JP2015003772A - エレベータの調速機及びエレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】長行程のエレベータにおいて、調速機ロープの慣性力の増大に伴う非常制動時の調速機用テンションプーリの跳ね上がりを規制するとともに、調速機ロープが経年変化によって伸びた場合には調速機用テンションプーリを下方向に移動させる。
【解決手段】調速機ロープ29が巻き掛けられたプーリ本体2を支持するプーリ支持体3は、プーリ支持体3の側端部3aの上方に向けて傾斜する傾斜部5aと、傾斜部5aの下方であってプーリ支持体3の側端部3aと垂直の方向に延びた水平部5bとを有し、ラチェット爪部7は、爪部の先端に向けて傾斜する傾斜部7aと、傾斜部7aの下方に設けられた水平部7bとを有し、複数のラチェット溝部5の間には剛性部6を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレベータの調速機及びエレベータに関し、特に、長行程のエレベータにおける調速機用テンションプーリの跳ね上がりの防止を図ったものに関する。
エレベータには、通常、乗りかごの昇降時の過速度を検出して乗りかごを非常停止させる調速機が設けられている。図10は、調速機を設けたエレベータの概略構成例を示す。エレベータ上部の機械室20内において、主ロープ21が巻上機22の綱車とプーリ23に巻き掛けられている。主ロープ21の一端は昇降路24内において乗りかご25の上部に接続され、主ロープ21の他端は昇降路24内において釣合い錘26の上部に接続されている。乗りかご25の下部と釣合い錘26の下部は、昇降路24の下部の釣合いプーリ27に巻き掛けられた釣合いロープ28によって連結されている。機械室21内の巻上機22が主ロープ21を摩擦駆動することにより、乗りかご25が昇降路24内を昇降する。
乗りかご25には、調速機ロープ29も接続されている。調速機ロープ29は、機械室20内の調速機本体30と、昇降路24の下部に設けられた調速機用テンションプーリ31に巻き掛けられている。調速機本体30は、調速機ロープ29の循環速度から乗りかご25の過速度を検出し、調速機ロープ29を把持することにより、乗りかご25の下部に設けられた不図示の非常止め装置を動作させて乗りかご25を非常停止させる役割を果たす。調速機用テンションプーリ31は、調速機ロープ29を張架する役割を果たす。
図11は、図10に示した調速機用テンションプーリ31の従来の構成例を示す。調速機用テンションプーリ31は、調速機ロープ29が巻き掛けられるプーリ本体32、及びプーリ本体32を回転可能に支持する平板状のプーリ支持体33で構成されている。プーリ支持体33は、垂直方向に延びたテンションプーリガイド34にガイドされて上下方向に移動可能になっている。
図11に示したような構成の調速機用テンションプーリ31を有するエレベータでは、調速機用テンションプーリ31を、過速度が検出されて乗りかごが非常停止した場合に跳ね上がらないような重さに設定していた。
また、過速度が検出されて調速機ロープ29が把持された際の調速機本体または調速機用テンションプーリの跳ね上がりを防止するための技術としては、三角形状のラチェット溝とそれに噛み合うラチェット爪を組み合わせたラチェット機構を用いて、調速機用テンションプーリの上方向への移動を規制する技術も提案されている。
特開2002−120979号公報(図5) 特開平11−11816号公報(図1)
しかし、近年は、建築物の高層化に伴って長行程のエレベータが増えている。そうした長行程のエレベータでは、図10に示した調速機ロープ29が長くなることにより、調速機ロープ29の慣性力が増加する。図12は調速機ロープ29の慣性力Fを示しており、下記の式(1)及び(2)は調速機ロープの慣性力Fと調速機ロープの長さLの関係を示している。
F=M×α …(1)
M=m×L …(2)
(但し、M:調速機ロープの重量
α:調速機ロープの加速度
m:調速機ロープの単位長あたりの重量)
上記の式(1)のように調速機ロープの慣性力Fは調速機ロープの重量Mに比例するが、上記の式(2)のように調速機ロープの重量Mは調速機ロープの長さLに比例し、したがって調速機ロープが長くなるのに比例して調速機ロープの慣性力も増加する。調速機ロープ29の慣性力が大きくなると、図10に示した巻上機22の制動機動作によって乗りかごが25を急停止させた非常制動時には、調速機用テンションプーリ31を引き上げる力が大きくなり、調速機用テンションプーリ31の跳ね上がり量が増加する場合が生じる。
