JP2010184787A - エレベータのガバナテンショナ装置 - Google Patents

エレベータのガバナテンショナ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガバナテンショナの過度の上下方向振動を抑制するとともに、ガバナロープに通常以上のテンションが掛からないようにしたエレベータのガバナテンショナ装置を得る。
【解決手段】ガバナテンショナ104に取り付けられ、ガバナテンショナ104をガイドレール102a、102bに沿って上下動自在に保持するとともに、変形可能な部材で構成されるガバナテンショナ用ガイド105を備え、このガバナテンショナ用ガイド105によりガバナテンショナ104が保持されたとき、ガイドレール102a、102bと所定間隙を介して対向する切り込み部107a、107bをガバナテンショナ104に形成するとともに、切り込み部107a、107bにガイドレール102a、102bを挿通させ、ガバナテンショナ用ガイド105の変形により切り込み部107a、107bに形成される上記所定間隙を変化させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、乗りかごに連結されたガバナロープを介して、昇降路内を昇降する乗りかごに同期して駆動される調速機のガバナテンショナの浮き上がりを抑制するエレベータのガバナテンショナ装置に関するものである。
エレベータの乗りかごの下降速度に関し、建築基準法施行令において、乗りかごの下降速度が規定された値を超えたときに、乗りかごの降下を自動的に制止する装置を設けなければならないことが規定されている。そのため、エレベータには、通常、調速機が付設されていて、この調速機によって乗りかごの下降速度を検出し、乗りかごの下降速度が規定された値を超えたときに非常止め装置を動作させて、乗りかごを非常停止させるようになっている。
そこで先ず、この調速機によって非常止め装置を動作させる仕組みについて説明する。この仕組みについては、特開2002−179361号公報に詳細に開示されており、便宜上、それを引用して説明する。
図22は、乗りかごが昇降する昇降路内の概略を示した図である。図22において、乗りかご1は、メインロープ2の一端に連結されると共に、メインロープ2の他端には図示しない釣り合い錘が連結されていて、これらは、昇降路の最上部に位置する機械室に設けられている図示しない巻上機の綱車につるべ式に吊されている。そして、昇降路には一対のかご用ガイドレール3が立設されており、乗りかご1は、巻上機によりこのガイドレール3に沿って昇降される。
また、上記の機械室には、調速機(ガバナ)5が設置されている。そして、上方端側がこの調速機5に巻装されたループ状のガバナロープ6が、昇降路内に垂下されており、その下方端側は、昇降路の底部近傍にまで達してシーブ8に巻きかけられている。即ち、ガバナロープ6は、調速機5とシーブ8との間にループ状に掛け回されている。さらに、ガバナロープ6の下方端側には、ガバナロープ6に適当な張りを与えるためのガバナテンショナ7が、昇降路の底部に接することのないように取り付けられている。このガバナテンショナ7は、ガバナロープ6を巻装するシーブ8と、このシーブ8の回転軸8aに連結された錘9とから構成されている。
ガバナロープ6の一部には取付部6aが形成されていて、この取付部6aは、乗りかご1に設けられている作動リンク10の一端に結合されている。よって、通常、ガバナロープ6は、乗りかご1の昇降に伴い、乗りかご1と同じ方向に同じ速度で移動する。このとき、ガバナロープ6はガバナテンショナ7によって、適当な張りが与えられているので、空回りすることなく調速機5に乗りかご1の移動速度が伝達される。また、作動リンク10は、乗りかご1の非常止め装置11にリフトロッド12を介して連結されている。この非常止め装置11は、乗りかご1の底部の両側に、かご用ガイドレール3に係合するように設けられており、両側の非常止め装置11にそれぞれリフトロッド12が連結されている。
調速機5は常に乗りかご1の下降速度を検出しており、乗りかご1の下降速度が規定の値を超えると、調速機5はガバナロープ6を掴んで止めるように作用する。よって、乗りかご1の下降速度が規定値を超えた場合、あるいは万一、メインロープ2が破断したような場合には、乗りかご1の下降速度の異常を調速機5が検出してガバナロープ6を掴むので、それまでは乗りかご1と同じ方向へ同じ速度で移動していたガバナロープ6は、落下する乗りかご1に対して反対に上昇する方向となる。従って、ガバナロープ6の取付部6aに連結されている作動リンク10が、ガバナロープ6によって引上げられることになり、作動リンク10に連結されている一対のリフトロッド12も引上げられる。さらに、リフトロッド12が引上げられることによって、非常止め装置11がかご用ガイドレール3をしっかり挟み込むように掴む。このように、一対の非常止め装置11が同時に動作することにより、落下する乗りかご1を停止させる。
ところで、上述のように、調速機5が乗りかご1の過速度を確実に検出して、非常止め装置11を動作させるためには、ガバナロープ6には常に適当な張力が加えられていることが必要である。これによって乗りかご1の速度を正確に調速機5へ伝達することができるからである。よって、ガバナロープ6に必要な張力を与えるようにするために、ガバナテンショナ7が設けられている訳であるが、このガバナテンショナ7は、ガバナロープ6の経時変化に伴う伸びに応じて下方へは移動できるようにすると共に、横方向への移動は制限するように安定に保持する必要がある。このガバナテンショナ7を安定に保持する従来の手段には、大別すると、ガバナテンショナ7のシーブ8とかご用ガイドレール3とを横方向の腕で連結する第1の方式と、ガバナテンショナ7用のガイドレールを設置しておき、これにガバナテンショナ7の錘9を案内させる第2の方式との2通りあった。
次に、上記従来のガバナテンショナ7の保持手段について、図23ないし図26を参照して説明する。なお、これらの図において、図22と同一部分には同一符号を付して示してある。
図23は、上記第1の方式によるガバナテンショナの設置状態を示した正面図で、図24は、図23の矢視A方向の部分的な平面図である。これらの図に示されているように、ガバナテンショナ7は、ガバナロープ6を巻装しガバナロープ6に従動するシーブ8と、ガバナロープ6に張力を与えるためにシーブ8の回転軸8aに連結され垂下している錘9とから構成されており、平面的には機械室に設置されている調速機5と同位置に設置されている。そして、シーブ8は、乗りかご1の昇降を案内するかご用ガイドレール3に取り付けられた固定部材21に腕部材22を介して連結されている。なお、腕部材22の一端は、シーブ8の回転軸8aを回動自在に支持しており、腕部材22の他端は、固定部材21にシャフト23によって回動自在に支持されている。
