JP2003133379A - 半導体装置の検査装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の検査装置及び半導体装置の製造方法

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JP2003133379A
JP2003133379A JP2001327167A JP2001327167A JP2003133379A JP 2003133379 A JP2003133379 A JP 2003133379A JP 2001327167 A JP2001327167 A JP 2001327167A JP 2001327167 A JP2001327167 A JP 2001327167A JP 2003133379 A JP2003133379 A JP 2003133379A
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defect
observation
probe current
electron microscope
defects
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JP2001327167A
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Jiro Inoue
二朗 井上
Takao Sato
孝雄 佐藤
Kenji Watanabe
健二 渡辺
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適観察倍率(視野)を自動調整し、高倍観
察時に明暗コントラストを低下もしくは消滅させること
なく、高コントラストで電位コントラスト欠陥を観察す
ることが可能な技術を提供する。 【解決手段】 半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子
顕微鏡によって検査する半導体装置の検査装置におい
て、前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プロ
ーブ電流用の構成とを備え、各々の観察モードを切り替
えて低プローブ電流観察画像と高プローブ電流観察画像
との観察を行なう。半導体ウェーハの異物或いは欠陥を
電子顕微鏡によって検査する半導体装置の製造方法にお
いて、前記異物或いは欠陥のサイズをもとに最適観察視
野を計算する手段と、その算出された最適視野に観察倍
率を変化させる手段とを備え、前記異物或いは欠陥のサ
イズに応じた可変視野にて欠陥を自動観察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の検査
装置及び半導体装置の製造方法に関し、特に、電子顕微
鏡を用いたウェーハの検査に適用する際に有効な技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置では、高集積化及び高性能化
のために各素子構造の微細化が進められており、微細化
の進展によって各素子を接続して回路を構成する配線も
微細化され、且つ複雑になる傾向にある。これらの配線
は各層ごとに形成され、層間絶縁膜を貫通するプラグに
よって各層の配線が接続されている。
【0003】こうしたプラグ或いは配線では多種多様の
異物や欠陥が発生し、配線やプラグの微細化によって、
より微細な異物や欠陥も不良の原因となる。電気的導通
不良或いは短絡不良等の電気的欠陥は、例えば、従来プ
ローブ検査による電気的テスタで検査され、製品完成後
に電気的不良を判定する場合には解析が完了するまで約
1か月半〜2か月程度の待ち時間を要していた。
【0004】こうしたプラグの電気的導通不良や短絡不
良は、電位コントラスト欠陥として走査型電子顕微鏡S
EM(Scanning Electron Microscope)を用いて観察する
ことが可能になった。この検査では、ウェーハ作成中の
段階にインラインで電気的不良を判定可能となるので、
数週間以内の待ち時間で解析を行なうことが可能とな
る。従って、電気的不良の発生を発見する時間的期間が
約1か月以上短縮されることになり、量産ラインにおい
ては時間的、金額的に何れも効果が高いと考えられる。
【0005】半導体ウェーハ上に発生する異物や欠陥
は、多種類で多様性に富んでおり、かつ微細なものであ
っても不良要因になっており、大小様々な観察対象物を
最適視野で観察、解析できることは、その後の欠陥解析
や半導体製品への不良低減のための製作条件の見直しや
適正な製作条件への変更指示を行なうための重要な評価
結果を提供できることになる。
【0006】また、従来の異物や欠陥に加えて歩留予測
を行なうためには非常に影響力を持つ欠陥である電気的
欠陥が電位コントラスト欠陥として高コントラストで観
察できることにより、プラグが電気的にオープンである
か、或いは電気的にショートしているのかを判断できる
ことが一層重要となってくる。
【0007】走査型電子顕微鏡を用いた異物・欠陥の検
査については、例えば、特開2000−200813号
に、検査装置によって得られた欠陥の位置座標をもと
に、まず低倍率で広い視野についてSEM像を取得し、
欠陥の位置座標を補正後に、その補正した欠陥位置座標
により倍率を上げ欠陥を拡大してSEM像を取得し、欠
陥を高倍率、高解像度で自動観察する方法が開示されて
おり、特開2000−123771号に、デジタル画像
にノイズを発生させることなく自動撮影されたSEM画
像について、倍率(視野)を問わず撮影されたSEM画
像内の欠陥部位に対し、その特徴量や性質を解析するこ
とが可能な走査型顕微鏡及びそれによる欠陥部位の解析
方法が開示されている。なお、これら2件の技術では一
般の「異物や欠陥」と電位コントラスト欠陥とを区別な
く自動観察することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開2000
−200813号に開示されている欠陥観察では、検査
装置によって検出された多量の欠陥に対して自動観察を
行なう場合、検査装置によって得られた各欠陥座標の誤
差が欠陥寸法に対する最適視野よりも大きい場合には、
自動観察時に観察対象欠陥が視野内に入らなくなるとい