こうした調速機用テンションプーリ31の跳ね上がり量の増加分を考慮して調速機用テンションプーリ31の上方向の可動範囲を広げると、エレベータを設置する場所の寸法を大きくしなければならない。更に、調速機用テンションプーリ31の跳ね上がり量が増えると、調速機ロープ29に張力がかからない時間が増えて、調速機ロープ29に緩みや振れが発生する。これにより、調速機本体30が誤動作したり、昇降路24内部の出張りに調速機ロープ29が引っ掛かったりして、エレベータの運行に支障をきたす可能性がある。
また、ラチェット溝とそれに噛み合うラチェット爪を組み合わせたラチェット機構を用いる場合、ラチェット溝の部分の剛性が弱いと、調速機用テンションプーリ31が大きく跳ね上がろうとした際に、ラチェット溝が変形または破損して、調速機用テンションプーリ31の跳ね上がりを規制できない場合が生じる。特に、長行程のエレベータの場合には、調速機ロープ29の慣性力が大きくなるため、ラチェット溝に加わる力が大きくなり、ラチェット溝が変形または破損して、調速機用テンションプーリ31の跳ね上がりを規制できなくなるおそれがある。
また、調速機ロープ29には、経年変化による伸びが必ず発生してしまうため、調速機用テンションプーリ31の下方向への可動領域を確保する必要がある。特に、長行程のエレベータにおいては、使用する調速機ロープ29の長さが長くなるため、経年変化により発生する伸びも大きくなってしまう。
本発明は、上述の点に鑑み、長行程のエレベータにおいて、調速機ロープの慣性力の増加に伴う非常制動時の調速機用テンションプーリの跳ね上がりを規制するとともに、調速機ロープが経年変化によって伸びた場合には調速機用テンションプーリを下方向に移動させることのできるエレベータの調速機及びエレベータを提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のエレベータの調速機は、乗りかごに接続される調速機ロープと、調速機ロープが巻き掛けられ、調速機ロープの循環速度から乗りかごの速度を検出して調速機ロープを把持する調速機本体と、調速機本体の下方に設けられた調速機ロープを張架するプーリ本体、及びプーリ本体を回転可能に支持するプーリ支持体で構成される調速機用テンションプーリと、複数のラチェット溝部に係合する移動可能なラチェット爪部と、ラチェット爪部をプーリ支持体側に付勢する付勢部材と、を有するエレベータの調速機において、ラチェット溝部は、プーリ支持体の側端部の上方に傾斜する傾斜部と、傾斜部の下方であってプーリ支持体の側端部と垂直の方向に延びる水平部と、を有し、ラチェット爪部は、爪部の先端に向けて傾斜する上部係合部と、上部係合部の下方に設けられた下部係合部と、を有し、複数のラチェット溝の間に、プーリ支持体の側端部の平面を含む剛性部を設ける。
また、本発明のエレベータは、昇降路内を昇降する乗りかごと、乗りかごに接続される調速機ロープと、調速機ロープが巻き掛けられ、調速機ロープの循環速度から乗りかごの速度を検出して調速機ロープを把持する調速機本体と、調速機本体の下方に設けられた調速機ロープを張架するプーリ本体、及びプーリ本体を回転可能に支持するプーリ支持体で構成される調速機用テンションプーリと、複数のラチェット溝部に係合する移動可能なラチェット爪部と、ラチェット爪部をプーリ支持体側に付勢する付勢部材と、を有するエレベータにおいて、ラチェット溝部は、プーリ支持体の側端部の上方に傾斜する傾斜部と、傾斜部の下方であってプーリ支持体の側端部と垂直の方向に延びる水平部と、を有し、ラチェット爪部は、爪部の先端に向けて傾斜する上部係合部と、上部係合部の下方に設けられた下部係合部と、を有し、複数のラチェット溝の間に、プーリ支持体の側端部の平面を含む剛性部を設ける。
