JP4163344B2 - 基板検査方法および基板検査システム - Google Patents

基板検査方法および基板検査システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板検査方法および基板検査システムに関し、特に、電子ビームを用いて基板表面部の電気的特性等を検査する基板検査方法および基板検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ビームを用いた半導体パターンの欠陥検査が行われている中で、矩形状の電子ビームを電子ビーム照射手段にて形成して検査対象である基板に一次ビームとして照射し、その基板表面部の形状/材質/電位の変化に応じて発生した二
電子、反射電子および後方散乱電子(以下、二次電子等という)を加速して二次ビームとして集束させ、写像投影手段にて電子検出部に拡大投影し、基板表面の状態を表す電子画像を得る手法が特開平7−249393に記載されている。さらに、この手法に加えて一次ビームを電子ビーム偏向手段であるウィーンフィルタ(Wien filter)にて偏向させ、基板表面に対して略垂直に入射させ、なおか つ二次ビームを同一のウィーンフィルタ内を直進させて写像投影手段に導く方法が特願平9−300275号出願にて提案されている。特願平9−300275号出願に示された基板検査システムの概略を図39を参照しながら説明する。なお、以下の各図において、同一の部分には同一の参照番号を付してその説明を適宜省略する。
【0003】
図39に示す基板検査システム200は、一次光学系1、これを制御する電子銃制御部16および複数段四極子レンズ制御部17、二次光学系2、これを制御する二次光学系レンズ制御部52,54〜56、電子検出部3、これを制御する電子検出制御部57、ウィーンフィルタ41、これを制御するウィーンフィルタ制御部53、ステージ43およびこれを制御するステージ電圧制御部51、画像信号処理部58、ホストコンピュータ59、および表示部60を備えている。
【0004】
一次光学系1は、電子銃部10と複数段の四極子レンズ系を備えてる。電子銃部10は、長軸100〜700μm、短軸15μmの矩形の電子放出面を有するランタンヘキサボライド(LaB6)線状陰極11、矩形開口を有するウエーネ ルト電極(Wehnelt cylinder)12、電子ビームを引出して一次ビーム5として照射する陽極13、ビーム軸調整用の偏向器14とを備えている。電子銃制御部16は、一次ビーム5の加速電圧、出射電流などを制御する。また、四極子レンズ系は、複数段四極子レンズ制御部17の制御に基づいて一次ビーム5を集束する複数段四極子レンズ15を備えている。
【0005】
線状陰極11より放出した一次ビーム5は、複数段の四極子レンズ15とその制御部17によって略矩形の断面形状を有するように集束され、ウィーンフィルタ41に対して斜めから入射する。ここで、線状陰極11は、矩形の電子放出面を有しているので、電子ビームの断面形状は略矩形となり、基板への照射領域が拡大し、検査効率を高めることができる。なお、矩形の他に、例えば、線状、長楕円等のアスペクト比が1を超える細長形状の断面を有する電子ビームを用いても、検査効率を高めることができる。しかし、細長形状に限らず様々な断面形状の電子ビームを用いても良い。
【0006】
一次ビーム5はウィーンフィルタ41によって基板42の表面に対して垂直な方向へ偏向されてウィーンフィルタ41を出射する。その後、一次ビーム5は、回転対称静電レンズであるカソードレンズ21によって縮小され、基板42上で長軸数百μm、短軸25μm程度の略矩形ビームとして照射される。
【0007】
ステージ43は、基板42に入射する一次ビーム5,基板42から出射する二次ビーム6の各ビーム軸に対して水平に移動自由な機構を有し、これにより、その上面に載置する基板42を移動させてその全表面が走査できるようになっている。また、ステージ43は、ステージ電圧制御部51により基板42に負電圧が印加できるようになっている。これにより、基板42から放出する二次電子等をを加速させて二次ビーム6として二次光学系2に入射させるので、二次ビーム6の収差を低減させることができる。また、一次ビーム5の基板42への入射エネルギーを抑えて基板42のダメージを低減することができる。
【0008】
ウィーンフィルタ41の基本的な構成を図40に示す。同図に示すように、ウィーンフィルタ41は、それぞれ相互に対向して配置され、ウィーンフィルタ制御部53(図39参照)によって制御される2つの電極41a,41bと2つの磁極41c,41dとを備えている。同図に示すXYZの三次元空間において、Z軸を写像投影系の光軸とすると、ウィーンフィルタ41は、Z軸に垂直なXY平面内で電界Eと磁界Bとを直交させた構造になっており、入射した荷電粒子に対して、ウィーン条件qE=vB(qは粒子電荷、vは直進荷電粒子の速度)を満たす荷電粒子のみを直進させる働きをする。
【0009】
図41(a),(b)は、ウィーンフィルタ41を通過する電子ビーム軌道の説明図であり、いずれも、XZ平面(Y=0)で切断した図40の断面図である。図41(a)に示すように、この基板検査システム200では、ウィーンフィルタ41に入射した一次ビーム5に対しては、磁界による力FBと電界による力 FEが同一方向に作用して、一次ビーム5は基板42の表面に対して垂直に入射 するように偏向される。この一方、同図(b)に示すように、二次ビーム6に対しては、磁界による力FBと電界による力FEが逆方向に作用し、なおかつウィーン条件FB=FEが成立しているため、二次ビーム6は偏向されずに直進して二次光学系2に入射する。
【0010】
図39に戻り、二次光学系2は、回転対称静電レンズであるカソードレンズ21、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24と、第二レンズ22と第三レンズ23との間に設置された視野絞り26とを備えている。カソードレンズ21、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24は、それぞれ二次光学系レンズ制御部52,54,55,56によって制御される。二次光学系2はまた、ウィーンフィルタ41とカソードレンズ21の間の焦点F1を通り、ビーム 軸に垂直な平面である焦点面48内に配設された開き角絞り25を備えている。このように焦点面48の位置に開き角絞り25を配置する理由は、二次ビーム6についてカソードレンズ21のみで結像を行おうとすると、レンズ作用が強くなり収差が発生しやすいので、図42のビーム軌道説明図に示すように、第二レンズ22と合わせて両テレセントリック系、即ち、入射瞳と出射瞳のいずれもが無限遠に存在する光学系を形成した上で1回の結像を行わせ、さらに、この結像光学系の焦点面48に開き角絞り25を設置することにより、二次ビーム6(ビーム軌道8)の収差を低減させることができるからである。
【0011】
電子検出部3は、MCP(Micro-Channel Plate)検出器31と、蛍光板32 と、ライトガイド33と、CCD(Charge Coupled Device)等を有する撮像素 子34とを備えている。二次光学系2を経てMCP検出器31に入射した二次ビーム6は、MCP検出器31により増幅されて蛍光板32に照射され、そこで発生した蛍光像は、ライトガイド33を介して撮像素子34にて画像信号として検出される。
【0012】
この画像信号は、画像処理部58に供給されて各種の信号処理がなされ、画像データとしてホストコンピュータ59に供給される。ホストコンピュータ59は、この画像データを基板42の表面から放出された二次電子等により形成され基板42の状態を表す画像である電子画像として表示部60にて表示する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図39に示す基板検査システム200を用いて基板に一次ビームを照射すると、基板表面部、即ち、基板表面または表面近傍層の形状や材質によって、基板表面の電位に局所的な差異が発生する。
【0014】
上述した基板検査システム200では断面積が大きい電子ビームを基板上に走査するため、基板表面の二次元電子画像を得ることができ、基板表面の電位分布や物性分布などを正確かつ定量的に測定する可能性が生じ、これが実現できれば基板の物理的・電気的特性の解明を大幅に促進することができる。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板の物理的・電気的特性を正確かつ定量的に測定することができる基板検査方法および基板検査システムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
基板表面から放出される二次電子等が二次光学系へ入射するときのエネルギーは、基板表面の電位に依存する。このため、MCP検出器に入射する二次ビームを検出面で結像させるための条件は、この二次光学系への入射エネルギーによって異なる。
【0017】
本願の発明者は、この点に着目し、二次光学系の結像条件と、基板表面の電位分布との間に略線形な相関関係があることを発見し、これを利用して基板の物理的・電気的特性の定量的な測定を可能にする基板検査方法および基板検査システムを案出した。
【0018】
即ち、本発明にかかる基板検査方法は、
表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記配線から放出する上記二次ビームが結像するように上記二次ビームを制御する過程と、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係から上記基板の表面の電位を測定することにより、上記基板に形成された配線の電気的特性不良を検査することを特徴とする
【0019】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて上記配線が形成された領域から放出する上記二次ビームが結像するように上記二次ビームを制御し、得られた電子画像から上記配線に形状欠陥があるかどうかを検査することを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、上記基板の表面の領域のうち任意の物性を有する領域から放出する上記二次ビームが結像するように上記二次ビームを制御し、得られた電子画像から上記基板の物性情報を取得することを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記基板の表面から放出する上記二次ビームが結像するように上記二次ビームを制御する過程と、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係から上記基板の表面の電位を定量的に測定することを特徴とする。
【0022】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
検査対象である基板をその表面に略水平な平面内で移動させつつ、上記基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させて二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、上記基板の任意の電位を有する箇所から発生した上記二次ビームのみが結像するように上記二次ビームを制御し、上記任意の電位を有する箇所の電子画像と位置情報とを取得することを特徴とする。
【0023】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、この電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、上記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、上記画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて上記二次ビームを異なる結像条件で制御し、複数の上記電子画像を取得し、これらを合成して上記基板の表面の二次元電位分布情報を取得することを特徴とする。
【0024】
また、本発明にかかる基板検査方法は、
検査対象である集積回路が形成された基板に電子ビームを照射する過程と、
上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させる過程と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、この二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて上記二次ビームを制御して上記基板の上記画像信号を取得する過程と、上記集積回路の設計情報と上記画像信号に基づいて上記集積回路の電気的状態を示す数値データを出力する過程と、上記集積回路の良否を判定する基準となる少なくとも一つのしきい値を上記数値データに基づいて算出する過程と、上記数値データと上記しきい値とを比較して上記集積回路の電気的不良箇所を検出する過程と、を備えることを特徴とする。
【0025】
ここで、上記集積回路には、配線の他、配線と配線との間に形成された絶縁体(以下、配線間絶縁体という)も含まれ、上記検査対象は、上記集積回路内の配線でも配線間絶縁体でも良い。
【0026】
また、上記しきい値は、複数のしきい値であり、上記電気的不良箇所を検出する過程は、その不良の程度を分類する過程を含むことが望ましい。
【0027】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記配線から放出する上記二次ビームが上記電子ビーム検出手段に結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係から上記基板の表面の電位を測定することにより、上記基板に形成された配線の電気的特性不良を検査することを特徴とする。
【0028】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて上記配線が形成された領域から放出する上記二次ビームが上記電子ビーム検出手段に結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、得られた電子画像から上記配線に形状欠陥があるかどうかを検査することを特徴とする。
【0029】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、上記基板の表面の領域のうち任意の物性を有する領域から放出する上記二次ビームが上記電子ビーム検出手段に結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、得られた電子画像から上記基板の物性情報を取得することを特徴とする。
【0030】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記基板の表面から放出する上記二次ビームが上記電子ビーム検出手段に結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係から上記基板の表面電位を定量的に測定することを特徴とする。
【0031】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
検査対象である基板を載置してその表面に略水平な平面内で上記基板を移動させるステージと、上記基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、上記基板の表面の任意の電位を有する箇所から発生した上記二次ビームのみが上記電子ビーム検出手段で結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、上記任意の電位を有する箇所の電子画像と位置情報とを取得することを特徴とする。
【0032】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、この電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、上記画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記二次電子および反射電子の上記写像投影手段への入射エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、上記写像投影手段を異なる上記条件で制御し、取得された複数の上記電子画像を合成して上記基板の表面の二次元電位分布情報を取得する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0033】
また、本発明にかかる基板検査システムは、
