JP2014240189A - 芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜および非水電解液系二次電池用セパレータならびに非水電解液系二次電池 - Google Patents

芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜および非水電解液系二次電池用セパレータならびに非水電解液系二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、耐酸化還元性、金属デンドライド成長抑制性能を高い水準で併せ持つ、芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜およびそれを用いた非水電解液系二次電池用セパレータならびに非水電解液系二次電池を提供すること。【解決手段】多孔質膜の一方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリアミド多孔質膜により構成され、他方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜とする。【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜に関するものであり、特に非水電解液系二次電池用セパレータとして好適に使用できる芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜に関するものである。
リチウムイオン二次電池(LIB)などの非水電解液系二次電池は、既に携帯機器用途を中心に広範に普及しているが、電気自動車(EV)や大型産業機器などの動力源、発電所や工場などの定置用電源といった大型で大容量な用途にも急速な拡大が見込まれている。
このように電池を大型化、大容量化した場合、異常時に放出される可能性のある発熱量は必然的に増大するため、セパレータなどの構成部材にもこれまで以上に高い耐熱性が求められる。また、一般的に非水電解液系二次電池は使用電位範囲が広く、負極側では強い還元状態、正極側では強い酸化状態となるため、その両側に接触するセパレータには、優れた耐酸化還元性が求められる。特に、正極に5V級の高電圧系材料を用いることで電池容量を上げる検討がなされており、耐酸化性の要求はますます高くなっている。
一方、非水電解液系二次電池のもう一つの課題として、金属デンドライドの成長が挙げられる。これは、特に急速な充放電や低温下あるいは高温下などの過酷な条件で使用した際に、負極表面においてリチウムやナトリウムなどの金属が樹状に析出し、電池容量の低下や短絡を引き起こしたりするものである。
以上のことから、より過酷な使用環境が想定され、より高い安全性が求められる大型で大容量の電池に使用するセパレータとしては、耐熱性、耐酸化還元性に加え、金属デンドライドの成長を抑制する性能を高い水準で併せ持つ必要がある。
芳香族ポリアミド(アラミド)は、優れた耐熱性および耐酸化性を有することから、芳香族ポリアミドからなる不織布や多孔質膜をセパレータとして用いることが開示されている(例えば特許文献1〜3)。
特開平5−335005号公報 特開2003−40999号公報 特開2005−209989号公報
しかしながら、上記公知の芳香族ポリアミド不織布や多孔質膜は、金属デンドライドの成長による電池容量の低下や短絡の課題を解決するには至っておらず、なお改良の余地を有する。
本発明は上記事情に鑑み、耐熱性、耐酸化還元性、金属デンドライド成長抑制性能を高い水準で併せ持つ、多孔質膜および非水電解液系二次電池用セパレータならびに非水電解液系二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成からなる。
(1)多孔質膜の一方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリアミド多孔質膜により構成され、他方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜。
(2)総厚みが5〜30μmであり、ガーレ透気度が5〜300秒/100mlであり、200℃における長手方向および幅方向の熱収縮率のいずれもが−0.5〜2.0%である、上記(1)に記載の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜。
(3)芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層の表面を正極に対向させ、芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層の表面を負極に対向させる、上記(1)または(2)に記載の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜を用いてなる非水電解液系二次電池用セパレータ。
(4)上記(3)に記載のセパレータを用いた非水電解液系二次電池。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、耐熱性、耐酸化還元性、および金属デンドライド成長抑制性能を高い水準で併せ持つため、種々の電池構成部材や使用条件において、優れた特性が得られる。また、電池の異常発熱時においても、セパレータの収縮や破膜が抑えられ、高い安定性を保持する。そのため、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池などの非水電解液系二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜をセパレータとして用いた非水電解液系二次電池は、電池構成部材や使用環境の自由度が高く、かつ、異常発熱時においても優れた安全性を保持することができる。
本発明において用いる芳香族ポリアミドとしては、次の化学式(1)および/または化学式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好適である。
化学式(1):
Figure 2014240189
化学式(2):
Figure 2014240189
ここで、Ar、ArおよびArとしては、例えば、次の化学式(3)〜(7)で表される基から選ばれた基などが挙げられる。
化学式(3)〜(7):
Figure 2014240189
また、XおよびYは、−O−、−CH−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−などから選ばれるが、これに限定されるものではない。
さらに、これらAr〜Arにおける芳香環上の水素原子の一部が、フッ素、臭素、塩素などのハロゲン基;ニトロ基;シアノ基;メチル、エチル、プロピルなどのアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのアルコキシ基などの置換基で置換されているものが、溶媒への溶解性が向上すること、および吸湿率を低下させ湿度変化による寸法変化が小さくなることから好ましい。特に、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基などの電子吸引性の置換基を有すると、耐酸化性に優れ、セパレータとして用いたときに正極側における酸化などの変質を防げるため好ましい。なかでも置換基としてハロゲン基がより好ましく、塩素原子が最も好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水素が置換基によって置換されていてもよい。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、Ar〜Arにおける芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の50モル%以上を占めていることが好ましく、60モル%以上を占めていることがより好ましい。最も好ましくは100モル%である。ここでいうパラ配向性とは、芳香環において主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸または平行にある状態をいう。このパラ配向性が50モル%未満の場合、得られる芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜(以下、複合多孔質膜、または単に、多孔質膜ということがある。)の剛性および耐熱性が不十分となることがある。