図25は、上記第2の方式によるガバナテンショナ7の設置状態を示した正面図で、図26は、図25のB−B線に沿う部分的な断面図である。ここで、ガバナテンショナ7が、ガバナロ一プ6を巻装しガバナロ一プ6に従動するシーブ8と、ガバナロープ6に張力を与えるためにシーブ8の回転軸8aに連結され垂下している錘9とから構成され、平面的には機械室に設置されている調速機5と同位置に設置されていることについては、上記第1の方式のものと同様である。第1の方式のものと異なるところは、図に示されているように、乗りかご1の昇降を案内するかご用ガイドレール3に、上下方向に間隔を置いて一対の支持腕24a、24bを取り付け、この一対の支持腕24a、24bにそれぞれ断面がコの字型をしたガバナテンショナ用ガイド25a、25bを、互いに向き合うように垂直に取り付け、このガバナテンショナ用ガイド25a、25b間に錘9を上下動自在に支持したところである。
このように、ガバナテンショナ7は必要な張力を得るための質量を有しており、その質量によってガバナロープ6が伸びても、張力を失わないように上下方向には自由に移動できるようになっている。そして、質量を確保する錘9およびシーブ8は、腕部材22または支持腕24a、24bによって上下方向以外への移動を制限されている。また、ガバナロープ6の伸びが促進し、ガバナテンショナ7が昇降路の底部(ピットの底部)に接触するようになると、ガバナロープ6の張力が失われることになるため、エレベータの保守・点検時にガバナロープ6の伸びも点検し、その伸び量が所定量に達していれば、張力が失われる前にガバナロープ6の切り詰め作業を実施し、その張力を保つことになる。
上述のように、従来のガバナテンショナ7は、ガバナロープ6の伸びに追従して張力を発揮させるために、シーブ8に連結した腕部材22を、シャフト23を中心にして固定部材21に対して上下方向には抵抗無く回動できる構造(上記第1の方式)となっており、あるいは、錘9をガバナテンショナ用ガイド25a、25bで保持することによって、上下方向には抵抗なく移動できる構造(上記第2の方式)となっていた。
しかし、乗りかご1に乗っている乗客が、いたずらなどにより乗りかご1を無理に揺すったような場合には、加振力がガバナロープ6に伝達されて、ガバナテンショナ7を上下に振動させることになっていた。加振力がわずかな場合には、シーブ8が回転するのみであるが、その加振力が過度のものであった場合には、シーブ8と錘9から成るガバナテンショナ7が上下に振動するようになり、ガバナロープ6とガバナテンショナ7とは、ばね質量系のような振動系となって、この振動はしばらく持続することになる。
そして、このガバナテンショナ7の上下方向の振動が大きくなると、ガバナテンショナ7が浮き上がって、ガバナロープ6の張力を一時的に失わせる事態に繋がり、さらにガバナロープ6に非常に大きな振動を起こさせる原因ともなるものであった。従って、張力を失ったガバナロープ6がその振動によって、調速機5のシーブ8から脱落したり、昇降路内の構造物に引っ掛ることによって、調速機5としての機能を果たさなくなる可能性があった。また、一時的に浮き上がったガバナテンショナ7が、ガバナロープ6上に落下して支持されるという状況も起こり、このとき、重力の加速度によってガバナテンショナ7の質量の2倍以上の負荷がガバナロープ7にかかる瞬間も発生し、これを受ける調速機5にも高い応力が掛かって、調速機5を故障させる可能性があった。
この課題を解決するために、図27に示すように、ガバナテンショナ7を昇降路内のかご用ガイドレール3から横方向へ延びた腕部材22により支持し、この腕部材22の根元側を直接又は固定部材21を介してかご用ガイドレール3に回動自在に軸支するとともに、この軸支部に腕部材22の上方への回動を抑制する爪部材36を設けた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−179361号公報(要約の欄、図5)
上記特許文献1で提案されている技術によれば、ガバナテンショナ7の浮き上がりを抑制する効果はあるが、乗りかご1を揺すって発生した振動により、ガバナテンショナ7が一度下方向に移動して爪部材36によって契合した場合は、二度と元の位置には戻らないため、ガバナロープ6に通常以上のテンションが掛かってすぐに伸びてしまい、ガバナロープ6の寿命を低下させる原因となる問題が生じる。
また、ロープ6の経年変化や昇降路内の温度や湿度の変化によって、ガバナロープ6が伸び縮みし、爪部材36が勝手に契合してしまい、ガバナロープ6には通常以上のテンションが掛かり、上記同様、ガバナロープ6の寿命を低下させる原因となる。更に、その状態では、調速機5には通常より高い応力がかかり調速機5を故障させる可能性が生じる。
エレベータの乗りかご非常停止時の場合においては、例えば、特開平7−76471号公報にも開示されているように、調速機5の下降側のガバナロープ6を掴むと上昇側のガバナロープ6がロープの慣性によって浮き上がり、このガバナロープ6が浮き上がるときには、ガバナテンショナ7にも同時に浮き上がりが発生する。このため、上記特許文献1で提案されているように、爪部材36によって上昇を抑制する場合では、爪部材36に過大な力が発生し、爪部材36が破損して、動作が出来なくなるといった問題もある。また、このような浮き上がりが発生する場合、ガバナロープ6のトラクションによりロープを停止する調速機5では、上昇側の張力が無くなることによって、ロープを掴む所望の力が発生出来なく、乗りかご1の非常停止にまで影響する問題も生じる。
この発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、ガバナテンショナの過度の上下方向振動を抑制するとともに、ガバナロープに通常以上のテンションが掛からないようにしたエレベータのガバナテンショナ装置を提供するものである。
この発明に係るエレベータのガバナテンショナ装置は、昇降路内を昇降する乗りかごにガバナロープを連結し、このガバナロープを介して同期して駆動される調速機により上記乗りかごの過速度を検知するエレベータに用いられ、上記ガバナロープが巻きかけられるシーブに錘を付加して上記ガバナロープに所要の張りを与えるガバナテンショナ装置であって、上記ガバナテンショナに取り付けられ、上記ガバナテンショナをガバナテンショナ用ガイドレールに沿って上下動自在に保持するとともに、変形可能な部材で構成されるガイド手段を備え、上記ガイド手段により上記ガバナテンショナが保持されたとき、上記ガバナテンショナ用ガイドレールと所定間隙を介して対向する切り込み溝を上記ガバナテンショナに形成するとともに、上記切り込み溝に上記ガバナテンショナ用ガイドレールを挿通させ、上記ガイド手段の変形により上記切り込み溝に形成される上記所定間隙を変化させるものである。
