JP2014237602A - フェノール性水酸基を有するフルオレン化合物およびそのエポキシ化合物 - Google Patents

フェノール性水酸基を有するフルオレン化合物およびそのエポキシ化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、機械的特性、ハンドリング性、溶剤溶解性などの特性をバランス良く有する新規なエポキシ化合物を提供する。【解決手段】原料のフェノール類は式(1)で表されるフルオレン構造を有する。(環Z1及びZ2は、芳香族炭化水素環、R1及びR2は置換基、R3はH又は炭化水素基、R4はヒドロキシル基でない置換基、kは0〜4の整数、m及びpは各々0以上の整数、n、q及びrは各々1以上の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、4以上のフェノール性水酸基およびフルオレン骨格を有する新規なフルオレン化合物、このフルオレン化合物の製造方法および前記フルオレン化合物をエポキシ化した化合物に関する。
エポキシ樹脂は、種々の硬化剤で硬化させることにより、機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物を形成する。そのため、エポキシ樹脂は、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されているエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などが知られているが、このようなエポキシ樹脂には、用途によっては、耐熱性が不十分な場合もあった。
一方、ビスフェノールフルオレン(BPF)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF)などの9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有する化合物は、耐熱性において優れた機能を有することが知られており、このような化合物をエポキシ樹脂原料として用いることも知られている。
例えば、特開2005−162785号公報(特許文献1)には、フルオレン骨格を有する化合物と、熱可塑性樹脂とで構成された樹脂組成物が開示されており、前記フルオレン骨格を有する化合物として、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどのグリシジルエーテルを使用できることが記載されている。
このようなエポキシ樹脂では、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有しているため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの従来のエポキシ樹脂に比べて、ある程度耐熱性などの特性を向上できる。しかし、近年の急速な技術革新に伴い、高耐熱化などの様々な高機能な特性の向上がより一層急速に求められつつある。例えば、プリント基板用途等では、高耐熱性に加え、優れた機械的強度、良好なハンドリング性や溶剤溶解性などを有するエポキシ樹脂が求められている。
このような中、特開2008−285544号公報(特許文献2)には、下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物が開示されている。
Figure 2014237602
そして、この文献には、上記構造のエポキシ化合物が、高耐熱性および低吸湿性を有すると記載されている。
しかし、このようなエポキシ化合物では、エポキシ基が近接しているため、硬化性(硬化剤との反応性)において十分でなく、そのため、所望の物性(機械的特性など)が得られない虞があり、製法上においてもすべてのフェノール性ヒドロキシル基のエポキシ化が効率よく行えない場合がある。
なお、特開2008−273844号公報(特許文献3)には、塩基触媒の存在下、フェノール性水酸基を有するフルオレン類とアルデヒド類とを反応させることで、9,9−ビス(モノメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類などが得られることが開示されている。
そして、この文献には、上記のようなメチロール基を有するフルオレン化合物は、各種樹脂原料(特に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂原料)などとして有用であると記載されている。
また、特開2008−273999号公報(特許文献4)には、9,9−ビス(モノメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類などと、フェノール類とを酸触媒の存在下で縮合した縮合物であって、重量平均分子量が2000以上のフェノール樹脂が開示されている。
特開2005−162785号公報(請求項1、段落番号[0043]、[0044]) 特開2008−285544号公報(特許請求の範囲、段落番号[0009]) 特開2008−273844号公報(特許請求の範囲、段落番号[0008]) 特開2008−273999号公報(特許請求の範囲、段落番号[0013]、[0023])
従って、本発明の目的は、フェノール性水酸基を有する新規なフルオレン化合物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐熱性、機械的特性、ハンドリング性、溶剤溶解性などの特性をバランス良く有する新規なエポキシ化合物を提供することにある。
前記のように、特許文献3には、9,9−ビス(モノメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類[9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類のジメチロール体]の樹脂材料としての適用可能性について記載されているものの、具体的にエポキシ樹脂としてどのように利用するかについて何ら開示されていない。
このような状況の中、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、9,9−ビス(モノメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類などと、フェノール類(特に、2,4および6位のうちいずれか2つが置換基により置換された特定のフェノール類)とを所定の条件で反応させると、特許文献4のようにポリマー化せず、メチロール基が反応し、特定のフェノール類が結合した新規なフルオレン化合物が得られること、そして、このようなフルオレン化合物は、複数(少なくとも4つ)のフェノール性水酸基を有し、各種樹脂材料として用いることができること、特に、このフェノール性水酸基を利用してグリシジルエーテル化したエポキシ化合物は、各種特性(耐熱性、機械的特性(曲げ弾性、曲げ強度など)、ハンドリング性、溶剤溶解性など)をバランス良く備えた材料であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のフルオレン化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 2014237602
(式中、環ZおよびZは、芳香族炭化水素環、RおよびRは置換基、Rは水素原子又は炭化水素基、Rはヒドロキシル基でない置換基、kは0〜4の整数、mおよびpはそれぞれ0以上の整数、n、qおよびrはそれぞれ1以上の整数を示し、同一でも異なっていても良い。)
上記式(1)において、環Zはベンゼン環又はナフタレン環であってもよく、環Z2がベンゼン環、ナフタレン環、又はベンゼン環及びナフタレン環から選択された少なくとも1種が直接結合又は連結基を介して結合した環であってもよく、mは0〜2であってもよく、nは1又は2であってもよく、pは0〜4であってもよく、qは1又は2であってもよく、rは1又は2であってもよく、RおよびRは炭化水素基であってもよい。
特に、前記式(1)において、環ZおよびZがベンゼン環、mが0又は1、nが1、pが0〜2、qが1、rが1、Rがアルキル基、Rが水素原子、Rがアルキル基又はアリール基であってもよい。
前記式(1)で表される化合物は、代表的には、下記式(1A)で表される化合物であってもよい。
Figure 2014237602
(式中、X、XおよびXは水素原子又は置換基を示し、Z、R、R、R、R、k、m、nおよびrは前記と同じ。ただし、X、XおよびXのうち、少なくとも1つはヒドロキシル基である。)
上記式(1A)において、X、XおよびXは水素原子又はヒドロキシル基であってもよい。また、前記式(1A)において、X、XおよびXのいずれか1つ(例えば、X)がヒドロキシル基であってもよい。
特に、前記式(1)(又は(1A))で表される化合物は、下記式(1B)で表される化合物であってもよい
Figure 2014237602
[式中、R2Aは、水素原子、前記R又は下記式
Figure 2014237602
(式中、R、R、X、X、Xは前記と同じ。)