検査対象である集積回路が形成された基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、上記電子ビームの照射を受けて上記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、この画像信号に基づいて上記二次電子および反射電子により形成され上記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、上記電子ビームを偏向させて上記基板に入射させるとともに上記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、上記二次ビームを拡大投影し、上記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、上記二次電子および反射電子の放出エネルギーが上記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と上記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて上記写像投影手段を制御する制御手段と、上記集積回路の設計情報を格納する記憶手段と、上記画像信号と上記設計情報に基づいて上記集積回路の電気的状態を示す数値データを出力する画像信号処理手段と、上記集積回路の良否を判定する基準となるしきい値を上記数値データに基づいて算出する演算手段と、上記数値データと上記しきい値とを比較して上記集積回路の電気的不良箇所を検出する不良箇所検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0034】
上記検査対象は、上記集積回路内の配線でも配線間絶縁体でも良い。
【0035】
また、上記演算手段は、複数のしきい値を算出し、上記不良箇所検出手段は、上記集積回路の電気的の不良の程度をも分類することが望ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態のいくつかについて図面を参照しながら説明する。
まず、電子ビームの照射と基板の表面電位分布との関係について説明する。
【0037】
基板に電子ビームを照射すると、基板の形状、材料およびこれらに基づく電気回路の構造などに対応して、基板の表面の電位について局所的に差異が発生する。この点を図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0038】
図5および図6は、それぞれ基板102の不良箇所と正常箇所とを示す略示部分断面図である。両図に示すように、半導体基板102上には、BPSG層100およびSiO2層99にわたる多層配線を有する半導体回路装置が形成されて いる。図6に示す正常箇所においては、基板102の表面のビアプラグ94aと基板表面部の不純物拡散層101とがメタル配線95、ビアプラグ96、メタル配線97および電極コンタクト98を介して電気的に接続されている。この一方、図5に示す不良箇所においては、ビアプラグ94bとメタル配線95との間にオープン不良箇所103があり、このためビアプラグ94bと不純物拡散層101とは電気的に導通しない。
【0039】
図6に示すビアプラグ94aの表面に一次ビーム5を照射した場合、ビアプラグ94aの表面に正電荷が発生するが、ビアプラグ94aと不純物拡散層101までの多層配線が電気的に正常に導通しているため、基板102からビアプラグ94aの表面へ電子93が供給され、これにより中和される。この一方、図5に示すビアプラグ94bの表面に一次ビーム5を照射した場合は、基板102から電子93が供給されないために、ビアプラグ94aの表面に発生した正電荷は中和されず、表面の電位が相対的に正極側に変化する。このように、ビアプラグ94と不純物拡散層101との間の電気的導通の有無により電子ビームの照射を受けたビアプラグ94a,94bの表面の電位に差異が生じる。
【0040】
基板の表面におけるこのような電位差は、基板表面で発生した二次電子等が二次光学系へ入射するときのエネルギー量の差異として現れる。このため、異なる表面電位の箇所から発生して二次光学系へ入射する二次ビームが電子検出器上に結像するための二次光学系の結像条件は、基板表面の領域毎にそれぞれ異なる。従って、この二次光学系結像条件と基板表面電位との相関関係が予め明らかであれば、二次ビームがMCP検出器に適切に結像するように二次光学系を制御することにより、基板の表面の電位変化を定量的に測定することが可能になる。
【0041】
本願発明者が発見した、二次光学系結像条件と基板表面電位との相関関係の一例を図1に示す。同図は、二次光学系の写像投影手段の一つであるカソードレンズ21(図39参照)に印加する電圧V(絶対値)と、ステージ印加電圧に対する基板表面の電位の変化量V(絶対値)との相関関係を示す。これは、ステージ43(図39参照)に−2.9kVの電圧を印加した場合に、このステージ電圧を基準とする基板の表面電位の変化量と、基板の表面から放出された二次電子等が二次ビーム6としてMCP検出器31(図39参照)に結像するためにカソードレンズ21に印加する電圧との関係(計算値)を示す。
【0042】
このような略線形の相関関係を利用して、基板表面の異なる領域から放出される二次ビーム6がMCP検出器31にそれぞれ結像するようにカソードレンズ21を制御したときに、適切に結像したときのカソードレンズ21への各印加電圧から基板42の表面の異なる領域間の電位差を定量的に測定することができる。なお、図1ではカソードレンズ21への印加電圧を制御する例を示したが、これに限ることなく、二次光学系のその他の構成部分、例えば、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24、またはウィーンフィルタ41等の制御によっても、基板表面の電位差の測定は可能である。
【0043】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の特徴は、図2に示すように、二次ビーム6が電子検出部3で適切に結像しているか否かを判定する画像結像判定部62と結像条件と表面電位との関係式に基づいて測定箇所の電位を算出する基板表面電位計算部63とを備えている点にある。
【0044】
図2は、本実施形態の基板検査システム20が備える制御手段であるホストコンピュータ19の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム20のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0045】
図2に示すように、ホストコンピュータ19は、測定条件を入力する測定条件入力部65と、測定条件の入力を受けて測定が終了するまで各制御部に制御信号を供給する測定指令部64と、画像信号処理部58から画像信号の供給を受けて二次ビーム6が適切に結像しているか否かを判定する画像結像判定部62と、画像信号を記憶するメモリ61と、メモリ61から画像信号を引出して処理し表示可能な信号に変換して表示部60に電子画像を表示させる画像表示処理部66とを備えている。
【0046】
本実施形態の基板検査システム20の動作を本発明にかかる基板検査方法の第1の実施の形態として図面を参照しながら説明する。
【0047】
まず、測定条件入力部65から測定条件を入力する。測定条件としては、基板の表面領域のうち測定する箇所の位置情報、ステージ43への印加電圧や電子ビームの出射電流値、加速電圧値などがある。
【0048】
測定条件の入力を受けた測定指令部64は、測定の終了に至るまでステージ43を移動させて測定箇所に電子ビームを照射させる。電子検出部3により検出され画像信号処理部58に供給された各測定箇所の画像信号は、所定の信号処理を経て画像結像判定部62に供給される。画像結像判定部62は二次ビーム6が電子検出部3で適切に結像しているか否かを画像信号に基づいて判定する。電子画像が結像していないと判定した場合は、画像結像判定部62は判定結果を測定指令部64に供給し、測定指令部64は結像条件の設定を変更した上で各制御部に制御信号を供給し、測定箇所に電子ビームを再度照射させて電子画像を取得する。電子画像が適切に結像していると判定した場合は、画像結像判定部62は、判定結果を測定指令部64に供給するとともに、その画像信号をメモリ61に格納させる。測定指令部64は、この判定結果を受けてこのときの結像条件を基板表面電位計算部63に供給し、次の測定箇所にステージ43を移動させ、電子ビームを照射させる。基板表面電位計算部63は、供給された結像条件から結像条件と表面電位との関係式に基づいて測定箇所の電位を算出し、これをメモリ61に格納させる。
【0049】
全ての測定箇所の測定が終了すると測定指令部64は測定終了の信号を出力して各種制御部16,17,51〜57への制御信号の供給を終了し、画像表示処理部66はこの測定終了の信号を受けて算出された全ての測定箇所における基板表面電位をメモリ61から引出して、表示部60に表示させる。
【0050】
なお、本実施形態では、全ての箇所の測定終了後に全ての測定箇所の基板表面電位を表示することとしたが、これに限ることなく、基板表面電位計算部63により算出された基板表面電位を測定箇所毎に表示部60に逐次表示させることとしても勿論良い。これによれば、異常な表面電位が表示されたときに、その箇所の電子画像を取得して形状や物性を確認することができる。
【0051】
上述した基板検査システム20の動作を図3および図4の模式図を用いてより具体的に説明する。両図において、基板42の領域71,72は測定箇所の一部であり、領域71から放出される二次電子等でなる二次ビームAAの軌道をビーム軌道73aに示し、また、領域72から放出される二次電子等でなる二次ビームBBの軌道をビーム軌道74aに示す。前述した通り、二次ビームAA,二次ビームBBの二次光学系への入射エネルギーは領域71,72の表面電位に依存するため、二次ビームAA,BBをMCP検出器31に結像させるための結像条件は異なる。
【0052】
そこで、まず領域71について測定指令部64が画像結像判定部62の判定結果を受けて二次光学系2への印加電圧を調整し、図3に示すように二次ビームAAをMCP検出器31に適切に結像させる。次に、同様にして領域72について二次光学系2への印加電圧を調整して二次ビームBBを図4に示すように、MCP検出器31に結像させる。この結果、それぞれの二次光学系の印加電圧(結像条件)と基板の表面電位との相関関係(図1参照)から、領域71と領域72との間の表面電位差を定量的に測定することができる。
【0053】
上記実施形態では、異なる領域71,72間の表面電位差を検出する形態を説明したが、これに限ることなく、二次光学系の結像条件と基板の表面電位との相関関係に従い、例えば領域71のみ、または領域72のみの表面電位を算出することも可能である。
【0054】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、任意の表面電位を有する箇所についてのみ二次ビームが結像するように二次光学系を制御することにより、基板表面上の任意の電位部の電子画像とその位置情報を取得する点に特徴がある。
【0055】
図7は、本実施形態の基板検査システム30が備えるホストコンピュータ28の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム30のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0056】
ホストコンピュータ28は、画像取得条件を入力する画像取得条件入力部83と、入力された画像取得条件に対応する二次光学系の結像光学条件を算出する結像光学条件計算部81と、入力された画像取得条件を結像光学条件計算部81に供給するとともに、結像光学条件計算部81の算出結果に基づいて各種制御部16,17,51〜57に制御信号を供給する画像取得指令部82とを備えている。
【0057】
基板検査システム30の動作を本発明にかかる基板検査方法の第2の実施の形態として説明する。
【0058】
まず、画像取得条件入力部83により所定の画像取得条件を入力する。この画像取得条件には、基板の表面領域のうち所望の電位を有する箇所の画像が取得できるように、基板の表面電圧値の情報が含まれる。
【0059】
画像取得指令部82は、入力された画像取得条件のうち、基板の表面電圧値の情報を結像光学条件計算部81に供給する。結像光学条件計算部81は、前述した結像条件と基板の表面電位との相関関係(図1参照)に基づいて、入力された表面電圧値に対応した二次光学系2の結像条件を算出し、算出結果を画像取得指令部82指令部に供給する。画像取得指令部82は算出結果を受けて各種制御部16,17,51〜57に対して制御信号を供給し、ステージ43を移動させて電子ビームを照射させ、電子検出部3に二次ビームを検出させ、画像信号を出力させる。検出された画像信号は、画像信号処理部58により所定の信号処理がなされ、メモリ61に格納されるとともに画像表示処理部66を経て電子画像として表示部60に表示される。
【0060】
このように、本実施形態の基板検査システム30によれば、基板の表面領域のうち所望の電位を有する箇所の電子画像を取得することができるので、例えば配線同士もしくは配線と不純物拡散層との接触部での抵抗値や多層配線の内部抵抗値の大きさが問題になった場合に、これに対応する電位を有する箇所の位置情報やその形状等を検出することができる。
【0061】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第3の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の基板検査システム40は、基板表面の二次元電位分布情報を取得する二次元電位分布図作成部67を備える点にその特徴がある。
【0062】
図8は、本実施形態の基板検査システム40が備えるホストコンピュータ29の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム40のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0063】
ホストコンピュータ29は、測定条件入力部65、測定指令部64、画像表示処理部66の他、本実施形態において特徴的な二次元電位分布図作成部67を備えている。
【0064】
本実施形態の基板検査システム40の動作を本発明にかかる基板検査方法の第3の実施の形態として図面を参照しながら説明する。なお、説明を平易にするため、本実施形態において二次光学系の結像条件は、カソードレンズ21(図39参照)の第二電極への印加電圧としたが、これに限ることなく、二次光学系のその他の構成部分、例えば、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24、またはウィーンフィルタ41等の制御によっても、二次元電位分布情報の取得は可能である。
が、これに限ることなく、二次光学系のその他の構成部分、例えば、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24、またはウィーンフィルタ41等の制御によっても、は可能である。
【0065】
図9は、本実施形態の基板検査方法を説明するフローチャートである。同図において、tは二次元電位分布図を作成するための電子画像の枚数、Gtはt枚目 の電子画像、Vfは基板表面電位(V)、V0からVeは測定範囲(V0≦Vf<Ve)、VCLはカソードレンズ21の第二電極への印加電圧(V)、VCLOはV0に対応する結像条件としてのVCL(V)、Vdは基板検査システム40の測定分解能 (V)をしめす。また、VCL=VCLO+kVfの関係(図1参照)が成立している。
【0066】
これらの測定条件を測定条件入力部65から入力すると、測定指令部64は、まず、1枚目の表面電位図を取得するため(t=1)、V0をVfに代入し(ステップS1)、上記関係式に従って、カソードレンズ21の第二電極印加電圧VCLをVCLO+kVf(Vf=V0)に設定し(ステップS2)、この結像条件でステージ43を移動させながら基板表面の所定領域について電子ビームを照射させて1枚目の電子画像Gt(t=1;G1)を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS3)。電子画像を取得すると、測定指令部64は、測定が終了したか否かをVfとVeとを比較することにより判定する(ステップS4)。VfがVeを下回っており(Vf<Ve)、測定が終了していないと判定した場合は、測定指令部64は、VfにVf+Vdを代入し、またtにt+1を代入して(ステップS5)、基 板検査システム40の分解能分だけ結像条件を変化させて次の電子画像Gt(t =2;G2)を取得し、メモリ61に格納させる。
【0067】
fがVe以上となり(Vf≧Ve)、測定が終了したと判定した場合は、測定指令部64は、測定が終了したことを示す制御信号を出力し、二次元電位分布図作成部67はこの制御信号を受けてメモリ61からt枚の電子画像G1〜Gtを引出し、これらを合成して二次元電位分布図を作成し、メモリ61に格納させるとともに、画像表示処理部66を介して表示部60により表示する(ステップS6)。
【0068】
このように、本実施形態の基板検査システムによれば、単純な構成で基板表面の二次元電位分布情報を取得することができる。なお、上記実施形態では、容量の小さいメモリ61を用いる場合でも短い処理時間で二次元電位分布情報を取得できるように、基板表面の所定領域について電子画像Gtを取得することとした が、処理時間とメモリ61の容量に余裕があれば、基板表面の全領域に亘って二次元電位分布情報を取得できるのは勿論である。また、測定の終了後に電子画像の全てを合成して二次元電位分布図を表示する替りに、各結像条件毎に得られた電子画像を逐次重ねて表示させ、表示部60上で合成させることとしても良い。次に、本発明にかかる基板検査システムの第4の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、上述した二次光学系の結像条件に基づいて基板に形成された配線における電気的特性不良情報を検出する点にその特徴がある。
【0069】