さらに、芳香族ポリアミドが下記化学式(8)で表される繰り返し単位を30モル%以上含有する場合、多孔質膜の耐酸化性、耐熱性などの特性と、製造時の溶媒への溶解性および製膜性とが両立できることから特に好ましく、40モル%以上が最も好ましい。
化学式(8):
Figure 2014240189
本発明において用いる芳香族ポリイミドとしては、重合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1つ以上含むものが好ましい。次の化学式(9)および/または化学式(10)で示される繰り返し単位を50モル%以上含むものがより好ましく、さらに好ましくは70モル%以上である。
化学式(9):
Figure 2014240189
化学式(10):
Figure 2014240189
ここで、Ar、Arは少なくとも1個の芳香環を含み、イミド環を形成する2つのカルボニル基は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。Arは、芳香族テトラカルボン酸あるいはこの無水物に由来し、Ar は無水カルボン酸あるいはこのハライドに由来する。
Arの代表例としては、次の化学式(11)〜(13)で表される基から選ばれた基などが挙げられる。
化学式(11)〜(13):
Figure 2014240189
ここで、Zは、−O−、−CH−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−などから選ばれるが、これに限定されるものではない。
Arの代表例としては、次の化学式(14)〜(16)で表される基から選ばれた基などが挙げられる。
化学式(14)〜(16):
Figure 2014240189
ここで、Zは、−O−、−CH−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−などから選ばれるが、これに限定されるものではない。
また、Ar、Arは例えば、次の化学式(17)〜(21)で表される基から選ばれた基などが挙げられる。
化学式(17)〜(21):
Figure 2014240189
ここで、XおよびYは、−O−、−CH−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−C(CH−などから選ばれるが、これに限定されるものではない。
さらに、これらAr〜Arにおける芳香環上の水素原子の一部が、フッ素、臭素、塩素などのハロゲン基;ニトロ基;シアノ基;メチル、エチル、プロピルなどのアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのアルコキシ基などの置換基で置換されているものを含み、また、重合体中にアミド結合を含む場合は、アミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含む。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、多孔質膜の一方の表面層が芳香族ポリアミド多孔質膜により構成され、もう一方(他方)の表面層が芳香族ポリイミド多孔質膜により構成されている。ここで、本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜における芳香族ポリアミド多孔質膜層および芳香族ポリイミド多孔質膜層には、それぞれ、上述した芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドが55質量%以上含有されていることが好ましい。
本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層は、複合多孔質膜の一方の表面から厚み方向1〜29μmまでを占めていることが好ましい。より好ましくは表面から3〜27μmまでであり、さらに好ましくは表面から5〜25μmまでである。複合多孔質膜の一方の表面に形成する芳香族ポリアミド多孔質膜の厚みを上記範囲内とし、この面を非水電解液系二次電池用セパレータの正極に対向する面に配置して用いることで、正極側におけるセパレータの酸化による劣化を抑制でき、サイクル特性や保存特性などの低下が抑えられる。
本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層が、複合多孔質膜の一方の表面から厚み方向1μm未満であると、上述した酸化劣化を抑制する効果が十分に得られず、サイクル特性や保存特性の低下などが起きることがある。特に、正極材料に5V級の高電圧系材料(例えば、スピネル型LiMn系においてマンガンの一部を異種の遷移金属で置換した材料であり、Li[Ni0.5Mn1.5]Oなど)を用いた場合に、セパレータの劣化が起きやすい。本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層が、複合多孔質膜の一方の表面から厚み方向29μmを超えると、セパレータとして使用した際に内部抵抗の上昇により出力が低下したり、電池内に組み込める活物質層の厚みが薄くなり体積あたりの容量が小さくなることがある。芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層の厚みは、製膜原液濃度、製膜原液粘度、流延厚み、多孔化条件、延伸条件などにより制御することができる。
本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層は、複合多孔質膜の他方の表面から厚み方向1〜29μmまでを占めていることが好ましい。より好ましくは表面から3〜27μmまでであり、さらに好ましくは表面から5〜25μmまでである。複合多孔質膜のもう一方(他方)の表面に形成する芳香族ポリイミド多孔質膜の厚みを上記範囲内とし、この面を非水電解液系二次電池用セパレータの負極に対向する面に配置して用いることで、負極表面近傍の金属イオンが安定化され、充放電時に金属が電析しにくくなるため、電池容量の低下や短絡を抑制できる。また、金属が電析した場合でも、樹状に成長することを抑制でき、正負極間の短絡が起きにくくなる。さらに、負極側におけるセパレータの還元による劣化を抑制でき、サイクル特性や保存特性などの低下が抑えられる。
本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層が、複合多孔質膜のもう一方(他方)の表面から厚み方向1μm未満であると、上述した金属イオンを安定化する効果や耐還元性が十分に得られず、電池容量の低下や短絡などが起きることがある。特に、急速な充放電や低温下あるいは高温下で充放電を繰り返した場合などの過酷な条件で使用した際に、負極表面において金属が樹状に析出しやすい。本発明の複合多孔質膜における芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層が、複合多孔質膜のもう一方(他方)の表面から厚み方向29μmを超えると、セパレータとして使用した際に内部抵抗の上昇により出力が低下したり、電池内に組み込める活物質層の厚みが薄くなり体積あたりの容量が小さくなることがある。芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層の厚みは、製膜原液濃度、製膜原液粘度、流延厚み、多孔化条件、延伸条件などにより制御することができる。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、一方の表面側を構成する芳香族ポリアミド多孔質膜層、およびもう一方の表面側を構成する芳香族ポリイミド多孔質膜層の厚みが上記範囲内であれば、両層に挟まれた中央部分に中央層を形成してもよく、中央層の組成は特に限定されない。ここで、各層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、多孔質膜の断面像を観察することにより確認できる。また、各層の組成が不明な場合や層の境界があいまいな場合は、上記の多孔質膜断面において、フーリエ変換赤外分光法などにより解析することで、各層の厚みを決定できる。
