JP2015010551A - エンジン - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の課題は、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができるエンジンを提供することにある。
【解決手段】シリンダヘッドの端部は、第１端部と、第１端部から円弧状に凹んだ第１凹部とを含む。シリンダヘッドカバーの端部は、第２端部と、第２端部から円弧状に凹んだ第２凹部とを含む。第１端部を通る第１の仮想平面と、第２端部を通る第２の仮想平面とは、カム軸と重なっている。取付部材は、ガスケットとカラー部材とを有する。ガスケットは、リング部と、本体部とを含む。リング部は、円形状であり、第１凹部と第２凹部との間に配置される。本体部は、シリンダヘッドの第１端部とシリンダヘッドカバーの第２端部との間に配置される。カラー部材は、筒状の部材であり、リング部の孔に挿入されている。カラー部材には、ウォーターポンプが取り付けられる。リング部は、カラー部材と一体化されている。
【選択図】図２

Description

本発明は、エンジンに関する。

従来、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの合い面がカム軸心と同じ高さに配置されたエンジンが知られている。例えば、特許文献１のエンジンでは、ウォーターポンプを取り付けるためのカラー部材が、シリンダヘッドの半円形の切欠面と、シリンダヘッドカバーの半円形の切欠面との間に配置されている。また、シリンダヘッドの端部とシリンダヘッドカバーとの間には、ガスケットが配置されている。ガスケットは、カラー部材の上方においてシリンダヘッドの切欠面とカラー部材との間を通るように配置されている。

特開２０１０−１３８８２２号公報

上記のように、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの合い面がカム軸心と同じ高さに配置されたエンジンでは、ウォーターポンプをシリンダヘッドに取り付けた状態のまま、シリンダヘッドカバーを外すことができる。また、ウォーターポンプは、カラー部材の孔に挿入することでシリンダヘッドに取り付けられ、カラー部材の孔から抜かれることでシリンダヘッドから取り外される。このため、シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに取り付けた状態のままウォーターポンプの取り付け及び取り外しを行うことができるため、整備性が良好である。

しかし、カラー部材は、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間に配置されるため、シリンダヘッド内のオイルがエンジン外部に漏れないようにカラー部材とシリンダヘッドとの間、及び、カラー部材とシリンダヘッドカバーとの間のシール性を確保する必要がある。そのため、上記のようなエンジンでは、整備性とシール性とを確保するために、構造が複雑になるという問題がある。

本発明の課題は、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができるエンジンを提供することにある。

本発明の一態様に係るエンジンは、カム軸と、ウォーターポンプと、シリンダヘッドと、シリンダヘッドカバーと、取付部材と、を備える。カム軸は、吸気用カムと排気用カムとを含む。ウォーターポンプは、カム軸の軸線方向に配置される。シリンダヘッドは、カム軸を支持する。シリンダヘッドカバーは、シリンダヘッドに取り付けられる。取付部材は、シリンダヘッドの端部とシリンダヘッドカバーの端部との間に配置される。シリンダヘッドの端部は、第１端部と、第１端部から円弧状に凹んだ第１凹部とを含む。シリンダヘッドカバーの端部は、第２端部と、第２端部から円弧状に凹んだ第２凹部とを含む。第１端部を通る第１の仮想平面と、第２端部を通る第２の仮想平面とは、カム軸と重なっている。取付部材は、ガスケットとカラー部材とを含む。ガスケットは、リング部と、本体部とを含む。リング部は、円形状であり、第１凹部と第２凹部との間に配置される。本体部は、シリンダヘッドの第１端部とシリンダヘッドカバーの第２端部との間に配置される。カラー部材は、筒状の部材であり、リング部の孔に挿入されている。カラー部材には、ウォーターポンプが取り付けられる。リング部は、カラー部材と一体化されている。

