JP2015043072A - 定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力量を抑えつつ、端部温度上昇を抑えることができる定着部材の提供。【解決手段】基体と、前記基体上に弾性層と、最表面離型層とをこの順で有し、かつ熱源を内部に有する円柱形状の定着部材であって、前記弾性層が、炭素繊維を含有し、前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)が、1.0?10−6m2/s以上であり、かつ前記熱拡散率(X)が、前記弾性層の厚み方向の熱拡散率(Z)の2.0倍以上である定着部材である。【選択図】図2

Description

本発明は、定着部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
定着部材と加圧部材との圧接ニップ部にシート状の被加熱材を通紙して挟持搬送させて加熱する加熱装置が知られている。その具体的代表例としては、例えば、画像形成装置(電子写真複写機、静電記録装置、LBP(レーザービームプリンター)など)において、適宜の画像形成プロセス手段(電子写真、静電記録、磁気記録など)により加熱溶融性の樹脂などよりなる加熱定着性トナーを用いて記録材(エレクトロファックスシート、静電記録シート、転写材シート、印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形成した目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像を担持している記録材面に固着画像として加熱定着処理する画像加熱定着装置が挙げられる。
従来、そのような画像加熱定着装置には、所定の温度に温調制御された定着部材としての加熱ローラと、弾性層を有して前記加熱ローラに圧接する加圧部材としての加圧ローラとからなる一対のローラ間に記録材を通紙して挟持搬送しつつ加熱定着させる熱ローラ方式が多用されている。
最近では、熱源を内側に持つ低熱容量化された加熱ローラ、金属ベルト、耐熱性フィルム(定着フィルム)などを具備させてなる定着部材が、高速立ち上げ、ひいては、省エネのために使用されてきている。この様な加熱方式の定着装置においては、加熱体として低熱容量加熱体を用いるため、省電力化及びウエイトタイム短縮化が可能となる。
このような定着部材においては、熱効率の向上のために炭素繊維等を定着部材に分散させる方法が試みられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、上記従来技術の場合には次のような問題点を有していた。
連続して小さなサイズの記録媒体を用いて加熱定着動作を行った場合、定着部材上における記録媒体(例えば、印刷用紙)が接触する熱ローラ部分(通紙域部分)と、接触しない熱ローラ部分(非通紙域部分)とでは放熱量に差が生じる。即ち、記録媒体が通過していない熱ローラ部分では、記録媒体が通過する熱ローラ部分よりも熱ローラ表面温度が高くなる。この現象は、熱ローラの端部における現象であるため「端部温度上昇」と呼ばれている。
過度の端部温度上昇が発生している状態が継続することで、定着部材及び加圧部材の熱損傷及び耐久寿命の低下、並びに高温オフセットを招き、また、記録媒体(コピー紙等)の走行性の不安定化をも発生することになる。
この端部温度上昇を低減させる手段として加圧ローラの熱伝導率を高くするという手法が一般的に知られている(例えば、特許文献3〜6参照)。
しかし、加圧ローラの熱伝導率を高くすると、熱伝導性が良いため加圧ローラから熱が逃げていき、消費電力量が高くなるという問題点がある。
したがって、消費電力量を抑えつつ、端部温度上昇を抑えることができる定着部材の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、消費電力量を抑えつつ、端部温度上昇を抑えることができる定着部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の定着部材は、
基体と、前記基体上に弾性層と、最表面離型層とをこの順で有し、かつ熱源を内部に有する円柱形状の定着部材であって、
前記弾性層が、炭素繊維を含有し、
前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)が、1.0×10−6/s以上であり、かつ前記熱拡散率(X)が、前記弾性層の厚み方向の熱拡散率(Z)の2.0倍以上であることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、消費電力量を抑えつつ、端部温度上昇を抑えることができる定着部材を提供することができる。
