JP2015026883A - 高周波部品およびフィルタ部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体の小型化に適したLC回路を設けた高周波部品を提供する。
【解決手段】複数の絶縁体層を積層方向に積層した積層体2と、前記絶縁体層に沿って延びる線状導体と、前記絶縁体層を貫通する層間接続導体と、前記絶縁体層に沿って拡がる平面導体と、を備える高周波部品1において、前記積層方向と直交する方向に延びる巻回軸を中心に、平面内で複数ターン巻回するスパイラル状に前記線状導体および前記層間接続導体を設けて構成された横巻コイル4A,4B,4C,4Dと、前記絶縁体層を介在させて対向する前記平面導体で構成されており、前記横巻コイル4A〜4Dの巻回軸に沿って視て前記横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に配置されている内側キャパシタ6A,6B,6C,6D,6E,6Fと、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、積層体にLC回路を構成した高周波部品に関するものである。
高周波部品として、積層体にLC回路を構成したものが利用されている。このようなLC回路を有する高周波部品は、多様な周波数に対応することや、急峻な減衰極を有するフィルタ特性を実現することなどが求められるため、LC回路を構成する共振回路の段数やLC回路の回路定数を適切に設定する必要がある。
LC回路を構成するインダクタを、コイル状の導体パターンにより構成する場合には、コイル開口を大きくすることや、または、コイルの巻回数を多くすることにより、インダクタンスを大きくすることができる。しかしながら、コイル開口を大きくしたり、コイルの巻回数を多くしたりすると、積層体が大型化してしまう。そこで、積層体を大型化することなくコイルの巻回数を増やすために、平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に導体パターンを形成することがある(特許文献1,2参照)。
特許文献1では、積層体を構成する絶縁層の積層方向に延びる巻回軸を中心に、積層体の各層に平行な平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に導体パターンを設けてコイルを構成している。特許文献2では、積層体を構成する絶縁層の積層方向に直交する方向に延びる巻回軸を中心に、積層体の各層に直交する平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に導体パターンを設けてコイルを構成している。
以下、積層体の各層の積層方向に直交する方向に延びる巻回軸を中心に巻回されたコイルを横巻コイルと称し、積層体の各層の積層方向に延びる巻回軸を中心に巻回されたコイルを縦巻コイルと称する。
特開平10−65476号公報 特許3920294号
上述のような横巻コイルや縦巻コイルを積層体内に構成すれば、比較的大きなインダクタンスを稼ぐことができる。しかしながら、LC回路を構成するインダクタを横巻コイルや縦巻コイルで構成したとしても、LC回路を構成するキャパシタの構成によっては、積層体をあまり小さくすることができなかった。
そこで本発明の目的は、積層体の小型化に適したLC回路を設けた高周波部品を提供することにある。
この発明は、複数の絶縁体層を積層方向に積層した積層体と、前記絶縁体層の表面に沿って延びる線状導体と、前記絶縁体層を貫通する層間接続導体と、前記絶縁体層の表面に沿って拡がる平面導体と、を備える高周波部品において、前記積層方向と直交する方向に延びる巻回軸を中心に、当該巻回軸と垂直な平面内で複数ターン巻回するスパイラル状に前記線状導体および前記層間接続導体を設けて構成された横巻コイルと、前記絶縁体層を介在させて対向する前記平面導体で構成されており、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て前記横巻コイルのコイル開口内に配置されている内側キャパシタと、を備えることを特徴とする。
この構成では、横巻コイルが線状導体よりも低抵抗な層間接続導体を含んで構成されるので、横巻コイルを含むLC共振回路を構成すると、縦巻コイルによりLC共振回路を構成する場合に比べて、LC共振回路におけるQ値を改善することができる。また、横巻コイルのコイル開口内に内側キャパシタを配することにより、内側キャパシタの配置に必要な絶縁体層の層数や面積を削減でき、積層体を小型化できる。その上、横巻コイルと内側キャパシタとを接続するために要する接続配線を短縮化でき、接続配線に生じる寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスを削減して、横巻コイルの本来の特性をそのままLC回路に利用することができる。また、横巻コイルが巻回されている面と内側キャパシタの平面導体とが直交することになるので、内側キャパシタの影響で横巻コイルの本来の特性が大きく変動することが無く、良好な高周波特性を容易に実現できる。
上記高周波部品は、前記絶縁体層を介在させて対向する前記平面導体で構成されており、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て前記横巻コイルのコイル開口範囲外に配置された外側キャパシタをさらに備え、前記外側キャパシタおよび前記横巻コイルを含むLC共振回路が構成されていることが好ましい。これにより、例えば、内側キャパシタと外側キャパシタとのうちの、電極面積がより大きいキャパシタを外側キャパシタとして横巻コイルの外側に配置すれば、横巻コイルと内側キャパシタとの間に生じる寄生容量を小さくでき、寄生容量によって横巻コイルのインダクタンスの値が変動することを防ぐことができる。
前記内側キャパシタと前記外側キャパシタとのうちの少なくとも一方の平面導体間に位置する絶縁体層は、比誘電率が他の絶縁層よりも大きくなるように構成されていることが好ましい。これにより、内側キャパシタや外側キャパシタのキャパシタンスを大きくすることや、電極面積を低減することができる。内側キャパシタにおいて絶縁体層の比誘電率が大きい場合には、内側キャパシタの電極面積を低減でき、内側キャパシタと横巻コイルとの間で生じる寄生容量を抑制できる。外側キャパシタにおいて絶縁体層の比誘電率が大きい場合には、その絶縁体層の影響で横巻コイルの特性が変動することを防ぐことができる。
上記高周波部品は、前記積層方向に延びる巻回軸を中心に巻回された前記線状導体を含んで構成された縦巻コイルをさらに備え、この縦巻コイルは、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て、前記横巻コイルのコイル開口内に配置されていることが好ましい。これにより、横巻コイルのコイル開口内に設ける縦巻コイルの配置に必要な絶縁体層の層数や面積を削減でき、積層体を小型化できる。そして、このように横巻コイルと縦巻コイルとを配置しても、横巻コイルが巻回されている面と縦巻きコイルが巻回されている面とが直交することになるので、両コイルの本来の特性が大きく変動することを防ぐことができる。このことによっても、良好な高周波特性を容易に実現できる。
前記横巻コイルを構成する複数の線状導体のうち、異なるターンを構成しつつ積層方向に近接する少なくとも2つの線状導体が、異なる線路幅で設けられていることが好ましい。これにより、横巻コイルを構成する線状導体の形成位置に製造ずれがあったとしても、線状導体間の対向面積や、内側キャパシタとの対向面積が安定したものになる。
なお、横巻コイルの両端の一方を横巻コイルの始点とし、他方を横巻コイルの終点として、横巻コイルの1ターン目は、横巻コイルの始点から続いて巻回される2つの層間接続導体および2つの線状導体により構成される部分である。横巻コイルの2ターン目は、横巻コイルの1ターン目から続いて巻回される、2つの層間接続導体と2つの線状導体により構成される部分、または、多くとも2つの層間接続導体と2つの線状導体により構成される横巻コイルの終点までの部分である。横巻コイルの3ターン目以降も、横巻コイルの2ターン目と同様である。すなわち、横巻コイルの1ターンとは、横巻コイルの始点や先のターンから続いて巻回される、2つの層間接続導体と2つの線状導体により構成される部分、または、多くとも2つの層間接続導体と2つの線状導体により構成される横巻コイルの終点までの部分である。
前記横巻コイルを構成する複数の線状導体のうち、同じターンを構成しつつ積層方向に近接する少なくとも2つの線状導体が、前記層間接続導体により並列接続されていることが好ましい。これにより、横巻コイルの線状導体を複層化することができ、線状導体の実効断面積が増大し、横巻コイルを低抵抗化できる。したがって、LC共振回路のQ値を高めることができる。
上述の高周波部品にフィルタ回路を構成したフィルタ部品であって、前記フィルタ回路は、それぞれに前記横巻コイルを含む複数のLC共振回路を備え、各LC共振回路を構成する横巻コイルは、互いの巻回軸が並行し、巻回軸に沿って視て互いのコイル開口が重なっていることを特徴とすることが好ましい。これにより、複数段のLC共振回路の間が各横巻コイルを介して磁界結合するので、各横巻コイルの形状や配置を調整することにより、LC共振回路間の結合(共振器間結合)を調整することができる。これにより、フィルタ部品のフィルタ特性において減衰極などを制御することが可能になる。
前記内側キャパシタは、前記LC共振回路間を結合させる共振器間結合用キャパシタを構成していることが好ましい。これにより、複数段のLC共振回路の間を、共振器間結合用キャパシタを構成する内側キャパシタを介して容量結合させながら、複数段のLC共振回路の間を接続する配線経路を短縮化できるので、高周波部品の挿入損失を低減して良好なフィルタ特性を実現することができる。