で表される基を示し、R、R、R、R、X、X、X、kは前記と同じ。]
特に、上記式(1B)において、R2Aは、基R(例えば、アルキル基など)であってもよく、X〜Xのいずれか1つ(例えば、X)がヒドロキシル基であってもよい。
本発明には、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物とを反応させ、前記フルオレン化合物(前記式(1)で表される化合物)を製造する方法も含まれる。
Figure 2014237602
(式中、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。)
上記式(3)で表される化合物は、特に、下記式(3A)で表される化合物であってもよい。
Figure 2014237602
(式中、R、X、X、Xは前記と同じ。)
また、前記反応において、前記式(3)で表される化合物の使用割合は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、2モル以上であってもよい。
前記フルオレン化合物は、樹脂材料、特に、エポキシ樹脂材料として有用である。そのため、本発明には、前記フルオレン化合物を用いたエポキシ化合物、例えば、前記フルオレン化合物(前記式(1)で表される化合物)又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化したエポキシ化合物、例えば、下記式(4)で表されるエポキシ化合物も含まれる。
Figure 2014237602
[式中、Eは、下記式(5)
Figure 2014237602
(式中、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はメチル基、sは0以上の整数を示す。)
で表される基であり、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。]
前記式(4)で表される化合物は、代表的には、下記式(4A)で表される化合物であってもよい。
Figure 2014237602
(式中、Y、YおよびYは、水素原子、E又は置換基、Y、YおよびYの少なくとも1つはEであり、E、Z、R、R、R、R、k、m、n、rは前記と同じ。)
特に、前記式(4)又は(4A)で表される化合物は、下記式(4B)で表される化合物であってもよい。
Figure 2014237602
[式中、R2Bは、水素原子、前記R又は下記式
Figure 2014237602
(式中、R、R、Y、Y、Yは前記と同じ。)
で表される基を示し、E、R、R、R、R、Y、Y、Y、kは前記と同じ。]
なお、前記式(5)において、sは0であってもよい。
さらに、本発明には、前記エポキシ化合物(前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化したエポキシ化合物、又は前記式(4)で表されるエポキシ化合物)を含む硬化性組成物およびこの硬化性組成物が硬化した硬化物も含まれる。
本発明では、フェノール性水酸基を有する新規なフルオレン化合物を得ることができる。このようなフルオレン化合物は、各種樹脂材料として利用可能であり、特に、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)原料として有用である。このようなエポキシ化合物は、フルオレン化合物のフェノール性水酸基をエポキシ化(グリシジルエーテル化)することにより得られ、耐熱性、機械的特性、ハンドリング性、溶剤溶解性などの特性をバランス良く有している。
[フルオレン化合物]
本発明のフルオレン化合物(フェノール化合物)は、下記式(1)で表される。
Figure 2014237602
(式中、環ZおよびZは、芳香族炭化水素環、RおよびRは置換基、Rは水素原子又は炭化水素基、Rはヒドロキシル基でない置換基、kは0〜4の整数、mおよびpはそれぞれ0以上の整数、n、qおよびrはそれぞれ1以上の整数を示し、同一でも異なっていても良い。)
式(1)において、環Zで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素(例えば、インデン、ナフタレンなどのC8−20縮合二環式炭化水素、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素)、縮合三環式炭化水素(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合二乃至四環式炭化水素など]が挙げられる。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。好ましい環Zには、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれ、特に、ベンゼン環であってもよい。
また、前記式(1)において、基Rとしては、通常、非反応性基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などが挙げられ、特に、アルキル基などである場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−12アルキル基(例えば、C1−8アルキル基、特にメチル基などのC1−4アルキル基)などが例示できる。なお、kが複数(2〜4)である場合、複数の基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、異なるベンゼン環に置換した基Rは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、基Rの結合位置(置換位置)は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2位、7位、2および7位などが挙げられる。好ましい置換数kは、0〜1、特に0である。なお、2つの置換数kは、同一又は異なっていてもよい。
環Zに置換するヒドロキシル基(−OH)の置換数nは、1以上である限り特に限定されないが、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1であってもよい。特に、環Zがベンゼン環である場合、nは、それぞれ、1〜2、特に1であってもよい。なお、ヒドロキシル基の置換数nは、異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。
なお、ヒドロキシル基の置換位置は、特に限定されず、環Zの種類に応じて適当な置換位置に置換していればよい。特に、環Zがベンゼン環である場合、ヒドロキシル基は、ベンゼン環がフルオレンに結合した位置に対して3位(又はメタ位)又は4位(又はパラ位)、特に4位(パラ位)に少なくとも置換している場合が多い。また、ヒドロキシル基は、縮合多環式炭化水素環Zにおいて、フルオレンの9位に結合した炭化水素環とは別の炭化水素環(例えば、ナフタレン環の5位、6位など)に少なくとも置換している場合が多い。
環Zに置換する置換基Rとしては、通常、非反応性基[特に、ヒドロキシル基および基−CHROH(式中、Rは前記と同じ)でない基]、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−8シクロアルキル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−10アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1−8アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)などの基−OR[式中、Rは炭化水素基(前記例示の炭化水素基など)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基などのC1−8アルキルチオ基など)などの基−SR(式中、Rは前記と同じ。);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基など)などが挙げられる。
好ましい基Rとしては、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)など]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)などが挙げられる。さらに好ましい基Rは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)など]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)など]などであり、特に、アルキル基であるのが好ましい。
