JP2014211619A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下引き層に用いる特定の有機化合物中の着色不純物を効率的に除去し、感度特性が良好な電子写真感光体の製造方法を提供する。【解決手段】式(1)で示される化合物を含む組成物を有機溶剤に溶解し、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下である塩基性吸着剤を用いて、該組成物を精製処理する工程と、該塩基性吸着剤を除去し、得られた精製処理後の該組成物を含む溶液に金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製する工程と、該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて下引き層を形成する工程とを有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」と称する)は、近年の複写機、レーザービームプリンター等の普及により市場で用いられるようになっている。電子写真感光体として、金属酸化物粒子を含有する下引き層と、該下引き層上に形成された感光層とを有する電子写真感光体が用いられている。
また、下引き層には、電気特性の安定化、画質欠陥の抑制などを目的として、有機化合物を添加することが行われている。特許文献1には、下引き層が、金属酸化物粒子とともにアントラキノン化合物などのアクセプター性化合物を含有する技術が開示されている。前記アクセプター性化合物は、特に、金属酸化物粒子と反応可能な基を有することが好ましいとされ、下引き層にアクセプター性を付与することで、ゴースト現象が抑制されることが記載されている。
一方、特許文献2には、下引き層に、紫外線吸収剤として知られるベンゾフェノン化合物を含有する技術が開示され、電荷輸送物質の紫外線による劣化を抑制することにより、電子写真感光体の繰り返し使用による電気特性の低下が抑制されている。
特開2006−221094号公報 特開昭58−017450号公報
しかしながら、これらの金属酸化物粒子と反応可能な基を有する有機化合物の中には、金属酸化物粒子と相互作用したときに、露光手段として用いられる半導体レーザーの光を吸収しやすくなるものがある。現在、露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長は、650〜820nmであるが、この波長領域のレーザー光に対して下引き層表面の反射率が低いと、電子写真感光体の感度が低下する場合がある。
したがって、金属酸化物粒子と相互作用したときに前記波長領域の光吸収が少ない化合物を用いることが好ましいが、そのような化合物を選択した場合でも、その化合物の合成過程によっては、主成分以外の着色不純物を含んでいる場合がある。その結果、前記同様にレーザー光に対する下引き層の反射率が低下し、感度が低下する場合がある。
以上述べたように、下引き層に金属酸化物粒子と有機化合物を用いたときに、その着色不純物による電子写真感光体の感度低下を改善する必要がある。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、下引き層に用いる特定の有機化合物中の着色不純物を効率的に除去し、感度特性が良好な電子写真感光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが検討した結果、下引き層に金属酸化物粒子、および特定の方法で精製した下記式(1)で示されるベンゾフェノン化合物を用いた場合に、精製を行わずに用いた場合と比較して、電子写真感光体の感度特性が向上することが分かった。
すなわち、本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、
(i)下記式(1)で示される化合物を含む組成物を有機溶剤に溶解し、塩基性吸着剤を用いて、該組成物を精製処理する工程と、
(ii)該工程(i)の後、該塩基性吸着剤を除去し、得られた精製処理後の該組成物を含む溶液に金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製する工程と、
(iii)該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて下引き層を形成する工程と
を有し、
該塩基性吸着剤が、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
Figure 2014211619
式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、またはアミノ基を示す。R〜R10の少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。
本発明の電子写真感光体の製造方法により、下引き層に用いる式(1)で示されるベンゾフェノン化合物の着色不純物を効率的に除去し、感度特性が良好な電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明は、電子写真感光体の下引き層を、以下の(i)〜(iii)の工程により形成することを特徴とする。
(i)下記式(1)で示される化合物を含む組成物を有機溶剤に溶解し、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下である塩基性吸着剤を用いて、該組成物を精製処理する工程、
(ii)該工程(i)の後、該塩基性吸着剤を除去し、得られた精製処理後の該組成物を含む溶液に金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製する工程、および
(iii)該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて下引き層を形成する工程。
Figure 2014211619
式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、またはアミノ基を示す。R〜R10の少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。
・工程(i): 式(1)で示される化合物
式(1)で示される化合物を、金属酸化物粒子と共に下引き層に含有させることで、電気特性が安定化し、画像欠陥が少ない画像を出力することが可能である。
以下の式(1−1)、(1−3)〜(1−20)に、式(1)で示される化合物の具体例を示すが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2014211619
Figure 2014211619
これらの中でも、式(1)で示される化合物における置換基R〜R10の少なくとも3つはヒドロキシ基であるものが金属酸化物粒子との相互作用の点から好ましい。
工程(i)において、上記塩基性吸着剤を用いた精製の方法は、塩基性吸着剤と組成物を接触させることができるものであれば、いずれの方法でもよい。
有機溶剤
工程(i)において、式(1)で示される化合物を含む組成物を溶解させる有機溶剤は、式(1)で示される化合物を溶解させるものであれば特に限定されない。有機溶剤として、たとえば、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、脂肪族ハロゲン化炭化水素系、芳香族化合物系が挙げられる。
塩基性吸着剤