図10は、本実施形態の基板検査システム50が備えるホストコンピュータ39の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム50のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0070】
図10に示すホストコンピュータ39は、検査条件入力部87、測定指令部64、画像表示処理部66の他に、本実施形態において特徴的な画像比較処理部84と不良箇所特定部85を備えている。
【0071】
本実施形態の基板検査システム50の動作を本発明にかかる基板検査方法の第4の実施の形態として図面を参照しながら説明する。本実施形態の特徴は、ステージスキャンにより予め検査対象の領域について二次光学系の結像条件を調整し、調整された結像条件に基づいて再度ステージスキャンを行うことにより、例えば図5に示したようなビアプラグ欠陥を検出する点にある。
【0072】
図11は、本実施形態を説明するための模式図である。また、図12および図13は本実施形態を説明するフローチャートであり、図12は二次光学系の結像条件を調整するためのフローを示し、図13はこれに基づいてビアプラグ欠陥を検査するフローを示す。
【0073】
まず、図12に示すように、検査対象の基板であるウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS11)、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を図11(a)に示すように任意の単位領域に分割する(ステップS12)。単位領域はウェーハ42の製造プロセスにおける歩留りや許容される検査時間等を考慮して任意の大きさに設定できるが、各単位領域が同一のレイアウトを有するように分割する。
【0074】
図12に戻り、この任意の単位領域にてビアプラグ部が正常に形成されていれば二次ビームが電子検出部で結像するものと予定される二次光学系の結像条件を設定して検査条件入力部87から入力し、測定指令部64がこれに基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS13)。この結像条件は、配線材料等を考慮して設計情報に基づいて個別に決定される。
【0075】
次に、測定指令部64は、上記手順で設定した結像条件にてステージ43を例えば図11(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1a,G2a,G3aの画像信号を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS14)。3つの単位領域は、図11に示す例では相互に隣接する領域を選択したが、これに限ることなく、いずれの領域を選択しても良い。
【0076】
図11(b)は、取得された電子画像G1a,G2a,G3aを模式的に示すものであり、ビアプラグ部VP1〜VP9のうち正常に形成されたビアプラグ部を黒地で示し、オープン(図5参照)やクラック等の欠陥を有するものを白地で示す。
【0077】
画像比較処理部84は、これらの電子画像G1a,G2a,G3aをメモリ61から引出して、それぞれ対応するビアプラグ部を比較し、電子画像G2aのみで異なるビアプラグ部、図11(c)に示す例ではVP1およびVP8を単位領域A2内における欠陥ビアプラグ箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS15)。
【0078】
次に、画像比較処理部84は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1aの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2aを新たな単位領域A1およびその電子画像G1aとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3aを新たな単位領域A2およびその電子画像G2aとして格納させる(ステップS16)。
【0079】
次に、測定指令部64は、ウェーハ42上の検査対象領域内の全ての領域でビアプラグ欠陥検査を行ったか否かを判定する(ステップS17)。全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS18)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域、例えば、ステージ43の移動方向と反対方向に隣接する単位領域をA3としてステージ43を単位領域分だけ移動させ、新たな単位領域A3の電子画像G3aを取得して(ステップS19)、メモリ61と画像比較処理部84に供給する。画像比較処理部84は、上述したステップS15の手順に従って、新たな単位領域A2内における欠陥ビアプラグ箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0080】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3aについても欠陥検査をするため、測定指令部64は、直前の単位領域A2および電子画像G2aを新たな単位領域A1およびその電子画像G1aとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3aを新たな単位領域A2およびその電子画像G2aとした上で(ステップS15〜S18)、検査対象領域内で直前の単位領域A1、A2以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を取得してこれを電子画像G3aとし(ステップS20)、最後の単位領域A2の電子画像G2aについて欠陥ビアプラグ箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS15)。
【0081】
ウェーハ42上の検査対象である領域の全ての領域についてビアプラグ欠陥の検査が終了すると(ステップS17)、測定指令部64が検査終了の情報を不良箇所特定部85に供給し、不良箇所特定部85は、メモリ61から欠陥ビアプラグ箇所の情報を引出してこれを解析する(ステップS21)。不良箇所特定部85は、検出された欠陥の数量と、予め検査条件として入力された経験値等に基づく所定のしきい値とを比較して、欠陥の数量の妥当性を判定する(ステップS22)。検出された欠陥の数量がこのしきい値以上である場合は、実際には欠陥でなかったビアプラグを欠陥であると検出した擬似欠陥が多かったものと判断し、その情報を測定指令部64に供給する。測定指令部64は、この情報を受けて、想定した結像条件が妥当でないものと判断して二次光学系結像条件を調整し、上述したステップS13からステップS22までの手順を繰返す。検出された欠陥の数量がしきい値を下回る場合は、最後に設定した結像条件が妥当なものと判断し、結像条件調整フローを終了させる。
【0082】
なお、本実施形態においては、擬似欠陥が多いか否かの判断を不良箇所特定部85がしきい値に基づいて判断するものとしたが、適切なしきい値の設定が困難である場合は、基板検査システム50が検出した欠陥箇所をオペレータがSEM等に基づいて目視にて確認し、オペレータの判断による欠陥数量と基板検査システム50による欠陥数量とを比較して格差が大きい場合に二次光学系の結像条件を調整することとしても良い。
【0083】
次に、このような結像条件調整フローで決定した二次光学系結像条件に基づいて再度ステージスキャンを行い、ウェーハ42のビアプラグ欠陥を実際に検出する手順を図13のフローチャートを参照しながら説明する。
【0084】
図13に示すように、まず、検査対象の基板であるウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS31)、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を任意の単位領域(図11(a)参照)に分割する(ステップS32)。次に、測定指令部64は、上述の結像条件設定フローで得られた二次光光学系の結像条件に従った制御信号を生成して各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS33)。
【0085】
次に、測定指令部64は、設定した結像条件にてステージ43を移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1a,G2a,G3aの画像信号を取得し、メモリ61に格納する(ステップS34)。3つの単位領域は、いずれの領域を選択しても良い。
【0086】
次に、画像比較処理部84は、これらの電子画像G1a,G2a,G3aをメモリ61から引出して、それぞれ対応するビアプラグ部を比較し、電子画像G2aのみ異なるビアプラグ部(図11(c)参照)を単位領域A2内における欠陥ビアプラグ箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS35)。
【0087】
次に、画像比較処理部84は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1aの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2aを新たな単位領域A1およびその電子画像G1aとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3aを新たな単位領域A2およびその電子画像G2aとして格納させる(ステップS36)。
【0088】
次に、測定指令部64は、ウェーハ42上の検査対象領域内の全ての領域でビアプラグ欠陥検査を行ったか否かを判定する(ステップS37)。全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS38)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域をA3としてステージ43を単位領域分だけ移動させ、新たな単位領域A3の電子画像G3aを取得して(ステップS39)、メモリ61と画像比較処理部84に供給する。画像比較処理部84は、上述したステップS35の手順に従って、新たな単位領域A2内における欠陥ビアプラグ箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0089】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3aについても欠陥検査をするため、測定指令部64は、直前の単位領域A2および電子画像G2aを新たな単位領域A1およびその電子画像G1aとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3aを新たな単位領域A2およびその電子画像G2aとした上で(ステップS35〜S38)、検査対象領域内で直前の単位領域A2、A3以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を取得してこれを電子画像G3aとし(ステップS40)、最後の単位領域A2の電子画像G2aについて欠陥ビアプラグ箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS35)。
【0090】
ウェーハ42上の検査対象である領域の全ての領域についてビアプラグ欠陥の検査が終了すると(ステップS37)、測定指令部64は、検査終了の情報を各種制御部16,17,51〜57へ供給してこれらの設定を初期条件に戻すとともに、メモリ61から欠陥ビアプラグ箇所の情報を引出し、画像表示処理部66を介して表示部60により表示させ、欠陥検査を終了させる。
【0091】
このように、本実施形態の基板検査システム40によれば、正常な配線部から放出される二次ビームが結像する2次光学系結像条件を調整して単位領域毎の電子画像を取得するので、これらの電子画像に基づいて基板表面部における配線の電気的特性不良を単純な構成で検出することができる。さらに、非接触での検査が可能なので、各製造工程の終了後に検査することができ、ビアプラグ欠陥が発生した製造工程を容易に特定することができる。これにより半導体製造工程における歩留りの向上に大きく貢献することができる基板検査システムが提供される。なお、本実施形態においては、3つの単位領域の電子画像を比較することとしたが、これに限ることなく2つの単位領域の電子画像を取得して比較することとしても、特性不良情報を取得することは十分に可能である。
【0092】
また、欠陥検査の終了を待って全ての欠陥ビアプラグ箇所の情報を表示させる替りに、欠陥箇所が検出される毎に逐次これを表示させることとしても良い。
【0093】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、基板表面部に形成される金属配線についてショート、オープン等の欠陥形状を検出する形状判定部を備える点に特徴がある。
【0094】
図14は、本実施形態の基板検査システム50が備えるホストコンピュータ49の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム50のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0095】
図14に示すように、ホストコンピュータ49は、検査条件入力部87、測定指令部64および画像表示処理部66の他に本実施形態において特徴的な形状判定部86を備えている。
【0096】
本実施形態の基板検査システム50の動作について図面を参照しながら説明する。
【0097】
まず、本実施形態により検出する形状情報の内容について説明する。図15は、検出目的である配線欠陥部の形状の具体例を示す。図15(a)は設計レイアウト通りに形成された正常な配線77,78,79の形状を示し、同図15(b)は配線78と配線79の間にショート欠陥部LE1が形成された例を示し、さらに同図15(c)は、金属材料の埋込み不足等により配線78がオープン欠陥部LE2を有する配線78’となった例を示す。
【0098】
ここで、設計レイアウト通りに金属配線が形成された場合に、電子ビームを照射して金属配線から放出される二次ビームが電子検出部で結像するための二次光学系結像条件でステージスキャンを行い、電子画像を取得することにより配線形状の情報を取得することができる。
【0099】
従って、まず、検査条件入力部87から金属配線からの二次ビームを結像させるための二次光学系結像条件やウェーハ42上の検査対象領域の情報などを入力する。測定指令部64はこの結像条件に基づいて制御信号を生成し、各種制御部16,17,51〜57へ供給し、検査対象領域についてステージ43を移動させながら電子ビームを照射する。本実施形態では、金属配線領域から放出される二次ビームが電子検出部で適切に結像するように各種制御部16,17,51〜57を制御するので、金属配線の形状が設計レイアウト通りである場合は、図16に示すように、例えば金属配線78から放出される二次ビーム73bは電子検出部で適切に結像するが、配線78と配線79との間の絶縁体の領域103では二次ビーム74bが電子検出部で結像することがないので、設計レイアウトに対応した電子画像が得られる。この一方、図15(b)に示すショート欠陥部LE1がある場合は、図17に示すように、領域78,LE1からそれぞれ放出される二次ビーム73b,74bがいずれも電子検出部で結像するので、ショート欠陥部LE1に対応する画像部分を有する電子画像が取得される。
【0100】
次に、取得された画像信号に基づいて形状判定部86が形状を判定する方法を本発明にかかる基板検査方法の第5および第6の実施の形態としてより具体的に説明する。
【0101】
本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態は、前述した第4の実施の形態と同様に、同一のレイアウトを有する任意の単位領域にウェーハ上の検査対象領域を分割し、これらの領域から取得された画像を相互に比較する方法である。図18は、本実施形態を説明するための模式図であり、また、図19は二次光学系の結像条件を調整するためのフローチャート、図20はこれに基づいて配線形状欠陥を判定するフローチャートである。なお、以下の説明において配線部とは、配線の他、配線の周辺領域の絶縁体をも含むものとする。
【0102】
まず、図19に示すように、検査対象の基板であるウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS51)、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を任意の単位領域(図18(a)参照)に分割する(ステップS52)。単位領域は第4の実施の形態と同様に、それぞれ同一のレイアウトであれば任意の大きさに設定できる。
【0103】
次に、配線が正常に形成されていれば二次ビームが電子検出部3で結像するものと予定される二次光学系の結像条件を設定して検査条件入力部87から入力し、測定指令部64はこれに基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS53)。この結像条件は、配線材料等を考慮して設計情報に基づいて個別に決定される。
【0104】