う問題が生じるため、検査装置で検出した座標位置には
欠陥がなかった(虚報)のか、それとも観察視野内に所
望の欠陥を入れることに失敗したのかが判断できなかっ
た。
【0009】また、特開2000−123771号に開
示された電位コントラスト欠陥観察では、欠陥プラグ自
体に正常プラグに対して明暗のコントラスト差が生じる
ため、欠陥サイズはプラグの寸法そのものとなる。この
ような場合に、欠陥サイズに適した視野を自動設定する
と、−般に高倍率観察となる。
【0010】本発明者等の実験によれば、電位コントラ
スト欠陥の明暗のコントラストは観察倍率に依存してお
り、観察視野によっては明暗のコントラストがつかず、
低倍率で観察できた電位コントラスト欠陥が、欠陥サイ
ズであるプラグ自体の寸法をもとにして、高倍率で同一
の電位コントラスト欠陥を観察した場合に、コントラス
ト差がなくなり消滅して、正常のプラグと見分けがつか
ないため、欠陥部位が存在しない、或いは明暗コントラ
ストが消滅しているため、その特徴量や性質を解析する
ことができなくなる。
【0011】本発明の課題は、これらの問題点を解決
し、検査装置による欠陥のサイズと欠陥座標ばらつきを
考慮して、最適観察倍率(視野)を自動調整し、高倍観
察時に明暗コントラストを低下もしくは消滅させること
なく、高コントラストで電位コントラスト欠陥を観察す
ることが可能な技術を提供することにある。本発明の前
記ならびにその他の課題と新規な特徴は、本明細書の記
述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。半導体ウェーハの異物或いは欠陥
を電子顕微鏡によって検査する半導体装置の検査装置に
おいて、前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低
プローブ電流用の構成とを備え、各々の観察モードを切
り替えて低プローブ電流観察画像と高プローブ電流観察
画像との観察を行なう。
【0013】半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子顕
微鏡によって検査する半導体装置の製造方法において、
前記異物或いは欠陥のサイズをもとに最適観察視野を計
算する手段と、その算出された最適視野に観察倍率を変
化させる手段とを備え、前記異物或いは欠陥のサイズに
応じた可変視野にて欠陥を自動観察する。
【0014】検査装置によって検出された半導体ウェー
ハの異物或いは欠陥を電子顕微鏡によって検査する半導
体装置の製造方法において、前記ウェーハに形成された
絶対座標が既知のパターンから検査装置の座標ばらつき
を計算する手段と、そのばらつきを包含する視野を観察
視野として設定する手段とを備える。
【0015】半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子顕
微鏡によって検査する半導体装置の製造方法において、
前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プローブ
電流用の構成とを備え、低プローブ電流観察画像と高プ
ローブ電流観察画像とを取得可能で、同一観察対象物に
ついて双方の画像を比較して、観察対象物の解析を行な
う。
【0016】半導体ウェーハの電位コントラスト欠陥を
電子顕微鏡によって検査する半導体装置の製造方法にお
いて、前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プ
ローブ電流用の構成とを備え、高プローブ電流モードで
観察した電位コントラスト欠陥を、同倍率或いは更に高
倍率にして、低プローブ電流モードで観察する。
【0017】上述した本発明によれば、欠陥サイズに合
せて最適視野を自動調整してかつ自動観察することが可
能となる。また、欠陥座標精度の自動測定方法の活用に
よって、検査装置から出力される欠陥座標位置にばらつ
きがある座標データをもとにして走査型電子顕微鏡によ
る自動観察を行なった場合に、観察対象の欠陥が視野か
らはずれてしまうという問題を解決できる。更に、電位
コントラスト欠陥に対する最適観察手法により、あらゆ
る観察倍率で電位コントラスト欠陥が安定して観察可能
になり、これまで観察条件から電位コントラスト欠陥の
像形成が安定していなかったために見逃していた半導体
ウェーハ上の電気的不良を高性能に把握可能となる。
【0018】以上の効果から、欠陥の観察やその表面形
状や材質および特徴により欠陥を自動分類する効率、正
確度が上がるとともに、作業者の操作や解析に対しての
負担を軽減することができる。
【0019】以下、本発明の実施の形態を説明する。な
お、実施の形態を説明するための全図において、同一機
能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明
は省略する。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、本発明
の一実施の形態である検査に用いる走査型電子顕微鏡の
構成図を示す。本発明者等は、半導体ウェーハ上に形成
したプラグの電位コントラスト欠陥について倍率を変え
て観察していた際に、倍率によって電位コントラスト欠
陥の見え方が変化することを発見した。この現象を確認
したときに観察倍率或いはそれ以外のSEMの各種設定
を調整して、最適かつ高コントラストで電位コントラス
ト欠陥等を観察するために、高プローブ電流用の構成と
低プローブ電流用の構成とを備えた走査型電子顕微鏡を
着想した。
【0021】電子銃1は高プローブ電流(約1nA〜約
100nA)および低プローブ電流(約50pA〜約2
00pA)を供給できる電子線(破線図示)を照射可能
であり、電子銃1の放射角を高プローブ電流時には10
mrad程度、低プローブ電流時には2mrad程度に
自動調整可能である。
【0022】コンデンサレンズとしては、高プローブ電
流用の短焦点用コンデンサレンズ2aと、低プローブ電
流用の長焦点用コンデンサレンズ2bの2種類を設けて
ある。短焦点用コンデンサレンズ2aの磁場レンズ内に
引き出し電極3とアノード電極4とが設けられ、短焦点
用コンデンサレンズ2aの下側に長焦点用コンデンサレ
ンズ2bが設けてあり、夫々のコンデンサレンズ2a,
2bにはコンデンサレンズ電源20から電力が供給され