工程(i)において、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下である塩基性吸着剤を用いて精製を行うことにより、式(1)で示される化合物を含む組成物から、着色不純物を効率的に吸着させることができる。塩基性吸着剤中のマグネシウムは、酸化マグネシウム、あるいは水酸化マグネシウムとして吸着剤中に含有されることが多いが、吸着剤の全質量に対してマグネシウム元素の比率が15質量%以上であるものを使用することが必要である。
着色不純物の効率良く吸着させる観点から、塩基性吸着剤の添加量は、式(1)で示される化合物を含む組成物に対して50質量%以上500質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、50質量%以上400質量%以下である。
また、塩基性吸着剤の組成としては、マグネシウムの他、アルミニウム、ケイ素などの酸化物や水酸化物を含んでいてもよい。かかる塩基性吸着剤としては、たとえば、ケイ酸マグネシウム、シリカ・マグネシア、マグネシウム・アルミニウム酸化物、ハイドロタルサイト等、及びこれらの混合物が使用できる。
工程(i)において、前記塩基性吸着剤を用いることで、式(1)で示される化合物を含む組成物に含まれる着色不純物が除去されるメカニズムに関して、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、式(1)で示される化合物を含む組成物に含まれる着色不純物は、酸性物質であると推測される。酸化マグネシウム、あるいは水酸化マグネシウムは反応性の高い塩基性の物質であり、マグネシウムを15質量%以上の割合で含有する塩基性吸着剤は、酸吸着能が高いと考えられる。
特に、下記組成式(2)で示される化合物(ハイドロタルサイト類化合物)は、アニオン交換体として知られており、酸性物質を高効率で吸着させることができる。
Mg2+ 1−xAl3+ (OH)n− x/n・mHO (2)
式(2)中、An−はn価のアニオンを示す。xは、0.20≦x≦0.33であり、0<mである。
かかるハイドロタルサイト類化合物としては、天然鉱物の組成であり最も典型的なMgAl(OH)16CO・4HOの他、これに類似した不定比化合物Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO等が使用できる。合成ハイドロタルサイトは、前記組成式(2)のxがおよそ0.20≦x≦0.33の間で連続的に変化でき、塩基性吸着剤としてこれらの化合物を用いることができる。
組成式(2)で示されるハイドロタルサイト類化合物は、マグネシウムとアルミニウムの水酸化物からなる層状構造を有し、層間にアニオン(通常CO )と水が存在するが、これを利用して、アニオン交換反応が起こることが知られている。
たとえば、塩基性吸着剤をHClと接触させると、塩基性吸着剤中のCOイオンとHCl中のClイオンの交換反応が起こり、系内のHClは除去され、HOとCOが放出される。このようにして、式(1)で示される化合物を含む組成物に含まれる酸性の着色不純物も同様に、ハイドロタルサイト類化合物に吸着され、溶剤中から着色不純物が効率的に除去されると推測している。
工程(i)において、塩基性吸着剤の体積平均粒径は、10μm以上500μm以下のものを使用する。塩基性吸着剤の体積平均粒径が10μm未満であると、工程(ii)の塩基性吸着剤の除去においてフィルターを使用する場合、フィルターが目詰まりする恐れがある。逆に、塩基性吸着剤がフィルターを抜けてしまい、下引き層用塗布液中に塩基性吸着剤が混入する恐れがある。
一方、体積平均粒径が500μmより大きいと、着色不純物と接触する塩基性吸着剤の表面積が小さくなるため、精製の効率が低下する。また、使用する塩基性吸着剤の量は、塩基性吸着剤の能力と除去する着色不純物の量によって、適宜設定することができる。
工程(i)において、使用する塩基性吸着剤は、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下である塩基性吸着剤であれば、組成の異なるもの、粒径の異なるもの等、2種類以上のものを混合して使用してもよい。
また、「マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下である塩基性吸着剤」以外の他の吸着剤を同時、あるいは前後して使用してもよい。かかる吸着剤としては、たとえば、モレキュラーシーブ(合成ゼオライト)、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、シリカ・マグネシア製剤等が挙げられる。特に、モレキュラーシーブを使用すると、水を含む吸着剤を用いて精製することで系内に放出された水を、効率的に取り除くことができる。
・工程(ii) 工程(ii)において、吸着剤の除去は、フィルターろ過、遠心分離、上澄み液の分離などの一般的な手法を適宜用いることができる。
金属酸化物粒子
金属酸化物粒子は、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化スズ粒子、酸化ジルコニウム粒子、または酸化アルミニウム粒子が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は、塗布液の分散性、電子写真感光体の電気特性の面から、表面処理を施されていることが好ましい。中でも、表面処理された酸化亜鉛粒子が、電気特性の面から好ましい。また、本発明に係る金属酸化物粒子は、金属酸化物種の異なるもの、表面処理の異なるもの、または比表面積の異なるもの等の2種類以上を混合して用いることもできる。
工程(ii)において、精製処理された式(1)で示される化合物を含む組成物の含有量は、金属酸化物粒子に対して0.05質量%以上4質量%以下であることが好ましい。上述の範囲内であると塗布液の安定性が十分に得られるためより好ましい。
工程(ii)において、下引き層用塗布液の調製には、有機樹脂を金属酸化物粒子に対して10質量%以上50質量%以下含有させることが好ましい。下引き層の有機樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリプロピレンが挙げられる。また、1種あるいは2種以上のものを混合して用いることができる。これらの中でも、ポリウレタンが好ましい。
工程(ii)において、下引き層用塗布液の調製は、精製処理後の式(1)の化合物を含む組成物を含む溶液と金属酸化物粒子、有機樹脂、および溶剤をともに分散処理してもよい。あるいは、精製処理後の式(1)の化合物を含む組成物を含む溶液と金属酸化物粒子をともに分散処理した後、有機樹脂を溶解させた液を加え、さらに分散処理を行ってもよい。分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、ペイントシェイカー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
また、工程(ii)において、下引き層の表面粗さや透過率の調整、または下引き層のひび割れ軽減などを目的として、必要に応じて、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。有機樹脂粒子としては、シリコーン粒子等の疎水性有機樹脂粒子や、架橋型ポリメタクリレート樹脂(PMMA)粒子等の親水性有機樹脂粒子等を用いることができる。
・工程(iii)
工程(iii)において、下引き層用塗布液の塗膜を形成するための塗布方法としては、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、及びビームコーティング法等の塗布方法が挙げられる。乾燥方法としては、加熱乾燥または/及び送風乾燥が用いられる。
下引き層の膜厚は、0.5〜30μm程度が好ましく、特に1〜25μmであることがより好ましい。
