から順番に走査した場合、走査点の距離が短いため、以前に走査した際に形成された帯電の影響を大きく受けることになる。
このため帯電による画像歪みを最小にするためには、(2)式で表される全偏向量L=ΣΔLを最小にするように走査点を配置すればよい。これは、(Δl、Δt)刻みの距離−時間の空間に、n点の走査点を埋め込む問題を解くことに等しいものである。そのための方法としては、距離−時間の空間に走査点を重複することなく、均等に配置すればよく、時間−距離空間で、走査点間の距離が最大となるように配置すれば良いことになる。以上の考察の結果、最も効率のよい配置(均等な配置)は走査点を三角形若しくは四角形、六角形で埋め尽くせばよいことが分かる。
1ラインの走査時間Δtと走査間隔Δlが一次電子ビーム1の偏向量に対して等価に影響する場合、図8(b)に示す配置となる。図8(b)によれば、走査順序は、ライン#4→#7→#2→#9→#5→#1→#8→#3→#6となり、この順序によって9ライン全てが走査される。
また、試料の時定数τが図8(b)の場合に比べて大きい場合は、走査点の形状を横に引き伸ばせばよい。また、試料の時定数τが図8(b)の場合に比べて小さい場合は、走査点の形状を縦に引き伸ばせばよい。よって、図8(c)又は図8(d)に示す形状となる。なお、図8(b)乃至(d)で示される配置方法は、走査点を四角形に設定した例である。
このように、電荷量の時間変化の時定数τが求まれば、式(2)を最小にする走査方法は一意的に決定できることが分かる。
<他の実施形態>
本発明では、予め複数の試料毎にエネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を時定数記録装置120に記録しておき、それを用いて試料の最適な走査順序を決定するようにしてもよい。つまり、ユーザが観察すべき試料を図示しない入力手段(キーボードやマウス等)によって指定する。そして、指定された試料に対応する時定数を時定数記録装置120から読み出し、この時定数に基づいて観察すべき試料を前記電子線で走査するときの走査順序を決定する。走査順序の決定方法は、上述した方法と同様に行う。
また、予め観察すべき試料毎に、試料を電子線で走査するときの最適な走査順序を図示しないメモリに記憶させておき、これを用いて試料を観察するようにしても良い。つまり、つまり、ユーザが観察すべき試料を図示しない入力手段(キーボードやマウス等)によって指定する。そして、指定された試料に対応する走査順序を上記メモリから読み出し、その走査順序に基づいて試料を一次電子線で走査する。メモリに記憶されている最適な走査順序は、それぞれの試料に対して、上述した方法によって決定されたものである。
<まとめ>
本実施形態では、試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子をエネルギーフィルタによって取り出される。そして、取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数が抽出され、この時定数に基づいて試料を電子線で走査する走査順序が決定される。このようにエネルギーフィルタを用いて、試料が帯電したときに放出された電子のうちエネルギーの低い電子を除去して帯電の影響を受けにくい高エネルギーの電子を取り出しているので、より正確に帯電の電位を見積もることができる。よって、抽出される時定数をμsオーダの時間分解能で計測することができるので、それを用いて最適な走査順序を決定することができる。
また、走査順序を決定する際には、抽出された時定数と1ラインの走査時間及び走査間隔で規定される走査条件を基に、時間−距離の空間上に走査点を配置し、各走査点の距離が最大となるように走査順序を決定する。このようにすることにより、以前に走査したときに形成された帯電の影響を最小限に抑えることができるようになる。なお、走査点の配置を三角形、四角形、或いは六角形となるように走査順序を決定すれば、各走査点間の距離を大きく取ることができるので、各走査によって形成された帯電がお互いに影響を大きく与えることなく、最も効率のよい配置を実現することができる。
さらに、電子線照射に起因する電位変動の時定数の基準となる時定数に対する比較結果に応じて、前記時間−距離の空間上に配置した走査点の縦横比を変更するようにしてもよい。つまり、図8(b)を基準として、そのときの時定数τよりも大きい場合には、走査点で構成される図形(例えば四角形)の形状を横に引き伸ばし(図8(c))、時定数τが小さい場合には、その形状を縦に引き伸ばすようにする(図8(d))。このように走査順序を決定すれば、最適な走査順序を一意に決定することができるようになる。
また、時定数を抽出する際には、エネルギーフィルタのフィルタ電位を固定し、試料に一次電子線を照射したときの輝度の時間変化から電位変動の時定数を抽出する。このように検出された電子の収量変化のみに着目して、高精度な電位測定ができるので、より正確な信号強度の時間変化曲線を取得でき、よって正確な時定数が抽出できる。なお、よりS/Nを良くするには、一次電子線の照射位置を移動させながら測定するようにし、複数位置で得られた輝度の時間変化平均値を時間変化曲線とするとよい。
本発明のSEMの全体概略構成を示す図である。 本発明の実施形態による時定数抽出から走査順序決定までの装置構成図である。 本発明の実施形態による走査順序決定の処理を説明するためのフローチャートである。 阻止電位型エネルギーフィルタの動作説明図である。 電子線照射によって帯電が発生し、試料上の電位がΔVsだけ上昇した場合のエネルギー特性を示す図である。 二次信号と時間の関係を示す時間変化曲線を取得するための処理を示すフローチャートである。 二次電子信号量と電子線の照射時間の関係図である。 走査順序決定方法の説明図である。
符号の説明
1:一次電子ビーム、2:エネルギーの低い二次電子、3:エネルギーの高い二次電子、4:信号電子、5:シンチレータ、6:ライトガイド、7:検出器、11:電界放出陰極、12:引出電極、13:引出電圧、14:コンデンサレンズ、17:対物レンズ、18:加速円筒、19:後段加速電圧、21:上走査偏向器、22:下走査偏向器、23:試料、24:ホールダ、25:リターディング電圧、26:静電偏向器、27:静電偏向器(メッシュ)、28:偏向コイル、29:反射板、

Claims (14)