上記構成のエレベータの調速機及びエレベータによれば、調速機用テンションプーリの跳ね上がりを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る調速機を設けたエレベータの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態における調速機用テンションプーリの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における調速機ロープの経年変化時のラチェット機構の動作を示す図である。 本発明の変形例における調速機用テンションプーリの構成を示す図である。 本発明の変形例における引張りバネの幅を示す図である。 本発明の変形例における調速機用テンションプーリの構成を示す図である。 引張りバネが縮んだ状態を示す図である。 本発明の変形例における調速機用テンションプーリの構成を示す図である。 本発明の変形例におけるラチェット爪の水平部の形状を示す図である。 調速機を設けたエレベータの概略構成例を示す図である。 従来の調速機用テンションプーリの構成例を示す図である。 調速機ロープの慣性力を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る調速機を設けたエレベータを示しており、図10と共通する部分には同一符号を付している。エレベータ上部の機械室20内において、主ロープ21が巻上機22の綱車とプーリ23に巻き掛けられている。主ロープ21の一端は昇降路24内において乗りかご25の上部に接続され、主ロープ21の他端は昇降路24内において釣合い錘26の上部に接続されている。乗りかご25の下部と釣合い錘26の下部は、昇降路24の下部に設けられた釣合いプーリ27に巻き掛けられた釣合いロープ28によって連結されている。機械室20内の巻上機22が主ロープ21を摩擦駆動することにより、乗りかご25が昇降路24内を昇降する。
乗りかご25には、調速機ロープ29も接続されている。調速機ロープ29は、機械室20内の調速機本体30と、昇降路24の下部に設けられた調速機用テンションプーリ1に巻き掛けられている。調速機本体30は、調速機ロープ29の循環速度から乗りかご25の速度を検出し、過速度を検出した場合には調速機ロープ29を把持することにより、不図示の非常止め装置を動作させて乗りかご25を非常停止させる役割を果たす。調速機用テンションプーリ1は、調速機ロープ29を張架する役割を果たす。
図2は、図1に示した調速機用テンションプーリ1の構成を示す。調速機用テンションプーリ1は、調速機ロープ29が巻き掛けられるプーリ本体2、及びプーリ本体2を回転可能に支持する平板状のプーリ支持体3で構成されている。なお、プーリ支持体3の側端部3aは、平面(側面)を有している。また、プーリ支持体3は、垂直方向に延びた2本のテンションプーリガイド4に両側からガイドされている。
プーリ支持体3の両側端部3aには、垂直方向に複数段のラチェット溝5が形成されている。各ラチェット溝5は、プーリ支持体3の側端部3aの上方に向けて傾斜する傾斜部5aと、傾斜部5aの下方であってプーリ支持体3の側端部3aと垂直の方向に延びた水平部5bとを有している。また、傾斜部5aと水平部5bの間には、プーリ支持体3の側端部3aに対して平行な方向に延びた垂直部5cが形成されている。また、各ラチェット溝5の間には、複数の剛性部6が形成されている。剛性部6は、プーリ支持体3の側端部3aの平面を含むように形成されている。このように、側端部3aの平面を含めて剛性部6を形成することにより、剛性部6の体積をある程度大きくして、ラチェット溝5の剛性を強めることができる。
各テンションプーリガイド4には、ラチェット爪7が移動可能に取り付けられている。ラチェット爪7は、ラチェット爪7の下部を貫通する円柱状のピン10によって支持されており、ピン10の円周方向に回動して移動することができる。ラチェット爪7の爪部は、図2のようにプーリ支持体3側に向いた状態を基準として見た場合に、爪部の先端に向けて傾斜する傾斜部7aを有する上部係合部と、上部係合部の下方に設けられた水平方向に延びた水平部7bを有する下部係合部とを有している。また、ラチェット爪7は、爪部と連接し、爪部と垂直な方向に延びた本体部を有しており、本体部の下端にピン10を挿通するための貫通孔が形成されている。
また、ラチェット爪7には、付勢部材の一種であるねじりコイルバネ11が取り付けられている。このねじりコイルバネ11は、ラチェット爪7がプーリ支持体3側に向けて回動するように(図2の左側のラチェット爪7では時計回り、図2の右側のラチェット爪7では反時計回りに回動するように)、ラチェット爪7を付勢している。
ラチェット爪7は、このようにプーリ支持体3側に向けて回動するように付勢されることにより、図2に示しているように、ラチェット爪7の水平部7bがラチェット溝5の水平部5bと対向するように当接し、ラチェット爪7とラチェット溝5とが係合する。なお、本実施の形態では、ラチェット爪7は、プーリ支持体3の最も下の段のラチェット溝5と係合している。
