JP2006278028A - 電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 - Google Patents

電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 空間電荷効果に起因する解像度の低下を防止すること
【手段】 矩形状の一次ビームを試料Wに照射し、試料Wから放出される二次電子を電子光学系5で検出面に拡大投影して検出する電子線装置は、電子光学系5に、二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状開口181〜184を有する開口板18を備える。これらリング状開口の幅は球面収差を無視し得るほど小さい。また、電子光学系5は、二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズ22を備えることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、最小線幅が0.2μm以下のパターンを有する試料の評価を高スループット且つ高信頼性で行うことができる電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法に関する。
半導体デバイスの高集積化、パターンの微細化に伴い、高分解能、高スループットの検査装置が要求されている。100nmデザインルールのウェーハ基板の欠陥を調べるためには、100nm以下の線幅を有する配線におけるパターン欠陥やパーティクルの有無、ビアの欠陥及びこれらの電気的欠陥を見る必要があり、したがって100nm以下の分解能が必要であり、デバイスの高集積化による製造工程の増加により、検査量が増大するため、高スループットが要求されている。
また、デバイスの多層化が進むにつれて、層間の配線をつなぐビアのコンタクト不良(電気的欠陥)を検出する機能も、検査装置に要求されている。分解能及びコンタクト不良検査の点では、光方式の欠陥検査装置に代わって、電子線を用いた欠陥検査装置が検査装置の主流になると予想される。ただし、電子線方式欠陥検査装置はスループットの点で光方式に劣るという弱点がある。このため、高分解能、高スループット、且つ電気的欠陥検出が可能な電子線式検査装置の開発が要求されている。
光方式での検査装置の分解能は使用する光の波長の1/2が限界であると言われており、実用化されている例での分解能は0.2μm程度である。一方、電子線を使用する方式では、走査型電子線方式(SEM方式)が実用化されており、分解能は0.1μm、検査時間は8時間/枚(200mmウェーハ)である。電子線方式はまた、電気的欠陥(配線の断線、導通不良、ビアの導通不良等)も検査可能であることが大きな特徴であるが、検査速度が非常に遅く、検査速度の速い欠陥検査装置の開発が期待されている。
一般に、検査装置は高価であり、またスループットも他のプロセス装置に比べて低いために、現状では重要な工程の後、例えばエッチング、成膜又はCMP(化学機械研磨)平坦化処理後等に使用されている。
電子線を用いた走査(SEM)方式の検査装置について説明する。SEM方式の検査装置は電子線を細く絞って(このビーム径が分解能に相当する)これを走査してライン状に試料を照射する。一方、ステージを電子線の走査方向に直角の方向に移動させることにより、平面状に観察領域を電子線で照射する。電子線の走査幅は一般に数100μmである。前記細く絞られた電子線(一次電子線と呼ぶ)照射により発生した試料からの二次電子を検出器(シンチレータ+フォトマルチプライヤ(光電子増倍管)又は半導体方式の検出器(PINダイオード型)等)で検出する。照射位置の座標と二次電子の量(信号強度)を合成して画像化し、記憶装置に記憶し、あるいはCRT(ブラウン管)上に画像を出力する。以上はSEM(走査型電子顕微鏡)の原理であり、この方式で得られた画像から工程途中の半導体(通常はSi)ウェーハの欠陥を検出する。検査速度(スループットに相当する)は一次電子線の量(電流値)、ビーム径及び検出器の応答速度で決まる。ビーム径0.1μm(分解能と同じと考えてよい)電流値100nA、検出器の応答速度100MHzが現在の最高値で、この場合で検査速度は20cm径のウェーハ一枚あたり約8時間と言われている。この検査速度が光方式に比べてきわめて遅い(1/20以下)ことが大きな問題点となっている。特に、ウェーハ上に作られた100nm以下のデザイン・ルールのデバイス・パターン、即ち、100nm以下の線幅や直径100nm以下のビア等の形状欠陥や電気的欠陥の検出及び100nm以下のゴミの高速の検出が必要となっている。