この発明に係るエレベータのガバナテンショナ装置によれば、ガバナロープに通常以上のテンションが掛かるの防止して、ガバナロープの寿命を低下させることなく、ガバナテンショナの過度の上下方向振動を抑制することができる。
この発明の実施例1に係るガバナテンショナ装置の全体図である。 この発明の実施例1に係るガバナテンショナを示す図である。 図2(c)のA−A断面図である。 この発明の実施例1に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例1に係るガバナテンショナ装置の通常運転状態のガバナテンショナ用ガイドレールとガバナテンショナの動きを表した図である。 この発明の実施例1に係るガバナテンショナ装置の非常時のガバナテンショナ用ガイドレールとガバナテンショナの動きを表した図である。 この発明の実施例2に係るガバナテンショナを示す図である。 この発明の実施例2に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例2に係る他のガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例2のガバナテンショナをガバナテンショナ用ガイドレールに配置した側面図である。 この発明の実施例3に係るガバナテンショナを示す図である。 この発明の実施例3に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例4に係るガバナテンショナを示す図である。 この発明の実施例4に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例5に係るガバナテンショナを示す図である。 この発明の実施例5に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例5に係る他のガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例6に係るガバナテンショナを示す図である。 この発明の実施例6に係るガバナテンショナ用ガイドを示す図である。 この発明の実施例7に係るガバナテンショナ装置を説明する図である。 この発明の実施例7に係るガバナテンショナ装置を説明する図である。 調速機によって非常止め装置を動作させる仕組みについて説明する昇降路内の概略を示した説明図である。 従来のガバナテンショナ装置の設置状態の一例を示した正面図である。 図23の矢視A方向の部分的な平面図である。 従来のガバナテンショナ装置の他の設置状態を示した正面図である。 図25のB−B線に沿う部分的な断面図である。 従来の他のガバナテンショナ装置の設置状態を示した正面図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明に係るエレベータのガバナテンショナ装置について好適な実施例を説明する。なお、これらの実施例によりこの発明が限定されるものでない。
以下、この発明の実施例1について説明する。図1は、実施例1に係るエレベータのガバナテンショナ装置の全体図で、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図を示している。また、図2は、実施例1に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は側面図である。更に、図3は、図2(c)のA−A断面図である。また、図4は、ガバナテンショナのガイド手段であるガバナテンショナ用ガイドを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。なお、ガバナテンショナ装置以外の構成については、従来技術とほぼ同様であり、以降の説明においては、ガバナテンショナ装置を中心に詳説する。
図1において、かご用ガイドレール100に取り付けられた上下の支持腕101a,101bに、垂直方向の断面がZ形状に形成されたガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bが向き合って取り付けられている。このガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bには、ガバナテンショナ104が上下動自在に保持されている。即ち、ガバナテンショナ104には、図2に見られるように、その上側および下側にガバナテンショナ用ガイド105が設けられており、ガバナテンショナ104の背面にボルト105aにより取り付けられている。そして、このガバナテンショナ用ガイド105のそれぞれの両側部に取り付けられた2ヶ所のガイドシュー106により、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに上下方向への摺動が自在に保持されている。なお、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bは、垂直方向の断面がZ形状に形成されたものに限らず、垂直方向の断面がコ字形状に形成されたものでも良い。
図3に見られるように、ガバナテンショナ104のフレーム107には、軸108が装着されており、その軸108にシーブ109が回転できるように取り付けられている。フレーム107は、鋳物により周囲一体物で構成されており、シーブ109が配置される部分には逃がし用の空所が形成され、ガバナロープ6を通す穴が設けられている。
また、図2に見られるように、フレーム107の左右の側面には、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを挿通させるとともに、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを基準として、前側であるガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bと離れる側に、上面側が長く、下面に行くにしたがって短くなる切り込み、即ち、上方から下方に傾斜する切り込み部107aが形成されており、後側であるガバナテンショナ用ガイドレール102a,102b側には、上下面に垂直方向の切り込み部107bが形成されている。従って、フレーム107の左右の側面には、上方から下方に傾斜する切り込み部107aと上下面に垂直方向の切り込み部107bにより、上方から下方に向かって開口面積が狭くなる楔形状の切り込み溝が形成されることになる。そして、この楔形状の切り込み溝を形成する切り込み部107aと切り込み部107bは、それぞれ、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bと所定間隙を形成している。また、ガバナロープ6の吊り位置にガバナテンショナ104の重心位置を合わせるため、ガバナテンショナ104の前側に、くぼみ形状となる凹所110が形成されている。