また、本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、膜全体が後述する製膜方法により製膜される多孔質膜であることが好ましい。複合多孔質膜中に、繊維が厚み方向に折り重なった構造を持つ不織布や紙様シートなどからなる層が含まれると、電池として使用し厚み方向に圧縮を受けた場合に、空隙が減少し、抵抗が大きくなることがある。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜の総厚みは、5〜30μmであることが好ましい。5μm未満であると強度が低く、加工時にフィルムの破断が起きたり、セパレータとして使用した際に電極間が短絡する可能性がある。30μmを超えるとセパレータとして使用した際に内部抵抗の上昇により出力が低下したり、電池内に組み込める活物質層の厚みが薄くなり体積あたりの容量が小さくなることがある。複合多孔質膜の総厚みは、製膜原液濃度、製膜原液粘度、流延厚み、多孔化条件、延伸条件などにより制御することができる。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、ガーレ透気度が5〜300秒/100mlであることが好ましい。より好ましくは10〜200秒/100ml、さらに好ましくは10〜100秒/100mlである。ガーレ透気度が5秒/100mlより小さいと強度が低下し、加工時にフィルムの破断が起きたり、セパレータとして使用した際に電極間が短絡する可能性がある。ガーレ透気度が300秒/100mlより大きいと、抵抗が大きく、電池用セパレータとして使用した際に出力が低下することがある。ガーレ透気度を上記範囲内とするため、製膜原液の処方、多孔質膜の製造条件を後述の範囲内とすることが好ましい。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、200℃における長手方向(MD)および幅方向(TD)の熱収縮率のいずれもが−0.5〜2.0%であることが好ましく、−0.5〜1.0%であることがより好ましい。熱収縮率が2.0%を超える場合、電池の異常発熱時にセパレータの収縮により、電池端部において短絡が起こることがある。熱収縮率を上記範囲内とするため、本発明で用いる芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドを前述のものとし、複合膜全体を芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、および後述する無機あるいは有機粒子のみで構成することが好ましい。さらに、多孔質膜に熱処理を後述する条件で施し、その際にリラックスを施すことも効果的である。
次に、本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜の製造方法について、以下に説明する。
まず、本発明において用いる芳香族ポリアミドを、例えば、酸ジクロライドとジアミンを原料として重合する場合には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合により合成する方法や、水系媒体を使用する界面重合で合成する方法などをとることができる。ポリマーの分子量を制御しやすいことから、非プロトン性有機極性溶媒中での溶液重合が好ましい。溶液重合の場合、分子量の高いポリマーを得るために、重合に使用する溶媒の水分率を500ppm以下(質量基準、以下同様)とすることが好ましく、200ppm以下とすることがより好ましい。使用する原料は、純度の高いものを用い、吸湿に注意することは言うまでもない。酸ジクロライドおよびジアミンの両者を等量用いると超高分子量のポリマーが生成することがあるため、モル比を、一方が他方の90.0〜99.5モル%になるように調整することが好ましい。また、芳香族ポリアミドの重合反応は発熱を伴うが、重合系の温度が上がると、副反応が起きて重合度が十分に上がらないことがあるため、重合中の溶液の温度を40℃以下に冷却することが好ましい。重合中の溶液の温度は30℃以下にすることがより好ましい。さらに、重合反応に伴って塩化水素が副生するが、これを中和する場合には炭酸リチウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどの無機の中和剤、あるいは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤を使用するとよい。
一方、本発明において用いる芳香族ポリイミドあるいはその前駆体であるポリアミド酸を、例えば、テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを原料として重合する場合には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合により合成する方法などをとることができる。溶液重合の場合、分子量の高いポリマーを得るために、重合に使用する溶媒の水分率を500ppm以下とすることが好ましく、200ppm以下とすることがより好ましい。使用する原料は、純度の高いものを用い、吸湿に注意することは言うまでもない。テトラカルボン酸無水物および芳香族ジアミンの両者を等量用いると超高分子量のポリマーが生成することがあるため、モル比を、一方が他方の90.0〜99.5モル%になるように調整することが好ましい。また、重合反応は発熱を伴うが、重合系の温度が上がると、副反応が起きて重合度が十分に上がらないことがあるため、重合中の溶液の温度を40℃以下に冷却することが好ましい。重合中の溶液の温度は30℃以下にすることがより好ましい。
芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸をイミド化して芳香族ポリイミドを得る方法としては、熱処理や化学処理などが用いられる。熱処理法は、一般的にポリアミド酸を200〜400℃程度で加熱処理することでイミド化する方法である。一方、化学処理法は、トリエチルアミンなどの第三級アミンを触媒として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物などの脱水剤を用いる方法や、ピリジンなどのイミド化剤を用いる方法である。本発明において、あらかじめイミド化した芳香族ポリイミドを製膜原液に使用しても、あるいは、前駆体のポリアミド酸を製膜原液に使用し、多孔化後にイミド化処理を施して芳香族ポリイミドを得てもよい。
芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドあるいはその前駆体であるポリアミド酸の対数粘度(ηinh)は、0.5〜3.5dl/gであることが好ましく、1.0〜3.0dl/gであることがより好ましい。対数粘度が0.5dl/g未満であると、ポリマー分子鎖の絡み合いによる鎖間の結合力が減少するため、靭性や強度などの機械特性が低下したり、熱収縮率が大きくなることがある。対数粘度が3.5dl/gを超えると、多孔質膜を製膜することが困難になることがある。
次に、本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜を製造する工程に用いる芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドあるいはその前駆体であるポリアミド酸の製膜原液(以下、単に製膜原液ということがある。)について、説明する。
製膜原液には重合後のポリマー溶液をそのまま使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上述の非プロトン性有機極性溶媒や硫酸などの無機溶剤に再溶解して使用してもよい。ポリマーを単離する方法としては、特に限定しないが、重合後のポリマー溶液を多量の水中に投入することで溶媒や中和塩などを水中に抽出し、析出したポリマーのみを分離した後、乾燥させる方法などが挙げられる。また、再溶解時に溶解助剤として金属塩などを添加してもよい。金属塩としては、非プロトン性有機極性溶媒に溶解するアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウムなどが挙げられる。
