JP2014239132A - 電力供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止する。【解決手段】電源Bから負荷Lへ供給される電力を制御する電力供給制御装置10であって、電源Bから負荷Lに至る経路に並列に配される複数のMOSFET12A〜12Cと、MOSFET12A〜12Cのオンオフを制御する制御部14と、MOSFET12A〜12Cの異常を検出する異常検出部16と、を備え、制御部14は、MOSFET12A〜12Cがオフ状態のときに異常検出部16がMOSFET12A〜12Cの異常を検出すると、異常が生じていないMOSFET12A〜12Cがオン状態となるように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、電力供給制御装置に関する。
従来、電源から負荷に至る経路上に半導体パワー素子を配し、この半導体パワー素子のオンオフを制御することで、電源から負荷に供給される電力を制御する電力供給制御装置が知られている。
ここで、半導体パワー素子が故障すると、この半導体パワー素子は、通常、高い抵抗を生じさせて通電可能な状態とされる。
そのため、たとえ、半導体パワー素子がオフ状態に制御されていたとしても、通電してしまい、その抵抗値の高さ故に、異常発熱が生じうる。半導体パワー素子が異常発熱すると、発煙、発火等の不具合が生じることが懸念される。
特許文献1は、半導体パワー素子としてのMOSFETがベース上に傾斜して保持された回路基板に半田付けされて実装されている。MOSFETの異常発熱で半田が溶解すると、MOSFETが自重でストッパ部材の位置まで脱落し、MOSFETがオープンな状態となり、異常発熱による不具合が防止されるようになっている。
特開2001−60750号公報
ところで、上記特許文献1の構成では、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止するために、回路基板を傾斜させる必要があるため、装置の構成が複雑になるという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、簡素な構成で、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止することが可能な電力供給制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、電源から負荷へ供給される電力を制御する電力供給制御装置であって、前記電源から前記負荷に至る経路に並列に配される複数の半導体パワー素子と、前記半導体パワー素子のオンオフを制御する制御部と、前記半導体パワー素子の異常を検出する異常検出部と、を備え、前記制御部は、前記半導体パワー素子がオフ状態のときに前記異常検出部が前記半導体パワー素子の異常を検出すると、前記異常が生じていない前記半導体パワー素子がオン状態となるように制御する。
本構成によれば、半導体パワー素子がオフ状態のときに異常検出部が半導体パワー素子の異常を検出すると、異常が生じていない半導体パワー素子がオン状態となるように制御される。これにより、異常が生じた半導体パワー素子が大きいオン抵抗を伴って通電可能となると、異常が生じていないため比較的オン抵抗が小さい半導体パワー素子側の通電電流が大きくなるように分流する。
これにより、装置の構成を大きく変更しなくても、異常が発生した半導体パワー素子の通電電流が抑制されることで当該半導体パワー素子の発熱が抑制されるため、簡素な構成で、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止することができる。
上記構成の実施態様として以下の構成を有すれば好ましい。
・前記異常検出部が前記半導体パワー素子の異常を検出すると、前記制御部は、全ての前記半導体パワー素子がオン状態となるように制御する。
このようにすれば、複数の半導体パワー素子のうちのいずれの半導体パワー素子に異常が発生したかを検出しなくても、異常発熱による不具合を防止することができるため、より一層、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止するための構成を簡素化することが可能になる。
・前記異常検出部は、前記複数の半導体パワー素子の少なくとも1個の半導体パワー素子の異常によって生じる電圧の変化を検出する。