上で説明したSEM方式の検査装置では、上記の検査速度がほぼ限界と考えられており、更に高速にする、すなわちスループットを上げるためには新しい方式が必要である。この必要を満たすために、断面が長方形の電子線を試料に照射し、該試料から放出される二次電子を写像光学系で拡大して検出する電子線装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、多極子レンズを設けて軸対称レンズの軸上色収差を補正する電子顕微鏡も公知である(例えば非特許文献1参照)。
特開2002−216694号公報 D. Ioanoviciv, et al., Rev. Sci. Instrum., Vol. 75, No. 11, Nov. 2004。
しかしながら、従来から知られている写像型の電子線装置においては、大電流の一次ビームを流すと、電子間の空間電荷効果に起因して写像のボケが大きくなり、高分解能が得られないという問題があった。
本発明は、こうした問題を解決するために提案されたものであり、本発明は、空間電荷効果に起因する解像度の低下を防止することができる電子線装置及び該装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、
矩形状の一次ビームを試料に照射し、該試料から放出される二次電子を電子光学系で検出面に拡大投影して検出する電子線装置において、
前記電子光学系に、前記二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状開口を有する開口板を設けたことを特徴とする電子線装置、
を提供する。
請求項2の発明は、前記リング状開口の幅が球面収差を無視し得るほど小さくしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記電子光学系に、前記二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズを更に設けたことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、請求項4の発明は、
電子銃から放出された一次ビームを対物光学系を介して試料に照射し、該試料から放出される二次電子を検出する電子線装置において、
前記一次ビームを前記対物光学系を通過する際に中空状のビームに変形して前記試料を照射するとともに、前記二次電子を検出して前記試料の評価を行う評価装置と、
前記一次ビーム又は前記二次電子の軸上色収差を補正する補正レンズと、
を具備することを特徴とする電子線装置、
を提供する。
請求項5の発明は、前記電子銃のカソードがリング状のエッジを有することを特徴とする。
請求項6の発明は、前記一次ビームをマルチビームに変形して前記試料に照射させるマルチ開口板を備え、前記二次電子を複数の検出器で検出することを特徴とする。
請求項7の発明は、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子線装置を用いてデバイスを製造する方法であって、
a.ウェーハを用意する工程と、
b.ウェーハ・プロセスを実施する工程と、
c.前記工程bを経たウェーハを評価する工程と、
d.前記工程a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
e.前記工程d後のウェーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、
を具備することを特徴とするデバイス製造方法、
を提供する。
以下、本発明に係る電子線装置の若干の実施の形態の構成と動作について図1〜図5を用いて詳述する。なお、これらの図面を通じて、同じ参照数字は同じ又は同様の構成要素を指すものとする。
図1の(A)は、本発明に係る電子線装置の第1の実施の形態の構成を概略的に示す図である。同図において、電子線装置は、電子銃1、一次電子光学系2、ビーム分離系3、対物光学系4、二次電子光学系5及び二次電子検出系6を備えている。
電子銃1から放出された電子線は、一次電子光学系2における第1のコンデンサ・レンズ11及び第2のコンデンサ・レンズ12とによって拡大されて、長方形の成形開口を有する開口板13を照射する。これによって、断面が長方形の一次ビームが形成される。この長方形断面の一次ビームを成形レンズ14によってビーム成形し、倍率可変レンズ15によって拡大率を調整してからビーム分離系3に入射させる。ビーム分離系3は、例えば、静電偏向器16と電磁偏向器17とを備えたE×B分離器である。ビーム分離系3に入射した一次ビームはその進行方向を試料Wに垂直な方向へと変える。