前記複数のLC共振回路は、入出力段のLC共振回路と、前記入出力段のLC共振回路の間に結合する中間段のLC共振回路と、を含んでおり、前記中間段のLC共振回路に含まれる前記横巻コイルは、前記入出力段のLC共振回路に含まれる前記横巻コイルよりも、前記横巻コイルを構成する線状導体の幅が広いことが好ましい。これにより、中間段のLC共振回路のQ値が特に改善されるため、高周波部品の挿入損失を大きく改善することができる。
この発明の高周波部品によれば、横巻コイルの巻回軸に沿って視て、横巻コイルのコイル開口内に内側キャパシタが配置されているため、内側キャパシタの配置に必要な絶縁体層の層数や面積を削減でき、積層体のサイズを小型化できる。その上、横巻コイルと内側キャパシタとを接続するために要する接続配線を短縮化でき、また、横巻コイルの導体パターンと内側キャパシタの平面導体との位置関係が直交するので、良好な高周波特性を容易に実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る高周波部品の等価回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波部品の透過斜視図および模式断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波部品の分解平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波部品の変形例についての分解平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波部品のフィルタ特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波部品の等価回路図およびフィルタ特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波部品の透過斜視図および模式断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波部品の分解平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波部品の等価回路図およびフィルタ特性図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波部品の透過斜視図および模式断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波部品の分解平面図である。
以下、第1の実施形態に係る高周波部品について説明する。ここで示す高周波部品は、通過帯域の低周波側に阻止帯域を有するハイパスフィルタを構成するものである。
図1は、第1の実施形態に係る高周波部品1の等価回路図である。高周波部品1は、入出力ポートP1,P2と、キャパシタC0,C1,C2,C3,C4,C5,C10,C12,C23,C34,C40と、インダクタL0,L1,L2,L3,L4,L5と、からなるハイパスフィルタを構成している。
高周波部品1において、インダクタL1とキャパシタC1とで直列共振回路LC1が構成されている。同様に、インダクタL2とキャパシタC2とで直列共振回路LC2が構成されている。インダクタL3とキャパシタC3とで直列共振回路LC3が構成されている。インダクタL4とキャパシタC4とで直列共振回路LC4が構成されている。共振回路LC1とLC2との間にはキャパシタC12が接続されている。同様に、共振回路LC2とLC3との間にはキャパシタC23が接続されている。共振回路LC3とLC4との間にはキャパシタC34が接続されている。以上の回路部分によって、4段の共振回路がキャパシタを介して結合されたハイパスフィルタの回路が構成されている。
ハイパスフィルタを構成する4段の共振回路LC1〜LC4のうち、直列共振回路LC1は入力段の共振回路であり、外部結合用のキャパシタC10を介して入力ポートP1に結合している。直列共振回路LC2は中間段(2段目)の共振回路であり、入力段の直列共振回路LC1にキャパシタC12を介して結合している。直列共振回路LC3は中間段(3段目)の共振回路であり、2段目の直列共振回路LC2にキャパシタC23を介して結合している。直列共振回路LC4は、出力段の共振回路であり、3段目の直列共振回路LC3にキャパシタC34を介して結合し、外部結合用のキャパシタC40を介して出力ポートP2に結合している。
また、入力ポートP1とキャパシタC10との間には、シリーズ接続のインダクタL0およびシャント接続のキャパシタC0によるインピーダンス整合回路が接続されている。同様に、出力ポートP2とキャパシタC40との間には、シリーズ接続のインダクタL5およびシャント接続のキャパシタC5によるインピーダンス整合回路が接続されている。
上記共振回路LC1〜LC4のうち、互いに隣接する共振回路のインダクタ(共振インダクタ)同士は電磁界結合する。すなわち、インダクタL1とインダクタL2は電磁界結合する。同様に、インダクタL2とインダクタL3は電磁界結合する。インダクタL3とインダクタL4は電磁界結合する。したがって、共振回路LC1〜LC4は、キャパシタ(結合キャパシタ)C12,C23,C34による容量結合と、インダクタ(共振インダクタ)L1,L2,L3,L4間の電磁界結合との両方により結合する。
図2(A)は、第1の実施形態に係る高周波部品1の透過斜視図である。
高周波部品1は、直方体状の積層体2を備えている。以下の説明では、図2(A)中に示す積層体2の左手前側の面を正面と称し、積層体2の右手奥側の面を背面と称し、積層体2の右手前側の面を右側面と称し、積層体2の左手奥側の面を左側面と称し、積層体2の上側の面を天面と称し、積層体2の下側の面を底面と称する。
積層体2は、底面および天面に垂直な方向を積層方向として、複数の絶縁体層を積層して構成されている。なお、積層体2の絶縁体層は、例えば、熱可塑性樹脂などの樹脂材や、低温焼結セラミックスなどのセラミック材により構成される。また、積層体2を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に延びる線状導体が形成されている。また、積層体2を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に広がる平面導体が形成されている。なお、線状導体は、例えば、印刷形成された導電ペーストの焼成体や、フォトリソグラフィプロセスによりパターニングされた銅箔などからなる。また、積層体2を構成する各絶縁体層には、各絶縁層を積層方向に貫通する層間接続導体が形成されている。なお、層間接続導体は、例えば、各絶縁層にビアホールを設け、ビアホール内に導電性ペーストを充填し、導電性ペーストを金属化させて形成されている。
積層体2の外面には、入出力電極3A,3Bとグランド電極3Cとが設けられている。積層体2の内部には、横巻コイル4A,4B,4C,4Dと、縦巻コイル5A,5Bと、内側キャパシタ6A,6B,6C,6D,6Eと、外側キャパシタ7A,7B,7C,7D,7E,7Fと、が設けられている。
入出力電極3Aは、積層体2の天面から左側面を経由して底面まで延びている。入出力電極3Bは、積層体2の天面から右側面を経由して底面まで延びている。グランド電極3Cは、積層体2の底面に設けられている。
横巻コイル4A,4B,4C,4Dは、積層体2の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。横巻コイル4A,4B,4C,4Dそれぞれは、少なくとも3つ以上の層間接続導体と、少なくとも3つ以上の線状導体とを接続して構成されている。各横巻コイル4A,4B,4C,4Dは、いずれも積層体2を構成する絶縁体層の積層方向に対して直交する方向に延びる巻回軸、ここでは、積層体2の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸を中心に、積層体2の天面および底面と直交し、左側面および右側面と平行な一つの平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に形成されている。横巻コイル4A,4B,4C,4Dは、線状導体よりも低抵抗な層間接続導体を含むものであり、これらの横巻コイル4A,4B,4C,4Dを含んで共振回路LC1〜LC4を構成することにより、共振回路LC1〜LC4は高いQ値を有するものになる。
縦巻コイル5A,5Bは、積層体2の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。縦巻コイル5A,5Bそれぞれは、積層体2の天面と底面とを結ぶ絶縁体層の積層方向に延びる巻回軸を中心に、積層体2の天面および底面と平行な平面内で巻回されたループ状に形成された複数の線状導体を、絶縁体層の積層方向に接続してヘリカル状に形成されている。横巻コイル4A,4B,4C,4Dや縦巻コイル5A,5Bを構成する、層間接続導体と線状導体との具体的な構成については後述する。
内側キャパシタ6A,6B,6C,6D,6Eは、積層体2の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。内側キャパシタ6A,6B,6C,6D,6Eそれぞれは、積層体2の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。
外側キャパシタ7A,7B,7C,7D,7E,7Fは、積層体2の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。外側キャパシタ7A,7B,7C,7D,7E,7Fそれぞれは、積層体2の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。なお、ここでは、外側キャパシタ7A,7B,7C,7D,7E,7Fを構成する平面導体の一方を共通電極であるグランド電極GNDとしている。内側キャパシタ6A,6B,6C,6D,6Eや外側キャパシタ7A,7B,7C,7D,7E,7Fを構成する平面導体の具体的な構成については後述する。