少なくとも1個の半導体パワー素子が異常により高い抵抗を伴ってオン状態となると、回路の電圧に変動が生じるため、この電圧の変動を検出することで、少なくとも1個の半導体パワー素子に異常が生じていることを検出することができる。
・前記半導体パワー素子に異常が生じたことを外部に報知する報知手段を備える。
異常が生じていない半導体パワー素子をオン状態とする場合、本来オフ状態であるため通電されていないはずの負荷への不要な通電が行われている可能性がある。本構成によれば、報知手段の報知により半導体パワー素子の異常を認識することが可能になるとともに、異常を認識したユーザが適切な処置をすることで負荷への不要な通電を抑制することが可能になるとともに、さらなる異常状態が発生する前に電力供給制御装置の交換や修理が可能になり、異常発熱の発生を防止することができる。
本発明によれば、簡素な構成で、半導体パワー素子の異常発熱による不具合を防止することが可能となる。
実施形態1の電源と負荷との間に配された電力供給制御装置の電気的構成を示す図 実施形態2の電源と負荷との間に配された電力供給制御装置の電気的構成を示す図
<実施形態1>
以下、実施形態1について、図1を参照して説明する。
電力供給制御装置10は、図1に示すように、自動車等の車両の電源B(バッテリ)から車両のランプ、モータ、ヒータなどの負荷Lに至る経路(導電路)に設けられて負荷Lに供給される電力の制御を行うものである。
電源Bの+側は、車両の図示しないインバータ、及び、電力供給制御装置10の入力部18に接続され、電力供給制御装置10の出力部19は、負荷Lに接続されている。
電力供給制御装置10は、導電路がプリント配線された回路基板に電子部品が実装されて構成されており、複数(本実施形態では3個)のMOSFET12A〜12C(「半導体パワー素子」の一例)と、複数のMOSFET12A〜12Cのオンオフを制御する制御回路13とを備えている。
この電力供給制御装置10はIPD(Intelligent Power Device)として一体的に構成されている。なお、電力供給制御装置10の全体でIPDを構成するものに限らず、少なくともMOSFET12A〜12Cを含む回路でIPDを構成してもよい。
複数のMOSFET12A〜12Cは、パッケージされた一つのチップ11内に収容されており、共に同一構成のN型のMOSFET12A〜12C(パワーMOSFET)である。
複数のMOSFET12A〜12Cは、電力供給制御装置10の入力部18と出力部19との間の経路(導電路)に並列に配され、互いのドレイン同士が接続されて同電位とされるとともに、互いのソース同士が接続されて同電位とされている。
これにより、電源B側からの電流が複数のMOSFET12A〜12Cに分流して共通の負荷Lに供給される。なお、本実施形態では、複数のMOSFET12A〜12Cは、同一平面上でわずかに間隔を空けて分離されており、複数のMOSFET12A〜12Cの各ソースは、チップ11の外部に配された導電路の接続部17で接続されている。この接続部17は、IPDの内部に配するものに限らず、IPDの外部に設けてもよい。
各MOSFET12A〜12Cは、一個少ない個数のMOSFET(例えば2個のMOSFET12B,12C)で負荷Lへ供給したとしても異常が生じない電流容量を備えたものが用いられている。
ここで、MOSFETは、通常、最大使用温度(限界温度)まで余裕を持たせた温度で使用するように設計されているため(ディレーティング)、通常並列にMOSFET12A〜12Cを有するチップ1について、MOSFET12B,12Cのみをオン状態としたとしても最大使用温度以下で使用することが可能である。したがって、通常のチップ11の構成を大きく変更しなくてもMOSFET12A〜12Cの異常発熱による不具合を防止できるようになっている。
また、MOSFET12A〜12Cの異常発生時には、外部にダイアグ信号SDが報知されるようになっているため、少ない個数のMOSFET12B,12Cでの長期間の使用が抑制されるように構成されている。
なお、各MOSFET12A〜12Cの電流容量は、MOSFETが一個少ない場合に限らず、複数個少ないMOSFETで負荷Lへ供給したとしても故障等の異常が生じない電流容量に設定することも可能である。