ている。
【0023】ブランキング偏向器5は、電子線を照射し
ないときには、走査信号発生器21から出力された信号
によって電界を発生させ、電子線の向きを変えて後段の
絞り6を通過させずに遮断するためのものである。絞り
6を通過した電子線は、反射板7の開口及びE×B偏向
器8を通り、対物レンズとなる電気コイルによって電磁
的にレンズの焦点を変えてフォーカスを合わせている。
【0024】対物レンズとしては、高プローブ電流用と
して試料である半導体ウェーハ9の近傍に配置された短
焦点用対物レンズ10aと、低プローブ電流用として短
焦点用対物レンズ10aの上部に配置された長焦点用対
物レンズ10bの2種類が設けられ、対物レンズ10
a,10bによって収束された電子線を偏向して光路を
変えて試料上の所望の位置を照射するために、長焦点用
走査偏向器11bと短焦点用走査偏向器11aとを配置
している。
【0025】試料である半導体ウェーハ9は横方向(X
方向)に移動するXステージ12と縦方向(Y方向)に
移動するYステージ13とを備えた試料台14上に搭載
され、試料高さ検出器15によって試料の高さを検出し
てデータを試料高さ測定器22に送り、試料高さ測定器
22からの信号によって制御回路23が対物レンズ電源
24を制御して焦点が正しく補正される。また、試料台
14からの情報は位置モニタ測長器25によって制御回
路23に送られる。
【0026】試料に照射された電子線は検出器によって
信号検出され画像化される。画像形成用の信号検出には
反射電子を検出する反射電子検出器16と二次電子を検
出する二次電子検出器17の2種類を用いる。反射電子
検出器16は、その前段に反射電子のみを感度良く検出
するための高エネルギーフィルタを備え、その後段では
光電子増倍管により検出信号を増幅している。また、二
次電子検出器17はその前段に二次電子のみを感度良く
検出するための低エネルギーフィルタを備え、その後段
には反射電子検出器16と同様に光電子増倍管により検
出信号を増幅する構成となっている。
【0027】図2に、入射電子のエネルギーを10ke
Vとした場合に放出される電子のエネルギースペクトル
例を示す。低エネルギー領域では二次電子の発生量が多
く、高工ネルギー領域では反射電子の発生量が多いこと
から、各検出器前段のエネルギーフィルタの有効性は明
らかである。
【0028】二次電子検出器17によって検出された信
号は、二次電子検出信号変換回路26によって信号変換
を行い、反射電子検出器16によって検出された信号
は、反射電子検出信号変換回路27によって信号変換を
行い、二次電子像及び反射電子像の各々を短焦点画像観
察用モニタ28、長焦点画像観察用モニタ29に表示す
る。
【0029】短焦点画像観察用モニタ28と長焦点画像
観察用モニタ29は、それぞれの画像を観察できるとと
もに、その画像をもとに観察対象物(或いは欠陥)の特
徴量や形状、材質などを自動分類する解析システムを備
えている。各モニタ画像は両者別々に観察可能である
が、両者の画像を重ねて(交互に)同一モニタ上に示し
てもよい。また、後述する検査装置から出力された観察
対象物の座標データや寸法等或いは観察対象物(異物或
いは欠陥)の位置、観察対象物の寸法、特徴量分類結
果、観察視野等のデータをモニタ上に表示することもで
きる。
【0030】図3に図1の走査型電子顕微鏡が高プロー
ブ電流モードヘ移行したときの動作を示す。高プローブ
電流モードでは、コンデンサレンズ電源20から短焦点
用コンデンサレンズ2aのみに電源供給を行い、長焦点
用コンデンサレンズ2bには電源供給を行なわない。ま
た、対物レンズも同様に短焦点用対物レンズ10aのみ
に対物レンズ電源24が供給される。走査偏向器も短焦
点用走査偏向器11aを有効とし、長焦点用走査偏向器
11bは無効とする。
【0031】図3の高プローブ電流モードでは、電子銃
1から放出された電子線は放出角にして約10mrad
もの角度で広がりを持ち放出される。これは、放出角を
大きくして大電流密度を確保するためである。また、引
き出し電極3に加える引き出し電圧を増加させることに
よって、より大きな電流密度が取得可能となる。このた
めの電子銃1としてはZr/O/W型ショットキー電子
銃が有効である。短焦点用コンデンサレンズ2aにより
収束させた電子線は再び短焦点用対物レンズ10aで収
束される。このモードでは、引き出し電極3とアノード
電極4をコンデンサレンズ2a内に配置し、かつコンデ
ンサレンズ2aを電子銃1に接近させていることで、短
焦点化を図っており、色収差および球面収差を低減でき
る構成としているため、電子銃1からの電子線は約10
mradにも及ぶ大放出角に設定しても収差低減が可能
である。
【0032】また、対物レンズ10aを試料である半導
体ウェーハ9に接近させていることと電子銃1からの電
子線の加速速度を10keVと上げ、ウェーハ9に到着
する直前に、ウェーハ9に印加した負の電圧によって照
射電子の加速を下げ、300eV〜1.5keV程度
(通常800e∨程度)の加速でウェーハ9上に照射す
る方式としている。従って、低加速で照射される行程は
短く、収差の影響を受けにくい構成となっている。高プ
ローブ電流モードでは画像形成に要する時間は約100
s/cm程度であり、試料への電子照射が短時間に行
なわれるため、電位コントラスト欠陥を高SN(SN比
10〜18)で得られ、良好なコントラストで観察する
ことができる。
【0033】図4に図1の走査型電子顕微鏡が低プロー
ブ電流モードヘ移行したときの動作を示す。低プローブ
電流モードでは、長焦点用コンデンサレンズ2bのみに
電源供給を行い、短焦点用コンデンサレンズ2aには電
源供給を行なわない。また、対物レンズも同様に長焦点
用対物レンズ10bのみに対物レンズ電源24が供給さ
れる。走査偏向器も長焦点用走査偏向器11bを有効と
し、短焦点用走査偏向器11aは無効となる。
【0034】図4の低プローブ電流モードでは、電子銃
1から放出された電子線は放出角にして約2mradと
狭いため、大電流密度が得られないことから電位コント
ラスト欠陥の観察には適していないが、電子線の光路が
揃っているため収差の影響は無視することができるの
で、得られる画像の解像度が高くなる。また、このとき
の電子光学系は長焦点の系として構成されているので、