プーリ支持体3の下端部には、弾性部材の一種である引張りバネ8の上端が接続されている。また、2本のテンションプーリガイド4の下端部付近には、水平方向に延びたバー9が固定されており、引張りバネ8の下端は、このバー9に接続されている。なお、バー9は、剛性の強い金属で構成されている。
本実施の形態に係るエレベータの調速機によれば、プーリ支持体3に形成されたラチェット溝5とラチェット爪7とを用いたラチェット機構を用い、ラチェット爪7の下面の水平部7bがラチェット溝5の下面の水平部5bに当接し、係合する。従って、調速機用テンションプーリ1を上方に引き上げる力が働いた場合であっても、ラチェット溝5にラチェット爪7が噛み込んで、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを防止することができる。
また、隣り合うラチェット溝5同士の間に剛性部6が存在することにより、ラチェット溝5とラチェット溝5の間の歯の部分の先端が太くなり、ラチェット溝5の剛性が高くなっている。このため、長行程のエレベータにおいて、調速機用テンションプーリ1が大きく跳ね上がろうとした際にラチェット溝5に大きな力が加わったとしても、ラチェット溝5とラチェット溝5の間の歯が変形したり破損したりすることなく、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを確実に規制することができる。このように、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを規制することにより、調速機ロープ29への張力を維持し、調速機ロープ29の緩みや振れを小さくして、非常制動時においても調速機本体30を正常に動作させることができる。
他方、図3は、調速機ロープ29が経年変化によって伸びた場合のラチェット機構の動作を示す。図3Aは、ラチェット爪7がプーリ支持体3のラチェット溝5と噛み込んだ状態を示している。この状態から、調速機ロープ29が経年変化によって伸びると、プーリ支持体3が下方に移動して、図3B,図3Cに順に示すように、調速機用テンションプーリ1の自重により、ラチェット爪7は、傾斜部7aがラチェット溝5の上面の傾斜部5aに沿うようにして、付勢部材の付勢力に対抗して、付勢方向とは逆方向に回動していく。その後、図3Dに示すように、ラチェット爪7は、ラチェット溝5から離れて、爪部の先端が1つ上の段のラチェット溝5との間の剛性部6に接触した状態となる。すなわち、爪部の先端が、プーリ支持体3の側端部3aの平面に当接する。その後、図3Eに示すように、プーリ支持体3の移動に伴い、爪部の先端が1つ上の段のラチェット溝5に到達すると、図2に示したねじりコイルバネ11の付勢力によって、図3Aに示したのと同様にしてそのラチェット溝5に噛み込む。
このように、調速機ロープ29が経年変化によって伸びた場合は、調速機用テンションプーリ1の自重により、ラチェット爪7の上面の傾斜部7aがラチェット溝5の上面の傾斜部5aに沿うようにして、ラチェット爪7が付勢方向とは逆方向に回動する。その後、ねじりコイルバネ11の付勢力によって、1つ上の段のラチェット溝5にラチェット爪7が噛み込むことにより、調整器ロープ29の伸びに応じて調速機用テンションプーリ1を下方向に移動させることができる。
また、ラチェット溝5は傾斜部5aと水平部5bの間に垂直部5cを有しているので、ラチェット爪7の水平部7bのみをラチェット溝5の水平部5bに当接させ、傾斜部7aをラチェット溝5に当接させない状態とすることができる。すなわち、ラチェット爪7をラチェット溝5に係合させた状態において、ラチェット爪7とラチェット溝5との間に空間を設けることができる。これにより、ラチェット爪7がラチェット溝5から抜けやすくなるので、確実に調速機用テンションプーリ1を下方向に移動させることができる。
さらに、垂直部5cを設けることにより、ラチェット爪7とラチェット溝5との係合状態が、図3B,図3Cに示した状態である時間を増やすことができる。従って、調速機用テンションプーリ1が大きく跳ね上がろうとした際には、ラチェット爪7の水平部7bをラチェット溝5の下面の水平部5bに当接させた図3Aの状態に戻すことができる。したがって、剛性部6を設けた場合であっても、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを確実に規制できる状態を長く保つことができる。