図1は、本発明の定着部材の一例を示す概略断面図である。 図2は、図1の定着部材の拡大図である。 図3は、従来の定着部材を用いた定着過程における熱の移動の状態を表す模式図である。 図4は、本発明の定着部材を用いた定着過程における熱の移動の状態を表す模式図である。 図5は、本発明の定着装置の一例を示す断面概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
(定着部材)
本発明の定着部材は、基体と、前記基体上に弾性層と、最表面離型層とをこの順で有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記定着部材は、熱源を内部に有する。
前記定着部材の形状は、円柱形状である。
本発明は、従来の加圧部材による熱伝導率向上に対し、より熱源に近い定着部材での熱コントロールによる端部温度上昇の低減を提供する。
従来、定着装置で用いられる定着部材、加圧部材の材料については、熱伝導率で議論されることが多かった。定常熱伝導では、熱伝導率λ(W/mK)が支配的なパラメータとなる。しかし、高速での熱の流れの扱いは、非定常熱拡散方程式により議論すべきものであり、1次元の例を下記式(1)に示す。
ρ:密度、Cp:比熱、T:温度、t:時間、x:位置である。
この式が示すように熱拡散率が、時間を問題にする場合には直接的に重要となる。本発明では、熱拡散率が厚み方向よりも定着部材の回転軸方向に大きい定着部材の構成とすることにより、端部の温度上昇を、回転軸方向に平坦化させ、端部温度上昇の低減を図っている。
<基体>
前記基体の構造、厚み、材質、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基体の形状としては、例えば、円筒状などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性を有するものが好ましく、例えば、金属などが挙げられる。
前記金属としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、又はこれらの合金、ステンレスなどが挙げられる。
これらの中でも、前記基体は、円筒形状からなる中空構造を有し、該中空構造に、熱源としての加熱媒体を備えていることが、加熱効率の点で特に好ましい。
前記加熱媒体としては、例えば、ハロゲンヒータ、セラミックヒータ、誘導加熱可能な金属ローラなどが挙げられる。
前記基体の厚みは、熱容量及び強度の点から、20μm〜150μmであることが好ましく、30μm〜100μmがより好ましい。なお、前記基体が金属材料である場合には撓みを考慮して、100μm以下の厚みであることが好ましい。
<弾性層>
前記弾性層は、炭素繊維を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記弾性層は、耐熱性のある弾性体であることが好ましい。
−炭素繊維−
前記炭素繊維としては、石炭タール、石油ピッチなどからつくるピッチ系炭素繊維、合成繊維のアクリル長繊維からつくるPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維などが挙げられる。
前記ピッチ系炭素繊維は、ピッチプリカーサー(コールタール又は石油重質分を原料として得られるピッチ繊維)を炭素化して得られるもので、製法の諸条件で、低弾性率から超高弾性率及び高強度の広範囲の性質が得られる。超高弾性率品は、高剛性用途のほか、優れた熱伝導率及び導電性の特性がある。
前記PAN系炭素繊維は、PANプリカーサー(ポリアクリロニトリル繊維)を炭素化して得られるもので、高強度及び高弾性率の性質を持つ。しかし、熱伝導率は、10W/mK程度である。市販品のPAN系炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維:MLD−300(東レ社製、ミルド型ファイバー)などが挙げられる。
これらの中でも、熱伝導率に優れる点で、ピッチ系炭素繊維が好ましい。市販品のピッチ系炭素繊維としては、日本グラファイトファイバー社製の炭素繊維ミルド(例えば、品番:XN−100)が最適である。前記市販品には、50μm品、150μm品、250μm品などがある。これらの熱伝導率は、900W/mK程度とされている。
前記弾性層の最表面離型層側の表面においては、繊維長が100μm以上の炭素繊維の70%以上が、前記定着部材の回転軸方向及び前記回転軸方向から±30°以内の角度に配向していることが好ましい。そうすることにより、前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)が高くなる。
前記配向は、例えば、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、キーエンスマイクロスコープ:VHX−1000、ズームレンズ:VH−Z100R)を用いて、前記弾性層の表面から観察することで確認することができる。そして、「±30°以内の角度」とは、前記弾性層の表面から観察した際の視野において、前記回転軸方向から±30°以内の角度をいう。