次に、測定指令部64は、上記手順で設定した結像条件にてステージ43を例えば図18(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1b,G2b,G3bの画像信号を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS54)。3つの単位領域は、相互に隣接する領域に限ることなく、いずれの領域を選択しても良い。
【0105】
図18(b)は、取得された電子画像G1b,G2b,G3bを模式的に示 すものであり、それぞれ図15(a),(b),(c)に示した具体例に対応した電子画像である。
【0106】
形状判定部86は、これらの電子画像G1b,G2b,G3bをメモリ61から引出して、それぞれ対応する配線部を比較し、電子画像G2bのみで異なる配線部、図18(c)に示す例では配線78と配線79との間に形成されこれらをを短絡するショート欠陥部LE1を単位領域A2内における配線形状欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS55)。
【0107】
次に、形状判定部86は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1bの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2bを新たな単位領域A1およびその電子画像G1bとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3bを新たな単位領域A2およびその電子画像G2bとして格納させる(ステップS56)。
【0108】
次に、測定指令部64は、ウェーハ42上の検査対象領域内の全ての領域で配線形状欠陥検査を行ったか否かを判定し(ステップS57)、全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS58)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たな単位領域A3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3bを取得して(ステップS59)、メモリ61と形状判定部86に供給する。形状判定部86は、上述したステップS15の手順に従って、新たな単位領域A2内における欠陥配線箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0109】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3bの欠陥検査のため、測定指令部64は、直前の単位領域A2および電子画像G2bを新たな単位領域A1およびその電子画像G1bとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3bを新たな単位領域A2およびその電子画像G2bとした上で(ステップS55〜S58)、検査対象領域内で直前の単位領域A1、A2以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を取得してこれを電子画像G3bとし(ステップS60)、最後の単位領域A2の電子画像G2bについて配線形状欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS55)。
【0110】
ウェーハ42上の全ての検査対象領域について配線形状欠陥の検査が終了すると(ステップS57)、測定指令部64が検査終了の情報を形状判定部86に供給し、形状判定部86は、メモリ61から配線形状欠陥箇所の情報を引出してこれを解析する(ステップS61)。具体的には前述した第4の実施の形態と同様に、検出された欠陥の数量と、予め検査条件として入力された経験値等に基づく所定のしきい値とを比較して、欠陥の数量の妥当性を判定する(ステップS62)。検出された欠陥の数量がしきい値以上である場合は、擬似欠陥が多かったものと判断し、その情報を測定指令部64に供給する。測定指令部64は、この情報を受けて、想定した結像条件が妥当でないものと判断し、二次光学系結像条件を調整し、上述したステップS53からステップS62までの手順を繰返す。検出された欠陥の数量がしきい値を下回る場合は、最後に設定した結像条件を妥当な結像条件と判断し、結像条件調整フローを終了させる。なお、前述した第4の実施形態と同様に、適切なしきい値の設定が困難である場合は、基板検査システム50が検出した欠陥箇所をオペレータがSEM等に基づいて目視にて確認し、オペレータの判断による欠陥数量と基板検査システム50による欠陥数量とを比較して格差が大きい場合に二次光学系の結像条件を調整することとしても良い。次に、このような結像条件調整フローで決定した二次光学系結像条件に基づいて再度ステージスキャンを行い、ウェーハ42の配線欠陥を実際に検出する。
【0111】
まず、図20に示すように、ウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS71)、ウェーハ42表面の検査対象領域を任意の単位領域(図18(a)参照)に分割する(ステップS72)。
【0112】
次に、測定指令部64が上述の結像条件設定フローで得られた二次光光学系の結像条件に従った制御信号を生成して各種制御部16,17,51〜57に供給し(ステップS73)、この結像条件にてステージ43を移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1b,G2b,G3bの画像信号を取得し、メモリ61に格納する(ステップS74)。3つの単位領域は、いずれの領域を選択しても良い。
【0113】
次に、形状判定部86は、これらの電子画像G1b,G2b,G3bをメモリ61から引出して、それぞれ対応する配線部を比較し、電子画像G2bのみ異なる配線部(図18(c)参照)を単位領域A2内における配線形状欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS75)。
【0114】
次に、形状判定部86は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1bの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2bを新たな単位領域A1およびその電子画像G1bとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3bを新たな単位領域A2およびその電子画像G2bとして格納させる(ステップS76)。
【0115】
次に、測定指令部64がウェーハ42上の全ての検査対象領域で配線形状欠陥検査を行ったか否かを判定する(ステップS77)。全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS78)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たなA3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3bを取得して(ステップS79)、メモリ61と形状判定部86に供給する。形状判定部86は、上述したステップS75の手順に従って、新たな単位領域A2内における配線形状欠陥箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0116】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3bの欠陥検査のため、測定指令部64が直前の単位領域A2および電子画像G2bを新たな単位領域A1およびその電子画像G1bとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3bを新たな単位領域A2およびその電子画像G2bとした上で(ステップS75〜S78)、検査対象領域内で直前の単位領域A2、A3以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を最後の電子画像G3bとして取得して(ステップS80)、最後の単位領域A2の電子画像G2bについて配線形状欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS75)。
【0117】
ウェーハ42上の検査対象である領域の全ての領域について配線形状欠陥の検査が終了すると(ステップS77)、測定指令部64がメモリ61から配線形状欠陥箇所の情報を引出して画像表示処理部66を介してその電子画像を表示部60により表示させ、欠陥検査を終了させる。
【0118】
なお、欠陥検査の終了を待って全ての配線形状欠陥箇所の情報を表示させる替りに、配線形状欠陥が検出される毎に逐次これを表示させることとしても良い。以上の第5の実施形態における基板検査方法では、同一レイアウトの単位領域から取得した複数の電子画像を相互に比較することにより二次光学系の結像条件を調整したが、図15(a)に示すような、全く欠陥のない正常な配線部の電子画像が取得できる場合は、これを参照正常画像としてメモリ61に格納し、この参照正常画像との比較により形状欠陥の検査を行うことができる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第6の実施の形態として図14を再び参照しながら説明する。
【0119】
まず、参照正常画像をメモリ61に格納し、この参照正常画像を取得したときの二次光学系の結像条件(以下、参照正常画像結像条件という)を検査条件入力部87から入力する。検査条件入力部87からはウェーハ42上の検査対象領域の情報等も入力する。
【0120】
測定指令部64は、参照正常画像結像条件に基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給してステージスキャンを行い、検査対象領域の電子画像を順次取得する。電子画像の取得は、参照正常画像が取得された正常な配線部と同一のレイアウトを有する単位領域毎に行う。取得された電子画像は画像信号処理部58による所定の信号処理を経て形状判定部86に供給される。
【0121】
形状判定部86は、メモリ61から参照正常画像を引出して画像信号処理部58から供給された単位領域毎の電子画像と逐次比較する。比較処理の結果、図15(b)、(c)に示すように、参照正常画像と異なる配線形状を有する検査対象領域があれば、形状欠陥領域としてその位置情報と電子画像をメモリ61の他の領域に格納していく。
【0122】
ウェーハ42のすべての検査対象領域についてステージスキャンが終了すると、測定指令部64がメモリ61に格納された形状欠陥領域の位置情報と電子画像を引出し、画像表示処理部66を経て表示部60により表示させる。
【0123】
このように、本実施形態の基板検査システムによれば、基板に形成された金属配線の形状面の異常を単純な構成で検出するので、ショート欠陥やオープン欠陥等の形状情報を非接触で取得することができる。このため、各製造工程の終了後に基板を検査することができ、形状欠陥が発生した製造工程を容易に特定することができる。これにより、半導体製造工程における歩留りの向上に大きく貢献することができる基板検査システムが提供される。なお、上述した第5の実施形態において、3つの単位領域の電子画像を比較することとしたが、前述した第4の実施の形態と同様に、2つの単位領域の電子画像同士の比較によっても、形状欠陥情報を取得することは可能である。なお、欠陥検査の終了を待って全ての配線形状欠陥箇所の情報を表示させる替りに、配線形状欠陥が検出される毎に逐次その位置情報と電子画像を表示させることとしても良い。
【0124】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第6の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の基板検査システム70は、図21に示すように、基板の物性情報を取得する物性判定部88を備える点にその特徴がある。
【0125】
図21は、本実施形態の基板検査システム70が備えるホストコンピュータ89の要部の概略構成を示すブロック図である。基板検査システム70のその他の構成は図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0126】
図21に示すホストコンピュータ89は、検査条件入力部87、画像取得指令部82および画像表示処理部66の他に本実施形態において特徴的な物性判定部88を備えている。
【0127】
物性判定部88は、画像信号処理部58から供給される画像信号に基づいて、基板の金属配線の周辺領域で発生することがある金属汚染や金属配線の表面で発生することがある酸化等の有無を判定し、その発生箇所の位置情報を検出する。基板検査システム70の一動作を本発明にかかる基板検査方法の第7の実施の形態として図面を参照しながら説明する。
【0128】
図22および図23は、本実施形態の検査方法を説明するための二次ビームの軌道図である。
【0129】
図22および図23に示すウェーハ42aにはダマシンプロセスにより金属配線75,76が形成されている。金属配線76の周辺領域は、ダマシンプロセスにおけるCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程で酸や配線金属などに 汚染された領域69であり、金属配線75の周辺領域はこのような汚染がない非汚染領域68である。金属配線の周辺部における汚染は、誘電率や抵抗値の変化により回路特性に影響を及すため、要求仕様に応じた回路特性を満たす程度の汚染量であるか否かの判定が重要となる。図22に示すように、汚染領域69と非汚染領域68とでは、二次ビームの結像条件が異なる。そこで、要求仕様に満たない汚染量を有する汚染領域から放出される二次ビームが電子検出部で結像する結像条件で電子画像を取得し、適切に結像した領域がなければ、要求仕様を満たし、適切に結像した領域があれば、その汚染領域が関係する回路部は、要求仕様を満たさないものと判定することができる。
【0130】
本実施形態の基板検査方法により汚染領域を検出する方法を図24のフローチャートを参照しながらより具体的に説明する。同図において、Nは取得する電子画像の枚数、Dtは後述する物性パラメータであり、測定範囲は、D1〜DNである。Gtはt枚目の電子画像、VCLはカソードレンズ21の第二電極への印加電 圧(V)を示す。また、VCL=f(Dt)の関係が成立している。なお、本実施形態においても説明の簡略化のため、二次光学系の結像条件としてカソードレンズ21の第二電極へ印加する電圧VCLを選択したが、これに限ることなく、二次光学系のその他の構成部分、例えば、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24、またはウィーンフィルタ41等の制御によっても、汚染領域の検出は可能である。
【0131】
まず、物性パラメータDtの範囲D1〜DNを設定する。本実施形態においては要求仕様に対応する回路特性を満たさない汚染濃度の範囲についてパラメータD1〜DNを設定する。
【0132】
次に、オフラインで試料を解析し、VCLと汚染濃度との関係を評価し、VCL=f(Dt)の関係を具体的に算出する。試料としては、例えば実工程で作成されたウェーハで金属汚染領域を有するもの、または金属汚染による欠陥部を意図的に作成したウェーハを用いる。
【0133】
次に、検査条件入力部87により、検査対象領域の位置情報と、物性パラメータDt(D1〜DN)、VCL=f(Dt)の関係、取得すべき電子画像の枚数Nなどを入力する。
【0134】
次に、図24に示すように、t=1として画像取得指令部82がパラメータD1をDtに代入し(ステップS131)、上記関係式に従って、カソードレンズ 21の第二電極印加電圧VCLをf(D1)に設定し(ステップS132)、この 結像条件でステージ43を移動させながら基板42表面の所定領域について電子ビームを照射させて1枚目の電子画像Gt(t=1;G1)を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS133)。電子画像を取得すると、画像取得指令部82は、測定が終了したか否かをtとNとを比較することにより判定する(ステップS134)。測定が終了していないと判定した場合は、画像取得指令部82は、tにt+1を代入して(ステップS135)、物性パラメータとしてD2をD tに代入し、このパラメータの変化に対応する分だけ結像条件を変化させて次の電子画像Gt(t=2;G2)を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS132〜133)。
【0135】
tがNとなり、測定が終了したと判定した場合は(ステップS134)、画像取得指令部82は、測定が終了したことを示す制御信号を出力し、物性判定部88はこの制御信号を受けてメモリ61からN枚の電子画像G1〜GNを引出し、これらを合成して二次元物性分布情報を取得し、メモリ61に格納させるとともに、画像表示処理部66を介して表示部60により表示する(ステップS136)。ここでは二次光学系の結像条件の範囲を汚染領域から放出される二次ビームが電子検出部で結像する結像条件の範囲としているので、二次元物性分布情報として二次元汚染度分布情報が得られる。
【0136】
このように、本実施形態の基板検査システム70によれば、基板の汚染状況を示す二次元汚染度分布情報を出力するので、汚染領域の電子画像とその位置情報を汚染の程度とともに取得することができる。これにより各回路部が要求仕様を満たすか否かを迅速に判断できるとともに、汚染が発生した製造工程を容易に特定することができる。この結果、冗長回路の利用などによる不良救済や汚染発生の原因探求をより迅速に行うことができる。なお、測定の終了後に電子画像の全てを合成して二次元物性分布図を表示する替りに、各物性パラメータごとに得られた電子画像を順次表示させ、表示部60上で合成させることとしても良い。