ここで、図3Dに示したようにラチェット爪7の先端が剛性部6に当接した状態になっている間は、ラチェット機構によって調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを規制することはできない。そこで、本実施の形態では、プーリ支持体3の下部とバー9とを連結した引張りバネ8を設け、調速機用テンションプーリ1が大きく跳ね上がろうとした際には、引張りバネ8の復元力によって、プーリ支持体3を下方向に引っ張り、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを規制することができる。
また、引張りバネ8は、テンションプーリガイド4に取り付けられたバー9に連結しているので、乗りかご25の通常走行時におけるプーリ本体2の回転や調速機ロープ29の循環により発生する振動をテンションプーリガイド4へ逃がし、乗りかご25の揺れを減らすことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で、例えば下記に〔変形例1〕〜〔変形例4〕として列挙するような種々の変形実施が可能である。
〔変形例1〕
上述の実施の形態では、図3Dに示したようにラチェット爪7が剛性部6に当接した状態になっている間の調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを、プーリ支持体3の下部とバー9を連結した1本の引張りバネ8によって規制する例を説明した。しかし、エレベータが長行程化により、調速機ロープ29の慣性力が大きくなった場合には、復元力を高めるために直径の大きい引張りバネ8を用いる必要が生じる。図4Bに例示するように、直径の大きい引張りバネ8を用いた場合には、調速機用テンションプーリ1の幅よりも引張りバネ8の幅のほうが大きくなり、この引張りバネ8の幅の分だけスペースを確保しなければならない。
そこで、そうしたスペースの増大を防ぐために、図4A及び図5に例示するように、複数の引っ張りバネ15〜17を用いることで復元力を分散させて、バネの直径が大きくなることを抑えてもよい。すなわち、調速機用テンションプーリ1の幅以内の直径を有する複数本の引張りバネによって、プーリ支持体3の下部とテンションプーリガイド4側のバー9を連結し、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを規制するようにしてもよい。
〔変形例2〕
上述の実施の形態では、プーリ支持体3の下部とテンションプーリガイド4側のバー9を引張りバネ8によって連結する例を説明した。しかし、引張りバネ以外の復元力を有する弾性部材として、図6に示すように、紐状のゴム18によってプーリ支持体3の下部とテンションプーリガイド4側のバー9を連結してもよい。なお、ゴム18は、複数用いてもよい。
〔変形例3〕
上述の実施の形態では、引張りバネ8の下端を、テンションプーリガイド4に固定して取り付けたバー9に接続する例を説明した。この例では、調速機ロープ29の経年変化による伸びに伴って調速機用テンションプーリ1が下方向に移動するにつれて、図7に示すように、引張りバネ8が下方向に押されて縮んでいく。しかし、引張りバネ8があまり縮んでしまうと、図3Dに示したようにラチェット爪7の先端が剛性部6に当接した状態において、調速機用テンションプーリ1が大きく跳ね上がろうとした際に、引張りバネ8の復元力が働くまでの時間が長くなり、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを規制することが難しくなる場合がある。
そこで、調速機用テンションプーリ1が下方向に移動してきた場合の引張りバネ8の垂直方向の長さを調節する機構として、図8に示すように、テンションプーリガイド4に、バー9を着脱可能に取り付けるためのネジ穴19を複数設けるようにしてもよい。これにより、最初はテンションプーリガイド4の上方のネジ穴19にバー9を取り付けておき、保守点検時等に、引張りバネ8が所定の基準よりも縮んでいた場合には、バー9を下方のネジ穴19に移動させて、引張りバネ8を元の長さに戻すことができる。これにより、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりを確実に規制することができる。