−その他の成分−
前記弾性層が含有するその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点からシロキサン結合を分子配列の主鎖成分に有する弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーがより好ましく、耐熱性、離型剤濡れ性の点からフロロシリコーンゴムが特に好ましい。
前記弾性層は、空隙を有することが、前記炭素繊維の配向に異方性を持たせることができる点で好ましい。
前記弾性層に空隙を作製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡剤を用いる方法、既発泡粒子(中空フィラー)を添加する方法などが挙げられる。
前記発泡剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、発泡粒子などが挙げられる。前記発泡粒子としては、例えば、松本油脂製薬株式会社製のF−30、F−30VS、F−46、F−50D、F−55Dなどが挙げられる。
前記既発泡粒子(中空フィラー)としては、例えば、松本油脂製薬株式会社製のMFL−100CA、MFL−80CA、F−80DE、F−65DE、F−80SDE、FN−80SDEなどが挙げられる。
前記弾性層の空隙率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20%〜30%が好ましい。
ここで、空隙率とは、前記弾性層の体積に占める空隙の体積の割合を意味する。前記空隙率は、前記弾性層の空隙形成成分として、前記既発泡粒子を用いる場合、空隙率(%)=〔1−((弾性層の密度)÷(既発泡粒子を含まない弾性層の密度))〕×100、により求めることとする。それぞれの密度は、実際に作成したサンプルをアルキメデス法により測定する。使用する液体は、例えば、水を用いる。この場合、シリコーンゴムは、水をはじくため、空隙を含めた密度測定に都合がよい。
例えば、前記弾性層を作製する際に、前記シリコーンゴム100質量部に対して、前記既発泡粒子として、例えば、F−80SDEを0.5質量部〜1.5質量部用いると、空隙率は、20%〜40%ほどとなる。
前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)は、1.0×10−6/s以上であり、かつ前記熱拡散率(X)は、前記弾性層の厚み方向の熱拡散率(Z)の2.0倍以上である。即ち、(X/Z)≧2.0である。
前記熱拡散率は、レーザを加熱源として周期加熱放射測温法を用いた装置(例えば、株式会社ベテルのサーモウエーブアナライザー(TA3))を用いて測定できる。
前記熱拡散率を測定する際の測定サンプルは、前記定着部材から前記弾性層を取り出して調製された測定サンプルであってもよいし、前記定着部材における前記弾性層を作製する際の方法と同様の方法で前記弾性層単層を調製して得られる測定サンプルであってもよい。
前記熱拡散率(X)の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱拡散率(X)は、5.0×10−6/s以下が好ましく、3.0×10−6/s以下がより好ましい。
前記X/Zは、5.0以上であることが好ましい。
前記X/Zの上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記X/Zは、15.0以下が好ましく、11.0以下がより好ましい。
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーンゴムと、炭素繊維と、既発泡粒子とを混合して得られる塗布液を用い、リングコート法にて、円筒状の基体に塗布する方法が挙げられる。
なお、前記リングコート法とは、例えば、円筒状被塗装物と塗布液を吐出するノズル部とを相対移動することにより、円筒状被塗装物の表面に塗膜を形成する方法である。なお、この際、円筒状被塗装物である基体は、ノズル部に対して、前記定着部材の回転軸方向に相対移動させて、塗装される。
前記弾性層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150μm〜500μmが好ましい。
<最表面離型層>
前記最表面離型層としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー;これらのポリマーの混合物、又はこれらのポリマーを耐熱性樹脂又はゴムに分散させたもの、またシリコーン架橋反応基中にフッ素化ポリエーテルを持つフッ素系エラストマーなどが適用できる。これらの中でも、強度、平滑性を両立する点からフッ素系ポリマーを有するものが特に好ましい。
前記最表面離型層には、低比熱及び低熱伝導率の物質として、中空フィラー、導電性物質などを添加することができる。