【0137】
また、本実施形態の基板検査システム70によれば、前述した第5の実施の形態と同様に、同一レイアウトの単位領域から取得した電子画像の相互比較により基板の物性情報を取得することもできる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第8の実施の形態として図25の模式図と図26および図27のフローチャートを参照しながら説明する。
【0138】
図25は本実施形態を説明するための模式図であり、同図(b)は、ウェーハ42の領域のうち、汚染領域のない良好な単位領域の電子画像G1cと、金属配線77,78間の絶縁体領域に汚染領域DE1、金属配線78,79間の絶縁体領域に汚染領域DE2が形成されている単位領域の電子画像G2cと、金属配線79の外側の絶縁体領域に汚染領域DE3が形成された単位領域の電子画像G3cを示す。なお、同図(a)は図18(a)と同一であるが、説明の便宜のため再掲しておく。
【0139】
まず、図26に示すように、ウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS91)、その表面領域のうち検査の対象となる領域を任意の単位領域(図25(a)参照)に分割する(ステップS92)。単位領域は第5の実施の形態と同様に、それぞれ同一のレイアウトであれば任意の大きさに設定できる。
【0140】
次に、非汚染領域から放出される二次ビームが電子検出部で結像するものと予定される二次光学系の結像条件を設定して検査条件入力部87から入力し、画像取得指令部82はこれに基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS93)。
【0141】
次に、画像取得指令部82は、上記手順で設定した結像条件にてステージ43を例えば図25(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射して図25(b)に示すように、任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1c,G2c,G3cの画像信号を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS94)。3つの単位領域は、相互に隣接する領域に限ることなく、いずれの領域を選択しても良い。
【0142】
物性判定部88は、これらの電子画像G1c,G2c,G3cをメモリ61から引出して、それぞれ対応する配線部を比較し、電子画像G2cのみで異なる配線部(図25(c)に示す例ではDE1およびDE2)を単位領域A2内における物性欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS95)。
【0143】
次に、物性判定部88は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1cの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2cを新たな単位領域A1およびその電子画像G1cとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3cを新たな単位領域A2およびその電子画像G2cとして格納させる(ステップS96)。
【0144】
次に、画像取得指令部82は、ウェーハ42上の検査対象領域内の全ての領域で物性欠陥検査を行ったか否かを判定し(ステップS97)、全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS98)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たな単位領域A3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3cを取得して(ステップS99)、メモリ61と物性判定部88に供給する。物性部88は、上述したステップS95の手順に従って、新たな単位領域A2内における物性欠陥箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。図25に示す例では、同図の電子画像G3cがこれにより電子画像G2cとなり、汚染領域DE3が検出される。
【0145】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3cの欠陥検査のため、測定指令部64は、直前の単位領域A2および電子画像G2cを新たな単位領域A1およびその電子画像G1cとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3cを新たな単位領域A2およびその電子画像G2cとした上で(ステップS95〜S98)、検査対象領域内で直前の単位領域A1、A2以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を取得してこれを電子画像G3cとし(ステップS100)、最後の単位領域A2の電子画像G2cについて物性欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS95)。
【0146】
ウェーハ42上の全ての検査対象領域について物性欠陥の検査が終了すると(ステップS97)、画像取得指令部82が検査終了の情報を物性判定部88に供給し、物性判定部88は、メモリ61から物性欠陥箇所の情報を引出してこれを解析する(ステップS101)。具体的には前述した第5の実施の形態と同様に、検出された欠陥の数量と、予め検査条件として入力された経験値等に基づく所定のしきい値とを比較して、検出された欠陥の数量の妥当性を判定する(ステップS102)。検出された欠陥の数量がしきい値以上である場合は、実際には非汚染領域であった領域を汚染領域であると検出した擬似欠陥が多かったものと判断し、その情報を測定指令部64に供給する。測定指令部64は、この情報を受けて、想定した結像条件が妥当でないものと判断して二次光学系結像条件を調整し、上述したステップS93からステップS102までの手順を繰返す。検出された欠陥の数量がしきい値を下回る場合は、最後に設定した結像条件が妥当なものと判断し、結像条件調整フローを終了させる。
【0147】
なお、本実施形態においても適切なしきい値の設定が困難である場合は、基板検査システムが70検出した欠陥箇所をオペレータがSEM等に基づいて目視にて確認し、オペレータの判断による欠陥数量と基板検査システム70による欠陥数量とを比較して格差が大きい場合に二次光学系の結像条件を調整することとしても良い。
【0148】
次に、このような結像条件調整フローで決定した二次光学系結像条件に基づいて再度ステージスキャンを行い、ウェーハ42の物性欠陥を実際に検出する。
【0149】
まず、図27に示すように、ウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS111)、ウェーハ42表面の検査対象領域を任意の単位領域(図25(a)参照)に分割する(ステップS112)。
【0150】
次に、画像取得指令部82が上述の結像条件設定フローで得られた二次光光学系の結像条件に従った制御信号を生成して各種制御部16,17,51〜57に供給し(ステップS113)、この結像条件にてステージ43を移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1c,G2c,G3cの画像信号を取得し、メモリ61に格納する(ステップS114)。
【0151】
次に、物性判定部88は、これらの電子画像G1c,G2c,G3cをメモリ61から引出して、それぞれ対応する配線部を比較し、電子画像G2cのみ異なる配線部(図25(c)参照)を単位領域A2内における物性欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS115)。
【0152】
次に、物性判定部88は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1cの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2cを新たな単位領域A1およびその電子画像G1cとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3cを新たな単位領域A2およびその電子画像G2cとして格納させる(ステップS116)。
【0153】
次に、画像取得指令部82がウェーハ42上の全ての検査対象領域で物性欠陥検査を行ったか否かを判定する(ステップS117)。全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS118)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たなA3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3cを取得して(ステップS119)、メモリ61と物性判定部88に供給する。物性判定部88は、上述したステップS115の手順に従って、新たな単位領域A2内における物性欠陥箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0154】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3cの欠陥検査のため、測定指令部64が直前の単位領域A2および電子画像G2cを新たな単位領域A1およびその電子画像G1cとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3cを新たな単位領域A2およびその電子画像G2cとした上で(ステップS115〜S118)、検査対象領域内で直前の単位領域A2、A3以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を最後の電子画像G3cとして取得して(ステップS120)、最後の単位領域A2の電子画像G2cについて物性欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS115)。
【0155】
ウェーハ42上の検査対象である領域の全ての領域について物性欠陥の検査が終了すると(ステップS117)、画像取得指令部82がメモリ61から物性欠陥箇所の情報を引出して画像表示処理部66を介して表示部60により表示させ、欠陥検査を終了させる。
【0156】
なお、欠陥検査の終了を待って全ての物性欠陥箇所の情報を表示させる替りに、物性欠陥が検出される毎に逐次これを表示させることとしても良い。
【0157】
以上の第8の実施形態における基板検査方法では、同一レイアウトの単位領域から取得した複数の電子画像を相互に比較することにより二次光学系の結像条件を調整したが、図22および図23の領域68に示すような、全く汚染のない正常な配線部の電子画像が取得できる場合は、これを参照正常画像としてメモリ61に格納し、この参照正常画像を基準として物性欠陥の検査を行うことができる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第9の実施の形態として図21を再び参照しながら説明する。
【0158】
まず、参照正常画像をメモリ61に格納し、この参照正常画像を取得したときの参照正常画像結像条件を検査条件入力部87から入力する。検査条件入力部87からはウェーハ42上の検査対象領域の情報等も入力する。
【0159】
画像取得指令部82は、参照正常画像結像条件に基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給してステージスキャンを行い、検査対象領域の電子画像を順次取得する。電子画像の取得は、参照正常画像が取得された非汚染領域と同一のレイアウトを有する単位領域毎に行う。取得された電子画像は画像信号処理部による所定の信号処理を経て物性判定部88に供給される。
【0160】
物性判定部88は、メモリ61から参照正常画像を引出して画像信号処理部から供給された単位領域毎の電子画像と逐次比較する。比較処理の結果、図22および図23に示す領域69のように、絶縁体の領域中で汚染による物性欠陥を有する領域は図25(c)のG2cに模式的に示すように、電子画像において非汚染領域の画素値と異なる画素値を有する画像部分として現れる。このように本来同一の画素値を有する電子画像中で異なる画素値の画像部分を含む電子画像が取得された検査対象領域があれば、これを物性欠陥領域としてその位置情報とともに電子画像をメモリ61の他の領域に格納していく。
【0161】
ウェーハ42表面のすべての検査対象領域についてステージスキャンが終了すると、画像取得指令部82がメモリ61に格納された物性欠陥領域の位置情報と電子画像を引出し、画像表示処理部66を経て表示部60により表示させる。
【0162】
なお、全ての検査の終了を待って全ての物性欠陥箇所の情報を表示させる替りに、物性欠陥が検出される毎に逐次その位置情報と電子画像を表示させることとしても良い。
【0163】
また、本実施形態の基板検査システム70によれば、金属配線の表面に金属酸化膜が形成されているか否かをも検出することができる。
【0164】
例えば、図29に示すウェーハ42bには、金属配線78,79が形成されている。金属配線78は設計通りに正常に形成されているが、金属配線79は、酸化によりその表面に金属酸化膜179が形成され、欠陥金属配線79’となっている。図28に示すように、金属配線78,79が正常に形成されていれば、同一の結像条件で電子画像を取得することができるが、図29に示すように、欠陥金属配線79’がある場合は、正常な金属配線78から放出される二次ビーム73dの結像条件と、欠陥金属配線79’から放出される二次ビーム74dの結像条件が異なる。
【0165】
そこで、図30に示すように、欠陥金属配線79’から放出される二次ビーム74dが電子検出部で適切に結像されるような結像条件を検査条件入力部87から入力してステージスキャンを行えば、表面に金属酸化膜が形成された金属配線の電子画像を取得することができる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第10の実施の形態として図24のフローチャートを再び参照しながら説明する。
【0166】
本実施形態において、図24に示す物性パラメータDtは金属配線の表面に形成された金属酸化膜の膜厚であり、測定範囲は、要求仕様に対応する回路特性を満たさない範囲の膜厚に対応するパラメータD1〜DNである。Gt,VCLは前述 の通りなので説明を省略する。また、VCL=f(Dt)の関係が成立している。なお、本実施形態においても説明の簡略化のため、二次光学系の結像条件としてカソードレンズ21の第二電極へ印加する電圧VCLを選択したが、これに限ることなく、二次光学系のその他の構成部分、例えば、第二レンズ22、第三レンズ23、第四レンズ24、またはウィーンフィルタ41等の制御によっても、金属酸化膜の検出は可能である。
【0167】
まず、物性パラメータDtの範囲D1〜DNを設定する。具体的には、例えば実工程で作成されたウェーハで金属配線の表面に酸化膜が形成されたものまたは金属酸化膜による欠陥部を意図的に作成したウェーハをオフラインで解析し、VCLと金属酸化膜の膜厚との関係を評価し、VCL=f(Dt)の関係を具体的に算出する。
【0168】
次に、検査条件入力部87により、検査対象領域の位置情報と、物性パラメータDt(D1〜DN)、VCL=f(Dt)の関係、取得すべき電子画像の枚数Nなどを入力する。
【0169】
次に、図24に示すように、t=1として画像取得指令部82がパラメータD1をDtに代入し(ステップS131)、上記関係式に従って、カソードレンズ 21の第二電極印加電圧VCLをf(D1)に設定し(ステップS132)、この 結像条件でステージ43を移動させながら基板42表面の所定領域について電子ビームを照射させて1枚目の電子画像Gt(t=1;G1)を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS133)。電子画像を取得すると、画像取得指令部82は、測定が終了したか否かをtとNとを比較することにより判定する(ステップS134)。測定が終了していないと判定した場合は、画像取得指令部82は、tにt+1を代入して(ステップS135)、物性パラメータとしてD2をD tに代入し、このパラメータの変化に対応する分だけ結像条件を変化させて次の電子画像Gt(t=2;G2)を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS132〜133)。
【0170】
tがNとなり、測定が終了したと判定した場合は(ステップS134)、画像取得指令部82は、測定が終了したことを示す制御信号を出力し、物性判定部88はこの制御信号を受けてメモリ61からN枚の電子画像G1〜GNを引出し、これらを合成して二次元物性分布情報を取得し、メモリ61に格納させるとともに、画像表示処理部66を介して表示部60により表示する(ステップS136)。ここでは二次光学系の結像条件の範囲を表面に金属酸化膜が形成された金属配線から放出される二次ビームが電子検出部3で結像する結像条件の範囲としているので、二次元物性分布情報として二次元金属酸化膜分布図が得られる。