同一の環Zにおいて、mが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、2つの環Zにおいて、基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、好ましい置換数mは、0〜8、好ましくは0〜4(例えば、0〜3)、さらに好ましくは0〜2、特に0〜1(例えば、1)であってもよい。なお、異なる環Zにおいて、置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよく、通常同一であってもよい。
なお、置換基Rの置換位置は、特に限定されず、ヒドロキシル基の置換位置に応じて、適当な置換位置に置換していてもよいが、通常、ヒドロキシル基に対してオルト位およびパラ位に位置する炭素原子のうち、少なくとも1つが無置換(すなわち、置換基が水素原子)である。例えば、環Zがベンゼン環であり、ヒドロキシル基がベンゼン環の4位に置換している場合、3位又は5位の少なくとも1つの置換位置が、無置換である場合が多い。また、環Zがナフタレン環であり、ヒドロキシル基がナフタレン環の6位に置換している場合、5位又は7位の少なくとも1つの置換位置が無置換であってもよい。
環Zに付加する環Zの置換数rは、1以上である限り特に限定されないが、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1であってもよい。特に、環Zがベンゼン環である場合、rは、1〜2、特に1であってもよい。なお、環Zの置換数rは、異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。
また、前記式(1)において、環Zで表される芳香族炭化水素環としては、環Zと同様の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などの縮合多環式芳香族炭化水素環など)が挙げられる他、複数の芳香族炭化水素環(ベンゼン環、ナフタレン環などのアレーン環)が直接結合又は連結基を介して結合した環(環集合環)などであってもよい。なお、連結基としては、例えば、炭化水素基[例えば、アルキレン基(又はアルキリデン基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2,2−プロパンジイル基、2−プロピリデン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基、ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジイル基、などのC1−20アルキレン基、好ましくはC2−10アルキレン基、さらに好ましくはC2−6アルキレン基など)、アリールアルキレン基(例えば、フェニルエタン−1,1−ジイル基、ジフェニルメチレン基などのC6−10アリールC1−4アルキレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基などのC6−10アリール基)、アリーレンジアルキレン基(例えば、フェニレン−ジ−2−プロピリデン基などのC6−10アリーレン−ジC1−4アルキレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロヘキシリデン基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン基など)など]、ヘテロ原子を含む基{例えば、酸素原子を含む基[例えば、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、オキシカルボニル基(−OCO−)など]、硫黄原子を含む基[例えば、チオ基(−S−)、スルフィニル基、スルホニル基など]など}などが挙げられる。なお、連結基としての炭化水素基は、さらに、置換基[例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)などの後述の置換基(例えば、基Rで例示の置換基)]を有していてもよい。
なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。代表的な環Zとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、ベンゼン環及びナフタレン環から選択された少なくとも1種が直接結合又は連結基を介して結合した環[例えば、ビフェニル環、ジフェニルアルカン環(例えば、ジフェニルメタン環、2,2−ジフェニルプロパン環などのジフェニルC1−10アルカン環)など]などが挙げられる。好ましい環Zには、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれ、特に、ベンゼン環であってもよい。
前記式(1)の基Rにおいて、炭化水素基としては、前記基Rの項で例示の炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基、好ましくはC1−4アルキル基など)など]が挙げられる。基Rは、通常、水素原子又はアルキル基(メチル基など)であってもよく、特に水素原子であってもよい。
環Zに置換するヒドロキシル基(−OH)の置換数qは、1以上である限り特に限定されないが、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2、特に1であってもよい。特に、環Zがベンゼン環である場合、qは、1〜2、特に1であってもよい。なお、ヒドロキシル基の置換数qは、異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよく、通常、同一である場合が多い。
なお、ヒドロキシル基の置換位置は、特に限定されず、環Zの種類に応じて適当な置換位置に置換していればよい。特に、環Zがベンゼン環である場合、ヒドロキシル基は、ベンゼン環が基−CH(R)−に結合した位置に対して2位(又はオルト位)又は4位(又はパラ位)、特に4位(パラ位)に少なくとも置換している場合が多い。また、ヒドロキシル基は、縮合多環式炭化水素環Zにおいて、基−CH(R)−に結合した炭化水素環とは別の炭化水素環(例えば、ナフタレン環の5位、6位など)に少なくとも置換している場合が多い。
また、基Rで表される置換基としては、ヒドロキシル基[および基−CHROH(式中、Rは前記と同じ)]でない基であればよく、前記Rで例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。代表的な基Rとしては、炭化水素基、アルコキシ基などが挙げられ、好ましくはアルキル基又はアリール基(特にアルキル基)などの炭化水素基であってもよい。なお、Rの置換位置は、特に限定されず、ヒドロキシル基および基−CH(R)−の位置に応じて選択できるが、高分子量化させることなく効率よく式(1)で表される化合物を得るためには、後述のように、特定の位置関係で基Rが置換されているのが好ましい場合がある。
なお、同一の環Zにおいて、pが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、2つの環Zにおいて、基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、置換数pは、環Zの種類などに応じて選択でき、例えば、0〜8、好ましくは0〜6(例えば、0〜4)、さらに好ましくは0〜3(例えば、0〜2)であってもよい。なお、異なる環Zにおいて、置換数pは、互いに同一又は異なっていてもよく、通常同一であってもよい。
代表的な式(1)で表される化合物には、環Zがベンゼン環である化合物、例えば、下記式(1A)で表される化合物が含まれる。
Figure 2014237602
(式中、X、XおよびXは水素原子又は置換基を示し、Z、R、R、R、R、k、m、nおよびrは前記と同じ。ただし、X、XおよびXのうち、少なくとも1つはヒドロキシル基である。)
前記式(1A)のX、XおよびXにおいて、置換基としては、前記基R(又は基R)と同様の基の他、ヒドロキシル基が挙げられる。基X、XおよびXは、少なくとも1つ(すなわち、1つ、2つ又は3つ)がヒドロキシル基であればよく、好ましくは1つがヒドロキシル基(例えば、Xがヒドロキシル基)であってもよい。なお、基X〜Xの1又は2つがヒドロキシル基である場合、残りの基X、X又はXは、好ましくは水素原子であってもよい(すなわち、基X〜Xは、好ましくは水素原子又はヒドロキシル基であってもよい)。なお、基X〜Xは、ヒドロキシル基でない場合、同一の又は異なるベンゼン環において、同一又は異なっていてもよい。
なお、環Zに置換する基−CH(R)−の置換位置は、環Zにおけるヒドロキシル基や置換基Rの置換数及びその置換位置に応じて選択でき、通常、環Zにおけるヒドロキシル基に対して、オルト位又はパラ位に位置する場合が多い。特に、環Zがベンゼン環である場合の代表的な化合物の例[(1B)]を示す。
Figure 2014237602
[式中、R2Aは、水素原子、前記R又は下記式
Figure 2014237602
(式中、R、R、X、X、Xは前記と同じ。)
で表される基を示し、R、R、R、R、X、X、X、kは前記と同じ。]