この場合、ウォーターポンプをカラー部材を介してシリンダヘッドに取り付けた状態のまま、シリンダヘッドカバーを外すことができる。また、ウォーターポンプをカラー部材に対して着脱することで、シリンダヘッドカバーをシリンダヘッドに取り付けた状態のままウォーターポンプの取り付け及び取り外しを行うことができる。このため、整備性が良好である。また、ガスケットの本体部によって、シリンダヘッドの第１端部とシリンダヘッドカバーの第２端部との間をシールすると共に、ガスケットのリング部によって、カラー部材と第１凹部との間と、カラー部材と第２凹部との間とをシールすることができる。さらに、リング部は、カラー部材と一体化されているので、部品点数を削減することができる。従って、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができる。

好ましくは、リング部は、カラー部材と溶着により一体化されている。この場合、リング部とカラー部材とを強固に一体化することができる。これにより、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができる。

好ましくは、カラー部材は、筒部と、筒部の径方向外方に突出するフランジ部とを含む。この場合、ウォーターポンプをカラー部材から取り外す場合、又は、ウォーターポンプをカラー部材に取り付ける場合に、ガスケットの位置がずれることをフランジ部によって抑えることができる。これにより、簡易な構造で整備性とシール性とを更に向上させることができる。

好ましくは、カラー部材は、筒部とフランジ部とによって構成されるＬ字状の断面形状を有する。この場合、筒部の両端にフランジ部が設けられる場合と比べて、シリンダヘッド又はシリンダヘッドカバーとフランジ部との間に形成される隙間を少なくすることができる。これにより、隙間にオイル或いは異物が溜まることを抑えることができる。これにより、簡易な構造でシール性を更に向上させることができる。

好ましくは、カラー部材は、筒部と、筒部の径方向外方に突出する第１フランジ部と、筒部の径方向外方に突出する第２フランジ部と、を含む。リング部は、カラー部材の軸線方向において第１フランジ部と第２フランジ部との間に配置される。この場合、ガスケットの位置がずれることを更に抑えることができる。これにより、簡易な構造でシール性を更に向上させることができる。

好ましくは、カム軸の中心軸線の延長線は、第１の仮想平面と第１凹部との間に位置する。シリンダヘッドは、固定部をさらに含む。固定部は、シリンダヘッドの第１端部に近接して配置される。固定部には、ウォーターポンプが取り付けられる。この場合、ウォーターポンプを取り付ける固定部をカム軸の軸心に近づけて配置することができる。これにより、シリンダヘッドのみに固定部を設けてもウォーターポンプを安定的に取り付けることができる。また、シリンダヘッドのみに固定部を設けることによりウォーターポンプの着脱を容易に行うことができ、整備性を更に向上させることができる。これにより、簡易な構造でシール性を更に向上させることができる。

本発明の一態様に係るエンジンでは、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができる。

エンジンの一部の断面図である。 エンジンの一部の分解図である。 エンジンの一部の側面図である。 取付部材の平面図である。 取付部材をカラー部材の中心軸線方向から見た図である。 図５におけるVI-VI断面図である。 図６におけるVII-VII断面図である。 取付部材の変形例を示す断面図である。 取付部材の他の変形例を示す断面図である。

以下、実施形態に係るエンジン１について図面を参照して説明する。本実施形態に係るエンジン１は、水冷式の単気筒エンジンである。

図１は、エンジン１の一部の断面図である。図２は、エンジン１の一部の分解図である。図３は、エンジン１の一部の側面図である。図１に示すように、エンジン１は、動弁機構２と、ウォーターポンプ３と、シリンダヘッド４と、シリンダヘッドカバー５と、取付部材６と、を備えている。なお、図１においては理解の容易のためにウォーターポンプ３を破線で示している。また、本実施形態においては、シリンダヘッド４からシリンダヘッドカバー５に向かう方向を「上方」と呼び、その反対方向を「下方」と呼ぶものとする。

動弁機構２は、図示しない吸気弁と排気弁とを駆動するための機構である。動弁機構２には、ＳＯＨＣ（Single OverHead Camshaft）式の機構が採用されている。動弁機構２は、シリンダヘッド４とシリンダヘッドカバー５とに収容されている。動弁機構２は、カム軸１１と、吸気ロッカアーム１２と、排気ロッカアーム１３とを含む。