ビーム分離系3によって進行方向を試料Wに垂直な方向へ変更された一次ビームは対物光学系4に入る。対物光学系4は、リング状の開口と一次ビームが通る矩形状の開口とを有するNA開口板18、ダイナミック・フォーカス用電極19、高電圧印加電極20及び対物レンズ電極21を備えている。NA開口板18は、図1の(B)にその平面図を示すように、同一円周上に配列されてリング状の開口を作る複数個の(図1の(B)においては4個の)細長い穴181、182、183、184と、一次ビームを通過させるための矩形の穴185とを有する。ビーム分離系3を通過した長方形断面の一次ビームは矩形の穴185を通るよう偏向される。その後、一次ビームはダイナミックフォーカス用電極19、高電圧印加電極20及び対物レンズ電極21によって試料Wに合焦され、試料Wの試料面を照射する。
断面長方形の一次ビームによって照射された試料Wから放出された二次電子は対物レンズ電極21が作る高電圧によって加速且つ収束されてNA開口板18の位置で二次電子の光軸と交わり、位置Pに拡大像を形成する。このNA開口板18が設けられた位置は、シミュレーションにより確認されたところによると、コマ収差と倍率色収差との合計が最小になる位置である。従来のNA開口板は1個の円形の穴が形成されたものであったが、空間電荷効果のために像のボケが増加するという問題があった。そこで、本発明においては、二次電子をNA開口板18のリング状の穴181〜184により中空状のビームとし、該ビームのみを検出系6の方へ向かわせる。NA開口板18の穴181〜184の幅Dは小さいので、二次電子光学系5での球面収差は十分小さい。しかし、このような電子線装置において大きい開口角のビームを利用するので、軸上色収差が大きな問題となり得る。そこで、ビーム分離系3によって一次電子と分離されて検出系6へ向かう中空状の二次電子は二次電子光学系5の複数段(この実施の形態においては4段)の四極子レンズで構成された軸上色収差補正レンズ22によって軸上色収差の補正がなされる。
軸上色収差補正された二次電子は、軸上色収差補正レンズ22の像点23に配置された補助レンズ24とその下流側に配置された拡大レンズ25とによって拡大され、更に、その下流側の補助レンズ26及び拡大レンズ27によって拡大される。補助レンズ26は拡大レンズ27の主面にNA開口板18のリング状の穴181〜184の縮小された像を形成する。こうして形成された二次電子像は拡大レンズ27で拡大され、拡大された像を検出系6のMCP(マイクロチャンネル・プレート)28に結像する。検出系6は拡大レンズ27によって投影された像を用いて試料Wの欠陥を評価するのに用いられる。
図2の(A)は、本発明に係る電子線装置の第2の実施の形態の構成を概略的に示す図であり、第1の実施の形態と同様に、電子線装置は電子銃1、一次電子光学系2、ビーム走査・分離系3′、対物レンズ4、二次電子光学系5及び二次電子検出系6を備えている。図2において、電子銃1はカソード31とウェーネルト電極32とを備え、カソード31は、図示のとおり、LaB単結晶からなる円筒状の材料の一方の端面にリング状のエッジを形成した形状をしている。このため、カソード31からは断面が中空状の電子線が放出される。ウェーネルト電極32はカソード31を取り囲み、該電極には、一次電子光学系2の第1のコンデンサ・レンズ33との間にクロスオーバー像C1を形成するような電圧が加えられる。
一次電子光学系2は第1及び第2のコンデンサ・レンズ33、34、マルチ開口板35、縮小レンズ36及び軸上色収差補正レンズ37を備えている。電子銃1によって形成されたクロスオーバー像C1は拡大レンズである第1のコンデンサ・レンズ33及び第2のコンデンサ・レンズ34によって2段に拡大され、マルチ開口板35を一様に照射する。なお、第2のコンデンサ・レンズ34は、マルチ開口板35が広く且つ一様に照射されるよう、コンデンサ・レンズ34のクロスオーバー像C2がマルチ開口板35よりも少しコンデンサ・レンズ34側に来るよう励起を調整される。マルチ開口板35でマルチビームとされた一次ビームは縮小レンズ36で縮小され、軸上色収差補正レンズ37によって負の軸上色収差を有した状態でビーム走査・分離系3′に入る。
ビーム走査・分離系3′は走査偏向器38と電磁偏向器39と静電偏向器40とを備え、負の軸上色収差を持った一次ビームは走査偏向器38によって進行方向を電磁偏向器39へ向かうように変更され、更に、電磁偏向器39によって試料Wに垂直に入射するよう進行方向を変えられる。このとき、ビーム走査・分離系3′において一次ビームに偏向色収差が生じる可能性がある。そこで、走査偏向器38を軸上色収差補正レンズ37のクロスオーバー像C3とビーム走査・分離系3′との中点に配置し、走査偏向器38と電磁偏向器39とで一次ビームを互いに逆方向に同一角度だけ偏向することによって、偏向色収差を補正するようにしている。上記負の軸上色収差を持ったビームは対物レンズの持つ正の軸上色収差で打ち消され、軸上色収差は補正される。静電偏向器40は試料上でマルチビームを走査するために使用される。