本発明で用いる製膜原液において、製膜原液100質量%中の芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリイミドあるいはその前駆体であるポリアミド酸の含有量は、5〜20質量%が好ましく、より好ましくは8〜15質量%である。含有量が5質量%未満であると、靭性や強度などの機械特性が低下したり、熱収縮率が大きくなることがある。含有量が20質量%を超えると、孔構造が過度に緻密になったり、孔間の連結部が微細になり、ガーレ透気度が本発明の範囲内とならないことがある。
本発明で用いる製膜原液には、孔形成能を向上させる目的で、親水性ポリマーを混合してもよい。親水性ポリマーを混合することで、ポリマー分子の凝集を抑え、孔形成を促進するため、ガーレ透気度を本発明の範囲とすることが容易になる。親水性ポリマーを混合する場合、その含有量は製膜原液100質量%に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。製膜原液における親水性ポリマーの含有量が1質量%未満の場合、孔形成を促進する効果が十分に得られないことがある。含有量が20質量%を超える場合、得られる多孔質膜において、孔構造の粗大化や強度の低下が起きることがある。親水性ポリマーとしては、非プロトン性有機極性溶媒に溶解するポリマーのうち、極性の置換基、特に、水酸基、アシル基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を含有するポリマーであることが好ましい。このようなポリマーとして、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドとの相溶性が良いPVPを用いることが最も好ましい。
製膜原液には、得られる多孔質膜の耐熱性や耐突刺性、耐圧縮性を向上させるため、あるいは多孔質膜の表面に突起を形成して静摩擦係数を低減し加工性を向上させる目的で、無機粒子または有機粒子を添加してもよい。無機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、珪酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム及びフッ化カルシウム等が挙げられる。有機粒子としては、例えば、高分子化合物を架橋剤を用いて架橋した粒子が挙げられる。このような架橋粒子として、ポリメトキシシラン系化合物の架橋粒子、ポリスチレン系化合物の架橋粒子、アクリル系化合物の架橋粒子、ポリウレタン系化合物の架橋粒子、ポリエステル系化合物の架橋粒子、フッソ系化合物の架橋粒子、もしくはこれらの混合物が挙げられる。
上記のようにして調製された製膜原液を用いて、溶液製膜法により、多孔質膜の製造が行われる。溶液製膜による多孔質膜の製造方法として、代表的には、キャスト(流延)した製膜原液を凝固浴に浸漬する方法、製膜工程中のいずれかで添加剤を抽出することで孔を形成させる方法、キャストした製膜原液中のポリマーの溶解度を低下させて析出させる方法(以下、単に析出法ということがある。) などが挙げられる。この中で、凝固浴を用いる方法では、粗大な孔が形成されたり、膜表面においてイオン透過のない被膜層が形成されたりする場合がある。また、添加剤を抽出する方法においても、孔と孔の連結路が細くなったり、膜の厚み方向につながる連続孔が形成されにくいことがある。そのため、本発明では、多孔質膜の孔構造を均一に制御しやすい析出法で製膜することが好ましい。
析出法による多孔質膜の製造を行う場合、まず、製膜原液を口金などを用いて、支持体上にキャスト(流延)し、製膜原液のキャスト膜を得た後、ポリマーを析出させて多孔質膜を得る。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜の製造方法としては、それぞれの製膜原液を口金の前または口金の中で積層して支持体上にキャストする一体製膜とすることが好ましい。一方の層を多孔質膜化した後、別の層をキャストする方法、あるいは、複数の多孔質膜を貼り合わせる方法では、工程が複雑になるだけでなく、層界面において孔の閉塞や剥離が起きることがある。また、明確な層界面が形成され、界面の両側でイオン移動度が異なると、界面付近に金属イオンが滞留するため、電析が起きやすくなることがある。さらに、カールやしわなどが発生し、膜の品位が低下することがある。口金の前で積層する方法としてはピノールや複合管、フィードブロックと呼ばれる積層装置などを用いて積層する方法が挙げられる。また、口金の中で積層する方法としては多層口金、マルチマニホールド口金などを用いる方法が挙げられる。積層するそれぞれの製膜原液の溶液粘度が異なる場合、口金前で積層する方法では良好な積層構成を得ることが困難なことがある。このため、口金の中で積層する方法がより好ましい。このとき、芳香族ポリアミドからなる製膜原液および芳香族ポリイミドからなる製膜原液のいずれを支持体側として積層してもよいが、析出法の場合、支持体と接する面の方が、開孔率が低く、微細な表面孔構造を形成しやすい。このため、本発明の複合多孔質膜を非水電解液系二次電池用セパレータとして用いる場合、芳香族ポリイミドからなる製膜原液を支持体側として積層し、芳香族ポリイミドからなる表面を負極側に配置して用いることが、本発明の効果がより得られやすく、特に好ましい。
支持体の素材は、特に限定しないが、ステンレスなどの金属、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂などが挙げられる。
キャスト膜からポリマーを析出させる方法として、調温調湿雰囲気下でキャスト膜に吸湿させてポリマーを析出させる方法、キャスト膜を冷却することによりポリマーの溶解性を低下させて相分離または析出させる方法、キャスト膜に霧状の水を吹き付けてポリマーを析出させる方法などが挙げられる。この中で、冷却する方法ではポリマーの析出までに時間を要し、孔形状の不均一化が起きやすかったり、生産性が低下することがある。また、霧状の水を吹き付ける方法では、表面に被膜層が形成されることがある。これらのことから、調温調湿雰囲気下でキャスト膜に吸湿させる方法が、水の供給速度および量を任意に制御可能で、均質な多孔質構造を短時間で形成させることができることから好ましい。
本発明の多孔質膜の製造工程において、調温調湿雰囲気の容積絶対湿度は10〜180g/mとすることが好ましい。より好ましくは30〜100g/m、さらに好ましくは40〜90g/mである。また、この絶対湿度を満たす範囲内で、雰囲気の温度は20〜70℃、相対湿度は60〜95%RHとすることが好ましい。より好ましくは、雰囲気の温度は30〜60℃、相対湿度は70〜90%RHである。調温調湿雰囲気下での処理時間は0.5〜5分とすることが好ましく、0.5〜3分とすることがより好ましい。
上記の工程により得られた複合多孔質膜は、支持体ごとあるいは支持体から剥離して湿式浴に導入され、溶媒、取り込まれなかった親水性ポリマーや無機塩などの添加剤の除去が行われる。浴組成は特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いることが、経済性および取扱いの容易さから好ましい。また、湿式浴中には無機塩が含まれていてもよい。この時、同時に多孔質膜の長手方向(MD)および/または幅方向(TD)に延伸あるいはリラックスを施してもよいし、多孔質膜の幅方向を把持せずに湿式浴に導入し、自由収縮させてもよい。湿式浴温度は、溶媒などを効率的に除去できることから、20℃以上であることが好ましい。浴温度の上限は特に定めることはないが、水の蒸発や沸騰による気泡の発生の影響を考えると、90℃までに抑えることが効率的である。導入時間は、1〜20分にすることが好ましい。
