WO2006093268A1 - 写像投影型電子線装置及び該装置を用いた欠陥検査システム - Google Patents

写像投影型電子線装置及び該装置を用いた欠陥検査システム Download PDF

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Nobuharu Noji
Tohru Satake
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Description

明 細 書
写像投影型電子線装置及び該装置を用いた欠陥検査システム
技術分野
[0001] 本発明は、写像投影型の電子線装置及び該装置を用いた欠陥検査システムに関 し、より詳細には、半導体ゥエーハ等の試料の欠陥検查等を高スループットで行える ようにした、写像投影型の電子光学系を有する電子線装置及び該装置を用いた欠 陥検查システムに関する。例えば、本発明は、最小線幅 0. 以下、好ましくは
0. 20 μ m以下のパターンを有する試料の評価を高精度'高スループットで行う電子 線装置及びその装置を用いるデバイス製造方法に関するものである。
背景技術
[0002] 一般に、リターデイング電圧を印加した試料に一次電子線を照射し、該照射点から 放出される 2次電子を検出することにより、試料の画像を得るようにした電子線装置に おいて、軸上色収差を小さくするには、試料面と対物レンズとの間に印加される電界 強度を大きくする必要がある。し力しながら、軸上色収差を小さくしょうとして試料面で の電界強度を大きくすると、試料と対物レンズとの間で放電が生じてしまう。このため 、上記の電界強度を比較的小さく設定せざるを得ず、結局、軸上色収差が比較的大 きいという問題点がある。
[0003] また、電子銃から放出される電子線を矩形に整形して試料に照射し、試料から放出 される二次電子を写像投影光学レンズで拡大像を作り、 TD1検出器などの検出器で 検出させることにより試料像を得る電子線装置が知られている(例えば特開平 2004 — 214044号公報参照))。この装置では試料に照射する際の対物レンズとして静電 レンズが用いられてきた(例えば特開平 11― 132975号公報、再公表特許 W02002 /045153号公報参照)。また、二次電子の写像投影光学系は、 5枚の電極を有す る静電レンズを用いていること、さらに、リソグラフィ装置では、 MOL (Moving Object Lens)条件を満たす電子光学系も知られている。
[0004] 対物レンズに静電レンズを用いる場合には、静電レンズの中央電極に与える電圧 を高くすると放電が生じやすくなる。そこで、低い電圧を採用すると、軸上色収差が大 きくなる。この軸上色収差を小さくするために、電界強度を大きくしょうとすると、試料と レンズの間で放電が起こるという問題があった。いずれにしても、二次電子の透過率 を大きくすることが困難な結果となる。
[0005] また、対物レンズに磁気レンズを用いることも公知である(例えば特開平 2003—16 8385号公報、特開平 2003— 173756号公報参照)。この場合には試料面上で軸 上磁場が 0でなぐ試料から法線方向に放出された二次電子が光軸と交わらず、 NA 開口を通らないという問題があった。また、 M〇L方式ではビームを走查する必要が あり、検查装置に合いにくいという問題があった。さらに、長方形の視野'では面積の 割に光軸からの距離が遠ぐ非点収差が大きいという問題点があった。また、一次電 子線の空間電荷により 2次電子線がボケる問題があった。
[0006] このようなことから、電子線装置において、試料と静電レンズ間に放電を起こすこと なぐ軸上色収差及び諸収差を低くし、又二次電子は光軸と交わり NA開口を通るよ うにし、二次電子による蔵の拡大率を可変にし、二次電子の透過率を向上させること ができ、一次電子の空間電荷効果による二次電子のボケの発生を少なくできる電子 線装置及び該装置を用いる半導体デバイスを製造する方法が求められている。
[0007] また、従来、 LaB力ソードを空間電荷制限領域で動作させると、ショット雑音が小さ
6
いという長所がある力 その反面、エネルギ幅が大きいため色収差が大きいという問 題があった。数 nm〜lnmの高解像度を得るために、 4極子レンズを複数段用いて対 物レンズの軸上色収差を補正するようにした技術が、 SEM及び透過電子顕微鏡で 実用化されている。
[0008] 一方、半導体デバイスの高集積化、パターンの微細化に伴い、高分解能、高スル 一プットの検查装置が要求されている。 lOOnmデザインルールのゥヱーハ基板の欠 陥を調べるためには、 lOOnm以下の線幅を有する配線におけるパターン欠陥ゃパ 一ティクルの有無、ビアの欠陥及びこれらの電気的欠陥を見る必要があり、したがつ て lOOnm以下の分解能が必要であり、デバイスの高集積化による製造工程の増加 により、検查量が増大するため、高スループットが要求されている。
[0009] デバイスの多層化が進むにつれて、層間の配線をつなぐビアのコンタクト不良(電 気的欠陥)を検出する機能も、検査装置に要求されている。分解能及びコンタ外不 良検査の点では、光方式の欠陥検査装置に代わって、電子線を用いた欠陥検査装 置が検査装置の主流になると予想される。ただし、電子線方式欠陥検査装置はスル 一プットの点で光方式に劣るという弱点がある。このため、高分解能、高スループット 、且つ電気的欠陥検出が可能な電子線式検査装置の開発が要求されている。
[0010] 光方式での検查装置の分解能は使用する光の波長の 1/2が限界であると言われ ており、実用化されている例での分解能は 0. 程度である。一方、電子線を使 用する方式では、走查型電子線方式(SEM方式)が実用化されており、分解能は 0. l z m、検查時間は 8時間 Z枚(200mmゥエーハ)である。電子線方式はまた、電気 的欠陥(配線の断線、導通不良、ビアの導通不良等)も検查可能であることが大きな 特徴であるが、検査速度が非常に遅ぐ検査速度の速い欠陥検査装置の開発が期 待されている。
[0011] さらに、断面が矩形の電子線を試料に照射し、該試料から放出された二次電子を 拡大して検出面に結像し、試料表面の検査を行う電子線装置は公知である(例えば 特開 2002— 216694号公報参照)。しかしながら、この種の電子線装置は軸上色収 差が大きいので、高分解能の評価を行うために必要な S/N比を得るのには、スルー プットを大幅に落とさなければならないという問題があった。
[0012] また、複数のビームで試料面を走査し、試料からの二次電子を複数の検出器で検 出してスループットを上げる電子線装置も知られている(例えば米国特許第 589222 4号明細書参照)。しかし、複数のビームを走査するに際して、どのように複数のビー ムを配置すれば最も効率的に評価を行うことができるかに関しては、これまで解明さ れてきていなかった。し力も、電子線装置において磁気レンズを対物レンズに用いる と、試料力 試料面の法線方向に放出された二次電子が光軸と交わらないという問 題もある。
[0013] また、軸上入り収差を補正することによって lnm以下の超分解能の象を得ることは 公知であつたが、収差補正によって分解能を向上させるにではなぐビーム強度を大 きくすることは実施されてレ、なかった。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題 [0014] 本発明は、上記した種々の問題点を解決するためになされたものであり、その一つ の目的は、電子線装置において、軸上色収差を小さくして、 2次電子の透過率を大き くし、もって、高スループットで試料の評価を行うことができるようにすることである。
[0015] また、本発明の他の課題は、電子銃から放出される電子線をコンデンサーレンズと 開口により矩形に整形し、コンデンサーレンズ及び対物レンズにより試料面に合焦し 、試料から放出される二次電子を写像投影光学レンズ系で拡大像を作り、 TDKTime Delayed Integration)検出器又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る 電子線装置にぉレ、て、一次電子の空間電荷効果による二次電子のボケの発生を少 なくでき、試料と静電レンズ間に放電を起こすことなぐ軸上色収差を低くし、同時に 諸収差も少なくし、また、試料から法線方向に放出される二次電子又は反射電子を 光軸と交わり NA開口を通るようにし、二次電子又は反射電子による像の拡大率を可 変にし、二次電子の透過率を向上させることができる電子線装置及び該装置を用い る半導体デバイスを製造する方法を提供することである。
[0016] 前記の軸上色収差補正技術は、 SEMや透過電子顕微鏡に適用可能であるが、視 野が比較的大きい、欠陥検査等のための試料評価装置ゃリソグラフィ装置に単純に は適用できないという問題がある。すなわち、 4極子レンズを複数段用いると、軸上色 収差を補正できるものの、視野が大きい場合に軸外収差が大きくなつてしまう。したが つて、視野が比較的大きい欠陥検査装置ゃリソグラフィ装置に複数段の 4極子レンズ を単に使用したとしても、軸外収差が生じて得られる画像がぼけてしまうという問題が ある。また、リソグラフィ装置では、空間電荷効果のためにスループットが大幅に制限 されるという問題もある。
[0017] そこで、本発明の更なる目的は、視野が比較的大きい欠陥検查装置及びリソグラフ ィ装置において、軸上色収差の補正効果によって、従来例と対比して 10〜数 10nm の解像度で 10倍以上のビーム電流を得ることが可能な電子線装置を提供することで ある。
[0018] 一般に、検查装置は高価であり、またスループットも他のプロセス装置に比べて低 いために、現状では重要な工程の後、例えばエッチング、成膜又は CMP (化学機械 研磨)平坦ィヒ処理後等に使用されている。電子線を用いた走査 (SEM)方式の検査 装置は、電子線を細く絞って(このビーム径が分解能に相当する)これを走査してライ ン状に試料を照射する。一方、ステージを電子線の走査方向に直角の方向に移動さ せることにより、平面状に観察領域を電子線で照射する。電子線の走査幅は一般に 数 100 μ mである。前記細く絞られた電子線(一次電子線と呼ぶ)照射により発生し た試料からの二次電子を検出器 (シンチレータ +フォトマルチプライヤ(光電子増倍 管)又は半導体方式の検出器 (PINダイオード型)等)で検出する。照射位置の座標 と二次電子の量 (信号強度)を合成して画像化し、記憶装置に記憶し、あるいは CRT (ブラウン管)上に画像を出力する。以上は SEM (走查型電子顕微鏡)の原理であり 、この方式で得られた画像から工程途中の半導体 (通常は Si)ゥエーハの欠陥を検出 する。
[0019] 検查速度 (スループットに相当する)は一次電子線の量 (電流値)、ビーム径及び検 出器の応答速度で決まる。ビーム径 0. l x m (分解能と同じと考えてよい)電流値 10 0nA、検出器の応答速度 100MHzが現在の最高値で、この場合で検査速度は 20c m径のゥヱ一ハー枚あたり約 8時間と言われている。この検査速度が光方式に比べて きわめて遅い(1/20以下)ことが大きな問題点となっている。特に、ゥエーハ上に作 られた lOOnm以下のデザイン.ルールのデバイス 'パターン、即ち、 lOOnm以下の 線幅や直径 lOOnm以下のビア等の形状欠陥や電気的欠陥の検出及び lOOnm以 下のゴミの高速の検出が必要となっている。
[0020] 上で説明した SEM方式の検査装置では、上記の検査速度がほぼ限界と考えられ ており、更に高速にする、すなわちスループットを上げるためには新しい方式が必要 である。この必要を満たすために、断面が長方形の電子線を試料に照射し、該試料 から放出される二次電子を写像光学系で拡大して検出する電子線装置が提案され ている(例えば特開 2002— 216694号公報参照)。また、多極子レンズを設けて軸 対称レンズの軸上色収差を補正する電子顕微鏡も公知である(例えば D. Ioanoviciv, et al, Rev. Sci. Instrum., Vol. 75, No. 11, Nov. 2004参照)。
[0021] し力 ながら、従来から知られている写像型の電子線装置においては、大電流の一 次ビームを流すと、電子間の空間電荷効果に起因して写像のボケが大きくなり、高分 解能が得られないという問題があった。そこで、本発明の別の目的は、空間電荷効果 に起因する解像度の低下を防止することができる電子線装置及び該装置を用いた デバイス製造方法を提供することにある。
[0022] また、本発明は、被評価パターンが細力べなってもスループットを落とすことなく試料 の評価を行うことができる電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法を提供 することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0023] 上記の諸目的を達成するために、本発明は、
試料の表面を検査するための写像投影型の電子光学系を有する電子線装置であ つて、
電子ビームを放出する電子銃と、
該放出された電子ビームを試料上に導いて照射する一次電子光学系と、 電子を検出する検出器と、
電子ビームの照射により試料から放出された、試料表面の情報を得た電子ビーム を検出器に導く 2次電子光学系と
を備え、
一次電子光学系及び 2次電子光学系の少なくとも一方は、多極子レンズを含む電 子線装置、
を提供する。
[0024] 本発明に係る電子線装置において、多極子レンズは、 2次電子光学系の拡大レン ズと 1次電子ビーム及び 2次電子ビームを分離するビーム分離手段との間に配置さ れていることが好ましい。このとき、試料面に最も近接した対物レンズを、磁気ギヤッ プが試料側に設けられた電磁レンズとし、該電磁レンズで生じた軸上色収差を、 2次 電子光学系に配置した多極子レンズで補正することができるようにすることが好まし レ、。
[0025] また、多極子レンズは、 1次電子光学系の縮小レンズと 1次電子ビーム及び 2次電 子ビームを分離するビーム分離手段との間に配置されていることが好ましい。このとき 、一次電子光学系は、軸対称レンズを含み、該軸対称レンズは、視野端での軸外収 差が予め設定した所定値以下となるように設定可能であり、かつ、電磁レンズで構成 され、該レンズのボーァ径を視野の最大直径の 50倍以上とすることが好ましレ、。
[0026] さらに、 1次電子光学系は、電子銃からの電子ビームをマルチ電子ビームに変換す る手段を備え、検出器は、該マルチ電子ビームの試料上の照射点から放出される 2 次電子ビームであるマルチ電子ビームを個別に検出する検出部を備えていることが 好ましレ、。さらにまた、多極子レンズは、 4段の 4極子レンズであることが好ましい。
[0027] 本発明はまた、上記した写像投影型の電子光学系を有する電子線装置を備え、試 料の表面の欠陥を検查する欠陥検查システムを提供し、該システムは、該電子線装 置の検出器により検出した電子に含まれる試料表面の情報に基づいて、試料表面の 画像を生成する画像取得手段と、該取得した画像を参照画像と対比して試料表面の 欠陥の有無を検査する欠陥評価手段とを備えている。
[0028] 上記した本発明に係る欠陥検查システムにおいて、該システムはさらに、試料を搬 送する試料搬送系と、試料を載置する試料載置ユニットと、該試料載置ユニットを 2 次元移動させる XYステージと、試料載置ユニットと XYステージとを収納し、かつ真 空状態に保持するメインチャンバと、メインチャンバと試料搬送系との間にあり、試料 を試料搬送系力 メインチャンバに移動させるときに、メインチャンバの真空状態を保 持させるロードロック室とを備えていることが好ましい。このとき、試料搬送系は、試料 へのパーティクルの付着を防止する機能を有する静電チャックを備えていることが好 ましい。 XYステージは、その少なくとも 1軸方向に、差動排気機構を有するエアーべ ァリングを備えていることが好ましい。
[0029] 本発明に係る写像投影型の電子光学系を有する電子線装置は、上記したように構 成されて 2段以上のレンズ系で縮小するので、光路長を短く保って、 1/100〜1/2 000の縮小率が得られるため、空間電荷効果を小さくすることができる。
[0030] さらに、多極子レンズを用いて軸上色収差を補正しているので開口角を大きくする ことができ、ビーム径を小さく保ってビーム電流が大きい電子ビームを得ることができ 、したがって、スループットを向上させることができる。
[0031] また、上記したように、電子線装置のスループットを向上させることができるので、該 電子線装置を備えた欠陥検查システムにおいても、同様に、検査のスループットを向 上させることができる。 [0032] また、本発明は、以下の点を見出し且つ以下のようにして、前記の課題を解決して いる。すなわち、電子銃から放出される電子線はコンデンサーレンズと開口により矩 形に整形され、偏向器の作用により、 E X B分離器より下で、試料から放出される二 次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにし、試料から放出される二次電子又 は反射電子を写像投影光学レンズ系に入射し、該レンズ系で拡大像を作り、 TD1検 出器又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る電子線装置において、対 物レンズを磁気レンズで構成し、試料と対物レンズ主面間距離を対物レンズのボーァ 半径より大きくすることにより、軸上色収差を低くし、 E X B分離器より下で、試料から 放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにし、その際に放電を回 避でき、試料から法線方向に放出された二次電子又は反射電子は光軸と交わり、 N A開口を通るようにすることができる。
[0033] 前記電子線装置にぉレ、て、対物レンズを磁気レンズで構成し、磁気ギャップを光軸 側とし、対物レンズのボーァ径が視野の直径の 80倍以上にすることにより収差を少な くし、 E X B分離器より下で、試料力 放出される二次電子又は反射電子とずらした軌 道を通るようにし、対物レンズにより試料面に合焦し、試料から法線方向に放出され た二次電子又は反射電子は光軸と交わり NA開口を通るようにすることができる。
[0034] 前記電子線装置において、前記磁気ギャップに関し、その磁気ギャップの近傍に は軸対称の円筒電極を設けて、正の高電圧を与え、円筒電極と試料間は放電を回 避できる十分な距離を確保するようにしたことにより、軸上色収差を小さくすることが でき、試料と対物レンズ間に放電を起こすことなぐその際に E X B分離器より下で、 試料から放出される二次電子又は反射電子と同じ通路を通らないようにずらした軌 道を通るようにし、試料から法線方向に放出された二次電子又は反射電子は光軸と 交わり NA開口を通るようにすることができる。
[0035] 前記電子線装置にぉレ、て、試料から放出される二次電子又は反射電子は、 E X B 分離器により偏向された後に、写像投影光学レンズ系に入射し、該レンズ系は NA開 口をレンズ主面近傍に有する電磁レンズを少なくとも 1段は有する構成とすることによ り、二次電子又は反射電子の透過率を向上させて、拡大像を得るようにして、電気信 号に変換される二次元像データが得られる。 [0036] 前記電子線装置にぉレ、て、写像投影光学レンズ系は、 NA開口をレンズ主面近傍 に有する電磁レンズを少なくとも 1段は有する構成とし、さらに、静電レンズの補助レ ンズと拡大電磁レンズとを有する構成とし、上記静電レンズは電圧印加可能の電極を 2枚以上有し、前段レンズが作る試料像位置を上記補助レンズの主面に結像させる 光学系であり、上記静電レンズを駆動する電極を選択することにより、低収差として、 二次電子又は反射電子の透過率を向上させて、拡大率を可変にして電気信号に変 換される二次元像データが得られる。
[0037] 前記電子線装置において、最終段レンズを 5枚の電極を有する静電レンズとし、そ の中央の電極に与える電圧を、その前後の電極に与える電圧と符号の異なる電圧を 与えることにより、拡大率を最大とすることができ、又同じ拡大率での光路長を小さく でき、これを低収差の条件下に行うことができる。
[0038] 前記電子線装置にぉレ、て、対物レンズとして、試料側のボーァ径が検出側のボー ァ径より小さい磁気レンズを用いることにより、試料面の法線方向に放出された二次 電子又は反射電子が NA開口を通るようにすることができ、二次電子又は反射電子 の透過率を向上させることができる。
[0039] 前記電子線装置において、対物レンズを磁気レンズで構成し、対物レンズの主面 を挟んで前後に 2段の電磁コイルを設け、これらの偏向器は MOL条件をほぼ満たす ようにすることにより、軸上色収差を小さくした状態で、視野を大きくすることができる。
[0040] 前記電子線装置において、像面轡曲収差及び非点収差を補正し、視野の中央部 と視野の端とでビーム分解能の差が小さくなるように調整することにより、視野全体で 低収差にできるさらに球面収差、非点収差、光軸方向の色収差が発生せず、光の放 出方向が lZnに狭くなるボールレンズを使用し、後続の光学レンズで該ボールレン ズの放射方向色収差や歪を補正することにより、光学レンズ系も簡単なものにできた
[0041] 半導体デバイスを製造する方法において、ゥエーハを準備し、マスク基板を準備し 、マスクを製作し、ゥヱーハに必要な加工処理を行うゥヱーハプロセッシング工程を行 レ、、得られたゥエーハを前記のいずれかの電子線装置を用いて評価を行レ、、前記の ゥヱーハプロセッシング工程と評価の工程を必要な回数繰り返した後、ゥヱーハを切 断し、デバイスに組み立てる。ここで、高精度で高スループットにゥエーハの評価を行 うことができる電子線装置を用いることにより製造の歩留まりの向上を期待できる。
[0042] すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[0043] (1)試料力 放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で拡大像 を作り、 TD1又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る電子線装置にお いて、電子銃から放出された電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下 で、試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにし、対物 レンズにより試料面に合焦し、該対物レンズを磁気レンズで構成し、試料と対物レン ズ主面間距離を対物レンズのボーァ半径より大きくすることを特徴とする電子線装置
[0044] (2)前記電子線装置において、前記対物レンズのボーァ径が視野の直径の 80倍 以上であるようにすることを特徴とする電子線装置。
[0045] (3)前記磁気レンズに関し、その磁気ギャップの近傍には軸対称の円筒電極を設 けて、正の高電圧を与え、円筒電極と試料間は放電を回避できる十分な距離を確保 するようにしたことを特徴とする電子線装置。
[0046] (4)前記電子線装置にぉレ、て、試料から放出される二次電子又は反射電子は、 E
X B分離器により偏向された後に、写像投影光学レンズ系に入射し、該レンズ系は N A開口をレンズ主面近傍に有する電磁レンズを少なくとも 1段は有する構成とすること を特徴とする電子線装置。
[0047] 前記写像投影光学レンズ系は、静電レンズの補助レンズと拡大電磁レンズとを有す る構成とし、上記静電レンズは電圧印加可能の電極を 2枚以上有し、上記レンズ系は 前段レンズが作る試料像位置を上記補助レンズの主面に結像させる構成であり、上 記静電レンズを駆動する電極を選択することにより拡大率を可変とする電子線装置。
[0048] (6)試料力 放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で拡大像 を作り、 TD1又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る電子線装置にお いて、電子銃から放出される電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下 で、試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにして、対 物レンズにより試料面に合焦し、最終段レンズを少なくとも 5枚の電極を有する静電レ ンズとし、その中央の電極に与える電圧を、その前後の電極に与える電圧と符号の 異なる電圧を与えることを特徴とする電子線装置。
[0049] 前記電子線装置にぉレ、て、対物レンズとして、試料側のボーァ径が検出側のボー ァ径より小さい磁気レンズを用いることを特徴とする電子線装置。
[0050] (8)前記電子線装置にぉレ、て、対物レンズを磁気レンズで構成し、対物レンズの主 面を挟んで前後に 2段の電磁コイルを設け、これらの偏向器は MOL条件をほぼ満た すようにすることを特徴とする電子線装置。
[0051] (9)前記電子線装置において、像面轡曲収差及び非点収差を補正し、視野の中 央部と視野の端とでビーム分解能の差を小さくするように調整することを特徴とする電 子線装置。
[0052] (10)半導体デバイスを製造する方法において、(ィ)ゥエーハを準備し、(口)マスク 基板を準備し、マスクを製作し、(ハ)ゥエーハに必要な加工処理を行うゥエーハプロ セッシング工程を経て、(二)得られたゥエーハを前記電子線装置を用いて評価を行 レ、、前記 (ハ)及び(二)の工程を必要な回数繰り返し、 (ホ)ゥエーハを切断し、デバイ スに組み立てることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
[0053] 本発明によれば、軸上色収差やその他の収差を小さくすることができ、試料と対物 レンズ間に放電を起こすことなぐ写像投影光学レンズ系で試料から放出される二次 電子又は反射電子の像の拡大率を可変にし、透過率を向上させることができる電子 線装置が得られ、その装置を用いて半導体デバイスを製造することができる。
[0054] また、前記の目的を達成するために、本発明は、
電子銃と、
多極子レンズを有する軸上色収差補正手段と、
MOL動作を行う対物レンズと
を備え、分割された視野内領域で MOL動作を行いながら、電子線を試料上に照射 することを特徴とする写像投影型の電子線装置、
を提供する。
[0055] 上記電子線装置においては、電子線装置はリソグラフィ装置であり、該装置はさら に、試料上に形成すべきパターンを有するマスク又はレチクルを備えている。他の実 施例では、電子線装置は試料上に形成されてレ、るパターンを評価するための試料評 価装置である。また、電子線装置は、対物レンズを有し、その内部に、対物レンズの 軸上磁場分布の光軸方向に関する微分値に比例する偏向磁界を発生させる偏向器 を備えることが好ましい。
[0056] 本発明の写像投影型の電子線装置は、上記したように構成されているので、色収 差を補正することができ、色収差を補正すると同じ解像度で NAを大きくすることがで きるので、ビーム電流を大きくすることができ、高スループットで処理を行うことができ る。特に、試料評価装置では、分解能を低下させずに検査速度を高速にすることが 重要であるため、本発明は極めて実用的な作用効果を奏することができる。また、リソ グラフィ装置に適用した場合には、色収差を補正すると同じ解像度で NAを大きくす ること力 Sできるので、空間電荷効果を低減させることができ、よりスループットが向上す る。
[0057] また、上記の目的を達成するために、本発明は、
矩形状の一次ビームを試料に照射し、該試料力 放出される二次電子を電子光学 系で検出面に拡大投影して検出する電子線装置において、
前記電子光学系に、前記二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状開 口を有する開口板を設けたことを特徴とする電子線装置、
を提供する。
[0058] 前記リング状開口の幅は球面収差を無視し得るほど小さいことが好ましい。また、前 記電子光学系に、前記二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズを更に 設けることが好ましい。
[0059] さらに、前記の目的を達成するために、本発明は、
電子銃から放出された一次ビームを対物光学系を介して試料に照射し、該試料か ら放出される二次電子を検出する電子線装置において、
前記一次ビームを前記対物光学系を通過する際に中空状のビームに変形して前 記試料を照射するとともに、前記二次電子を検出して前記試料の評価を行う評価装 置と、
前記一次ビーム又は前記二次電子の軸上色収差を補正する補正レンズと、 を具備することを特徴とする電子線装置、
を提供する。
[0060] 前記電子銃の力ソードはリング状のエッジを有することが好ましい。また、前記一次 ビームをマルチビームに変形して前記試料に照射させるマルチ開口板を備え、前記 二次電子を複数の検出器で検出することが好ましい。
[0061] 上記電子線装置を、
a.ゥエーハを用意する工程と、
b.ゥヱーハ 'プロセスを実施する工程と、
c前記工程 bを経たゥエーハを評価する工程と、
d.前記工程 a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
e.前記工程 d後のゥヱーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、
を具備することを特徴とするデバイス製造方法、
に用いることが好ましい。
[0062] さらに、上記の目的を達成するために、本発明は、
m行 n列に配列された複数の一次ビームで試料を走査し、前記試料から放出され た二次ビームを検出して前記試料の評価を行う電子線装置であって、
前記走査を行方向に対して 1/mに相当する角度だけ傾いた方向に m X n個のビ ームを同時に走査し、前記走査のラスタ'ピッチを画素寸法の整数倍とすることを特 徴とする電子線装置、
を提供する。
[0063] また、本発明は、
試料面に断面矩形の電子線を照射し、該試料から放出される二次電子線を、 NA 開口板を含む写像投影光学系で拡大し、前記試料の像を得る電子線装置であって 収差の最小になる位置に、前記 NA開口板を配置し又は前記 NA開口板の光学的 共役面を形成することを特徴とする電子線装置、
を提供する。前記拡大像は正方形であることが好ましい。
[0064] また、本発明は、 複数の一次ビームを試料に照射し、該試料力 放出される複数の二次電子線をビ ーム分離器で前記一次ビームから分離し、拡大光学系で前記複数の二次電子線間 の距離を拡大して検出器に入射させる電子線装置であって、
前記複数の一次ビームの軸上色収差を補正する補正レンズを備え、前記ビーム分 離器が前記補正レンズと前記試料との間に配置されることを特徴とする電子線装置、 を提供する。
[0065] また、本発明は、
一次ビームを断面矩形に成形し且つ対物レンズで集束して試料を照射し、該試料 から放出された二次電子線を前記対物レンズで加速'集束し、 NA開口板を含む拡 大光学系によって拡大してセンサにて検出する電子線装置であって、
前記対物レンズが電磁レンズであり、
前記試料の法線方向に対して指定された方向を中心に放出される前記二次電子 線が通過する位置に前記 NA開口板の光学的共役面を位置させたことを特徴とする 電子線装置、
を提供する。
[0066] 上記の電子線装置を、
a.ゥエーハを用意する工程と、
b.ゥヱーハ'プロセスを実施する工程と、
c前記工程 bを経たゥエーハを評価する工程と、
d.前記工程 a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
e.前記工程 d後のゥエーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、
を具備することを特徴とするデバイス製造方法、
に用いることが好ましい。
図面の簡単な説明
[0067] [図 1A]本発明の第 1の実施形態の電子線装置の電子光学系を示す説明図である。
[図 1B]図 1に示した電子線装置におけるウィーンフィルタの断面図である。
[図 2]本発明の第 2の実施形態の電子線装置の電子光学系を示す説明図である。
[図 3]本発明の第 3の実施形態の電子線装置の電子光学系を示す説明図である。 園 4]図 3に示した電子線装置における光路を示す説明図である。
園 5]写像投影型の電子線装置において、軸上色収差を除去したことによる作用効 果を説明するためのグラフである。
園 6]本発明の電子線装置を適用可能な試料の欠陥検出システムを示す説明図で ある。
[図 7]図 6に示した検查システムの主要構成要素の平面図であって、図 6の線 B_B に沿って見た図である。
園 8]図 6に示した検查システムのゥヱ一八搬送箱とローダーとの関係を示す図である
[図 9]図 6に示した検查システムのミニエンバイロメント装置を示す断面図であって、図 6の線 C— Cに沿って見た図である。
[図 10]図 6に示した検查システムのローダーハウジングを示す図であって、図 7の線 D Dに沿って見た図である。