カム軸１１は、軸受１４，１５を介して回転可能にシリンダヘッド４に支持されている。カム軸１１の中心軸線Ａｘ１は、上下方向に対して垂直である。カム軸１１の一端にはスプロケット１６が取り付けられている。カム軸１１のスプロケット１６と図示しないクランク軸のスプロケットとにはカムチェーン１７が捲回されており、クランク軸の回転がカムチェーン１７を介してカム軸１１に伝達される。

カム軸１１は、吸気用カム１８と排気用カム１９とを含む。吸気用カム１８には吸気ロッカアーム１２のローラ２１が接触している。排気用カム１９には、排気ロッカアーム１３のローラ２２が接触している。カム軸１１が回転することにより、吸気用カム１８が吸気ロッカアーム１２を動作させることによって、吸気弁が開閉される。また、カム軸１１が回転することにより、排気用カム１９が排気ロッカアーム１３を動作させることによって、排気弁が開閉される。

シリンダヘッド４は、カム軸１１を支持する。シリンダヘッド４には、点火プラグ２３が取り付けられている。図２及び図３に示すように、シリンダヘッドカバー５は、シリンダヘッド４に取り付けられる。図２に示すように、シリンダヘッドカバー５は、複数のボルト２４ａ，２４ｂ，２４ｃ，２４ｄによって、シリンダヘッド４に固定される。シリンダヘッド４の端部は、第１端部２５と、第１端部２５から下方に向かって凹んだ第１凹部２６とを含む。第１凹部２６は、円弧状の形状を有する。第１端部２５は、シリンダヘッド４の内部空間の周囲を囲むように配置されており、第１凹部２６の両端と接続されている。

シリンダヘッドカバー５の端部は、第２端部２７と、第２端部２７から上方に凹んだ第２凹部２８とを含む。第２凹部２８は、円弧状の形状を有する。第２端部２７は、シリンダヘッドカバー５の内部空間の周囲を囲むように配置されており、第２凹部２８の両端と接続されている。第２端部２７は、第１端部２５の上方に配置されている。第２端部２７は、第１端部２５と向き合うように配置される。

図３に示すように、第１端部２５を通る第１の仮想平面Ｐ１と、第２端部２７を通る第２の仮想平面Ｐ２とは、カム軸１１と重なっている。第１の仮想平面Ｐ１は、中心軸線Ａｘ１と平行である。カム軸１１の中心軸線Ａｘ１の延長線は、第１の仮想平面Ｐ１と第１凹部２６との間に位置する。言い換えれば、第１の仮想平面Ｐ１は、中心軸線Ａｘ１よりも上方に位置している。すなわち、第１端部２５は、中心軸線Ａｘ１よりも上方に配置されている。第２の仮想平面Ｐ２は、中心軸線Ａｘ１と平行である。第２の仮想平面Ｐ２は、中心軸線Ａｘ１よりも上方に位置している。すなわち、第２端部２７は、中心軸線Ａｘ１よりも上方に配置されている。なお、図３は、ウォーターポンプ３が取り外された状態を示しており、理解の容易のため取付部材６の一部が省略されている。

図１に示すように、ウォーターポンプ３は、カム軸１１の中心軸線Ａｘ１方向に配置される。ウォーターポンプ３は、カム軸１１の回転によって駆動され、エンジン１の冷却液を循環させる。ウォーターポンプ３は、ウォーターポンプハウジング３１とウォーターポンプ駆動軸３２とを含む。

ウォーターポンプハウジング３１は、ウォーターポンプ駆動軸３２を収容している。ウォーターポンプハウジング３１は、第１円筒部３３と第２円筒部３４とを含む。第２円筒部３４の外径は、第１円筒部３３の外径よりも大きい。