次に、脱溶媒を終えた多孔質膜に、テンターなどを用いて熱処理を施す。このとき、まず100〜210℃で予備乾燥を行った後、230〜400℃で高温熱処理を施すことが、多孔質膜の靱性と耐熱性を両立させるために好ましい。ここで、予備乾燥はポリマー内部に取り込まれている水分を、高温での熱処理前に取り除く目的で行う。予備乾燥温度が100℃未満であると、ポリマー内部の水分まで取り除くことができず、次工程の高温での熱処理時に水分が突沸し、多孔質膜が発泡することで破断伸度などの機械特性が低下することがある。一方で、予備乾燥温度が210℃を超えると、予備乾燥時に多孔質膜内部の水分が突沸し、機械特性が低下することがある。乾燥温度は上記範囲内において高い方が好ましく、より好ましくは150〜210℃である。予備乾燥後の高温熱処理は230〜450℃で施すのが好ましい。高温熱処理温度が230℃未満であると、多孔質膜の耐熱性が不十分となり、熱収縮率が大きくなることがある。高温熱処理の温度が高いほど多孔質膜の耐熱性は向上するが、温度が450℃を超えると、ポリマーの分解などにより、破断伸度などの機械特性が低下することがある。また、この時、多孔質膜の長手方向(MD)および/または幅方向(TD)に延伸および/またはリラックスが施されてもよい。
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、耐熱性、耐酸化還元性、および金属デンドライド成長抑制性能を高い水準で併せ持つため、種々の電池構成部材や使用条件において、優れた特性が得られる。また、電池の異常発熱時においても、セパレータの収縮や破膜が抑えられ、高い安定性を保持する。そのため、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、有機二次電池などの非水電解液系二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。特に、本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜において、芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層の表面を正極に対向させ、芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層の表面を負極に対向させて用いることで、上述した本発明の効果が得られやすい。本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜をセパレータとして用いた非水電解液系二次電池は、電池構成部材や使用環境の自由度が高く、かつ、異常時においても優れた安全性を保持することができるため、小型の電子機器を始め、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などの交通手段、産業用クレーンなどの大型の産業機器の動力源として好適に用いることができる。また、太陽電池、風力発電装置などにおける電力の平準化やスマートグリッドのための定置用蓄電装置としても好適に用いることができる。
本発明の電池の一例として、リチウムイオン二次電池が挙げられる。リチウムイオン二次電池は、負極と正極がセパレータを介して対向して配置された電池要素に非水電解液が含浸され、これが外装材に封入された構造を有している。
負極の例としては、負極活物質、導電助剤およびバインダーからなる負極合剤が、集電体上に成形されたものが挙げられる。負極活物質としては、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が用いられる。具体的には、黒鉛やカーボンなどの炭素材料、シリコン酸化物、シリコン合金、スズ合金、リチウム金属、リチウム合金などなどが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料が用いられる。バインダーとしてはスチレン・ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドなどが用いられる。集電体としては銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが用いられる。
正極の例としては、正極活物質、導電助剤およびバインダーからなる正極合剤が、集電体上に成形されたものが挙げられる。正極活物質としては、Mn、Fe、Co、Niなどの遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物が用いられる。具体的には、例えば、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが挙げられる。導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料が用いられる。バインダーとしてはポリフッ化ビニリデンなどが用いられる。集電体としてはアルミ箔、ステンレス箔などが用いられる。
非水電解液としては、例えば、リチウム塩を非水系溶媒に溶解させたものを用いることができる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCFなどが挙げられる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、通常はこれらのうちの2種以上が混合して用いられる。
外装材としては、金属缶またはアルミラミネートパックなどが挙げられる。電池の形状は特に限定されるものではなく、コイン型、円筒型、角型などのいずれであってもよい。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
実施例における物性の測定方法は次の方法に従って行った。
(1)各層の厚み
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて試料の断面像を観察し、計測した。観察条件は以下のとおりである。
装置:電界放射型走査電子顕微鏡 SU8020(日立ハイテクノロジーズ社製)
加速電圧:1.0kV
試料調製:アルゴンイオンミリングにて断面加工し、観察断面にPtコート。
また、各層の境界があいまいな場合は、試料断面において、フーリエ変換赤外分光(FT−IR)法により解析を行った。測定条件は以下のとおりである。
装置:FT−IR装置 FTS−55A(Bio−Rad Diglab社製)
付属装置:一回反射型ATR測定装置 Thunder Dome(登録商標)
(Spectra−Tech社製)
光源:特殊セラミックス
検知器:DTGS
分解能:4cm−1
積算回数:512回
測定方法:減衰全反射(ATR)法
ATR結晶:Ge
ここで、芳香族ポリアミド層および芳香族ポリイミド層としては、それぞれ、芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリイミドが55質量%以上含有されている層とした。
(2)対数粘度(ηinh
臭化リチウム(LiBr)を2.5質量%添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、ポリマーを0.5g/dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を使用して、30℃にて流下時間を測定した。ポリマーを溶解させないブランクのNMPの流下時間も同様に測定し、下式を用いて対数粘度(ηinh)を算出した。
ηinh(dl/g)=〔ln(t/t)〕/0.5
:ブランクの流下時間(秒)
t:サンプルの流下時間(秒)。
(3)総厚み
定圧厚み測定器FFA−1(尾崎製作所社製)を用いて測定した。測定子径は5mm、測定荷重は1.25Nである。幅方向に、20mm間隔で10箇所測定し、平均値を求めた。
(4)ガーレ透気度
B型ガーレーデンソメーター(安田精機製作所社製)を使用し、JIS−P8117(1998)に規定された方法に従って、測定を行った。試料を直径28.6mm、面積642mmの円孔に締め付け、内筒により(内筒質量567g)、筒内の空気を試験円孔部から筒外へ通過させ、空気100mlが通過する時間(秒)を測定することでガーレ透気度とした。
(5)熱収縮率
試料を、幅10mm、長さ220mmの短冊状に切り取り、長辺を測定方向とした。長辺の両端から約10mmの部分に印をつけ、印の間隔をLとした。200℃の熱風オーブン中で10分間、実質的に張力を掛けない状態で熱処理を行った後の印の間隔をLとし、下式で熱収縮率を計算した。フィルムの長手方向および幅方向にそれぞれ5回測定し、それぞれ平均値を求めた。