制御回路13は、各MOSFET12A〜12Cのオンオフを制御するIC(Integrated Circuit)からなる制御部14と、制御部14からの駆動信号を受けて各MOSFET12A〜12Cをオンオフするドライブ回路15A〜15Cと、MOSFET12A〜12Cの異常を検出し、検出結果に応じた異常検出信号SAを制御部14に出力する異常検出部16とを備える。
ドライブ回路15A〜15Cは、各MOSFET12A〜12Cに対応して設けられており、制御部14からMOSFET12A〜12Cをオン状態とする駆動信号を受けると、対応するMOSFET12A〜12Cのゲートに電圧を印加して各MOSFET12A〜12Cのドレイン−ソース間を通電させる。
異常検出部16は、MOSFET12A〜12Cに故障等の異常が生じていることを検出するものである。
具体的には、MOSFET12A〜12Cのソースと負荷Lとの間の電位とアース電位との電位差を検出しており、所定時間における電位差の変動が所定以上となったときに、MOSFET12A〜12Cに異常が発生しているとして、異常が発生したことを示す異常検出信号SAを制御部14に出力する。制御部14は、異常検出信号SAを受けると、外部に異常が発生していることを示すダイアグ信号SDを出力する。よって、制御部14は、外部に異常を報知する報知手段を備えている。
なお、異常検出部16によるMOSFET12A〜12Cの異常検出方法は、これに限られない。例えば、各MOSFET12A〜12Cの各ゲートの電位を検出し、ゲートの電位が所定以上変動した場合に対応するMOSFET12A〜12Cに異常が発生したと判断するようにしてもよい。
本実施形態の電力供給制御装置10の動作を説明する。
外部のスイッチ等から負荷Lをオンオフするための信号Sを制御部14が受けると、信号Sに応じてMOSFET12A〜12Cのオンオフを制御する(複数をまとめてオンオフする)。
ここで、全てのMOSFET12A〜12Cがオフした状態にあるときにMOSFET12A〜12Cのうちの1つ(例えばMOSFET12A)が故障すると、MOSFET12Aが高いオン抵抗を有して短絡した状態となる。このMOSFET12Aの高いオン抵抗により、MOSFET12A〜12Cのドレインと負荷Lとの間の接続部17の電圧が変化し、この変化した電圧に応じた電圧信号SVは、異常検出部16に与えられる。
異常検出部16は、所定時間の電圧変化が少なくとも1個のMOSFETに異常が生じていると判断できる所定電位差以上である場合には、いずれかのMOSFET12A〜12Cに異常が発生している可能性が高いため、異常が発生したことを示す異常検出信号SAを制御部14に出力する。
制御部14は、異常検出信号SAを受けると、全てのMOSFET12A〜12Cをオンするように、全てのドライブ回路15A〜15Cに駆動信号を出力するとともに、電力供給制御装置10の外部に、MOSFET12A〜12Cの少なくとも1個に異常が発生していることを示すダイアグ信号SDを出力する。
本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏する。
MOSFET12A〜12C(半導体パワー素子)がオフ状態のときに異常検出部16がMOSFET12A(〜12C)の異常を検出すると、異常が生じていないMOSFET12A〜12Cがオン状態となるように制御される。これにより、異常が生じたMOSFET12Aが大きいオン抵抗を伴って通電可能となると、異常が生じていないため比較的オン抵抗が小さいMOSFET12B,12C側の通電電流が大きくなるように分流する。
これにより、装置の構成を大きく変更しなくても、異常が発生したMOSFET12A〜12Cの通電電流が抑制されることで当該MOSFET12A〜12Cの発熱が抑制されるため、簡素な構成で、MOSFET12A〜12Cの異常発熱による不具合を防止することができる。
また、異常検出部16がMOSFET12A〜12Cの異常を検出すると、制御部14は、全てのMOSFET12A〜12Cがオン状態となるように制御する。
このようにすれば、複数のMOSFET12A〜12CのうちのいずれのMOSFET12A〜12Cに異常が発生したかを検出しなくても、異常発熱による不具合を防止することができるため、より一層、MOSFET12A〜12Cの異常発熱による不具合を防止するための構成を簡素化することが可能になる。
さらに、異常検出部16は、複数のMOSFET12A〜12Cの少なくとも1個のMOSFET12A(〜12C)の異常によって生じる電圧の変化を検出する。