園 11]本発明に係る検査システムに使用される静電チャックを説明する図である。 園 12]本発明に係る検査システムに使用される静電チャックの他の例を説明する図 である。
園 13]本発明に係る検査システムに使用される静電チャックのさらに他の例を説明す る図である。
園 14]本発明に係る検査システムに使用されるブリッジツールを説明する図である。 園 15]本発明に係る検査システムに使用されるブリッジツールの他の例を説明する図 である。
園 16]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 17]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 18]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 19]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 20]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 21]本発明に係る電子線装置における欠陥検査手順を説明する図である。
園 22]本発明に係る検查システムにおける制御系の構成を説明する図である。 園 23]本発明に係る検査システムにおけるユーザインターフェースの構成を説明する 図である。
園 24]本発明に係る電子線装置におけるユーザインターフェースの構成を説明する 図である。
園 25]図 15のロードロック室におけるエレベータ機構の構成と動作手順を説明する 図である。
園 26]本発明に係る検查システムの電子光学系に適用可能なゥエーハのァライメント 制御装置の概略説明図である。
[図 27]ゥエーハのァライメントが必要な理由を説明するための図である。
園 28]ゥエーハのァライメント実行状態を説明するための図である。
[図 29]ゥエーハのァライメント実行後のダイの配列状態のダイマップを示す図である。 園 30]ゥヱ一八のァライメント手順における座標値更新を説明する図である。
園 31]ゥエーハのァライメント手順における回転量及び Y方向サイズを説明する図で ある。
[図 32]ゥエーハのァライメント手順中のフォーカスレシピ作成におけるフォーカス値の 補間を説明する図である。
園 33]ゥエーハのァライメント手順において生じる誤差を説明する図である。
園 34]半導体デバイスの検査手順の基本的な流れを説明する図である。
園 35]検査対象ダイの設定を示す図である。
園 36]ダイ内部の検査領域の設定を説明する図である。
園 37]半導体デバイスの検査手順を説明する図である。
園 38]半導体デバイスの検査手順を説明する図である。
園 39]検查ダイ力 S1個の場合の走查例及び検查ダイの一例を示す図である。
園 40]半導体バイスの検查手順における、参照画像の生成方法を説明する図である 園 41]半導体デバイスの検査手順における隣接ダイ比較方法を説明する図である。 園 42]半導体デバイスの検査手順における隣接ダイ比較方法を説明する図である。 園 43]半導体デバイスの検査手順における基準ダイ比較方法を説明する図である。 園 44]半導体デバイスの検査手順における基準ダイ比較方法を説明する図である。 園 45]半導体デバイスの検査手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である 園 46]半導体デバイスの検查手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である 園 47]半導体デバイスの検查手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である 園 48]半導体デバイスの検查手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である 園 49]半導体デバイスの検查手順におけるフォーカスマッピングを説明する図である 園 50]本発明に係る電子線装置を半導体製造ラインに接続した実施の形態を示す 図である。
[図 51]本発明に係る電子線装置の第 4の実施形態を示す図である。
[図 52]本発明に係る電子線装置の第 5の実施形態を示す図である。
園 53]半導体デバイスを製造するプロセスを示すフローチャートである。
[図 54]図 53の半導体デバイスの製造プロセスのうちリソグラフィプロセスを示すフロー チャートである。
[図 55]図 52に示す電子線装置における対物レンズの全体を示す図である。
[図 56]本発明に係る電子線装置の第 6の実施形態である試料評価装置の電子光学 系を示す説明図である。
[図 57]本発明に係る電子線装置の第 7の実施形態である電子線描画装置の電子光 学系を示す説明図である。
[図 58]本発明に係る電子線装置の第 8の実施形態である試料評価装置の電子光学 系を示す説明図である。
[図 59]図 58に示した試料評価装置における電子ビームの走查方法を示す説明図で ある。
[図 60]本発明に係る電子線装置の第 9の実施形態である試料評価装置の電子光学 系を示す説明図である。
[図 61]本発明に係る電子線装置の第 10の実施形態である転写装置の電子光学系 を示す説明図である。
[図 62] (A)及び (B)は、マルチ光軸の試料評価装置に採用可能な、複数の光軸を有 する色収差補正器の構成を示す平面図及び断面図である。
[図 63]本発明に係る電子線装置の第 11の実施形態である試料評価装置の電子光 学系を示す説明図である。
[図 64]本発明に係る電子線装置の第 12の実施形態である試料評価装置の電子光 学系を示す説明図である。
[図 65] (A)は本発明に係る電子線装置の第 13の実施の形態の構成を概略的に示 す図であり、(B)は (A)における NA開口板の平面図である。
[図 66] (A)は本発明に係る電子線装置の第 14の実施の形態の構成を概略的に示 す図であり、(B)は (A)における 4軸上色収差補正レンズの構成を説明する図である
[図 67]本発明に係る電子線装置の第 15の実施の形態の構成を概略的に示す図で ある。
[図 68]本発明に係る電子線装置の第 16の実施の形態の構成を概略的に示す図で ある。
[図 69]図 68の電子線装置における試料面を各ビームが照射する位置を示すビーム 配置図である。
[図 70]本発明に係る電子線装置の第 17の実施の形態の構成を概略的に示す図で ある。
[図 71]図 70の軸上色収差補正レンズの構成の一例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
図 1Aは、本発明の第 1の実施形態に係る写像投影型の電子光学系を有する電子 線装置の電子光学系を示す説明図である。図 1 Aに示すように、この電子線装置に おいては、電子銃 1から放出された電子線を、コンデンサレンズ 2、成形レンズ 4、及 びマルチ開口を設けた開口板 3を介して矩形に成形し、得られた電子線を E X B分 離器 5により試料面 7に垂直となるように偏向し、対物レンズ 6によって試料面 7に合 焦することにより、試料面を各電子線により矩形に照射する。一方、この照射により試 料面 7から放出された 2次電子は、対物レンズ 6により位置 18に拡大像を作り、多極 子レンズを含むウィーンフィルタ 8により、拡大レンズ 10の手前の位置である焦点 13 に拡大像を形成する。
[0069] このとき、対物レンズ 6並びにウィーンフィルタ 8により、焦点 13の位置を変更せずに 、焦点 13での軸上色収差を消去することができる。すなわち、軸対称レンズである対 物レンズ 6は正の軸上色収差を発生させ、ウィーンフィルタ 8は負の軸上色収差を発 生させるが、これらのレンズ位置及び電極に印加する電圧を調整することにより、正 及び負の軸上色収差の絶対値を等しくさせることができる。これにより、対物レンズ 6 により生じる正の軸上色収差を、ウィーンフィルタ 8により生じる負の軸上色収差により キャンセルすることができる。なお、焦点 13における軸上色収差をゼロに近い負の値 に調整してもよぐこれにより、拡大レンズ 10及び 11で発生する小さい正の軸上色収 差をキャンセルすることができる。
[0070] 焦点 13に結像された拡大像は、さらに拡大レンズ 10を通過し、拡大レンズ 11の手 前に拡大像が生成され、そして、拡大レンズ 11により、検出器 12の検出面に結像さ せる。検出器 12は、形成された拡大像に対応する光信号を生成し、該光信号を光フ アイバ(不図示)により 8 X 8又は 12 X 12等の CMOSイメージセンサ(不図示)に伝搬 する。 CMOSイメージセンサは、光信号を電気信号に変換し、該電気信号は、画像 データ処理装置(不図示)により処理される。
[0071] 光学系において軸上色収差が全収差の大部分を占めている力 図 1に示した電子 線装置においては、焦点 13に形成される拡大像を、軸上色収差がほとんどゼロであ るか又はわずかに負の値であるように調整することができるため、収差を一定値以下 に押さえた状態で開口角を大きくできるので、 2次電子の透過率を向上させることが できる。
[0072] 図 1 Aに示した電子線装置においては、軸上色収差を消去又は低減させるだけで はなぐ軸外収差を低減させるよう構成されている。すなわち、対物レンズ 6は、図 1A に示すように、磁気ギャップが試料 7-1の側にある磁気レンズ 14と、軸対称レンズ 15 とで構成され、軸外色収差を低減させるために、磁気レンズ 14のボーァ径 D1を視野 直径の 50倍以上に設定している。また、対物レンズ 6の主面と試料面 7の距離 D2を 、 10mm以上に大きく設定することによつても、軸外収差を低減させることができる。
[0073] なお、図 1 Aに示した電子線装置において、一次電子光学系側である、成形レンズ
4と E X B分離器 5との間に 2段以上の軸合わせ偏向器を配置してもよい。
[0074] 図 1Bは、ウィーンフィルタ 8の断面図を示している。このウィーンフィルタにおいては 、 12個の電極 8_1_1〜8_1_12を光軸 8-1-15の周りに配置して、それぞれ独立した 電圧を電源から印加可能にしている。参照番号 8-1-16は、電極それぞれに独立して 電圧を供給するようにするための絶縁スぺーサである。そして、コイル 8-1-13及び 8- 1-14に電流を流すことにより、ウィーン条件を満たす磁場を発生することができる。 2 次電子光学系の像点 18-1から出た電子線は、上記の磁場と電極に印加する電圧を 適切に設定することにより、ウィーンフィルタ 8-1の中央部 19-1で結像し、さらにウイ ーンフィルタ 8を出た位置 13-1で再度結像する。このように、 2回結像させることにより 、視野にわたって、 3次収差が小さぐ軸上色収差が負の値になる。この点について は、 D.Ionovicin et. al, Rev. Sci. Instrum, Vol.75, No. 11, Nov, 2004に記載されてい る。
[0075] 図 2は、本発明の第 2の実施形態に係る写像投影型の 2次電子検出系を有する電 子線装置の電子光学系を示している。この電子線装置においては、電子銃 21から 放出された電子線は、コンデンサレンズ 23で集束され、マルチ開口を有する開口板 25を照射する。これにより分離形成されたマルチビームは、成形レンズ 26及び縮小 レンズ 28を介して第 1の縮小像を形成し、さらに対物レンズ 34で縮小されて、試料 3 5上に縮小像を形成する。このとき、第 1の縮小像の形成位置と対物レンズ 34との間 に fま、 4段の 4極子レンズ 30— 1— 1、 30—1 - 2, 31 _ 1 _ 1及び 31 _ 12力 S備えら れており、これら 4極子レンズにより、対物レンズ 34により生じる軸上色収差を補正す ること力 Sできる。
[0076] 試料 35から放出された 2次電子による電子ビームは、拡大レンズ 36の手前に第 1 の拡大像を形成し、該拡大レンズ 36でさらに拡大されて、検出器 38の検出面に、試 料 35上の像の 100倍程度の像を形成する。検出器 38は、形成された拡大像に対応 する光信号を生成し、該光信号を光ファイバにより PMT (不図示)に伝搬する。 PMT は、光信号を電気信号に変換し、該電気信号は、画像データ処理装置 (不図示)に より処理される。
[0077] なお、図 2に示した電子線装置において、 1次電子光学系に、 4極子レンズの代わり に多極子レンズを含むウィーンフィルタを備えることができる。
[0078] 図 3は、本発明の第 3の実施形態に係る電子線装置の電子光学系を示している。こ の電子線装置においては、電子銃 41から放出される電子線は、電磁レンズである軸 対称レンズ 40を介して位置 54に縮小画像を形成し、位置 54から発散される電子線 を、 2回集束するウィーンフィルタ 42により位置 43に結像し、さらに、そこから発散す る電子線を、軸対称レンズ 44により光軸に平行な電子線とする。この実施形態では、 1段の軸対称レンズ 44を用いている力 該軸対称レンズは 2段以上であってもよい。 光軸に平行となった電子線は、偏向器 47、電磁偏向器からなるビーム分離器 48を 介し、またマルチ開口レンズ 45を介して、試料 46上に複数の電子線として集束され る。
[0079] なお、電子銃のクロスオーバのサイズは 50 β ΐη φ程度であるから、 50nm φの電子 線を得るためには 25nm φのクロスオーバ像を造る必要があり、電子線の径 φを約 1 /2000に縮小する必要がある力 位置 54の前段の軸対称レンズ 40により 1/38程 度に縮小し、最終段のマルチ開口レンズ 45によりさらに 1/60程度に縮小することに より、約 1/2000の縮小率が得られ、収差を含めて 50ηιη φのマルチ電子ビームを 得ること力 Sできる。また、軸対称レンズ 44の後段にマルチ開口板 53を設ければ開口 角が小さくなり、軸上色収差が低減され、 1/1800程度の縮小率で 50ηιη φのマル チ電子ビームが得られる。この場合、光路長を短くすることができるので、空間電荷 効果によるボケを低減させることができる。
[0080] 第 3の実施形態の電子線装置はまた、上記したように、 2つの軸対称レンズ 40及び 44の間に、軸上色収差を補正するためのウィーンフィルタ 42を設けている。ウィーン フイノレタ 42は、図 1Bを参照して説明した構成と同様な構成を有し、該ウィーンフィノレ タにより軸上色収差を補正することにより、マルチ開口板 53の口径を大きくすることが できるので、電流値の大きいマルチ電子ビームを得ることができる。ウィーンフィルタ の代わりに、 4極子レンズを 4段設けてもよい。
[0081] マルチ開口レンズ 45は、 3枚の金属板を重ねて構成されており、これら金属板を貫 通して、図 4に示すように、 m行 n列の開口がマトリクス状に形成されている。中央の金 属板には、正の高電圧が印加される。なお、図 4に示した開口パターンにおいて、開 口径 dlと開口ピッチ(隣接する 2つの開口の中心間の距離) d2との比 dl/d2を 2Z 3〜4/5に設定すれば、隣接する開口の影響を受けることがないことが、シミュレ一 シヨンにより得られた。
[0082] ここで、電子銃 41から偏向器 47までの光軸と、マルチ開口レンズ 45の光軸とは意 図的に偏倚させ、偏向器 47により、電磁ビーム分離器 48の位置に軸あわせを行うよ うにしている。 2つの光軸のオフセット量(2つの光軸間の距離)は、偏向器 47の偏向 中心と電磁ビーム分離器 48の偏向中心との距離を D3とすると、
オフセット量 = D3 'tan—Ι δ0
の関係を満足するように設定する。この例では、電磁偏向器からなるビーム分離器 4 8により偏向量は、 1次電子ビームで 15° 、 2次電子で 16° 偏向させるよう設定した 、これらの以外の値に設定してもよい。
[0083] 電磁偏向器からなるビーム分離器 48による 2次電子の偏向方向は、一次電子の偏 向方向が逆であるから、図で右方向すなわちレンズ 45の光軸に関して 1次電子ビー ムの方向とは逆方向となり、 2次電子が一次電子ビームから分離される。 2次電子ビ ームは、偏向器 47の偏向主面近傍 50 (図 4)に試料像を形成するので、 2次電子へ の偏向色収差が小さい。ビーム分離器 48により 1次電子ビームと分離された 2次電子 ビームは、拡大レンズ 49を介してエリア検出器 51に拡大像を形成して検出される。 そして、画像データ処理装置(不図示)により、マルチビームである 1次電子ビームの 試料 46上への照射配置情報を参照して、試料面の画像が合成される。拡大率が不 足する場合は、 2次光学系の拡大レンズの段数を増大させればよい。
[0084] 図 3に示した電子線装置を、該装置における光路を示した図 4を参照して、より詳細 に説明する。電子銃 41が形成するクロスオーバから発散した電子線は、焦点距離の 短い軸対称レンズ 40により絞りかつ発散角が大きくされて、ウィーンフィルタ 42に入 射され、ウィーンフィルタ 42の中央部 43でクロスオーバを形成する。ウィーンフィルタ 42を出ると、位置 56においてクロスオーバを形成し、軸対称レンズ 44に入射し、該 軸対称レンズ 44により光軸に平行な並行ビームとなる。
[0085] 並行ビームは、マルチ開口板 53のマルチ開口によりビームの開口角が制御されて 軸上色収差が小さく保たれる。次いで、電磁偏向器 47により 15° 偏向され、電磁偏 向器からなるビーム分離器 48により逆方向に 15° 偏向される。これは、これら 2つの 偏向器に、絶対値が同じで偏向方向が逆の偏向信号を供給することによって行われ る。これにより、マルチ電子ビームは、再度、 z軸方向すなわち試料 46の表面に対し て垂直となる。次いで、マルチ電子ビームは、マルチ開口レンズ 45を介して試料 46 に照射されるが、偏向器 47及び 48による偏向が相互に逆方向で同一角であるため 、偏向色収差が発生せず、さらに偏向器 47又は 48に軸合わせ信号を重畳すれば、 該マルチ開口レンズ 45とマルチ開口板 53のマルチ開口との軸合わせが保持される
[0086] 試料 46から放出された 2次電子は、印加されてレ、る加速電界で集束され、小さいビ ーム束になって、対物レンズ 45を殆どロスが生じない状態で通過する。そして、電磁 偏向器であるビーム分離器 48により 2次光学系の方向に偏向され、拡大レンズ 49に 入射する。図 4中、試料 46からの複数の 2次電子ビームの内、マルチ開口レンズ 45 の中央の 1つのレンズに対応する 2次電子ビームの軌道を点線で示している力 該軌 道上の 2次電子ビームは、ビーム分離器 48を通過後に位置 50に結像する。そして、 拡大レンズ 49により検出器 51の検出面に拡大像を形成する。検出器 51は、形成さ れた拡大像に対応する光信号に生成し、該光信号を光ファイバにより 8 X 8又は 12 X 12等の PMT (不図示)に伝搬する。 PMTは、光信号を電気信号に変換し、該電 気信号は、画像データ処理装置 (不図示)により処理される。
[0087] ウィーンフィルタ 42の各電極に印加される電圧及びコイルに流す電流は、クロスォ ーバ位置 54及びウィーンフィルタ 42の軸方向位置、補正される軸上色収差の大きさ 、ビームエネルギ等を考慮して、シミュレーションの助けを借りて軸上色収差が消える ように設定すればよい。
[0088] 上記の第 1〜第 3の実施形態の電子線装置においては、 4極子レンズを 4極以外の 多極子レンズで構成してもよレ、。特に、 4〜: 12極子レンズを用いることが好適であり、 段数を 4段とした場合には、ビーム軌道を前半部と後半部で点対称にして 2次の収差 発生を防止することができるので、最適である。
[0089] ここで、写像投影型の電子光学系を有する電子線装置において、複数段の多極子 レンズを用いて軸上色収差を消去したことによる作用効果を説明する。
[0090] 写像投影型の電子線装置において、クーロン効果によるボケ δ cは、以下のように 表すことができる。
[0091] CT c = I-L/ ( a - V372)
ただし、 I:電子ビーム電流
L :光路長
ひ :開口角
V:電子ビームエネルギ。
[0092] 図 5は、試料面上収差 (nm)と開口角ひとの関係をシミュレーションした結果を示し ている。このシミュレーションにおいて用いたレンズは、静電レンズ 2段を用いたタブレ ット型であり、倍率色収差を消したレンズである。また、試料面上での電界強度を 1. 5 kV/mm程度となるように、レンズへの印加電圧を設定した。図 5に示したシミュレ一 シヨン結果によれば、軸上色収差を除去すると、開口角 αが約 3倍に向上できる。写 像投影型の電子光学系を有する電子線装置においては、試料面上収差の中では軸 上色収差が支配的であり、試料面上収差を一定としたときに、軸上色収差を除去す ると、他の収差を除去しなくても開口角 aを 3倍程度に向上させることができることを 示している。
[0093] 上記式にぉレ、て、ボケ δ cを一定とした場合、開口角 aを 3倍にすればビーム電流 I も 3倍にすることができ、透過率は開口角の 2乗であるから 9倍となる。したがって、ビ ーム電流が 3倍で透過率が 9倍となるから、これらの乗算で表されるスループットすな わち検查速度を 27倍に向上させることができる。また、電子銃に LaBを使用して第 2 の実施形態の電子線装置ようにマルチビーム方式にすることにより、検查速度をより 向上させることができる。検查速度が大幅に向上することは、写像投影型の電子光学 系を有する電子線装置において、極めて重要である。
[0094] なお、 SEM (走查型電子顕微鏡)では、多極子レンズの後方に走查偏向器を配置 しているため、偏向器の偏向走査の如何に拘わらず、その前段に配置された多極子 レンズにおいては、光軸上のみを電子線が通過している。したがって、多極子レンズ により軸上色収差を補正することが容易であった。これに対して、写像投影型の電子 光学系を有する電子線装置においては、光軸上のみならず光軸から離れた位置の 像も低収差にする必要があるため、多極子レンズを単に用いるだけでは軸上色収差 を補正することが困難であると考えられていた。また、写像投影型の電子光学系を有 する電子線装置において生じる収差の大部分が軸上色収差であることが、認識され ていなかった。本発明者は、種々のパラメータを用いて実機テスト及びシミュレ一ショ ンを行うことにより、写像投影型の電子光学系を有する電子線装置においても、多極 子レンズを用いて好適に軸上色収差を補正することができることを発見し、これにより 、上記したようにスループットを大幅に向上させることができるようにしたものである。
[0095] 次に、本発明に係る電子線装置を組み入れて使用することができる、半導体ゥエー ハの評価用の検査システムの全体構成について説明する。
[0096] 図 6及び図 7は、検査システム 61の主要な構成要素を示す立面図及び平面図であ る。検査システム 61は、複数枚のゥヱーハを収納したカセットを保持するカセットホル ダ 62と、ミニエンバイロメント装置 63と、主ハウジング 64と、ミニエンバイロメント装置 6 3と主ハウジング 64との間に配置されていて、二つのローデイングチャンバを画成す るローダーハウジング 65と、主ハウジング 64内に配置され、ゥエーハであるゥエーハ Wを載置して移動させるステージ装置 66と、ゥエーハをカセットホルダ 62から主ハウ ジング 64内に配置されたステージ装置 66上に装填するローダー 67と、主ハウジング 64に取り付けられた電子光学系 68とを備え、それらは、図 6及び図 7に示したような 位置関係で配置されている。上述した本発明の電子線装置は、電子光学系 68として 組み入れられる。
[0097] 検查システム 61は、また、真空の主ハウジング 64内に配置されたプレチャージュニ ット 69と、ゥエー八に電位を印加する電位印加機構と、電子ビームキャリブレーション 機構と、ステージ装置 66上でのゥヱーハの位置決めを行うためのァライメント制御装 置 70 (図 26に図示)を構成する光学顕微鏡 206とを備えている。検查システム 61は さらに、これらの要素の動作を制御するための制御装置 CNLを備えている。 [0098] 以下に、検査システム 61の主要な要素(サブシステム)それぞれの構成について、 詳細に説明する。
[0099] カセットホルダ 62
カセットホルダ 62は、複数枚(例えば 25枚)のゥエーハが上下方向に平行に並べら れた状態で収納されたカセット c (例えば、アシスト社製の SMIF、 F〇UPのようなクロ ーズドカセット)を複数個(この実施形態では 2個のカセット)保持するようになっている 。このカセットホルダとしては、カセットをロボット等により搬送して自動的にカセットホ ルダ 62に装填する場合には、それに適した構造のものを、また人手により装填する 場合には、それに適したオープンカセット構造のものを、それぞれ任意に選択して設 置できるようになつている。カセットホルダ 62は、この実施形態では、 自動的にカセッ ト cが装填される形式であり、例えば昇降テーブル 71と、その昇降テール 71を上下移 動させる昇降機構 72とを備えている。カセット cは、昇降テーブル上に図 7において 鎖線で示した状態に自動的に装填可能であり、装填後、図 7において実線で示した 状態に自動的に回転され、ミニエンバイロメント装置 63内の第 1の搬送ユニットの回 動軸線に向けられる。また、昇降テーブル 71は、図 6において鎖線で示した状態に 降下される。
[0100] 別の実施形態では、図 8に示すように、複数の 300mmゥエーハ Wを箱本体 73の内 側に固定した溝型ポケット(不図示)に収納した状態で収容し、搬送、保管等を行うも のである。この基板搬送箱 74は、角筒状の箱本体 73と基板搬送出入り口ドアの自動 開閉装置とに連結されて、箱本体 73の側面の開口部を機械により開閉可能な基板 搬送出入りドア 75と、開口部と反対側に位置し、フィルタ類及びファンモータの着脱 を行うための開口部を覆う蓋体 76と、ゥエーハ Wを保持するための溝型ポケット 77と 力 構成されている。この実施形態では、ローダー 67のロボット式の搬送ユニット 78 により、ゥエーハを出し入れする。
[0101] なお、カセット c内に収納されるゥヱーハは、半導体製造工程中でゥヱーハを処理す るプロセスの後、若しくはプロセスの途中で行われる。具体的には、成膜工程、 CMP 、イオン注入等を受けたゥヱーハ、表面に配線パターンが形成されたゥヱーノ、、又は 配線パターンが未だに形成されていないゥヱーハカ 検查のためにカセット c内に収 納される。カセット C内に収容されるゥエーハは、多数枚上下方向に隔ててかつ平行 に並べて配置されており、カセット中の任意の位置のゥヱーハを、後述する第 1の搬 送ユニットで保持できるようにするために、第 1の搬送ユニットのアームを上下移動で きるようになつている。
[0102] ミニエンバイロメント装置 63
図 9は、ミニエンバイロメント装置 63を図 7とは異なる方向から見た立面図である。こ の図 9並びに先の図 6及び図 7に示したように、ミニエンバイロメント装置 63は、雰囲 気制御されるミニエンバイロメント空間 79を画成するハウジング 80と、ミニエンバイ口 メント空間 79内で清浄空気等の気体を循環して雰囲気制御するための気体循環装 置 81と、ミニエンバイロメント空間 79内に供給された空気の一部を回収して排出する 排出装置 82と、ミニエンバイロメント空間 79内に配設されていて試料であるゥヱーハ の粗位置決めを行うブリアライナー 83とを備えてレ、る。
[0103] ハウジング 80は、頂壁 85、底壁 86及び四周を囲む周壁 87を有し、ミニエンバイ口 メント空間 79を外部から遮断する構造になっている。ミニエンバイロメント空間 79を雰 囲気制御するために、気体循環装置 81は、図 9に示されるように、ミニエンバイロメン ト空間 79内において、頂壁 85に下向きに取り付けられていて、気体 (この実施形態 では空気)を清浄にして一つ又はそれ以上の気体吹き出し口(図示せず)を通して清 浄空気を真下に向かって層流状に流す気体供給ユニット 88と、底壁 96の上に配置 されていて、底に向かって流れ下った空気を回収する回収ダクト 89と、回収ダクト 89 と気体供給ユニット 88とを接続して回収された空気を気体供給ユニット 88に戻す導 管 90とを備えている。
[0104] 清浄空気の層流状の下方向の流れすなわちダウンフローは、主に、ミニエンバイ口 メント空間 79内に配置された後述する第 1の搬送ユニットによる搬送面を通して流れ るように供給され、これにより、搬送ユニットにより発生する恐れのある塵埃がゥヱ一八 に付着するのを防止する。ハウジング 80の周壁 87のうち、カセットホルダ 62に隣接 する部分には、出入り口 91が形成されている。
[0105] 排出装置 74は、後に説明する搬送ユニットのゥエーハ搬送面より下側の位置で搬 送ユニットの下部に配置された吸入ダクト 92と、ハウジング 80の外側に配置されたブ ロワ一 93と、吸入ダクト 92とブロワ一 93とを接続する導管 94と、を備えている。この排 出装置 74は、搬送ユニットの周囲を流れ下り搬送ユニットにより発生する可能性のあ る塵埃を含んだ気体を、吸入ダクト 95により吸引し、導管 94及びブロワ一 93を介して ハウジング 84の外側に排出する。
[0106] ミニエンバイロメント空間 79内に配置されたプリアライナー 96は、ゥヱーハに形成さ れたオリエンテーションフラット(円形のゥヱ一八の外周に形成された平坦部分を言い 、以下においてオリフラと呼ぶ)や、ゥヱ一八の外周縁に形成された一つ又はそれ以 上の V型の切欠きすなわちノッチを光学的に或いは機械的に検出し、それに基づい て、ゥエーハの軸線〇 _ 0の周りの回転方向の位置を、約 ± 1度の精度で予め位置
1 1
決めする。プリアライナー 96は、ゥヱーハであるゥヱーハの座標を決める機構の一部 を構成し、ゥエーハの粗位置決めを担当する。
[0107] 主ハウジング 64
図 6及び図 7に示したように、ワーキングチャンバ 97を画成する主ハウジング 64は、 ハウジング本体 98を備え、そのハウジング本体 98は、台フレーム 99上に配置された 振動遮断装置すなわち防振装置 100の上に載せられたハウジング支持装置 101に よって支持されている。ハウジング支持装置 101は矩形に組まれたフレーム構造体 1 02を備えている。ハウジング本体 98は、フレーム構造体 102上に配設固定されてお り、フレーム構造体上に載せられた底壁 103と、頂壁 104と、底壁 103及び頂壁 104 に接続されて四周を囲む周壁 105とを備え、ワーキングチャンバ 97を外部から隔離 している。この実施形態においては、ハウジング 98本体及びハウジング支持装置 10 1は、剛構造に組み立てられていて、台フレーム 99が設置されている床からの振動 力 Sこの剛構造に伝達されるのを、防振装置 100で阻止している。ハウジング 98の周 壁 105の内、ローダーハウジング 65に隣接する周壁には、ゥエーハ出し入れ用の出 入り口 106が形成されている。
[0108] ワーキングチャンバ 97は、汎用の真空装置(図示せず)により、真空雰囲気に保た れる。台フレーム 99の下には、検查システム 61全体の動作を制御する制御装置 2が 配置されている。
[0109] なお、検查システム 61においては、主ハウジング 64を含めて、種々のハウジングを 真空排気している力 そのための真空排気系は、真空ポンプ、真空バルブ、真空ゲ ージ、真空配管等力 構成され、電子光学系、検出器部、ゥエーハ室、ロードロック 室等を、所定のシーケンスに従って真空排気を行う。各部においては、必要な真空 度を達成するように、真空バルブが制御される。そして、常時、真空度の監視を行い 、異常時には、インターロック機能により隔離バルブ等によるチャンバ間又はチャンバ と排気系との間の遮断緊急制御を行レ、、各部において必要な真空度を確保をする。 真空ポンプとしては、主排気にターボ分子ポンプ、粗引き用としてルーツ式のドライポ ンプを使用する。検查場所 (電子線照射部)の圧力は、 10— 3〜: 10— 5Pa、好ましくは、そ の 1桁下の 10— 4〜: 10— 6Paが実用的である。
[0110] ローダーハウジング 65
図 10は、図 6とは別の方向から見たローダーハウジング 65の立面図を示している。 図 10並びに図 6及び図 7に示すように、ローダーハウジング 65は、第 1のローデイン グチャンバ 107と第 2のローデイングチャンバ 108とを画成するハウジング本体 109を 備えている。ハウジング本体 109は、底壁 110と、頂壁 111と、四周を囲む周壁 112 と、第 1のローデイングチャンバ 107と第 2のローデイングチャンバ 108とを仕切る仕切 壁 113とを有しており、 2つのローデイングチャンバを外部から隔離している。仕切壁 113には、 2つのローデイングチャンバ間でゥヱーハ Wの受け渡しを行うための開口 すなわち出入り口 114が形成されている。また、周壁 112のミニエンバイロメント装置 63及び主ハウジング 64に隣接した部分には、出入り口 115及び 116が形成されて レ、る。このローダーハウジング 65のハウジング本体 117は、ハウジング支持装置 101 のフレーム構造体 102上に載置されて支持されている。したがって、このローダーハ ウジング 65にも、床の振動が伝達されない。