熱収縮率(%)=((L−L)/L)×100。
(6)電池評価
以下の通り、コイン型のリチウムイオン二次電池を作製し、a〜cの評価を行った。
・正極
正極活物質として、評価aおよびb用の電池においてはコバルト酸リチウム(LiCoO)を、評価c用の電池においてはニッケル置換型マンガン酸リチウムのLi[Ni0.5Mn1.5]Oを、それぞれ用いた。乾燥質量で、正極活物質が89.5質量%、アセチレンブラックが4.5質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が6質量%となるように、NMP溶媒の正極剤ペーストを作製した。得られたペーストを集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布し、乾燥した後、直径13mmの円形に打ち抜き加工を行うことで正極を得た。
・負極
乾燥質量で、メソフェーズカーボンマイクロビーズが87質量%、アセチレンブラックが3質量%、PVdFが10質量%となるように、NMP溶媒の負極剤ペーストを作製した。得られたペーストを集電体である厚さ18μmの銅箔上に塗布し、乾燥した後、直径14.5mmの円形に打ち抜き加工を行うことで負極を得た。
・電解液
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1対1で混合した混合液に、LiPFを1mol/L、ビニレンカーボネートを1質量%となるように溶解させたものを用いた。
・組み立て
ガスケットを装着した溶着済み封口板のスペーサー上に上記負極を負極剤が上になるように静置し、上から上記電解液を注液した。その上にセパレータとして試料の多孔質膜(直径17mmの円形)を静置し、さらにセパレータ上から電解液を注液した。次に上記正極を正極剤が下になるように静置し、ケースを静置した。これをカシメ機で封口し、直径20mm、厚み3.2mmのコイン型電池を作製した。
ここで、実施例1〜13および比較例3〜5において、セパレータは芳香族ポリアミドにより構成される層の表面を正極に対向させ、芳香族ポリイミドにより構成される層の表面を負極に対向させて組み立てを行った。
・仕上げ充放電
作製したコイン型電池について、定電流0.2Cで、電池電圧が設定した充電終止電圧になるまで充電を行い、その後、定電流0.2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。充電終止電圧は、評価aおよびb用の電池においては4.2V、評価c用の電池においては4.5Vとした。この充放電を1サイクルとし、合計4サイクルの充放電を行うことで仕上げ充放電を完了した。仕上げ充放電はすべて25℃の雰囲気下で行った。
仕上げ充放電を完了したコイン型電池を用いて、以下の電池評価を実施した。ここで、評価aとして、試料の内部抵抗を評価する目的で出力特性を評価した。また、評価bとして、試料の金属デンドライド成長抑制性能を評価する目的で低温でのサイクル特性を評価した。さらに、評価cとして、試料の耐酸化還元性を評価する目的で充電状態かつ高温での保存特性を評価した。a〜cのすべての評価がA、BあるいはCのいずれかであれば、実用的に優れた電池であると言える。より好ましくはa〜cのすべての評価がAあるいはBであり、さらに好ましくはa〜cのすべての評価がAである。
a.出力特性
本評価はすべて25℃の雰囲気下で行った。仕上げ充放電を終えたコイン型電池について、定電流0.2Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、その後、定電流0.2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。このときの放電容量を0.2Cでの放電容量とした。次に、定電流0.2Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、その後、定電流2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。このときの放電容量を2Cでの放電容量とした。これらの結果から、下式を用いて容量維持率を算出し、以下の基準でA〜Dの評価を行った。
容量維持率(%)=(2Cでの放電容量)/(0.2Cでの放電容量)×100
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:50%以上60%未満
D:50%未満。
b.低温サイクル特性
本評価はすべて−20℃の雰囲気下で行った。仕上げ充放電を終えたコイン型電池について、定電流0.2Cで電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、その後、定電流0.2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。この充放電を1サイクルとし、合計100サイクルの充放電を行った。1サイクル目の放電容量と100サイクル目の放電容量から、下式を用いて容量維持率を算出し、以下の基準でA〜Dの評価を行った。
容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:50%以上60%未満
D:50%未満。
c.高温保存特性
仕上げ充放電を終えたコイン型電池について、25℃の雰囲気下、定電流0.2Cで電池電圧が4.5Vになるまで充電を行い、その後、25℃の雰囲気下、定電流0.2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。このときの放電容量を初期の放電容量とした。次に、25℃の雰囲気下、定電流0.2Cで電池電圧が4.5Vになるまで充電した。この充電状態の電池を100℃の雰囲気下に10日間保存した。保存後、25℃の雰囲気下において、定電流0.2Cで電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。その後、25℃の雰囲気下、定電流0.2Cで再度1サイクルの充放電を行い、放電容量を測定した。このときの放電容量を保存後の放電容量とした。これらの結果から、下式を用いて容量回復率を算出し、以下の基準でA〜Dの評価を行った。
容量回復率(%)=(保存後の放電容量)/(初期の放電容量)×100
A:70%以上
B:60%以上70%未満
C:50%以上60%未満
D:50%未満。
以下に実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
(実施例1)
<芳香族ポリアミド層用製膜原液の作成>
脱水したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、ジアミン全量に対して80モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと20モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを窒素気流下で溶解させ、30℃以下に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して98モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライドを添加して、全量添加後、約2時間の撹拌を行い、芳香族ポリアミドを重合した。得られた重合溶液を、酸クロライド全量に対して97モル%の炭酸リチウムおよび6モル%のジエタノールアミンにより中和することで芳香族ポリアミドの溶液を得た。得られた芳香族ポリアミドの対数粘度ηinhは2.5dl/gであった。
次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミドが10質量%、ポリビニルピロリドン(PVP、BASF社製K90)が5質量%となるように、PVPおよび希釈用のNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<芳香族ポリイミド層用製膜原液の作成>