なお、上記式(1B)において、2つの基R2Aは、同一又は異なっていてもよい。特に、基R2Aは、前記置換基R(例えば、アルキル基、アリール基など)であってもよい。
(フルオレン化合物の製造方法)
本発明のフルオレン化合物(前記式(1)で表される化合物)は、特に限定されないが、例えば、下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物(フェノール類)とを反応(縮合反応)させることにより、効率よく製造できる。なお、この方法では、下記式(2)で表される化合物に対応するフルオレンフェノール類[9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類]と、下記式(3)で表される化合物のメチロール体とを反応させてもよい。
Figure 2014237602
(式中、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。)
上記式(2)で表される化合物は、特開2008−273844号公報に記載の方法{すなわち、塩基触媒の存在下で、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]と、アルデヒド類[HCOR(式中、Rは前記と同じ。)]とを反応させる方法}により製造できる。なお、特開2008−285544号公報のように、下記式(2)で表される化合物に対応するフルオレンフェノール類[9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類]と、下記式(3)で表されるフェノール類と、アルデヒド類(ホルムアルデヒドなど)とを一度に反応させると、メチロール体同士の縮合が進行し、所望の化合物(前記式(1)で表される化合物)を得にくくなる。
代表的な式(2)で表される化合物には、例えば、9,9−ビス(3−メチロール−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチロール−5−置換−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン{例えば、9,9−ビス(3−メチロール−5−アルキル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−5−メチル−3−メチロールフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−5−エチル−3−メチロールフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(3−メチロール−5−C1−4アルキル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン]、9,9−ビス(3−メチロール−5−アリール−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−5−フェニル−3−メチロールフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(3−メチロール−5−C6−8アリール−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]など}などの9,9−ビス(モノメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(3,5−ジメチロール−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジメチロール−ヒドロキシフェニル)フルオレン類などが挙げられる。
式(3)において、Z、R、p、qは好ましい範囲を含めて前記式(1)における場合と同じである。代表的な前記式(3)で表される化合物としては、モノフェノール類{例えば、フェノール、アルキルフェノール[クレゾール(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール)、エチルフェノール(2−エチルフェノールなど)、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのモノC1−20アルキルフェノール(例えば、モノC1−10アルキルフェノールなど);キシレノールなどのジC1−10アルキルフェノールなど]、シクロアルキルフェノール(2−シクロヘキシルフェノールなど)、アリールフェノール(o−フェニルフェノールなど)、アルコキシフェノール(o−メトキシフェノールなどのアニソール類など)、アミノフェノールなどの置換基を有するフェノール;ナフトール類[例えば、ナフトール(α−ナフトール、β−ナフトールなど)、アルキルナフトール(メチルナフトール、エチルナフトール、ジメチルナフトール、プロピルナフトールなどのC1−4アルキルナフトールなど)など]など}、複数のフェノール性水酸基を有するフェノール類[例えば、ジヒドロキシベンゼン(カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン)、アルキル−ジヒドロキシベンゼン(ジヒドロキシトルエン、ジヒドロキシキシレンなどのモノ又はジC1−6アルキル−ジヒドロキシベンゼンなど)、アリール−ジヒドロキシベンゼン(2,3−ジヒドロキシビフェニル、3,4−ジヒドロキシビフェニルなどのC6−8アリール−ジヒドロキシベンゼンなど)、アルコキシ−ジヒドロキシベンゼン(3−メトキシカテコールなどのモノ又はジC1−6アルコキシ−ジヒドロキシベンゼンなど)、トリヒドロキシベンゼン類(ピロガロール、ヒドロキシヒドロキノン、フロログルシノールなど)などの多価フェノール類;ビフェノール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)など]などが挙げられる。
特に、式(3)で表される化合物は、下記式(3A)で表される化合物(前記式(1A)に対応するフェノール類)であってもよい。このような化合物をフェノール類として使用すると、副反応が生じにくく、効率よく式(1)(又は(1A))で表される化合物を得やすい。
Figure 2014237602
(式中、R、X、X、Xは前記と同じ。)
代表的な前記式(3A)で表される化合物としては、2位(又は1つのオルト位)および4位(パラ位)が置換されたフェノール[例えば、2,4−ジアルキルフェノール(例えば、2,4−キシレノールなどの2,4−C1−4アルキルフェノール)など]、2位および6位(2つのオルト位)が置換されたフェノール[例えば、2,6−ジアルキルフェノール(例えば、2,6−キシレノールなどの2,6−C1−4アルキルフェノール)など]、2位および4位が置換されたレゾルシノール[例えば、2,4−ジアルキルレゾルシノール(例えば、2,4−ジメチルレゾルシノールなどの2,4−C1−4アルキルレゾルシノール)など]、2位および4位が置換されたフロログルシノール[例えば、2,4−ジアルキルフロログルシノール(例えば、2,4−ジメチルフロログルシノールなどの2,4−C1−4アルキルフロログルシノール)など]などが挙げられる。
なお、反応において、前記式(3)で表される化合物との使用割合は、前記式(2)におけるpの数などに応じて適宜選択でき、例えば、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、2モル以上(例えば、2〜20モル)、好ましくは2〜15モル、さらに好ましくは2〜10モル(例えば、2.1〜8モル)であってもよい。特に、前記式(1)又は(3)において、pが2であるとき、前記式(3)で表される化合物の使用割合は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、2〜10モル、好ましくは2〜8モル、さらに好ましくは2〜6モル(例えば、2〜5モル)であってもよい。
反応は、酸触媒又は塩基触媒の存在下で行ってもよく、代表的には酸触媒の存在下で行ってもよい。酸触媒としては、特に限定されず、無機酸[例えば、プロトン酸(硫酸、塩化水素(又は塩酸)、リン酸など)、ルイス酸(三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化亜鉛など)など]、有機酸{例えば、スルホン酸(メタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)、脂肪族カルボン酸[例えば、アルカン酸(例えば、酢酸、シュウ酸などのアルカンモノ又はジカルボン酸)など]などのカルボン酸}などが挙げられる。これらの酸触媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
触媒(特に酸触媒)の使用量は、例えば、前記式(2)で表される化合物100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜3重量部程度であってもよい。なお、前記式(2)で表される化合物を合成した後の反応系において、そのまま、前記式(3)で表される化合物との反応を行う場合には、前記式(2)で表される化合物の合成に用いた塩基触媒を中和するための酸触媒を合わせて添加してもよい。