ウォーターポンプ駆動軸３２は、カム軸１１と同軸に配置されている。ウォーターポンプ駆動軸３２は、軸受３５を介して第１円筒部３３に回転可能に支持されている。ウォーターポンプ駆動軸３２の一端には係止突起３６が設けられている。ウォーターポンプ３がシリンダヘッド４に取り付けられた状態で、係止突起３６は、カム軸１１の先端の溝部１１０に係合する。これにより、カム軸１１の回転がウォーターポンプ駆動軸３２に伝達される。ウォーターポンプ駆動軸３２の他端には、インペラ３７が取り付けられている。インペラ３７は第２円筒部３４に収容されている。

図２に示すように、ウォーターポンプハウジング３１は、吸入ポート３８と吐出ポート３９とを含む。吸入ポート３８と吐出ポート３９とは、第２円筒部３４に接続されており、第２円筒部３４の内部空間と連通している。吸入ポート３８は、図示しない冷却液ホースを介してラジエータに接続されている。吐出ポート３９は、シリンダヘッド４に設けられた冷却水通路の吸入口４０に接続されている。吐出ポート３９は、Oリング４１を介して吸入口４０に接続されている。

ウォーターポンプ３は、シリンダヘッド４の側壁４２に取り付けられる。ウォーターポンプハウジング３１は、ウォーターポンプ３をシリンダヘッド４に取り付けるための複数の固定部を含む。本実施形態においては、ウォーターポンプハウジング３１は、第１ポンプ側固定部４３と第２ポンプ側固定部４４とを含む。

図３に示すように、シリンダヘッド４の側壁４２は、第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とを含む。第１ポンプ側固定部４３と第２ポンプ側固定部４４とは、第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とにそれぞれ対応する位置に配置される。

第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とは、第１端部２５に近接して配置されている。詳細には、第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とは、上下方向において第１端部２５と第１凹部２６の底部との間に位置している。第１シリンダ側固定部４５の少なくとも一部は、カム軸１１と重なる高さに配置されている。第２シリンダ側固定部４６の少なくとも一部は、カム軸１１と重なる高さに配置されている。

シリンダヘッド４の側壁４２は、第３シリンダ側固定部４７を含む。第３シリンダ側固定部４７は、上述した冷却水通路の吸入口４０に近接して配置されている。図２に示すように、ウォーターポンプハウジング３１は第３ポンプ側固定部４８を含む。第３シリンダ側固定部４７は、第３ポンプ側固定部４８に対応する位置に配置されている。

図２に示すように、第１ポンプ側固定部４３と第２ポンプ側固定部４４と第３ポンプ側固定部４８とは、それぞれ、ボルト４９ａ，４９ｂ，４９ｃによって第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６と第３シリンダ側固定部４７とに固定される。

シリンダヘッドカバー５には、ウォーターポンプ３を取り付けるための固定部が設けられていない。すなわち、ウォーターポンプ３は、シリンダヘッド４に固定されるが、シリンダヘッドカバー５には固定されない。このため、ウォーターポンプ３がシリンダヘッド４に固定された状態で、シリンダヘッドカバー５をシリンダヘッド４から取り外すことができる。また、ウォーターポンプ３がシリンダヘッド４に固定された状態で、シリンダヘッドカバー５をシリンダヘッド４に取り付けることができる。

図２及び図３に示すように、取付部材６は、シリンダヘッド４の端部とシリンダヘッドカバー５の端部との間に配置される。シリンダヘッドカバー５がシリンダヘッド４に固定されることで、取付部材６は、シリンダヘッド４の端部とシリンダヘッドカバー５の端部との間に挟持される。

取付部材６は、ガスケット５１とカラー部材５２とを含む。ガスケット５１は、シリンダヘッド４とシリンダヘッドカバー５との間をシールするための部材である。ガスケット５１は、例えばゴム製であるが、ゴム以外のシール材で形成されてもよい。カラー部材５２は、筒状の形状を有しており、ウォーターポンプ３を支持するための部材である。カラー部材５２の開口には、ウォーターポンプ３の第１円筒部３３が挿入される。第１円筒部３３の外周面には、周方向に溝３３０が形成されており、溝３３０にＯリング３３１が嵌合されている。Ｏリング３３１によって、カラー部材５２の内周面と第１円筒部３３の外周面との間がシールされる。カラー部材５２は、例えば鉄或いはアルミなどの金属製であるが、樹脂などの他の材料で形成されてもよい。