積層体2に設けられた各構成と、図1に示した回路の各回路素子との対応関係は次のとおりである。入出力電極3Aは、図1における入力ポートP1に相当する。入出力電極3Bは、図1における出力ポートP2に相当する。横巻コイル4A,4B,4C,4Dは、図1における共振インダクタL1,L2,L3,L4に相当する。縦巻コイル5A,5Bは、図1におけるインピーダンス整合回路のインダクタL0,L5に相当する。内側キャパシタ6B,6C,6Dは、図1における共振器間結合用のキャパシタC12,C23,C34に相当する。外側キャパシタ7B,7C,7D,7Eは、図1における共振用のキャパシタC1,C2,C3,C4にそれぞれ相当する。内側キャパシタ6A,6Eは、図1における外部結合用のキャパシタC10,C40にそれぞれ相当する。外側キャパシタ7A,7Fは、図1におけるインピーダンス整合回路のキャパシタC0,C5にそれぞれ相当する。
図2(B)は、積層体2における横巻コイル4A〜4Dと縦巻コイル5A,5Bとの配置位置を示す模式的な側面図である。図2(C)は、積層体2における内側キャパシタ6A〜6Eと外側キャパシタ7A〜7Fとの配置位置を示す模式的な断面図である。図2(B),2(C)は、いずれも積層体2の正面および背面と平行な面での積層体2の断面図である。
横巻コイル4A〜4Dのうち隣接する横巻コイルのコイル開口は、互いに対向しており、積層体2を左側面側や右側面側から、横巻コイル4A〜4Dの巻回軸に沿って透視した場合に、横巻コイル4A〜4Dそれぞれのコイル開口が重なって一致するように配置されている。したがって、横巻コイル4A〜4Dは互いに電磁界結合する。ここで、積層体2を左側面側や右側面側から透視した場合に、横巻コイル4A〜4Dそれぞれのコイル開口が重なる積層体2の領域を、内側領域9として図2(B)および図2(C)中に示している。
そして、この構成では、縦巻コイル5A,5Bと内側キャパシタ6A〜6Eとを、内側領域9、即ち、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に配置している。このため、積層体2においては、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口範囲外に、縦巻コイル5A,5Bおよび内側キャパシタ6A〜6Eを配置するためのスペースが不要となり、積層体2の底面積や絶縁層の層数を低減して積層体2を小型に構成することができる。または、横巻コイル4A〜4Dのコイル巻回数を増やすことやコイル開口を大きくすることで、横巻コイル4A〜4Dのインダクタンスを大きくすることができる。横巻コイル4A〜4Dのインダクタンスを大きくすれば、遮断周波数の低いハイパスフィルタを構成できる。
また、この構成では、横巻コイル4A,4B,4C,4Dと縦巻コイル5A,5Bと内側キャパシタ6A〜6Eとを接続するために要する接続配線を短縮できる。これにより、接続配線に生じる寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスによって、フィルタ特性が劣化することが抑制される。特には、共振器間結合用のキャパシタC12,C23,C34および外部結合用のキャパシタC10,C40や、入出力部に設けられるインピーダンス整合用のインダクタL0,L5を、横巻コイル4A,4B,4C,4Dのコイル開口内(内側領域9)に設けることで、入出力ポートP1,P2間の接続配線を短縮化でき、高周波部品1(ハイパスフィルタ)の挿入損失を大幅に低減できる。
さらには、縦巻コイル5A,5Bを構成する線状導体や、内側キャパシタ6A〜6Eを構成する平面導体は、横巻コイル4A〜4Dが巻回されている面に対して直交している。このため、内側領域9において、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に発生する磁束は、横巻コイル4A〜4Dの巻回軸に沿う方向、すなわち積層体2の左側面と右側面とを結ぶ方向に沿って発生するが、縦巻コイル5A,5Bを構成する線状導体や、内側キャパシタ6A〜6Eを構成する平面導体は、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に発生する磁束と並行し、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に発生する磁束を殆ど妨げることが無いので、横巻コイル4A〜4Dの特性に影響を及ぼし難い。また、縦巻コイル5A,5Bが巻回されている面は、横巻コイル4A〜4Dが巻回されている面に対して直交する。このため、縦巻コイル5A,5Bのコイル開口内に発生する磁束は、積層体2の天面と底面とを結ぶ方向(積層方向)に沿って発生し、縦巻コイル5A,5Bと横巻コイル4A〜4Dとは電磁界結合し難い。したがって、この高周波部品1は、フィルタ特性の設定が容易である。
また、ここでは、共振用キャパシタC1〜C4を、外側キャパシタ7B〜7Eにより構成している。共振用キャパシタC1〜C4は、内側キャパシタとして構成することもできるが、共振用キャパシタC1〜C4のキャパシタンスが大きい場合には大きな電極面積を要することになるため、共振用キャパシタC1〜C4を内側キャパシタとして構成すると、横巻コイル4A〜4Dとの間に生じる不要な結合が大きくなり、フィルタ特性を劣化させてしまう。そのため、ここでは、大きな電極面積を要する共振用キャパシタC1〜C4を、外側キャパシタ7A〜7Fで構成し、フィルタ特性が劣化することを防いでいる。
また、ここでは、外側キャパシタ7A〜7Fの平面導体間に位置する絶縁体層(図2(A)において表示色濃度を異ならせて表示している底面近傍の絶縁体層)は、他の絶縁体層よりも比誘電率を高いものにしている。すなわち、外側キャパシタ7A〜7Fにおいて、2つの平面導体の間の比誘電率を高くしている。このため、外側キャパシタ7A〜7Fのキャパシタンスをより大きくすることができる。
なお、内側キャパシタ6A〜6Eの平面導体間に位置する絶縁体層においても、他の絶縁体層よりも比誘電率を高くしてもよい。その場合には、内側キャパシタ6A〜6Eの電極面積を縮小化できるため、内側キャパシタ6A〜6Eと横巻コイル4A〜4Dとの間に生じる不要な結合をさらに低減して、横巻コイル4A〜4Dの特性や、共振回路LC1〜LC4によるフィルタ特性をより良好なものにすることができる。
図3Aは、積層体2の各絶縁体層に形成された導体パターン(線状導体および平面導体)を示す積層体2の分解平面図である。図中には、積層体2の底面側から天面側にかけて、第1層目から第15層目までの導体パターンを順に示している。
なお、図中で第N層目の導体パターンに付している符号A〜Dは、以下では符号N−A,N−B,N−C,N−Dと読み替えて説明を行う。また、各層に付している矢印つきの丸印は、層間接続導体の接続位置と接続方向とを示している。具体的には、上向きの矢印は、一つ前の層(底面側)の導体パターンに接続されることを示し、下向きの矢印は一つ後の層(天面側)の導体パターンに接続されることを示し、上下両向きの矢印は上下両方の層(底面側および天面側)の導体パターンに接続されることを示している。
第1層目の導体パターンは、積層体2の底面に露出する導体パターンであり、平面導体1−A,1−B,1−Cを含んでいる。平面導体1−Aは、図2に示した入出力電極3Aの一部を構成している。平面導体1−Bは、図2に示したグランド電極3Cを構成している。平面導体1−Cは、図2に示した入出力電極3Bの一部を構成している。
第2層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体2−Aを含んでいる。平面導体2−Aは、層間接続導体を介して平面導体1−B(グランド電極3C)に接続され、図2に示したグランド電極GNDを構成していている。
第3層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体3−A,3−B,3−C,3−Dを含んでいる。平面導体3−Aは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Bを構成している。平面導体3−Bは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Cを構成している。平面導体3−Cは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Dを構成している。平面導体3−Dは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Eを構成している。
第4層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体4−A,4−Bを含んでいる。平面導体4−Aは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Aを構成している。平面導体4−Bは、平面導体2−Aと対向して図2に示した外側キャパシタ7Fを構成している。
第5層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体5−A,5−Bを含んでいる。線状導体5−Aは、図2に示した横巻コイル4Aの一部を構成している。線状導体5−Bは、図2に示した横巻コイル4Dの一部を構成している。
第6層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体6−A,6−B,6−C,6−Dを含んでいる。線状導体6−Aは、図2に示した横巻コイル4Aの一部を構成している。線状導体6−Bは、図2に示した横巻コイル4Bの一部を構成している。線状導体6−Cは、図2に示した横巻コイル4Cの一部を構成している。線状導体6−Dは、図2に示した横巻コイル4Dの一部を構成している。