フレーム107に形成された上記切り込み溝の中には、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを基準として、前側の左右の位置に転動体(以下、コロという。)111a,111bが備えられ、このコロ111a,111bは、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aに沿って自由に移動するように構成されている。
また、フレーム107には、上から見た場合に断面がコ字形状の回転部材、即ち、アーム112が取り付けられている。このアーム112は、フレーム107の左右の側面に設けられた軸113a,113bに連結され、軸113a,113bを回転中心として自在に回転出来るように構成されている。アーム112は、コロ111a,111bを外側に出さないように、軸113a,113bより先端がコロ111a,111bを側面から押さえる構造となっている。アーム112の左右の先端には上下にピン114a,114bが固定されており、その間にコロ111a,111bが配置されている。
ガバナテンショナ104を正面に見たとき、アーム112のフレーム107への右側取り付け部には、その上側に引きばね115の一端を取り付けるピン116aが設けられており、下側には遠隔復帰用ケーブル117の一端を取り付けるピン116bが設けられている。また、フレーム107の右側面には、上側に引きばね115の他端を取り付けるピン118aが設けられており、下側に遠隔復帰用ケーブル117を取り付けるピン118bが設けられている。即ち、アーム112に設けられたピン116aとフレーム107に設けられたピン118aとの間に引きばね115が配置されるとともに、アーム112に設けられたピン116bには、遠隔復帰用ケーブル117のインナー側ケーブル117aが取り付けられ、フレーム107に設けられたピン118bには、遠隔復帰用ケーブル117のアウター側ケーブル117bが取り付けられている。
更に、ガバナテンショナ104を正面に見たとき、フレーム107の正面左上部に、予報スイッチとしての誤動作防止用スイッチ119が設けられている。この誤動作防止用スイッチ119は、アーム112のフレーム107への取り付け部の鉛直上にブラケット120によって固定されている。なお、引きばね115、遠隔復帰用ケーブル117、誤動作防止用スイッチ119はシーブ109上下垂直面を中心に反対側にあっても良い。
再び図3において、フレーム107の下面には、調整用の錘121がボルト122aによって固定されており、ガバナテンショナ104の重量を調整することが出来る。また、フレーム107の背面には、ガバナテンショナ用ガイド105が、上面から見たときに、ガイドシュー106の切り込み部とガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bと同位置となるように配置され、左右水平面を基準に上下反対にボルト122bにより固定されている。
図4に見られるように、ガバナテンショナ用ガイド105は、ガイド用フレーム123とガイドシュー106によって構成され、ガイド用フレーム123は、長手水平方向の断面がL形状に形成されており、ガイドシュー106の切り込み部が外側になるように、ガイド用フレーム123の上面部123aに左右反対に取り付けられる。また、ガバナロープ6を回避するために、ガイド用フレーム123の上面部123aには穴124が2ヶ所設けられている。ガイド用フレーム123は、例えば板状部材で構成することにより、後述するように、ガバナテンショナ104の前後方向に変形し易い構造となっており、ガイド用フレーム123の変形により、ガバナテンショナ104とガイド用フレーム123との間隙が変化する。なお、ガイドシュー106は、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bと常に接触することから低摩擦材で構成されている。
実施例1に係るエレベータのガバナテンショナ装置は上記のように構成されており、次にその動作について説明する。
1.通常運転時の動作について:
まず、実施例1に係るガバナテンショナ装置の通常運転時の動作について説明する。図5は、通常運転状態のガバナテンショナ用ガイドレールと、ガバナテンショナの動きを表した図で、(a)は左側面図、(b)は右側面図を示している。
図5において、ガバナテンショナ104の引きばね115のテンションによって、アーム112には軸113a,113bを中心として矢印A方向に回転する力が作用する。このとき、アーム112の先端に固定されている上側のピン114aがコロ111a,111bを下方向に押し付け、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aに沿ってコロ111a,111bが下方向に移動する。
コロ111a,111bは、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bの側面126まで移動し、その位置で配置される。このとき、側面から見た場合、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107a、コロ111a,111b、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの側面126は常に接触する形となる。しかし、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを基準として後側には、ガバナテンショナ用ガイド105により、隙間127を設けている。このため、ガバナテンショナ104はガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bで固定されること無く、ガバナテンショナ104に取り付けた上側2ヶ所、下側2ヶ所のガバナテンショナ用ガイド105によってガバナテンショナ104は上下方向へ摺動自在に保持されている。