ガスケット５１は、リング部５３と、本体部５４とを含む。リング部５３は、円形状であり、第１凹部２６と第２凹部２８との間に配置される。本体部５４は、シリンダヘッド４の第１端部２５とシリンダヘッドカバー５の第２端部２７との間に配置される。カラー部材５２は、リング部５３の孔に挿入されている。リング部５３は、カラー部材５２と一体化されている。本実施形態においては、リング部５３は、カラー部材５２と溶着により一体化されている。ただし、接着などの固定手段によってカラー部材５２と一体化されてもよい。

図４は、取付部材６の平面図である。図５は、取付部材６をカラー部材５２の中心軸線方向から見た図である。図４及び図５に示すように、ガスケット５１は、シリンダヘッド４の端部及びシリンダヘッドカバー５の端部に対応した無端状の形状を有する。図６は、図５におけるVI-VI断面図である。図７は、図４におけるVII-VII断面図である。なお、図６及び図７においては、シリンダヘッド４及びシリンダヘッドカバー５の断面を二点鎖線で示している。

図６に示すように、カラー部材５２は、筒部５５と、筒部５５の径方向外方に突出するフランジ部５６とを含む。カラー部材５２は、筒部５５とフランジ部５６とによって構成されるＬ字状の断面形状を有する。フランジ部５６の外径は、第１凹部２６及び第２凹部２８の内径より大きい。筒部５５の外径は、第１凹部２６及び第２凹部２８の内径よりも小さく、筒部５５は、第１凹部２６と第２凹部２８との間に位置している。

筒部５５は、リング部５３の孔に挿入されており、リング部５３を介して第１凹部２６と第２凹部２８とに支持されている。筒部５５は、カラー部材５２の中心軸線Ａｘ２方向に沿って直線状に延びている。カラー部材５２の中心軸線Ａｘ２方向における筒部５５の長さは、カラー部材５２の中心軸線Ａｘ２方向におけるリング部５３の長さよりも大きい。このため、筒部５５の端部５５０はリング部５３から突出している。なお、カラー部材５２は、カム軸１１と同軸に配置される。従って、カラー部材５２の中心軸線Ａｘ２方向は、カム軸１１の中心軸線Ａｘ１方向と一致している。

リング部５３は、第１凹部２６に支持される第１リング部５７と、第２凹部２８に支持される第２リング部５８とを含む。リング部５３は、第１リング部５７と第２リング部５８とが一体的に形成された環状の形状を有する。

第１リング部５７は、第１外突出部５７１と第１内突出部５７２と第１リング溝部５７３とを含む。第１リング溝部５７３は、第１外突出部５７１と第１内突出部５７２との間に位置している。第１凹部２６は、第１外壁部２６１と第１内壁部２６２とを含む。第１リング部５７が第１凹部２６に取り付けられ、第１リング部５７の第１外突出部５７１が第１凹部２６に押し付けられて変形することで、第１リング部５７と第１凹部２６との間がシールされる。第１外壁部２６１は、フランジ部５６と第１外突出部５７１との間に位置する。第１内壁部２６２は、第１リング溝部５７３内に位置する。

第２リング部５８は、第２外突出部５８１と第２内突出部５８２と第２リング溝部５８３とを含む。第２リング溝部５８３は、第２外突出部５８１と第２内突出部５８２との間に位置している。第２凹部２８は、第２外壁部２８１と第２内壁部２８２と第２溝部２８３とを含む。第２溝部２８３は、第２外壁部２８１と第２内壁部２８２との間に位置している。第２リング部５８の第２外突出部５８１が第２溝部２８３に嵌め込まれることで、第２リング部５８が第２凹部２８に取り付けられる。第２外壁部２８１は、フランジ部５６と第２外突出部５８１との間に位置する。第２内壁部２８２は、第２リング溝部５８３内に位置する。なお、第１外突出部５７１の径方向における厚さｔ１は、第２外突出部５８１の径方向における厚さｔ２よりも小さい。