第7層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体7−A,7−B,7−C,7−Dを含んでいる。線状導体7−Aは、図2に示した横巻コイル4Aの一部を構成している。線状導体7−Bは、図2に示した横巻コイル4Bの一部を構成している。線状導体7−Cは、図2に示した横巻コイル4Cの一部を構成している。線状導体7−Dは、図2に示した横巻コイル4Dの一部を構成している。
第8層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体8−A,8−Bを含んでいる。線状導体8−Aは、側面の入出力電極3Aに接続されており、図2に示した縦巻コイル5Aの一部を構成している。線状導体8−Bは、側面の入出力電極3Bに接続されており、図2に示した縦巻コイル5Bの一部を構成している。
第9層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体9−A,9−Bを含んでいる。線状導体9−Aは、図2に示した縦巻コイル5Aの一部を構成している。線状導体9−Bは、図2に示した縦巻コイル5Bの一部を構成している。
第10層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体10−A,10−B,10−C,10−Dを含んでいる。平面導体10−Aは、図2に示した内側キャパシタ6Aの一部を構成している。平面導体10−Bは、図2に示した内側キャパシタ6Cの一部を構成している。平面導体10−Cは、図2に示した内側キャパシタ6Cの一部を構成している。平面導体10−Dは、図2に示した内側キャパシタ6Eの一部を構成している。
第11層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体11−A,11−B,11−Cを含んでいる。平面導体11−Aは、図2に示した内側キャパシタ6Aの一部を構成している。平面導体11−Bは、図2に示した内側キャパシタ6Cの一部を構成している。平面導体11−Cは、図2に示した内側キャパシタ6Eの一部を構成している。
第12層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体12−A,12−B,12−C,12−Dを含んでいる。平面導体12−Aは、図2に示した内側キャパシタ6Aの一部と、内側キャパシタ6Bの一部とを構成している。平面導体12−Bは、図2に示した内側キャパシタ6Cの一部と、内側キャパシタ6Bの一部とを構成している。平面導体12−Cは、図2に示した内側キャパシタ6Cの一部と、内側キャパシタ6Dの一部とを構成している。平面導体12−Dは、図2に示した内側キャパシタ6Eの一部と、内側キャパシタ6Dの一部とを構成している。
第13層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、平面導体13−A,13−Bを含んでいる。平面導体13−Aは、図2に示した内側キャパシタ6Bの一部を構成している。平面導体13−Bは、図2に示した内側キャパシタ6Dの一部を構成している。
第14層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体14−A,14−B,14−C,14−Dを含んでいる。線状導体14−Aは、図2に示した横巻コイル4Aの一部を構成している。線状導体14−Bは、図2に示した横巻コイル4Bの一部を構成している。線状導体14−Cは、図2に示した横巻コイル4Cの一部を構成している。線状導体14−Dは、図2に示した横巻コイル4Dの一部を構成している。
第15層目の導体パターンは、積層体2の内部に形成される導体パターンであり、線状導体15−A,15−B,15−C,15−Dを含んでいる。線状導体15−Aは、図2に示した横巻コイル4Aの一部を構成している。線状導体15−Bは、図2に示した横巻コイル4Bの一部を構成している。線状導体15−Cは、図2に示した横巻コイル4Cの一部を構成している。線状導体15−Dは、図2に示した横巻コイル4Dの一部を構成している。
即ち、第11層の平面導体11−Aが、第10層の平面導体10−Aおよび第12層の平面導体12−Aに対向して、図2に示した内側キャパシタ6Aが構成されている。なお、第10層の平面導体10−Aと第12層の平面導体12−Aとは、層間接続導体を介して導通している。第13層の平面導体13−Aが、第12層の平面導体12−Aおよび平面導体12−Bに対向して、図2に示した内側キャパシタ6Bが構成されている。第11層の平面導体11−Bが、第10層の平面導体10−Bおよび第12層の平面導体12−Bに対向するとともに、第10層の平面導体10−Cおよび第12層の平面導体12−Cに対向して、図2に示した内側キャパシタ6Cが構成されている。第10層の平面導体10−Bと第12層の平面導体12−Bとは、層間接続導体を介して導通している。また、第10層の平面導体10−Cと第12層の平面導体12−Cとは、層間接続導体を介して導通している。第13層の平面導体13−Bが、第12層の平面導体12−Cおよび平面導体12−Dに対向して、図2に示した内側キャパシタ6Dが構成されている。第11層の平面導体11−Cが、第10層の平面導体10−Dおよび第12層の平面導体12−Dに対向して、図2に示した内側キャパシタ6Eが構成されている。第10層の平面導体10−Dと第12層の平面導体12−Dとは、層間接続導体を介して導通している。
第5層の線状導体5−Aと、第15層の線状導体15−Aと、第6層の線状導体6−Aと、第14層の線状導体14−Aと、第7層の線状導体7−Aと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図2に示した横巻コイル4Aが構成されている。第15層の線状導体15−Bと、第6層の線状導体6−Bと、第14層の線状導体14−Bと、第7層の線状導体7−Bと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図2に示した横巻コイル4Bが構成されている。第15層の線状導体15−Cと、第6層の線状導体6−Cと、第14層の線状導体14−Cと、第7層の線状導体7−Cと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図2に示した横巻コイル4Cが構成されている。第5層の線状導体5−Bと、第15層の線状導体15−Dと、第6層の線状導体6−Dと、第14層の線状導体14−Dと、第7層の線状導体7−Dと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図2に示した横巻コイル4Dが構成されている。
第8層の線状導体8−Aと、第9層の線状導体9−Aと、をそれぞれの導体層においてループ状に形成し、それぞれの一端でヘリカル状に接続して、図2に示した縦巻コイル5Aが構成されている。第8層の線状導体8−Bと、第9層の線状導体9−Bと、をそれぞれの導体層においてループ状に形成し、それぞれの一端でヘリカル状に接続して、図2に示した縦巻コイル5Bが構成されている。
なお、横巻コイル4Aを構成する線状導体5−A、線状導体7−A、および、線状導体14−Aは、線路幅が比較的狭く、線状導体6−Aおよび線状導体15−Aは、線路幅が比較的広く形成されている。同様に、横巻コイル4Bを構成する線状導体7−B、および、線状導体14−Bは、線路幅が比較的狭く、線状導体6−Bおよび線状導体15−Bの組は、線路幅が比較的広く形成されている。横巻コイル4Cを構成する線状導体7−C、および、線状導体14−Cは、線路幅が比較的狭く、線状導体6−Cおよび線状導体15−Cは、線路幅が比較的広く形成されている。横巻コイル4Dを構成する線状導体5−B、線状導体7−D、および、線状導体14−Dは、線路幅が比較的狭く、線状導体6−Dおよび線状導体15−Dは、線路幅が比較的広くなっている。
このように、横巻コイル4A〜4Dのそれぞれにおいて、異なるターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、異なる線路幅で設けられている。これにより、線状導体の形成位置に製造時の位置ずれがあったとしても、線状導体間の対向面積が安定したものになる。その上、各横巻コイル4A〜4Dと内側キャパシタ6A〜6Eとの間に発生する寄生容量も安定したものになり、寄生容量の影響で各横巻コイル4A〜4Dの実効的なインダクタンスの値が変動することも、殆ど無くなる。これらのことにより、各横巻コイル4A〜4Dのインダクタンスの値を安定させることができる。
また、ここでは、横巻コイル4Aと横巻コイル4Bとはコイル巻回方向を異ならせている。横巻コイル4Bと横巻コイル4Cとはコイル巻回方向を一致させている。横巻コイル4Cと横巻コイル4Dとはコイル巻回方向を相違させている。そして、横巻コイル4Aと横巻コイル4Bとの配置間隔、および、横巻コイル4Cと横巻コイル4Dとの配置間隔は、横巻コイル4Bと横巻コイル4Cとの配置間隔よりも狭くしている。これらのように、隣接する横巻コイル4A〜4Dのコイル巻回方向および配置間隔を調整することにより、横巻コイル4A〜4D間の電磁界結合を調整し、ひいては、LC共振回路の共振器間結合を調整し、フィルタ特性を制御している。本構成のように、横巻コイル4A〜4Dのコイル開口内に内側キャパシタ6A〜6Eや縦巻コイル5A,5Bを配置すると、横巻コイル4A〜4Dの内側キャパシタ6A〜6Eや縦巻コイル5A,5Bによる配置制約が低減したものになり、横巻コイル4A〜4Dの配置間隔を変えることが容易である。