乗りかご1を揺すって発生した振動により、ガバナテンショナ104が一度下方向に移動して、コロ111a,111bが初期時より下位置に下がってしまった後でも、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの後側の隙間127によって、ガバナテンショナ104のある程度の上方向の移動は許容される。ここで許容されるのは、ガバナテンショナ104の機能を失わせない微小な振動のことである。
また、ガバナロープ6の経年変化や昇降路内の温度や湿度の変化によって、ガバナロープ6が縮む場合も同じとなる。
ガバナロープ6の経年変化によるガバナロープ6が伸びることによって、ガバナテンショナ104が下方向に移動する。コロ111a,111bはガバナテンショナ104のアーム112により常に下方向に押し付けられているため、ガバナテンショナ104が下方向に移動したと同時に、コロ111a,111bも下方向に移動する。そのため、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107a、アーム112、コロ111a,111bの位置関係が変化すること無く、エレベータの運転による影響は無い。
2.非常時の動作について:
次に、ガバナテンショナ装置の非常時の動作について説明する。図6は、非常時のガバナテンショナ用ガイドレールと、ガバナテンショナの動きを表した図で、(a)は左側面図、(b)は右側面図を示している。
ガバナテンショナ104の機能が完全に失ってしまう振動が発生した場合、ガバナロープ6が調速機5のシーブの溝から完全に脱落する前に、振動を抑制しなければならない。このような振動が発生した場合、ガバナテンショナ104が上昇することによって、前述のように、アーム112は軸113a,113bを中心として図5(b)の状態から更に右方向に回転する。このとき、アーム112の先端に固定されている上側のピン114aがコロ111a,111bを下方向に押し付け、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aに沿ってコロ111a,111bが下方向に移動する。
コロ111a,111bは、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bの側面126まで移動し、図6(b)に見られる位置に配置される。このとき、側面から見た場合、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107a、コロ111a,111b、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bの側面126は常に接触する形となる。そして、この状態におけるガイド用フレーム123は、ガバナテンショナ104への取り付け部を基点として変形し、図6(b)に見られるように、ガバナテンショナ104を前方に押し出すことになる。このため、フレーム107のガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを基準とした後側も、隙間127が無くなり、ガバナテンショナ104は、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに対して完全に固定状態で保持されることになって、ガバナテンショナ104の上昇を抑制することが出来る。
このように、ガバナテンショナ104の上昇を抑制することから、ガバナロープ6が調速機5のシーブの溝から完全に脱落する前に、振動を抑制することが出来る。
また、左右のコロ111a、111bをアーム112により繋いだことによって、左右同時にコロ111a、111bを動作させることが出来る。
エレベータの乗りかご非常停止時の場合でも同様に、ガバナテンショナ104の上昇を抑制することから、ガバナロープ6の慣性によって浮き上がることを抑制することが出来るため、ガバナロープ6が調速機5のシーブから脱落するのを防ぐことが出来る。
3.誤動作防止用スイッチの動作、並びに遠隔復帰動作について:
次に、ガバナテンショナ装置の予報スイッチとしての誤動作防止用スイッチの動作、並びに遠隔復帰動作について図5および図6を流用して説明する。
ガバナテンショナ104が上昇することによって、前述のように、アーム112は軸113a,113bを中心として図5の状態から右方向に回転する。このとき、アーム112の先端に固定されている上側のピン114aがコロ111a、111bを下方向に押し付け、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aに沿ってコロ111a、111bが下方向に移動する。
アーム112は軸113a,113bを中心に回転することから、軸113a,113bによりアーム112の先端は下方向に移動しようとし、アーム112のフレーム107への取り付け部は上方向に移動する。このとき、誤動作防止用スイッチ119はアーム112のフレーム107への取り付け部の鉛直上に配置されているから、図6(a)に見られるように、アーム112と誤動作防止用スイッチ119の操作子128が接触し、アーム112のフレーム107への取り付け部の上昇に伴い、誤動作防止用スイッチ119が動作する。
なお、誤動作防止用スイッチ119は、フレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aのガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bを基準として後側の隙間127が無くなる前に動作するように設定される。それにより、ガバナロープ6が温度や湿度の変化によって縮み過ぎてしまい、ガバナテンショナ104の機能が完全に失う前にその状況を知らせることが出来る。
この誤動作防止用スイッチ119は、ガバナテンショナ104が上昇抑制した後でも動作しているので、ピット内に入ることなく、ガバナテンショナ104が上昇を抑制しているかを確認することが出来きるので、所謂、予報スイッチとして機能する。
また、ガバナテンショナ104を遠隔復帰させるためには、昇降路外で遠隔復帰用ケーブル117のインナー側ケーブル117aを引っ張る。これによって、ガバナテンショナ104に取り付けた遠隔復帰用ケーブル117のインナー側ケーブル117aがアウター側ケーブル117bに寄せられ、アーム112が強制的に軸113a,113bを中心に図6(b)の矢印B方向に回転する。そして、アーム112の先端に固定されている下側のピン114bにより、コロ111a、111bをフレーム107に形成された傾斜する切り込み部107aに沿って上側に移動させ、アーム112の初期設定角度(図5の状態)まで戻すことが出来る。このとき、誤動作防止用スイッチ119の動作もキャンセルすることが出来るため、昇降路の外部より復帰したか確認することが出来る。