反応は、溶媒中で行ってもよい。溶媒としては、特に限定されず、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール、シクロヘキサノールなど)、ケトン類(アセトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジイソプロピルエーテルなどのジアルキルエーテル、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類)、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテルなど)、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類(メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、エステル類(酢酸エチルなど)、ニトリル類、セロソルブ類、アミド類(ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド類、炭化水素類[脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環族炭化水素(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレンなど)など]などが挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、前記式(2)で表される化合物を合成した後の反応系において、そのまま、前記式(3)で表される化合物との反応を行う場合には、反応系の溶媒をそのまま溶媒として用いてもよく、新たに溶媒を添加してもよい。
反応において、反応温度は、例えば、0〜250℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは30〜150℃(例えば、50〜100℃)程度であってもよい。また、反応時間は、例えば、30分〜48時間、好ましくは1〜24時間、さらに好ましくは1〜10時間程度であってもよい。また、反応は、攪拌しながら行ってもよく、空気中又は不活性雰囲気(窒素、希ガスなど)中で行ってもよく、常圧又は加圧下でおこなってもよい。
なお、反応終了後の反応混合物には、前記式(1)で表される化合物以外に、溶媒、触媒(塩基触媒、酸触媒など)、未反応成分などが含まれている。そのため、前記式(1)で表される化合物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶などの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により反応後の反応混合物から分離精製してもよい。
[フルオレン化合物の用途およびエポキシ化合物]
本発明のフルオレン化合物(式(1)で表される化合物)は、複数(少なくとも4つ)のフェノール性水酸基を有しているため、このようなフェノール性水酸基を用いた各種樹脂材料(例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂など)として用いることができる。なお、樹脂材料として用いる際、必要に応じて、フェノール性水酸基を変性(例えば、アルキレンオキシドの付加による変性など)して用いてもよい。特に、本発明のフルオレン化合物は、エポキシ樹脂(エポキシ化合物)原料として有用である。以下、エポキシ化合物について、詳述する。
本発明のエポキシ化合物は、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化(グリシジルエーテル化)した化合物である。なお、アルキレンオキシド付加体(詳細には、前記式(1)で表される化合物のフェノール性ヒドロキシル基にアルキレンオキシドが付加した付加体)は、慣用の方法により、前記式(1)で表される化合物と、アルキレンオキシドとを反応させることにより得ることができる。アルキレンオキシドの付加モル数は、フェノール性ヒドロキシル基1モルに対して、例えば、1〜10モル、好ましくは1〜5モル、さらに好ましくは1〜4モル(例えば、1〜2モル)程度であってもよい。また、エポキシ化は、前記式(1)で表される化合物の一部又はすべてのフェノール性水酸基又はそのアルキレンオキサイドが付加した基(すなわち、アルコール性水酸基)においてなされていればよいが、通常、すべての水酸基がエポキシ化されていてもよい。
代表的なエポキシ化合物には、下記式(4)で表される化合物が含まれる。
Figure 2014237602
[式中、Eは、下記式(5)
Figure 2014237602
(式中、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はメチル基、sは0以上の整数を示す。)
で表される基であり、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。]
上記式(4)において、Eは、前記式(1)におけるヒドロキシル基に対応している。また、前記式(5)において、基−ORは、前記式(1)で表される化合物のアルキレンオキサイド付加体に対応する。アルキレン基Rとしては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1,2−ブタンジイル基、テトラメチレン基などのC2−6アルキレン基、好ましくはC2−4アルキレン基、さらに好ましくはC2−3アルキレン基が挙げられる。なお、sが2以上であるとき、アルキレン基は異なるアルキレン基で構成されていてもよく、通常、同一のアルキレン基で構成されていてもよい。
オキシアルキレン基(OR)の数(付加モル数)sは、0以上であればよく、例えば、0〜10(例えば、0〜6)、好ましくは0〜4(例えば、0〜2)、さらに好ましくは0〜1、特に0であってもよい。
なお、式(4)で表される化合物は、下記式(4A)で表される化合物(すなわち、前記式(1A)で表される化合物に対応するエポキシ化合物)であってもよい。
Figure 2014237602
(式中、Y、YおよびYは、水素原子、E又は置換基(ヒドロキシル基でない置換基)、Y、YおよびYの少なくとも1つはEであり、E、Z、R、R、R、R、k、m、n、rは前記と同じ。)
なお、Y、Y、Yは、それぞれ、前記式(1A)におけるX、X、Xに対応している。そのため、前記式(1A)において、X〜Xがヒドロキシル基であるとき、対応するY〜Yは前記E(又は式(5)で表される基)となる。
なお、前記式(4)(又は(4A))で表される化合物には、下記式(4B)で表されるエポキシ化合物(すなわち、前記式(1B)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体に対応するエポキシ化合物)が含まれる。
Figure 2014237602
[式中、R2Bは、水素原子、前記R又は下記式
Figure 2014237602
(式中、R、R、Y、Y、Yは前記と同じ。)
で表される基を示し、E、R、R、R、R、Y、Y、Y、kは前記と同じ。]
このようなエポキシ化合物は、前記式(1)で表される化合物由来の複数(4以上)のエポキシ基を有する多官能性であるとともに、多くの芳香族骨格を有しているにもかかわらず、溶媒溶解性に優れていたり、溶融温度が比較的低いなど、成形しやすいという特徴がある。そのため、本発明のエポキシ化合物は、高耐熱性、高屈折率、高強度などの特性を有していながら、成形性にも優れるバランスの良いエポキシ化合物である。
(エポキシ化合物の製造方法)
なお、エポキシ化合物は、慣用の方法、例えば、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体と、下記式(6)で表される化合物(エピハロヒドリン)とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2014237602
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記と同じ。)
上記式(6)で表される化合物において、基Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、塩素原子、臭素原子(特に塩素原子)が好ましい。具体的な式(6)で表される化合物には、エピハロヒドリン[又はハロメチルオキシラン、例えば、エピクロロヒドリン(クロロメチルオキシラン)、エピブロモヒドリン(ブロモメチルオキシラン)など]、1−ハロメチル−2−メチルオキシラン(1−クロロメチル−2−メチルオキシランなど)などが挙げられる。
前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体との反応において、前記式(6)で表される化合物の使用割合は、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体のヒドロキシル基1モルに対して、例えば、1〜30モル(例えば、1.2〜25モル)、好ましくは1.3〜20モル、さらに好ましくは1.5〜15モル(例えば、2〜10モル)程度であってもよい。