図3Bは、第1の実施形態に係る高周波部品1の変形例についての分解平面図である。図3Aと比較すれば明らかなように、図3Aの第5層目の導体パターンは図3BではLayer05AおよびLayer05Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。同様に、図3Aの第6層目の導体パターンは図3BではLayer06AおよびLayer06Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。また、図3Aの第7層目の導体パターンは図3BではLayer07AおよびLayer07Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。図3Aの第8層目の導体パターンは図3BではLayer08AおよびLayer08Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。図3Aの第9層目の導体パターンは図3BではLayer09AおよびLayer09Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。さらに、図3Aの第14層目の導体パターンは図3BではLayer14AおよびLayer14Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。また、図3Aの第15層目の導体パターンは図3BではLayer15AおよびLayer15Bの2層の導体パターンで構成されており、これら2層の導体パターンにおいて対向する個々の線状導体同士が並列接続されている。
このようにして、横巻コイル4A〜4Dのそれぞれにおいて、同じターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、層間接続導体により並列接続されているので、横巻コイルを構成する線状導体が複層化されており、これによって、線状導体の実効断面積が増加するため、配線抵抗が低下する。これにより、横巻コイル4A〜4Dそれぞれが構成する直列共振回路LC1〜LC4のQ値を高めることができる。
図4は、本実施形態の高周波部品1のフィルタ特性を例示する図である。高周波部品1が構成するハイパスフィルタは、4段の直列共振回路LC1〜LC4を共振器間結合させてなるため、共振器間結合により調整される複数の減衰極を有するフィルタ特性となる。
図4(A)〜図4(C)は、急峻な減衰極を実現する場合のフィルタ特性を示している。図4(A)は、横巻コイル4A〜4Dを、上述のコイル巻回方向の設定とし、また、配置間隔を所定の間隔とする場合のフィルタ特性を示している。図4(B)は、横巻コイル4B,4Cの配置間隔を、図4(A)の設定よりも狭めた場合のフィルタ特性を示している。図4(C)は、横巻コイル4B,4Cの配置間隔を、図4(A)の設定よりも広げた場合のフィルタ特性を示している。図4(A)〜図4(C)に示されているように、高周波部品1では、横巻コイル4A〜4Dの配置間隔の設定によって共振器間結合を調整することにより、減衰極の深さを設定することができる。
また、図4(D)は、横巻コイル4A〜4Dのコイル巻回方向を、図4(A)の設定と異ならせ、横巻コイル4A〜4Dのコイル巻回方向を全て一致させた場合のフィルタ特性を示している。図4(A)および図4(D)に示されているように、高周波部品1では、横巻コイル4A〜4Dのコイル巻回方向の設定によって共振器間結合を調整することにより、複数の減衰極の周波数間隔を異ならせることができ、例えば、複数の減衰極を狭い周波数帯域に集中させて急峻な減衰極を実現したり、複数の減衰極の周波数間隔を広げて広帯域な阻止帯域を実現したりすることができる。
このように、本実施形態の高周波部品1によれば、LC共振回路のキャパシタンスを調整することなく、横巻コイル4A〜4Dの配置間隔、およびコイル巻回方向の調整によって、共振器間結合を制御し、フィルタ特性を調整することが可能である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る高周波部品について説明する。ここで示す高周波部品は、通過帯域の高周波側に阻止帯域を有するローパスフィルタを構成するものである。
図5(A)は、第2の実施形態に係る高周波部品11の等価回路図である。高周波部品11は、入出力ポートP1,P2と、キャパシタC1,C2,C11,C12,C22と、インダクタL1,L2と、からなるローパスフィルタを構成する。図5(B)は、ローパスフィルタのフィルタ特性を例示する図である。
高周波部品11において、インダクタL1とキャパシタC1とで並列共振回路LC1が構成されていて、インダクタL2とキャパシタC2とで並列共振回路LC2が構成されている。これら共振回路LC1,LC2が入力ポートP1と出力ポートP2との間にシリーズに接続されている。共振回路LC1の入力側にはキャパシタC11がシャントに接続されている。共振回路LC1の出力側であり且つ共振回路LC2の入力側にはキャパシタC12がシャントに接続されている。共振回路LC2の出力側にはキャパシタC22がシャントに接続されている。
図6(A)は、第2の実施形態に係る高周波部品11の透過斜視図である。
高周波部品11は、積層体12を備えている。積層体12は直方体状であり、底面および天面に垂直な方向を積層方向として、複数の絶縁体層を積層して構成されている。また、積層体12を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に延びる線状導体が形成されている。また、積層体12を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に拡がる平面導体が形成されている。また、積層体12を構成する各絶縁体層には、各絶縁層を積層方向に貫通する層間接続導体が形成されている。積層体12の外面には、入出力電極13A,13Bと、グランド電極13Cと、が設けられている。積層体12の内部には、横巻コイル14A,14Bと、内側キャパシタ16A,16Bと、外側キャパシタ17A,17B,17Cと、が設けられている。
入出力電極13Aは、積層体12の天面から左側面を経由して底面まで延びている。入出力電極13Bは、積層体12の天面から右側面を経由して底面まで延びている。グランド電極13Cは、積層体12の底面に設けられている。
横巻コイル14A,14Bは、積層体12の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。横巻コイル14A,14Bそれぞれは、少なくとも3つ以上の層間接続導体と、少なくとも3つ以上の線状導体とを接続して構成されている。各横巻コイル14A,14Bは、積層体12を構成する絶縁体層の積層方向に対して直交する方向に延びる巻回軸、ここでは、積層体12の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸を中心に、積層体12の天面および底面と直交し、左側面および右側面と平行な平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に形成されている。
内側キャパシタ16A,16Bは、積層体12の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。内側キャパシタ16A,16Bそれぞれは、積層体12の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。
外側キャパシタ17A,17B,17Cは、積層体12の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。外側キャパシタ17A,17B,17Cそれぞれは、積層体12の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。なお、ここでは、外側キャパシタ17A,17B,17Cを構成する平面導体の一方を共通電極であるグランド電極GNDとしている。
積層体12に設けられた各構成と、図5(A)に示した回路の各回路素子との対応関係は次のとおりである。入出力電極13A,13Bは、図5(A)における入力ポートP1,P2に相当する。横巻コイル14A,14Bは、図5(A)における共振用インダクタL1,L2に相当する。内側キャパシタ16A,16Bは、図5(A)における共振用キャパシタC1,C2に相当する。外側キャパシタ17A,17B,17Cは、図5(A)におけるキャパシタC11,C12,C22に相当する。
図6(B)は、積層体12における横巻コイル14A,14Bと、内側キャパシタ16A,16Bと、外側キャパシタ17A〜17Cとの配置位置を示す模式的な断面図である。図6(B)は、積層体12の正面および背面と平行な面での積層体12の断面図である。
横巻コイル14A,14Bのうち隣接する横巻コイルのコイル開口は、それぞれの正面に互いが対向しており、積層体12を左側面側や右側面側から、横巻コイル14A,14Bの巻回軸に沿って透視した場合に、横巻コイル14A,14Bそれぞれのコイル開口が重なって一致するように配置されている。したがって、横巻コイル14A,14Bは互いに電磁界結合する。ここで、積層体12を左側面側や右側面側から透視した場合に、横巻コイル14A,14Bそれぞれのコイル開口が重なる積層体12の領域を、内側領域19として図6(B)中に示している。
そして、この構成では、内側キャパシタ16A,16Bを内側領域19、即ち、横巻コイル14A,14Bのコイル開口内に配置している。このため、積層体12においては、横巻コイル14A,14Bのコイル開口範囲外に、内側キャパシタ16A,16Bを配置するためのスペースが不要となり、積層体12の底面積や絶縁層の層数を低減して積層体12を小型に構成することができる。または、横巻コイル14A,14Bのコイル巻回数やコイル開口を大きくして、横巻コイル14A,14Bのインダクタンスを大きくすることができる。
キャパシタC11,C12,C22は、外側キャパシタ17A〜17Cにより構成している。キャパシタC11,C12,C22は、内側キャパシタとして構成することもできるが、キャパシタC11,C12,C22のキャパシタンスが大きい場合には大きな電極面積を要することになるため、キャパシタC11,C12,C22を内側キャパシタとして構成すると、横巻コイル14A,14Bとの間に生じる不要な結合が大きくなって横巻コイル14A,14Bのコイル特性や、共振回路LC1,LC2によるフィルタ特性が劣化することがある。そのため、ここでは、キャパシタC11,C12,C22を外側キャパシタ17A〜17Cとして構成して、横巻コイル14A,14Bのコイル特性や、共振回路LC1,LC2によるフィルタ特性が劣化することを防いでいる。