次に、この発明の実施例2について説明する。図7は、実施例2に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は側面図である。また、図8および図9は、ガバナテンショナ用ガイドの異なる例を示す図で、それぞれ、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。更に、図10は、実施例2のガバナテンショナをガバナテンショナ用ガイドレールに配置した側面図を示している。
実施例2は、ガバナテンショナ用ガイドに特徴を有し、その他の部分については実施例1と同様の構成であるので詳細説明を省略する。また、動作についても実施例1と同様であるので説明を省略する。
実施例1においては、図4に見られるように、ガバナテンショナ用ガイド105のガイド用フレーム123を、その長手水平方向の断面がL形状に形成しており、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して垂直な角度で折り曲げている。
これに対し、実施例2においては、図8に見られるように、ガバナテンショナ用ガイド131のガイド用フレーム132を、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して垂直な角度を付けないようにして、ガイドシュー133の切り込み部134が、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して平行とはならず任意の角度θ1を形成するようにしたものである。
このように構成することにより、図7に示すガバナテンショナ130をガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに配置した場合、ガイド用フレーム132がガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに対して反ることになり、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bへの押し付け力が常に発生する。この状態が図10に示されており、この押付け力により、ガイドシュー132とガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの間に常に摩擦力が発生し、通常時に発生する上下方向の振動等を吸収することができる。
また、図8では任意の角度θ1を形成したガバナテンショナ用ガイドフレーム131で摩擦力を発生する構成としたが、図9に示すように、ガバナテンショナ用ガイド135のガイド用フレーム136に設けたガイドシュー137の切り込み部138に任意の角度θ2を形成することによっても同様な効果が得られる。
次に、この発明の実施例3について説明する。図11は、実施例3に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。また、図12は、ガバナテンショナ用ガイドを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
実施例3は、ガバナテンショナ用ガイドに特徴を有し、その他の部分については実施例1と同様の構成であるので詳細説明を省略する。また、動作についても実施例1と同様であるので説明を省略する。
図11および図12において、実施例3に係るガバナテンショナ139は、ガバナテンショナ用ガイド140の上面141を、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して角度θ1を形成するように構成し、この角度θ1を変えることによってガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bへの押し付け力を常に調整するものである。
また、ガバナテンショナ用ガイド140の折り曲げ部や、フレーム107への取り付け部に穴142を設け、穴142の形状を調整することによって、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに作用する押し付け力を常に調整するようにしている。
更に、上記2つの調整により、ガイドシュー143とガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの間の摩擦力を常に調整し、通常時に発生する上下方向の振動等を吸収するようにしている。
次に、この発明の実施例4について説明する。図13は、実施例4に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。また、図14は、ガバナテンショナ用ガイドを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
実施例4は、ガバナテンショナ用ガイドに特徴を有し、その他の部分については実施例1と同様の構成であるので詳細説明を省略する。
実施例1では、ガバナテンショナ用ガイド105の変形する方向が垂直上下方向であったが、実施例4のガバナテンショナ用ガイド145の変形する方向は、図13および図14に示すように、長手水平方向となるように構成されている。
図13および図14において、ガバナテンショナ144のフレーム107の背面には、例えば、板状部材からなるガバナテンショナ用ガイド145が、上面から見たときに、ガバナテンショナ用ガイド145のガイドシュー146の切り込み部147、およびガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bと同位置となるように配置され、水平面を基準に上下反対に固定されている。
また、ガバナテンショナ144のフレーム107の背面中央部において、ボルト148によりガバナテンショナ用ガイド145をガバナテンショナ144に取り付け、ガバナテンショナ用ガイド145を固定する構造としている。
ガバナテンショナ用ガイド145は、ガイド用フレーム149とガイドシュー146によって構成される。ガイド用フレーム149は、中央部の水平方向の断面がI形状に構成されており、左右両端部がL形状となるように上面149aが折り曲げて形成されている。従って、このガイド用フレーム149の左右両端部に形成された上面149aの間には空間部149bが形成されることになる。そして、ガイド用フレーム149の上面149aには、ガイドシュー146が取り付けられている。ガイドシュー146は、ガイドシュー146に形成した切り込み部147が外側になるように、左右反対に取り付けられている。