【0171】
このように、本実施形態の基板検査システム70によれば、基板の金属配線の表面に形成されることがある金属酸化膜の分布状況を示す二次元金属酸化膜分布情報を出力するので、金属酸化膜の電子画像とその位置情報を膜厚の程度とともに取得することができる。これにより各回路部が要求仕様を満たすか否かを迅速に判断できるとともに、金属酸化が発生した製造工程を容易に特定することができる。この結果、冗長回路の利用などによる不良救済や金属酸化膜発生の原因探求をより迅速に行うことができる。なお、測定の終了後に電子画像の全てを合成して二次元物性分布図を表示する替りに、各結像条件毎に得られた電子画像を逐次重ねて表示させ、表示部60上で合成させることとしても良い。
【0172】
次に、前述した第8の実施の形態と同様、本実施形態の基板検査システム70により、同一レイアウトの単位領域から取得した電子画像の相互比較により、金属配線表面に形成された金属酸化膜の情報を取得することができる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第11の実施の形態として図31の模式図と図26および図27のフローチャートを参照しながら説明する。
【0173】
図31は本実施形態を説明するための模式図であり、同図(b)は、ウェーハ42の領域のうち、金属配線の表面に金属酸化膜を有しない良好な単位領域の電子画像G1dと、金属配線78の表面に金属酸化膜ME1が形成されている単位領域の電子画像G2dと、金属配線79の表面に金属酸化膜ME2が形成された単位領域の電子画像G3dを示す。なお、図25と同様に、図18(a)と同一の模式図を説明の便宜のため図31(a)に再掲する。
【0174】
まず、図26に示すように、ウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS91)、その表面領域のうち検査の対象となる領域を任意の単位領域(図25(a)参照)に分割する(ステップS92)。単位領域は第5の実施の形態と同様に、それぞれ同一のレイアウトであれば任意の大きさに設定できる。
【0175】
次に、表面に金属酸化膜を有しない金属配線から放出される二次ビームが電子検出部3で結像するものと予定される二次光学系の結像条件を設定して検査条件入力部87から入力し、画像取得指令部82はこれに基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS93)。
【0176】
次に、画像取得指令部82は、上記手順で設定した結像条件にてステージ43を例えば図31(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射して図31(b)に示すように、任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1d,G2d,G3dの画像信号を取得し、メモリ61に格納させる(ステップS94)。3つの単位領域は、相互に隣接する領域に限ることなく、いずれの領域を選択しても良い。
【0177】
物性判定部88は、これらの電子画像G1d,G2d,G3dをメモリ61から引出して、それぞれ対応する金属配線を比較し、電子画像G2dのみで異なる金属配線(図31(c)に示す例ではME1)を単位領域A2内における物性欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS95)。
【0178】
次に、物性判定部88は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1dの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2dを新たな単位領域A1およびその電子画像G1dとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3dを新たな単位領域A2およびその電子画像G2dとして格納させる(ステップS96)。
【0179】
次に、画像取得指令部82は、ウェーハ42上の検査対象領域内の全ての領域で物性欠陥検査を行ったか否かを判定し(ステップS97)、全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS98)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たな単位領域A3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3dを取得して(ステップS99)、メモリ61と物性判定部88に供給する。物性部88は、上述したステップS95の手順に従って、新たな単位領域A2内における物性欠陥箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。図31に示す例では、同図のG3dがこれによりG2dとなり、汚染領域ME2が検出される。
【0180】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3dの欠陥検査のため、測定指令部64は、直前の単位領域A2および電子画像G2dを新たな単位領域A1およびその電子画像G1dとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3dを新たな単位領域A2およびその電子画像G2dとした上で(ステップS95〜S98)、検査対象領域内で直前の単位領域A1、A2以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を取得してこれを電子画像G3dとし(ステップS100)、最後の単位領域A2の電子画像G2dについて物性欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS95)。
【0181】
ウェーハ42上の全ての検査対象領域について物性欠陥の検査が終了すると(ステップS97)、画像取得指令部82が検査終了の情報を物性判定部88に供給し、物性判定部88は、メモリ61から物性欠陥箇所の情報を引出してこれを解析する(ステップS101)。具体的には前述した第8の実施の形態と同様に、検出された欠陥の数量と、予め検査条件として入力された経験値等に基づく所定のしきい値とを比較して、検出された欠陥の数量の妥当性を判定する(ステップS102)。検出された欠陥の数量がしきい値以上である場合は、実際には表面に金属酸化膜が形成されていない良好な金属配線を欠陥金属配線であると検出した擬似欠陥が多かったものと判断し、その情報を測定指令部64に供給する。測定指令部64は、この情報を受けて、想定した結像条件が妥当でないものと判断して二次光学系結像条件を調整し、上述したステップS93からステップS102までの手順を繰返す。検出された欠陥の数量がしきい値を下回る場合は、最後に設定した結像条件が妥当なものと判断し、結像条件調整フローを終了させる。
【0182】
なお、本実施形態においても適切なしきい値の設定が困難である場合は、基板検査システム70が検出した欠陥箇所をオペレータがSEM等に基づいて目視にて確認し、オペレータの判断による欠陥数量と基板検査システム70による欠陥数量とを比較して格差が大きい場合に二次光学系の結像条件を調整することとしても良い。また、全ての検査の終了を待って全ての欠陥金属配線の情報を表示させる替りに、欠陥金属配線が検出される毎に逐次これを表示させることとしても良い。
【0183】
次に、このような結像条件調整フローで決定した二次光学系結像条件に基づいて再度ステージスキャンを行い、ウェーハ42の物性欠陥を実際に検出する。
【0184】
まず、図27に示すように、ウェーハ42をステージ上にセットし(ステップS111)、ウェーハ42表面の検査対象領域を任意の単位領域(図31(a)参照)に分割する(ステップS112)。
【0185】
次に、画像取得指令部82が上述の結像条件設定フローで得られた二次光学系の結像条件に従った制御信号を生成して各種制御部16,17,51〜57に供給し(ステップS113)、この結像条件にてステージ43を移動させながら電子ビームを照射して任意の3つの単位領域A1,A2,A3の電子画像G1d,G2d,G3dの画像信号を取得し、メモリ61に格納する(ステップS114)。
【0186】
次に、物性判定部88は、これらの電子画像G1d,G2d,G3dをメモリ61から引出して、それぞれ対応する金属配線を比較し、電子画像G2dのみコントラストが異なる金属配線(図31(c)参照)を単位領域A2内における物性欠陥箇所として抽出してメモリ61に格納させる(ステップS115)。
【0187】
次に、物性判定部88は、メモリ61から単位領域A1および電子画像G1dの情報を消去して元の単位領域A2および電子画像G2dを新たな単位領域A1およびその電子画像G1dとし、同様に、元の単位領域A3および電子画像G3dを新たな単位領域A2およびその電子画像G2dとして格納させる(ステップS116)。
【0188】
次に、画像取得指令部82がウェーハ42上の全ての検査対象領域で物性欠陥検査を行ったか否かを判定する(ステップS117)。全ての対象領域で欠陥検査が終了していない場合は、未検査の単位領域があるか否かを判定し(ステップS118)、未検査の領域がある場合は、取得してない単位領域を新たなA3としてステージ43を移動させ、その電子画像G3dを取得して(ステップS119)、メモリ61と物性判定部88に供給する。物性判定部88は、上述したステップS115の手順に従って、新たな単位領域A2内における物性欠陥箇所を抽出し、メモリ61に格納させる。
【0189】
未検査の領域がない場合には、直前の単位領域A3の電子画像G3dの欠陥検査のため、測定指令部64が直前の単位領域A2および電子画像G2dを新たな単位領域A1およびその電子画像G1dとし、同様に、直前の単位領域A3および電子画像G3dを新たな単位領域A2およびその電子画像G2dとした上で(ステップS115〜S118)、検査対象領域内で直前の単位領域A2、A3以外の任意の単位領域を最後の単位領域A3として選択し、その電子画像を最後の電子画像G3dとして取得して(ステップS120)、最後の単位領域A2の電子画像G2dについて物性欠陥箇所の抽出を行い、メモリ61に格納させる(ステップS115)。
【0190】
ウェーハ42上の検査対象である領域の全ての領域について物性欠陥の検査が終了すると(ステップS117)、画像取得指令部82がメモリ61から物性欠陥箇所の情報を引出して画像表示処理部66を介して表示部60により表示させ、欠陥検査を終了させる。なお、全ての検査の終了を待って全ての物性欠陥箇所の情報を表示させる替りに、物性欠陥が検出される毎に逐次これを表示させることとしても良い。
【0191】
以上の第11の実施形態における基板検査方法では、同一レイアウトの単位領域から取得した複数の電子画像を相互に比較することにより二次光学系の結像条件を調整したが、図28の領域78,79に示すような、全く欠陥のない正常な金属配線の電子画像が取得できる場合は、前述した第9の実施の形態と同様に、これを参照正常画像としてメモリ61に格納し、この参照正常画像を基準として物性欠陥の検査を行うことができる。この方法を本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態として図21を再び参照しながら説明する。
【0192】
まず、参照正常画像をメモリ61に格納し、この参照正常画像を取得したときの参照正常画像結像条件を検査条件入力部87から入力する。検査条件入力部87からはウェーハ42上の検査対象領域の情報等も入力する。
【0193】
画像取得指令部82は、参照正常画像結像条件に基づく制御信号を各種制御部16,17,51〜57に供給してステージスキャンを行い、検査対象領域の電子画像を順次取得する。電子画像の取得は、参照正常画像が取得された正常な金属配線と同一のレイアウトを有する単位領域毎に行う。取得された電子画像は画像信号処理部による所定の信号処理を経て物性判定部88に供給される。
【0194】
物性判定部88は、メモリ61から参照正常画像を引出して画像信号処理部から供給された単位領域毎の電子画像と逐次比較する。比較処理の結果、図29および図30に示す領域79’のように、表面に金属酸化膜が形成された領域は、図31(c)のG2dに模式的に示すように、参照正常画像中の対応する部分の画素値と異なる画素値を有する画像部分として電子画像内に現れる。このように本来同一の画素値を有する電子画像中で異なる画素値の画像部分を含む電子画像が取得された検査対象領域があれば、これを物性欠陥領域としてその位置情報とともに電子画像をメモリ61の他の領域に格納していく。
【0195】
ウェーハ42表面のすべての検査対象領域についてステージスキャンが終了すると、画像取得指令部82がメモリ61に格納された物性欠陥領域の位置情報と電子画像を引出し、画像表示処理部66を経て表示部60により表示させる。
【0196】
なお、全ての検査の終了を待って全ての物性欠陥領域の情報を表示させる替りに、物性欠陥が検出される毎に逐次その位置情報と電子画像を表示させることとしても良い。
【0197】
次に、本発明にかかる基板検査システムの第7の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0198】
上述した第4の実施の形態によれば、各ビアプラグ部において3枚の電子画像を取込み、これらを相互に比較することにより欠陥ビアプラグ箇所を検出した。しかし、オープン欠陥のない正常なビアプラグ部からの二次ビームが電子検出部に結像する二次光学系条件においては、電子検出部にて得られる電子画像上で正常ビアプラグ部の中心点に当たる画素の階調値は大きくなり(明るく見える)、オープン欠陥を含むビアプラグ部の中心点に当たる画素の階調値は小さくなる(暗く見える)。即ち、それぞればらつきはあるものの、正常ビアプラグ部の中心点の画素の階調値と欠陥ビアプラグ部の中心点の画素の階調値との間には大きな差がある。従って、この点を利用すれば正常ビアプラグ部と不良ビアプラグ部を分別する階調しきい値Bthを決定することが可能になる。
【0199】
本実施形態の特徴は、ビアプラグ部の中心点の画素の階調値のみの情報を得て、各ビアプラグ部の中心点の画素階調値と階調しきい値Bthとの大小比較を行うことにより、正常ビアプラグ部と不良ビアプラグ部とを分別する点にある。
【0200】
図32は、本実施形態の基板検査システム110の要部を示すブロック図である。同図に示すように、基板検査システム110は、ホストコンピュータ59とCADデータ記憶装置120とを備えている。基板検査システム110のその他の構成は、図39に示す基板検査システム200と略同一である。
【0201】
CADデータ記憶装置120には、検査対象の基板上に形成された集積回路のレイアウトを含む設計情報が格納され、特に、ステージ座標系における各ビアプラグ部の中心座標のデータがウェーハ座標系に変換されて格納されている。以下、変換後の座標をウェーハ上座標という。
【0202】
図32に示すホストコンピュータ59は、検査条件入力部121、測定指令部122、結像条件判定部124、不良箇所特定部126、画像表示処理部123およびメモリ61の他、本実施形態において特徴的な階調しきい値判定部125を備えている。
【0203】
階調しきい値判定部125は、後述するように、電子画像内の所望の箇所における画素階調データに基づいて不良箇所特定のための階調しきい値Bthを出力する。
【0204】
基板検査システム110の一動作を本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態として図面を参照しながら説明する。図33および図34は、本実施形態の検査方法を説明する模式図であり、図35〜図37は、本実施形態の検査方法を説明するフローチャートである。図35および図36は二次光学系2の結像条件および階調しきい値Bthを調整するフローチャート、図37はこれに基づいてビアプラグ欠陥を検出するフローチャートである。
【0205】
まず、図35に示すように、検査対象の基板であるウェーハ42をステージ43上にセットし(ステップS141)、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を設定する(ステップS142)。
【0206】
次に、図33(a)に示すように、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を単位領域Ui(i=1〜M:Mは検査対象領域内の単位領域の総数)に分割する(図35ステップS143)。単位領域Uiの大きさは、基板検査システム110が一括して画像取得できる最大限のサイズを選択することが望ましい。
【0207】
図35に戻り、CADデータ記憶装置120の記憶内容から検査対象領域内に存在する全てのビアプラグ部Vnの中心点におけるウェーハ上座標VCn(Xn,Yn)(n=1〜N:Nは検査対象領域内に存在するビアプラグ総数)を抽出し、これをメモリ61ヘ格納する(ステップS144)。
【0208】
次に、検査対象領域内の任意のビアプラグ部について、そのビアプラグ部が正常に形成されていれば、この正常なビアプラグ部から放出した二次ビームが電子検出部3で結像するものと予定される二次光学系2の結像条件を検査条件入力部121から測定指令部122へ入力し、これに基づく制御信号を測定指令部122が生成して各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS145)。この結像条件は、配線材料等を考慮して設計情報に基づいて個別に決定される。