短焦点の場合に比べて電子線の広がりが少なくなり、高
さ方向の合焦状態の焦点距離が大幅に得られる。従っ
て、表面形状や材質を高解像度で観察でき、観察対象物
の特徴や材質等による自動分類の際、観察対象物の特徴
量を正確に分類することができる。
【0035】図1に示す走査型電子顕微鏡では、単一の
電子線照射源によって高プローブ電流及び低プローブ電
流の電子線照射を行なっているが、図5は2種類の電子
線照射源を備えた走査型電子顕微鏡の構成図である。こ
の走査型電子顕微鏡の電子線照射源では、高プローブ電
流観察用照射源と低プローブ電流観察用照射源とを用い
ることにより、プローブ電流の切り替えを瞬時に実現で
きる構成となっている。
【0036】図5中の左側に位置する高プローブ電流観
察用照射源では、電子銃1aは高プローブ電流(約1n
A〜約100nA)を供給できる電子線(破線図示)を
照射可能であり、電子銃1aの放射角を10mrad程
度に自動調整可能である。
【0037】コンデンサレンズとしては、高プローブ電
流用の短焦点用コンデンサレンズ2aを設け、コンデン
サレンズ2aの磁場レンズ内に引き出し電極3aとアノ
ード電極4aとが設けられ、高プローブ電流観察の際に
は、低プローブ電流用ブランキング偏向器5bの電界に
よって、電子線の向きを変えて後段の低プローブ電流用
絞り6bを通過させずに遮断し、電子線を試料に照射し
ない構成となっている。
【0038】図5中の右側に位置する低プローブ電流観
察用照射源では、電子銃1bは低プローブ電流(約50
pA〜約200pA)を供給できる電子線(破線図示)
を照射可能であり、電子銃1bの放射角を2mrad程
度に自動調整可能である。
【0039】コンデンサレンズとしては、低プローブ電
流用の長焦点用コンデンサレンズ2bを設け、コンデン
サレンズ2bの磁場レンズ内に引き出し電極3bとアノ
ード電極4bとを設け、低プローブ電流観察の際には、
高プローブ電流用ブランキング偏向器5aの電界によっ
て、電子線の向きを変えて後段の高プローブ電流用絞り
6aを通過させずに遮断し、電子線を試料に照射しない
構成となっている。
【0040】次に、前述した走査型電子顕微鏡を用い
て、半導体ウェーハ上に検出された欠陥或いは異物を自
動観察、解析する半導体装置の製造方法について説明す
る。この観察には高プローブ電流モード、低プローブ電
流モードの何れでも実施は可能であるが、表面状態から
は欠陥と判定することが困難である電位コントラスト欠
陥等を除く、異物や欠陥の観察には表面状態を高解像度
で観察できる低プローブ電流モードが望ましい。
【0041】従来、異物の自動観察では検査装置にて検
出された欠陥は、検出欠陥順に番号或いは識別記号が付
けられ、図7の(a)に示すように半導体ウェーハ9上
に検出された欠陥は検出欠陥順a〜f或いは検査装置か
らデータとして出力された欠陥寸法順に自動観察を行な
う方式が一般的であった。また、走査型電子顕微鏡によ
って、検出欠陥順或いは欠陥寸法順に、図7のa〜fに
示すように、等しく1段階の高倍率で観察する方法、或
いは、全ての欠陥を等しく低倍率で観察し、観察された
欠陥を高倍率で観察する、という2段階の倍率を経て自
動観察を行なう方法がとられていた。
【0042】しかし、こうした同一倍率(視野)で観察
する従来の自動観察では、欠陥や異物のサイズが不均一
な場合、例えば、図7の「欠陥寸法順」の欠陥cのよう
に、視野からはみ出している欠陥や、逆に欠陥eのよう
に観察する欠陥の大きさが小さすぎるため、観察が困難
となる例があるために、観察やその後の解析に支障をき
たす可能性があることがわかった。
【0043】この問題を克服するために、走査型電子顕
微鏡に表示機能を加え、図6に示す検査装置から出力さ
れた欠陥サイズをもとに最適の観察視野を計算し、欠陥
サイズに応じた可変視野にて欠陥を観察する方法を提案
する。欠陥の自動観察における観察順は、図6の観察順
序のように、欠陥をサイズ順に昇順或いは降順に並べ替
えて観察しても良いし、サイズに関係なくランダムな順
番で観察しても良い。
【0044】例えば、図6の「自動調整値1」に示す最
適視野の算出例では、観察対象の欠陥サイズごとにそれ
ぞれ最適な観察視野を割り付けたが、図6の「自動調整
値2」に示す算出例では観察に支障を与えない範囲で類
似サイズの欠陥をグループ化し、欠陥サイズのある下限
から上限までの範囲は一定の視野で観察し、その上限或
いは下限を越えた欠陥は、次の広視野或いは狭視野に視
野を変えて段階的に一定視野で観察する。
【0045】図6の「自動調整値2」に示す最適視野の
算出結果をもとに欠陥を自動観察した例を図7の「視野
自動設定」に示す。観察視野を3.0μm,1.0μ
m,0.5μmと変えることによって、図7の(b)に
欠陥fを例として示すように、全ての欠陥が視野からは
み出したり、小さすぎたりすることなく、良好に観察で
きることがわかる。
【0046】こうした観察を自動で行なうために、検査
装置から出力される欠陥サイズデータを検査結果ファイ
ルとして、走査型電子顕微鏡に取り込み、走査型電子顕
微鏡自身でその欠陥サイズデータをもとに最適観察視野
を計算して、その算出された最適視野で自動観察するシ
ステムを付与する。そして、このシステムでは、算出さ
れた最適視野の値を指令信号として対物レンズ電源24
へ入力し、対物レンズ10a,10bの電流を制御する
ことによって観察倍率を変化させ、視野調整は容易に自
動化することができる。
【0047】次に、検査装置から出力される欠陥サイズ
データを用いることなく、走査型電子顕微鏡自体が最適
観察視野を算出する方法について説明する。この方法で
は、欠陥部の画像と正常部の画像との差画像により欠陥
寸法を自動測定する。
【0048】先ず、検査装置から出力された欠陥の座標
に移動し、図8(a)に示す欠陥部の画像を撮像する。
次に、図8(b)に示す、欠陥部の画像の回路パターン
と同一の背景で欠陥のない正常部の画像を撮像し、欠陥
部の画像と正常部の画像との画像の差を計算して図8
(c)に示す差画像を得る。差画像はデジタル画像によ
る明るさ階調の信号値の差として得ることができる。得
られた差画像は差画像信号の2値化により、「差画像の
欠陥部」と「それ以外の部分」とを白黒2値に分けた画
像として表示する。
【0049】また、この差画像の欠陥部の横方向と縦方