エポキシ化反応(前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体と式(6)で表される化合物との反応)では、適宜、触媒を使用してもよい。触媒としては、塩基(塩基触媒)、例えば、金属炭酸塩(炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属炭酸水素塩など)、カルボン酸金属塩(酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどの酢酸アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)、金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物など)、アンモニアなどの無機塩基;アミン類、塩基性イオン交換樹脂(例えば、第4級アンモニウム塩基を有する強塩基性陰イオン交換樹脂など)などの有機塩基などが例示できる。塩基は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
触媒(例えば、塩基触媒)の使用量は、触媒の種類にもよるが、例えば、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体1モルに対して、例えば、0.1〜20モル、好ましくは0.2〜10モル、さらに好ましくは1〜5モル程度であってもよい。
なお、反応は、無溶媒中で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。
反応温度や反応時間は、使用する原料の種類に応じて適宜選択できる。反応温度は、例えば、30〜120℃、好ましくは35〜100℃、さらに好ましくは40〜70℃程度であってもよい。また、反応時間は、例えば、30分〜48時間、通常、1〜36時間、好ましくは2〜24時間程度であってもよい。
反応は、還流しながら行ってもよく、副生成分を除去しながら行ってもよい。また、反応は、攪拌しながら行ってもよく、空気中又は不活性雰囲気(窒素、希ガスなど)中で行ってもよく、常圧、加圧下又は減圧下で行ってもよい。
なお、生成した化合物(前記式(4)で表される化合物)は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製してもよい。
[硬化性組成物およびその硬化物]
本発明には、前記エポキシ化合物を含む硬化性組成物(エポキシ樹脂組成物)を含む。なお、硬化性組成物を構成するエポキシ成分は、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化した化合物(又は前記式(4)で表されるエポキシ化合物)のみで構成してもよく、本発明の効果を害しない範囲であれば、他のエポキシ化合物(エポキシ樹脂)を含んでいてもよい。他のエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂など)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール(又はクレゾール)ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂(トリフェノールメタン型エポキシ樹脂など)、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂(キサンテン単位を含むエポキシ樹脂を含む)、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂(1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン、ビス(2,7−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン)アルカンなどのナフタレン環含有エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有する他のエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの他のエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
他のエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂成分全体に対する前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化した化合物の割合は、例えば、50〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%(例えば、80〜98.5重量%)、さらに好ましくは90〜98重量%程度であってもよい。
硬化性組成物は、通常、さらに、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤(エポキシ樹脂用硬化剤)としては、例えば、アミン系硬化剤[特に、第1級アミン、例えば、鎖状脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの鎖状脂肪族ポリアミン類)など、環状脂肪族アミン(例えば、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンなどの単環式脂肪族ポリアミン;ノルボルナンジアミンなどの架橋環式ポリアミンなど)、芳香脂肪族ポリアミン(例えば、キシリレンジアミンなど)、芳香族アミン(例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなど)など]、ポリアミノアミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤(例えば、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物などの脂肪族系酸無水物;テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物などの脂環族系酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などの芳香族系酸無水物)、フェノール系硬化剤{例えば、フェノール樹脂(フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、アラルキルノボラック樹脂などのノボラック樹脂など);フルオレン骨格を有するフェノール類[例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど)、9,9−ビス(アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン)、9,9−ビス(アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン)などの9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類など]などのフェノール化合物}などが挙げられる。これらの硬化剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、不揮発性又は比較的高沸点の硬化剤を好適に使用してもよい。硬化剤が沸点を有する場合、硬化剤の沸点は、例えば、120℃以上(例えば、130〜400℃)、好ましくは150℃以上(例えば、160〜350℃)、さらに好ましくは180℃以上(例えば、190〜330℃)、特に200℃以上(例えば、220〜300℃)程度であってもよい。
硬化性組成物において、硬化剤の割合は、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化した化合物(又はエポキシ樹脂成分)のエポキシ基1モルに対して、硬化剤の官能基が0.1〜5.0モル、好ましくは0.3〜2.0モル(例えば、0.5〜1.5モル)、さらに好ましくは0.7〜1.2モル(例えば、0.9〜1.1モル)となるように、両成分の割合を調整してもよい。