【0209】
次に、測定指令部122は、単位領域番号iを初期値1にする(ステップS146)。続いて、測定指令部122は、上述のステップS145の手順で設定した結像条件にてステージ43を、例えば図33(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射し、単位領域Uiの電子画像Giを取得する(ステップS147)。
【0210】
次に、測定指令部122は、取得された電子画像Giから、単位領域Ui内に存在する全てのビアプラグ部Vnの中心点VCnに対応する箇所の画素(以下、ビアプラグ部中心点画素という)VCPnを抽出し、既知のデータ変換処理により画素VCPnの階調値Bnをそれぞれ出力し、各中心点座標VCnと各階調値Bnとをそれぞれ対応づけてビアプラグ部中心画素データCPn(Xn,Yn,Bn)として、メモリに格納する(ステップS148)。
【0211】
図33(b)は、単位領域Ui内にて取得された電子画像Gi内のビアプラグ部V1〜V9と、各ビアプラグ部の中心点画素VCP1〜VCP9とを模式的に示す。同図においては、正常に形成されたビアプラグ部の中心点画素を黒地で示し、オープンやクラック等の欠陥を有するビアプラグ部の中心点画素を白地で示している。
【0212】
図35に戻り、測定指令部122は、全ての検査対象領域内で全ての単位領域に対して検査が終了したか否か、即ち、現在検査している単位領域番号iが単位領域総数Mに達したか否かを判定する(ステップS149)。未検査の単位領域が存在する場合(i<M)は、次の単位領域Ui+1の検査を開始し(i=i+1 、ステップS150)、全ての単位領域の検査が終了するまでステップS147〜S150の手順を繰り返す。測定指令部122は、全単位領域について検査が終了したと認定すると(i=M)、その情報を結像条件判定部124に供給し、結像条件判定部124はメモリ61から検査対象領域内の全てのビアプラグ部の中心点の画素階調値Bnを引出し、階調値とその階調値を有するビアプラグ部中心点画素の個数との関係を示すグラフ(以下、ビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムという)を作成する(図36ステップS151)。ビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムグラフは、階調値を横軸とし、各階調値を有するビアプラグ部中心点画素の数量を縦軸としたグラフである。このステップS151にて作成されたビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムの一例を図34(a)、(b)に示す。
【0213】
図36に戻り、結像条件判定部124は、作成されたビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムに基づいて、設定された二次光学系結像条件がビアプラグ部の欠陥検出において適切であるか否かを判定する(ステップS152)。この判定手法としては、例えば図34(a)に示すように、正常ビアプラグ部中心点画素階調値Bcにてビアプラグ部中心点画素の数量が最大値となる分布になる場合に、設定した二次光学系結像条件が適切であると判定する方法がある。
【0214】
結像条件判定部124が、設定した二次光学系結像条件がビアプラグ部の欠陥検出において適切であると判定した場合は、階調しきい値判定部125にビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムデータを供給する。この一方、設定された二次光学系結像条件が適切でないと判定した場合は、不適切であった旨の情報を測定指令部122に供給する。測定指令部122は、二次光学系結像条件を修正し、新たに設定した二次光学系結像条件が結像条件判定部124により基板検査システム110において適切であると判定されるまでステップS145〜S152の手順を繰り返す。階調しきい値判定部125は、結像条件判定部124からビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムデータの供給を受け、階調しきい値Bthを決定する。本実施形態では、正常ビアプラグ部と不良ビアプラグ部とを分別する上で最適のビアプラグ部中心点画素階調値を階調しきい値Bthと認定する(ステップS153)。より具体的には、欠陥検出率が予め検査条件として入力された経験値等に基づく欠陥検出率Fになるものを階調しきい値Bthと認定する。なお、経験値等に基づく欠陥検出率Fを設定することが困難である場合には、例えば基板検査システムが検出した欠陥箇所の断面のSEM画像を別途取得し、このSEM画像に基づいてオペレータが目視にて確認し、擬似欠陥を含まない真の欠陥検出率Fが最大になる値を階調しきい値Bthとして決定してもよい。階調値しきい値Bthの決定方法について図34(b)のビアプラグ部中心点画素階調ヒストグラムを参照しながらさらに具体的に説明する。Bth以上の階調値を有するビアプラグ部中心点画素の数量をS1とし、Bth未満の階調値を有するビアプラグ部中心点画素の数量をS2とすると、欠陥検出率Fは次式
F=S2/(S1+S2)
にて算出される。そこで、S2に正常なビアプラグ部中心点画素が含まれず、欠陥検出率Fが最大となるようにBthを決定してやればよい。
【0215】
次に、階調しきい値判定部125は、決定した階調しきい値Bthをメモリ61に供給し、さらに、階調しきい値決定終了の情報を測定指令部122に供給する。測定指令部122は階調しきい値決定終了の情報を受けて二次光学系結像条件と階調しきい値調整フローを終了させる。
【0216】
次に、上述した手順により決定した二次光学系結像条件と階調しきい値に基づいて再度ステージスキャンを行い、ウェーハ42のビアプラグ部欠陥を実際に検出する手順を図37のフローチャートを参照しながら説明する。
【0217】
まず、図37に示すように、検査対象の基板であるウェーハ42をステージ43上にセットし(ステップS161)、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を設定する(ステップS162)。
【0218】
次に、ウェーハ42の表面領域のうち検査の対象となる領域を図33(a)に示すように単位領域Ui(i=1〜M:Mは検査対象領域内の単位領域の総数)に分割する(ステップS163)。単位領域Uiの大きさは、基板検査システム110が一括して画像取得できる最大限のサイズを選択することが望ましい。
【0219】
次に、CADデータ記憶装置120の記憶内容から検査対象領域内に存在する全てのビアプラグ部Vnの中心点におけるウェーハ上座標VCn(Xn,Yn)(n=1〜N:Nは検査対象領域内に存在するビアプラグ総数)を抽出し、これをメモリ61ヘ格納する(ステップS164)。
【0220】
次に、図35および図36に示す二次光学系結像条件調整手順(ステップS141〜S153)にて得られた二次光学系結像条件を検査条件入力部121から測定指令部122へ入力し、測定指令部122がこれに基づく制御信号を生成して各種制御部16,17,51〜57に供給する(ステップS165)。
【0221】
次に、測定指令部122は、単位領域番号iを初期値1にする(ステップS166)。続いて、測定指令部122は、上述のステップS165で設定した結像条件にてステージ43を例えば図33(a)の破線矢印に示すように移動させながら電子ビームを照射し、単位領域Uiの電子画像Giを取得する(ステップS167)。
【0222】
次に、測定指令部122は、取得された電子画像Giから、単位領域Ui内に存在する全てのビアプラグ部Vnの中心点VCnに対応するビアプラグ部中心点画素VCPnを抽出し、既知のデータ変換処理により画素VCPnの階調値Bnをそれぞれ出力し、各中心点座標VCnと各階調値Bnとをそれぞれ対応づけてビアプラグ部中心画素データCPn(Xn,Yn,Bn)として、メモリに格納する(ステップS168)。
【0223】
次に、不良箇所特定部126は、メモリ61から全てのビアプラグ部中心画素データCPnと、図35および図36に示す手順にて得られた階調しきい値Bthを引出し、CPnデータ内のBnとBthとを比較し、Bn<Bthが成り立つビアプラグ部Vnを不良ビアプラグ部として抽出し、その情報(Xn,Yn,Bn)をメモリ61に格納する(ステップS169)。
【0224】
次に、測定指令部122は、全ての検査対象領域内で全ての単位領域に対して検査が終了したか、即ち、現在検査している単位領域番号iが単位領域総数Mに達したか否かを判定する(ステップS170)。未検査の単位領域が存在する場合(i<M)は、次の単位領域Ui+1の検査を開始し(i=i+1、ステップS 171)、全ての単位領域の検査が終了するまでステップS167〜S171の手順を繰り返す。測定指令部122が、全単位領域について検査が終了したと認定すると(i=M)、その情報を各種制御部16,17,51〜57へ供給してこれらの設定を初期条件に戻すとともに、メモリ61から不良ビアプラグ部の情報を引き出し、画像表示処理部123を介して表示部60により表示させ、検査を終了させる。
【0225】
このように、本実施形態の基板検査システム110によれば、ビアプラグ部の中心点の画素の階調値のみの情報を得て、良否判定の基準となるしきい値Bthを決定し、中心点画素の階調値としきい値Bthとの大小比較を行うことにより、正常ビアプラグ部と不良ビアプラグ部とを分別することができる。これにより、ビアプラグ部の電気的不良検査に要する時間を飛躍的に短縮させることが可能になる。また、ビアプラグ部の中心点の画素の階調値のみの情報をメモリに記録すればいいので、前述した画像比較処理を行う基板検査システム50よりも記憶素子容量を大幅に削減できる。
【0226】
上述した第12の実施形態の検査方法においては、ビアプラグ部の中心点のみの画素階調値を正常ビアプラグ部と不良ビアプラグ部の分類パラメータとして用いたが、ビアプラグ部の中心点付近の複数画素の平均階調値を分類パラメータとして用いて欠陥検出を行ってもよい。ただし、上記複数画素は、ビアプラグ部領域内の画素とする。この方法は、電子画像ノイズが多い場合に、正常なビアプラグ部を不良と誤って認定することを防ぐために有効である。
【0227】
また、上述した第12の実施形態の検査方法においては、正常ビアプラグ部からの二次ビームが電子検出部3で結像するように二次光学系結像条件を設定して検査しているが、不良ビアプラグ部が結像する二次光学系結像条件を用いて上述と同様の欠陥検査を行ってもよい。また、しきい値Bthについては単一のしきい値を決定することとしたが、複数のしきい値をBthを設定し、集積回路装置の要求仕様に応じて不良内容を分類することとしてもよい。
【0228】
さらに、基板検査システム110によれば、ビアプラグ部の不良箇所検出に限ることなく、例えば配線近傍の配線間絶縁体における酸や金属による汚染の有無、またはその程度をも検査することができる。この検査は、例えばビアプラグ部の中心から所定の距離を検査対象領域とし、図35から図37に示すフローを用いることにより可能である。また、図33(b)のようにビアプラグ部V1〜V9がマトリクス状に配置された領域では、図38の模式図に示す電子画像Gi’のように、各ビアプラグ部V1〜V9の中心点VP1〜VP9から等距離にある箇所Vd1〜Vd4を検査対象箇所として設定すれば、ビアプラグ部間に形成された配線間絶縁体の汚染の有無を高速で判定でき、さらにしきい値を複数設定することによりその程度を高いスループットで分類することができる。
【0229】
以上、本発明の実施の形態のいくつかについて説明したが、本発明は上記形態に限るものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述の実施形態では、電子ビームの走査方法としてステージを移動させることにより基板の表面に電子ビームを走査させるステージスキャンに関して説明したが、偏向器を用いて電子ビーム自体を基板表面に走査させるビームスキャンでも勿論適用できる。さらに、基板として半導体ウェーハを用いたが、レチクル等の検査ができるのも勿論である。
【0230】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
【0231】
即ち、本発明にかかる基板検査方法によれば、二次電子および反射電子の放出エネルギーが基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる二次ビームの結像条件に基づいて上記二次ビームを制御して、上記基板に形成された配線の電気的特性不良を検査するので、製造途中の基板について非接触で電気的特性の検査を行うことができる。これにより製造プロセスにおける問題点を迅速に特定することができる。
【0232】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて上記基板の形状情報を取得するので、開放・短絡による基板配線の欠陥を迅速に発見することができる。
【0233】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて上記二次ビームを制御して上記基板の物性情報を取得するので、基板で発生した汚染や金属配線の表面酸化等の有無を判定し、その発生箇所の位置情報を検出することができる。
【0234】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて、基板の所望の領域から放出される二次ビームが結像するようにこの二次ビームを制御するので、上記所望の領域における表面電位を定量的に測定することができる。
【0235】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて、上記基板の表面の任意の電位を有する箇所から発生した上記二次ビームのみが結像するように上記二次ビームを制御するので、基板の表面領域のうち所望の電位を有する箇所の電子画像とその位置情報を取得することができる。これにより、配線同士もしくは配線と不純物拡散層との接触部での抵抗値や多層配線の内部抵抗値の大きさが問題になった場合に、これに対応する電位を有する箇所の位置情報やその形状等を検出することができる。
【0236】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて異なる上記結像条件で制御し、上記基板の表面の二次元電位分布情報を取得するので、各ビアプラグにおける抵抗値の分布等を検査することができる。
【0237】
また、本発明にかかる基板検査方法によれば、画像信号に基づいて集積回路の電気的状態を示す数値データを出力し、この数値データに基づいて良否判定基準となるしきい値を算出し、このしきい値と上記数値データとを比較して前記集積回路の電気的不良箇所を検出するので、大容量のメモリを用いることなく高速で不良箇所を検出することができる。これにより、低コストでかつスループットの高い基板検査方法が提供される。
【0238】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記結像条件に基づいて上記写像投影手段を制御する制御手段を備え、基板の配線の電気的特性不良を検査するので、製造途中の基板に対して非接触で電気的特性の検査を行うことができる。これにより製造プロセスにおける問題点を迅速に特定することができる基板検査システムが提供される。
【0239】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件に基づいて上記写像投影手段を制御する制御手段を備え、上記基板の形状情報を取得するので、開放・短絡による基板配線の欠陥を迅速に発見することができる基板検査システムが提供される。
【0240】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件に基づいて上記写像投影手段を制御する制御手段を備え、上記基板の物性情報を取得するので、基板で発生した汚染や金属配線の表面酸化等の有無を判定し、その発生箇所の位置情報を検出することができる基板検査システムが提供される。
【0241】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記二次ビームを上記電子ビーム検出手段に結像させるための条件に基づいて上記写像投影手段を制御する制御手段を備えるので、基板の表面電位を定量的に測定することができる基板検査システムが提供される。
【0242】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記二次ビームの結像条件に基づいて、上記基板の表面の任意の電位を有する箇所から発生した上記二次ビームのみが上記電子ビーム検出手段で結像するように上記写像投影手段を制御する制御手段を備えるので、基板の表面領域のうち所望の電位を有する箇所の電子画像とその位置情報を取得することができる。これにより、配線同士もしくは配線と不純物拡散層との接触部での抵抗値や多層配線の内部抵抗値の大きさが問題になった場合に、これに対応する電位を有する箇所の位置情報やその形状等を検出することができる基板検査システムが提供される。