[0111] ローダーハウジング 65の出入り口 115とミニエンバイロメント装置 63のハウジング 8 0の出入り口 118とは整合されている力 これら出入り口 115、 118の間には、ミニエ ンバイロメント空間 79とローデイングチャンバ 107との連通を選択的に阻止するシャツ タ装置 119が設けられている。また、ローダーハウジング 65の出入り口 116と主ハウ ジング 64のハウジング本体 98の出入り口 106とは整合されている力 これら出入り口 115、 106の間には、ローデイングチャンバ 108とワーキンググチャンバ 97との連通を 選択的に密封阻止するシャツタ装置 120が設けられている。更に、仕切壁 121に形 成された開口には、扉 122により開口を閉じて、第 1及び第 2のローデイングチャンバ 間の連通を選択的に密封阻止するシャツタ装置 123が設けられている。これらのシャ ッタ装置 119、 120、 122は、閉じ状態にあるとき、各チャンバを気密シールできるよう になっている。
[0112] 第 1のローデイングチャンバ 107内には、複数枚(この実施形態では 2枚)のゥエー ハ Wを上下に隔てて水平に支持するゥヱーハラック 124が配設されている。
[0113] 第 1及び第 2のローデイングチャンバ 107、 108は、真空ポンプを含む汎用の真空 排気装置 (図示せず)によって、高真空状態 (真空度としては、 10— 5〜: 10—6 Pa)に雰 囲気制御される。この場合、第 1のローデイングチャンバ 107を低真空チャンバとして 低真空雰囲気に保ち、第 2のローデイングチャンバ 108を高真空チャンバとして高真 空雰囲気に保つことにより、ゥエーハの汚染防止を効果的に行うこともできる。このよう な 2つのローデイングチャンバを備えたローデイングハウジング構造を採用することに よって、ゥエーハ Wをローデイングチャンバからワーキングチャンバ内に遅滞なく搬送 すること力 Sできる。このようなローデイングチャンバ構造を採用することによって、欠陥 等の検査のスループットを向上させ、更に、保管状態が高真空状態であることを要求 される電子源周辺の真空度を、可能な限り高真空状態にすることができる。
[0114] 第 1及び第 2のローデイングチャンバ 107、 108にはそれぞれ、真空排気配管と不 活性ガス (例えば乾燥純窒素)用のベント配管(それぞれ図示せず)が接続されてい る。これによつて、各ローデイングチャンバ内の大気圧状態において、不活性ガスべ ント(不活性ガスを注入して、不活性ガス以外の酸素ガス等が表面に付着するのを防 止する)が達成される。
[0115] なお、電子線を使用する主ハウジング 30において、電子光学系 68の電子源すな わち電子銃として使用される代表的な六硼化ランタン (LaB )等は、一度熱電子を放 出する程度まで高温状態に加熱された場合には、酸素等に可能な限り接触させない ことがその寿命を縮めないために肝要である。主ハウジング 64の電子光学系 68が配 置されているワーキングチャンバにゥヱーハ Wを搬入する前段階で、上記のような雰 囲気制御を行うことにより、酸素に接触する可能性が低減されるため、電子源の寿命 を縮めてしまう可能性が低くなる。
[0116] ステージ装置 66
ステージ装置 66は、主ハウジング 64の底壁 103上に配置された固定テーブル 125 と、固定テーブル上で Y方向(図 6において紙面に垂直の方向)に移動する Yテープ ノレ 126と、 Yテーブル上で X方向(図 6において左右方向)に移動する Xテーブル 12 7と、 Xテーブル上で回転可能な回転テーブル 128と、回転テーブル 128上に配置さ れたホノレダ 129とを備えてレヽる。該ホルダ 129のゥエーハ載置面 130上にゥエーハ W を解放可能に保持する。ホルダ 129は、ゥヱーハ Wを機械的に或いは静電チャック 方式で解放可能に把持できる汎用の構造のものでよい。ステージ装置 66は、サーボ モータ、エンコーダ及び各種のセンサ(図示せず)を用いて、上記した複数のテープ ノレ 126〜128を動作させることにより、載置面 130上でホノレダ 129に保持されたゥェ ーハ Wを電子光学系 68から照射される電子ビームに対して X方向、 Y方向及び Z方 向(図 6において上下方向)に、更には、ゥヱーハの支持面に鉛直な軸線の回り方向 ( Θ方向)に、高い精度で位置決めすることができる。
[0117] なお、 Z方向の位置決めは、例えばホルダ 129上の載置面の位置を Z方向に微調 整可能にしておけばよい。この場合、載置面の参照位置を微細径レーザによる位置 測定装置 (干渉計の原理を使用したレーザ干渉測距装置)によって検知し、その位 置をフィードバック回路(不図示)によって制御したり、それと共に或いはそれに代え て、ゥエーハのノッチ或いはオリフラの位置を測定して、ゥエーハの電子ビームに対す る平面位置及び回転位置を検知し、回転テーブル 128を微小角度制御可能なステ ッビングモータなどにより回転させて制御する。ホルダ 129を設けずに、回転テープ ル 128上にゥエーハ Wを直接載置してもよレ、。ワーキングチャンバ 97内での塵埃の 発生を極力防止するために、ステージ装置 66用のサーボモータ 131、 132及びェン コーダ 133、 134は、主ハウジング 64の外側に配置されている。
[0118] 電子ビームに対するゥエーハ Wの回転位置や X— Y座標位置を、後述する信号検 出系或いは画像処理系に予め入力することによって、信号の基準化を図ることもでき る。
[0119] 更に、このホルダに設けられたゥヱーハチャッキング機構は、ゥヱーハをチャックす るための電圧を静電チャックの電極に与えられるようになつていて、ゥエーハの外周 部の 3点(好ましくは周方向に等隔に隔てられた)を押さえて位置決めするようになつ ている。ゥエーハチャック機構は、二つの固定位置決めピンと、一つの押圧式クランク ピンとを備えている。クランプピンは、 自動チャック及び自動リリースを実現できるよう になっており、かつ電圧印加の導通箇所を構成している。
[0120] なお、この実施の形態では、図 7の左右方向に移動するテーブルを Xテーブルとし 、図 13の上下方向に移動するテーブルを Yテーブルとした力 同図で左右方向に移 動するテーブルを Yテーブルとし、上下方向に移動するテーブルを Xテーブルとして あよい。
[0121] ゥヱーハチャッキング機構
1)静電チャックの基本構造
電子光学系の焦点を試料面に正確にかつ短時間で合わせるために、試料面すな わちゥエーハ面の凹凸は極力小さくすることが好ましい。そのため、平面度良く(平面 度 5 / m以下が好ましい)製作された静電チャックの表面にゥエーハを吸着することが 行われる。
[0122] 静電チャックの電極構造には、単極形と双極形が存在する。単極形はゥエーハに 予め導通をとり、 1つの静電チャック電極との間に高電圧(一般的に数 10〜数 100V 程度)を印加することによってゥエーハを吸着する方法であり、双極形は、ゥエーハに 導通をとる必要が無ぐ 2つの静電チャック電極に正負逆の電圧を印加するだけでゥ エーハを吸着できる。但し、一般的に、安定した吸着条件を得るためには、 2つの電 極を櫛の歯状に入り組ませた形状にする必要があり、電極形状は複雑になる。
[0123] 一方、試料の検查のためには、電子光学系の結像条件を得るため、あるいは試料 面の状態を電子で観察しやすい状態にするために、ゥエー八に所定の電圧(リタ一 デイング電圧)を印加する必要がある。このリターデイング電圧をゥエー八に印加する こと、及びゥヱーハ表面の電位を安定させるためには、静電チャックを上記の単極形 とすることが必要である。 (但し、後述するように導通針でゥエーハとの導通をとるまで は、静電チャックを双極形として機能させる必要ある。よって静電チャックは、単極形 と双極形の切換可能な構造にしている。)ゥエー八の表面の電位が、各検查モードで 所定の値で安定していない場合、結像条件を満足せず、きれいな画像を得ることが できない。そのため、リターデイング電圧の印加前に、ゥエーハの導通確認を確実に 行う必要がある。
[0124] したがって、ゥエーハに機械的に接触して導通をとらなければならなレ、。ところ力 ゥ エーハに対する汚染防止の要求は厳しくなつてきており、ゥエーハへの機械的接触を 極力避けることが求められ、ゥエーハのエッジへの接触が許されない場合がある。こ のような場合は、ゥエーハ裏面にて導通をとらなければならない。
[0125] ゥヱ一八裏面には、シリコン酸化膜が形成されていることが普通であり、そのままで は導通がとれない。そこで、ゥヱーハ裏面に、 2ケ所以上の針を接触させ、針の間に 電圧を印加することによって、酸化膜を局部的に破壊し、ゥヱーハ母材のシリコンと導 通をとること力できる。針に印加する電圧は、数百 V程度の DC電圧もしくは AC電圧 である。また針の材料としては、非磁性で耐摩耗性があり高融点材料であることが求 められ、タングステン等が考えられる。またさらに耐久性を持たせるため、あるいはゥ エーハの汚染防止のために、表面に TiNやダイヤモンドをコーティングすることも有 効である。また、ゥエーハとの導通がとれたことを確認するために、針の間に電圧を印 加し電流計により電流を測定することが有効である。導通確認を行ってから、リターデ イング電圧を印加することにより、ゥエーハ表面を所望の電位とすることができ、結像 条件を満足した検査を行うことができる。
[0126] 以上のような背景から作られたのが、図 11に示すようなチヤッキング機構である。静 電チャックには、ゥエーハ Wを安定に吸着するために櫛歯状に入り組んだ形状である ことが望ましい電極と、ゥエーハ受渡し用の 3本のプッシヤーピン 143と、ゥエーハ印 加用の 2つ以上の導通針 144とが設けられている。また、静電チャックの周囲には補 正リング 141とゥエーハ落とし込み機構 142が配置される。
[0127] プッシヤーピン 143は、試料であるゥヱーハ Wがロボットハンドによって搬送される際 に静電チャック面上から予め突出しており、ロボットハンドの動作によってゥヱーハ W がその上に載置されると、ゆっくりと下降し、ゥヱーハ Wを静電チャック上に載せる。ゥ ヱーハを静電チャック上から取り出す際には、逆の動作をしてロボットハンドにゥヱー ハ Wを渡す役割を果たす。プッシヤーピン 143は、ゥヱーハの位置がずれたり汚染さ れることが無いように表面材料を選ばなければならず、シリコンゴム、フッ素ゴム、 SiC やアルミナ等のセラミックス、テフロンやポリイミド等の樹脂などを使用することが望ま しい。
[0128] プッシヤーピン 143の駆動機構としては幾つか方法がある。一つは、静電チャックの 下部に非磁性ァクチユエータを設置する方法である。これは、超音波リニアモータに よりプッシヤーピンを直接リニア駆動する方法や、回転形超音波モータとボールネジ またはラック &ピニオンギアの組み合わせでプッシヤーピンの直線駆動を行う等の方 法が有る。この方法は、静電チャックを搭載する XYステージのテーブル上に、プッシ ヤー機構がコンパクトにまとめられる反面、ァクチユエータゃリミットセンサ等の配線が 非常に多くなつてしまう。これらの配線は XY動作するテーブル力 試料室 (メインチヤ ンバ又は主ハウジング)壁面まで繋がる力 S、ステージの動作に伴って屈曲するため、 大きな曲げ Rを持たせて配設する必要がありスペースをとつてしまう。またパーテイク ル発生源になったり、配線の定期的な交換も必要になるので、使用数は必要最小限 にするのがよい。
[0129] そこで別方式として、外部から駆動力を供給する方法もある。ゥエーハ Wを着脱す る位置にステージが移動すると、ベローズを介して真空中に突出した軸力 S、チャンバ 外に備えられたエアシリンダで駆動されて、静電チャック下部に設けられたプッシャ 一駆動機構の軸を押すようになつている。軸はプッシヤー駆動機構内部で、ラック'ピ 二オンまたはリンク機構と繋がっており、軸の往復移動がプッシヤーピンの上下動と 連動するようになっている。ゥエーハ Wをロボットハンドとの間で受け渡しする際には、 コントローラで適切な速度に調整してエアシリンダで軸を真空中に押し出すことによつ て、プッシヤーピン 143を上昇させる。
[0130] なお、外部からの軸の駆動源は、エアシリンダに限るものではなぐサーボモータと ラック'ピユオンやボールネジの組み合わせでも良い。また、外部からの駆動源を回 転軸とすることも可能である。その場合、回転軸は磁性流体シール等の真空シール 機構を介し、プッシヤー駆動機構は回転をプッシヤーの直線運動に変換する機構を 内蔵する。
[0131] 補正リング 141は、ゥヱ一八端部の電界分布を均一に保つ作用を持つもので、基 本的にゥエーハと同電位を印加する。しかし、ゥヱーハと補正リング間の微小隙間や、 ゥエーハと補正リング表面高さの微小な差の影響を打ち消すため、ゥエーハ端部電 位と若干異なる電位を印加することもある。補正リング 141は、ゥヱーハの半径方向 1 0〜30mm程度の幅を持ち、非磁性で導電性の材料、例えば、チタン、リン青銅、 Ti N又は TiCコーティングしたアルミ等を使用することができる。
[0132] 導通針 144はばね 145で支持されており、ゥエーハが静電チャック上に搭載される と、ばね力でゥヱーハ裏面に軽く押し付けられる。この状態で、上述した様に電圧を 印加することによってゥヱーハ Wとの電気的導通をとる。
[0133] 静電チャック本体は、タングステン等の非磁性の平面状電極と、その上に形成され た誘電体から成る。誘電体の材料はアルミナ、窒化アルミ、ポリイミド等が使用できる 。一般にアルミナ等のセラミックスは体積抵抗率が 1014 Ω cm程度の完全な絶縁体な ので、材料内部での電荷移動は発生せず、吸着力としてクーロン力が作用する。こ れに対して、セラミックス組成をわずかに調整することによって体積抵抗率を 101Q Q c m程度にすることができ、こうすることによって材料内部で電荷の移動が生じるため、 ゥヱーハ吸着力としてクーロン力より強い所謂ジョンソン'ラーベック力が作用する。吸 着力が強ければその分、印加電圧を低くすることができ、絶縁破壊に対するマージン を大きくとることができ、かつ安定した吸着力も得やすい。また、静電チャック表面を たとえばディンプノレ状に加工することによって、静電チャック表面にパーティクル等が 付着しても、パーティクルがディンプルの谷部分に落ちる可能性が生じるのでゥエー ハの平面度に影響を与える可能性が減少する効果も期待できる。
[0134] 以上より、静電チャック材料を、体積抵抗率を 101Q Q cm程度に調整した窒化アルミ やアルミナセラミックスとし、表面にディンプノレ状などの凹凸を形成し、その凸面の集 合で形成される面の平面度を 5 μ m程度に加工したものが実用的である。
[0135] 2) 200Z300ブリッジツールのためのチヤッキング機構
200mmと 300mmの 2種類のゥヱーハを機械的改造無く検查することが装置に求め られること力 Sある。その場合、静電チャックは 2種類のサイズのゥヱーハをチヤッキング し、かつゥヱーハ周縁部にゥヱーハのサイズに合わせた補正リングを載置しなければ ならない。図 11の(A)、(B)及び図 12はそのための構造を示している。 [0136] 図 11の(A)は静電チャック上に 300mmのゥエーハ Wを搭載した状態を示している 。ゥエーハ Wのサイズより僅かに大きい(隙間 0. 5mm程度)内径を持った補正リング 141力 静電チャック外周の金属性リング状部品にインローで位置決めされ載置され ている。この補正リング 141には、ゥヱーハ落し込み機構 142が 3力所設けられている 。ゥヱ一八落し込み機構 142は、プッシヤーピン 143の駆動機構と連動した上下駆動 機構によって駆動され、補正リング 141に設けられた回転軸周りに回転可能に支持さ れている。
[0137] ゥエーハ Wをロボットハンドから受ける場合、プッシヤーピン駆動機構が動作し、プッ シヤーピン 143を上に押上げる。それと適切なタイミングをとつて補正リング 141に設 けられたゥエーハ落し込み機構 142も、図 11の(B)に示すように、駆動力を受けて回 転する。するとゥヱーハ落し込み機構 142がゥヱーハ Wを静電チャック中心にガイド するテーパ面を形成する。次に、押し上げられたプッシヤーピン 143にゥヱーハ Wが 載せられた後、プッシヤーピン 143を下降させる。ゥエーハ落し込み機構 142に対す る駆動力の作用タイミングをプッシヤーピン 143の下降と適切に調整することによって 、ゥエーハ Wは落し込み機構 142のテーパ面によって位置を修正されながら静電チ ャック上にゥエーハ Wの中心と静電チャックの中心がほぼ一致するように置かれる。
[0138] 落し込み機構 142のテーパ面にはテフロン等の低摩擦材、好ましくは導電性のある 低摩擦材 (例えば、導電性テフロン、導電性ダイヤモンドライクカーボン、 TINコーテ イング)を形成することが望ましい。なお、図中の符号 A、 B、 C、 D、 Eは電圧を印加 するための(後述する)端子であり、 144はゥエーハ Wが静電チャック上に載置された ことを検知するゥエーハ導通用針で、パネ 145によって押し上げられている。
[0139] 図 12は、同じ静電チャックに 200mmのゥヱーハ Wを搭載した状態を示している。
静電チャックよりもゥヱーハ径が小さいため、静電チャック表面が露出してしまうので、 静電チャックを完全に隠す大きさを持った補正リング 151を搭載している。補正リング 151の位置決めは 300mm用補正リングの場合と同様である。
[0140] 補正リング 151の内周部には段差が設けてあり、静電チャック側のリング状溝 151' に収まるようになつている。これは、 200mmゥエーハを搭載した時に補正リング 151 の内周とゥエーハ Wの外周との間の隙間から静電チャック表面が見えないように導体 (補正リング 151)で隠すための構造である。もし静電チャック表面が見える構造にな つていると、電子ビームが照射された際、静電チャック表面に電荷がチャージしてしま レ、、試料面の電位が乱れてしまうからである。
[0141] 補正リング 151の交換は、真空チャンバ内の所定の位置に補正リング交換場所を 設けておき、そこから必要な大きさの補正リングをロボットによって搬送して静電チヤッ クに取り付ける (インロー部に揷入する)ことによって行う。
[0142] 200mm用補正リングにも、 300mmと同様にゥヱーハ落し込み機構 20 · 2が設けら れている。静電チャック側には、このゥヱーハ落し込み機構 152と干渉しないように逃 げが形成されてレ、る。静電チャック上へのゥヱーハの搭載方法は 300mmの場合とま つたく同様である。なお、符号 A、 B、 C、 D、 Eは電圧を印加するための端子、 153は プッシュピン 143と同様のプッシュピン、 154はゥエーハ導通用針 144と同様のゥエー ハ導通用針である。
[0143] 図 13の(A)及び(B)は、 300mmゥヱーハと 200mmゥヱーハの両方に対応するこ とができる静電チャックの構成を概略的に示した図であり、 (A)は 300mmゥエーハを 、(B)は 200mmゥエーハを載置した状態をそれぞれ示している。図 13の(A)から理 解されるとおり、静電チャックは 300mmゥエーハを載置することができる広さを持ち、 図 13の(B)に示すように、静電チャックの中央の部分は 200mmゥエーハを載置する ことができる広さであり、それを囲むように、補正リング 151の内周部が嵌り込む溝 15 6が設けられる。なお、符号 A、 B、 C、 D、 Eは電圧を印加するための端子である。
[0144] 図 13の(A)及び(B)に示す静電チャックの場合、ゥエーハが静電チャックに載置さ れているかどうか、ゥエーハが静電チャックに正しく載置されたかどうか、補正リングが あるかどうか等は、光学的に検出される。例えば、静電チャックの上方に光学センサ を設置し、その光学センサから発された光がゥエー八によって反射されて再び光学セ ンサへ戻ったときの光路長を検出することによって、ゥヱーハが水平に載置されたか 、傾いて載置されたかが検出できる。また、補正リングの有無は、補正リングが載置さ れるべき場所の中の適宜の点を斜めに照射する光送信機と、補正リングからの反射 光を受光する光受信機とを設けることで検出することができる。更に、 200mmゥエー ハ用の補正リングが載置される場所の適宜の点を斜めに照射する光送信機及び該 補正リングからの反射光を受光する光受信機の組み合わせと、 300mmゥエーハ用 の補正リングが載置される場所の適宜の点を斜めに照射する光送信機及び該補正リ ングからの反射光を受光する光受信機の組み合わせとを設け、 V、ずれの光受信機が 反射光を受信するかを検知することにより、 200mmゥヱーハ用の補正リングと 300m mゥヱーハ用の補正リングのいずれが静電チャックに載置されたかを検出することが できる。
[0145] 3)ゥエーハチャッキング手順
以上説明した構造をもったゥヱーハチャッキング機構は、以下の手順でゥヱーハを チヤッキングする。
[0146] (1)ゥヱ一八サイズに合った補正リングをロボットによって搬送し、静電チャックに搭 載する。
[0147] (2)ロボットハンドによるゥヱーハ搬送とプッシヤーピンの上下動によって、ゥヱーハ を静電チャック上に載置する。
[0148] (3)静電チャックを双極形で印加(端子 C、 Dに正負逆の電圧を印加)し、ゥエーハ を吸着する。
[0149] (4)導通用針に所定電圧を印加して、ゥエーハ裏面の絶縁膜 (酸化膜)を破壊する
[0150] (5)端子 A、 B間の電流を測定して、ゥエーハとの導通が取れたかどうか確認する。
[0151] (6)静電チャックを単極形吸着に移行する。(端子 A、 Bを GRD、端子 C、 Dに同一 電圧を印加する)
(7)端子 A (又は B)と端子 C (又は D)との電位差を保ったまま、端子 A (又は B)の 電圧を下げ、ゥヱーハに所定のリターデイング電圧を印加する。
[0152] 200Z300ブリッジツールのための装置構成
200mmゥヱーハと 300mmゥヱ一八のどちらも機械的改造なしに検查できる装置 にするための構成を図 14及び図 15に示す。以下、 200mmゥヱーハもしくは 300m mゥエーハの専用装置と異なる点を説明する。
[0153] 200/300mmゥェーハ、 F〇UP、 SMIF、オープンカセット等の仕様毎に交換さ れるゥヱ一ハカセットの設置場所 21 · 1には、ユーザ仕様によって決まるゥヱ一八サイ ズゃゥエーハカセットの種類に応じたゥエーハカセットが設置できるようになっている。 大気搬送ロボット 21 · 2は、異なるゥエーハサイズに対応できるようなハンドを備え、す なわちゥエーハの落し込み部がゥエーハサイズに合わせて複数設けられており、ゥェ ーハサイズにあった箇所でハンドに搭載されるようになっている。大気搬送ロボット 16 1はゥヱーハを設置場所 162からブリアライナー 163へ送ってゥヱーハの向きを整え た後、ゥエーハをプリアライナー 163から取り出して、ロードロック室 164内へ送る。
[0154] ロードロック室 164の内部のゥヱーハラックも同様の構造で、ゥヱーハラックのゥエー ハ支持部には、ゥエーハサイズに合わせた複数の落し込み部が形成されており、大 気搬送ロボット 161のハンドに搭載されたゥヱーハは、そのサイズに合った落し込み 部に搭載されるようにロボットハンドの高さが調整されてゥヱ一八ラック内にゥヱ一八 が揷入され、その後、ロボットハンドが下降することによってゥヱ一八支持部の所定の 落し込み部にゥエーハが載置される。
[0155] ロードロック室 164内のゥエーハラックに載置されたゥエーハは、次いで、搬送室 16 5内に設置された真空搬送ロボット 166によってロードロック室 163から取り出されて 試料室 167内のステージ 168上に搬送される。真空搬送ロボット 166のハンドも、大 気搬送ロボット 21 · 2と同様、ゥエーハサイズに合った複数の落し込み部を有している 。ロボットハンドの所定の落し込み部に搭載されたゥエーハは、ステージ 168におい て、予めゥエーハサイズに合った補正リング 169を搭載した静電チャック上に載置さ れ、静電チャックで吸着固定される。補正リング 169は、搬送室 165内に設けられた 補正リングラック 170上に載置されている。そこで、真空搬送ロボット 166はゥエーハ サイズに合った補正リング 169を補正リングラック 170から取り出して静電チャック上 に搬送し、静電チャック外周部に形成された位置決め用インロー部に補正リング 169 を嵌め込んでから、ゥヱ一八を静電チャックに載置する。
[0156] 補正リングを交換する時は、この逆の操作を行う。すなわち、ロボット 166によって静 電チャックから補正リング 169を外し、搬送室 165内の補正リングラック 170に補正リ ングを戻し、これから検查するゥヱーハサイズにあった補正リングを補正リングラック 1 70から静電チャックまで搬送する。
[0157] 図 14に示す検查装置においては、プリアライナー 163がロードロック室 164の近く に配置されているので、ゥエーハのァライメントが不十分なためにロードロック室で補 正リングが装着できない場合にも、ゥエーハをプリアライナーに戻してァライメントし直 すことが容易であり、工程での時間のロスを減らせるという利点がある。
[0158] 図 15は、補正リングの置き場所を変えた例であり、補正リングラック 170は省略され ている。ロードロック室 171には、ゥエーハラックと補正リングラックとが階層的に形成 されており、これらはエレベータに設置されて上下動することができる。まず、これから 検查するゥエーハサイズに合った補正リングを静電チャックに設置するため、真空搬 送ロボット 166が該補正リングを取出せる位置までロードロック室 171のエレベータを 移動する。そして補正リングを真空搬送ロボット 166で静電チャック上に設置すると、 今度は、検査すべきゥヱ一八を搬送できるようにエレベータを操作し、ゥヱ一八を真 空搬送ロボット 166でゥヱ一八ラックから取出した後、静電チャックに載置する。この 構成の場合、ロードロック室 171にエレベータが必要になる力 真空の搬送室 165を 小さく形成することができ、装置のフットプリントを小さくする上で有効である。
[0159] 以上のようなアルゴリズムを用いて、比較検査及びァライメントを行う。なお、静電チ ャック上にゥヱーハが存在するか否かを検知するセンサは、異なるゥヱーハサイズの どちらにも対応できる位置に設置されることが望ましいが、それが不可能な場合には 、同一の働きをする複数のセンサをゥヱーハサイズ毎に配置してもよい。
[0160] ここで、欠陥検査全体の手順について説明する。欠陥検査は、図 16に示すように、 電子光学系の条件設定 (撮像倍率などの設定)を行い、電子ビームを照射しながらス テージを移動させることで TDIスキャン撮像(図 17)を行レ、、設定された検査条件(ァ レイ検査条件、ランダム検査条件、検査エリア)に従い、検査専用処理ユニット(IPE) によりリアルタイムで欠陥検査が行われる。
[0161] 検查レシピでは、電子光学系の条件、検查対象ダイ、検查エリア及び検查方法 (ラ ンダム Zアレイ)などが設定される(図 18の (A)、(B) )。なお、欠陥検査用に安定し た画像を取得するため、位置ズレゃ速度ムラなどによる撮像画像のブレを抑制する E O補正、理想的なダイマップ上の配置と実際のダイ位置との誤差を吸収するダイ位 置補正、有限の測定点で予め測定したフォーカス値を用いゥヱーハ全領域のフォー カス値を補完するフォーカス調整力 Sリアルタイムで同時に行われる。 [0162] 欠陥検査のスキャン動作において、検査対象ダイの全域を検査する(図 19)他に、 図 20に示すように、スキャン方向と直角方向へのステップ移動量を調整することで間 引き検査も可能となる (検査時間の短縮)。
[0163] 検査終了後は、検査結果として欠陥個数、欠陥を含むダイの位置、欠陥サイズ、各 ダイ内での欠陥位置、欠陥種別、欠陥画像、比較画像をディスプレイに表示し、これ らの情報及びレシピ情報などをファイルへ保存することで過去の検查結果の確認、 再現が可能となっている。
[0164] 自動欠陥検查時には各種レシピを選択指定することで、搬送レシピに従ってゥエー ハがロードされ、ァライメントレシピに従ってステージ上でゥエーハのァライメントが行 われ、フォーカスマップレシピに従ってフォーカス条件の設定が行われ、検查レシピ に従って検査が行われ、搬送レシピに従ってゥヱーハがアンロードされる(図 20の(A )、(B) )。
[0165] 制御装置 CNL
欠陥検査の制御装置 CNL (図 6)は、図 22に示すように複数のコントローラにより構 成されている。
[0166] メインコントローラは、装置(EBI)の GUI部/シーケンス動作を司り、工場ホストコン ピュータまたは GUIからの動作指令を受け取り、 VMEコントローラや IPEコントローラ へ必要な指示を与える。メインコントローラには、マン マシンインターフェースが備 えられており、オペレータの操作は、ここを通して行われる(種々の指示/命令、レシ ピなどの入力、検査スタートの指示、 自動と手動検査モードの切り替え、手動検查モ ード時等の必要な全てのコマンドの入力等)。その他、工場のホストコンピュータとの コミュニケーション、真空排気系の制御、ゥエーハの搬送、位置合わせの制御、制御 コントローラやステージコントローラへのコマンドの伝達や情報の受け取り等も、メイン コントローラで行われる。また、光学顕微鏡からの画像信号の取得、ステージの変動 信号を電子光学系にフィードバックさせて像の悪化を補正するステージ振動補正機 能、ゥエーハ観察位置の Z軸方向(二次光学系の軸方向)の変位を検出して、電子光 学系へフィードバックし、自動的に焦点を補正する自動焦点補正機能を備えてレ、る。 電子光学系へのフィードバック信号等の授受、及びステージ装置からの信号の授受 はそれぞれ、 IPEコントローラ及びステージコントローラを介して行われる。
[0167] VMEコントローラは、装置 (EBI)構成機器の動作を司り、メインコントローラからの 指示に従い、ステージコントローラや PLCコントローラへ指示を与える。
[0168] IPEコントローラは、メインコントローラからの指示により、 IPEノードコンピュータから の欠陥検査情報取得、取得した欠陥の分類及び画像表示を行う。 IPEノードコンビュ ータは、 TDIカメラから出力される画像の取得ならびに欠陥検查を行う。電子光学系 70の制御、すなわち、電子銃、レンズ、ァライナー等の制御等も行う。例えば、照射 領域に、倍率が変わったときにも常に一定の電子電流が照射されるように電源を制 御すること、各倍率に対応した各レンズ系ゃァライナーへ自動的に電圧を設定するこ と等の、各オペレーションモードに対応した各レンズ系ゃァライナーへの自動電圧設 定等の制御(連動制御)を行う。
[0169] PLCコントローラは、 VMEコントローラからの指示を受け、バルブ等の機器の駆動 及びセンサ情報の取得、常時監視が必要な真空度異常などの異常監視を行う。
[0170] ステージコントローラは、 VMEコントローラからの指示を受け、 XY方向への移動及 びステージ上に設置されたゥエーハの回転を行う。特に、ステージコントローラは、 X 軸方向及び Y軸方向の μ mオーダーの精密移動(± 0. 5 β m程度の許容誤差)を 可能にし、また、誤差精度 ± 0. 3秒程度以内で、回転方向の制御( Θ制御)も可能に している。
[0171] このような分散制御系を構成することで、末端の装置構成機器が変更された場合に 各コントローラ間のインターフェースを同一に保つことで上位コントローラのソフトゥェ ァ及びハードウェアの変更が不要となる。また、シーケンス動作が追カロ'修正された 場合でも上位ソフトウェア及びハードウェアの変更を最小限にとどめることで構成変 更への柔軟な対応が可能となる。
[0172] ユーザインターフェース
図 23は、ユーザインターフェース部の機器構成を示す。入力部は、ユーザからの 入力を受け付ける機器であり、「キーボード」、「マウス」、「J〇Yパッド」から構成される 。表示部は、ユーザへの情報を表示する機器であり、モニタ 2台で構成される。モニタ 1は、 CCDカメラまたは TDIカメラで取得された画像を表示し、モニタ 2は GUI表示を 行う。
[0173] なお、検査の進涉状況をリアルタイムで画面上に色別表示するようにしてもよい。ど のゥエーハが何処にある力といったゥヱーハ位置情報や、被検查ゥヱーハについて は、どこまで検査が終了し、どこに欠陥があるか等の情報を色別表示すれば、検査の 進渉状況が一目瞭然となる。また、被検查ダイについては、スワース毎に表示するよ うにしてもよい。
[0174] 本装置では、以下の 3つの座標系を規定する。
(1)ステージ座標系 [X , Y ]
S S
ステージ位置制御時の位置指示用の基準座標系であり、本装置に 1つだけ存在す る。
[0175] チャンバ左下隅を原点とし、右方向に X座標値が増加し、上方向に Y座標値が増 加する。
[0176] ステージ座標系で示される位置 (座標値)は、ステージの中心(ゥエーハ中心)とす る。つまり、ステージ座標系において、座標値 [0,0]を指定した場合、ステージ中心(ゥ エーハ中心)がステージ座標系の原点に重なるように移動する。