向の寸法を前述した走査型電子顕微鏡に付与した位置モ
ニタ測長器25によって自動測長し、得られた測長デー
タによる欠陥のサイズを基にして、前述の場合と同様に
欠陥のサイズに合せた最適な倍率を算出し、対物レンズ
電源24への指令信号として入力して、対物レンズ10
a,10bの電流を制御し観察倍率を変化させること
で、最適視野での自動観察を行なうこともできる。
【0050】次に、検査装置から得られた欠陥座標のば
らつき度合を自動算出する方法について説明する。走査
型電子顕微鏡を用いた半導体ウェーハの欠陥を自動観察
する場合は、他の検査装置で検出された欠陥を走査型電
子顕微鏡で自動観察するという手順が一般的である。こ
のため、検査装置から出力された欠陥座標データを用い
て走査型電子顕微鏡が視野をその座標に移動させて観察
することになる。
【0051】このような条件下では、検査装置には試料
台の停止精度や検出座標誤差等によって検査装置の欠陥
座標精度に装置固有の誤差が生じる。この検査装置の座
標データの誤差は約0.5μm〜3.0μm程度であ
り、観察倍率が高い(観察視野が狭い)場合では、検査
装置が出力した座標データの誤差によって観察視野内に
所定の観察対象物(欠陥)が入らないという問題が生じ
ることがある。
【0052】観察視野内に入らない欠陥は、これまで
は、手動の観察であればより低倍(広視野)にしてその
周辺まで範囲を広げて欠陥の有無を探す等の手間を要し
た後、最適視野内に欠陥を収めることができたが、自動
観察では、欠陥座標の観察視野内に入らなかった欠陥
は、検査装置側が実際には欠陥が存在しないのに検出し
たとする誤報(すなわち虚報)と判断し、検査装置の欠
陥検出ミスとして処理してしまうことになる。
【0053】デザインルール0.18μmの半導体装置
では観察視野を約3μm角〜10μm角としている場合
が多いので、検査装置の座標データの誤差が約0.5μ
m〜3.0μm程度であれば問題となる場合はそれ程多
くはないが、微細化の進展によってより微細な欠陥も影
響を与えることになるので、将来的に高倍率(狭視野)
観察の必要性が高まる。このため、検査装置の座標デー
タの誤差によって、欠陥が視野内に入らない観察ミスが
深刻化することになる。
【0054】この問題に対する解決策としては、図9の
(a)に示すような擬似的にパターンに欠陥の形を作成
した作り込み欠陥30を含む半導体ウェーハ9を用いる
ことにより、検査装置の座標ばらつきを計算し、そのば
らつき以上の視野を観察視野として設定するシステムを
前述した走査型電子顕微鏡に付与する方法が考えられ
る。
【0055】この方法では、まず、半導体ウェーハ9上
に絶対座標が既知の作り込み欠陥30をパターンとして
複数形成しておく。その作り込み欠陥30を含む半導体
ウェーハを検査装置によって検査し、図9の(b)に示
す作り込み欠陥30の絶対座標値31に対応する図9の
(c)に示す「検査装置から出力された作り込み欠陥の
検査座標値32」を作り込み欠陥の絶対座標値31とと
もに記録する。両者の座標値31,32の差を求めるこ
とにより、1欠陥についての座標ずれ値52を求めるこ
とができる。この作業を複数の作り込み欠陥30に対し
て行なうことにより、図9の(d)に示す欠陥座標ばら
つきのグラフを得る。
【0056】このグラフから検査装置の座標精度起因で
生じた欠陥座標のばらつき値の分布が観察でき、これよ
り検査装置の欠陥座標ばらつき範囲(破線図示)に相当
する観察視野の下限値が算出できる。図9の例では欠陥
座標ばらつき範囲53が0.6μm角であるため、その
範囲を包含する例えば0.8μm角等の視野で観察する
ことが望ましいことになる。こうした観察視野の下限値
の決定は、前述した走査型電子顕微鏡にシステムとして
搭載し、自動で行なうのが有効である。
【0057】次に、検査装置から得られた欠陥座標のみ
で欠陥座標のばらつき度合を自動算出する方法について
説明する。一般に欠陥観察を行なう半導体ウェーハに
は、図10の(a)に示すように「半導体チップサイ
ズ」33の単位で通常は露光装置の位置合わせに用いら
れるアライメントマーク等の「ウェーハ上に等間隔に配
置されたパターン」34が形成されている。このような
アライメントマーク等の等間隔に記置されたパターン3
4の複数個について、走査型電子顕微鏡でこれらのパタ
ーンへXステージ12及びYステージ13を移動させ、
半導体ウェーハ9の絶対座標値を把握する。
【0058】次に、検査装置から出力された欠陥座標か
ら想定される欠陥35の位置へステージを移動させ、図
10の(b)に示すように、実際に観察する欠陥35を
観察視野内に入れる。このとき、先の半導体ウェーハの
絶対座標値から算出した座標を用いて、「検査装置から
出力された欠陥座標から想定される欠陥35の位置」ヘ
ステージを移動する。もし、検査装置から出力された欠
陥座標データに位置ずれがない場合は、視野の中央に実
線にて示すように実際の欠陥が現れることになる。
【0059】しかし、検査装置から出力された欠陥座標
データに位置ずれが生じている場合は、破線にて示すよ
うに、検査装置から出力された欠陥座標の欠陥35が実
際に存在する位置に視野中央からずれて欠陥35が表示
される。このずれ量を複数欠陥に対して走査型電子顕微
鏡を用いて自動測定することによって、作り込み欠陥を
含む半導体ウェーハ9を作成して予め検査装置で座標ば
らつきを求めておかなくても、走査型電子顕微鏡自身で
検査装置による座標ばらつき値を知ることができる。こ
の機能は前述した走査型電子顕微鏡に付与することによ
り、検査装置から出力される座標データのばらつきを考
慮した最適視野を算出し、自動設定することができる。
【0060】(実施の形態2)前述した実施の形態で
は、試料表面から観察可能な欠陥や異物についての観察
について述べてきたが、本実施の形態では、電気的導通
状態により生じる電気的オープン、電気的ショート等の
表面から観察ができない欠陥の観察方法について説明す
る。
【0061】図11に示すのは本実施の形態の観察に用
いられる半導体装置の部分縦断面図である。この半導体
装置では、単結晶シリコン等の半導体基板41を素子間
分離絶縁膜42によって複数の素子形成領域を互いに電
気的に分離し、図示の素子形成領域には2つのMISF
ET(Metal Insulator Semiconductor Field EffectTr