ここで、図2の(B)を用いて軸上色収差補正レンズ37について説明する。この補正レンズ37はウィーンフィルタとも呼ばれ、端面から放出されたビームを2回集束させるが、クロスオーバー像C3では非分散となって負の軸上色収差を発生させる。図2の(B)は補正レンズ37の断面のうち1/4の部分だけを示している。ここから分かるように、補正レンズ37は十二極であり、二極子場でウィーン条件を満たさせ、四極子電場・磁場によって軸上色収差を負にするのみでなく、六極子場の電場・磁場を印加することによって負の球面色収差をも発生させることで」、主に対物レンズ42で生じる球面収差を一部補正することができる。球面収差の方が大きい場合には、球面収差の大部分と軸上色収差の一部を補正するようにしてもよい。
十二極の電極46はパーマロイBで作られ、コイル49に電流を流すことによって二極子、四極子、六極子磁場を発生させる。図中、参照数字49はパーマロイ製のコアを示しており、48は各電極を絶縁するためのスペーサである。
ビーム走査・分離系3を通過した一次ビームは対物光学系4におけるNA開口板41にカソード31の像を結ぶ。これは、縮小レンズ36を調整することにより実現される。そのため、NA開口板41は中空状のビームを通すのに十分大きな穴を有する。マルチ開口板35で成形され且つ縮小レンズ36で縮小されたマルチビームは更に対物レンズ42によって縮小された後、試料Wを照射する。この場合、走査偏向器38と補助偏向器40とに走査信号を与えることにより、試料Wの試料面上を一次ビームで走査することができる。このときの偏向支点はNA開口板41の開口位置である。
一次ビームの照射によって試料Wから二次ビームがマルチビームとして放出される。放出された二次ビームは、対物レンズ42の高電圧で加速されてからNA開口板41の開口を通過し、電磁偏向器39によって一次ビームから分離されて二次電子光学系5の方へ進行する。二次電子光学系5は複数段(この実施の形態においては2段)の拡大レンズ43、44を備え、これらの拡大レンズ43、44によって二次ビームは拡大されて検出系6のマルチ検出器45に結像する。このとき、拡大レンズ43、44をズームレンズとすることにより、マルチ検出器45を構成する複数の検出器相互の間隔と二次ビームをなすマルチビームの像相互の間隔とを正確に一致させることができるばかりでなく、二次ビームが試料Wを照射する単位面積即ち画素の寸法を2倍、4倍、1/2倍、1/4倍等に変化させたときにも検出器の間隔を変えることなく二次ビームの検出が可能である。
図3は、本発明に係る電子線装置の第3の実施の形態の構成を概略的に示す図であり、電子線装置は電子銃1、一次電子光学系2、ビーム走査・分離系3′、対物光学系4及び二次電子検出系6を備えている。
電子銃1は、カソード51とウェーネルト電極52とアノード53を備え、カソード51は、図示のとおり、LaB単結晶からなる円筒状の材料の一方の端面にリング状のナイフエッジを形成するよう研磨された形状をしている。ナイフエッジが作るリングの直径は例えば0.6mmである。これにより、カソード51から中空状の電子線が放出される。カソード51の周囲はウェーネルト電極52によって取り囲まれ、ウェーネルト電極52は、カソード51の後方に虚のクロスオーバー像C4が形成されるよう、カソード51に対して負にバイアスされる。カソード51のナイフエッジが形成された端面に対向するウェーネルト電極52の面は、カソード51から放出された一次ビームを通過させるための穴が形成された平面状の電極となっている。この穴の直径は例えば3mmであり、カソード51の先端即ちナイフエッジの先端とウェーネルト電極52の平面状の電極との間隔は例えば300μmである。
電子銃1から出射された一次ビームは、第1の縮小レンズ54、第2の縮小レンズ55及び軸上色収差補正レンズ56を備えた一次電子光学系2によって処理されてビーム走査・分離系3′に入る。これについて詳述すると、虚のクロスオーバー像C4は第1の縮小レンズ54及び第2の縮小レンズ55によって縮小され、第2の縮小レンズ55はクロスオーバー像C5を形成する。軸上色収差補正レンズ56は第1の四極子レンズ57、第2の四極子レンズ58、第3の四極子レンズ59、第4の四極子レンズ60、第1の四極子磁気レンズ61及び第2の四極子磁気レンズ62とを備えており、クロスオーバー像C5の軸上色収差補正されたクロスオーバー像C6を形成する。こうしてクロスオーバー像C6を形成した一次ビームはビーム走査・分離系3′に入る。
ビーム走査・分離系3′は走査偏向器63、電磁偏向器64及び静電偏向器65を備え、一次ビームは走査偏向器63によって進行方向を変えられ、更に電磁偏向器64によって試料Wに垂直に入射するよう進行方向を変えられる。このとき、ビーム走査・分離系3′によって一次ビームに偏向色収差が生じる可能性がある。そこで、走査偏向器63を軸上色収差補正レンズ56のクロスオーバー像C6とビーム走査・分離系3′との中点に配置し、走査偏向器63と静電偏向器65とで一次ビームを互いに逆方向に同一角度だけ偏向することにより偏向色収差を補正するようにしている。