前記最表面離型層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チューブ状にしたものを弾性層に被せる方法、湿式スプレー塗装法、粉体塗装後に焼き付ける方法などが挙げられる。
前記最表面離型層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜30μmが好ましく、1μm〜20μmがより好ましい。前記平均厚みが、0.1μm未満であると、弾性層の粗さにより、成膜性が確保されないことがあり、30μmを超えると、画像に段差が形成され、光沢差による画像不良が形成されることがある。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プライマー層、中間層などが挙げられる。
前記定着部材は、中実構造であってもよいし、中空構造であってもよい。
ここで、前記定着部材の一例を図1に示す。図1に示す定着部材は、基体203と、該基体203上に弾性層202と、最表面離型層201とが順次形成された多層構造からなる。基体203は、中空円筒状であり、その内部には、不図示の熱源が配されている。
図1における定着部材の拡大図を図2に示す。弾性層202の最表面離型層201側の表面においては、炭素繊維202Aが、定着部材の回転軸方向に配向している。なお、弾性層202の層の中ほどでは、炭素繊維202Aの配向は無秩序である。また弾性層202内には、既発泡粒子によって形成された空隙202Bが存在している。
ここで、定着部材における熱の移動を模式的に示す。
図3に従来の定着部材を用いた定着過程における熱の移動の状態を模式的に示す。加圧ローラ124と定着部材(定着ローラ)とにより記録媒体Pを加圧しつつ、定着ローラが有する熱源により記録媒体Pを加熱する。そうすると、熱の移動は図3の矢印で示したようになる。即ち、記録媒体Pの端部よりも外側の記録媒体Pに接していない定着部材の部分において、熱は加圧ローラ124側に多く逃げるが、加圧ローラ124は、通常断熱性が高いため、記録媒体Pに接していない定着部材の部分において、熱の蓄積により温度上昇が生じる。
なお、図3において、符号1203は基体を示し、符号1202は弾性層を示し、符号1201は最表面離型層を示す。
図4に本発明の定着部材を用いた定着過程における熱の移動の状態を模式的に示す。加圧ローラ24と定着部材(定着ローラ)とにより記録媒体Pを加圧しつつ、定着ローラが有する熱源により記録媒体Pを加熱する。そうすると、熱の移動は図4の矢印で示したようになる。即ち、記録媒体Pの端部よりも外側の記録媒体Pに接していない定着部材の部分において、熱は定着ローラの回転軸方向に多く移動する。そのため、図4に示すような、記録媒体Pに接していない定着部材の部分における熱の蓄積が少なく、記録媒体Pに接していない定着部材の部分の温度上昇が小さい。
(定着装置及び定着方法)
本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記定着部材としては、例えば、定着ローラなどが挙げられる。
本発明の定着方法は、現像剤で形成された未定着現像剤像を記録媒体に定着させる際に、本発明の前記定着部材における最表面離型層を、前記未定着現像剤像と当接する向きで配設するものである。
ここで、図5は、本発明の定着装置(ローラ定着装置)の一例を示す断面概略図である。
この定着装置20は、本発明の定着部材の一例である定着ローラ21と、加圧ローラ24とを有する。定着ローラ21は、その内部に、加熱手段であるハロゲンヒータ22を有する。また、定着ローラ21には、温度センサー23が配置されている。定着ローラ21は、基体である芯金25と、芯金25上に弾性層26と、最表面離型層30とをこの順で有している。加圧ローラ24は、芯金27の表面に、耐熱性ゴムで形成された表面層28と離型層29とが順次積層されている。加圧ローラ24は、定着ローラ21に圧接されており、記録媒体Pが通過してトナー像Tが定着されるニップ部を形成している。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、本発明の定着装置を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などを有する。