[0177] 単位は m]とする力 S、最小分解能はえ/ 1024 ( ^0· 618 m] )とする。ただし 、 λは、レーザ干渉計で用いられるレーザの波長(λ 632· 991 [ μ ΐη])である。
(2)ゥエーハ座標系 [X , Υ ]
W W
ゥエーハ上の観察 (撮像 ·表示)する位置を指示するための基準座標系であり、本 装置に 1つだけ存在する。
[0178] ゥエーハ中心を原点とし、右方向に X座標値が増加し、上方向に Υ座標値が増加 する。ゥヱーハ座標系で示される位置 (座標値)は、そのとき選択された撮像機器 (C
CDカメラ、 TDIカメラ)での撮像中心とする。
[0179] 単位は [ z m]とする力 S、最小分解能は; I Z1024 ( 0. 618 [ z m] )とする。 ( λは、 上記と同一)
(3)ダイ座標系 [X , Υ ]
D D
各ダイにおける観察 (撮像 ·表示)位置を規定するための基準座標系であり、ダイ毎 に存在する。 [0180] 各ダイの左下隅を原点とし、右方向に X座標値が増加し、上方向に Y座標値が増 加する。
[0181] 単位は m]とする力 S、最小分解能はえ/ 1024 ( ^0. 618 m] )とする( λは、 上記と同一)。なお、ゥエーハ上のダイは、番号付け(ナンバリング)され、番号付けの 基準となるダイを原点ダイと呼ぶ。デフォルトではゥェーハ座標系原点に最も近いダ ィを原点ダイとするが、ユーザの指定により原点ダイの位置を選択可能とする。
[0182] 各座標系における座標値と、観察 (表示)される位置の関係は、図 24のとおりである また、ユーザインターフェースにより指示される座標及びステージ移動方向の関係は 、以下のとおりである。
(1)ジョイスティック &GUI矢印ボタン
ジョイスティック及び GUI矢印ボタンにより指示される方向は、オペレータが見たい 方向とみなし、ステージを指示方向と逆方向に移動させる
例)
指示方向:右' · · 'ステージ移動方向:左 (画像が左に移動 =視野が右に移動) 指示方向:上 · · · 'ステージ移動方向:下 (画像が下に移動 =視野が上に移動)
(2) GUI上で座標を直接入力
GUI上で直接入力される座標は、ゥエーハ座標系上でオペレータが見たい場所と みなし、該当ゥエーハ座標が撮像画像中心に表示されるようにステージを移動させる
[0183] 図 14に関して説明した装置においては、静電チャックの上に補正リングを載置し、 その補正リングの内径に当てはまるようにゥヱーハを位置決めするという手順が取ら れている。そこで、図 15に示す検查装置においては、ロードロック室 22 · 1でゥヱーハ に補正リングを装着し、補正リングが装着されたゥヱ一八を補正リングごと搬送して試 料室 21 · 7へ導入し、ステージ上の静電チャックに装着するという手順が取られる。そ れを実現する機構として、図 25に示す、エレベータを上下させてゥエーハを大気搬 送ロボットから真空搬送ロボットへ渡すためのエレベータ機構がある。以下、この機構 を用いてゥエーハを搬送する手順を説明する。 [0184] 図 25の(A)に示すように、ロードロック室の中に設けられたエレベータ機構は上下 方向に移動可能に設けられた複数段(図では 2段)の補正リング支持台を有する。上 段の補正リング支持台 181と下段の補正リング支持台 182とは、第 1のモータ 183の 回転によって昇降する第 1の台 184に固定され、これによつて、第 1のモータ 183の 回転により、第 1の台 184及び上下の補正リング支持台 181、 182が上方又は下方 に移動することになる。
[0185] 各補正リング支持台にはゥヱーハのサイズに応じた内径の補正リング 185が載置さ れている。補正リング 185は 200mmゥエーハ用と 300mmゥエーハ用との、内径が異 なる 2種類が用意され、これらの補正リングの外径は同じである。このように、同じ外径 の補正リングを用いることにより、相互互換性が生まれ、ロードロック室の中に 200m m用と 300mm用とを自由な組み合わせで載置しておくことが可能になる。つまり、 20 Ommゥエー八と 300mmゥエーハとが混合して流れてくるラインにっレ、ては、上段を 3 00mm用、下段を 200mm用とし、どちらのゥエーハが流れてきても検査を行えるよう 柔軟に対応することができる。また、同じサイズのゥエーハが流れてくるラインであれ ば、上下の段を 200mm用或いは 300mm用とし、上下の段のゥエーハを交互に検 查することができるので、スループットを向上させることができる。
[0186] 第 1の台 184には第 2のモータ 186が載置され、第 2のモータ 186には第 2の台 18 7が昇降可能に取り付けられている。第 2の台 187には上段のゥエーハ支持台 188と 下段のゥエーハ支持台 189とが固定されている。これにより、第 2のモータ 186が回 転すると、第 2の台 187と上下のゥエーハ支持台 188、 189とが一体に上方又は下方 に移動することになる。
[0187] そこで、図 25の(A)に示すように、ゥヱーハ Wを大気搬送ロボット 161のハンドに載 せてロードロック室 171に搬入し、次いで、(B)に示すように、第 2のモータ 186を第 1 の方向に回転させてゥヱーハ支持台 188、 189を上方に移動させ、ゥヱーハ Wを上 段のゥエーハ支持台 188の上に載置させる。これによつて、ゥエーハ Wを大気搬送口 ボット 161からゥエーハ支持台 188へ移す。その後、(C)に示すように大気搬送ロボッ ト 161を後退させ、大気搬送ロボット 161の後退が完了したところで、 (D)に示すよう に、第 2のモータ 186を第 1の方向とは逆の方向に回転させてゥヱーハ支持台 188、 189を下方へ移動させる。これによつてゥエーハ Wは上段の補正リング 185に設置さ れる。
[0188] 次いで、(E)に示すように、真空搬送ロボット 161のハンドをロードロック室 171の中 に入れて補正リング 185の下側で停止させる。この状態で第 1のモータ 183を回転さ せ、(F)に示すように、第 1の台 184、上下の補正リング支持台 181、 182、第 2のモ ータ 186及び上下のゥヱーハ支持台 188、 189を下方へ移動させ、これによつて、上 段のゥヱ一八支持台 188に載置されていた補正リング 185及びゥヱーハ Wを真空搬 送ロボット 161のハンドに載せ、試料室 167へ搬入することができる。
[0189] 試料室 167での検査が終了したゥヱーハをロードロック室 164へ戻す動作は、上記 とは逆の手順で行われ、補正リングと共に真空搬送ロボットによりゥヱ一八支持台の 上に搬入されたゥエーハは、補正リング支持台に、次いでゥエーハ支持台に移され、 最後に大気搬送ロボットに載置されることになる。なお、図 25においては、上段にお けるゥエーハ受け渡し動作を説明したが、大気搬送ロボット 161及び真空搬送ロボッ ト 166のハンドの高さを調整することにより、下段においても同様の動作が可能である 。このように大気搬送ロボット 161及び真空搬送ロボット 166のハンドの高さを適切に 切り換えることにより、一方の段から未検査のゥヱーハを試料室へ搬入し、次いで検 查済みのゥヱーハを試料室から他方の段へ搬出することを交互に行うことができる。
[0190] ローダー 67
ローダー 67 (図 6)は、ミニエンバイロメント装置 63のハウジング 80内に配置された ロボット式の第 1の搬送ユニット 78と、第 2のローデイングチャンバ 108内に配置され たロボット式の第 2の搬送ユニット 78'とを備えてレ、る。
[0191] 第 1の搬送ユニット 78は、駆動部 190に関して軸線〇 _〇の回りで回転可能にな
1 1
つている多節のアーム 191を有している。多節のアームとして任意の構造のものを使 用できるが、この実施形態では、互いに回動可能に取り付けられた三つの部分を有 してレ、る。第 1の搬送ユニット 78のアーム 191の一つの部分すなわち最も駆動部 190 側の第 1の部分は、駆動部 191内に設けられた汎用構造の駆動機構(図示せず)に より、回転可能な軸 192に取り付けられている。アーム 191は、軸 192により軸線 O
1
-0の回りで回動可能であると共に、部分間の相対回転により全体として軸線〇一 Oに関して半径方向に伸縮可能である。アーム 191の軸 192から最も離れた第 3の
1
部分の先端には、汎用構造の機械式チャック又は静電チャック等のゥエーハ把持用 の把持装置 194が設けられている。駆動部 190は、汎用構造の昇降機構 195により 上下方向に移動可能である。
[0192] この第 1の搬送ユニット 78において、カセットホルダ 10中に保持された二つのカセ ット cの内のいずれか一方の方向 Ml又は M2 (図 7)に向かって、アーム 191が伸び、 そして、カセット c内に収容されたゥエーハ Wをアームの上に載せるか又はアームの 先端に取り付けたチャック(図示せず)により把持して取り出す。その後、アームが縮 み(図 7に示した状態)、アームがプリアライナー 96の方向 M3に向かって伸長できる 位置まで回転して、その位置で停止する。するとアームが再び伸びてアームに保持さ れたゥヱーハ Wをプリアライナー 96に載せる。プリアライナー 96から前記と逆にしてゥ エーハを受け取った後、アームは更に回転し、第 1のローデイングチャンバ 107に向 力つて伸長できる位置(向き M4)で停止し、第 1のローデイングチャンバ 107内のゥェ ーハ受け 196にゥエーハを受け渡す。なお、機械的にゥエーハを把持する場合には 、ゥエーハの周縁部(周縁から約 5mmの範囲)を把持する。これは、ゥエーハには周 縁部を除いて全面にデバイス(回路配線)が形成されており、周縁部以外の部分を把 持すると、デバイスの破壊、欠陥の発生を生じさせるからである。
[0193] 第 2の搬送ユニット 78'も、第 1の搬送ユニット 78と構造が基本的に同じであり、ゥェ ーハ Wの搬送を、ゥエーハラック 124とステージ装置 66の載置面上との間で行う点で のみ相違する。
[0194] 第 1及び第 2の搬送ユニット 78、 78Ίま、カセットホルダに保持されたカセット cから ワーキングチャンバ 97内に配置されたステージ装置 66上への及びその逆のゥエー ハの搬送を、ゥエーハをほぼ水平状態に保ったままで行う。そして、搬送ユニット 78、 78'のアームが上下動するのは、単に、カセット cからのゥヱーハの取り出し及びそれ への揷入、ゥエーハラックへのゥヱ一八の載置及びそこからの取り出し、並びに、ステ ージ装置 66へのゥヱ一八の載置及びそこからの取り出しのときるだけである。したが つて、例えば直径 30cm等の大型のゥヱ一八であっても、その移動をスムースに行う こと力 Sできる。 [0195] ここで、上記構成を有する検査システム 1において、カセットホルダ 62に支持された カセット cからワーキングチャンバ 97内に配置されたステージ装置 66までへのゥエー ハの搬送を、順を追って説明する。
[0196] カセットホルダ 62は、前述のように人手によりカセットをセットする場合にはそれに適 した構造のものが、また自動的にカセットをセットする場合にはそれに適した構造のも のが使用される。この実施形態において、カセット cがカセットホルダ 62の昇降テープ ル 71の上にセットされると、昇降テーブル 71は昇降機構 72によって降下され、カセ ット cが出入り口 91に整合される。カセットが出入り口 91に整合されると、カセットじに 設けられたカバー(不図示)が開き、また、カセット cとミニエンバイロメント装置 63の出 入り口 91との間には、筒状の覆いが配置されて、カセット及びミニエンバイロメント空 間を、外部から遮断する。なお、ミニエンバイロメント装置 63側に出入り口 91を開閉 するシャツタ装置が設けられている場合には、そのシャツタ装置が動作して、出入り口 91を開く。
[0197] 一方、第 1の搬送ユニット 78のアーム 191は、方向 Ml又は M2のいずれかに向レヽ た状態(この説明では、 Mlの方向)で停止しており、出入り口 91力 S開くと、アームが 伸びてその先端でカセット cに収容されているゥヱーハのうち 1枚を受け取る。
[0198] アーム 191によるゥエーハの受け取りが完了すると、該アームは縮み、シャツタ装置 が動作して出入り口を閉じ (シャツタ装置がある場合)、次に、アーム 191は軸線〇―
1
Oの回りで回動し、方向 M3に向けて伸長できる状態となる。そして、アームが伸びて
1
先端に載せられ或いはチャックで把持されたゥエーハをプリアライナー 96の上に載 せ、該プリアライナーによって、ゥヱーハの回転方向の向き(ゥヱーハ平面に垂直な 中心軸線の回りの向き)を、所定の範囲内に位置決めする。位置決めが完了すると、 第 1の搬送ユニット 78は、アーム 191の先端にプリアライナー 96からゥヱーハを受け 取った後にアームを縮ませ、方向 M4に向けてアームを伸長できる姿勢になる。する と、シャツタ装置 119の扉 197力 S動レヽて出入り口 198、 115を開き、アーム 191力 申 びてゥエーハを第 1のローデイングチャンバ 107内のゥエーハラック 196の上段側又 は下段側に載せる。なお、シャツタ装置 119が開いてゥエーハラック 196にゥエーハ が受け渡される前に、仕切壁 121に形成された開口 199は、シャツタ装置 123の扉 1 22により気密状態に閉じられている。
[0199] 上記した第 1の搬送ユニット 78によるゥエーハの搬送過程において、ミニエンバイ口 メント装置 63のハウジング本体 84に設けられた気体供給ユニット 88からは清浄空気 が層流状に流れ (ダウンフローとして)、搬送途中で塵埃がゥエーハの上面に付着す るのを防止する。搬送ユニット周辺の空気の一部(この実施形態では、供給ユニット から供給される空気の約 20%で主に汚れた空気)は、排出装置 24の吸入ダクト 95 から吸引されて、ハウジング外に排出される。残りの空気は、ハウジング本体 84の底 部に設けられた回収ダクト 89を介して回収され、再び気体供給ユニット 88に戻される
[0200] ローダーハウジング 65の第 1のローデイングチャンバ 107内のゥエーハラック 196に 第 1の搬送ユニット 78によりゥエーハが載せられると、シャツタ装置 119が閉じて、ロー デイングチャンバ 107を密閉する。すると、該ローデイングチャンバ 107内には空気が 追い出されて不活性ガスが充填された後、その不活性ガスも排出されて、ローデイン グチャンバ 107内は真空雰囲気となる。ローデイングチャンバ 107の真空雰囲気は、 低真空度でよい。ローデイングチャンバ 107の真空度がある程度得られると、シャツタ 装置 123が動作して、扉 122で密閉していた出入り口 121を開き、次いで、第 2の搬 送ユニット 108のアーム 200が伸びて先端の把持装置でゥヱーハ受け 196から 1枚 のゥエーハを受け取る(先端の上に載せて或いは先端に取り付けられたチャックで把 持して)。ゥエーハの受け取りが完了するとアームが縮み、シャツタ装置 123が再び動 作して扉 122により出入り口 199を閉じる。なお、シャツタ装置 123が開く前に、ァー ム 200は予めゥエーハラック 196の方向 N1に向けて伸長できる姿勢になる。また、前 記のように、シャツタ装置 123が開く前に、シャツタ装置 120の扉 201により出入り口 1 16、 106を閉じて、第 2のローデイングチャンバ 108内とワーキングチャンバ 97内との 連通を阻止しており、かつ、第 2のローデイングチャンバ 108内は真空排気される。
[0201] シャツタ装置 123が出入り口 199を閉じると、第 2のローデイングチャンバ 108は再 度真空排気され、第 1のローデイングチャンバ 107よりも高真空度で真空にされる。そ の間に、第 2の搬送ユニット 78'のアームは、ワーキングチャンバ 97内のステージ装 置 66の方向に向いて伸長できる位置に回転される。一方ワーキングチャンバ 97内の ステージ装置 66では、 Yテーブル 202力 Xテーブル 203の中心線 X—Xが第 2の
0 0 搬送ユニット 7 の回動軸線 O —〇を通る X軸線 X -Xとほぼ一致する位置まで、
2 2 1 1
図 13で上方に移動し、また、 Xテーブル 203が図 2で最も左側の位置に接近する位 置まで移動し、この状態で待機している。第 2のローデイングチャンバ 108がヮーキン グチャンバ 97の真空状態と略同じになると、シャツタ装置 120の扉 201が動いて出入 り口 116、 106を開き、アームが伸びて、ゥエーハを保持したアームの先端がヮーキン グチャンバ 97内のステージ装置 66に接近する。そして、ステージ装置 66の載置面 1 30上にゥヱーハ Wを載置する。ゥヱーハの載置が完了するとアームが縮み、シャツタ 装置 120力出入り口 116、 106を閉じる。
[0202] 以上は、カセット c内のゥヱーハ Wをステージ装置 66の載置面 130上に搬送載置す るまでの動作に付いて説明した。検查処理が完了したゥヱーハ Wをステージ装置 66 力、らカセット cに戻すには、前述と逆の動作を行う。また、ゥエーハラック 196に複数の ゥエーハを載置しているため、第 2の搬送ユニット 78'がゥエーハラック 196とステージ 装置 66との間でゥエーハの搬送を行っている間に、第 1の搬送ユニットがカセット cと ゥエーハラック 196との間でゥエーハの搬送を行うことができる。したがって、検査処理 を効率良く行うことができる。
[0203] プレチャージユニット 69
プレチャージユニット 69は、図 6に示したように、ワーキングチャンバ 97内で電子光 学系 68の鏡筒 204に隣接して配設されている。本発明の検査システム 1では、ゥェ ーハに電子線を走査して照射することによってゥエーハ表面に形成されたデバイスパ ターン等を検査する形式の装置であるため、ゥエーハ材料、照射電子のエネルギ等 の条件によって、ゥヱーハ表面が帯電 (チャージアップ)することがある。更に、ゥヱー ハ表面でも強く帯電する箇所、弱い帯電箇所が生じる可能性がある。そして、電子線 の照射により生じる二次電子等の情報をゥヱーハ表面の情報としている力 ゥヱーハ 表面の帯電量にむらがあると、二次電子の情報もむらを含み、正確な画像を得ること ができない。
[0204] そこで、この実施形態では、帯電むらを防止するために、プレチャージユニット 69が 設けられている。該プレチャージユニット 69は荷電粒子照射部 205を含み、ゥヱーハ 上に検査のために一次電子を照射する前に、荷電粒子照射部 205から荷電粒子を 照射することにより、帯電むらを無くす。なお、ゥエーハ表面の帯電状態は、電子光学 系 68を用いて予めゥエーハ面の画像を形成し、その画像を評価することで検出する ことができ、そして、検出された帯電状態に基づいて、荷電粒子照射部 205からの荷 電粒子の照射を制御する。プレチャージユニット 69では、一次電子線をぼ力 て照 射してもよい。
[0205] ァライメント制御装置 70
ァライメント制御装置 70は、ステージ装置 66を用いてゥヱーハ Wを電子光学系 68 に対して位置決めさせる装置である。ァライメント制御装置 70は、光学顕微鏡 206 ( 図 6及び図 26)を用いた広視野観察によるゥエーハの概略位置合わせである低倍率 合わせ(電子光学系によるよりも倍率が低い位置合わせ)、電子光学系 68の電子光 学系を用いたゥエーハの高倍率合わせ、焦点調整、検査領域設定、パターンァライメ ント等の制御を行うようになっている。なお、このように低倍率でゥエーハを検査する のは、ゥエーハのパターンの検査を自動的に行うためには、電子線を用いた狭視野 でゥエーハのパターンを観察してゥエーハラィメントを行うときに、電子線によるァライ メントマークを容易に検出する必要があるからである。
[0206] 光学顕微鏡 206は、主ハウジング 64内に設けられている力 主ハウジング 64内で 移動可能に設けられてレ、てもよレ、。光学顕微鏡 206を動作させるための光源(不図 示)も主ハウジング 64内に設けられている。また高倍率の観察を行う電子光学系は、 電子光学系 68の電子光学系(一次光学系及び二次光学系)を共用するものである。
[0207] 図 26は、ァライメント制御装置 70の概略構成を示している。ゥエーハ W上の被観察 点を低倍率で観察するには、ステージ装置 66の Xステージ又は Yステージを動かす ことによって、ゥエーハの被観察点を光学顕微鏡の視野内に移動させる。光学顕微 鏡 206を用いて広視野でゥヱーハを視認し、そのゥヱーハ上の観察すべき位置を、 C CD207を介してモニタ 208に表示させ、観察位置すなわち被観察点の位置を、お およそ決定する。この場合、光学顕微鏡 206の倍率を低倍率から高倍率に徐々に変 化させていってもよレ、。
[0208] 次に、ステージ装置 66を電子光学系 68の光軸と光学顕微鏡 206の光軸との間隔 δ xに相当する距離だけ移動させることにより、光学顕微鏡 206を用いて予め決めた ゥエーハ上の被観察点を電子光学系 68の視野位置に移動させる。この場合、電子 光学系 68の軸線〇 〇と光学顕微鏡 871の光軸〇 〇との間の距離 (この実施
3 3 4 4
形態では、 X軸方向にのみ両者は位置ずれしているものとする力 Υ軸方向に位置 ずれしていてもよレ、) δ Xは予めわかっているので、その値 δ Xだけ移動させれば、被 観察点を視認位置に移動させることができる。電子光学系 70の視認位置への被観 察点の移動が完了した後、電子光学系により高倍率で被観察点を SEM撮像して画 像を記憶したり、モニタ 209に表示させる。
[0209] このようにして、電子光学系 68によって高倍率でゥエーハの観察点をモニタに表示 させた後、公知の方法により、ステージ装置 66の回転テーブル 128の回転中心に関 するゥエーハの回転方向の位置ずれ、すなわち電子光学系の光軸 Ο— Οに対する
3 3 ゥエーハの回転方向のずれ δ Θを検出し、また電子光学系 68に関する所定のバタ 一の X軸及び Υ軸方向の位置ずれを検出する。そして、その検出値並びに別途得ら れたゥエーハに設けられた検査マークのデータ、或いはゥヱーハのパターンの形状 等に関するデータに基づいて、ステージ装置 50の動作を制御してゥエーハのァライ メントを行う。以下、ァライメント手順について、より詳細に説明する。
[0210] ステージ上にロードされたゥエーハのダイの配置方向は、 TDIカメラのスキャン方向 と必ずしも一致しない(図 27参照)。これを一致させるために Θステージでゥエーハを 回転させる操作が必要となり、この操作をァライメントと呼ぶ(図 28)。ァライメントレシ ピではステージ上にロードされた後のァライメント実行条件が保存される。
[0211] なお、ァライメント実施時にダイの配列を示すダイマップ(図 29)が作成され、ダイマ ップレシピではダイサイズや(ダイの位置を示す起点となる)原点ダイの位置などが保 存される。
[0212] ァライメント (位置決め)手順としては、始めに光学顕微鏡の低倍にて粗い位置決め を行い、次いで光学顕微鏡の高倍により、最後に ΕΒ像により詳細な位置決めを行う
[0213] Α.光学顕微鏡を用いて低倍にて撮像
(1) <第1 , 2, 3サーチダイ指定及びテンプレート指定 > (1 1)第 1サーチダイ指定及びテンプレート指定
ゥエーハ下方に位置するダイの左下隅がカメラ中央付近に位置するようにユーザ操 作にてステージを移動し、位置決定後、パターンマッチ用テンプレート画像を取得す る。このダイが位置決めの基準となるダイであり、左下隅の座標が特徴点の座標とな る。今後、このテンプレート画像でパターンマッチングを行うことにより、基板上の任意 のダイの正確な位置座標を測定していく。このテンプレート画像には、サーチ領域内 でユニークなパターンとなるような画像を選択しなければならない。
[0214] なお、本実施形態では、左下隅をパターンマッチング用テンプレート画像取得位置 としたが、これに限られるものではなぐダイ内の任意の位置を特徴点として選択して よレ、。ただし、一般的には、ダイの内部や辺の上にある点よりも、隅の方が座標を特 定し易いので、四隅のいずれ力 ^選択するのが好適である。また同様に、本実施例 では、ゥヱーハ下方に位置するダイにっレ、てパターンマッチング用テンプレート画像 を取得したが、これもァライメントが行い易いように任意のダイを選択しても構わない のは当然である。
[0215] (1 - 2)第 2サーチダイ指定
第 1サーチダイの右隣のダイを第 2サーチダイとし、第 2サーチダイの左下隅がカメ ラ中央付近に位置するようにユーザ操作にてステージを移動し、位置決定後、上記( 1 1)で取得したテンプレート画像を用いて自動でパターンマッチを実行することに より、第 1サーチダイで指定したテンプレート画像と一致する第 2サーチダイのパター ンの厳密な座標値を取得する。
[0216] なお、本実施例では、第 1サーチダイの右隣のダイを第 2サーチダイとして例を挙げ て説明したが、本発明の第 2サーチダイはこれに限られるものではないことは勿論で ある。要は、正確な特徴点の位置座表を把握した基準点からの、行方向のダイの位 置関係をパターンマッチングにより正確に把握することができる点を選択すればよい のである。したがって、例えば、第 1サーチダイの左隣のダイを第 2サーチダイとする ことも可能である。
[0217] (1一 3)第 3サーチダイ指定
2サーチダイの上隣のダイを第 3サーチダイとし、第 3サーチダイの左下隅がカメ ラ中央付近に位置するようにユーザ操作にてステージを移動し、位置決定後、上記(
1 1)で取得したテンプレート画像を用いて自動でパターンマッチを実行することに より、第 1サーチダイで指定したテンプレート画像と一致する第 3サーチダイのパター ンの厳密な座標値を取得する。
[0218] なお、本実施例では、第 2サーチダイの上隣のダイを第 3サーチダイとして例を挙げ て説明したが、本発明の第 3サーチダイはこれに限られるものではないことは言うまで もなレ、。要は、特徴点の正確な座標を把握したダイを基準として、列方向のダイの特 定点の座標の距離を含めた位置関係を把握することができればよいのである。した がって、第 1サーチダイの上隣のダイも好適に代替適用可能である。
[0219] (2) <光顕低倍 Y方向パターンマッチング >
(2_ 1)第 2サーチダイのパターンマッチ座標(X2, Y2)と第 3サーチダイのパター ンマッチ座標 (Χ3, Y3)の関係より、上隣ダイのパターンへの移動量(dX, dY)を算 出する。
[0220] dX=X3 -X2
dY=Y3-Y2
(2— 2)算出した移動量 (dX, dY)を用い、第 1サーチダイの上隣のダイのパターン が存在する(と予想される)座標 (XN, YN)へステージを移動。
[0221] XN=Xl + dX
YN=Yl +dY
ただし、(XI , Y1)は、第 1サーチダイのパターンの座標
(2— 3)ステージ移動後、光顕低倍にて撮像し、テンプレート画像を用いてパターン マッチを実行することで、現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN)を取得 し、さらにダイの検出個数 (DN)の初期値として 1を設定する。
[0222] (2— 4)第 1サーチダイのパターン座標(Xl, Y1)力 現在撮像中のパターンの座 標 (XN, YN)への移動量 (dX, dY)を算出する。
[0223] dX=XN-Xl
dY=YN-Yl
(2_ 5)算出した移動量(dX, dY)の 2倍の移動量(2 * dX, 2 * dY)分だけ第 1サ ーチダイを起点としてステージを移動する。
[0224] (2— 6)ステージ移動後、光顕低倍にて撮像し、テンプレート画像を用いてパターン マッチを実行することで、現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN)を更新 し、ダイの検出個数を 2倍する。これについては図 30を参照。
[0225] (2_ 7)予め指定された Y座標値を超えるまでゥヱーハ上部へ向けて(2_4)〜(2 一 6)を繰り返し実行する。
[0226] なお、本実施形態では、精度を高めるため、及び処理回数 (繰り返し回数)を低減さ せ、処理時間を短縮するために、 2倍の移動量を繰り返す態様を例にとって説明した 、精度に問題がなぐ更に処理時間を短縮させたければ、 3倍、 4倍というように、 2 倍以上等の整数倍の高倍率で実行しても構わなレ、。また逆に、問題が無ければ、更 に精度を高めるために、固定移動量で移動を繰り返してもよい。これらいずれの場合 も、検出個数にもそれを反映させることは言うまでもない。
[0227] (3) <光顕低倍 Θ回転 >
(3— 1)第 1サーチダイのパターン座標 (XI, Y1)から最後にサーチしたダイのパタ ーンの厳密な座標値 (XN, YN)までの移動量及び、それまでに検出したダイの個数 (DN)を用レ、、回転量( Θ )及び Y方向ダイサイズ (YD)を算出する(図 31参照)。
[0228] dX=XN-Xl
dY=YN— Y1
Θ =tan—1 (dX/dY)
YD = ^ ( (dX) 2+ (dY) 2) /DN
(3— 2)算出した回転量( Θ )分だけ Θステージを回転させる。
[0229] B.光学顕微鏡を用いて高倍にて撮像
(1)光顕低倍の(1)と同様の手順を光顕高倍像を用いて実行する。
[0230] (2)光顕低倍の(2)と同様の手順を光顕高倍像を用いて実行する。
[0231] (3)光顕低倍の(3)と同様の手順を実行する。
[0232] (4) <光顕高倍 Θ回転後の許容値チェック >
(4- 1) [第 1サーチダイ、光顕高倍のテンプレート指定]
回転後の第 1サーチダイの座標 (X' l , Y' l)を回転前座標 (Xl, Y1)及び回転 量( θ )から算出し、座標 (Χ' 1 , Υ' 1)へステージを移動、位置決定後、パターンマツ チ用テンプレート画像を取得
X' l = X氺 cos Θ— y氺 sin Θ
1 1
Y' 1 =x * sin θ + ν * cos θ
1 1
(4一 2)光顕高倍 Υ方向パターンマッチング
回転後の第 1サーチダイの座標(X' l, Y' l)から dYだけ Υ方向へ移動し、パター ンマッチを実行することで現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN)を取得 する。
[0233] (4— 3)回転後の第 1サーチダイの座標 (X' l , Y' 1)から現在撮像中のパターンの 座標
(XN, YN)への移動量(dX, dY)を算出する。
[0234] dX=XN-X' l
dY=YN-Y' l
(4 4)算出した移動量(dX, dY)の 2倍の移動量(2 * dX, 2 * (1丫)分だけ第1サ ーチダイを起点としてステージを移動する。
[0235] (4 5)ステージ移動後、光顕高倍にて撮像し、テンプレート画像を用いてパターン マッチを実行することで、現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN)を更新 する。
[0236] (4 6)予め指定された Y座標値を超えるまでゥエーハ上部へ向けて(4 3)〜(4
5)を繰り返し実行する。
[0237] (4- 7) Θの回転量を算出
回転後の第 1サーチダイの座標 (X' 1, Y' 1)から最後にサーチしたダイのパターン の厳密な座標値 (XN, YN)までの移動量を用レ、、回転量( Θ )を算出する。
[0238] dX=XN-Xl
dY=YN-Yl
Θ =tan— ' (dX/dY)
(4一 8)光顕高倍 Θ許容値チェック
(4_ 7)にて算出した回転量( Θ )が既定値以下に収まっていることを確認する。収 まっていない場合は、算出した回転量(Θ )を用いて Θステージ回転後、再度(4—1) 〜(4一 8)を実行する。ただし、規定回数繰り返して (4一:!)〜(4一 8)を実行しても許 容範囲内に収まらなレ、場合は、エラー扱いとして処理を中断する。
[0239] C. EB像によるァライメント
(1) <Yサーチ第 1ダイ、 ΕΒのテンプレート指定 >
光顕高倍の(1)と同様の手順を ΕΒ像を用いて実行する。
(2) < ΕΒ Υ方向パターンマッチング >
光顕高倍の(2)と同様の手順を ΕΒ像を用いて実行する。
(3) < ΕΒ Θ回転 >
光顕高倍の(3)と同様の手順を ΕΒ像を用いて実行する。
(4) < ΕΒ Θ回転後の許容値チェック >
光顕高倍の (4)と同様の手順を ΕΒ像を用いて実行する。
(5)必要に応じ、高倍率の ΕΒ像を用いて(1)〜(4)を実行する
(6)第 1サーチダイの座標 (XI , Y1)と第 2サーチダイの座標 (Χ2, Υ2)より、 X方向 ダイサイズ (XD)の概略値を算出する
dX=X2-Xl
dY=Y2— Y1
XD = ^ ( (dX) 2+ (dY) 2)
D.ダイマップレシピ作成
(1) <Xサーチ第 1ダイ、 EBのテンプレート指定 >
ゥエーハ左端に位置するダイの左下隅力 STDIカメラ中央付近に位置するようにユー ザ操作にてステージを移動し、位置決定後、パターンマッチ用テンプレート画像を取 得。このテンプレート画像には、サーチ領域内でユニークなパターンとなるような画像 を選択しなければならない。