  1. 試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、
    前記試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタと、
    前記エネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を抽出する時定数抽出手段と、
    前記抽出した時定数に基づいて前記試料を前記電子線で走査する走査順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、
    前記決定された走査順序で試料を走査して観察することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  2. 前記走査順序決定手段は、前記抽出された時定数と1ラインの走査時間及び走査間隔で規定される走査条件を基に、時間−距離の空間上に走査点を配置し、各走査点の距離が最大となるように走査順序を決定することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。
  3. 前記走査順序決定手段は、前記走査点の配置が三角形、四角形、或いは六角形となるように前記走査順序を決定することを特徴とする請求項2に記載の走査型電子顕微鏡。
  4. 前記走査順序決定手段は、電子線照射に起因する電位変動の時定数の基準となる時定数に対する比較結果に応じて、前記時間−距離の空間上に配置した走査点の縦横比を変更することを特徴とする請求項2に記載の走査型電子顕微鏡。
  5. 前記時定数抽出手段は、前記エネルギーフィルタのフィルタ電位を固定し、前記試料に一次電子線を照射したときの輝度の時間変化から電位変動の時定数を抽出することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。
  6. 前記時定数抽出手段は、前記一次電子線の照射位置を移動させながら前記試料上の複数位置に前記一次電子線を照射するように電子線照射手段を制御し、複数位置で得られた輝度の時間変化平均値を前記時間変化曲線とし、電位変動の時定数を抽出することを特徴とする請求項5に記載の走査型電子顕微鏡。
  7. 試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡における前記試料の走査順序決定方法であって、
    前記試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を、時定数抽出手段が抽出する時定数抽出工程と、
    前記抽出した時定数に基づいて前記試料を前記電子線で走査する走査順序を、走査順序決定手段が決定する走査順序決定工程と、
    を備えることを特徴とする走査順序決定方法。
  8. 前記走査順序決定工程では、前記走査順序決定手段が、前記抽出された時定数と1ラインの走査時間及び走査間隔で規定される走査条件を基に、時間−距離の空間上に走査点を配置し、各走査点の距離が最大となるように走査順序を決定することを特徴とする請求項7に記載の走査順序決定方法。
  9. 前記走査順序決定工程では、前記走査順序決定手段が、前記走査点の配置が三角形、四角形、或いは六角形となるように前記走査順序を決定することを特徴とする請求項8に記載の走査順序決定方法。
  10. 前記走査順序決定工程では、前記走査順序決定手段が、電子線照射に起因する電位変動の時定数の基準となる時定数に対する比較結果に応じて、前記時間−距離の空間上に配置した走査点の縦横比を変更することを特徴とする請求項8に記載の走査順序決定方法。
  11. 前記時定数抽出工程では、前記時定数抽出手段が、前記エネルギーフィルタのフィルタ電位を固定し、前記試料に一次電子線を照射したときの輝度の時間変化から電位変動の時定数を抽出することを特徴とする請求項7に記載の走査順序決定方法。
  12. 前記時定数抽出工程では、前記時定数抽出手段が、前記一次電子線の照射位置を移動させながら前記試料上の複数位置に前記一次電子線を照射するように電子線照射手段を制御し、複数位置で得られた輝度の時間変化平均値を前記時間変化曲線とし、電位変動の時定数を抽出することを特徴とする請求項11に記載の走査順序決定方法。
  13. 試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、
    前記試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタと、
    予め観察する試料毎に、前記エネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数を記録する時定数記録手段と、
    指示入力に応じて観察すべき試料を指定する試料指定手段と、
    前記試料指定手段によって指定された試料に対応する前記時定数を前記時定数記録手段から取得し、この時定数に基づいて前記観察すべき試料を前記電子線で走査するときの走査順序を決定する走査順序決定手段と、を備え、
    前記決定された走査順序で試料を走査して観察することを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  14. 試料に一次電子線を照射し、試料の像を取得する走査型電子顕微鏡であって、
    予め観察すべき試料毎に、試料を前記電子線で走査するときの走査順序を記録する走査順序記憶手段と、
    指示入力に応じて観察すべき試料を指定する試料指定手段と、
    指定された試料に対応する走査順序を前記走査順序記憶手段から取得し、その走査順序に基づいて前記試料を前記一次電子線で走査する走査手段と、を備え、
    前記走査順序は、それぞれの試料に対して、
    前記試料より放出された電子のうち、所定値以上のエネルギーを持つ電子を取り出すためのエネルギーフィルタによって取り出された電子の信号強度と電子線照射時間との関係を示す時間変化曲線の時定数が抽出され、前記抽出した時定数に基づいて決定されることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
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