前記定着装置は、記録媒体に転写された可視像を定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記静電潜像形成手段は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを含む態様がより好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記除電手段は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する手段である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段は、該クリーニング手段により除去したトナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段である。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各手段を制御する手段である。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサ、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図6は、複写装置の感光体101と、その作像系と、定着装置20との構成を概念的に示す。この電子写真方式の画像形成装置における画像作成プロセスは、回転する感光体ドラム101の感光層を、帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後、図示しないレーザ走査ユニットからのレーザビーム103によって露光し、それによって感光体ドラム101上の静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、該トナー像を記録シートP上に転写し、更にその記録シートPを定着装置20に通してトナー像を加熱、加圧して記録シートに定着するように構成されている。なお、図6中104は現像ローラ、105はパワーパック(電源)、106は転写ローラ、108はクリーニング装置、109は表面電位計である。
このような定着装置20においては、本発明の前記定着部材を備えた定着ローラ21を使用している。このような定着ローラ21は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって定着ローラ21を内側から加熱するようになっており、熱効率を高める効果がある。
また、定着装置20としては、定着ローラ21と平行に、これに圧接する加圧ローラ24を設け、加圧ローラ24と定着ローラ21との間に記録シートPを通過させることにより、記録シートP上に付着しているトナーを定着ローラ21の熱により軟化させつつ、加圧ローラ24と定着ローラ21との間に挟むことによって加圧することにより、記録シートP上にトナー像を定着させている。
本発明の画像形成装置は、耐久性及び信頼性を向上させた本発明の前記定着装置を用いているので、例えば、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどに好適である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
<数平均繊維長>
炭素繊維を含有する液を、スポイトを用いて1〜2滴スライドガラス上に置き、マイクロスコープ(キーエンス社製、キーエンスマイクロスコープ:VHX−1000、ズームレンズ:VH−Z100R)を用い観察し、×300のレンズで、800μm×600μmの範囲を決めて測定した。
500本の炭素繊維について繊維長の測定を行い、算術平均値から数平均繊維長を求めた。
<炭素繊維配向>
マイクロスコープ(キーエンス社製、キーエンスマイクロスコープ:VHX−1000、ズームレンズ:VH−Z100R)を用い観察し、×300のレンズで、800μm×600μmの範囲を決めて測定した。この範囲にある100μm以上の炭素繊維について、回転軸方向に対し、振れ角を測定し、両側30°の振れ角以内のものの、全体からの割合を求めた。これらは、定着部材の両端、中央部を各90°回し、合計12回測定している。配向の割合を百分率(%)で示した。
実施例においては、この12点すべてが、繊維長が100μm以上の炭素繊維の70%以上が、定着部材の回転軸方向及び前記回転軸方向から±30°以内の角度に配向しているものを選んでいる。
<マルテンス硬さHM(ISO14577)>
マルテンス硬さの測定においては、シリコーンゴム用のプライマーを用いずに基体上に弾性層を形成し、それを剥離して測定試料とした。
測定装置としてフィッシャーインスツルメント社のH100を用いた。
ホットプレートを用い150℃での測定を行った。
特許第4558307号公報で記されているように、マルテンス硬さHM(ユニバーサル硬さHU:DIN)が、0.5(N/mm)≦HU≦2.2(N/mm)であると画質が良好である。ただし、この特許第4558307号公報に記載のマルテンス硬さは、PFA込みの硬さであるため、弾性層のみの場合、通常これより小さい硬度で、画質が良好となる。
<熱拡散率>
熱拡散率の測定においては、シリコーンゴム用のプライマーを用いずに基体上に弾性層を形成し、それを剥離して測定試料とした。
測定には、株式会社ベテルのサーモウエーブアナライザー(TA3)を用いた。本装置は、レーザを加熱源として周期加熱放射測温法を用いた装置で、厚み方向の熱拡散率だけではなく、面内方向の熱拡散率も測定できる。表1及び表2において、Xは、回転軸方向、Yは、通紙方向、Zは、厚み方向の熱拡散率を示す。