[0240] (2) < EB X方向パターンマッチング >
(2— 1) X方向ダイサイズ概略値 (XD)を用レ、、 Xサーチ第 1ダイの右隣のダイのパ ターンが存在する(と予想される)座標 (XI +XD, Y1)へステージを移動。
[0241] (2— 2)ステージ移動後、 TDIカメラにて EB像を撮像し、テンプレート画像を用いて パターンマッチを実行することで現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN) を取得し、さらにダイの検出個数 (DN)の初期値として 1を設定する。
[0242] (2— 3) Xサーチ第 1ダイのパターン座標 (XI , Y1)から現在撮像中のパターンの
M (XN, YN)への移動量 (dX, dY)を算出する。
[0243] dX=XN-Xl
dY=YN-Yl
(2— 4)算出した移動量(dX, dY)の 2倍の移動量(2 * dX, 2 * dY)分だけ Xサー チ第 1ダイを起点としてステージを移動する
(2— 5)ステージ移動後、 TDIカメラにて EB像を撮像し、テンプレート画像を用いて パターンマッチを実行することで、現在観察中のパターンの厳密な座標値 (XN, YN )を更新し、ダイの検出個数を 2倍する。
[0244] (2 _ 6)予め指定された X座標値を超えるまでゥエーハ右方向へ(2 _ 3)〜(2 _ 5) を繰り返し実行する。
[0245] (3) <X方向傾きを算出 >
Xサーチ第 1ダイのパターン座標 (XI , Y1)から最後にサーチしたダイのパターン の厳密な座標値 (XN, YN)までの移動量及び、それまでに検出したダイの個数 (D N)を用い、ステージ直行誤差( Φ )及び X方向ダイサイズ (XD)を算出する。
[0246] dX=XN-Xl
dY=YN— Y1
Φ =ΐ η— ' (dY/dX)
XD = ^ ( (dX) 2+ (dY) /DN
(4) <ダイマップ作成 >
このように、 X方向ダイサイズ (XD)を求め、予め回転量( Θ )を算出した際に求めた Y方向ダイサイズ (YD)と合わせてダイマップ (理想上のダイの配置情報)を作成する 。ダイマップにより、ダイの理想上の配置が分かる。一方、異いっさいの基板上のダイ は例えばステージの機械的誤差 (ガイド等の部品や組み付けの誤差)、干渉計の誤 差 (例えばミラー等の組み付けの問題による)やチャージアップによる像の歪みの影 響を受け、必ずしも利用的な配置には観察することができない場合があるが、この実 際のダイの位置とダイマップ上の理想上の配置との誤差を把握し、この誤差を考慮し これを自動補正しながら、検査を行ってレ、くようにする。
[0247] E.フォーカスレシピ作成手順
次に、フォーカスレシピの作成手順について説明する。フォーカスレシピは、基板 等の試料の平面上の印の位置における最適なフォーカス位置、若しくはフォーカス 位置に関する諸条件の情報を表等の所定の形式で記憶したものである。フォーカス マップレシピではゥヱーハ上の指定位置のみフォーカス条件が設定され、指定位置 間のフォーカス値は、直線補完される(図 32参照)。フォーカスレシピ作成手順は次 のとおり。
[0248] (1)フォーカス測定対象ダイをダイマップから選択する
(2)ダイ内でのフォーカス測定点を設定する
(3)各測定点へステージを移動させ、画像及びコントラスト値を基に、フォーカス値( CL12電圧)の調整を手動で行う。
[0249] ァライメント処理にて作成したダイマップは、ゥエーハの両端のダイ座標より算出した 理想的な位置情報であり、様々な要因によりダイマップ上のダイ位置と実際のダイ位 置には誤差が生じる。 (図 33参照)この誤差分を吸収するためのパラメータを作成す る手順をファインァライメントと呼び、ファインァライメントレシピには、ダイマップ(理想 上のダイ配置情報)と実際のダイの位置との誤差情報が保存される。ここで設定され た情報は、欠陥検査時に使用される。ファインァライメントレシピではダイマップ上で 指定されたダイのみ誤差が測定され、指定ダイ間の誤差は、直線補完される。
[0250] F.ファインァライメント手順
(1)ファインァライメント用誤差測定対象ダイをダイマップ力 指定する
(2)誤差測定対象ダイより基準ダイを選択し、このダイの位置をダイマップとの誤差が ゼロの点とする
(3)基準ダイの左下隅を TDIカメラで撮像し、パターンマッチ用テンプレート画像を取 得する(ただし、サーチ領域内でユニークなパターンをテンプレート画像として選択す る)
(4)近隣の誤差測定対象ダイの左下の(ダイマップ上での)座標 (XO, Y0)を取得し 、ステージを移動させる。移動後、 TDIカメラで撮像し、(3)のテンプレート画像を用 レ、てパターンマッチを実行することで、厳密な座標値 (X, Y)を取得する。
(5)パターンマッチで取得した座標値 (X, Y)とダイマップ上の座標値 (XO, Y0)の 誤差を保存
(6)全ての誤差測定対象ダイにっレ、て (4)〜(5)を実行する。
[0251] さらに、本発明に係る電子線装置すなわち電子光学系 70によって得られたデータ を処理して画像データを取得し、得られた画像データに基づいて半導体ゥヱーハ上 の欠陥を検出する欠陥検出について説明する。なお、一般に、電子線を用いた検査 装置すなわち電子光学系 68は、高価であり、またスループットも他のプロセス装置に 比べて低い。そのため、現状では最も検査が必要と考えられている重要な工程 (例え ばエッチング、成膜、又は CMP (化学機械研磨)平坦ィ匕処理等)の後に、また、配線 工程ではより微細な配線工程部分、すなわち配線工程の 1から 2工程、及び前工程 のゲート配線工程等に利用されている。特に、デザインノレールが lOOnm以下、即ち , lOOnm以下の線幅を有する配線や直径 lOOnm以下のビアホール等の形状欠陥 や電気的欠陥を見つけてプロセスにフィードバックすることが重要である。
[0252] 上記したように、検査されるゥエーハは大気搬送系及び真空搬送系を通して、超精 密のステージ装置 (X—Yステージ) 66上に位置合わせ後、静電チャック機構等によ り固定される。そして、欠陥検査工程では、光学顕微鏡により、必要に応じて各ダイ の位置確認や、各場所の高さ検出が行われ、記憶される。光学顕微鏡は、この他に 欠陥等の見たい所の光学顕微鏡像を取得し、電子線像との比較等にも使用される。 次に電子光学系の条件設定を行い、電子線像を用いて、光学顕微鏡で設定された 情報の修正を行レ、、精度を向上させる。
[0253] 次いで、ゥヱーハの種類(どの工程後か、ゥヱ一八のサイズは 200mmか 300mmか 等)に応じたレシピの情報を装置に入力し、以下、検査場所の指定、電子光学系の 設定、検查条件の設定等を行った後、画像取得を行いながら通常はリアルタイムで 欠陥検查を行う。セル同士の比較、ダイ比較等が、アルゴリズムを備えた高速の情報 処理システムにより検査が行われ、必要に応じて CRT等に結果を出力や、メモリへ記 憶を行う。 [0254] 欠陥検査の基本的流れを、図 34に示す。まずァライメント動作 211を含んだゥエー ハ搬送の後、検査に関係する条件等を設定したレシピを作成する(212)。レシピは 被検査ゥエーハに最低 1種類は必要である力 複数の検査条件に対応するために、 夂の被検查ゥヱ一八に対して、複数のレシピが存在する場合もある。また同一パタ 一ンの被検查ゥヱーハが複数枚ある場合、一種類のレシピで複数のゥヱーハを検查 する場合もある。図 34の経路 213は、この様に過去に作成されたレシピで検查する 場合、検查動作直前にレシピの作成が不要であることを示してレ、る。
[0255] 図 34において、検查動作 214は、レシピに記載された条件、シーケンスに従い、ゥ エーハの検査を行う。欠陥抽出は、検査動作中に欠陥を発見する度に即時行われ、 以下の動作をほぼ並列的に実行する。
•欠陥分類(215)を行い、結果出力ファイルに抽出欠陥情報と欠陥分類情報を追加 する動作
•抽出欠陥画像を画像専用結果出力ファイルもしくはファイルに追加する動作 •抽出欠陥の位置などの欠陥情報を操作画面上に表示する動作
被検査ゥエーハ単位で検査が終了すると、次いで、以下の動作をほぼ並列的に実 行する。
•結果出力ファイルをクローズして保存する動作
•外部からの通信が検査結果を要求する場合、検査結果を送る動作
•ゥエーハを排出する動作。
[0256] 連続的にゥエーハを検査する設定がなされている場合、次の被検査ゥエーハを搬 送して、前記一連の動作を繰り返す。
[0257] 図 34におけるレシピ作成においては、検査に関係する条件等の設定ファイルから なるレシピを作成する。該レシピは、保存することも可能であり、該レシピを使用して、 検査時もしくは検査前に条件設定を行う。レシピに記載された検査に関係する条件 は、例えば、以下の事項を含んでいる。
•検査対象ダイ
•ダイ内部検查領域
'検查アルゴリズム •検出条件 (検査感度等、欠陥抽出に必要な条件)
•観察条件 (倍率、レンズ電圧、ステージ速度、検査順序等、観察に必要な条件)。
[0258] 上記した検査条件の内、検査対象ダイの設定は、図 35に示すような操作画面に表 示されたダイマップ画面に対して、検查するダイをオペレータが指定する。図 35の例 では、ゥエー八端面のダイ 1と前工程で明らかに不良と判定されたダイ 2をグレイァゥ トして検査対象から削除し、残りを検查対象ダイとしている。また、ゥエー八端面から の距離や前工程で検出されたダイの良否情報をもとに、 自動的に検査ダイを指定す る機能も有している。
[0259] また、ダイ内部の検查領域の設定は、図 36に示される様に操作画面に表示された ダイ内部検査領域設定画面に対して、検査領域をオペレータが光学顕微鏡もしくは EB顕微鏡により取得した画像をもとに、マウス等の入力機器で指定する。図 36の例 では、実線で示した領域 221と破線で示した領域 222を設定している。
[0260] 領域 221は、ダイのほぼ全体を設定領域としている。この場合、検査アルゴリズムは 、隣接ダイ比較法とし、この領域に対する検出条件、観察条件の詳細は、別に設定 する。領域 222は、検査アルゴリズムをアレイ検査としこの領域に対する検出条件及 び観察条件の詳細は、別に設定する。すなわち複数の検査領域の設定が可能でか つ、検査領域は、それぞれ独自の検査アルゴリズムや検査感度を条件設定できる。 また、検査領域は重ね合わせる事も可能で、同じ領域に対して、異なる検査アルゴリ ズムを同時に処理することも可能である。
[0261] 図 34の検査動作 214においては、図 37に示すように、被検查ゥエーハを走査幅に 細分化して走査する。走査幅は、ほぼラインセンサの長さで決まる力 ラインセンサの 端部が少し重なる様に設定してある。これは、検出した欠陥を最終的に統合処理す る場合に、ライン間の連続性を判断する為や比較検查を行う際に画像ァライメントす るための余裕を確保するためである。その重ね量は、 2048ドットのラインセンサに対 して 16ドット程度である。
[0262] 走查方向及びシーケンスを、模式的に図 38に示す。すなわち、検查時間短縮のた めに双方向動作 (A動作)や、機械制限からの単方向動作 (B動作)などが、オペレー タより選択できる構成になっている。また、レシピの検查対象ダイ設定を元に、走查量 を減らす動作を自動演算して検査する機能も有している。図 39の (A)は検査ダイが 1個のみの場合の走査例であり、不要な走査は行わない。
[0263] レシピによって設定される検査アルゴリズムは、セル検査(アレイ検査)とダイ検査( ランダム検查)に大別すること力 Sできる。
[0264] 図 39の(B)に示すように、ダイは、主にメモリに用いられる周期構造をしたセル部 2 31と、周期構造を取らないランダム部 232とに分けられる。周期構造をしたセル部 23 1は、比較対象が同じダイの中に複数個あるので、セル検查、すなわち同じダイの中 のセル同士で比較を行うことによって検查可能である。一方、ランダム部 232は、同じ ダイの中に比較対象がないので、ダイ検查によってダイ同士の比較を行う必要がある
[0265] ダイ検查は、比較対象により、さらに以下にように区分される。
•隣接ダイ比較法(Die_to-Die検查)
•基準ダイ比較法(Die-to- Any Die検査)
•CADデータ比較法(Cad Data-to-Any Die検査)
一般にゴールデンテンプレート方式と呼ばれる方式は、基準ダイ比較法及び CAD データ比較法であり、基準ダイ比較法においては、参照ダイをゴールデンテンプレー トとし、 CADデータ比較法おいては、 CADデータをゴールデンテンプレートとする。 以下、各検査アルゴリズムの動作を述べる。
[0266] セル検杳(アレイ検杳)
セル検査は、周期構造の検査に適用される。 DRAMセルなどはその一例である。
[0267] 検査は、参照とする参照画像と被検査画像の比較を行い、その差分を欠陥として 抽出する。参照画像と被検査画像は、二値化画像でも検出精度を向上するため多 値画像でも構わない。
[0268] 欠陥は、参照画像と被検查画像の差分そのものでも良いが、検出した差分の差分 量や差分のある画素の合計面積などの差分情報を元にして、誤検出を防ぐための 2 次的な判定を行っても良い。
[0269] セル検查においては、参照画像と被検查画像の比較は構造周期単位で行われる 。すなわち CCDなどで一括取得した画像を読み出しながら 1構造周期単位で比較し ても良いし、参照画像力 ¾個の構造周期単位であれば、 n個の構造周期単位を同時 に比較できる。
[0270] 参照画像の生成方法の一例を図 40に示す、ここでは 1構造周期単位で比較する 例を述べるので 1構造周期単位生成を表す。同じ方法で周期数を nにする事も可能 である。
[0271] 前提として図 40での検查方向は Aである。また周期 4を被検查周期とする。周期の 大きさはオペレータが画像を見ながら入力するので、図 40において周期 1〜6は容 易に認識できる。
[0272] 参照周期画像は、各画素において被検査周期直前の周期:!〜 3を加算し平均して 生成する。:!〜 3いずれかに欠陥が存在しても平均処理されるので影響は少なレ、。こ の形成された参照周期画像と被検査周期画像 4を比較して欠陥の抽出を行う。
[0273] 次に被検査周期画像 5を検査する場合、周期 2〜4を加算平均して参照周期画像 を生成する。以下同様に被検査周期画像取得以前に得た画像より、被検査周期画 像を生成して検査を連続させる。
[0274] ダイ検杳(ランダム検杳)
ダイ検査は、ダイの構造に制限されず適用できる。検査は、参照となる参照画像と 被検査画像の比較を行い、その差分を欠陥として抽出する。参照画像と被検査画像 は、二値化画像でも検出精度を向上するため多値画像でも構わない。欠陥は、参照 画像と被検査画像の差分そのものでも良いが、検出した差分の差分量や差分のある 画素の合計面積などの差分情報を元にして、誤検出を防ぐため 2次的な判定を行つ ても良い。ダイ検査は参照画像の求め方で分類することができる。以下に、ダイ検査 に含まれる隣接ダイ比較法、基準ダイ比較検查法、及び CADデータ比較法につい て動作を説明する。
[0275] A. P 接ダイ比較法(Die-Die検查)
参照画像は、被検查画像と隣接したダイである。被検查画像に隣り合った 2つのダ ィと比較して欠陥を判断する。すなわち図 41及び図 42において、画像処理装置のメ モリ 241とメモリ 242がカメラ 243からの経路 244に接続するようスィッチ 245、 246を 設定した状況で、以下のステップを有する。 [0276] a)走査方向 Sに従いダイ画像 1を経路 244からメモリ 241に格納するステップ。
[0277] b)ダイ画像 2を経路 244からメモリ 242に格納するステップ。
[0278] c)上記 b)と同時に経路 247からダイ画像 2を取得しながら、取得したダイ画像 2とダ ィにおける相対位置が同じであるメモリ 241に格納された画像データを比較して差分 を求めるステップ。
[0279] d)上記 c)の差分を保存するステップ。
[0280] e)ダイ画像 3を経路 244力 メモリ 241に格納するステップ。
[0281] f)上記 e)と同時に経路 247からダイ画像 3を取得しながら、取得したダイ画像 3とダ ィにおける相対位置が同じであるメモリ 242に格納された画像データを比較して差分 を求めるステップ。
[0282] g)上記 f )の差分を保存するステップ。
[0283] h)上記 d)と g)で保存された結果より、ダイ画像 2の欠陥を判定するステップ。
[0284] i)以下連続したダイにぉレ、て a)力 h)を繰り返すステップ。
[0285] 設定によって、上記 c)、 f)におレ、て差分を求める前に、比較する 2つの画像の位置 ァライメント:位置差が無くなる様に補正する。または濃度ァライメント:濃度差が無く なる様に補正する。もしくはその両方の処理を行う場合がある。
[0286] B.基準ダイ比較法(Die-Any Die検査)
オペレータにより基準ダイを指定する。基準ダイはゥエーハ上に存在するダイもしく は、検査以前に保存してあるダイ画像であり、まず基準ダイを走査もしくは転送して画 像をメモリに保存、参照画像とする。すなわち図 42と図 43を参照して以下に説明す るステップを実行する。
[0287] a)オペレータが基準ダイを、被検查ゥヱ一八のダイより、もしくは検查以前に保存し てあるダイ画像より選択するステップ。
[0288] b)基準ダイが被検查ゥエーハに存在する場合、画像処理装置のメモリ 241もしくは メモリ 242の少なくとも一方がカメラ 243からの経路 244に接続するようにスィッチ 245
、スィッチ 246を設定するステップ。
[0289] c)基準ダイが検查以前に保存してあるダイ画像の場合、画像処理装置のメモリ 24
1もしくはメモリ 242の少なくとも一方がダイ画像である参照画像を保存してあるメモリ 248からの経路 249に接続するようにスィッチ 245、 246を設定するステップ。
[0290] d)基準ダイが被検查ゥエーハに存在する場合、基準ダイを走査して、基準ダイ画像 である参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ。
[0291] e)基準ダイが検査以前に保存してあるダイ画像の場合、走査を必要とせず、基準 ダイ画像である参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ。
[0292] f)被検查画像を順次走査して得られる画像と、基準ダイ画像である参照画像を転 送されたメモリの画像と、ダイにおける相対位置が同じである画像データを比較して 差分を求めるステップ。
[0293] g)上記 f )で得られた差分より欠陥を判定するステップ。
[0294] h)以下連続して図 50で示すように基準ダイの走查位置と被検查ダイのダイ原点に 対して同じ部分をゥエーハ全体について検査し、ダイ全体を検査するまで基準ダイの 走查位置を変更しながら上記 d)から g)を繰り返すステップ。
[0295] 設定によって、上記 f)におレ、て差分を求める前に、比較する 2つの画像の位置ァラ ィメント:位置差が無くなる様に補正する。もしくは濃度ァライメント:濃度差が無くなる 様に補正する。もしくはその両方の処理を行う場合がある。上記 d)もしくは e)におい て画像処理装置のメモリに蓄えられる基準ダイ画像は、基準ダイ全てでも良いし、基 準ダイの一部として更新しながら検査しても良い。
[0296] C. CADデータ比較法(CAD Data-Any Die検査)
CADによる半導体パターン設計工程の出力である CADデータより参照画像を作 成し基準画像とする。基準画像はダイ全体もしくは検査部分を含んだ部分的な物で も良い。また、この CADデータは、通常べクタデータであり、走査動作によって得られ る画像データと等価なラスタデータに変換しないと参照画像として使用出来ない。こ の様に CADデータ加工作業に関して、以下の変換がなされる。
[0297] a) CADデータであるべクタデータをラスタデータに変換する。
[0298] b)上記 a)は、検查時に被検查ダイを走査して得られる画像走查幅の単位で行う。
[0299] c)上記 b)は、被検查ダイを走査して得る予定の画像とダイにおける相対位置が同 じである画像データを変換する。
[0300] d)上記 c)は、検查走査と、変換作業をオーバラップして行う。 [0301] 上記の a)〜d)は高速化のために画像走査幅単位の変換を行う例である力 変換 単位を画像走査幅に固定しなくても検査は可能である。
[0302] また、ベクタデータをラスタデータに変換する作業に付加機能として、以下の少なく とも 1つを有する。
[0303] a)ラスタデータの多値化機能
b)上記 a)に関し、多値化の、階調重み、オフセットを検査装置の感度を鑑みて設 定する機能
c)ベクタデータをラスタデータに変換した後で、膨張、収縮など画素を加工する画 像処理を行う機能。
[0304] 図 42の装置において実行される、 CADデータ比較法による検查ステップを示す。
[0305] a)計算機 1で CADデータをラスタデータに変換しかつ上記付加機能で参照画像を 生成してメモリ 248に保存するステップ。
[0306] b)画像処理装置のメモリ 241もしくはメモリ 242の少なくとも一方がメモリ 248からの 経路 249に接続するようにスィッチ 245、 246を設定するステップ。
[0307] c)メモリ 248の参照画像を画像処理装置のメモリに転送するステップ。
[0308] d)被検査画像を順次走査して得られる画像と、参照画像が転送されたメモリの画像 と、ダイにおける相対位置が同じである画像データを比較して差分を求めるステップ
[0309] e)上記 d)で得られた差分より欠陥を判定するステップ。
[0310] f)以下連続して図 44で示すように基準ダイの走査位置を参照画像とし被検査ダイ の同じ部分をゥエーハ全体検査し、ダイ全体を検査するまで基準ダイの走査位置を 変更しながら上記 a)から e)を繰り返すステップ。
[0311] 設定によって、上記 d)において差分を求める前に、比較する 2つの画像の位置ァラ ィメント、すなわち位置差が無くなる様に補正する。もしくは、濃度ァライメント、すなわ ち濃度差が無くなる様に補正する。もしくはその両方の処理を行う場合がある。また、 c)において画像処理装置のメモリに蓄えられる基準ダイ画像は、基準ダイ全てでも 良いし、基準ダイの一部として更新しながら検査しても良い。
[0312] これまで、周期構造を検查するアレイ検查(セル検查)とランダム検査とのァルゴリズ ムを説明してきたが、セル検査とダイ検査を同時に行うことも可能である。つまり、セル 部とランダム部とを分けて処理し、セル部ではダイ内でセル同士の比較を行うと同時 に、ランダム部では、隣接するダイ、基準ダイ又は CADデータとの比較を行っていく 。このようにすると、検查時間を大幅に短縮でき、スループットが向上する。
[0313] なお、この場合には、セル部の検查回路は別々に独立して備えるのが好適である。
また、同時に検查を行わないのであれば、 1つの検查回路を有し、セル検查用とラン ダム検查用のソフトを切換可能に設定しておき、ソフトの切換で比較検查を実行する ことも可能である。つまり、パターンの検查を複数の処理のアルゴリズムを適用して処 理する場合には、それらのアルゴリズムは別回路を用意して同時に処理してもよいし 、それらに対応するアルゴリズムを設けて 1つの回路で切り換えて処理するようにして もよレ、。いずれにせよ、セル部の類型が複数であり、それらは各々のセル同士で比較 を行い更にランダム部についてダイ同士又はダイと CADデータで皮革を行うような場 合にも、適用可能である。
[0314] フォーカス機能の基本的流れを、図 45に示す。まずァライメント動作を含んだゥェ ーハ搬送の後、検査に関係する条件等を設定したレシピを作成する。このレシピの 1 つとしてフォーカスマップレシピがあり、ここで設定されたフォーカス情報に従い、検 查動作及びレビュー動作時にオートフォーカスが行われる。以下、フォーカスマップ レシピの作成手順及びオートフォーカスの動作手順を説明する。
[0315] フォーカスマップレシピは、以下の例においては独立的な入力画面を有しており、 オペレータが次のステップを実行することによりフォーカスレシピを作成する。このよう な入力画面を、別の目的で設けられた入力画面に付加してもよい。
[0316] a)フォーカス値を入力するダイ位置やダイの中のパターン等、フォーカスマップ座 標を入力するステップ。図 46のスィッチ 251。
[0317] b)フォーカス値を自動測定する場合に必要な、ダイパターンを設定するステップ。
このステップはフォーカス値を自動測定しなレ、場合、スキップできる。
[0318] c)上記 a)で決められたフォーカスマップ座標のベストフォーカス値を設定する、ス テツプ。
[0319] この中で、 a)のステップではオペレータが任意のダイを指定する事もできる力 全て のダイの選択や、 n個毎のダイの選択などの設定も可能である。また入力画面はゥェ ーハ内のダイ配列を模式的に表現した図でも、実画像を使った画像でもオペレータ が選択できる。
[0320] この中で、 c)のステップではオペレータがマニュアルでフォーカス用電極の電圧値 に連動したフォーカススィッチ 252で設定するモード(図 46のスィッチ 253)。 自動的 にフォーカス値を求めるモードモード(図 46のスィッチ 254)で選択'設定する。
[0321] 上記 c)のステップで自動的にフォーカス値を求める手順は、例えば図 47において a)フォーカス位置 Z= 1の画像を求めそのコントラストを計算する。
[0322] b)上記 a)を Z = 2, 3, 4でも行う。
[0323] c)上記 a)、 b)で得られたコントラスト値から回帰させコントラスト関数を求める(図 48 )
d)コントラスト関数の最大値を得る Zを計算で求め、これをべストフォーカス値とする
[0324] 例えば、フォーカス値を自動測定する場合に必要なダイパターンは図 48の様なラ イン &スペースが選択された場合、良い結果を示すが、コントラストは白黒パターンが あれば形状によらず計測できる。
[0325] a)から d)を行うことで 1点のベストフォーカス値が求まる。この時のデータ形式は(X , Y, Z) X、 Y:フォーカスを求めた座標、 Z :ベストフォーカス値のセットであり、フォ 一カスマップレシピで決められたフォーカスマップ座標数(X, Y, Z)が存在すること になる。これをフォーカスマップレシピの一部でフォーカスマップファイルと呼ぶ。
[0326] フォーカスマップレシピから、画像を取得する検査動作、レビュー動作時にフォー力 スをベストフォーカスに設定する方法は次のステップでなされる。
[0327] a)フォーカスマップレシピの作成時に作成されたフォーカスマップファイル 1を元に 位置情報をさらに細分化して、この時のベストフォーカスを計算で求め細分化したフ オーカスマップファイル 2を作成する。
[0328] b)上記 a)の計算は、補間関数で行う。
[0329] c)上記 b)の補間関数は、リニア補間やスプライン補間等でフォーカスマップレシピ の作成時にオペレータにより指定される。 [0330] d)ステージの XY位置を監視して、現在の ΧΥ位置に適したフォーカスマップフアイ ル 2に記載されたフォーカス値にフォーカス用電極の電圧を変更する。
[0331] さらに具体的に説明すると、図 49において、黒丸がフォーカスマップファイル 1のフ オーカス値、白丸がフォーカスマップフアイノレ 2のフォーカス値である。
1.フォーカスマップフアイノレのフォーカスィ直の間をフォーカスマップフアイノレのフォー カス値でネ甫間している。
2.走査に従いフォーカス位置 Ζを変化させべストフォーカスを維持している。この時 フォーカスマップファイル(白丸)の間は、次の変更する位置まで値が保持されている
[0332] 図 50は、本発明に係る電子線装置を使用した半導体製造プラントの例を示す。図
50において、電子線装置は参照番号 261で示されており、該装置で検査されるゥェ ーハのロット番号、製造に経由した製造装置履歴等の情報は、 SMIFまたは FOUP 262に備えられたメモリから読み出されるカ または、そのロット番号を、 SMIF、 FO UP262又はゥエーハカセットの ID番号を読み取ることにより、認識できるようになって いる。ゥエーハの搬送中は、水分の量をコントロールしてメタル配線の酸化等を防止 している。
[0333] 欠陥検査装置 261の欠陥検出制御用の PC263は、生産ラインの情報通信ネットヮ ーク 264に接続されており、このネットワーク 264を介して、生産ラインを制御している 生産ラインコントロールコンピュータ 265、各製造装置 266、及び別の検査システムに 、被検査物であるゥエーハのロット番号などの情報とその検査結果を送ることができる 。製造装置 266には、リソグラフィー関連装置例えば露光装置、コーター、キュア装 置、デベロツバ等、又は、エッチング装置、スパッタ装置及び CVD装置などの成膜装 置、 CMP装置、各種計測装置、他の検査装置等が含まれる。
[0334] 図 51は、本発明に係る電子線装置の第 4の実施形態の全体を示す図である。この 図により本発明を説明する。
[0335] 電子銃 271は、電子放出能を有するランタンへキサボライド(以下、 LaB6という)に より構成される力ソードと、電極が光軸と直角なゥェ」ネルト電極、及びアノードから構 成されている。力ソードを空間電荷制御領域で動作させることにより、ショット雑音を低 減させて使用することができる。
[0336] 電子銃から放出された電子線は ·電磁レンズで構成されるコンデンサーレンズ 272 で集束され、成形開口 273より電子銃側の点に、クロスオーバを形成する。クロスォ ーバから発散した電子線は、成形開口 273を一様な強度で照射することができる。こ の照射強度が小さ過ぎる場合には、クロスオーバ像を成形開口 273側に近づけるこ とにより、照射強度を上げることができる。又、照射強度が一様な領域が狭い場合に は、クロスオーバ位置をより電子銃側に近づければよい。
[0337] 成形開口 273の作用により長方形状に成形された電子線は、電磁レンズで構成さ れるコンデンサーレンズ 274と対物レンズ 279により縮小され、試料面 282に合焦さ れ、成形像を形成する。コンデンサーレンズ 274の下には、一次ビーム軌道調整用 偏向器 275が設けられてレ、る。
[0338] 成形開口 273の手前で形成されるクロスオーバ像は、コンデンサーレンズ 274によ り対物レンズ 279の主面に結像され、成形像とクロスォ」バ像との分離を確実にしてい 乱成形開口 273が複数個設置されている理由は、汚れた場合の交換と画素寸法を 変えるときに、それに応じて照射領域を変化させるためである。
[0339] 成形開口の寸法を変化させたときには、コンデンサーレンズ 274の励磁も変化させ る。例えば、小さい成形開口の場合には、クロスオーバ像を成形開口 273に近づけ て電流密度を向上させる。このように調整すると、クロスオーバ像は対物レンズ 279の 主面から外れることになる力 S、このずれをレンズ 274の励磁を変化させることにより補 正するコンデンサーレンズ 272及び 274を電磁レンズとすることにより、一次電子線 のエネルギーを変化させたとき、電源電流を大きく変化させる必要はなぐ静電レン ズを用いるときより電源への負担は小さくて済む。
[0340] コンデンサーレンズ 274の後に電磁偏向器 175を 2段で設ける。その結果、 E X B の静電偏向器 276、 E X Bの電磁偏向コイル 277及び E X Bの偏向器用コア 278から 構成されている E X B分離器から下で、 1次電子線ビームは二次電子線ビームと同じ 通路を通らず、ずらした軌道を通るように調整することができる。
[0341] 試料からの二次電子を E X B分離器の静電偏向器 276によりひ、電磁偏向器で— 2ひ偏向させる。この場合には、静電偏向量が電磁偏向量の半分で方向が逆である から、 E X B分離器の最大の収差である偏向色収差が殆どなレ、設計とすることができ る。 1次電子は二次電子より僅かにエネルギーが高いので、左側へ 2, 8 α偏向され、 試料 282に入射する。なお、符号は図で左へ偏向する方向を正とした。
[0342] 対物レンズのボーァ半径 283 (対物レンズの中心にある円筒部分の内側直径であ る)と、試料と対物レンズ主面間距離 284を、対物レンズのボーァ半径より大きくする ことが重要である。その結果、試料から法線方向に放出された二次電子は光軸と交 わり、 ΝΑ開口を通るようにすることができる。レンズギャップが試料側にある対物レン ズの場合も、レンズのボーァ半径より、試料と対物レンズ磁極の最下部間距離を大き くすることにより同様の効果が得られる。
[0343] 対物レンズ 279のレンズギャップ 280は、 2mm以下と小さくし、ボーァ径を 20mm
Φと大きくする。そして、通常の磁気レンズ、即ち磁気ギャップ 280が光軸側にあるレ ンズとする。この場合には、視野が 200 z mであったので、 20mmのボア径としたが、 視野の最大直径の 80倍以上をボーァ径とすることにより、試料から法線方向に放出 された二次電子又は反射電子は光軸と交わり NA開口を通るようにすることができる。 但し、ここで視野の直径は上記矩形の試料面での像の対角線の長さとする。