また、この構成では、横巻コイル14A,14Bと内側キャパシタ16A,16Bとを接続するために要する接続配線を短縮することができ、接続配線に生じる寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスによって、横巻コイル14A,14Bのコイル特性や、共振回路LC1,LC2によるフィルタ特性が劣化することを抑制している。
図7は、高周波部品11を構成する積層体12の各絶縁体層に形成された導体パターン(線状導体および平面導体)を示す積層体12の分解平面図である。図中には、積層体12の底面側から天面側にかけて、第1層から第9層までの導体パターンを順に示している。
第1層目の導体パターンは、積層体12の底面に露出する導体パターンであり、平面導体1−A,1−B,1−Cを含んでいる。平面導体1−Aは、図6に示した入出力電極13Aの一部を構成している。平面導体1−Bは、図6に示したグランド電極13Cを構成している。平面導体1−Cは、図6に示した入出力電極13Bの一部を構成している。
第2層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、平面導体2−Aを含んでいる。平面導体2−Aは、層間接続導体を介して平面導体1−B(グランド電極13C)に接続され、グランド電極GNDを構成している。
第3層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、平面導体3−A,3−B,3−Cを含んでいる。平面導体3−Aは、平面導体2−Aと対向して図6に示した外側キャパシタ17Aを構成している。平面導体3−Bは、平面導体2−Aと対向して図6に示した外側キャパシタ17Bを構成している。平面導体3−Cは、平面導体2−Aと対向して図6に示した外側キャパシタ17Cを構成している。
第4層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、線状導体4−A,4−Bを含んでいる。線状導体4−Aは、図6に示した横巻コイル14Aの一部を構成している。線状導体4−Bは、図6に示した横巻コイル14Bの一部を構成している。
第5層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、線状導体5−A,5−Bを含んでいる。線状導体5−Aは、図6に示した横巻コイル14Aの一部を構成している。線状導体5−Bは、図6に示した横巻コイル14Bの一部を構成している。
第6層の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、平面導体6−Aを含んでいる。平面導体6−Aは図6に示した内側キャパシタ16Aの一部と、内側キャパシタ16Bの一部とを構成している。
第7層の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、平面導体7−A,7−Bを含んでいる。平面導体7−Aは図6に示した内側キャパシタ16Aの一部を構成している。平面導体7−Bは図6に示した内側キャパシタ16Bの一部を構成している。
第8層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、線状導体8−A,8−Bを含んでいる。線状導体8−Aは、図6に示した横巻コイル14Aの一部を構成している。線状導体8−Bは、図6に示した横巻コイル14Bの一部を構成している。
第9層目の導体パターンは、積層体12の内部に形成される導体パターンであり、線状導体9−A,9−Bを含んでいる。線状導体9−Aは、図6に示した横巻コイル14Aの一部を構成している。線状導体9−Bは、図6に示した横巻コイル14Bの一部を構成している。
即ち、第6層の平面導体6−Aが、第7層の平面導体7−Aに対向して、図6に示した内側キャパシタ16Aが構成されている。第6層の平面導体6−Aが、第7層の平面導体7−Bに対向して、図6に示した内側キャパシタ16B構成されている。
第4層の線状導体4−Aと、第9層の線状導体9−Aと、第5層の線状導体5−Aと、第8層の線状導体8−Aと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図6に示した横巻コイル14Aが構成されている。第4層の線状導体4−Bと、第9層の線状導体9−Bと、第5層の線状導体5−Bと、第8層の線状導体8−Bと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図6に示した横巻コイル14B構成されている。
この第2の実施形態においても、横巻コイル14A,14Bのそれぞれにおいて、異なるターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、異なる線路幅で設けられている。これにより、線状導体の形成位置に製造ずれがあったとしても、線状導体間の対向面積が安定したものになる。このため、各横巻コイル14A,14Bのインダクタンスの値を安定させることができる。
また、いずれかの、または、すべての線状導体を複層化してもよい。そのことによって、線状導体の実効断面積が増加するため、配線抵抗が低下する。これにより、横巻コイル14A,14Bそれぞれが構成する共振回路LC1,LC2のQ値を高めることができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る高周波部品について説明する。ここで示す高周波部品は、通過帯域の高周波側および低周波側に阻止帯域を有するバンドパスフィルタを構成するものである。
図8(A)は、第3の実施形態に係る高周波部品21の等価回路図である。高周波部品21は、入出力ポートP1,P2と、キャパシタC1,C2,C3,C4,C10,C12,C23,C34,C40と、インダクタL1,L2,L3,L4と、からなるバンドパスフィルタを構成するものである。図8(B)は、高周波部品21のフィルタ特性を例示する図である。
高周波部品21において、インダクタL1とキャパシタC1とで並列共振回路LC1が構成されている。同様に、インダクタL2とキャパシタC2とで並列共振回路LC2が構成されている。インダクタL3とキャパシタC3とで並列共振回路LC3が構成されている。インダクタL4とキャパシタC4とで並列共振回路LC4が構成されている。共振回路LC1とLC2との間にはキャパシタC12が接続されている。同様に、共振回路LC2とLC3との間にはキャパシタC23が接続されている。共振回路LC3とLC4との間にはキャパシタC34が接続されている。以上の回路部分によって、4段の共振回路がキャパシタを介して結合されたバンドパスフィルタの基本回路が構成されている。
バンドパスフィルタを構成する4段の共振回路LC1〜LC4のうち、並列共振回路LC1は入力段の共振回路であり、外部結合用のキャパシタC10を介して入力ポートP1に結合している。並列共振回路LC2は中間段(2段目)の共振回路であり、入力段の並列共振回路LC1にキャパシタC12を介して結合している。並列共振回路LC3は中間段(3段目)の共振回路であり、2段目の並列共振回路LC2にキャパシタC23を介して結合している。並列共振回路LC4は、出力段の共振回路であり、3段目の並列共振回路LC3にキャパシタC34を介して結合し、外部結合用のキャパシタC40を介して出力ポートP2に結合している。
即ち、この高周波部品21において、インダクタL1,L2,L3,L4は、それぞれ、共振回路LC1,LC2,LC3,LC4の共振用インダクタとして作用する。キャパシタC6,C7,C8,C9は、共振回路LC1,LC2,LC3,LC4の共振用キャパシタとして作用する。キャパシタC12,C23,C34は、共振回路LC1,LC2,LC3,LC4の間を接続する共振器間結合用キャパシタとして作用する。キャパシタC10,C40は、共振回路LC1,LC2,LC3,LC4を入出力ポートP1,P2と結合させる外部結合用キャパシタとして作用する。
また、上記共振回路LC1〜LC4のうち、近接する共振回路LC1とLC2は互いに電磁界結合する。同様に、共振回路LC3とLC4は互いに電磁界結合する。すなわち、インダクタL1とL2は電磁界結合し、インダクタL3とL4は電磁界結合する。
図9(A)は、第3の実施形態に係る高周波部品21の透過斜視図である。
高周波部品21は、積層体22を備えている。積層体22は直方体状であり、底面および天面に垂直な方向を積層方向として、複数の絶縁体層を積層して構成されている。また、積層体22を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に延びる線状導体が形成されている。また、積層体22を構成する絶縁体層の層間には、積層方向に直交する方向に拡がる平面導体が形成されている。また、積層体22を構成する各絶縁体層には、各絶縁層を積層方向に貫通する層間接続導体が形成されている。積層体22の外面には、入出力電極23A,23Bと、グランド電極23Cと、が設けられている。積層体22の内部には、横巻コイル24A,24B,24C,24Dと、内側キャパシタ26A,26B,26C,26D,26Eと、外側キャパシタ27A,27B,27C,27Dと、が設けられている。
入出力電極23Aは、積層体22の天面から左側面を経由して底面まで延びている。入出力電極23Bは、積層体22の天面から右側面を経由して底面まで延びている。グランド電極23Cは、積層体22の底面に設けられている。