少なくとも1個のMOSFET12Aが異常により高い抵抗を伴ってオン状態となると、回路の電圧に変動が生じるため、この電圧の変動を検出することで、少なくとも1個のMOSFET12Aに異常が生じていることを検出することができる。
また、MOSFET12A〜12Cの異常が生じたことを外部に報知する制御部14(報知手段)を備える。
異常が生じていないMOSFET12A〜12Cをオン状態とする場合、本来オフ状態であるため通電されていないはずの負荷Lへの不要な通電が行われている可能性がある。本実施形態によれば、MOSFET12A〜12Cの異常を認識することが可能になるとともに、制御部14の報知により異常を認識したユーザが適切な処置をすることで負荷Lへの不要な通電を抑制することが可能になるとともに、さらなる異常状態が発生する前に電力供給制御装置の交換や修理が可能になり、異常発熱の発生を防止することができる。
<実施形態2>
実施形態1では、チップ11の外部で3個のMOSFET12A〜12Cのソースが接続されていたが、実施形態2では、図2に示すように、チップ20の内部でMOSFET12A〜12Cのソースが接続されるものである。実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
MOSFET12A〜12Cと負荷Lとの間は、チップ20の内部又は表面でMOSFET12A〜12Cの内部又は表面の金属配線によってショートされており、MOSFET12A〜12Cのソース同士が接続された接続部21の電位が異常検出部16に出力される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、電力供給制御装置10には、MOSFETが3個備えられていたが、これに限らず、MOSFETが2個又は4個以上備えられるものに本発明を適用してもよい。なお、この場合、オン状態とするMOSFETの個数に応じてMOSFETの電流容量を設定すればよい。
(2)上記実施形態では、異常検出部16は、複数のMOSFET12A〜12Cの少なくとも1つに異常が発生していることを検出する構成としたが、これに限られず、個別のMOSFET12A〜12Cの異常を検出するようにしてもよい。例えば、各MOSFET12A〜12Cに個別に対応する複数の異常検出部を設けて、MOSFET12A〜12Cの異常を検出するようにしてもよい。このように、いずれのMOSFETに異常が発生しているかを検出できれば、MOSFETの異常発生時に、異常が発生していないMOSFETのみを制御部14がオン状態に制御することも可能である。
(3)複数のドライブ回路15A〜15Cを設けたが、MOSFET12A〜12Cの各ゲートを接続し、1つのドライブ回路を駆動させてMOSFET12A〜12Cをオンオフするようにしてもよい。
10...電力供給制御装置
11...チップ
12A〜12C...MOSFET(半導体パワー素子)
13...制御回路
14...制御部(制御部,報知手段)
16...異常検出部
B...電源
L...負荷

Claims (4)

  1. 電源から負荷へ供給される電力を制御する電力供給制御装置であって、
    前記電源から前記負荷に至る経路に並列に配される複数の半導体パワー素子と、
    前記半導体パワー素子のオンオフを制御する制御部と、
    前記半導体パワー素子の異常を検出する異常検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記半導体パワー素子がオフ状態のときに前記異常検出部が前記半導体パワー素子の異常を検出すると、前記異常が生じていない前記半導体パワー素子がオン状態となるように制御する電力供給制御装置。
  2. 前記異常検出部が前記半導体パワー素子の異常を検出すると、前記制御部は、全ての前記半導体パワー素子がオン状態となるように制御する請求項1に記載の電力供給制御装置。
  3. 前記異常検出部は、前記複数の半導体パワー素子の少なくとも1個の半導体パワー素子の異常によって生じる電圧の変化を検出する請求項2に記載の電力供給制御装置。
  4. 前記半導体パワー素子の異常が生じたことを外部に報知する報知手段を備える請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電力供給制御装置。
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