ビーム走査・分離系3′を通過した一次ビームは、対物光学系4のNA開口板66にカソード51の像を結ぶ。これは、縮小レンズ55を調整することにより実現される。カソードの像をNA開口板66に結像させることにより、NA開口板66の位置では一次ビームは中空状になっている。負の軸上色収差を有するクロスオーバーはNA開口板の位置で中空状のビームとなり、対物レンズ67によって縮小された後、試料Wを照射する。このとき、カソード51の像に対して試料Wから見た開口角が例えば100mradになるよう、一次電子光学系2の設計がなされることが好ましい。この100mradという開口角は、一次ビームが中実ビームであれば球面収差が問題になるが、本発明においては一次ビームは中空状なのでリング幅が狭ければ、球面収差を無視することができる。
なお、虚のクロスオーバーC4は2段の縮小レンズ54、55及び対物レンズ67によって例えば1/1000程度に縮小される。ここで、走査偏向器63と静電偏向器65とに走査信号を与えることにより、試料Wの試料面上を一次ビームで走査することができ、このときの偏向支点はNA開口板66の開口位置である。
一次ビームの照射によって試料Wから放出された二次電子は対物レンズ67の高電圧で加速されてNA開口板66の開口を通過し、ビーム走査・分離系3′によって一次ビームから分離されて検出系6に入る。検出系6としては例えばSE検出器68を使用することができる。
以上説明したところから理解されるように、この実施の形態においては、試料W上でのビームは軸上色収差を補正され、空間電荷効果によるボケも小さいので、大きいビーム電流で小さいビーム径のビームを形成することができる。
次に、本発明に係る電子線装置を用いたデバイス製造方法を説明する。図4は、こうした製造方法の一例を示すフロー図で、この例の製造工程は次の各主工程を含む。なお、各主工程は幾つかのサブ工程からなる。
(1)ウェーハP12を製造する(又はウェーハを準備する)工程P11、
(2)露光に使用するマスク(レチクル)P22を製造するマスク製造工程(又は、マスクを準備するマスク準備工程)P21、
(3)必要な加工処理をウェーハP12に対して行うウェーハ・プロセッシング工程P13、
(4)ウェーハP12に形成されたチップP15を1個ずつ切り出して動作可能にするチップ組み立て工程P14、
(5)チップ組み立て工程P14で作られたチップP15を検査するチップ検査工程P16。
これらの主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程が、ウェーハ・プロセッシング工程P13である。この工程は、設計された回路パターンをウェーハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。ウェーハ・プロセッシング工程P13は次の工程を含む。
(イ)絶縁層となる誘電体薄膜や、配線部又は電極部を形成する金属薄膜を形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(ロ)薄膜層やウェーハ基板を酸化する酸化工程、
(ハ)薄膜層やウェーハ基板等を選択的に加工するためのマスク(レチクル)P22を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィー工程P23、
(ニ)イオン・不純物注入・拡散工程、
(ホ)レジスト剥離工程、
(ヘ)さらに加工されたウェーハを検査する検査工程。
なお、ウェーハ・プロセッシング工程P13は必要な層数だけ繰り返し実施され、設計どおり動作する半導体デバイスP17が製造される。
図4のウェーハ・プロセシング工程P13の中核をなすのはリソグラフィー工程P23であり、図5はリソグラフィー工程P23で実施される工程を示している。すなわち、リソグラフィー工程P23は、
(a)前段の工程で回路パターンが形成されたウェーハ上にレジストをコーティングするレジスト塗布工程P31、
(b)レジストを露光する露光工程P32、
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程P33、
(d)現像されたレジスト・パターンを安定化させるためのアニール工程P34、
を含む。
本発明に係る電子線装置を上記(5)のチップ検査工程P16に対して用いて欠陥検査を行うと、微細なパターンを有する半導体デバイスでも、スループット良く検査を行うことができ、全数検査が可能となるばかりでなく、製品の歩留まりを向上させ、欠陥製品の出荷を防止することが可能になる。なお、以上説明した半導体デバイス製造工程、ウェーハ・プロセッシング工程P13、リソグラフィー工程P23は周知のものであり、それらの工程についての説明は省略する。