〔変形例4〕
上述の実施の形態では、ラチェット爪7の水平部7bの形状が平坦な例を説明した。しかし、図9に示すように、水平部7bの形状を細かな凹凸を有する形状にしたり、あるいは、水平部7bに滑り止め用の部材を貼り付けたりした滑り止め部を設けてもよい。このように、ラチェット爪7の水平部7bの摩擦係数を大きくすることにより、水平部7bがラチェット溝5の水平部5bと当接している状態において、ラチェット爪7がラチェット溝5に対して滑りにくくすることができる。これにより、調速機用テンションプーリ1の跳ね上がりをより確実に抑えることができる。
1…調速機用テンションプーリ、 2…プーリ本体、 3…プーリ支持体、 4…テンションプーリガイド、 5…ラチェット溝、 5a…傾斜部、 5b…水平部、 5c…垂直部、 6…剛性部、 7…ラチェット爪、 7a…傾斜部、 7b…水平部、 8…引張りバネ、 9…バー、 10…ピン、 11…ねじりコイルバネ、 15〜17…引張りバネ、 18…ゴム、 22… 巻上機、 25… 乗りかご、 29…調速機ロープ、 30…調速機本体

Claims (8)

  1. 乗りかごに接続される調速機ロープと、
    前記調速機ロープが巻き掛けられ、前記調速機ロープの循環速度から前記乗りかごの速度を検出して前記調速機ロープを把持する調速機本体と、
    前記調速機本体の下方に設けられた前記調速機ロープを張架するプーリ本体、及び前記プーリ本体を回転可能に支持するプーリ支持体で構成される調速機用テンションプーリと、
    前記複数のラチェット溝部に係合する移動可能なラチェット爪部と、
    前記ラチェット爪部を前記プーリ支持体側に付勢する付勢部材と、
    を有するエレベータの調速機において、
    前記ラチェット溝部は、前記プーリ支持体の側端部の上方に傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の下方であって前記プーリ支持体の側端部と垂直の方向に延びる水平部と、を有し、
    前記ラチェット爪部は、爪部の先端に向けて傾斜する上部係合部と、前記上部係合部の下方に設けられた下部係合部と、を有し、
    前記複数のラチェット溝の間に、前記プーリ支持体の側端部の平面を含む剛性部を設けた
    エレベータの調速機。
  2. 前記ラチェット溝部は、前記傾斜部と前記水平部の間に、前記プーリ支持体の側端部と水平の方向に延びる垂直部を備えた
    請求項1に記載のエレベータの調速機。
  3. 前記プーリ支持体に下部に連結した弾性部材を備えた
    請求項1に記載のエレベータの調速機。
  4. 前記弾性部材を複数備えた
    請求項3に記載のエレベータの調速機。
  5. 前記弾性部材の長さを調節する機構を備えた
    請求項3に記載のエレベータの調速機。
  6. 前記ラチェット爪部の下部係合部に、摩擦係数が大きい滑り止め部を設けた
    請求項1に記載のエレベータの調速機。
  7. 前記ラチェット爪部は、回動により移動する
    請求項1に記載のエレベータの調速機。
  8. 昇降路内を昇降する乗りかごと、
    前記乗りかごに接続される調速機ロープと、前記調速機ロープが巻き掛けられ、前記調速機ロープの循環速度から前記乗りかごの速度を検出して前記調速機ロープを把持する調速機本体と、前記調速機本体の下方に設けられた前記調速機ロープを張架するプーリ本体、及び前記プーリ本体を回転可能に支持するプーリ支持体で構成される調速機用テンションプーリと、を有するエレベータの調速機と、
    前記複数のラチェット溝部に係合する移動可能なラチェット爪部と、
    前記ラチェット爪部を前記プーリ支持体側に付勢する付勢部材と、
    を備えたエレベータにおいて、
    前記ラチェット溝部は、前記プーリ支持体の側端部の上方に傾斜する傾斜部と、前記傾斜部の下方であって前記プーリ支持体の側端部と垂直の方向に延びる水平部と、を有し、
    前記ラチェット爪部は、爪部の先端に向けて傾斜する上部係合部と、前記上部係合部の下方に設けられた下部係合部と、を有し、
    前記複数のラチェット溝の間に、前記プーリ支持体の側端部の平面を含む剛性部を設けた
    エレベータ。
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