次に、本発明の製造方法により形成される電子写真感光体について述べる。本発明による電子写真感光体は、支持体(導電性支持体)と、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する。感光層は、電荷発生層物質と電荷輸送物質とを単一の層に含有する単層型感光層、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層とに機能分離した機能分離型(積層型)感光層のいずれの構成を有してもよい。
電子写真特性の点では、機能分離型(積層型)が好ましく、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した機能分離型(積層型)がより好ましい。また、必要に応じて感光層上にさらに保護層を設けてもよい。
支持体としては、導電性支持体であることが好ましく、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、ニッケルなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子な適当な結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。
また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。また、支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
支持体と下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、本発明の方法により下引き層が設けられる。下引き層上には、感光層が設けられる。
電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン顔料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素などが挙げられる。
これらの中でも、フタロシアニン顔料、アゾ顔料が感度の点から好ましく、特にフタロシアニン顔料がより好ましい。また、フタロシアニン顔料の中でも、特に、オキシチタニウムフタロシアニン、あるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。これらの電荷発生物質は、1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層が積層型である場合、電荷発生層を形成するための結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリビニルアセタール、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として、1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ペイントシェイカー、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷の高移動化という観点から、トリアリールアミン化合物が好ましい。
感光層が積層型である場合、電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。また、クラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、特には80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、例えば、プロパノールやブタノールなどのアルコール(特に炭素原子数3以上のアルコール)、アニソール、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また、電荷輸送層を積層構成とする場合は、電子写真感光体の表面側の電荷輸送層は、以下のような層にしてもよい。すなわち、電子写真感光体の機械的強度を高めるために、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合および/または架橋させて得られる層としてもよい。連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリル基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。連鎖重合性官能基を有する電荷輸送物質を重合および/または架橋させるためには、熱、光、放射線(電子線など)を用いることができる。
電子写真感光体の電荷輸送層が1層(単層)である場合、その電荷輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層を積層構成とした場合の電子写真感光体の支持体側の電荷輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、電子写真感光体の表面側の電荷輸送層については、1μm以上10μm以下であることが好ましい。また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
感光層上には、該感光層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、樹脂モノマーあるいはオリゴマーを溶剤に溶解させて得られる保護層用塗布液の塗膜を形成し、得られた塗膜を硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、特には1μm以上7μm以下であることが好ましい。また、保護層には、導電性粒子などを必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
また、電子写真感光体の最表面の層(表面層)には、シリコーンオイル、ワックス、ポリテトラフルオロエチレン粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素などの潤滑剤を含有させてもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
(実施例1)
(電子写真感光体A−1の製造)
式(1−1)で示される化合物を含む組成物、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)100部をメチルエチルケトン700部に撹拌混合し、溶解させた。撹拌しながら、さらに、塩基性吸着剤キョーワード500SH(協和化学工業(株)製、MgAl(OH)16CO・4HO、MgO比率:38.0%(Mg比率:22.9%)、体積平均粒径:約49μm)150部、及びモレキュラーシーブ5A(キシダ化学(株)製、1/16‘’Pellet)75部を加え、30分撹拌した。その後、吸引ろ過により塩基性吸着剤とモレキュラーシーブを除去し、精製処理した2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン溶液(固形分10%のメチルエチルケトン溶液)を得た。
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学社製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、140℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15部をメチルエチルケトン68部と1−ブタノール72部の混合溶液に溶解させた。この液に、前記精製処理された2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン溶液4.05部(固形分:10質量%)、及び前記表面処理された酸化亜鉛粒子81部を加えた。
これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3.11μm)を5.6部加えて撹拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を直径30mm、長さ370mmのアルミニウムシリンダー上(導電性支持体)に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を40分間160℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶4部、および、下記式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。
Figure 2014211619
その後、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルにて23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理し、分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
次に、表1に示される材料を、クロロベンゼン600部およびジメトキシメタン200部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を前記電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2014211619
Figure 2014211619
次に、以下の手順にしたがって、保護層用塗布液を調製した。
フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)1.5部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)45部及び1−プロパノール45部の混合溶剤に溶解した。その後、四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics(株)製)に通し、分散液を得た。
その後、下記式(F)で示される正孔輸送性化合物70部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部及び1−プロパノール30部を前記分散液に加え、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、保護層用塗布液を調製した。
Figure 2014211619
この保護層用塗布液を上記電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧60KV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が130℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。
次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmである保護層を形成した。このようにして、支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を有する電子写真感光体A−1を製造した。
(電子写真感光体C−1の製造)
上記電子写真感光体A−1の製造で示した精製処理を行わずに、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)の固形分10%メチルエチルケトン溶液を作製した。
電子写真感光体A−1を製造する過程において、精製処理されていない2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン溶液4.05部を用いたこと以外は、電子写真感光体A−1と同様にして、電子写真感光体C−1を製造した。
(実施例2)
実施例1の電子写真感光体A−1の製造において、モレキュラーシーブ5Aを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−2を製造した。
(実施例3)
実施例1の電子写真感光体A−1の製造において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの使用量を50部、モレキュラーシーブの使用量を50部としたこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−3を製造した。
(実施例4)
実施例1の電子写真感光体A−1の製造において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの使用量を400部、モレキュラーシーブの使用量を100部としたこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−4を製造した。
(実施例5)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SH 150部の代わりに、塩基性吸着剤キョーワード500SN(協和化学工業(株)製、MgAl(OH)16CO・4HO、MgO比率:38.7%(Mg比率:23.3%)、体積平均粒径:約300μm)200部としたこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体A−5を製造した。
(実施例6)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SH 150部の代わりに、塩基性吸着剤キョーワード500PL(協和化学工業(株)製、MgAl(OH)16CO・4HO、MgO比率:38.9%(Mg比率:23.5%)、体積平均粒径:約14μm)100部としたこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体A−6を製造した。
(実施例7)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、塩基性吸着剤キョーワード1000S(協和化学工業(株)製、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、MgO比率:35.1%(Mg比率:21.2%)、体積平均粒径:約52μm)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体A−7を製造した。
(実施例8)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、塩基性吸着剤KW−2000(協和科学工業(株)製、マグネシウム・アルミニウム固溶体、Mg0.7Al0.31.15、MgO比率:58.4%(Mg比率:35.2%)、体積平均粒径:約70μm)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−8、及びC−2を製造した。
(実施例9)
実施例8の電子写真感光体A−8の製造において、塩基性吸着剤KW−2000の代わりに、塩基性吸着剤ミズカライフF−1G(水澤科学工業(株)製、シリカ・マグネシア製剤、MgO比率:29.0%(Mg比率:17.5%)、体積平均粒径:150μm)を使用したこと以外は、実施例8と同様にして、電子写真感光体A−9を製造した。
(実施例10)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、2,3,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−10、及びC−3を製造した。