硬化性組成物は、さらに、硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤としては、硬化剤の種類などに応じて選択でき、例えば、アミン類[例えば、第3級アミン類(例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−1など)、イミダゾール類(例えば、2−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾールなどのアリールイミダゾールなど)およびその誘導体(例えば、フェノール塩、フェノールノボラック塩、炭酸塩、ギ酸塩などの塩)など]、アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシド、ホスフィン類(トリフェニルホスフィンなど)、アミド化合物(ダイマー酸ポリアミドなど)、ルイス酸錯体化合物(3フッ化ホウ素・エチルアミン錯体など)、硫黄化合物[ポリサルファイド、メルカプタン化合物(チオール化合物)など]、ホウ素化合物(フェニルジクロロボランなど)、縮合性有機金属化合物(有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物など)などが挙げられる。硬化促進剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
硬化促進剤の割合(添加量)は、前記式(1)で表される化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化した化合物(又はエポキシ樹脂成分)100重量部に対して、例えば、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部程度であってもよい。
硬化性組成物は、必要に応じて、希釈剤(単官能性エポキシ化合物などの反応性希釈剤、溶媒など)の他、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤などを含んでいてもよい。希釈剤や添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明には、前記硬化性組成物が硬化(又は架橋)した硬化物(又は成形体)も含まれる。このような硬化物は、前記硬化性組成物を反応させる(硬化処理する)ことにより得ることができる。このような硬化処理は、硬化物の形状に応じて、硬化性組成物を成形しつつ又は成形(又は予備成形)した後、行ってもよい。なお、硬化物の形状としては、三次元的硬化物、硬化膜や硬化パターンなどの一次元又は二次元的硬化物、点又はドット状硬化物などが挙げられる。具体的には、前記成形体は、前記硬化性組成物の硬化物で形成された所望の形状の製品、基材上に形成された前記硬化性組成物の硬化物で形成された硬化膜(塗膜)などであってもよい。例えば、前記硬化性組成物を、加熱溶融し、所定の型に流し込んで加熱することにより硬化し、所望の形状の成形体を得ることができる。また、硬化膜は、液状の前記硬化性組成物を、基材上に塗布し、乾燥し、次いで加熱することにより、基材上に形成することができる。成形方法および硬化条件は特に限定されないが、例えば、所定の金型を用いて成形する場合には、加熱加圧による成形法やコールドプレスと呼ばれる低温成形法が用いられる。
なお、硬化性組成物を加熱溶融させる場合、加熱温度は、例えば、80℃以上(例えば、90〜400℃)、好ましくは100℃以上(例えば、110〜350℃)、さらに好ましくは120℃以上(例えば、130〜300℃)、特に140〜250℃(例えば、145〜220℃)程度であってもよく、通常100〜200℃(例えば、120〜180℃)程度であってもよい。
硬化処理は、加熱などにより行うことができ、これらを組み合わせて行ってもよい。通常、少なくとも加熱により硬化処理を行う場合が多い。
硬化処理において、加熱温度としては、例えば、50〜250℃、好ましくは70〜220℃、さらに好ましくは80〜200℃(例えば、100〜190℃)程度であってもよい。また、加熱時間は、例えば、10分〜24時間、好ましくは30分〜18時間、さらに好ましくは1〜12時間(例えば、2〜8時間)程度であってもよい。なお、硬化処理は段階的に行ってもよく、例えば、比較的低温で加熱処理したのち、比較的高温(例えば、150〜350℃、好ましくは160〜300℃程度)で加熱処理してもよい。
また、硬化物を膜状(フィルム状、薄膜状)に形成する場合には、前記硬化性組成物を、基板(又は基体)に塗布することにより形成してもよい。基板は、例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどの絶縁性基板、結晶シリコンやアモルファスシリコンなどの半導体基板、金属などの導体基板、これらの基板上に導体層を形成したもの、さらにはこれらを複合したものなどが挙げられる。
基板に塗膜(薄膜)を形成する塗布法としては、特に限定されないが、例えば、スピンコーティング法、ロールコーティング法、バーコーティング法、スリットコーティング法、グラビアコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
塗膜の厚みは、硬化物の用途に応じて、例えば、0.01μm〜10mm、好ましくは0.05μm〜1mm、さらに好ましくは0.1〜100μm程度であってもよい。
基板に塗布した前記樹脂組成物は、必要に応じて、乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理は、公知の方法を用いて行うことができる。乾燥処理は、例えば、常圧下、加圧下または減圧下において行ってもよく、加熱手段(ホットプレート、オーブンなど)により加温して行ってもよい。加温時の温度は、使用する溶媒や乾燥方法によっても異なるが、通常、40〜200℃、好ましくは50〜170℃、さらに好ましくは60〜150℃程度であってもよい。
基板に塗布された塗膜は、上記のように、必要に応じて乾燥処理されたのち、通常、硬化処理される。硬化処理において、加熱温度や加熱時間は、前記と同様の範囲から選択できる。
このようにして得られる硬化物は、高耐熱性、高い機械的特性、高屈折率などの特性を有している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、各種特性の測定は以下の方法によって行った。
(ガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(DSC、SII製、「DSC6220」)により、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
(5重量%重量減少温度)
示差熱重量同時測定装置(TG/DTA、SII製、「TG/DTA6200」)により、5重量%重量減少温度を測定した。
(溶融粘度)
ICI粘度計(コーン&プレート型、ブルックフィールド社製粘度計 CAP2000+H)を用い、コーン3にて900rpmで150℃まで加温して測定した。
(曲げ試験(強さ・弾性率))
曲げ試験は、JIS K 7197に準拠した方法により測定した。
(実施例1)
撹拌機、冷却管を備えた内容積1Lの反応器に、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチロール−5−メチルフェニル)フルオレン(特開2008−273844号公報の実施例1に従って合成したもの)190gと、メチルイソブチルケトン330g、2,6−キシレノール266g(フルオレン1モルに対して5モル)とシュウ酸4.5gとを添加し、120℃にて撹拌しながら6時間反応させた。反応後、真空下にてメチルイソブチルケトンおよび未反応の2,6−キシレノールを留去させ、生成物を得た。生成物を分析し、下記構造を有する化合物であることを確認した。
Figure 2014237602
13C−NMR(CDOCD, d):16.8ppm(6C)、36.1ppm(2C)、65.2ppm(1C)、120.9ppm(2C)、124.5ppm(6C)、127.1ppm(4C)、128.1ppm(4C)、128.4ppm(2C)、128.8ppm(4C)、129.5ppm(2C)、132.6ppm(2C)、138.2ppm(2C)、140.8ppm(2C)、152.2ppm(2C)、152.3ppm(2C)、153.2ppm(2C)。
FD−MS:m/z646。
(実施例2)
撹拌機、冷却管およびビュレットを備えた内容積1Lの容器に得られた生成物100g(0.155mol)とエピクロロヒドリン228g(2.48mol、生成物のフェノール性水酸基1モルに対して4モル)を仕込み、反応液を60℃で撹拌して生成物を溶解させた。15分おきに6回に分けて水酸化ナトリウム24.8g(0.620mol)を加えて、60℃で4時間撹拌した。エピクロロヒドリン57g(0.62g)、水酸化ナトリウム6.2g(0.16g)を追加して、さらに1時間撹拌した。反応終了後、反応液にメチルイソブチルケトン300mlを加えて常温で撹拌した。そして、反応液をセライトろ過した。得られたろ液に、さらに、反応液にメチルイソブチルケトン100ml、蒸留水200mlを加えて水洗した。洗浄後、得られた有機層に硫酸ナトリウム150gを加えてセライトろ過した。得られたろ液をエバポレーターにて溶媒を減圧留去し、乾燥機にて乾燥させて固体を収率84%で得た。得られた固体を分析した結果、下記式で表されるエポキシ化合物であることを確認した。
Figure 2014237602