図７に示すように、ガスケット５１の本体部５４は、第３外突出部５４１と第３内突出部５４２と第３溝部５４３とを含む。第３外突出部５４１と第３内突出部５４２と第３溝部５４３とは、本体部５４のシリンダヘッド４側の面（下面）に設けられている。第３溝部５４３は、第３外突出部５４１と第３内突出部５４２との間に位置している。第３溝部５４３に第１端部２５が嵌め込まれることで、本体部５４が第１端部２５に取り付けられる。

ガスケット５１の本体部５４は、第４突出部５４４を含む。第４突出部５４４は、本体部５４のシリンダヘッドカバー５側の面（上面）に設けられている。第４突出部５４４が第２端部２７の溝部２７１に嵌め込まれることで、本体部５４が第２端部２７に取り付けられる。

本実施形態にかかるエンジン１では、ウォーターポンプ３をカラー部材５２を介してシリンダヘッド４に取り付けた状態のまま、シリンダヘッドカバー５を外すことができる。また、ウォーターポンプ３をカラー部材５２に対して着脱することによって、シリンダヘッドカバー５をシリンダヘッド４に取り付けた状態のままウォーターポンプ３の取り付け及び取り外しを行うことができる。このため、整備性が良好である。

ガスケット５１の本体部５４によって、シリンダヘッド４の第１端部２５とシリンダヘッドカバー５の第２端部２７との間とがシールされる。また、ガスケット５１のリング部５３によって、カラー部材５２と第１凹部２６との間と、カラー部材５２と第２凹部２８との間とがシールされる。さらに、リング部５３は、カラー部材５２と一体化されているので、部品点数を削減することができる。従って、簡易な構造でシール性を向上させることができる。

リング部５３は、カラー部材５２と溶着により一体化されている。このため、リング部５３とカラー部材５２とを強固に一体化することができる。

カラー部材５２の筒部５５の一方の端部にはフランジ部５６が設けられている。このため、ウォーターポンプ３をカラー部材５２から取り外す場合、又は、ウォーターポンプ３をカラー部材５２に取り付ける場合に、ガスケット５１の位置がずれることをフランジ部５６によって抑えることができる。

カラー部材５２の筒部５５の他方の端部にはフランジ部が設けられていない。このため、筒部５５の両端にフランジ部が設けられる場合と比べて、シリンダヘッド４又はシリンダヘッドカバー５とフランジ部との間に形成される隙間を無くすことができる。これにより、隙間にオイル或いは異物が溜まることを抑えることができる。

シリンダヘッド４の第１端部２５を通る第１の仮想平面Ｐ１は、カム軸１１の中心軸心Ａｘ１よりも上方に位置している。このため、第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とをシリンダヘッド４の第１端部２５に近接して配置することで、第１シリンダ側固定部４５と第２シリンダ側固定部４６とをカム軸１１の中心軸心Ａｘ１に近づけて配置することができる。これにより、シリンダヘッド４のみに固定部を設けてもウォーターポンプ３を安定的に取り付けることができる。また、シリンダヘッド４のみに固定部を設けることによりウォーターポンプ３の着脱を容易に行うことができ、整備性を更に向上させることができる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

カラー部材５２の断面は、上記のようなL字形に限られない。例えば、図８に示すように、カラー部材５２は、筒部５５と、筒部５５の径方向外方に突出する第１フランジ部５６ａと、筒部５５の径方向外方に突出する第２フランジ部５６ｂと、を含んでもよい。第１フランジ部５６ａの外径と第２フランジ部５６ｂの外径とは同じである。この場合、リング部５３は、カラー部材５２の中心軸線方向において第１フランジ部５６ａと第２フランジ部５６ｂとの間に配置される。