横巻コイル24A,24B,24C,24Dは、積層体22の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。横巻コイル24A,24B,24C,24Dそれぞれは、少なくとも3つ以上の層間接続導体と、少なくとも3つ以上の線状導体とを接続して構成されている。各横巻コイル24A,24B,24C,24Dは、積層体22を構成する絶縁体層の積層方向に対して直交する方向に延びる巻回軸、ここでは、積層体22の左側面と右側面との間を結ぶ方向に延びる巻回軸を中心に、積層体22の天面および底面と直交し、左側面および右側面と平行な平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に形成されている。
内側キャパシタ26A,26B,26C,26D,26Eは、積層体22の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。内側キャパシタ26A,26B,26C,26D,26Eそれぞれは、積層体22の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。
外側キャパシタ27A,27B,27C,27Dは、積層体22の内部で、左側面側から右側面側にかけて順に配列されている。外側キャパシタ27A,27B,27C,27Dそれぞれは、積層体22の天面および底面と平行である平面導体同士が絶縁体層を介在した状態で対向して形成されている。なお、ここでは、外側キャパシタ27A,27B,27C,27Dを構成する平面導体の一方を共通電極であるグランド電極GNDとしている。
積層体22に設けられた各構成と、図8(A)に示した回路の各回路素子との対応関係は次のとおりである。入出力電極23Aは、図8(A)における入力ポートP1に相当する。入出力電極23Bは、図8(A)における出力ポートP2に相当する。横巻コイル24A,24B,24C,24Dは、図8(A)における共振用インダクタL1,L2,L3,L4に相当する。内側キャパシタ26B,26C,26Dは、図8(A)における共振器間結合用キャパシタC12,C23,C34に相当する。内側キャパシタ26A,26Eは、図8(A)における外部結合用キャパシタC10,C40に相当する。外側キャパシタ27A,27B,27C,27Dは、図8(A)における共振用キャパシタC1,C2,C3,C4に相当する。
図9(B)は、積層体22における横巻コイル24A〜24Dの配置位置を示す模式的な断面図である。図9(C)は、積層体22における内側キャパシタ26A〜26Eと、外側キャパシタ27A〜27Dとの配置位置を示す模式的な断面図である。図9(B)および図9(C)は、積層体22の正面および背面と平行な面での積層体22の断面図である。
横巻コイル24A〜24Dのうち隣接する横巻コイルのコイル開口は、それぞれの正面に互いが対向しており、積層体22を左側面側や右側面側から、横巻コイル24A〜24Dの巻回軸に沿って透視した場合に、横巻コイル24A〜24Dそれぞれのコイル開口が重なって一致するように配置されている。したがって、横巻コイル24A〜24Dは互いに電磁界結合している。ここで、積層体22を左側面側や右側面側から透視した場合に、横巻コイル24A〜24Dそれぞれのコイル開口が重なる積層体22の領域を、内側領域29として図9(B)および図9(C)中に示している。
そして、この構成では、内側キャパシタ26A〜26Eを、内側領域29、即ち、横巻コイル24A〜24Dのコイル開口内に配置している。このため、積層体22においては、横巻コイル24A〜24Dのコイル開口範囲外に、内側キャパシタ26A〜26Eを配置するためのスペースが不要となり、積層体22の底面積や層数を低減して積層体22を小型に構成することができる。または、横巻コイル24A〜24Dのコイル巻回数を増やすことやコイル開口を大きくすることで、横巻コイル24A〜24Dのインダクタンスを大きくすることができる。
また、ここでは、共振用キャパシタC1〜C4を外側キャパシタ27A〜27Dとして構成している。共振用キャパシタC1〜C4は、内側キャパシタとして構成することもできるが、共振用キャパシタC1〜C4のキャパシタンスが大きい場合には大きな電極面積を要することになるため、共振用キャパシタC1〜C4を内側キャパシタとして構成すると、横巻コイル24A〜24Dとの間に生じる不要な結合が大きくなって横巻コイル24A〜24Dのコイル特性や、共振回路LC1〜LC4によるフィルタ特性が劣化することがある。そのため、ここでは、共振用キャパシタC1〜C4を外側キャパシタ27A〜27Dとして構成し、横巻コイル24A〜24Dのコイル特性や、共振回路LC1〜LC4によるフィルタ特性が劣化することを防いでいる。
また、この構成では、横巻コイル24A〜24Dと内側キャパシタ26A〜26Eとを接続するために要する接続配線を短縮することができ、接続配線に生じる寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスによって、横巻コイル24A〜24Dのコイル特性や、共振回路LC1〜LC4によるフィルタ特性が劣化することを抑制している。
図10は、高周波部品21を構成する積層体22の各絶縁体層に形成された導体パターン(線状導体および平面導体)を示す積層体22の分解平面図である。図中には、積層体22の底面側から天面側にかけて、第1層から第12層までを順に示している。
第1層目の導体パターンは、積層体22の底面に露出する導体パターンであり、平面導体1−A,1−B,1−Cを含んでいる。平面導体1−Aは、図9に示した入出力電極23Aの一部を構成している。平面導体1−Bは、図9に示したグランド電極23Cを構成している。平面導体1−Cは、図9に示した入出力電極23Bの一部を構成している。
第2層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体2−Aを含んでいる。平面導体2−Aは、層間接続導体を介して平面導体1−B(グランド電極23C)に接続され、グランド電極GNDを構成している。
第3層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体3−A,3−B,3−C,3−Dを含んでいる。平面導体3−Aは、平面導体2−Aと対向して図9に示した外側キャパシタ27Aを構成している。平面導体3−Bは、平面導体2−Aと対向して図9に示した外側キャパシタ27Bを構成している。平面導体3−Cは、平面導体2−Aと対向して図9に示した外側キャパシタ27Cを構成している。平面導体3−Dは、平面導体2−Aと対向して図9に示した外側キャパシタ27Dを構成している。
第4層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、線状導体4−A,4−Bを含んでいる。線状導体4−Aは、図9に示した横巻コイル24Aの一部を構成している。線状導体4−Bは、図9に示した横巻コイル24Dの一部を構成している。
第5層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、線状導体5−A,5−B,5−C,5−Dを含んでいる。線状導体5−Aは、図9に示した横巻コイル24Aの一部を構成している。線状導体5−Bは、図9に示した横巻コイル24Bの一部を構成している。線状導体5−Cは、図9に示した横巻コイル24Cの一部を構成している。線状導体5−Dは、図9に示した横巻コイル24Dの一部を構成している。
第6層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、線状導体6−A,6−B,6−C,6−Dを含んでいる。線状導体6−Aは、図9に示した横巻コイル24Aの一部を構成している。線状導体6−Bは、図9に示した横巻コイル24Bの一部を構成している。線状導体6−Cは、図9に示した横巻コイル24Cの一部を構成している。線状導体6−Dは、図9に示した横巻コイル24Dの一部を構成している。
第7層の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体7−A,7−B,7−C,7−Dを含んでいる。平面導体7−Aは図9に示した内側キャパシタ26Aの一部を構成している。平面導体7−Bは図9に示した内側キャパシタ26Cの一部を構成している。平面導体7−Cは図9に示した内側キャパシタ26Cの一部を構成している。平面導体7−Dは図9に示した内側キャパシタ26Eの一部を構成している。
第8層の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体8−A,8−B,8−Cを含んでいる。平面導体8−Aは図9に示した内側キャパシタ26Aの一部を構成している。平面導体8−Bは図9に示した内側キャパシタ26Cの一部を構成している。平面導体8−Cは図9に示した内側キャパシタ26Eの一部を構成している。
第9層の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体9−A,9−B,9−C,9−Dを含んでいる。平面導体9−Aは図9に示した内側キャパシタ26Aの一部と、内側キャパシタ26Bの一部とを構成している。平面導体9−Bは図9に示した内側キャパシタ26Cの一部と、内側キャパシタ26Bの一部とを構成している。平面導体9−Cは図9に示した内側キャパシタ26Cの一部と、内側キャパシタ26Dの一部とを構成している。平面導体9−Dは図9に示した内側キャパシタ26Eの一部と、内側キャパシタ26Dの一部とを構成している。
第10層の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、平面導体10−A,10−Bを含んでいる。平面導体10−Aは図9に示した内側キャパシタ26Bの一部を構成している。平面導体10−Bは図9に示した内側キャパシタ26Dの一部を構成している。
第11層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、線状導体11−A,11−B,11−C,11−Dを含んでいる。線状導体11−Aは、図9に示した横巻コイル24Aの一部を構成している。線状導体11−Bは、図9に示した横巻コイル24Bの一部を構成している。線状導体11−Cは、図9に示した横巻コイル24Cの一部を構成している。線状導体11−Dは、図9に示した横巻コイル24Dの一部を構成している。