脱水したNMPに、ジアミン全量に対して100モル%に相当するパラフェニレンジアミンを窒素気流下で溶解させ、30℃以下に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して98モル%に相当する3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を添加して、全量添加後、約2時間の撹拌を行い、芳香族ポリアミド酸を重合した。得られた芳香族ポリアミド酸の対数粘度ηinhは2.0dl/gであった。
次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミド酸が10質量%、PVPが5質量%となるように、PVPおよび希釈用のNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<複合多孔質膜の作成>
上記により得られた各製膜原液を、マルチマニホールド口金を用いて、芳香族ポリアミド層/芳香族ポリイミド層の積層構成となるように積層し、支持体である50℃のステンレス(SUS316L)製エンドレスベルト上に膜状に流延した。ここで、芳香族ポリイミド層を支持体側に配置した。次に、ベルト上の流延膜を温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、流延膜を失透させた。その後、失透した流延膜をベルトから剥離し、40℃の水浴に2分間導入することで溶媒、PVP、および中和塩の抽出を行った。続いて、得られた含水状態の膜を、クリップにより両端を定幅に把持した状態で、テンター中において200℃で1分、320℃で5分、熱処理を行い、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜は芳香族ポリアミド多孔質膜層の厚みが10μm、芳香族ポリイミド多孔質膜層の厚みが10μm、総厚みが20μmの構成であった。
得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例2、3)
芳香族ポリアミド多孔質膜層および芳香族ポリイミド多孔質膜層の厚みを表1に記載の通りとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして、芳香族ポリアミド層および芳香族ポリイミド層に用いる製膜原液を得た。
得られた芳香族ポリイミド層用製膜原液を、単層口金を用いて、支持体である50℃のステンレス(SUS316L)製エンドレスベルト上に膜状に流延した。次に、ベルト上の流延膜を温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、流延膜を失透させた。その後、失透した流延膜をベルトから剥離し、40℃の水浴に2分間導入することで溶媒およびPVPの抽出を行った。続いて、得られた含水状態の膜を、クリップにより両端を定幅に把持した状態で、テンター中において200℃で1分、400℃で5分、熱処理を行い、芳香族ポリイミド多孔質膜を得た。
上記により得られた芳香族ポリイミド多孔質膜上に、芳香族ポリアミド層用製膜原液をアプリケーターにより膜状に塗布した。その後、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、塗布膜を失透させた。失透した塗布膜を、芳香族ポリイミド多孔質膜からなる支持体ごとステンレス製の枠に固定した後、40℃の水浴に10分間浸漬することで溶媒、PVP、および中和塩の抽出を行った。続いて、得られた膜を枠に固定したまま、熱風オーブンを用いて、200℃において1分、280℃において5分、熱処理を行い、複合多孔質膜を得た。
得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例5)
芳香族ポリアミドを得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して20モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと80モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例6)
芳香族ポリアミドを得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して30モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンと70モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例7)
芳香族ポリアミドを得るためのジアミンを、ジアミン全量に対して50モル%に相当するメタフェニレンジアミンと50モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルメタンとし、芳香族ポリアミドを得るための酸ジクロライドを、ジアミン全量に対して99モル%に相当するイソフタロイルクロライドとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様にして、芳香族ポリアミド層に用いる製膜原液を得た。
得られた芳香族ポリアミド層用製膜原液を、単層口金を用いて、支持体である50℃のステンレス(SUS316L)製エンドレスベルト上に膜状に流延した。次に、ベルト上の流延膜を温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、流延膜を失透させた。その後、失透した流延膜をベルトから剥離し、40℃の水浴に2分間導入することで溶媒、PVP、および中和塩の抽出を行った。続いて、得られた含水状態の膜を、クリップにより両端を定幅に把持した状態で、テンター中において200℃で1分、280℃で5分、熱処理を行い、厚み10μmの芳香族ポリアミド多孔質膜を得た。
上記により得られた芳香族ポリアミド多孔質膜上に、NMPにて濃度を10質量%に希釈した芳香族ポリイミドワニス“リカコート”(登録商標)PN−20(新日本理化社製)をアプリケーターにより膜状に塗布した。その後、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、塗布膜を失透させた。失透した塗布膜を、芳香族ポリアミド多孔質膜からなる支持体ごとステンレス製の枠に固定した後、40℃の水浴に10分間浸漬することで溶媒の抽出を行った。続いて、得られた膜を枠に固定したまま、熱風オーブンを用いて、200℃において1分、280℃において5分、熱処理を行い、複合多孔質膜を得た。
得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例9)
<芳香族ポリアミド層用製膜原液の作成>
実施例1と同様にして重合および中和を実施し、芳香族ポリアミド溶液を得た。
次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミドが10質量%、アルミナ粒子AHP300(日本軽金属社製)が4質量%となるように、アルミナ粒子を分散させたNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<芳香族ポリイミド層用製膜原液の作成>
実施例1と同様にして重合および中和を実施し、芳香族ポリイミド溶液を得た。
次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリイミドが10質量%、アルミナ粒子AHP300が4質量%となるように、アルミナ粒子を分散させたNMPを添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<複合多孔質膜の作成>
上記により得られた各製膜原液を、実施例1と同様にして積層製膜することで、複合多孔質膜を得た。
得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例10〜12)
芳香族ポリアミド多孔質膜層および芳香族ポリイミド多孔質膜層の厚みを表1に記載の通りとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(実施例13)
<芳香族ポリアミド層用製膜原液の作成>