13C−NMR(THF−d、δ):15.6ppm(4C)、15.7ppm(2C)、35.1ppm(2C)、43.3ppm(2C)、43.4ppm(2C)、49.9ppm(2C)、50.0ppm(2C)、64.7ppm(1C)、73.5ppm(2C)、73.8ppm(2C)、119.9ppm(2C)、126.1ppm(2C)、127.1ppm(2C)、127.3ppm(2C)、128.3ppm(2C)、129.1ppm(2C)、129.3ppm(4C)、130.0ppm(2C)、130.2ppm(4C)、133.9ppm(2C)、136.5ppm(2C)、140.1ppm(2C)、141.3ppm(2C)、151.8ppm(2C)、153.9ppm(2C)、154.2ppm(2C)
FD−MS:m/z870。
得られたエポキシ化合物のガラス転移温度は189℃、150℃における溶融粘度は1308mPa・s、5重量%重量減少温度は250℃であった。
また、得られたエポキシ化合物は、室温(25℃)において、20重量%という高濃度においても、汎用の溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)に完全に溶解した。
(比較例1)
9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製)とエピクロロヒドリンとを反応させて合成したもの。以下、BCFGという]のガラス転移温度を測定したところ、189℃と高かったが、150℃では溶融しなかった。また、BCFGは、室温(25℃)において、20重量%において、汎用の溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)に全く溶解しなかった。
(実施例3)
実施例2で得たエポキシ化合物と、硬化剤としてのフェノールノボラック樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM−4261、水酸基当量105、軟化温度約80℃)とを、前者/後者(当量比)=1/1で量りとり、二本ロール((株)井上製作所製、ロール回転数:フロント23.0rpm バック20.7rpm)を用いて160℃で5分間溶融混合した。溶融混合物に、硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィンを1重量%の割合で添加し、再度、二本ロールを用いて110℃で3分間混合した。その後、得られた混合物を乳鉢で粉砕した。
粉砕した混合物を、金型にいれ、冷圧(約100kgf/cm)で押し固め、タブレットにした。そのタブレットを150℃に加熱した金型(150mm×150mm×0.5mm)に入れ、この金型をプレス機(26トン手動圧縮成形機、東邦プレス製)にセットし、100kgf/cmまでプレスした。その圧力のまま、15分間(初期温度で5分、150℃で10分)保持した後、冷却プレス(水冷)にて100kgf/cmで冷却した。得られた硬化物は、175℃の乾燥機で5時間ポストキュアさせた。
得られた硬化物の25℃における曲げ弾性率および曲げ強度は、それぞれ、3310MPa、74.1MPaであり、高強度の硬化物であることがわかった。
本発明のフルオレン化合物は、4以上のフェノール性水酸基を有し、しかも、フルオレン骨格を含む芳香族骨格を多く有しているため、樹脂原料として使用すると、効率よく優れた特性を有する樹脂を得ることができる。特に、このようなフルオレン化合物を用いて得られる本発明のエポキシ化合物は、芳香族骨格を多く有しているにもかかわらず、成形性(ハンドリング性や溶剤溶解性)に優れているため、高耐熱性、高屈折率、優れた機械的強度などを樹脂に付与するのに有用である。
このような樹脂の用途は、樹脂の種類に応じて選択でき、例えば、エポキシ化合物(エポキシ樹脂)は、絶縁材料(電子部品の層間の絶縁材料など)、レジスト材料(プリント基板用のソルダーレジストなど)などとして有用である他、カラーフィルター、インキ(印刷インキなど)、封止剤(半導体封止剤など)、塗料、コーティング剤、接着剤、粘着剤、帯電防止剤、充填材、導電部材又は導電材料、積層材料、感熱材料(感熱紙用材料など)、カーボン材料、絶縁材料、発泡体、感圧材料、光学材料(透明材料)[例えば、レンズ(リフローレンズ、ピックアップレンズ、マイクロレンズなど)、偏光膜、反射防止フィルム、タッチパネル用フィルム、ディスプレイ用フィルム、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどを構成する樹脂材料]などのあらゆる材料(電気・電子材料、光学材料など)として有用である。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表されるフルオレン化合物。
    Figure 2014237602
    (式中、環ZおよびZは、芳香族炭化水素環、RおよびRは置換基、Rは水素原子又は炭化水素基、Rはヒドロキシル基でない置換基、kは0〜4の整数、mおよびpはそれぞれ0以上の整数、n、qおよびrはそれぞれ1以上の整数を示し、同一でも異なっていても良い。)
  2. 式(1)において、環Zがベンゼン環又はナフタレン環、環Zがベンゼン環、ナフタレン環、又はベンゼン環及びナフタレン環から選択された少なくとも1種が直接結合又は連結基を介して結合した環、mが0〜2、nが1又は2、pが0〜4、qが1又は2、rが1又は2、RおよびRが炭化水素基である請求項1記載の化合物。
  3. 式(1)において、環ZおよびZがベンゼン環、mが0又は1、nが1、pが0〜2、qが1、rが1、Rがアルキル基、Rが水素原子、Rがアルキル基又はアリール基である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 下記式(1A)で表される請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2014237602
    (式中、X、XおよびXは水素原子又は置換基を示し、Z、R、R、R、R、k、m、nおよびrは前記と同じ。ただし、X、XおよびXのうち、少なくとも1つはヒドロキシル基である。)
  5. 下記式(1B)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
    Figure 2014237602
    [式中、R2Aは、水素原子、前記R又は下記式
    Figure 2014237602
    (式中、R、R、X、X、Xは前記と同じ。)
    で表される基を示し、R、R、R、R、X、X、X、kは前記と同じ。]
  6. 下記式(2)で表される化合物と、下記式(3)で表される化合物とを反応させ、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を製造する方法。
    Figure 2014237602
    (式中、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。)
  7. 式(3)で表される化合物が、下記式(3A)で表される請求項6記載の製造方法。
    Figure 2014237602
    (式中、R、X、X、Xは前記と同じ。)
  8. 式(3)で表される化合物の使用割合が、式(2)で表される化合物1モルに対して、2モル以上である請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はそのアルキレンオキシド付加体をエポキシ化したエポキシ化合物。
  10. 下記式(4)で表される請求項9記載のエポキシ化合物。
    Figure 2014237602
    [式中、Eは、下記式(5)
    Figure 2014237602
    (式中、Rはアルキレン基、Rは水素原子又はメチル基、sは0以上の整数を示す。)
    で表される基であり、Z、Z、R、R、R、R、k、m、n、p、q、rは前記と同じ。]
  11. 下記式(4A)で表される請求項9又は10記載のエポキシ化合物。
    Figure 2014237602
    (式中、Y、YおよびYは、水素原子、E又は置換基、Y、YおよびYの少なくとも1つはEであり、E、Z、R、R、R、R、k、m、n、rは前記と同じ。)
  12. 下記式(4B)で表される請求項10又は11記載のエポキシ化合物。
    Figure 2014237602
    [式中、R2Bは、水素原子、前記R又は下記式
    Figure 2014237602
    (式中、R、R、Y、Y、Yは前記と同じ。)
    で表される基を示し、E、R、R、R、R、Y、Y、Y、kは前記と同じ。]
  13. sが0である請求項10〜12のいずれかに記載のエポキシ化合物。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載のエポキシ化合物を含む硬化性組成物。
  15. 請求項14記載の硬化性組成物が硬化した硬化物。
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