第12層目の導体パターンは、積層体22の内部に形成される導体パターンであり、線状導体12−A,12−B,12−C,12−Dを含んでいる。線状導体12−Aは、図9に示した横巻コイル24Aの一部を構成している。線状導体12−Bは、図9に示した横巻コイル24Bの一部を構成している。線状導体12−Cは、図9に示した横巻コイル24Cの一部を構成している。線状導体12−Dは、図9に示した横巻コイル24Dの一部を構成している。
即ち、第8層の平面導体8−Aが、第7層の平面導体7−Aおよび第9層の平面導体9−Aに対向して、図9に示した内側キャパシタ26Aが構成されている。なお、第7層の平面導体7−Aと第9層の平面導体9−Aとは、層間接続導体を介して導通している。第10層の平面導体10−Aが、第9層の平面導体9−Aおよび平面導体9−Bに対向して、図9に示した内側キャパシタ26Bが構成されている。第8層の平面導体8−Bが、第7層の平面導体7−Bおよび平面導体7−Cと、第9層の平面導体9−Bおよび平面導体9−Cに対向して、図9に示した内側キャパシタ26Cが構成されている。なお、第7層の平面導体7−Bと第9層の平面導体9−Bとは、層間接続導体を介して導通している。また、第7層の平面導体7−Cと第9層の平面導体9−Cとは、層間接続導体を介して導通している。第10層の平面導体10−Bが、第9層の平面導体9−Cおよび平面導体9−Dに対向して、図9に示した内側キャパシタ26Dが構成されている。第8層の平面導体8−Cが、第7層の平面導体7−Dおよび第9層の平面導体9−Dに対向して、図9に示した内側キャパシタ26Eが構成されている。なお、第7層の平面導体7−Dと第9層の平面導体9−Dとは、層間接続導体を介して導通している。
第4層の線状導体4−Aと、第12層の線状導体12−Aと、第5層の線状導体5−Aと、第11層の線状導体11−Aと、第6層の線状導体6−Aと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図9に示した横巻コイル24Aが構成されている。第12層の線状導体12−Bと、第5層の線状導体5−Bと、第11層の線状導体11−Bと、第6層の線状導体6−Bと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図9に示した横巻コイル24Bが構成されている。第12層の線状導体12−Cと、第5層の線状導体5−Cと、第11層の線状導体11−Cと、第6層の線状導体6−Cと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図9に示した横巻コイル24Cが構成されている。第4層の線状導体4−Bと、第12層の線状導体12−Dと、第5層の線状導体5−Dと、第11層の線状導体11−Dと、第6層の線状導体6−Dと、を順に層間接続導体を介してスパイラル状に接続して、図9に示した横巻コイル24Dが構成されている。
なお、この第3の実施形態においても、横巻コイル24A〜24Dのそれぞれにおいて、異なるターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、異なる線路幅で設けられている。これにより、線状導体の形成位置に製造ずれがあったとしても、線状導体間の対向面積が安定したものになる。このため、各横巻コイル24A〜24Dのインダクタンスの値を安定させることができる。
また、いずれかの、または、すべての線状導体を複層化してもよい。そのことによって、線状導体の実効断面積が増加するため、配線抵抗が低下する。これにより、横巻コイル24A,24B,24C,24Dそれぞれが構成する共振回路LC1,LC2,LC3,LC4のQ値を高めることができる。
以上の各実施形態に示したように、本発明の高周波部品は多様なLC共振回路を構成することができ、いずれの場合であっても横巻コイルと内側キャパシタとを設けることにより、積層体を小型化することができる。
なお、上述の各実施形態においては、横巻コイルにより、LC共振回路の共振用インダクタを構成する例を示したが、横巻コイルはその他のインダクタ、例えば、LC共振回路の間を結合させる共振器間結合用インダクタや、LC共振回路と入出力端子との間を結合させる外部端子結合用インダクタなどを構成してもよい。また、内側キャパシタによりLC共振回路の間を結合させる共振器間結合用キャパシタを構成する例を示したが、内側キャパシタはその他のキャパシタ、例えば、LC共振回路の共振用キャパシタや、LC共振回路と入出力端子との間を結合させる外部結合用キャパシタなどを構成してもよい。また、縦巻コイルによりLC共振回路とシリーズに接続されるインダクタを構成する例を示したが、縦巻コイルはその他のインダクタ、例えば、LC共振回路の一部を構成する共振用インダクタや、LC共振回路の間を結合させる共振器間結合用インダクタなどを構成してもよい。今回の実施例においては、特定の段数における実施例ではあるが、実施例の段数に限らず、発明の範囲内で多段化しても良く、実施例に示されていないが、帯域阻止フィルタに適用しても良い。
また、上述のいずれの実施形態においても、共振回路と入出力端子との外部結合は、インダクタを介した電磁界結合により実現してもよく、また、キャパシタを介した容量結合により実現してもよく、また、直接配線によるタップ結合により実現してもよい。
なお、少なくとも入出力段と中間段とを含む複数段のLC共振回路を構成する場合には、中間段のLC共振回路を構成する横巻コイルは、入出力段のLC共振回路を構成する横巻コイルよりも線状導体の幅を広くして、低抵抗にすると好適である。このようにすれば、特に中間段に形成される横巻コイルのQ値を高めて、挿入損失を大きく改善することができる。
P1,P2…入出力ポート
LC1,LC2,LC3,LC4…共振回路
1,11,21…高周波部品
2,12,22…積層体
3A,3B,13A,13B,23A,23B…入出力電極
3C,13C,23C…グランド電極
4A,4B,4C,4D,14A,14B,24A,24B,24C,24D…横巻コイル
5A,5B…縦巻コイル
6A,6B,6C,6D,6E,16A,16B,26A,26B,26C,26D,26E…内側キャパシタ
7A,7B,7C,7D,7E,7F,17A,17B,17C,27A,27B,27C,27D…外側キャパシタ
9,19,29…内側領域

Claims (9)

  1. 複数の絶縁体層を積層方向に積層した積層体と、前記絶縁体層の表面に沿って延びる線状導体と、前記絶縁体層を貫通する層間接続導体と、前記絶縁体層の表面に沿って拡がる平面導体とを備える高周波部品において、
    前記積層方向と直交する方向に延びる巻回軸を中心に、当該巻回軸と垂直な平面内で複数ターン巻回されたスパイラル状に前記線状導体および前記層間接続導体を設けて構成された横巻コイルと、
    前記絶縁体層を介在させて対向する前記平面導体で構成されており、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て前記横巻コイルのコイル開口内に配置されている内側キャパシタと、を備えることを特徴とする高周波部品。
  2. 前記絶縁体層を介在させて対向する前記平面導体で構成されており、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て、前記横巻コイルのコイル開口範囲外に配置された外側キャパシタをさらに備え、
    前記外側キャパシタおよび前記横巻コイルを含むLC共振回路が構成されている、請求項1に記載の高周波部品。
  3. 前記内側キャパシタと前記外側キャパシタとのうちの少なくとも一方の平面導体間に位置する絶縁体層は、比誘電率が他の絶縁層よりも大きくなるように構成されている、請求項2に記載の高周波部品。
  4. 前記積層方向に延びる巻回軸を中心に巻回された前記線状導体を含んで構成される縦巻コイルをさらに備え、
    前記縦巻コイルは、前記横巻コイルの巻回軸に沿って視て、前記横巻コイルのコイル開口内に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の高周波部品。
  5. 前記横巻コイルを構成する複数の線状導体のうち、異なるターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、異なる線路幅で設けられている、請求項1〜4のいずれかに記載の高周波部品。
  6. 前記横巻コイルを構成する複数の線状導体のうち、同じターンを構成しつつ積層方向に近接する2つの線状導体が、前記層間接続導体により並列接続されている、請求項1〜5のいずれかに記載の高周波部品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の高周波部品にフィルタ回路を構成したフィルタ部品であって、
    前記フィルタ回路は、それぞれに前記横巻コイルを含む複数のLC共振回路を備え、
    各LC共振回路を構成する横巻コイルは、互いの巻回軸が並行し、巻回軸に沿って視て互いのコイル開口が重なっていることを特徴とする、フィルタ部品。
  8. 前記内側キャパシタは、前記複数のLC共振回路の間を結合させる共振器間結合用キャパシタを構成している、請求項7に記載のフィルタ部品。
  9. 前記複数のLC共振回路は、入出力段のLC共振回路と、前記入出力段のLC共振回路の間に結合する中間段のLC共振回路と、を含んでおり、
    前記中間段のLC共振回路に含まれる前記横巻コイルは、前記入出力段のLC共振回路に含まれる前記横巻コイルよりも、前記横巻コイルを構成する線状導体の幅が広い、請求項7または8に記載のフィルタ部品。
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