ansistor)が形成されている。
【0062】MISFETは、半導体基板主面のp型ウ
ェル43上にゲート絶縁膜44を介してゲート電極45
が形成され、このゲート電極45の側面にはサイドウォ
ールスペーサ46が形成されており、半導体基板41主
面にはゲート電極45によって規定されたドレイン領域
47及びソース領域48のn−型低濃度領域47a,4
8a及びサイドウォールスペーサ46によって規定され
たドレイン領域47及びソース領域48のn+型高濃度
領域47b,48bが形成されている。ゲート電極45
の上面とドレイン領域47及びソース領域48の表面に
は低抵抗化のためにチタンシリサイド膜49を形成する
サリサイド処理が施されている。
【0063】このMISFETは、層間絶縁膜50によ
って全面が覆われており、層間絶縁膜50に設けた開口
に埋め込まれたバリア導体膜51a及び導電膜51bか
らなるプラグ51によって、層間絶縁膜50上に形成さ
れる配線とドレイン領域47及びソース領域48とが夫
々接続される構成となっている。この後、プラグ51と
接続する配線が層間絶縁膜50上に形成され、MISF
ET等の各種素子を接続した所定の回路が構成される。
【0064】本実施の形態では、導電膜51bを埋め込
んだプラグ51の底部とドレイン領域47及びソース領
域48との電気的導通状態により生じる電気的オープ
ン、電気的ショート等の欠陥の検査に前述した走査型電
子顕微鏡を用いる電位コントラスト欠陥の検出例につい
て説明する。
【0065】図12は、図11に示す半導体装置を走査
型電子顕微鏡で観察した状態の平面図を示してある。図
12の(a)に示す広視野での観察画像と(b)に示す
狭視野での観察画像は、前述した走査型電子顕微鏡を用
いて高プローブ電流モードで観察した二次電子画像を、
二次電子検出信号変換回路26を通して短焦点画像観察
用モニタ28に出力したものである。
【0066】図中では、電気的ショートのプラグ51s
は正常なプラグ51よりも明るく、電気的オープンのプ
ラグ51oは正常なプラグ51よりも暗く、それぞれ明
暗コントラストが異なる電位コントラスト欠陥として表
れている。
【0067】一方、図12の(c)に示す同一箇所にお
ける狭視野の観察画像は、低プローブ電流モードで観察
した二次電子画像であり、二次電子検出信号変換回路2
6を通して長焦点画像観察用モニタ29に出力したもの
である。図中では、電位コントラスト欠陥の明暗コント
ラストは確認できず、プラグ51,51s,51oの表
面状態や表面から確認できるプラグの形状や特微が確認
できる。プラグ51oにおける低プローブ電流時の欠陥
画像は導電膜51bの埋め込み不良に起因する電気的オ
ープン欠陥の表面状態を表わしている。
【0068】電位コントラスト欠陥は二次電子放出量に
依存した明暗コントラスト像であるため、高プローブ電
流モードと低プローブ電流モードの何れにおいても、反
射電子検出器16によって反射電子を取得して反射電子
検出信号変換回路27を通してモニタ28及び29上に
表示する反射電子画像では明暗コントラストがつかず、
電位コントラスト欠陥として確認することができない。
【0069】従って、この現象を利用して、高プローブ
電流モードで短焦点画像用モニタ28上に、二次電子画
像の電位コントラスト欠陥と反射電子画像の表面状態と
を交互に表示させて、電位コントラスト欠陥部を視覚的
にも確認することによって、異物36やその他の欠陥と
電位コントラスト欠陥との区別がつき、特徴量や画像の
解析および観察対象物の自動分類が容易になる。
【0070】また、高プローブ電流モードの画像と低プ
ローブ電流モードの画像とを別々のモニタ上に表示した
場合には、図12の(b)に示す電位コントラスト欠陥
を高コントラストで観察する画像と、図12の(c)に
示す異物36或いはその他の表面観察可能な欠陥を高解
像度で観察する画像とを分けて観察可能となり、電気的
オープンのプラグ51oについて電位コントラスト像と
同欠陥の表面形状の高解像度像とを並べて観察できるの
で、電位コントラスト欠陥部の可能な限りの表面状態の
精報が得られる。
【0071】また、異物36は高プローブ電流モードと
低プローブ電流モードの何れでも確認できるが、図4で
説明した通り、焦点深度が高く解像度も高い低プローブ
電流モードを利用した方法が、異物36の特徴量解析や
取得画像による異物種類の自動分類には有効である。
【0072】なお、前述した走査型電子顕微鏡を用いて
電位コントラスト欠陥を観察する検査は、半導体装置の
製造段階における欠陥検査として利用する場合に、製造
段階の各段階に適用が可能であり、前記の例の他にも、
導電膜51bを埋め込む前であっても実施可能であり、
図11に示すプラグ51の上層に更にプラグを形成した
場合、或いは配線上にプラグを形成するビアホール等に
ついても同様に検査が可能である。
【0073】(実施の形態3)本発明者等は、走査型電
子顕微鏡により前述した図11に示す半導体装置につい
て電位コントラスト欠陥の観察を、照射電圧800e
V、プローブ電流50pAの条件下で観察を行なった
が、電気的ショートの電位コントラスト欠陥が10μm
角の広視野内では明暗コントラストが良好に観察されて
いたにも拘らず、視野を3μm角の狭視野に設定すると
明暗コントラストが低下し、電気的ショートの電位コン
トラスト欠陥が一見消滅したような観察画像となった。
【0074】この現象は、狭視野化による単位面積当た
りの電子線照射量の増大が原因であり、狭視野観察の際
に、広視野と同じ明暗コントラストを得て同様の観察を
行なうために、電子線照射量を低減する電子線照射方法
について図13を用いて説明する。
【0075】広視野での画像取得のための走査では、通
常は図13の(a)に示すように、広視野での走査幅を
電子線のスポット径Dとして、広視野での走査長54を
図中の左から右へと走査する。実際には、1視野を例え
ば横512画素、縦512画素に分割し、1画素内を1
スポット(約4nm程度)の走査幅で横方向に走査し、
1走査長を走査した後、次の段の画素について1走査長
分を順次走査していく。1視野内(512画素×512
画素)の走査にかかる時間は約40msであり、通常は
1視野分を8回程度走査するため、1視野につき320
ms程度電子線を照射することになる。