或いは、図９に示すように、第２フランジ部５６ｂの外径は、第１フランジ部５６ａの外径よりも小さくてもよい。カラー部材５２の中心軸線方向における筒部５５の長さは、カラー部材５２の中心軸線方向における第１円筒部３３の長さよりも短い。この場合、リング部５３は第２フランジ部５６ｂと重なるように配置されてもよい。

或いは、図９において破線で示すように、カラー部材５２の中心軸線方向における筒部５５の長さは、カラー部材５２の中心軸線方向における第１円筒部３３の長さよりも長くてもよい。また、リング部５３は第１フランジ部５６ａと第２フランジ部５６ｂとの間に配置されてもよい。

ウォーターポンプ３をシリンダヘッド４に取り付けるための固定部は上記の実施形態の第１〜第３シリンダ側固定部４５−４７に限らない。固定部の数は、２つ以下であってもよい。或いは、固定部の数は４つ以上であってもよい。

本発明によれば、簡易な構造で整備性とシール性とを確保することができるエンジンを提供することができる。

１１ カム軸
３ ウォーターポンプ
４ シリンダヘッド
５ シリンダヘッドカバー
６ 取付部材
２５ 第１端部
２６ 第１凹部
２７ 第２端部
２８ 第２凹部
Ｐ１ 第１の仮想平面
Ｐ２ 第２の仮想平面
５３ リング部
５４ 本体部
５１ ガスケット
５２ カラー部材
５５ 筒部
５６ フランジ部
５６ａ 第１フランジ部
５６ｂ 第２フランジ部
４５ 第１シリンダ側固定部
４６ 第２シリンダ側固定部

Claims (6)

1. 吸気用カムと排気用カムとを含むカム軸と、
   前記カム軸の軸線方向に配置されるウォーターポンプと、
   前記カム軸を支持するシリンダヘッドと、
   前記シリンダヘッドに取り付けられるシリンダヘッドカバーと、
   前記シリンダヘッドの端部と前記シリンダヘッドカバーの端部との間に配置される取付部材と、
   を備え、
   前記シリンダヘッドの前記端部は、第１端部と、前記第１端部から円弧状に凹んだ第１凹部とを含み、
   前記シリンダヘッドカバーの前記端部は、第２端部と、前記第２端部から円弧状に凹んだ第２凹部とを含み、
   前記第１端部を通る第１の仮想平面と、前記第２端部を通る第２の仮想平面とは、前記カム軸と重なっており、
   前記取付部材は、
   前記第１凹部と前記第２凹部との間に配置される円形状のリング部と、前記第１端部と前記第２端部との間に配置される本体部と、を含むガスケットと、
   前記リング部の孔に挿入されており、前記ウォーターポンプが取り付けられる筒状のカラー部材と、
   を有し、
   前記リング部は、前記カラー部材と一体化されている、
   エンジン。
2. 前記リング部は、前記カラー部材と溶着により一体化されている、
   請求項１に記載のエンジン。
3. 前記カラー部材は、
   筒部と、
   前記筒部の径方向外方に突出するフランジ部と、
   を含む、
   請求項１又は２に記載のエンジン。
4. 前記カラー部材は、前記筒部と前記フランジ部とによって構成されるＬ字状の断面形状を有する、
   請求項３に記載のエンジン。
5. 前記カラー部材は、
   筒部と、
   前記筒部の径方向外方に突出する第１フランジ部と、
   前記筒部の径方向外方に突出する第２フランジ部と、
   を含み、
   前記リング部は、前記カラー部材の軸線方向において前記第１フランジ部と前記第２フランジ部との間に配置される、
   請求項１又は２に記載のエンジン。
6. 前記カム軸の中心軸線の延長線は、前記第１の仮想平面と前記第１凹部との間に位置しており、
   前記シリンダヘッドは、前記第１端部に近接して配置され前記ウォーターポンプが取り付けられる固定部をさらに含む、
   請求項１から５のいずれかに記載のエンジン。

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