<空隙率>
空隙率は、以下の式から求めた。
空隙率(%)=〔1−((弾性層の密度)÷(既発泡粒子を含まない弾性層の密度))〕×100
(実施例1)
ステンレスの厚み40μmのシームレス円筒品を定着ベルト用基体として用いた。前記基体上にシリコーンゴム用のプライマーを塗布した。また、その上に液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製、DOW CORNING TORAY DY 35−2083)100部に炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製、XN−100、50μm品)40部、及び中空フィラー(松本油脂製薬株式会社製、F−80SDE:平均粒子径20μm〜40μm)1.0部をクラボウ社製マゼルスターで混合したものを用いて、リングコートによる製膜を行い、120℃30分間加熱し、また、200℃4時間2次焼成し、平均厚み300μmの弾性層を形成した。また、PFAチューブ用プライマーを塗布後、PFAチューブ(最表面離型層、平均厚み15μm)を接着した。最終的な外径は、直径30mmになるようにし、定着部材を得た。
<評価>
得られた定着部材を、株式会社リコー製複写機 MP−C5002の定着ユニットにセットし、モノクロトナー文字チャート画像で、リコー フルカラーコピー用紙タイプ6000(90W)A4用紙を縦方向で、500枚通紙した。紙厚は、約120μmである。設定温度は、180℃である。通常の装置では、ある部分で温度上昇があると、減速などを行うようになっているが、今回、それは、外している。
<<紙端部温度差(温度上昇)>>
紙端部温度差は、紙端部から外側10mmの部分の非通紙部の定着ベルトニップ出口部分に熱電対を設け、温度を測定した。中心部の設定温度との差を紙端部温度差(℃)とした。結果を表1に示した。
<<通紙時の定着用ヒータ消費電力量比(定着用ヒータのみの電力)>>
500枚通紙時の通紙終了時から5分間遡った5分間での消費電力量(C)を測定した。
株式会社リコー製複写機MP−C5002の純正品を用いた場合の消費電力量(C)を100%として、消費電力量比(C/C)を求めた。結果を表1に示した。
なお、複写機は、設定温度180℃が維持されるように設定されている。
<<ホットオフセット>>
500枚通紙時の通紙終了後に、フルカラーコピー用紙タイプ6000(90W)A3用紙の前半半分に赤画像(マゼンタの上にイエロー)を作成し、残りの白部分にトナーの痕跡が見えた場合ホットオフセット発生とし、×とした。発生のないものを○とした。
(実施例2〜6、比較例1〜7)
実施例1において、弾性層の形成に用いる材料の種類、及び配合量を表1及び表2に記載の材料の種類、及び配合量に変えた以外は、実施例1と同様にして、定着部材を作製し、評価を行った。結果を表1及び表2に示した。
なお、比較例3においては、高伝熱性の加圧ローラを用いた。高伝熱性の加圧ローラのゴム層は、液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製、DOW CORNING TORAY DY 35−2083)100部に炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製、XN−100、150μm品)40部、及び中空フィラー(松本油脂製薬株式会社製、F−80SDE:平均粒子径20μm〜40μm)1.5部をクラボウ社製マゼルスターで混合したものを用いて、20μmのPFAチューブと基体間に押し出し、120℃で加熱成型した後、200℃で4時間加熱して形成した。
(比較例8)
実施例1において、弾性層の形成に用いる材料の種類、及び配合量を表2に記載の材料の種類、及び配合量に変え、更に、リングコートからブレードコートに変更した以外は、実施例1と同様にして、定着部材を作製し、評価を行った。結果を表2に示した。
表1及び2中、「PAN系 MLD−300」は、東レ社製のトレカMLD−300を表す。「F−65DE」は、松本油脂製薬株式会社製のF−65DE(平均粒子径40μm〜60μm)を表す。
また、加圧ローラの軸方向の熱伝導率の測定には、京都電子工業株式会社製の迅速熱伝導率計QTM−500を用いた。加圧ローラからゴム層を分離し、そのゴム層の熱伝導率を測定した。
実施例1〜6は、全て、熱拡散率が、回転軸方向において、1.0×10−6/s以上であり、かつ軸方向の熱拡散率が弾性層の厚み方向の2.0倍以上、つまり、X/Z≧2.0である。
実施例1〜6では、紙端部温度差が、12℃以下であり、優れていた。また、定着用ヒータ消費電力は、上市されている装置よりも10%〜15%程度低くなっていた。
比較例1は、PAN系の炭素繊維を用いた例である。配合する炭素繊維の熱伝導率が低いとあまり熱拡散率も上がらず異方性が強く出てこない。その結果、端部の温度上昇が大きくなっている。