[0344] 高次の倍率と回転の色収差 (R3AV/Vに比例するボケ)が大きくならないようにす るためにも、試料 282とレンズギャップ 280の中心までの Z方向寸法をボーァ半径より 大きくなるようにする。また、レンズギャップ 280近傍には、軸対称の円筒電極 281を 設け、この円筒電極 281に正の高電圧を与えることによって、軸上色収差を小さくす ることができるこの円筒電極 281と試料 282の間は、放電を回避するために十分な距 離を確保す乱料と対物レンズ間に放電を起こすことなぐ対物レンズの軸上色収差を 小さくできる。
[0345] 二次電子又は反射電子像は対物レンズ 279で 5倍前後に拡大され、電磁レンズ 28 5及び 286でさらに 5倍、 10倍に拡大され、合計 250倍に拡大され、シンチレータ 28 7上に拡大像を作り、その像は光学レンズ系により倍率調整をされ、 TDI検出器又は CCD検出器で検出させ電気信号に変換され、信号処理回路で二次元像データが 作成される。
[0346] 電極 288、 289、 290、 291は静電レンズを構成し、対物レンズが作るクロスオーバ の像をレンズ 285のほぼ主面に作る補助レンズの作用をもつ。このレンズのためにレ ンズ 285位置ではビーム束が小さぐ低収差とすることができる。また、対物レンズ 27 9による試料像は、この静電レンズの主面に形成される。したがって、この静電レンズ は拡大率には影響を与えなレ、。同様に、レンズ 285が作る試料像は、補助レンズ 29 2の主面に形成され、その像はレンズ 286で、シンチレータ 287面上に結像される。 レンズ 285の主面に作られているクロスオーバ像は、補助レンズ 292でレンズ 286の 主面に形成され、レンズ 286でのビーム束を小さくし、収差低減が行われる。
[0347] 高スループット低精度モードと低スループット高精度モードの画像形成を切り換える には、照射面積の可変と拡大倍率の可変が必要である。前者は、成形開口 273をモ ードに合った寸法のものに切り換えればよレ、。後者の拡大率の可変には、電極 290 にレンズ電圧を与え、電極 288、 289、 291を接地することと、レンズ 279の励磁を弱 めにして、第 1拡大像を 290の電極位置に合わせれば、高倍率を得ることができる。 電極 289にレンズ電圧を与え、第 1拡大像を電極 289の位置に合わせれば、低倍像 を得ることができる。電極 288、 291は常に接地されているから、絶縁する必要はない
[0348] 二次光学系の NA開口 293は、電磁レンズ 285の主面に設ける。レンズ 272、 274 、 286、 292は、収差と無関係であるから、静電でも電磁でもよいが、 4KeV程度のビ ームエネルギーでは、電磁レンズの方が焦点距離を短くすることが容易であり、レン ズの焦点距離を実用的な駆動電源により短くできるので、鏡筒長を短くすることがで き、空間電荷効果によるビームボケを小さくすることができる。
[0349] 図 52は、本発明に係る電子線装置の第 5の実施形態における電子光学系を示す 図である。
[0350] 電子銃は、 LaB6により構成される力ソード 301と、電極が光軸と直角なウェーネルト 電極 302、及びアノード 303から構成されている。力ソードを空間電荷制御領域で動 作させることにより、ショット雑音をショットキー力ソードや FEガンに比較して数分の 1 に減少させる。
[0351] 電子銃から放出された電子線は、軸合わせ偏向器 304で軸合わせが行われて電 磁レンズで構成されるコンデンサーレンズ 305に入る。コンデンサーレンズ 305により 集束された電子線は、成形開口 308より電子銃側の地点に、クロスオーバを形成す る。クロスオーバから発散した電子線は、成形開口 308を一様な強度で照射すること ができる。成形開口 308により長方形に成形された電子線は成形レンズ 309と対物レ ンズ 314により縮小され、試料面 313に成形像を作る。成形開口 308により長方形に 成形された電子線は成形レンズ 309と対物レンズ 314により縮小され、試料面 313に 成形像を作る。その際に、成形開口 308の手前で作られたクロスオーバ像は、成形レ ンズ 309で対物レンズ 314に結像され、成形像とクロスオーバ像の分離を確実にして いる。
[0352] 成形開口 308が複数個設置されている理由は、汚れた場合の交換と画素寸法を変 えたときに、それに応じて照明領域を変化させるためである。成形開口寸法を変えた ときは、コンデンサーレンズの励磁を変え、例えば、小さい成形開口の場合はクロス オーバー像を成形開口 308に近づけ電流密度が向上するようにした。このように調 整したときは、クロスオーバー像が対物レンズ主面から外れることになる力 大きな問 題とならない。
[0353] 一次電子線のエネルギーを変えるときは、レンズの励磁条件を変える必要があるが 、コンデンサーレンズ 305と成形レンズ 309を電磁レンズとしたので、電源電流を大き く変化させる必要がないため、静電レンズを用いた場合に比較して電源への負担は 少ない。
[0354] 成形レンズ 309の下には、 2段の偏向器 310、 311を設け、電子ビームの主光線の 軌道を 312で示したように、二次電子又は反射電子線の主光線の軌道から外れた軌 道を通るようにする。成形開口 308と成形レンズ 309への軸合わせは、 2段の静電偏 向器 306、 307を用いて行レ、、この 2段の静電偏向器の偏向比は 2種類に設定する ことができ、具体的には、(1) 2段の偏向器の偏向支点を成形開口 308に一致させる 設定と、(2)成形レンズ 309のレンズ主面に一致させる設定である。いずれかの設定 を選べば、相互に影響を与えないようにして軸あわせを行うことができる。なお、対物 レンズ 314については、図 55により説明する。
[0355] ここで、視野を分割して副視野毎に試料像を取る場合と、偏向器なしで一括して試 料像を取る場合の 2つの場合にっレ、て述べる。偏向器なしで一括して試料像を取る 場合には、視野端から法線方向に放出された二次電子又は反射電子が NA開口を 通らない問題を解決しなければならなレ、。対物レンズとして、試料側のボーァ径が小 さい磁気レンズを用いることにより、二次電子又は反射電子が NA開口を通るようにす ること力 Sでき、二次電子又は反射電子の透過率を向上させることができ凱本発明では 、下側磁極のボーァ径を、上側磁極のボーァ径より小さくする。理想的には、上側磁 極のボーァ径を下側磁極のボーァ径の 1. 5倍にするのがよレ、。下側磁極のボーァ 径を 8mm半径とし、試料と対物レンズ主面間距離を 10mmとするシュミレーシヨンの 結果、試料面の法線に対して 8度傾いた方向へ放出される二次電子が光車由と交わ ることが分かっている口したがって、余弦則で出る二次電子の内 8度を中心とした成 分が通ることになる。
[0356] 一方、視野を分割して副視野毎に試料像を取る分割写像方式では、視野を 4〜20 個の副視野に分割し、偏向器その他を用いて電子ビームの収差を補正して、低収差 条件で試料像を取得することができ乱この場合に、副視野は正方形か視野の長手方 向にわずかに短レ、正方形に近レ、長方形がょレ、。
[0357] レンズの光軸から離れた場所を通るようにして電子ビームが収差を受けなレ、ように する手法として MOL法がリソグラフィの分野で知られている。
[0358] ここで図 55により対物レンズについて説明すると、レンズ磁場 344をはさんで上側 偏向器 342と下側偏向器 341を配置し、例えば、光軸より右側を通る電子線に対し ては下の偏向磁界が作る 346の向きの偏向磁界、上の偏光器が作る偏向磁界は 34 7の向きの偏向磁界となるようにすればよい。量的には、対物レンズ 314の軸上磁場 分布の Zに関する微分値に比例する偏向磁界が生じるようにすればよい。対物レンズ 314の軸上磁力分布は、対物レンズ磁場 344の位置で最大値であり、それより上側 では Zに関する微分は正の値としたとき、下側では負の値となる。対物レンズを磁気 レンズで構成し、対物レンズの主面を挟んで前後に 2段の電磁コイルを設け、これら の偏向器は M〇L条件をほぼ満たすようにすることにより、軸上色収差を小さくした状 態で、視野を広くできる。
[0359] したがって、 M〇L条件を満たす偏向コイルは、図 55に示したように、レンズ主面を はさんで上下に 2つの偏向コイル 341、 342を設け、上側偏向コイル 342はピークの 値が小さぐ半値幅の大きいコイルとし、下側偏向コイルはピーク値が大きぐ半値幅 の小さレ、コイルとすればょレ、。
[0360] 偏向コイルの外側の強磁性体 343は、少なくとも表面にフェライトを貼り付けることに より高周波での応答をよくする必要がある。また、ライナーチューブ (真空壁) 315は、 セラミックスなどの絶縁物の表面を導体でコーティングするものがよレ、。真空中に収納 する必要がある偏向コイル 341は、表面を金属コーティングする軸対称電極 345の 内部に収納することがよレ、。図 55の場合には、軸対称電極 345のコーティング部に 正の高圧を印加すると、軸上色収差を小さくすることができるメリットがある。
[0361] 試料からの二次電子又は反射電子は、対物レンズを通過して、 E X B分離器 (E X B分離器の静電偏向器 320及び E X B分離器の電磁偏向器 321で構成される)によ り偏向される。図の右側へ 10度傾いた方向に二次光学系の光軸がある。二次電子 又は反射電子は、静電偏向器 320で、 10度左へ偏向され、電磁偏向器 321で右側 へ 20度偏向される力を受けるので、差し引き 10度右側へ偏向される。ここで静電偏 向量が電磁偏向量の半分で方向が逆であるから、 E X B分離器の最大の収差である 偏向色収差がほとんどない設計とすることができる。
[0362] 補助レンズ 326の作用は、試料からほぼ垂直に放出された二次電子又は反射電子 力 ¾ X B分離器の少し手前で形成されるクロスオーバ像を集束して拡大レンズ 327の 主面に結像させる作用を行わせる。
[0363] 対物レンズ 314による試料像を補助レンズ 326の 3つの電極のどの位置を選ぶかと レ、うことで、得られる拡大像はそれに応じて 3種類が得られる。例えば、試料像の位置 を下から 2番目の電極位置に形成したときには、拡大率は最も小さいものとな凱この 場合には静電レンズの駆動電源 325からの電圧は、この電極に与えられ、他の電極 は切り換えスィッチ 324により全て接地されている。この第 1像は拡大レンズ 327で拡 大され、最終段の拡大レンズ 338の第 2電極位置に拡大像を作り、下から 4段目の電 極により与えられた負電圧によるレンズ作用で更に拡大され、溶融石英のボールレン ズ 335の平面部に塗布されるシンチレータ面に最終像を作る。
[0364] 拡大レンズ 327の主面は NA開口 328を有し、収差と二次電子透過率との妥協点 を決めている。 NA開口 328は、数10 111〜100 111前後の寸法でぁる。補助レンズ 326の収差は全く問題にならなレ、。これは、試料像に対しては電極位置が像面であ るからレンズ作用がなく収差を発生させないのである。したがって、電源 325は負電 圧とする。数 kVの負電圧で合焦されるので、絶縁構造は簡単な構造でよい。
[0365] 最終段レンズを 5枚の電極を有する静電レンズとし、その中央の電極に与える電圧 を、その前後の電極に与える電圧と符号の異なる電圧を与えることにより、拡大率を 最大とすることができ、又場合によってはレンズ間の光学距離を機械的な寸法より小 さくでき、これを低収差の条件下に行うことができる。そして、二次電子又は反射電子 像の拡大率を向上させることができる。
[0366] 最大の拡大率を得るには、電源の切り換えスィッチ 323より下から 4番目の電極に 電圧が与えられ、試料像はこの電極位置に結像される。このときには、他の電極は全 て接地される。この場合は、対物レンズの像点が大きくなり、拡大レンズ 327の物点が 小さくなるので、拡大率は最大となる。
[0367] 最終レンズ 330の設計上注意する点は、以下の 2点である。
[0368] (1)補助レンズ位置での電極のボーァ径が、ここでの第 2像の直径より十分大きく すること、及び(2)ここでの拡大像をあまり大きくしないで、その代わりに拡大率を大き くするために、補助レンズ主面と拡大レンズ主面間距離を小さくすることである。当然 その条件でこの主面間距離に対応する短い焦点距離を得る必要がある。
[0369] 補助レンズの焦点距離と拡大レンズの焦点距離とを短くするために、本発明の場合 には 3番目の電極に 2番目や 4番目の電極に与える電圧と逆符号の電圧 331を与え るようにする。こうすることにより、通常のようにしこの電極を接地する場合に較べて、 2 番目と 3番目の電極間電界強度が大きくなり、大きなレンズ作用を得ることができる。 同時に正の電圧が与えられた電極側のレンズ作用が強くなることによりレンズ主面が この電極側に移動するために 2つのレンズ間の光学的距離が小さくなる利点もある。
[0370] また、拡大レンズ側を負電圧駆動にした場合と正電圧駆動にした場合とで、収差を 比較した結果、両者の収差に優位差はない。拡大レンズを電磁レンズにした場合は 、歪収差が静電レンズにした場合に比べて大きかった力 レンズ 327は、 NA開口を 主面に配置する必要があつたので、電磁レンズを用いるものである。このレンズが作 る像はまだ小さいので、歪収差係数は大きいが、歪の値は問題とならない値 (画素の 1/10以下)とすること力 sできる。
[0371] 静電レンズである補助レンズ 326と電磁レンズ 327への軸合わせは、 E X B分離器 と軸合せ偏向器 322とで、偏向中心を補助レンズ 326に合わせたり、電磁レンズ 327 に合わせたりして行う。拡大レンズ 330のベアへの軸合せは、軸合せ偏向器 329で 行う。軸合せ 334は、シンチレータ 336へのためのものである。
[0372] 像面湾曲収差及び非点収差を補正し、視野の中央部と視野の端とでビーム分解能 の差が小さくなるように調整することにより、視野全体を低収差にできる。ボールレン ズ 335は、球の中心と平面間距離が球の半径の lZn (nは材料の屈折率であり、溶 融石英の場合は 2. 1)とした。この条件の場合は、ァプラナティックハイパーへミスフ エアと呼ばれ、球面収差、非点収差、光軸方向の色収差が発生せず、光の放出方向 力 lZnに狭くなり、光学レンズ 338から見たシンチレ一夕の見かけ寸法が n2倍になる 利点がある。光学レンズ 338でボールレンズのその他の色収差や歪を補正すれば、 光学レンズ 338の fナンバーが大きくても、光レンズ系の透過率を大きくすることがで きる。このレンズの解像度がわるくても、実際のシンチレ一夕像が n2倍であるから、問 題はなぐ光学レンズ 338は fナンバーが大きいので、簡単なレンズでよい。
[0373] 前記の電子線による検査機能を有する電子線装置を、半導体デバイス製造工程に おけるゥヱーハの評価に適用することができる。半導体デバイス製造工程の一例を図 53のフローチャートによって以下説明する。
[0374] (1)ゥエーハを準備するゥエーハ製造工程 (又はマスクを準備する準備工程)(ステ ップ 400)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程 (又はマスクを準備するマスク 準備工程)(ステップ 401)
(3)ゥエー八に必要な加工処理を行うゥエーハプロセッシング工程(ステップ 402)
(4)ゥヱ一八上に形成されたチップを丄個づっ切り出し、動作可能にならしめるチッ プ組立工程(ステップ 403)
(5)組み立てられたチップを、本発明の電子線装置を用いて欠陥を検查する検查 工程(ステップ 404)
(6)前記( 2)及び( 3)の工程を必要に応じて繰り返し行う工程 (7)ゥヱーハを切断し、デバイスに組立てる工程。
[0375] これらの工程は、更に幾つかのサブ工程力らなっている。これらの主工程の中で、 半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がゥエーハプロセッシングェ 程である。この工程では、設計された回路パターンをゥヱーハ上に順次積層し、メモリ 一や MPUとして動作するチップを多数形成する。このゥヱーハプロセッシング工程は 以下の各工程を含む。
[0376] (ィ)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を形成する金属薄膜等を改 正する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(口)形成された薄膜層ゃゥエーハ基板を酸化する酸化工程
(ハ)薄膜層ゃゥヱーハ基板などを選択的加工するためにマスク(レチクル)を用い てレジストのパターンを形成するリソグラフィー工程
(二)レジストパターンにしたがって、薄膜層や基板を加工するエッチング工程 (例え ば、ドライエッチング技術を用いる)
(ホ)イオン ·不純物注入拡散工程
(へ)レジスト剥離工程
(ト)加工されたゥエーハを、本発明の電子照射線装置により検査する検査工程な お、ゥエーハプロセッシング工程は、必要な層数だけ繰り返し行い、設計どおり動作 する半導体デバイスを製造する。
[0377] 上記ゥヱ一八プロセッシング工程の中核をなすリソグラフィー工程を図 54のフロー チャートに示す。このリソグラフィー工程は以下の工程を含む。
[0378] (a)前段の工程で回路パターンが形成されたゥヱーハ上にレジストをコートするレジ スト塗布工程 (ステップ 405)。
[0379] (b)レジストを露光する露光工程 (ステップ 406)
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程 (ステップ 407
)
(d)現像されたパターンを安定化させるためにァニール工程 (ステップ 408)。
[0380] 以上の半導体デバイス製造工程、ゥヱーハプロセッシング工程、リソグラフィー工程 には周知の工程が適用される。前記(ト)のゥエーハ検查工程において、本発明の上 記実施形態に係る電子線装置を用いた場合、試料と対物レンズの間の放電を起こす ことなく 2次電子の透過率を向上することができるので、効率良く高精度の検査が可 能となり、製品の歩留りを向上させることができる。
[0381] 図 56は、本発明に係る電子線装置の第 6の実施形態である欠陥検查装置等の試 料評価装置の電子光学系を示す説明図である。図 56に示すように、本発明の試料 評価装置においては、電子銃 501から放出された電子線を、コンデンサレンズ 502 で集束し、正方形等の矩形の開口 503を介して矩形に成形し、得られた矩形電子線 を、照射レンズ 504、対物レンズ 505を介して試料 506の表面に照射する。このとき、 対物レンズ 505の内部に配置された E X B分離器 509により、矩形電子線を偏向して 試料面に垂直に照射されるようにする。また、偏向器 519及び 520により、矩形電子 線が視野内を移動するように、該矩形電子線を偏向する。
[0382] 一方、この照射により試料 506から放出された 2次電子は、対物レンズ 505で集束 され、軸合わせ偏向器 511の近傍に拡大像を形成し、色収差補正器 512を介して色 収差が補正された像を、拡大レンズ 513の手前に形成する。この実施形態では、色 収差補正器 512は、 4極子レンズを 4段重ねて構成されている。そして、拡大レンズ 5 13により、拡大レンズ 514の手前に拡大像を形成し、拡大レンズ 514によりシンチレ ータ 516の面に拡大像を形成する。このとき、偏向器 519及び 520により矩形電子線 が視野内を移動するのに同期して、偏向器 515により、シンチレータ 516の対応する 検出面に拡大像が形成されるように偏向する。
[0383] シンチレータ 516は、マトリックス状に配置された複数の検出面を有しており、各検 出面が 1つの副視野に対応する。一次電子線が正方形に成形される場合には、シン チレータ 516は、例えば 4行 4列に配置された 16個の検出面を備えている。シンチレ ータ 516の各検出面により検出された画像データは、 512 X 512個の画素の CCD 検出器 (又は M〇Sイメージセンサ)群 517に転送され、電気信号に変換される。
[0384] 対物レンズ 505の内部には、 M〇L(Moving Objection Lens)偏向器 7及び軸対称 電極 508が配置されている。電子線は、光軸から離れるほど収差が大きくなる力 こ れら偏向器及び軸対称電極により適切な電界又は磁界を与えることにより、対物レン ズの軸の平行移動ができるので、広い視野を得ることが可能となる。 M〇L偏向器 50 7は、光軸以外の視野からの 2次電子の収差を小さくするための磁場を生成する。こ こで、試料 506から放出される 2次電子はエネルギ幅を有するため、対物レンズを通 過した 2次電子像の軸上色収差が大きい。この軸上色収差を色収差補正器 512によ り生じる軸上色収差で補正する。色収差補正器 512による負の色収差と、対物レンズ 505により生じる正の色収差の絶対値が等しくなるように、軸対称電極 508に印加す る電圧を調整する。
[0385] 本発明においては、このように軸上色収差を補正することにより、光軸近くの収差が 小さくなる。また、軸外収差を補正するため、視野を複数の副視野に分割し、 MOL 偏向器を用いたことにより、 CMOSイメージセンサが使用可能となり、高スループット の評価を行うことができる。
[0386] なお、対物レンズ 505は、ボーァ径 Dが視野の直径の 50倍以上となるように構成さ れ、また、軸上色収差を小さくするために磁気ギャップ 518が試料 506側に設けられ ている。
[0387] 図 57の (A)及び (B)は、本発明に係る電子線装置の第 7の実施形態である電子線 描画装置の電子光学系を示す説明図である。該装置において、図 57の (A)に示す ように、電子銃 531から放出された電子線は、 2つのコンデンサレンズ 532及び 533 により一様照射領域が調整され、正方形等の矩形開口 534に照射される。この矩形 開口により成形された矩形電子線は、成形レンズ 535によりキャラクタマスク 536に結 像される。キャラクタマスク 536には、描画したいダイに配置されるべき回路パターン の拡大透過マスクが複数設けられている。偏向器 546により矩形電子線を偏向する ことにより、キャラクタマスク 536上の回路パターンのマスクが選択され、かつ、偏向器 547により偏向することにより、矩形電子線が元の光軸に戻される。
[0388] パターン化された矩形電子線は、成形レンズ 537及び縮小レンズ 538を介して縮 小され、色収差補正器 539の手前に選択された回路パターンの縮小像を形成し、電 磁レンズで構成された対物レンズ 540を介して試料 545上に縮小像を形成する。対 物レンズ 540の内部には、視野内の描画したい位置に回路パターン像を移動し、か つ偏向収差を小さくするための偏向器 541〜544が配置されている。なお、軸外収 差は対物レンズ 540の内部に設けられた電磁偏向器 43:!〜 544の組み合わせで、 /J、さくすること力 Sできる。
[0389] このように、図 57に示した電子線描画装置によれば、軸上色収差は色収差補正器 539により補正することができ、軸外収差は対物レンズ 540及び電磁偏向器 541〜5 44により補正すること力 Sできる。したがって、 NA開口 550の開口角を大きくすること ができるため、空間電荷効果を小さくすることができる。したがって、大きいビーム電 流で描画を行うことができるので、高スループットで LSIパターン等を試料上に描画 すること力 Sできる。
[0390] なお、縮小レンズ 538により形成される縮小像を、色収差補正器 539の手前に形成 し、該色収差補正器 539が形成する像を、対物レンズ 540による縮小率が約 1となる ような位置 549に形成することが好ましい。
[0391] また、図 57の(A)において、 NA開口 550を円形穴ではなぐ図 57の(B)に示すよ うに、ドーナツ型とすることもできる。なお、従来、ドーナツ型開口は開口角が大きくな るため軸上色収差が大きくなり、そのため、従来はドーナツ型開口を使用していなか つた。本発明においては、軸上色収差を補正器で補正することにより、大きい開口角 のドーナツ型 NA開口を使用することができ、その結果、空間電荷効果を小さくし、大 きレ、ビーム電流を用いることができる。
[0392] 図 58は、本発明の電子線装置の第 8の実施形態である試料評価装置を示している 。この装置においては、電子銃 561から放出された電子線をコンデンサレンズ 562で 集束し、複数の開口が設けられたマルチ開口板 563の手前にクロスオーバを形成す る。そして、クロスオーバから発散する電子線をマルチ開口に照射し、縮小率及び回 転角を調整可能なレンズ 564及び 565により縮小像を位置 Pに形成し、色収差補正 器 568及び電磁レンズである対物レンズ 571を介して縮小像を試料 574上に形成す る。このとき、静電偏向器 569及び 575により、電子線を試料 574上に走査させる。視 野の光軸から離れた位置を走查する際の色収差を小さくするために、対物レンズ 57 1のボーァ径 Dを、視野の 50倍以上に設定することが好ましい。
[0393] この第 8の実施形態においては、電子銃 561は LaBを使用して構成することが好 ましレ、。また、より広い視野を走查するために、電磁偏向器 572及び 573を設けてい る。これら電磁偏向器 572及び 573は M〇L条件を満足している。すなわち、対物レ ンズ 571の軸上磁場分布は、磁気ギャップの中心にピークを持つガウス分布に近似 する関数で表される。したがって、その z軸方向すなわち光軸方向の微分すなわち変 化分 dzを見ると、磁気ギャップの中心で 0となり、その上下で符号が逆の関数となる。 その微分関数に比例するように、偏向器 572及び 573により生成される偏向磁場を 調整すればよレ、。ただし、対物レンズ 571のコアの内側面にフェライトのパイプ 577を 貝占り付ける必要がある。
[0394] 試料 574から放出されたマルチビームの 2次電子線は、正の電圧が印加された軸 対称電極 576と、負の電圧が印加された試料 574の面とが生成する加速電界により 加速され、対物レンズ 571を通過する。そして、対物レンズ 571を通過する直前で、 該対物レンズの内部上端に配置されたビーム分離器 570により、走查方向と直交す る方向(図の右側方向)に偏向され、拡大レンズ 578及び 580により拡大像を F〇P ( ファイバオプティカルプレート)板 581のシンチレータ塗布面に結像される。 F〇P板 5 81は、単なる板ではなぐ FOPを構成している光ファイバ一が分離した状態でそれぞ れカ SPMT582に 1対 1で接続され、 PMT582により光信号に変換される。
[0395] このように、試料から放出されたマルチビームである 2次電子線は、 1対 1で PMT5 82に入力されるので、クロストークの問題を回避することができる。また、試料上に周 期的なライン &スペースパターンが形成されている場合、各 PMT582から得られる 信号は、参照番号 583〜585で示すように、高強度と低強度とが反復する周期波形 となる。この周期波形は径 583〜585を観測して、これらのコントラストとオフセット値 がほぼ同一となるように、 PMT582及びその増幅器を調整する。
[0396] 図 58に示した実施形態において、一次電子線のビーム分離器 570による偏向色 収差については、色収差補正器 568が形成する像と静電偏向器 569との間の距離 D1が、静電偏向器 569と電磁偏向器 570の間の距離 D2と等しくなるように設定する ことにより、 2つの偏向器によって生じる偏向収差が相互にキャンセルされるため、 1 次電子線に偏向色収差は発生しない。また、 2次電子像を電磁偏向器 570の近傍に 結像させるように設定することにより、 2次電子像への偏向色収差も小さくすることが できる。
[0397] 光軸から遠く離れた位置を走査したときに生じる像面湾曲は、回転レンズ 564及び 565の内部の軸対称電極 566及び 567に印加する電圧を調整することにより、補正 すること力 Sできる。軸対称電極 566及び 567への印加電圧の変更により、電子線の 回転もダイナミックに補正することができる。なお、回転レンズ 564及び 565は、軸上 磁場の方向が互いに逆である既知のレンズである。色収差補正器 568は、 4段の 4極 子レンズを、 2回対称収差、 4回対称収差、コマ収差が発生しないように配置する。ビ ーム収差を観察しながら、色収差がゼロとなるように電極 576に印加する電圧を調整 する。
[0398] ここで、図 59を参照して、図 58に示したようなマルチビームを用いた試料評価装置 において、試料面の画像を得る場合の方法について説明する。なお、図 59は、試料 面を模式的に示しており、 x _ y座標系の y軸方向はステージ連続移動方向であり、 X 軸方向は電子ビームの走查方向である。また、この例においては、マルチビームを 6 行 5列に形成したものとする。
[0399] マルチビームが 6行 5列の場合、マルチビームの行を y座標(従って、列を x座標)に 関して sin 1 ( 1 /5)だけ傾けることによって、マルチビーム走査時のラスタピッチを等 しくすること力 Sできる。なお、ラスタピッチを画素の整数倍に設定すればよいが、光軸 から一定の距離内で、できるだけ多くのマルチビームを使用するためには、ラスタピッ チと画素寸法とを等しく設定することが好適である。 n行 m歹 IJ (行は y軸方向に近接、 列は X軸方向に近接)の場合は、 m≤nであることが好適であり、ビーム間隔は、 n X 画素寸法/ cos [sin 1 ( 1 /n) ]となる。ビームを直交するマトリックス状に配置すれば 、最も多くのビームを単位面積内に配置することができる力 走査したときにラスタピッ チが同一となるようにすれば、必ずしも直交配置する必要がない。
[0400] セル対セルの検查を行う際に図 59に示すようなラスタ走查を行ったとき、同じビー ムの同じ走査で得られるセノレ内の同一位置 597、 598、 599 (又 fま、 600、 601、 602 )の信号同士を比較して欠陥検査等の評価を行う。
[0401] ダイ対ダイの検查を行う場合には、異なるダイ同士の同じ y座標の位置の信号同士 を比較して評価を行えばょレ、。異なるダイの同じ y座標で同じ電子ビームからの信号 同士を比較しても良い。
[0402] また、 1走查分あるいは 1セル分の 2次元パターンを作成し、セル対セル検查では、 走査方向すなわち x軸方向の 2次元パターンで比較評価を行い、ダイ対ダイ検査で は、ステージ移動方向すなわち y軸方向のダイのデータ同士を比較評価することが 好適である。
[0403] 図 60は、本発明に係る電子線装置の第 9の実施形態である試料評価装置の電子 光学系を示す説明図である。この装置においては、電子銃 611から放出された電子 線はコンデンサレンズ 612により集束され、開口板 613に形成された正方形等の矩 形の開口により矩形電子線に成形され、成形レンズ 614及びュニポテンシャルレンズ である対物レンズ 617を介して試料 618に照射される。
[0404] この照射により試料 618から放出された 2次電子は、対物レンズ 617で加速され、ビ ーム分離器 616により一次電子線と分離される。そして、静電偏向器 619で垂直方 向に偏向され、色収差補正器 620の手前の位置 621に結像し、色収差補正器 620 の像を拡大レンズ 622、 623により 2段階で拡大して検出器 624の検出面に像を結 ぶ。
[0405] ここで、ビーム分離器 616は純粋な電磁偏向器であり、 2次電子線を偏向するため の静電偏向器 619の偏向量と同一の偏向量となるように設定し、かつ位置 621及び 偏向器 619の間の距離と静電偏向器 619及びビーム分離器 616の間の距離を等し く設定することにより、偏向色収差は発生しない。また、対物レンズ 617を単レンズで 構成しても、 NA開口 625の位置を最適化することで、軸外色収差を無視できる程度 に小さくすることができる。さらに、ビーム分離器 616を図 56に示した実施形態と同様 な E X B分離器とし、偏向器 619を電磁偏向器とすることもできる。