ガイド用フレーム149の長手水平方向の断面がI形状であるため、ガバナロープ6の位置が空間部149bに配置されることになる。従って、ガバナテンショナ用ガイド145の上面149aに、ガバナロープ6を回避するための穴を設ける必要がなくなる。また、ガバナテンショナ用ガイド145のガイド用フレーム149は、空間部149bにより、長手水平方向に変形することになる。なお、ガイドシュー147はガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bと常に接触することから低摩擦材で構成されている。
実施例4に係るガバナテンショナの動作等については実施例1と同様であるが、上記のように、ガバナテンショナ用ガイド145の両端部の上面149a間に形成される空間部149bにより、ガイド用フレーム149が長手水平方向、即ち、ガバナテンショナ144の前後方向に変形する。
次に、この発明の実施例5について説明する。図15は、実施例5に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。また、図16および図17は、ガバナテンショナ用ガイドの異なる例を示す図で、それぞれ、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
実施例5は、ガバナテンショナ用ガイドに特徴を有し、その他の部分については実施例1と同様の構成であるので詳細説明を省略する。また、動作についても実施例1と同様であるので説明を省略する。
実施例4においては、図14に見られるように、ガイドシュー146を固定する部分の面の角度を、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して垂直に折り曲げている。これに対し、実施例5のガバナテンショナ用ガイド152は、図15および図16に見られるように、ガイドシュー153を固定するガイド用フレーム154の面の角度を、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対して垂直以外の任意の角度θ1で折り曲げて取り付けたものである。これによって、ガイドシュー153の切り込み155が、ガバナテンショナ用ガイドレール103a,103bの先端部103a,103bに対して平行とはならず任意の角度を形成している。なお、ガバナテンショナ用ガイド152のその他の部分は、実施例4と同様である。
実施例5に係るガバナテンショナ151をガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに配置した場合、ガイド用フレーム154がガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに対し反ることによって、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bへの押し付け力が常に発生する。この押し付け力により、ガイドシュー153とガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの間に常に摩擦力が発生し、通常時に発生する上下方向の振動等を吸収することができる。
また、図17に示すように、ガバナテンショナ用ガイド156のガイドシュー157の切り込み部158に角度θ2を形成することによっても同様な効果が得られる。
次に、この発明の実施例6について説明する。図18は、実施例6に係るガバナテンショナを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。また、図19は、ガバナテンショナ用ガイドを示す図で、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
実施例6は、ガバナテンショナ用ガイドに特徴を有し、その他の部分については実施例1と同様の構成であるので詳細説明を省略する。また、動作についても実施例1と同様であるので説明を省略する。
図18および図19に示すように、実施例6のガバナテンショナ用ガイド161は、ガイド用フレーム162の両端部に形成される上面162aに、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの先端部103a,103bに対する角度θ1を形成したもので、その角度θ1を変えることによって、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bへの押し付け力を調整するものである。
また、ガイド用フレーム162のガバナテンショナ160のフレーム107への取り付け部に穴部163を設け、穴部163の形状を調整することによって、ガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bへの押し付け力を常に調整するものである。
更に、上記2つの調整により、ガイドシュー164とガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bの間に常に摩擦力を調整し、通常時に発生する上下方向の振動等を吸収することができる。
以上、この発明に係るエレベータのガバナテンショナ装置について、実施例1から実施例6を挙げて詳説したが、これらの実施例は、何れも乗りかごの落下時に非常止め装置を動作させる例として説明した。これは、通常、調速機が乗りかごの落下時にのみ対応しているためである。しかし、最近、乗りかごの上昇方向にも対応する調速機が用いられるようになって来ており、実施例7として、上方向にも対応する方式の調速機を例に挙げてこの発明に係るエレベータのガバナテンショナ装置について説明する。
図20および図21は、乗りかごの上昇方向にも対応する方式の調速機によって非常止め装置を動作させる仕組みについて説明する図で、乗りかごが昇降する昇降路内の概略を示した説明図である。この実施例7では、便宜上、実施例1で説明したガバナテンショナにより、非常止め装置を動作させる仕組みについて説明するが、その他の実施例で説明したガバナテンショナを用いる場合においてもその仕組みは同様である。
図20は、エレベータの通常動作時の状態を示しており、この状態から乗りかご1が下方向に移動して非常止め装置が動作する場合は、実施例1で説明した通りであるが、図20の状態から乗りかご1が上方向に移動して非常止め装置が動作する場合は図21のようになる。
即ち、図21において、乗りかご1が上方向に移動し安全速度を超えて非常止めが動作するとき、上方向および下方向の両方向にガバナロープ6を掴む機構を有する調速機5が動作することによって、ガバナロープ6が調速機5のシーブとシュー5aの間に把持されてガバナロープ6の移動が抑制される。また、乗りかご1は上方向に移動するが、通常のガバナテンショナでは乗りかご1の移動に対してガバナテンショナ自体も上方向に移動することから、作動リンク10がリンクの支点10aを中心に回転することができず、動作しないといった問題が発生する。