比較例2は、シリコーンゴム:DY 35−2083のみを用いて弾性層を形成した例である。弾性層の熱拡散率は等方性を示し、かつ値が小さいため、紙端部の温度上昇が大きくなっている。
比較例3は、比較例2と同じ定着部材を用い、加圧側に高伝熱加圧ローラを用いたものである。回転軸方向にも熱伝導率が高いため紙端部の温度上昇は、温度差で15℃程度と押さえられているが、加圧ローラの熱伝導性が良いため加圧側から熱が逃げていき、消費電力量比が140%まで上がっている。
比較例4〜7は、実施例1〜6に対し、比較的大きめの中空フィラーを用いた例である。いずれも端部温度差(温度上昇)が、20℃を超えており、端の部分では、ホットオフセットによる画像以上がでていた。比較例1〜2も同様にホットオフセットが発生していた。比較例4〜6は、熱拡散率(X)が1.0×10−62/s未満であり、かつX/Zが2.0未満である。
比較例7は、熱拡散率(X)が1.0×10−6/s未満であり、かつX/Zが2.0以上の例である。
比較例8は、短い炭素繊維を用いて、熱拡散率(X)が1.0×10−6/s以上であり、かつX/Zが2.0未満のものについて作製した例であるが、粘度等の制約からベルトとすることはできなかった。マルテンス硬さが2.83(N/mm)であるためベルト弾性層には向かないと考えられる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 基体と、前記基体上に弾性層と、最表面離型層とをこの順で有し、かつ熱源を内部に有する円柱形状の定着部材であって、
前記弾性層が、炭素繊維を含有し、
前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)が、1.0×10−6/s以上であり、かつ前記熱拡散率(X)が、前記弾性層の厚み方向の熱拡散率(Z)の2.0倍以上であることを特徴とする定着部材である。
<2> 弾性層が、空隙を有する前記<1>に記載の定着部材である。
<3> 弾性層の最表面離型層側の表面において、繊維長が100μm以上の炭素繊維の70%以上が、定着部材の回転軸方向及び前記回転軸方向から±30°以内の角度に配向している前記<1>から<2>のいずれかに記載の定着部材である。
<4> 炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維である前記<1>から<3>のいずれかに記載の定着部材である。
<5> 弾性層が、シリコーンゴムを含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の定着部材である。
<6> 最表面離型層が、フッ素系高分子を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の定着部材である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置である。
<8> 前記<7>に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
20 定着装置
21 定着ローラ
22 ハロゲンヒータ
25 芯金
26 弾性層
30 最表面離型層
201 最表面離型層
202 弾性層
202A 炭素繊維
202B 空隙
203 基体
特許第4988633号公報 特開2006−267231号公報 特許第4508692号公報 特開2009−31772号公報 特開2010−151960号公報 特開2012−37874号公報

Claims (8)

  1. 基体と、前記基体上に弾性層と、最表面離型層とをこの順で有し、かつ熱源を内部に有する円柱形状の定着部材であって、
    前記弾性層が、炭素繊維を含有し、
    前記定着部材の回転軸方向における前記弾性層の熱拡散率(X)が、1.0×10−6/s以上であり、かつ前記熱拡散率(X)が、前記弾性層の厚み方向の熱拡散率(Z)の2.0倍以上であることを特徴とする定着部材。
  2. 弾性層が、空隙を有する請求項1に記載の定着部材。
  3. 弾性層の最表面離型層側の表面において、繊維長が100μm以上の炭素繊維の70%以上が、定着部材の回転軸方向及び前記回転軸方向から±30°以内の角度に配向している請求項1から2のいずれかに記載の定着部材。
  4. 炭素繊維が、ピッチ系炭素繊維である請求項1から3のいずれかに記載の定着部材。
  5. 弾性層が、シリコーンゴムを含有する請求項1から4のいずれかに記載の定着部材。
  6. 最表面離型層が、フッ素系高分子を含有する請求項1から5のいずれかに記載の定着部材。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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