【0076】同様に、図13の(b)に示す狭視野での
画像取得のための走査では、狭視野での走査幅Dを狭視
野での走査長55にわたって走査する。1視野内(51
2画素×512画素)の走査方法は広視野の場合と全く
同じであり、8回の加算走査では同様に320msとな
る。しかし、広視野の場合よりも狭視野の場合は図から
も明らかなように、同量の電子線が狭い面積に照射され
るため、単位面積当たりの電子線の照射量が多いことに
なる。
【0077】そこで、単位面積当たりの電子線の照射量
を広視野の場合と狭視野の場合とで同一とするために
は、狭視野での電子線照射量を(1/倍率)としなけれ
ばならない。例えば、狭視野での画像が広視野での画像
を3倍に拡大した像であれば、広視野での画像取得のた
めの走査に対し、狭視野での画像取得のための走査では
電子線照射量を1/3にする必要がある。
【0078】このような照射方法を実現するために、例
えば図中(c)に示す狭視野でのストライプ型サンプリ
ング走査では走査長を連続的に走査し、走査幅側のサン
プリング率について破線を付した電子線照射箇所と破線
を付さない電子線非照射箇所との割合を例えば1/3に
下げることによって、視野全体としての低照射を実現し
たものである。
【0079】また、図中(d)に示す狭視野でのパルス
型サンプリング走査では、狭視野でのパルス型サンプリ
ング走査における走査単位分をパルス的に照射すること
により、走査長側と走査幅側の両方のサンプリング率を
下げて、破線を付した電子線照射箇所の割合を低下さ
せ、視野全体としての低照射を実現したものである。
【0080】また、従来は走査長分を走査した後、下段
の画素を順に走査する方式であったが、視野内の電子線
照射量を不均一としないため、視野全面に均ーになるよ
うな照射順で1視野内の電子線照射を行なう方式を提案
することもできる。この方式は、狭視野でのストライプ
型サンプリング走査と狭視野でのパルス型サンプリング
走査の両方式ともに適用できる。
【0081】サンプリング走査の方式は、走査型電子顕
微鏡を使用可能な全ての試料に対して、電子線照射量を
下げて観察することが必要な観察対象物に適用可能であ
る。また、1視野内で低照射したい特定の箇所に対して
部分的にサンプリング率を変えて照射する方式の適用も
可能である。
【0082】この狭視野観察でのサンプリング走査の利
点は、広視野で欠陥を確認した後、確認した欠陥部を拡
大して画像を撮影し、取得画像から欠陥の特徴量や表面
形状或いは材質などの欠陥種類の自動分類を行なう際
に、拡大によって欠陥位置或いは特徴が消滅し電位コン
トラスト欠陥が識別できなくなり自動分類できない事態
が生じたときの解決手法となることである。
【0083】また、図14に示すのは走査型電子顕微鏡
を用いたオフフォーカスによって電子線照射量を低減す
る電子線照射方法である。この方法では、電子線により
収束したビームの焦点位置を高さ方向にずらす、つまり
オフフォーカスにして観察することで電子線の単位面積
当たりの照射量を低下させ、電位コントラスト欠陥の明
暗コントラストを顕在化させている。
【0084】通常用いられているジャストフォーカス時
の電子線光路(破線図示)は観察対象である半導体ウェ
ーハ9の表面で収束しているが、オフフォーカス時の電
子線光路(図中実線図示)の焦点がずれている場合に
は、照射範囲が広がるために単位面積あたりの電子線照
射量が少なくなる。従って、狭視野での電位コントラス
ト欠陥のジャストフォーカス観察で、観察されるはずの
電位コントラスト欠陥が確認できない場合に、同一箇所
のオフフォーカス画像を取得してモニタ上に表示させる
ことにより、両者の画像を見比べることで消滅していた
電位コントラスト欠陥の存在している位置を確認するこ
とができる。
【0085】以上、本発明を、前記実施の形態に基づき
具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることは勿論である。
【0086】例えば、電子線照射量を低減させる方法と
して、前述した例のほかに、斜め照射や観察試料の傾斜
によってビームの焦点位置をずらして観察する方法、狭
視野観察時に広視野観察時よりも走査速度を上げて走査
する方法、狭視野観察時に広視野観察時よりも照射の加
算回数を減らす方法等により電子線照射を手動、或いは
自動で制御して低照射量化することも可能である。
【0087】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。 (1)本発明によれば、欠陥サイズに合せて最適視野を
自動調整してかつ自動観察することが可能となるという
効果がある。 (2)本発明によれば、欠陥座標精度の自動測定方法の
活用によって、検査装置から出力される欠陥座標位置に
ばらつきがある座標データをもとにして走査型電子顕微
鏡による自動観察を行なった場合に、観察対象の欠陥が
視野からはずれてしまうという問題を解決できるという
効果がある。 (3)本発明によれば、電位コントラスト欠陥に対する
最適観察手法により、あらゆる観察倍率で電位コントラ
スト欠陥が安定して観察可能になり、これまで観察条件
から電位コントラスト欠陥の像形成が安定していなかっ
たために見逃していた半導体ウェーハ上の電気的不良を
高性能に把握可能となるという効果がある。 (4)本発明によれば、上記効果(1)(2)(3)に
より、欠陥の観察やその表面形状や材質および特徴によ
り欠陥を自動分類する効率、正確度が上がるとともに、
作業者の操作や解析に対しての負担を軽減することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である検査に用いる走査
型電子顕微鏡の構成図である。
【図2】入射電子のエネルギーを10keVとした場合
に放出される電子のエネルギースペクトル例を示す図で
ある。
【図3】図1の走査型電子顕微鏡が高プローブ電流モー
ドヘ移行したときの動作を示す構成図である。
【図4】図1の走査型電子顕微鏡が低プローブ電流モー
ドヘ移行したときの動作を示す構成図である。
【図5】2種類の電子線照射源を備えた走査型電子顕微
鏡の構成図である。
【図6】検査装置にて検出された欠陥データを表示する
図である。
【図7】検査装置にて検出された欠陥を走査型電子顕微
鏡で検査する方法を説明する図である。