以上、本発明に係る電子線装置及び該装置を使用した半導体製造方法について説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、当業者にとって自明なように、種々の修正及び変更が可能である。
本発明は、リング状の開口を有する開口板を設けたことによって一次ビームを中空状に生成したため、空間電荷効果の影響が低減されるという効果を奏する。
(A)は本発明に係る電子線装置の第1の実施の形態の構成を概略的に示す図であり、(B)は(A)におけるNA開口板の平面図である。 (A)は本発明に係る電子線装置の第2の実施の形態の構成を概略的に示す図であり、(B)は(A)における軸上色収差補正レンズの構成を説明する図である。 本発明に係る電子線装置の第3の実施の形態の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る電子線装置を用いた半導体デバイス製造方法の一例を示すフロー図である。 図4におけるリソグラフィー工程で実施される工程を示す図である。
符号の説明
1:電子銃、 2:一次電子光学系、 3:ビーム分離器、 3′:ビーム走査・分離系、 4:対物光学系、 5:二次電子光学系、 6:検出系、 W:試料、
11、12:コンデンサ・レンズ、 13:開口板、 14:成形レンズ、 15:倍率可変レンズ、 16:静電偏向器、 17:電磁偏向器、 18:NA開口板、 181〜184:リング状開口をなす穴、 185:一次ビーム通過穴、 19:ダイナミック・フォーカス用電極、 20:高電圧印加電極、 21:対物レンズ電極、 22:軸上色収差補正レンズ、 23:像点、 24:補助レンズ、 25:拡大レンズ、 26:補助レンズ、 27:拡大レンズ、 28:MCP、
31:カソード、 32:ウェーネルト電極、 33、34:コンデンサ・レンズ、 35:マルチ開口板、 36:縮小レンズ、 37:軸上色収差補正レンズ、 38:走査偏向器、 39:電磁偏向器、 40:静電偏向器、 41:NA開口板、 42:対物レンズ、 43、44:拡大レンズ、 45:マルチ検出器、
51:カソード、 52:ウェーネルト電極、 53:アノード、 54、55:縮小レンズ、 56:軸上色収差補正レンズ、 63:走査偏向器、 64:電磁偏向器、 65:静電偏向器、 66:NA開口板、 67:対物レンズ、 68:SE検出器。

Claims (7)

  1. 矩形状の一次ビームを試料に照射し、該試料から放出される二次電子を電子光学系で検出面に拡大投影して検出する電子線装置において、
    前記電子光学系に、前記二次電子を中空状のビームに変形するためのリング状開口を有する開口板を設けたことを特徴とする電子線装置。
  2. 前記リング状開口の幅が球面収差を無視し得るほど小さいことを特徴とする、請求項1に記載の電子線装置。
  3. 前記電子光学系が、前記二次電子の軸上色収差を補正するための補正レンズを更に備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子線装置。
  4. 電子銃から放出された一次ビームを対物光学系を介して試料に照射し、該試料から放出される二次電子を検出する電子線装置において、
    前記一次ビームを前記対物光学系を通過する際に中空状のビームに変形して前記試料を照射するとともに、前記二次電子を検出して前記試料の評価を行う評価装置と、
    前記一次ビーム又は前記二次電子の軸上色収差を補正する補正レンズと、
    を具備することを特徴とする電子線装置。
  5. 前記電子銃のカソードが、リング状のエッジを有するカソードを備えることを特徴とする、請求項4に記載の電子線装置。
  6. 前記一次ビームをマルチビームに変形して前記試料に照射させるマルチ開口板を更に備え、前記二次電子を複数の検出器で検出することを特徴とする、請求項4又は5に記載の電子線装置。
  7. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の電子線装置を用いてデバイスを製造する方法であって、
    a.ウェーハを用意する工程と、
    b.ウェーハ・プロセスを実施する工程と、
    c.前記工程bを経たウェーハを評価する工程と、
    d.前記工程a〜cを必要回数だけ反復する工程と、
    e.前記工程d後のウェーハを切断してデバイスに組み立てる工程と、
    を具備することを特徴とするデバイス製造方法。
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