【0243】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、上記二次ビームの結像条件を変化させて上記写像投影手段を制御し、取得された複数の上記電子画像を合成する制御手段を備え、単純な構成で基板表面の二次元電位分布情報を取得するので、各ビアプラグにおける抵抗値の分布等を検査することができる基板検査システムが提供される。
【0244】
また、本発明にかかる基板検査システムによれば、画像信号に基づいて集積回路の電気的状態を示す数値データを出力する画像信号処理手段と、この数値データに基づいて集積回路の良否を判定する基準となるしきい値を算出する演算手段と、このしきい値と上記数値データとを比較して前記集積回路の電気的不良箇所を検出する不良箇所検出手段とを備えるので、大容量のメモリを用いることなく高速で不良箇所を検出することができる。これにより、低コストでかつスループットの高い基板検査システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カソードレンズに印加する電圧V(絶対値)とステージ印加電圧に対する基板表面の電位の変化量(絶対値)との相関関係を示す特性図である。
【図2】本発明にかかる基板検査システムの第1の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる基板検査方法の第1の実施の形態を説明する模式図である。
【図4】本発明にかかる基板検査方法の第1の実施の形態を説明する模式図である。
【図5】本発明にかかる基板検査方法の第1の実施の形態を説明するための基板の略示部分断面図である。
【図6】本発明にかかる基板検査方法の第1の実施の形態を説明するための基板の略示部分断面図である。
【図7】本発明にかかる基板検査システムの第2の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明にかかる基板検査システムの第3の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図9】本発明にかかる基板検査方法の第3の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図10】本発明にかかる基板検査システムの第4の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明にかかる基板検査方法の第4の実施の形態を説明する模式図である。
【図12】本発明にかかる基板検査方法の第4の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図13】本発明にかかる基板検査方法の第4の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図14】本発明にかかる基板検査システムの第5の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図15】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明する配線欠陥部の形状の一例である。
【図16】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明する模式図である。
【図17】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明する模式図である。
【図18】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明する模式図である。
【図19】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図20】本発明にかかる基板検査方法の第5の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図21】本発明にかかる基板検査システムの第6の実施の形態が備えるホストコンピュータの要部の概略構成を示すブロック図である。
【図22】本発明にかかる基板検査方法の第6の実施の形態を説明する模式図である。
【図23】本発明にかかる基板検査方法の第6の実施の形態を説明する模式図である。
【図24】本発明にかかる基板検査方法の第7の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図25】本発明にかかる基板検査方法の第8の実施の形態を説明する模式図である。
【図26】本発明にかかる基板検査方法の第8の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図27】本発明にかかる基板検査方法の第8の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図28】本発明にかかる基板検査方法の第10の実施の形態を説明する模式図である。
【図29】本発明にかかる基板検査方法の第10の実施の形態を説明する模式図である。
【図30】本発明にかかる基板検査方法の第10の実施の形態を説明する模式図である。
【図31】本発明にかかる基板検査方法の第11の実施の形態を説明する模式図である。
【図32】本発明にかかる基板検査システムの第7の実施の形態の要部を示すブロック図である。
【図33】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明する模式図である。
【図34】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明する模式図である。
【図35】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図36】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図37】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明するフローチャートである。
【図38】本発明にかかる基板検査方法の第12の実施の形態を説明する模式図である。
【図39】従来の基板検査システムの一例の概略構成を示すブロック図である。
【図40】図39に示す基板検査システムが備えるウィーンフィルタの基本的な構成を示す説明図である。
【図41】図40に示すウィーンフィルタを通過する電子ビーム軌道の説明図である。
【図42】図39に示す基板検査システムにおける電子ビームの軌道を示す説明図である。
【符号の説明】
1 一次光学系
2 二次光学系
3 電子検出部
5 一次ビーム
6 二次ビーム
7 一次ビーム軌道
8 二次ビーム軌道
10,20,30,40,50,70,110 基板検査システム
11 線状陰極
12 ウエーネルト電極
13 陽極
14 偏向器
15 複数段四極子レンズ
16 電子銃制御部
17 複数段四極子レンズ制御部
19,28,29,39,49,59,89 ホストコンピュータ
21 カソードレンズ
22 第二レンズ
23 第三レンズ
24 第四レンズ
25 開き角絞り
26 視野絞り
31 MCP検出器
32 蛍光板
33 ライトガイド
34 撮像素子
41 ウィーンフィルタ
41a,41b 電極
41c,41d 磁極
42 基板
43 ステージ
44 ステージ電圧印加電源
48 焦点面(絞り位置面)
51 ステージ電圧制御部
52 カソードレンズ制御部
53 ウィーンフィルタ制御部
54 第二レンズ制御部
55 第三レンズ制御部
56 第四レンズ制御部
57 電子検出制御部
58 画像信号処理部
60 表示部
61 メモリ
62,124 画像結像判定部
63 基板表面電位計算部
64,122 測定指令部
65 測定条件入力部
66 画像表示処理部
67 二次元電位分布図作成部
69 金属汚染領域
73 二次ビームAAの軌道
74 二次ビームBBの軌道
78,78’,79,79’ 金属配線
81 結像光学条件計算部
82 画像取得指令部
83 画像取得条件入力部
84 画像比較処理部
85,126 不良箇所特定部
86 形状判定部
87,121 検査条件入力部
88 物性判定部
92a,92b 二次電子/反射電子/後方散乱電子
120 CADデータ記憶装置
125 階調しきい値判定部
179 表面金属酸化膜
E1〜DE2 汚染領域
Gi,Gi’,G1a〜G1d,G2a〜G2d,G3a〜G3d 電子画像
E1,ME2 金属酸化膜
f 基板表面電位(V)
CL カソードレンズ第2電極印加電圧(V)
Vd1〜Vd4 配線間絶縁体の検査対象箇所
VP1〜VP9 ビアプラグ部

Claims (18)

  1. 表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記配線から放出する前記二次ビームが結像するように前記二次ビームを制御する過程と、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係から前記基板の表面の電位を測定することにより、前記基板に形成された配線の電気的特性不良を検査することを特徴とする基板検査方法。
  2. 表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて前記配線が形成された領域から放出する前記二次ビームが結像するように前記二次ビームを制御し、得られた電子画像から前記配線に形状欠陥があるかどうかを検査することを特徴とする基板検査方法。
  3. 検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、前記基板の表面の領域のうち任意の物性を有する領域から放出する前記二次ビームが結像するように前記二次ビームを制御し、得られた電子画像から前記基板の物性情報を取得することを特徴とする基板検査方法。
  4. 検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記基板の表面から放出する前記二次ビームが結像するように前記二次ビームを制御す る過程と、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係から前記基板の表面の電位を定量的に測定することを特徴とする基板検査方法。
  5. 検査対象である基板をその表面に略水平な平面内で移動させつつ、前記基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させて二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、前記基板の任意の電位を有する箇所から発生した前記二次ビームのみが結像するように前記二次ビームを制御し、前記任意の電位を有する箇所の電子画像と位置情報とを取得することを特徴とする基板検査方法。
  6. 検査対象である基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて前記二次ビームを異なる結像条件で制御し、複数の前記電子画像を取得し、これらを合成して前記基板の表面の二次元電位分布情報を取得することを特徴とする基板検査方法。
  7. 検査対象である集積回路が形成された基板に電子ビームを照射する過程と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させる過程と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を加速させ、二次ビームとして拡大投影して結像させる過程と、
    前記二次ビームを検出し、画像信号として出力する過程と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する過程と、を備える基板検査方法であって、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて前記二次ビームを制御して前記基板の前記画像信号を取得する過程と、
    前記集積回路の設計情報と前記画像信号に基づいて前記集積回路の電気的状態を示す数値データを出力する過程と、
    前記集積回路の良否を判定する基準となる少なくとも一つのしきい値を前記数値データに基づいて算出する過程と、
    前記数値データと前記しきい値とを比較して前記集積回路の電気的不良箇所を検出する過程と、を備えることを特徴とする基板検査方法。
  8. 前記検査対象は、前記集積回路内の配線であることを特徴とする請求項7に記載の基板検査方法。
  9. 前記しきい値は、複数のしきい値であり、
    前記電気的不良箇所を検出する過程は、その不良の程度を分類する過程を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の基板検査方法。
  10. 表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記配線から放出する前記二次ビームが前記電子ビーム検出手段に結像するように前記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係から前記基板の表面の電位を測定することにより、前記基板に形成された配線の電気的特性不良を検査する基板検査システム。
  11. 表面に配線が形成された検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて前記配線が形成された領域から放出する前記二次ビームが前記電子ビーム検出手段に結像するように前記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、
    得られた電子画像から前記配線に形状欠陥があるかどうかを検査する基板検査システム。
  12. 検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、前記基板の表面の領域のうち任意の物性を有する領域から放出する前記二次ビームが前記電子ビーム検出手段に結像するように前記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、
    得られた電子画像から前記基板の物性情報を取得する基板検査システム。
  13. 検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記基板の表面から放出する前記二次ビームが前記電子ビーム検出手段に結像するように前記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係から前記基板の表面電位を定量的に測定する基板検査システム。
  14. 検査対象である基板を載置してその表面に略水平な平面内で前記基板を移動させるステージと、
    前記基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、前記基板の表面の任意の電位を有する箇所から発生した前記二次ビームのみが前記電子ビーム検出手段で結像するように前記写像投影手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記任意の電位を有する箇所の電子画像と位置情報とを取得する基板検査システム。
  15. 検査対象である基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記二次電子および反射電子の前記写像投影手段への入射エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて、前記写像投影手段を異なる前記条件で制御し、取得された複数の前記電子画像を合成して前記基板の表面の二次元電位分布情報を取得する制御手段と、を備える基板検査システム。
  16. 検査対象である集積回路が形成された基板に電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームの照射を受けて前記基板の表面から放出する二次電子および反射電子を二次ビームとして検出し、画像信号として出力する電子ビーム検出手段と、
    前記画像信号に基づいて前記二次電子および反射電子により形成され前記基板の状態を表す画像である電子画像を表示する表示手段と、
    前記電子ビームを偏向させて前記基板に入射させるとともに前記二次ビームを直進させる電子ビーム偏向手段を含み、前記二次ビームを拡大投影し、前記電子ビーム検出手段に結像させる写像投影手段と、
    前記二次電子および反射電子の放出エネルギーが前記基板の電気的状態に応じて異なることから導かれる、前記二次ビームを前記電子ビーム検出手段に結像させるための条件と前記基板の表面の電位分布との相関関係に基づいて前記写像投影手段を制御する制御手段と、
    前記集積回路の設計情報を格納する記憶手段と、
    前記画像信号と前記設計情報に基づいて前記集積回路の電気的状態を示す数値データを出力する画像信号処理手段と、
    前記集積回路の良否を判定する基準となるしきい値を前記数値データに基づいて算出する演算手段と、
    前記数値データと前記しきい値とを比較して前記集積回路の電気的不良箇所を検出する不良箇所検出手段と、を備える基板検査システム。
  17. 前記検査対象は、前記集積回路内の配線であることを特徴とする請求項16に記載の基板検査システム。
  18. 前記演算手段は、複数のしきい値を算出し、
    前記不良箇所検出手段は、前記集積回路の電気的の不良の程度をも分類することを特徴とする請求項16または17に記載の基板検査システム。
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