【図8】差画像により欠陥寸法を自動測定する方法を説
明する図である。
【図9】欠陥を作り込んだウェーハを用いて欠陥座標の
ばらつき度合を自動算出する方法を説明する図である。
【図10】ウェーハに配置されたパターンを用いて欠陥
座標のばらつき度合を自動算出する方法を説明する図で
ある。
【図11】本発明の一実施の形態である検査を行なう半
導体装置を示す縦断面図である。
【図12】電位コントラスト欠陥の観察画像を説明する
図である。
【図13】電子線照射量をサンプリング走査により低減
させる照射方法を説明する図である。
【図14】電子線照射量をオフフォーカスにより低減さ
せる照射方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…電子銃、1a…高プローブ電流用電子銃、1b…低
プローブ電流用電子銃、2a…短焦点用コンデンサレン
ズ、2b…長焦点用コンデンサレンズ、3…引き出し電
極、3a…高プローブ電流用引き出し電極、3b…低プ
ローブ電流用引き出し電極、4…アノード電極、4a…
高プローブ電流用アノード電極、4b…低プローブ電流
用アノード電極、5…ブランキング偏向器、5a…高プ
ローブ電流用ブランキング偏向器、5b…低プローブ電
流用ブランキング偏向器、6…絞り、6a…高プローブ
電流用絞り、6b…低プローブ電流用絞り、7…反射
板、8…E×B偏向器、9…半導体ウェーハ、10…対
物レンズ、10a…短焦点用対物レンズ、10b…長焦
点用対物レンズ、11…走査偏向器、11a…短焦点用
走査偏向器、11b…長焦点用走査偏向器、12…Xス
テージ、13…Yステージ、14…試料台、15…試料
高さ検出器、16…反射電子検出器、17…二次電子検
出器、20…コンデンサレンズ電源、21…走査信号発
生器、22…試料高さ測定器、23…制御回路、24…
対物レンズ電源、25…位置モニタ測長器、26…二次
電子検出信号変換回路、27…反射電子検出信号変換回
路、28…短焦点画像観察用モニタ、29…長焦点画像
観察用モニタ、30…作り込み欠陥、31…絶対座標
値、32…検査座標値、33…半導体チップサイズ、3
4…パターン、35…欠陥、36…異物、41…半導体
基板、42…素子間分離絶縁膜、43…p型ウェル、4
4…ゲート絶縁膜、45…ゲート電極、46…サイドウ
ォールスペーサ、47…ドレイン領域、48…ソース領
域、47a,48a…n−型低濃度領域、47b,48
b…n+型高濃度領域、49…チタンシリサイド膜、5
0…層間絶縁膜、51,51s,51o…プラグ、51
a…バリア導体膜、51b…導電膜、52…検査装置の
座標精度起因で生じた欠陥座標のばらつき値、53…検
査装置の欠陥座標のばらつき範囲、54…広視野での走
査長、55…狭視野での走査長。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 健二 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 Fターム(参考) 2G001 AA03 BA11 CA03 GA01 GA06 HA09 HA13 KA03 LA11 MA05 4M106 AA01 BA02 CA16 CA42 CA43 DB05 DB30 DH33 DJ18 DJ20 DJ23 DJ27 5C033 FF10 JJ07 MM07 UU01 UU04 UU05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子
    顕微鏡によって検査する半導体装置の検査装置におい
    て、 前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プローブ
    電流用の構成とを備え、各々の観察モードを切り替えて
    低プローブ電流観察画像と高プローブ電流観察画像との
    観察を行なうことを特徴とする半導体装置の検査装置。
  2. 【請求項2】 半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子
    顕微鏡によって検査する半導体装置の製造方法におい
    て、 前記異物或いは欠陥のサイズをもとに最適観察視野を計
    算する手段と、その算出された最適視野に観察倍率を変
    化させる手段とを備え、前記異物或いは欠陥のサイズに
    応じた可変視野にて欠陥を自動観察することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 検査装置によって検出された半導体ウェ
    ーハの異物或いは欠陥を電子顕微鏡によって検査する半
    導体装置の製造方法において、 前記ウェーハに形成された絶対座標が既知のパターンか
    ら検査装置の座標ばらつきを計算する手段と、そのばら
    つきを包含する視野を観察視野として設定する手段とを
    備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体ウェーハの異物或いは欠陥を電子
    顕微鏡によって検査する半導体装置の製造方法におい
    て、 前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プローブ
    電流用の構成とを備え、低プローブ電流観察画像と高プ
    ローブ電流観察画像とを取得可能で、同一観察対象物に
    ついて双方の画像を比較して、観察対象物の解析を行な
    うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体ウェーハの電位コントラスト欠陥
    を電子顕微鏡によって検査する半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記電子顕微鏡が高プローブ電流用の構成と低プローブ
    電流用の構成とを備え、高プローブ電流モードで観察し
    た電位コントラスト欠陥を、同倍率或いは更に高倍率に
    して、低プローブ電流モードで観察することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
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