脱水したNMPに、ジアミン全量に対して50モル%に相当する4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを窒素気流下で溶解させ、30℃以下に冷却した。そこへ、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して49モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライドを添加して、全量添加後、約1時間の撹拌を行った。次に上記溶液に、ジアミン全量に対して50モル%に相当する2−クロロ−1,4−フェニレンジアミンを添加し溶解させた。その後、系内を窒素気流下、30℃以下に保った状態で、ジアミン全量に対して49モル%に相当する2−クロロテレフタロイルクロライドを添加して、全量添加後、約1時間の撹拌を行うことで、芳香族ポリアミドの重合を完了した。得られた重合溶液を、実施例1と同様にして中和することで芳香族ポリアミドの溶液を得た。得られた芳香族ポリアミドの対数粘度ηinhは2.5dl/gであった。
次に、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリアミドが11質量%となるように、NMPにより希釈し、60℃で1時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<芳香族ポリイミド層用製膜原液の作成>
芳香族ポリイミドワニス“リカコート”(登録商標)PN−20(新日本理化社製)およびアルミナ粒子AHP300を用い、製膜原液に対する含有量において、芳香族ポリイミドが10質量%、アルミナ粒子が4質量%となるように、アルミナ粒子を分散させたNMPをワニスに添加し、60℃で2時間撹拌を行うことで製膜原液を得た。
<複合多孔質膜の作成>
上記により得られた各製膜原液を、実施例1と同様にして積層製膜することで、複合多孔質膜を得た。
得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた芳香族ポリアミド層用製膜原液を、単層口金を用いて、支持体である50℃のステンレス(SUS316L)製エンドレスベルト上に膜状に流延した。次に、ベルト上の流延膜を温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、流延膜を失透させた。その後、失透した流延膜をベルトから剥離し、40℃の水浴に2分間導入することで溶媒、PVP、および中和塩の抽出を行った。続いて、得られた含水状態の膜を、クリップにより両端を定幅に把持した状態で、テンター中において200℃で1分、280℃で5分、熱処理を行い、厚み20μmの芳香族ポリアミド多孔質膜を得た。
得られた多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同様にして得られた芳香族ポリイミド層用製膜原液を、単層口金を用いて、支持体である50℃のステンレス(SUS316L)製エンドレスベルト上に膜状に流延した。次に、ベルト上の流延膜を温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、流延膜を失透させた。その後、失透した流延膜をベルトから剥離し、40℃の水浴に2分間導入することで溶媒およびPVPの抽出を行った。続いて、得られた含水状態の膜を、クリップにより両端を定幅に把持した状態で、テンター中において200℃で1分、400℃で5分、熱処理を行い、厚み20μmの芳香族ポリイミド多孔質膜を得た。
得られた多孔質膜の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
まず、比較例2と同様にして、厚み15μmの芳香族ポリイミド多孔質膜を得た。
一方で、実施例1と同様にして得た芳香族ポリアミドの重合溶液を水とともにミキサーに投入し、攪拌しながら芳香族ポリアミドポリマーを沈殿させて取り出した。取り出したポリマーを水洗し十分に乾燥させ、ポリマーを単離した。この単離ポリマーを用いて、芳香族ポリアミドが8質量%、塩化リチウムが2質量%、NMPが27質量%、ジメチルアセトアミド(DMAc)が63質量%の紡糸原液を調製した。
次に、この紡糸原液を用いて、芳香族ポリイミド多孔質膜上に電界紡糸を行うことで、ナノファイバー(NF)不織布状の芳香族ポリアミド層を作成した。紡糸は電界紡糸装置NEU(カトーテック社製)を用い、雰囲気温度18℃、雰囲気相対湿度40%RHのもとで行った。また、紡糸原液を吐出するノズルには18ゲージのノンベベル針を用い、捕集装置としては直径10cm、幅30cmの回転ローラーにポリイミド多孔質膜を貼り付けた物を用いた。回転ローラーは20rpmで回転させ、吐出量は3μL/分、吐出部と捕集部との間の電界密度は2.5kV/cmとした。得られた芳香族ポリアミドNF不織布層は、繊維径10〜150nm、目付量0.5g/mであった。
最後に、得られた芳香族ポリイミド多孔質膜/芳香族ポリアミドNF不織布複合体をステンレス製の枠に固定し、熱風オーブンを用いて280℃において5分、熱処理を行い、複合多孔質体を得た。
得られた複合多孔質体の評価結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1と同様にして、芳香族ポリイミド層に用いる製膜原液を得た。
次に、厚み48μm、目付量31g/m、密度0.65g/cmのアラミド不織布“Thermount”(登録商標)2.0N710(DuPont社製)上に、芳香族ポリイミド層用製膜原液をアプリケーターにより膜状に塗布した。その後、温度50℃、相対湿度85%RHの調温調湿空気(容積絶対湿度70g/m)中で1分間処理し、塗布膜を失透させた。失透した塗布膜を、アラミド不織布からなる支持体ごとステンレス製の枠に固定した後、40℃の水浴に10分間浸漬することで溶媒およびPVPの抽出を行った。続いて、得られた膜を枠に固定したまま、熱風オーブンを用いて、200℃において1分、320℃において5分、熱処理を行い、芳香族ポリアミド不織布/芳香族ポリイミド多孔質膜複合体を得た。
得られた複合多孔質体の評価結果を表1に示す。
(比較例5)
芳香族ポリアミド多孔質膜層および芳香族ポリイミド多孔質膜層の厚みを表1に記載の通りとすること以外は実施例1と同様にして、複合多孔質膜を得た。得られた複合多孔質膜の評価結果を表1に示す。
Figure 2014240189
本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜は、耐熱性、耐酸化還元性、および金属デンドライド成長抑制性能を高い水準で併せ持つため、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池などの非水電解液系二次電池用セパレータとして好適に用いることができる。本発明の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜を二次電池用セパレータとして用いた場合、電池構成部材や使用環境の自由度が高く、かつ、異常時においても優れた安全性を保持することができる。

Claims (4)

  1. 一方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリアミド多孔質膜により構成され、他方の表面から厚み方向1〜29μmまでの層が芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜。
  2. 総厚みが5〜30μmであり、ガーレ透気度が5〜300秒/100mlであり、200℃における長手方向および幅方向の熱収縮率のいずれもが−0.5〜2.0%である、請求項1に記載の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜。
  3. 芳香族ポリアミド多孔質膜により構成される層の表面を正極に対向させ、芳香族ポリイミド多孔質膜により構成される層の表面を負極に対向させる、請求項1または2に記載の芳香族ポリアミド/芳香族ポリイミド複合多孔質膜を用いてなる非水電解液系二次電池用セパレータ。
  4. 請求項3に記載の非水電解液系二次電池用セパレータを用いた非水電解液系二次電池。
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