また、重量の重いガバナテンショナを用いれば、上方向で調速機5が動作した場合では、作動リンク10を動作させることができるが、昇降路ピットスペースが小さく、ピットが低い場合では、ガバナテンショナ自体が配置できなくなる。
これに対し、本実施例のガバナテンショナ104によれば、調速機5が上方向の非常止め動作した場合においても、ガバナテンショナ104自体をガバナテンショナ用ガイドレール102a,102bに固定することによって、ガバナロープ6は停止する。乗りかご1が上方向に移動するため、乗りかご1とガバナロープ6は離れて行き、ガバナロープ6に固定された連結棒6aが相対的に下方向に移動することによって,非常止め装置を動作させる作動リンク10の支点10aを中心に作動リンク10が時計方向に回転することによって非常止め装置を動作させる。
以上のように、実施例1から実施例6で説明したガバナテンショナ装置は、乗りかごの落下時、あるいは異常上昇時の両者に対応する調速機に適用でき、ガバナロープに通常以上のテンションが掛かるの防止して、ガバナロープの寿命を低下させることなく、ガバナテンショナの過度の上下方向振動を抑制することができるものである。
1 乗りかご
3、100 かご用ガイドレール
5 調速機
6 ガバナロープ
7、104、130、139、144、151、160 ガバナテンショナ
8、109 シーブ
9、121 錘
10 作動リンク
24a、24b 支持腕
36 爪部材
102a、102b ガバナテンショナ用ガイドレール
105、131、135、140、145、152、156、161 ガバナテンショナ用ガイド
106、133、137、143、146、153、157、164 ガイドシュー
107 フレーム
107a、107b 切り込み部
111a、111b コロ
112 アーム
117 遠隔復帰用ケーブル
117a インナー側ケーブル
117b アウター側ケーブル
123、132、136、149、154、162 ガイド用フレーム

Claims (11)

  1. 昇降路内を昇降する乗りかごにガバナロープを連結し、このガバナロープを介して同期して駆動される調速機により上記乗りかごの過速度を検知するエレベータに用いられ、上記ガバナロープが巻きかけられるシーブに錘を付加して上記ガバナロープに所要の張りを与えるガバナテンショナ装置であって、
    上記ガバナテンショナに取り付けられ、上記ガバナテンショナをガバナテンショナ用ガイドレールに沿って上下動自在に保持するとともに、変形可能な部材で構成されるガイド手段を備え、
    上記ガイド手段により上記ガバナテンショナが保持されたとき、上記ガバナテンショナ用ガイドレールと所定間隙を介して対向する切り込み溝を上記ガバナテンショナに形成するとともに、上記切り込み溝に上記ガバナテンショナ用ガイドレールを挿通させ、
    上記ガイド手段の変形により上記切り込み溝に形成される上記所定間隙を変化させることを特徴とするエレベータのガバナテンショナ装置。
  2. 上記切り込み溝は、上方から下方に傾斜する切り込み部と上下面に垂直方向の切り込み部から構成され、上方から下方に向かって開口面積が狭くなる楔形状を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  3. 上記ガイド手段は、長手水平方向の断面がL形状の部材で構成されるとともに、上記L形状の一片が上記ガバナテンショナの垂直上方向または垂直下方向に間隙を形成するように、他の一片が上記ガバナテンショナの背面に取り付けられ、上記垂直方向の間隙の変化により、上記切り込み溝の上記所定間隙を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  4. 上記ガイド手段は、中央部の水平方向の断面がI形状に構成されるとともに、両端部がL形状に構成され、上記ガイド手段の中央部が上記ガバナテンショナの背面に取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  5. 上記ガイド手段に上記ガバナテンショナ用ガイドレールと接触するガイドシューを取り付けるとともに、上記ガイドシューの上記接触部に切り込みを形成し、上記切り込み部に上記ガバナテンショナ用ガイドレールに対する角度を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  6. 上記ガイド手段に上記ガバナテンショナ用ガイドレールと接触するガイドシューを取り付け、上記ガイド手段の上記ガイドシューの取り付け部に上記ガバナテンショナ用ガイドレールに対する角度を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  7. 上記ガバナテンショナ用ガイドレールに対する角度を変化させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  8. 上記ガイド手段に穴部を形成し、上記穴部の形状を変化させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  9. 上記ガイド手段を上記ガバナテンショナの上下に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  10. 上記切り込み溝に備えられた転動子と、
    上記ガバナテンショナに回転自在に取り付けられ、上記ガバナテンショナの動作時に上記転動子を押圧して、上記ガバナテンショナを上記ガバナテンショナ用ガイドレールに固定状態に保持する回転部材と、
    上記回転部材を上記ガバナテンショナが動作する前の状態に復旧させる遠隔復帰用のケーブルと、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか一項に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
  11. 上記ガバナテンショナに上記ガバナテンショナの動作を確認する予報スイッチを設け、上記予報スイッチを、上記切り込み溝と上記切り込み溝に挿通される上記ガバナテンショナ用ガイドレールとが接触する前に動作するように設定することを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のエレベータのガバナテンショナ装置。
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