[0406] 視野内で矩形電子ビームを移動させたとき、電圧源 626から対物レンズ 617の上 側電極又は下側電極に印加する電圧を調整することにより、像面湾曲を補正すること 力できる。上側電極は、アースに近い電圧であるから、この像面湾曲を補正するレン ズを 0Vを中心とする電圧で駆動すればよいので、高速駆動が可能となる。軸上色収 差は、シミュレーションにより得られる値と実際に生じる値とが僅かではあるが相違す る場合がある。この相違は、対物レンズ 617の中央電極 627に印加される電圧と、そ の上下のいずれかの電極に印加される電圧とを調整することにより、ゼロにすることが でき、これにより、色収差の補正をより確実にすることができる。 [0407] 図 61は、本発明に係る電子線装置の第 10の実施形態の転写装置の電子光学系 を示す説明図である。電子銃は、加熱装置 631、リング状力ソード 632、ウェーネルト 633、アノード 634で構成されている。電子銃により形成されるクロスオーバは、 2段 のコンデンサレンズ 635及び 636で拡大され、レチクル 637上の 1つの副視野を照射 する。レチクル 637で成形された電子線は、軸対称の磁気タブレットレンズ 638及び 640 (640は対物レンズ)により、像面 641の面上に 1Z4の縮小像(レチクルの 1Z4 )を生成する。力ソード像を対物レンズ 640のバックフォーカル面 642に結像させるこ とによって、ホロ一ビームとすることができ、球面収差を小さくすることができる。
[0408] レンズ 638及び 640の内部に配置された偏向器 644及び 643は、軸外収差を補正 するための偏向器である。これら偏向器により、軸外収差を極めて小さくすることがで き、また、球面収差はホロ一ビームにより小さくすることができるため、軸上色収差が 主な収差となる。本実施形態においては、この軸上色収差を、軸上色収差補正器 63 9を設けることによって補正している。これにより、開口角を大きくしても像がぼけずに 転写を行うことができ、スループットも向上する。開口角を 10〜: l lmradとしたホロ一 ビームとすることが好適である。これは、開口角が a 1〜 a 2 (mrad)のホロ一ビーム である場合、 α 1≥ lOmradでかつ α 2— α 1≤ lmradに設定すると、空間電荷効果 力 S小さくなり、大きい電流密度で転写ができるからである。軸上色収差補正器 639は 、図 61に示すように、像面 641の下方に配置され、像面 641の像をこの収差補正レ ンズ 639により試料面 645に結像するようにすればよい。
[0409] 補正レンズ 639は、図 61の(B)に示したように、 12分割された電極と磁極を持つゥ ィーンフィルタであり、軌道 639— 1に示したように 2回結像することにより、余分な収 差を発生せずに負の収差を発生させる。参照番号 639_ 2は、絶縁用のスぺーサで ある。
[0410] 図 62は、図 56〜58、図 60及び図 61に示したような光学系を複数有する装置、す なわち複数の光軸を有する電子線装置に組み込むことができる色収差補正器の 1段 の収差補正レンズ系の構造を示しており、図 62の(A)及び(B)はそれぞれ、平面図 及び断面図である。この例においては、 2列 m行に光軸が並べられている場合であり 、 1枚のセラミック基板に 1段の 4極子レンズが形成される。この 1段の 4極子レンズを 製造する場合、まず、セラミック基板の対向する 2つの長縁にリブ 664を形成し、光軸 659〜662のそれぞれの周囲に放射状に 4本の溝を形成し、それぞれの電極 651〜 654を形成する。次いで、全体に NiPの無電界メツキを施し、さらに Auメツキを施して コーティングを形成する。そして、図 62の(A)に斜線で示した部分のコーティングを 除去し、 (B)に示したように、リード線をリブ 664の側面部に(図面に垂直な方向)に 接続する。また、穴 663を、対向する 2つの短縁に形成する。このようにして 4極子レ ンズを 4枚形成し、これら 4枚を穴 663がー致するように重畳し結合することにより、対 応する光軸が一致するように組み立てる。このようにして製造された色収差補正器は 、図 56〜58及び図 60に示したような鏡筒とマルチ鏡筒とした電子線装置の色収差 補正器として採用することができる。電極 651〜654の光軸 659〜662に対向してレヽ る面は、双曲面の一部を形成している。
[0411] 図 63は、本発明に係る電子線装置における第 11の実施形態の試料評価装置の 電子光学系を示している。この装置においては、偏向色収差を無くすことができるよう にしている。電子銃 671からの電子線は、一次光学系 672に含まれるコンデンサレン ズ 673で位置 674に結像され、該像を対物レンズ 677で試料 678上に結像する。こ のとき、電子線を静電偏向器 675で偏向しかつ電磁偏向器 676で試料 678の面に 垂直となるよう偏向するが、結像位置 674と静電偏向器 675の距離 D3と、静電偏向 器 675と電磁偏向器 676の距離 D4を等しく設定している。これら距離を等しく設定す ることにより、 2つの偏向器によって発生する偏向収差を相互にキャンセルすることが でき、全体として偏向収差をゼロとすることができる。電磁偏向器 676は、 2次電子線 を 2次光学系 679に向けるビーム分離器としても機能するが、ビーム分離器を電磁偏 向器単独で構成することができるので、構造が単純になる。なお、図 63に示した第 1 1の実施形態においても、第 6〜第 10の実施形態と同様に、軸上色収差補正器を備 えても良い。
[0412] 図 64は、本発明に係る電子線装置における第 12の実施形態の試料評価装置の 電子光学系を示している。この装置においては、 3つの偏向器を用いて偏向色収差 をゼロとするようにしている。図 64において、電子銃 671からの電子線は、一次光学 系 672に含まれるコンデンサレンズ 673で位置 674に結像され、該像を対物レンズ 6 77で試料 678上に結像する。このとき、電子線を第 1〜第 3の偏向器 680〜682で 偏向することにより、試料 678の面に垂直となるよう偏向する。第 1の偏向器 680は、 静電偏向器であつても電磁偏向器であってもよいが、静電偏向器であるとして説明 する。第 2の偏向器 681は電磁偏向器であり、第 3の偏向器 682も電磁偏向器である
[0413] 図 64に示すように、第 1〜第 3の偏向器 680〜682による偏向量をそれぞれ j3、 y 、 aとし、位置 674と第 1の偏向器 680との距離を D5とし、位置 674と第 2の偏向器 6 81との距離を D6とし、第 2の偏向器 681と第 3の偏向器 682との距離を D7とする。
[0414] 電子銃 671から垂直に放出された電子線を、試料 678の面に垂直に入射させるた めには、
α = Ύ - β (1)
を満足する必要がある。
[0415] 一方、 3つの偏向器により生じる偏向色収差がゼロとなるためには、
-2i3 -D5+ yD6- a -D7 = 0 (2)
を満足する必要がある。
[0416] 上記式(1)及び(2)から、 α : β : Ύの比を計算することができる。例えば、 D5 = 0 の場合には、 γ -D6= a 'D7であり、
Figure imgf000090_0001
が得られる。式(3)を式(1)に代入すると、
Figure imgf000090_0002
が得られる。
[0417] このように、結像位置 674及び第 1〜第 3の偏向器 680〜682の位置及び偏向角 を調整することにより、式(1)及び式(2)を満足させることができるため、試料 678に 一次電子線を垂直に入射できるとともに、偏向色収差をゼロにすることができる。
[0418] ビーム分離器により、 1次電子線を小さく偏向し、 2次電子ビームを大きく偏向すると 、 1次電子ビームに偏向色収差以外の収差が生じないので有利である。こうした実施 形態を図 64の(B)に示す。ビーム分離器 682を EXB分離器とし、上記した式(1)〜 (4)と同様な方程式を解けば、 ひが小さく /3が大きい条件が得られ、 1次電子ビーム を大きく偏向することなく 2次電子ビームを大きく偏向し、し力も偏向色収差を 0にする こと力 Sできる。
[0419] なお、図 64に示した第 12の実施形態においても、第 6〜第 10の実施形態と同様 に、軸上色収差補正器を備えても良い。
[0420] ところで、電子線を用いた試料検查装置においては、分解能が必ずしも重要では なく(走查顕微鏡の 1Z50〜: 1/20程度でよい)、ビーム電流を増大させて検查速度 を向上させることが重要となる。本発明のように多段の多極子レンズを用いることによ り、ビーム電流を約 10倍にすることができ、よって検查速度を約 10倍向上させること ができる。以下、これについて詳細に説明する。
[0421] 第 6〜第 12の実施形態のような写像方式の電子線装置においては、ビーム電流を 制限しているのはクーロン効果である。クーロン効果によるボケを δ cとすると、 δ c = I-L/ ( a - V372) (5)
ただし、 I:ビーム電流
L: ¾a |BJ
Figure imgf000091_0001
V:電子ビームエネルギ
で表される。
[0422] 一方、写像方式の電子線装置においては、収差の内、軸上色収差が支配的(他の 収差に比べて 1桁以上大きい)であり、それ以外の収差はレンズ構成の工夫によって 十分小さく抑えることができる。したがって、軸上色収差をゼロとすることにより収差を 約 1/10に低減することができ、それに反比例して開口角ひを約 10倍大きくすること ができる。よって、式(5)から、ビーム電流を約 10倍にしてもボケが増大することがな ぐボケを増大させずに検查速度を向上させることができる。
[0423] すなわち、ビーム電流 Iにより 1つの画素を走查する時間を t、電子の電荷を q、画素 あたりの 2次電子検出量を N個、 2次電子放出率を とすると、式
Ν = Ι· 7] - t/q
が成立する。ショット雑音より十分に大きい信号を得るためには、 Nを一定値以上に 大きくする必要がある力 ビーム電流 Iが大きくなれば時間 tが小さくなつても一定の N 値を得ることができる。したがって、走査時間を短くすることができるので、検査速度を 向上させることができる。
[0424] また、図 58に示した、 1つの電子銃から放出される電子線をマルチ開口板によりマ ルチビームにしている第 8の実施形態においては、電子銃として LaBを使用した熱 電子放出方式を採用することが好ましいが、このタイプの電子銃は、ショットキータイ プの電子銃に対比して、色収差が約 5倍大きい。これは、電子銃における色収差は、 電子銃からの電子のエネルギ幅に依存し、エネルギ幅がショットキータイプの電子銃 では 0. 6eVであるのに対し、 LaB熱電子放出タイプでは 3eVであって前者の 5倍と なっているからである。
[0425] したがって、第 8の実施形態においては、色収差をゼロとすることができるようにした ことにより、色収差補正機能を備えていない装置に比べて、検查速度を 5倍向上させ ること力 Sできる。さらに、シングノレビーム又はマルチビームの写像投影型の鏡筒を複 数並べた電子線装置においても、本発明の技術思想を適用すれば、検査速度を大 幅に向上させることができることは言うまでもない。
[0426] 以上説明したように、本発明の技術思想を試料評価装置及びリソグラフィ装置に適 用した場合には、色収差を補正することができるのでビーム径を大きくすることができ 、よって高スループットで処理を行うことができる。また、試料評価装置に適用した場 合には、空間電荷効果を低減させることができるので、よりスループットが向上する。
[0427] 図 65の (A)は、本発明に係る電子線装置の第 13の実施の形態の構成を概略的に 示す図である。同図において、電子線装置は、電子銃 691、一次電子光学系 692、 ビーム分離系 693、対物光学系 694、二次電子光学系 695及び二次電子検出系 69 6を備えている。
[0428] 電子銃 691から放出された電子線は、一次電子光学系 692における第 1のコンデ ンサ ·レンズ 697及び第 2のコンデンサ ·レンズ 698とによって拡大されて、長方形の 成形開口を有する開口板 699を照射する。これによつて、断面が長方形の一次ビー ムが形成される。この長方形断面の一次ビームを成形レンズ 700によってビーム成形 し、倍率可変レンズ 701によって拡大率を調整してからビーム分離系 693に入射させ る。ビーム分離系 693は、例えば、静電偏向器 702と電磁偏向器 703とを備えた E X B分離器である。ビーム分離系 693に入射した一次ビームはその進行方向を試料 W に垂直な方向へと変える。
[0429] ビーム分離系 693によって進行方向を試料 Wに垂直な方向へ変更された一次ビー ムは対物光学系 694に入る。対物光学系 694は、リング状の開口と一次ビームが通 る矩形状の開口とを有する NA開口板 704、ダイナミック 'フォーカス用電極 705、高 電圧印加電極 706及び対物レンズ電極 707を備えている。 NA開口板 704は、図 65 の(B)にその平面図を示すように、同一円周上に配列されてリング状の開口を作る複 数個の(図 65の(B)においては 4個の)細長い穴 715、 716、 717、 718と、一次ビー ムを通過させるための矩形の穴 719とを有する。ビーム分離系 693を通過した長方 形断面の一次ビームは矩形の穴 719を通るよう偏向される。その後、一次ビームはダ イナミックフォーカス用電極 705、高電圧印加電極 706及び対物レンズ電極 707によ つて試料 Wに合焦され、試料 Wの試料面を照射する。
[0430] 断面長方形の一次ビームによって照射された試料 Wから放出された二次電子は対 物レンズ電極 707が作る高電圧によって加速且つ収束されて NA開口板 704の位置 で二次電子の光軸と交わり、位置 Pに拡大像を形成する。この NA開口板 704が設け られた位置は、シミュレーションにより確認されたところによると、コマ収差と倍率色収 差との合計が最小になる位置である。従来の NA開口板は 1個の円形の穴が形成さ れたものであつたが、空間電荷効果のために像のボケが増加するという問題があった 。そこで、本発明においては、二次電子を NA開口板 704のリング状の穴 715〜718 により中空状のビームとし、該ビームのみを検出系 696の方へ向かわせる。 NA開口 板 704の穴 715〜718の幅 Dは小さレ、ので、二次電子光学系 695での球面収差は 十分小さい。しかし、このような電子線装置において大きい開口角のビームを利用す るので、軸上色収差が大きな問題となり得る。そこで、ビーム分離系 693によって一 次電子と分離されて検出系 696へ向かう中空状の二次電子は二次電子光学系 695 の複数段(この実施の形態においては 4段)の四極子レンズで構成された軸上色収 差補正レンズ 708によって軸上色収差の補正がなされる。
[0431] 軸上色収差補正された二次電子は、軸上色収差補正レンズ 708の像点 709に配 置された補助レンズ 710とその下流側に配置された拡大レンズ 711とによって拡大さ れ、更に、その下流側の補助レンズ 712及び拡大レンズ 713によって拡大される。補 助レンズ 712は拡大レンズ 713の主面に NA開口板 704のリング状の穴 715〜718 の縮小された像を形成する。こうして形成された二次電子像は拡大レンズ 713で拡 大され、拡大された像を検出系 696の MCP (マイクロチャンネル 'プレート) 714に結 像する。検出系 696は拡大レンズ 713によって投影された像を用レ、て試料 Wの欠陥 を評価するのに用いられる。
[0432] 図 66の (A)は、本発明に係る電子線装置の第 14の実施の形態の構成を概略的に 示す図であり、第 1の実施の形態と同様に、電子線装置は電子銃 721、一次電子光 学系 722、ビーム走查'分離系 723、対物レンズ 724、二次電子光学系 725及び二 次電子検出系 726を備えている。図 66において、電子銃 721は力ソード 731とゥェ ーネノレト電極 732とを備え、力ソード 731は、図示のとおり、 LaB単結晶からなる円筒 状の材料の一方の端面にリング状のエッジを形成した形状をしている。このため、力 ソード 731からは断面が中空状の電子線が放出される。ウェーネルト電極 732はカソ ード 731を取り囲み、該電極には、一次電子光学系 2の第 1のコンデンサ 'レンズ 733 との間にクロスオーバー像 C1を形成するような電圧が加えられる。
[0433] 一次電子光学系 722は第 1及び第 2のコンデンサ.レンズ 733、 734、マルチ開口 板 735、縮小レンズ 736及び軸上色収差補正レンズ 737を備えている。電子銃 721 によって形成されたクロスオーバー像 C1は拡大レンズである第 1のコンデンサ 'レン ズ 733及び第 2のコンデンサ 'レンズ 734によって 2段に拡大され、マルチ開口板 73 5を一様に照射する。なお、第 2のコンデンサ 'レンズ 734は、マルチ開口板 735が広 く且つ一様に照射されるよう、コンデンサ 'レンズ 734のクロスオーバー像 C2がマル チ開口板 735よりも少しコンデンサ 'レンズ 734側に来るよう励起を調整される。マル チ開口板 735でマルチビームとされた一次ビームは縮小レンズ 736で縮小され、軸 上色収差補正レンズ 737によって負の軸上色収差を有した状態でビーム走查'分離 系 723に入る。
[0434] ビーム走查 '分離系 723は走查偏向器 738と電磁偏向器 739と静電偏向器 740と を備え、負の軸上色収差を持った一次ビームは走查偏向器 738によって進行方向を 電磁偏向器 739へ向力、うように変更され、更に、電磁偏向器 739によって試料 Wに 垂直に入射するよう進行方向を変えられる。このとき、ビーム走查'分離系 723におい て一次ビームに偏向色収差が生じる可能性がある。そこで、走査偏向器 738を軸上 色収差補正レンズ 737のクロスオーバー像 C3とビーム走査 '分離系 723との中点に 配置し、走查偏向器 738と電磁偏向器 739とで一次ビームを互いに逆方向に同一角 度だけ偏向することによって、偏向色収差を補正するようにしている。上記負の軸上 色収差を持ったビームは対物レンズの持つ正の軸上色収差で打ち消され、軸上色 収差は補正される。静電偏向器 740は試料上でマルチビームを走查するために使 用される。
[0435] ここで、図 66の(B)を用いて軸上色収差補正レンズ 737について説明する。この補 正レンズ 737はウィーンフィルタとも呼ばれ、端面から放出されたビームを 2回集束さ せる力 S、クロスオーバー像 C3では非分散となって負の軸上色収差を発生させる。図 6 6の(B)は補正レンズ 737の断面のうち 1Z4の部分だけを示している。ここから分か るように、補正レンズ 737は十二極であり、二極子場でウィーン条件を満たさせ、四極 子電場'磁場によって軸上色収差を負にするのみでなぐ六極子場の電場'磁場を 印加することによって負の球面色収差をも発生させることで」、主に対物レンズ 742で 生じる球面収差を一部補正することができる。球面収差の方が大きい場合には、球 面収差の大部分と軸上色収差の一部を補正するようにしてもょレ、。
[0436] 十二極の電極 746はパーマロイ Bで作られ、コイル 747に電流を流すことによって 二極子、四極子、六極子磁場を発生させる。図中、参照数字 749はパーマロイ製の コアを示しており、 748は各電極を絶縁するためのスぺーサである。
[0437] ビーム走査 ·分離系 723を通過した一次ビームは対物光学系 724における NA開 口板 741に力ソード 31の像を結ぶ。これは、縮小レンズ 736を調整することにより実 現される。そのため、 NA開口板 741は中空状のビームを通すのに十分大きな穴を 有する。マルチ開口板 735で成形され且つ縮小レンズ 736で縮小されたマルチビー ムは更に対物レンズ 742によって縮小された後、試料 Wを照射する。この場合、走查 偏向器 738と補助偏向器 740とに走查信号を与えることにより、試料 Wの試料面上を 一次ビームで走查することができる。このときの偏向支点は NA開口板 41の開口位 置である。 [0438] 一次ビームの照射によって試料 Wから二次ビームがマルチビームとして放出される 。放出された二次ビームは、対物レンズ 742の高電圧で加速されてから NA開口板 7 41の開口を通過し、電磁偏向器 739によって一次ビームから分離されて二次電子光 学系 725の方へ進行する。二次電子光学系 725は複数段(この実施の形態におい ては 2段)の拡大レンズ 743、 744を備え、これらの拡大レンズ 743、 744によって二 次ビームは拡大されて検出系 726のマルチ検出器 745に結像する。このとき、拡大 レンズ 743、 744をズームレンズとすることにより、マルチ検出器 745を構成する複数 の検出器相互の間隔と二次ビームをなすマルチビームの像相互の間隔とを正確に 一致させることができるばかりでなぐ二次ビームが試料 Wを照射する単位面積即ち 画素の寸法を 2倍、 4倍、 1Z2倍、 1/4倍等に変化させたときにも検出器の間隔を 変えることなく二次ビームの検出が可能である。
[0439] 図 67は、本発明に係る電子線装置の第 15の実施の形態の構成を概略的に示す 図であり、電子線装置は電子銃 751、一次電子光学系 752、ビーム走査 '分離系 75 3、対物光学系 754及び二次電子検出系 756を備えている。
[0440] 電子銃 751は、力ソード 761とゥエーネノレト電極 762とアノード 763を備え、力ソード 761は、図示のとおり、 LaB単結晶からなる円筒状の材料の一方の端面にリング状
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のナイフエッジを形成するよう研磨された形状をしている。ナイフエッジが作るリング の直径は例えば 0. 6mmである。これにより、力ソード 761から中空状の電子線が放 出される。力ソード 761の周囲はウェーネルト電極 762によって取り囲まれ、ゥエーネ ノレト電極 762は、力ソード 761の後方に虚のクロスオーバー像 C4が形成されるよう、 力ソード 761に対して負にバイアスされる。力ソード 761のナイフエッジが形成された 端面に対向するウェーネルト電極 762の面は、力ソード 761から放出された一次ビー ムを通過させるための穴が形成された平面状の電極となっている。この穴の直径は 例えば 3mmであり、力ソード 761の先端即ちナイフエッジの先端とウェーネルト電極 762の平面状の電極との間隔は例えば 300 μ mである。
[0441] 電子銃 751から出射された一次ビームは、第 1の縮小レンズ 764、第 2の縮小レン ズ 765及び軸上色収差補正レンズ 766を備えた一次電子光学系 2によって処理され てビーム走查 '分離系 753に入る。これについて詳述すると、虚のクロスオーバー像 C4は第 1の縮小レンズ 764及び第 2の縮小レンズ 765によって縮小され、第 2の縮小 レンズ 765はクロスオーバー像 C5を形成する。軸上色収差補正レンズ 766は第 1の 四極子レンズ 767、第 2の四極子レンズ 768、第 3の四極子レンズ 769、第 4の四極 子レンズ 770、第 1の四極子磁気レンズ 771及び第 2の四極子磁気レンズ 772とを備 えており、クロスオーバー像 C5の軸上色収差補正されたクロスオーバー像 C6を形成 する。こうしてクロスオーバー像 C6を形成した一次ビームはビーム走查'分離系 753 に入る。
[0442] ビーム走查 '分離系 753は走查偏向器 773、電磁偏向器 774及び静電偏向器 77 5を備え、一次ビームは走查偏向器 773によって進行方向を変えられ、更に電磁偏 向器 774によって試料 Wに垂直に入射するよう進行方向を変えられる。このとき、ビ 一ム走查 ·分離系 753によって一次ビームに偏向色収差が生じる可能性がある。そこ で、走查偏向器 773を軸上色収差補正レンズ 766のクロスオーバー像 C6とビーム走 查 ·分離系 753との中点に配置し、走査偏向器 773と静電偏向器 775とで一次ビー ムを互いに逆方向に同一角度だけ偏向することにより偏向色収差を補正するようにし ている。
[0443] ビーム走査 ·分離系 753を通過した一次ビームは、対物光学系 4の NA開口板 776 に力ソード 761の像を結ぶ。これは、縮小レンズ 765を調整することにより実現される 。力ソードの像を NA開口板 776に結像させることにより、 NA開口板 776の位置では 一次ビームは中空状になっている。負の軸上色収差を有するクロスオーバーは NA 開口板の位置で中空状のビームとなり、対物レンズ 777によって縮小された後、試料 Wを照射する。このとき、力ソード 761の像に対して試料 Wから見た開口角が例えば lOOmradになるよう、一次電子光学系 752の設計がなされることが好ましレ、。この 10 Omradという開口角は、一次ビームが中実ビームであれば球面収差が問題になるが 、本発明においては一次ビームは中空状なのでリング幅が狭ければ、球面収差を無 視すること力 Sできる。
[0444] なお、虚のクロスオーバー C4は 2段の縮小レンズ 764、 765及び対物レンズ 777に よって例えば 1/1000程度に縮小される。ここで、走查偏向器 773と静電偏向器 77 5とに走查信号を与えることにより、試料 Wの試料面上を一次ビームで走查することが でき、このときの偏向支点は NA開口板 776の開口位置である。
[0445] 一次ビームの照射によって試料 Wから放出された二次電子は対物レンズ 777の高 電圧で加速されて NA開口板 776の開口を通過し、ビーム走査 ·分離系 753によって 一次ビームから分離されて検出系 756に入る。検出系 756としては例えば SE検出器 778を使用することができる。
[0446] 以上説明したところから理解されるように、第 13〜第 15の実施の形態においては、 試料 W上でのビームは軸上色収差を補正され、空間電荷効果によるボケも小さいの で、大きいビーム電流で小さいビーム径のビームを形成することができる。
[0447] なお、図 53及び図 54に示す製造工程に、図 56〜図 70により説明した電子線装置 を利用することによって、デバイスを製造することができる。すなわち、本発明に係る 電子線装置をステップ 403のチップ検查工程に対して用いて欠陥検查を行うと、微 細なパターンを有する半導体デバイスでも、スループット良く検查を行うことができ、 全数検査が可能となるば力りでなぐ製品の歩留まりを向上させ、欠陥製品の出荷を 防止することが可能になる。
[0448] 以上、説明したところから理解されるように、本発明は、リング状の開口を有する開 口板を設けたことによって一次ビームを中空状に生成したため、空間電荷効果の影 響が低減されるという効果を奏する。
[0449] 図 68は、本発明に係る電子線装置の第 16の実施の形態の構成を概略的に示す 図で、この電子線装置は電子線放出部 781、一次電子光学系 782、ビーム分離系 7 83、対物光学系 784、二次電子光学系 785及び検出系 786を備えている。電子放 出部 781は電子銃 790を備え、電子銃 790は単結晶 LaB6力ソードを有し、空間電 荷制限条件で動作する。
[0450] 電子銃 790から放出された一次ビームは一次電子光学系 782に入る。一次電子光 学系 782はコンデンサ 'レンズ 791、マノレチ開口板 792、回転補正レンズ 793、 NA 開口板 794、縮小レンズ 795及び軸上色収差補正レンズ 796を備えており、電子銃 790からの一次ビームはコンデンサ 'レンズ 791によって集束され、複数の穴を有す るマルチ開口板 792を一様に照射する。マルチ開口板 792によってマルチビームと された電子線は、コンデンサ 'レンズ 791及び回転補正レンズ 793によってクロスォー バーを NA開口板 794に結ぶ。コンデンサ 'レンズ 791と回転補正レンズ 793により、 上記クロスオーバーを NA開口板 794に固定した状態でマルチ開口板 792を照射す る領域を調整し、或いはマルチ開口板 792を照射する電流密度を調整することがで きる。
[0451] NA開口板 794を通過したマルチビームは縮小レンズ 795によって縮小されて点 7 97にマルチ開口板 792の像を形成する。この像は、軸上色収差補正レンズ 796によ り、負の軸上色収差を有するマルチ開口板 792の像 798となる。像 798を形成したマ ルチビームは静電偏向器 799、電磁偏向器 800及び静電偏向器 801を備えたビー ム分離系 783によって進行方向を試料 Wに垂直な方向へ変更され、更に、対物レン ズ 802によって集束されて試料 Wに最終像を形成する。なお、上記の負の軸上色収 差は対物レンズ (後述する)の正の軸上色収差によって打ち消されるので色収差はな くなる。
[0452] 軸上色収差補正レンズ 796は複数段、例えば 4段の四極子レンズ QL1、 QL2、 QL 3、 QL4と磁気四重極子 803、 804とを備えており、縮/ J、レンズ 795や対物レンズ 80 2によって発生された軸上色収差を四極子レンズ QL1〜QL4と磁気四重極子 803、 804とによって打ち消すよう設計されている。また、マルチビームによる試料 Wの走査 は 2段の静電偏向器 799、 801が担当し、特に、静電偏向器 799に与える走査信号 と静電偏向器 801に与える走査信号との比を最適化することによって偏向支点を最 適化することにより、走査時の収差を低減することができる。ここで、ビーム分離器の 偏向色収差は、マルチ開口板 792の縮小された像 798と静電偏向器 799との距離を 、像 798と電磁偏向器 800との距離の半分にすることにより、ほぼ完全に補正するこ とができる。
[0453] 試料 Wの走查点から放出された二次電子群は対物レンズ 802の高電圧によって加 速され、電磁偏向器 800によって一次ビームと分離されて二次電子光学系 785に入 射する。二次電子光学系 785は拡大レンズ 805と回転補正レンズ 806、 807とを備え る。電磁偏向器 800によって分離された二次電子線は拡大レンズ 805によって拡大 され、更に回転補正レンズ 806、 807で拡大されて検出系 6に拡大像を形成する。検 出系 786は複数の検出器が同一面上に配列されたマルチ検出器 808であって、こ れにより、マルチビームをなす各ビームを独立に各検出器で検出することができる。 回転補正レンズ 806、 807は電流制御タイプであり、互いに逆方向の光軸上磁場を 発生するよう電流が制御される。
[0454] 図 69は、図 68におけるマルチ開口板 792によって一次ビーム力 形成されたマル チビームによって照射される試料 W上の領域にどのようにビームが配置されるかを示 すビーム配置図であり、それぞれのビームの位置は黒丸で示される。図 69において 、円 811によって囲まれる領域は電子銃 790から放出されたビームによってマルチ開 口板 792がー様に照射される領域、又は、光学系の収差が指定された値以下になる 領域であって、その直径 dlは例えば である。この領域は、具体的には、光軸上 のビーム強度に対して 90%以上のビーム強度が得られる領域である。
[0455] 90%以上の強度で領域を照射するのは、マルチビームの強度がそろっていないと 画像形成に支障があることである。更に、全てのマルチビームを細く絞るために光学 系の収差を予め決められた値以下にする必要がある。また、軸上色収差を補正レン ズによって補正することができることは公知である力 光学系は軸対称ではないので 軸外収差も多いものと予測される。そこで、軸上色収差補正レンズ 796の軸外収差が 所定の閾値より小さい領域を円 811としてもよい。実際には、これらの条件が満たさ れねばならない。
[0456] 図に示すとおり、直交する 2つの軸 X、 Yを持つ座標を領域上に取ると、マルチビー ムは XY平面上に m行 n列のマトリクス状に配置される(ただし、 m及び nは正の整数 で、 mは X軸方向の、 nは Y軸方向のビーム数である)。列の相互間隔 d2は例えば 40 3nmである。これにより、領域 811内に m X n個のビームが作られる。そこで、試料 W を X軸方向に走查する際、走查方向を X軸に対して sin 1 (1/m)だけ傾けることによ つて、 Y軸へ投影したときの各ビーム間の距離 d3を全て等しくすることができる。例え ば m=8とすると sin— ^ΐΖδ) = 7. 18度であり、 d3は例えば 50nmである。こうして X 軸方向へ走査したときのラスタ'ピッチ、すなわち、 1つのビームが試料 Wを走查する 際の隣り合う軌跡間の距離を 1個の画素の寸法と等しく又はその整数倍にすることに より、マルチチャンネルの SEM像を無駄なく形成することができる。
[0457] ビーム間隔 d2は画素寸法 X mZcos (sin— (l/m) )となり、 mが大きいと分母は 1 に近くなつてビーム間隔は画素寸法の m倍になる。ここで、 mが大きくなると、ビーム 間隔が広がってしまい、一定の収差に収まる円内に多くのビームを配置するのには 不利となる。逆に、二次電子線のビーム間隔が大きい方が、マルチ検出器 808による ビームの検出は容易になる。こうした意味で、ビーム数を優先させるならば, mく nと するのがよぐ逆に、ビームの検出し易さを優先させるなら m >nとするのがよい。
[0458] なお、 m≠nである場合であっても、図 69に示すように、追カロのビーム 812〜821を m行 n列のマトリクス配置の外側に更に配置しても、ラスタ間隔を等しくすることができ る。