(実施例11)
実施例2において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体A−11を製造した。
(実施例12)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−12、及びC−4を製造した。
(実施例13)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−13、及びC−5を製造した。
(実施例14)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体A−14、及びC−6を製造した。
(比較例1)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、モレキュラーシーブ5A(キシダ化学(株)製、1/16‘’Pellet)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B−1を製造した。
(比較例2)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、クロマトレックスBW200(富士シリシア化学(株)製、シリカゲル、平均粒径:70μm)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B−2を製造した。
(比較例3)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、KCG−30(住化アルケム(株)製、活性アルミナ、平均粒径:40〜50μm)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B−3を製造した。
(比較例4)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、ニッカゲルM−30(東新化成(株)製、合成シリカマグネシア吸着剤、MgO比率:13.4%(Mg比率:8.1%)、平均粒径:70μm)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B−4を製造した。
(比較例5)
実施例2において、塩基性吸着剤キョーワード500SHの代わりに、ニッカナイトG−36(東新化成(株)製、活性白土、MgO比率:1〜3%(Mg比率:<2%)、平均粒径:300〜500μm)を使用したこと以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体B−5を製造した。
(比較例6)
実施例1において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、ベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体B−6、及びC−7を製造した。
(比較例7)
実施例2において、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの代わりに、アリザリン(和光純薬工業(株)製)を使用し、モレキュラーシーブを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体B−7、及びC−8を製造した。
<電子写真感光体の感度評価>
評価用の電子写真装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNER iR−ADV C9075 PROの改造機を使用した。電子写真感光体A−1、C−1を複写機とともに温度23℃湿度50%RHの環境下で3日間放置した後、電子写真感光体C−1を複写機にセットし、初期の明部電位が−200V、暗部電位が−750Vとなるようにレーザー光量及び印加電圧を調整した。
続いて、電子写真感光体A−1を複写機にセットし、初期の暗部電位が−750Vになるように印加電圧を調整した。その後、前記調整したレーザー光量の設定を変更することなく、明部電位を測定した結果、−175Vであった。この場合の感度差を、−25Vとする。
さらに、電子写真感光体A−2〜14、及びB−1〜7についても同様にして、表2に示す比較電子写真感光体との感度差を測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 2014211619
表2に示されるように、実施例の方法で下引き層を形成した場合に、比較感光体に対して、感度差が−10V以上となっている。一方、比較例の方法で下引き層を形成した場合では、比較感光体に対して、感度差が−2〜+5Vとあまり変わらない。つまり、比較例と比べて、実施例の初期明部電位と初期暗部電位の差分が大きくなっており、電子写真感光体の感度特性が向上していることが示されている。

Claims (7)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の製造方法において、該製造方法が、
    (i)下記式(1)で示される化合物を含む組成物を有機溶剤に溶解し、塩基性吸着剤を用いて、該組成物を精製処理する工程と、
    (ii)該工程(i)の後、該塩基性吸着剤を除去し、得られた精製処理後の該組成物を含む溶液に金属酸化物粒子を分散させて下引き層用塗布液を調製する工程と、
    (iii)該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて下引き層を形成する工程と
    を有し、
    該塩基性吸着剤が、マグネシウムを15質量%以上含有し、かつ、体積平均粒径が10μm以上500μm以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2014211619
    (式(1)中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、またはアミノ基を示す。R〜R10の少なくとも1つは、ヒドロキシ基である。)
  2. 前記塩基性吸着剤が、下記組成式(2)で示される化合物である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
    Mg2+ 1−xAl3+ (OH)n− x/n・mHO (2)
    (式(2)中、An−はn価のアニオンを示す。Xは、0.20≦x≦0.33であり、0<mである。)
  3. 前記式(1)において、R〜R10の少なくとも3つがヒドロキシ基である、請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記工程(i)は、さらに、モレキュラーシーブを用い、
    前記工程(ii)は、さらに、該モレキュラーシーブを除去する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記工程(i)において、前記塩基性吸着剤の添加量が前記組成物に対して50質量%以上500質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記金属酸化物粒子が、酸化亜鉛粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記工程(ii)において、前記精製処理された式(1)で示される化合物を含む組成物の含有量が前記金属酸化物粒子に対して0.05質量%以上4質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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