[0459] 以上詳述したように、本発明の第 16の実施の形態においては、軸上色収差補正レ ンズ 796の使用によって一次ビームの軸上色収差を補正するので、スループットを大 きくしても高分解能での評価を行うために必要な SZN比を得ることができる。加えて 、電磁偏向器 800をマルチ開口板 792の縮小像 798と対物レンズ 802との間に配置 したので、一次ビームと二次電子群とが共通に通過する距離が短縮され、二次ビー ムが一次ビームに与える空間電荷効果が低減されて、多数の細く絞ったビームで試 料 Wを走査することができる。
[0460] 次に、図 70により、本発明に係る電子線装置の第 17の実施の形態を説明する。こ の実施の形態においても、電子線装置は電子線放出部 831、一次電子光学系 832 、ビーム分離系 833、対物光学系 834、二次電子光学系 835及び検出系 836を備え る。電子線放出部 831の電子銃 840から放出された電子線は一次電子光学系 832 のコンデンサ 'レンズ 841で集束されて成形開口板 842を一様な強度(例えば、強度 不均一性 20%以内)で照射する。これにより、成形開口板 842を通過した電子線は 断面が矩形のビームに成形される。
[0461] こうして断面矩形とされた一次ビームは、一次電子光学系 832を更に構成する回転 補正レンズ 843、 844、成形レンズ 845及び軸合わせ偏向器 846、 847を通ってビー ム分離系 833に入る。ビーム分離系 833は電磁偏向器 848を備え、電磁偏向器 848 によって、一次電子光学系 832を通過してきた一次ビームの進行方向は試料 Wに垂 直な方向へ変えられる。電磁偏向器 848によって進行方向を変えられた一次ビーム は対物レンズ系 834の NA開口板 849に設けた一次ビーム用の開口を通過し、対物 レンズ 850によって集束されて試料 Wに結像される。
[0462] なお、軸合わせ偏向器 846、 847は、一次ビームとそれの照射によって試料 Wから 放出された二次ビームとが電磁偏向器 848と試料 Wとの間で別個の軌道を取るよう ずらすために設けられている。図 70において、点線 851は、これらの軸合わせ偏向 器 846、 847によってずらされた一次ビームの軌道を示している。図では、二次電子 の軌道は横方向に拡大して表示されているので、二次電子の内部を一次電子が通 つているように見える力 実際は一次ビームは二次ビームの外側を通る。また、図 70 に示すように、成形開口板 842に複数の開口が設けられているのは、照射電圧を変 えるため加速電圧を変えたことによる倍率の変化を補うためである。さらに、 2つの回 転補正レンズ 843、 844は、成形開口板 842によって断面矩形とされた一次ビーム がー次電子光学系 832の各種レンズによる加速電圧を変えたことによる回転角が変 わるので、その回転量を補正するために用いられている。
[0463] 一次ビームの照射によって試料 Wから放出された二次ビームは対物レンズ 850及 び NA開口板 849を通過し、電磁偏向器 848によって一次ビームから分離され、ビー ム分離系 833の静電偏向器 852によって偏向されて点 853に拡大像を形成する。静 電偏向器 852は、電磁偏向器 848によって生じた偏向色収差を補正するために、電 磁偏向器 848と同じ角度だけ逆方向に偏向するために設けられている。偏向色収差 を補正するため、点 853と電磁偏向器 848との間の距離は、点 853と静電偏向器 85 2との間の距離の 2倍に設定される。
[0464] 対物レンズ 849によって点 853に拡大像を形成した二次ビームは、非分散のウイ一 ンフィルタからなる軸上色収差補正レンズ 854によって軸上色収差補正され、補助レ ンズ 855の主面に結像される。そこで、補助レンズ 855は NA開口板 849の像を拡大 レンズ 856の主面に像 857として結像させ、これによつて、拡大レンズ 856でのビー ムの広がりを小さくし、拡大レンズ 856で発生する歪み収差を小さくする。 NA開口板 849の像 857は 2段の拡大レンズ 856、 858によって拡大されて検出系 836の MCP (マイクロチャンネル.プレート) 859に拡大像を作る。こうして、試料 Wの像が検出さ れる。なお、拡大レンズ 856による拡大像の像点に補助レンズ 860が配置される。補 助レンズ 860は、 NA開口板 849の像 857を拡大レンズ 858の主面に形成する機能 を有する。
[0465] ここで、軸上色収差補正レンズ 854について説明する。この補正レンズ 854はウイ ーンフィルタとも呼ばれ、端面から放出されたビームを 2回集束させる力 2つ目のク ロスオーバ一像では非分散となつて負の軸上色収差を発生させる。図 71は補正レン ズ 854の断面のうち 1/4の部分だけを示している。ここ力 分力^)ように、補正レンズ 854は十二極であり、二極子の電磁場でウィーン条件を満たさせ、四極子電場'磁場 によって軸上色収差を負にするのみでなぐ六極子場の電場 ·磁場を印加することに よって負の球面色収差をも発生させることで、主に対物レンズ 850で生じる球面収差 を一部補正することができる。十二極の電極 854— 1はパーマロイ Bで作られ、コイル 854_ 2に電流を流すことによって二極子、四極子、六極子磁場を発生させる。図中 、参照数字 854_ 3はパーマロイ製のコアを示しており、 854_4は各電極を絶縁す るためのスぺーサである。
[0466] 上記のとおり、二次電子光学系 5においては、二次ビームの軸上色収差補正がなさ れているので、 NA開口板 849を大きくしても、収差は小さくなり、大きい開口角の二 次ビームが NA開口板 849を通過することができる。したがって、二次ビームの透過 率が大きぐ画素当たり多くの二次ビームが MCP859に入るので、高速で画像処理 を行うことができるという利点がある。
[0467] 図 70において、符号 857は、 NA開口板 849を拡大レンズ 856の主面に結像させ た像を示している。 NA開口板 849の光学的共役面 857の位置は、補助レンズ 855 の焦点距離を調整することによって、二次ビームの光軸に沿う任意の位置に設定す ること力 Sできる。こうした設定を行っても、補助レンズ 855の主面には、軸上色収差補 正された二次ビームの像が形成される。 NA開口板 849の位置を設計するのは、視 野の端から放出された二次ビームと光軸近くから放出された二次ビームとが光軸と交 わる位置が僅かに異なることを利用する。視野の端から出た二次ビームが光軸と交わ る位置に NA開口板 849が位置するよう設計することにより、視野の端から出た二次 電子線に基づく信号を強めることができ、これにより、電子銃が視野の端でのビーム 電流密度を大きくすることができないという問題を一部解決することができる。
[0468] 一方、視野の形状に関しては、軸上色収差補正レンズ 854は視野を大きくすること ができない。このため、一次ビームによって試料 Wの面を円形に照明するようにし、 M CP859は例えば 2048 X 2048画素の正方形の検出面を持つことが好ましい。
[0469] 上記の 2つの実施の形態において、対物レンズ 802、 850が電磁レンズである場合 には、試料 Wの法線方向に放出された二次電子線は光軸と交わらない。しかし、法 線方向に対して 8. 5度傾いた方向に放出された二次電子線は光軸と交わることがシ ミュレーシヨンによって判明した。二次電子線は余弦法則に従って放出されるので、 8 . 5度傾いた方向に放出された二次電子線の強度は cos8. 5 = 0. 9であって、光軸 方向に放出される二次電子線と大差ない。したがって、本発明においては、試料 W の法線方向から 8. 5度傾いた方向に放出される二次電子線を利用することにより、 所期の動作を行うことができる。
[0470] 以上、本発明に係る電子線装置及び該装置を使用した半導体デバイス製造方法 について説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなぐ 当業者にとって自明なように、種々の修正及び変更が可能である。例えば、検出系 6 に用いる検出器として、 MCPやマルチ検出器のような面センサに代えて線センサを 用いても良い。本発明においては、一次電子光学系又は二次電子光学系に軸上色 収差補正レンズを設けたので、スループットを大幅に向上させ、高分解能での試料 評価を行うことができる。軸上色収差補正レンズの視野は比較的狭いが、二次元的 な広がりを持つ、例えば正方形の視野を用いることにより、試料の二次元像を効率よ く得ることができる。また、一次ビームと二次ビームとが共に通る距離が短いため、空 間電荷効果による影響が緩和されるという効果も奏される。
[0471] 以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術思想 力 離れることなぐこれら実施態様の変形、変更が可能であることは明らかであろう。

Claims

請求の範囲
[1] 試料の表面を検查するための写像投影型の電子光学系を有する電子線装置におい て、
電子ビームを放出する電子銃と、
該放出された電子ビームを試料上に導いて照射する一次電子光学系と、 電子を検出する検出器と、
電子ビームの照射により試料から放出された、試料表面の情報を得た電子ビーム を検出器に導く 2次電子光学系と
を備え、
一次電子光学系及び 2次電子光学系の少なくとも一方は、多極子レンズを含んで レ、ることを特徴とする電子線装置。
[2] 請求項 1記載の電子線装置において、多極子レンズは、 2次電子光学系の拡大レン ズと 1次電子ビーム及び 2次電子ビームを分離するビーム分離手段との間に配置さ れてレヽることを特徴とする電子線装置。
[3] 請求項 2記載の電子線装置において、試料面に最も近接した対物レンズを、磁気ギ ヤップが試料側に設けられた電磁レンズとし、該電磁レンズで生じた軸上色収差を、
2次電子光学系に配置した多極子レンズで補正することができるようにしたことを特徴 とする電子線装置。
[4] 請求項 1記載の電子線装置において、多極子レンズは、 1次電子光学系の縮小レン ズと 1次電子ビーム及び 2次電子ビームを分離するビーム分離手段との間に配置さ れてレヽることを特徴とする電子線装置。
[5] 請求項 4記載の電子線装置において、
一次電子光学系は、軸対称レンズを含み、
該軸対称レンズは、視野端での軸外収差が予め設定した所定値以下となるように 設定され、かつ、電磁レンズで構成され、該レンズのボーァ径を視野の最大直径の 5 0倍以上とした
ことを特徴とする電子線装置。
[6] 請求項 1記載の電子線装置において、 1次電子光学系は、電子銃からの電子ビームをマルチ電子ビームに変換する手段 を備え、
検出器は、該マルチ電子ビームの試料上の照射点から放出される 2次電子ビーム であるマルチ電子ビームを個別に検出する検出部を備えている
ことを特徴とする電子線装置。
[7] 請求項 1記載の電子線装置において、多極子レンズは、 4段の 4極子レンズであるこ とを特徴とする電子線装置。
[8] 試料の表面の欠陥を検查する欠陥検查システムにおいて、
請求項 1記載の写像投影型の電子光学系を有する電子線装置と、
該電子線装置の検出器により検出した電子に含まれる試料表面の情報に基づい て、試料表面の画像を生成する画像取得手段と、
該取得した画像を参照画像と対比して試料表面の欠陥の有無を検査する欠陥評 価手段と
を備えてレ、ることを特徴とする欠陥検査システム。
[9] 請求項 7記載の欠陥検査システムにおいて、該システムはさらに、
試料を搬送する試料搬送系と、
試料を載置する試料載置ユニットと、
該試料載置ユニットを 2次元移動させる XYステージと、
試料載置ユニットと XYステージとを収納し、かつ真空状態に保持するメインチャン バと、
メインチャンバと試料搬送系との間にあり、試料を試料搬送系力 メインチャンバに 移動させるときに、メインチャンバの真空状態を保持させるロードロック室と を備えてレ、ることを特徴とする欠陥検查システム。
[10] 請求項 9記載の欠陥検查システムにおいて、試料搬送系は、試料へのパーティクル の付着を防止する機能を有する静電チャックを備えていることを特徴とする欠陥検査 システム。
[11] 請求項 7記載の欠陥検查システムにおいて、 XYステージは、その少なくとも 1軸方向 に、差動排気機構を有するエアーベアリングを備えてレ、ることを特徴とする欠陥検査 システム。
[12] 試料から放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で拡大像を 作り、 TD1又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る電子線装置におい て、電子銃から放出された電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下で 、試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにし、対物レ ンズにより試料面に合焦し、該対物レンズを磁気レンズで構成し、試料と対物レンズ 主面間距離を対物レンズのボーァ半径より大きくすることを特徴とする電子線装置。
[13] 前記電子線装置において、前記対物レンズのボーァ径が視野の直径の 80倍以上 であるようにすることを特徴とする、請求項 12記載の電子線装置。
[14] 前記磁気レンズに関し、その磁気ギャップの近傍には軸対称の円筒電極を設けて 、正の高電圧を与え、円筒電極と試料間は放電を回避できる十分な距離を確保する ようにしたことを特徴とする請求項 12又は 13記載の電子線装置。
[15] 前記電子線装置にぉレ、て、試料から放出される二次電子又は反射電子は、 E X B 分離器により偏向された後に、写像投影光学レンズ系に入射し、該レンズ系は NA開 口をレンズ主面近傍に有する電磁レンズを少なくとも 1段は有する構成とすることを特 徴とする請求項 12から 14のいずれか記載の電子線装置。
[16] 前記写像投影光学レンズ系は、静電レンズの補助レンズと拡大電磁レンズとを有す る構成とし、上記静電レンズは電圧印加可能の電極を 2枚以上有し、上記レンズ系は 前段レンズが作る試料像位置を上記補助レンズの主面に結像させる構成であり、上 記静電レンズを駆動する電極を選択することにより拡大率を可変とする請求項 12か ら 15のいずれか記載の電子線装置。
[17] 試料から放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で拡大像を 作り、 TD1又は CCD検出器で検出させることにより試料像を得る電子線装置におい て、電子銃から放出される電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下で、 試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにして、対物レ ンズにより試料面に合焦し、最終段レンズを少なくとも 5枚の電極を有する静電レンズ とし、その中央の電極に与える電圧を、その前後の電極に与える電圧と符号の異なる 電圧を与えることを特徴とする電子線装置。
[18] 前記電子線装置にぉレ、て、対物レンズとして、試料側のボーァ径が検出側のボー ァ径まり小さい磁気レンズを用いることを特徴とする請求項 17記載の電子線装置。
[19] 前記電子線装置において、対物レンズを磁気レンズで構成し、対物レンズの主面 を挟んで前後に 2段の電磁コイルを設け、これらの偏向器は MOL条件をほぼ満たす ようにすることを特徴とする請求項 17又は 18記載の電子線装置。
[20] 前記電子線装置において、像面湾曲収差及び非点収差を補正し、視野の中央部 と視野の端とでビーム分解能の差を小さくするように調整することを特徴とする請求項 6から 8のいずれか記載の電子線装置。
[21] 半導体デバイスを製造する方法にぉレ、て、(ィ)ゥエーハを準備し (口)マスク基板を 準備し、マスクを製作し、(ハ)ゥヱ一八に必要な加工処理を行うゥヱーハプロセッシ ング工程を経て、(二)得られたゥエーハを請求項 12から 20のいずれか記載の前記 電子線装置を用いて評価を行い、前記 (ハ)前記(二)のステップを必要な回数繰り返 し、(ホ)ゥエーハを切断し、デバイスに組み立てることを特徴とする半導体デバイスの 製造方法。
[22] 写像投影型の電子線装置において、
電子銃と、
多極子レンズを有する軸上色収差補正手段と、
MOL動作を行う対物レンズと
を備え、分割された視野内領域で MOL動作を行いながら、電子線を試料上に照射 することを特徴とする電子線装置。
[23] 請求項 22記載の電子線装置において、電子線装置はリソグラフィ装置であり、該装 置はさらに、試料上に形成すべきパターンを有するマスク又はレチクルを備えている ことを特徴とする電子線装置。
[24] 請求項 22記載の電子線装置において、電子線装置は試料上に形成されているバタ ーンを評価するための試料評価装置であることを特徴とする電子線装置。
[25] 請求項 22記載の電子線装置において、該装置はさらに、対物レンズを有し、その内 部に、対物レンズの軸上磁場分布の光軸方向に関する微分値に比例する偏向磁界 を発生させる偏向器を備えていることを特徴とする電子線装置。
[26] 矩形状の一次ビームを試料に照射し、該試料から放出される二次電子を電子光学 系で検出面に拡大投影して検出する電子線装置において、
前記電子光学系に、前記二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状開 口を有する開口板を設けたことを特徴とする電子線装置。
[27] 前記リング状開口の幅が球面収差を無視し得るほど小さいことを特徴とする、請求 項 26に記載の電子線装置。
[28] 前記電子光学系が、前記二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズを 更に備えることを特徴とする、請求項 26又は 27に記載の電子線装置。
[29] 電子銃から放出された一次ビームを対物光学系を介して試料に照射し、該試料か ら放出される二次電子を検出する電子線装置において、
前記一次ビームを前記対物光学系を通過する際に中空状のビームに変形して前 記試料を照射するとともに、前記二次電子を検出して前記試料の評価を行う評価装 置と、
前記一次ビーム又は前記二次電子の軸上色収差を補正する補正レンズと、 を具備することを特徴とする電子線装置。
[30] 前記電子銃の力ソードが、リング状のエッジを有する力ソードを備えることを特徴と する、請求項 29に記載の電子線装置。
[31] 前記一次ビームをマルチビームに変形して前記試料に照射させるマルチ開口板を 更に備え、前記二次電子を複数の検出器で検出することを特徴とする、請求項 29又 は 30に記載の電子線装置。
[32] 請求項 26〜31のいずれか一つに記載の電子線装置を用いてデバイスを製造する 方法であって、
a.ゥエーハを用意する工程と、
b.ゥヱーハ 'プロセスを実施する工程と、
c前記工程 bを経たゥエーハを評価する工程と、
d.前記工程 a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
e.前記工程 d後のゥヱーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、
を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
[33] m行 n列に配列された複数の一次ビームで試料を走査し、前記試料から放出され た二次ビームを検出して前記試料の評価を行う電子線装置であって、
前記走査を行方向に対して 1/mに相当する角度だけ傾いた方向に m X n個のビ ームを同時に走査し、前記走査のラスタ'ピッチを画素寸法の整数倍とすることを特 徴とする電子線装置。
[34] 試料面に断面矩形の電子線を照射し、該試料から放出される二次電子線を、 NA 開口板を含む写像投影光学系で拡大し、前記試料の像を得る電子線装置であって 収差の最小になる位置に、前記 NA開口板を配置し又は前記 NA開口板の光学的 共役面を形成することを特徴とする電子線装置。
[35] 前記拡大像が正方形であることを特徴とする、請求項 34に記載の電子線装置。
[36] 複数の一次ビームを試料に照射し、該試料から放出される複数の二次電子線をビ ーム分離器で前記一次ビームから分離し、拡大光学系で前記複数の二次電子線間 の距離を拡大して検出器に入射させる電子線装置であって、
前記複数の一次ビームの軸上色収差を補正する補正レンズを備え、前記ビーム分 離器が前記補正レンズと前記試料との間に配置されることを特徴とする電子線装置。
[37] 一次ビームを断面矩形に成形し且つ対物レンズで集束して試料を照射し、該試料 から放出された二次電子線を前記対物レンズで加速'集束し、 NA開口板を含む拡 大光学系によって拡大してセンサにて検出する電子線装置であって、
前記対物レンズが電磁レンズであり、
前記試料の法線方向に対して指定された方向を中心に放出される前記二次電子 線が通過する位置に前記 NA開口板の光学的共役面を位置させたことを特徴とする 電子線装置。
[38] 請求項 33〜37のいずれか一つに記載の電子線装置を用いてデバイスを製造する 方法であって、
a.ゥエーハを用意する工程と、
b.ゥヱーハ 'プロセスを実施する工程と、
c前記工程 bを経たゥエーハを評価する工程と、 d.前記工程 a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
e.前記工程 d後のゥエーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、 を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
1次電子光学系は、 電子銃からの電子ビームをマルチ電子ビームに変換する手段 を備え、
検出器は、 該マルチ電子ビームの試料上の照射点から放出される 2次電子ビーム であるマルチ電子ビームを個別に検出する検出部を備えている
ことを特徴とする電子線装置。
[7] 請求項 1記載の電子線装置において、 多極子レンズは、 4段の 4極子レンズである ことを特徴とする電子線装置。
[8] 試料の表面の欠陥を検査する欠陥検査システムにおいて、
請求項 1記載の写像投影型の電子光学系を有する電子線装置と、
該電子線装置の検出器により検出した電子に含まれる試料表面の情報に基づいて、 試料表面の画像を生成する画像取得手段と、
該取得した画像を参照画像と対比して試料表面の欠陥の有無を検査する欠陥評価 手段と ,
を備えていることを特徴とする欠陥検査システム。
[9] (補正後) 請求項 8記載の欠陥検査システムにおいて、 該システムはさらに、
試料を搬送する試料搬送系と、
試料を載置する試料載置ュニットと、
該試料載置ュニットを 2次元移動させる XYステージと、
試料載置ュニッ卜と XYステージとを収納し、 かつ真空状態に保持するメインチ ヤンノ と、
メインチャンバと試料搬送系との間にあり、 試料を試料搬送系からメインチャン バに移動させるときに、 メインチヤンパの真空状態を保持させるロードロック室と を備えていることを特徴とする欠陥検査システム。
[10] 請求項 9記載の欠陥検査システムにおいて、 試料搬送系は、 試料へのパーティクル の付着を防止する機能を有する静電チヤックを備えていることを特徴とする欠陥検 查システム。
[11] (補正後) 請求項 8記載の欠陥検査システムにおいて、 X Yステージは、 その少 なくとも 1軸方向に、 差動排気機構を有するエアーべァリングを備えている ことを特徴とする欠陥検査システム。
[12] (補正後) 試料から放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で 拡大像を作り、 T D I又は C C D検出器で検出させることにより試料像を得 る電子線装置において、 電子銃から放出された電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下で、 試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌 道を通るようにし、 対物レンズにより試料面に合焦し、 該対物レンズを磁気レン ズで構成し、 試料と対物レンズ主面間距離を対物レンズのボーァ半径より大きく することを特徴とする電子線装置。
[13] 前記電子線装置において、 前記対物レンズのポ一ァ径が視野の直径の 8 0倍以 上であるようにすることを特徵とする、 請求項 1 2記載の電子線装置。
[14] (補正後) 前記磁気レンズに関し、 その磁気ギャップの近傍には軸対称の円
筒電極を設けて、 正の高電圧を与え、 円筒電極と試料間は放電を回避できる十分 な距離を確保するようにしたことを特徴とする、 請求項 1 2又は 1 3記載の電子 線装置。
[15] (補正後) 前記電子線装置において、 試料から放出される二次電子又は反射電子 は、 E X B分離器により偏向された後に、 写像投影光学レンズ系に入射し、 該レンズ系は N A開口をレンズ主面近傍に有する電磁レンズを少なくとも 1 段は有する構成とすることを特徴とする、 請求項 1 2から 1 4のいずれか記載の 電子線装置。
[16] (補正後) 前記写像投影光学レンズ系は、 静電レンズの補助レンズと拡大電磁レ ンズとを有する構成とし、 上記静電レンズは電圧印加可能の電極を 2枚以上 有し、 上記レンズ系は前段レンズが作る試料像位置を上記補助レンズの主面に結 像させる構成であり、 上記静電レンズを駆動する電極を選択することにより拡大 率を可変とする、 請求項 1 2から 1 5のいずれか記載の電子線装置。
[17] (補正後) 試料から放出される二次電子又は反射電子を写像投影光学レンズ系で 拡大像を作り、 T D I又は C C D検出器で検出させることにより試料像を得 る電子線装置において、
電子銃から放出される電子線を開口により矩形に整形し、 E X B分離器より下
補正された用紙 (条約第 19条) で、 試料から放出される二次電子又は反射電子とずらした軌道を通るようにして、 対物レンズにより試料面に合焦し、 最終段レンズを少なくとも 5枚の電極を有す る静電レンズとし、 その中央の電極に与える電圧を、 その前後の電極に与える電 圧と符号の異なる電圧を与えることを特徴とする電子線装置。
[18] (補正後) 前記電子線装置において、 対物レンズとして、 試料側のボーァ径が検 出側のポーァ径より小さい磁気レンズを用いることを特徴とする、 請求項 1 7記載の電子線装置。
[19] (補正後) 前記電子線装置において、 対物レンズを磁気レンズで構成し、 対物レ ンズの主面を挟んで前後に 2段の電磁コイルを設け、 これらの偏向器は M O L条件を満たすようにすることを特徴とする、 請求項 1 7又は 1 8記載の電子線 装置。
[20] (補正後) 前記電子線装置において、 像面湾曲収差及び非点収差を補正し、 視野 の中央部と視野の端とでビーム分解能の差を小さくするように調整するこ とを特徴 とする、 請求項 6または 7に記載の電子線装置。
[21] ' (補正後) 半導体デバイスを製造する方法において、
(ィ) ゥェ一八を準備し、
(口) マスク基板を準備し、 マスクを製作し、
(ハ) ゥェ一ハに必要な加工処理を行うゥェ一ハプロセッシング工程を経て、 (二) 得られたゥエーハを請求項 1 2から 2 0のいずれか記載の前記電子線装置 を用いて評価を行い、 前記 (八) 及び前記 (二) のステップを必要な回数繰り返 し、
(ホ) ゥェ一ハを切断し、 デバイスに組み立てる
ことを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
[22] 写像投影型の電子線装置において、
電子銃と、
多極子レンズを有する軸上色収差補正手段と、
M 0 L動作を行う対物レンズと
を備え、 分割された視野内領域で M O L動作を行いながら、 電子線を試料上に照
補正された用紙 (条約第 19条) 射することを特徴とする電子線装置。
[23] 請求項 2 2記載の電子線装置において、 電子線装置はリソグラフィ装置であり、 該 装置はさらに、 試料上に形成すべきパターンを有するマスク又はレチクルを備えて いることを特徴とする電子線装置。
[24] 請求項 2 2記載の電子線装置において、 電子線装置は試料上に形成されている パターンを評価するための試料評価装置であることを特徴とする電子線装置。
[25] 請求項 2 2記載の電子線装置において、 該装置はさらに、 対物レンズを有し、 その内部に、 対物レンズの軸上磁場分布の光軸方向に関する微分値に比例する偏 向磁界を発生させる偏向器を備えていることを特徴とする電子線装置。
[26] 矩形状の一次ビームを試料に照射し、 該試料から放出される二次電子を電子光 学系で検出面に拡大投影して検出する電子線装置において、
前記電子光学系に、 前記二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状 開口を有する開口板を設けたことを特徴とする電子線装置。
[27] 前記リング状開口の幅が球面収差を無視し得るほど小さいことを特徵とする、 請求項 2 6に記載の電子線装置。
[28] 前記電子光学系が、 前記二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズを 更に備えることを特徴とする、 請求項 2 6又は 2 7に記載の電子線装置。
[29] 電子銃から放出された一次ビームを対物光学系を介して試料に照射し、 該試料 から放出される二次電子を検出する電子線装置において、
前記一次ビームを前記対物光学系を通過する際に中空状のビームに変形して 前記試料を照射するとともに、 前記二次電子を検出して前記試料の評価を行う評 価装置と、
前記一次ビーム又は前記二次電子の軸上色収差を補正する補正レンズと、 を具備することを特徴とする電子線装置。
[30] 前記電子銃の力ソードが、 リング状のエッジを有する力ソードを備えることを 特徴とする、 請求項 2 9に記載の電子線装置。
[31] 前記一次ビームをマルチビームに変形して前記試料に照射させるマルチ開口板 を更に備え、 前記二次電子を複数の検出器で検出することを特徴とする、 請求項
捕正された用紙 (条約第 19条) 2 9又は 3 0に記載の電子線装置。
[32] (補正後) a . ゥェ一ハを用意する工程と、
b . ゥエーハ ·プロセスを実施する工程と、
c . 前記工程 bを経たゥェ一八を請求項 2 6 ~ 3 1のいずれか一つに記載の電 子線装置を用いて評価する工程と、
d - 前記工程 a〜 cを必要回数だけ反復する工程と、
e . 前記工程 d後のゥェーハを切断してデバィスに組み立てる工程と、 を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
[33] (補正後) m行 n列に配列された複数の一次ビームで試料を走査し、 前記試料か ら放出された二次ビームを検出して前記試料の評価を行う電子線装置であって、 前記走査を行方向に対して s i n— 1 ( 1 /m) に相当する角度だけ傾いた方向 に m X n個のビ一ムを同時に走査し、 前記同時に走査するビーム間のラスタ ' ピ ツチを画素寸法の整数倍とすることを特徴とする電子線装置。
[34] 試料面に断面矩形の電子線を照射し、 該試料から放出される二次電子線を、 N
A開口板を含む写像投影光学系で拡大し、 前記試料の像を得る電子線装置であつ て、
収差の最小になる位置に、 前記 N A開口板を配置し又は前記 N A開口板の光学 的共役面を形成することを特徴とする電子線装置。
[35] 前記拡大像が正方形であることを特徴とする、 請求項 3 4に記載の電子線装置。
[36] 複数の一次ビームを試料に照射し、 該試料から放出される複数の二次電子線を ビーム分離器で前記一次ビームから分離し、 拡大光学系で前記複数の二次電子線 間の距離を拡大して検出器に入射させる電子線装置であって、
前記複数の一次ビームの ¾&上色収差を補正する補正レンズを備え、 前記ビーム 分離器が前記補正レンズと前記試料との間に配置されることを特徴とする電子 線装置。
[37] 一次ビームを断面矩形に成形し且つ対物レンズで集束して試料を照射し、 該試 料から放出された二次電子線を前記対物レンズで加速 ·集束し、 NA開口板を含 む拡大光学系によつて拡大してセンサにて検出する電子線装置であつて、
補正された用紙 (条約第 19条 前記対物レンズが電磁レンズであり、
前記試料の法線方向に対して指定された方向を中心に放出される前記二次電 子線が通過する位置に前記 N A開口板の光学的共役面を位置させたことを特徴 とする電子線装置。
(補正後) a . ゥェ一ハを用意する工程と、
b . ゥェ一ハ ·プロセスを実施する工程と、
c . 前記工程 bを経たゥェ一ハを請求項 3 3〜3 7のいずれか一つに記載の電 子線装置を用いて評価する工程と、
d . 前記工程 a〜 cを必要回数だけ反復する工程と、
e . 前記工程 d後のゥエーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、 を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
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