JP2008058460A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電子写真感光体に関する。
N,N,N′,N′−テトラ(アリール)−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン類(例えば、特許文献1参照。)は古くから広く用いられてきた電荷輸送物質であるが、構造対称性の高いN,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン(例えば、特許文献1、2参照。)は感度等の電気的特性は良好だが結晶性が高く、感光層作製時の結晶析出により使用が困難であった。よって実際には、主にN,N′−ビス−(3−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン(例えば、特許文献2、3参照。)やそれを主とした混合物が用いられてきた。
構造対称性の高いN,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミンは感度等の電気的特性が良好なので、単独で上記欠陥のない電荷輸送層の作製が試まれてきたが、感光層作製時の結晶析出を防止することはできなかった。
特公昭63−6864号公報
特開2001−356500号公報
特開2002−40687号公報
本発明の目的は、電荷輸送物質の析出が皆無で均一であり、黒ポチ欠陥が無いだけでなくフィルミングによる画像欠陥も低減された電子写真感光体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.導電性支持体上に、少なくとも中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して成る電子写真感光体において、該電荷輸送層が下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される溶媒を含有する塗工液で作製された電荷輸送層であることを特徴とする電子写真感光体。
(式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
(式中、X及びYそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を表すが、両者が共に水素原子となることはない。)
2.前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される化合物を80%以上含有し、かつ前記一般式(2)で表される溶媒を10%以上含有する塗工液で作製された電荷輸送層であることを特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
2.前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される化合物を80%以上含有し、かつ前記一般式(2)で表される溶媒を10%以上含有する塗工液で作製された電荷輸送層であることを特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
3.前記一般式(1)のR1とR3がメチル基で、R2とR4が水素原子であり、前記一般式(2)のXがメチル基で、Yが水素原子であることを特徴とする前記1又は2記載の電子写真感光体。
4.前記電荷輸送層のバインダーがポリカーボネートであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の電子写真感光体。
5.前記電荷発生層に含まれる電荷発生物質がY−チタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
6.前記中間層は、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状メディアを用いた分散工程を含む工程にて調製された数平均一次粒径3〜100nmのN型半導性粒子を含有する塗布液を用いて作製されたことを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載の電子写真感光体。
本発明により、電荷輸送物質の析出が皆無で均一であり、黒ポチ欠陥が無いだけでなくフィルミングによる画像欠陥も低減された電子写真感光体を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
(電荷輸送物質)
本発明の電荷輸送層に用いられる上記一般式(1)で表される電荷輸送物質は、N,N′−テトラ置換フェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン(以後TPDともいう)であるが、具体的には、N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン、N,N,N′−トリ−(4−メチルフェニール),N′−フェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン、N,N′−テトラ−(4−メチルフェニール)−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミンを挙げることができる。特に、N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミンが感度等の電気的特性が良好であり、その使用が望まれている。
本発明の電荷輸送層に用いられる上記一般式(1)で表される電荷輸送物質は、N,N′−テトラ置換フェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン(以後TPDともいう)であるが、具体的には、N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン、N,N,N′−トリ−(4−メチルフェニール),N′−フェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン、N,N′−テトラ−(4−メチルフェニール)−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミンを挙げることができる。特に、N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミンが感度等の電気的特性が良好であり、その使用が望まれている。
本発明者等は、検討の結果、N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン(p−Me TPDともいう)と特定の溶媒を含む電荷輸送層液により作製された電荷輸送層は、電荷輸送物質と溶媒分子の高い親和性の為に電荷輸送物質の析出が皆無で均一であり、黒ポチ欠陥が無いだけでなくフィルミングによる画像欠陥も低減されることを見出し本発明をなすに至った。
これは、親和性が高いと電荷輸送物質の結晶析出が抑制され、電荷輸送層の塗布直後に生じる大結晶(φ数〜数十mm、厚みは電荷輸送層層厚に匹敵)は勿論、電荷輸送層指触乾燥後期に電荷輸送層下層に生じる微小結晶(φは数十〜数百ミクロン、厚みは数ミクロン以下)も、生ずる以前にバインダー樹脂によるマトリックス生成がほぼ完了する為と考えている。
そしてフィルミングの改善は、バインダーと電荷輸送物質の相溶性が大きく改善される為に、電荷輸送層膜が微小領域の濃度レベルにしても均一化し、数十〜数百nmの現像剤外添剤等が電荷輸送層の高塑性部位に局所的に付着することから生じると推定されるフィルミングへの耐性が上がる為と推定している。
(電荷輸送物質用の溶媒)
本発明において、TPDと親和性の高い溶媒は上記一般式(2)で表される化合物であるが、具体的には、トルエン、o−、m−、p−キシレン或いはその混合物、アニソール、フェネトール、クロルベゼン、o−、m−、p−ジクロロベンゼン或いはその混合物、ブロムベンゼン等を挙げることができる。特に好ましくは、トルエンである。
本発明において、TPDと親和性の高い溶媒は上記一般式(2)で表される化合物であるが、具体的には、トルエン、o−、m−、p−キシレン或いはその混合物、アニソール、フェネトール、クロルベゼン、o−、m−、p−ジクロロベンゼン或いはその混合物、ブロムベンゼン等を挙げることができる。特に好ましくは、トルエンである。
本発明の上記一般式(2)で表される化合物と併用できる溶媒としては、アルコール系、エーテル系、ケトン系の化合物が挙げられる。例えばメタノール、エタノール、テトラハイドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等が好ましく、特にテトラハイドロフランが好ましい。
(電荷輸送層)
本発明の電荷輸送層(CTLともいう)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
本発明の電荷輸送層(CTLともいう)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は電荷輸送物質(CTMともいう)の分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
本発明の電荷輸送層の膜厚は、10〜30μmが好ましい。該膜厚が10μm未満では、絶縁破壊や黒ポチ等が発生しやすく、30μmを超えると画像がボケやすく鮮鋭性が劣化しやすい。
尚、電荷輸送層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
(電荷発生層)
本発明の電荷発生層には電荷発生物質(CGMともいう)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の電荷発生層には電荷発生物質(CGMともいう)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン(Y−チタニルフタロシアニン)、同2θの7.5°、28.7°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシン、同2θの12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。特に好ましい電荷発生物質Y−チタニルフタロシアニンである。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜1μmが好ましい。0.01μm未満では十分な感度特性が得られず、残留電位が上昇しやすい。一方、1μmを超えると絶縁破壊や黒ポチが発生しやすい。
電荷発生層の塗布溶液も塗布工程に入る前に、上述した電荷輸送層の塗布溶液と同様に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。
(中間層)
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けるが、該中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、中間層を設けるが、該中間層にはN型半導性粒子を含有することが好ましい。該N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもアナターゼ形酸化チタン顔料又はルチル形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、ポチの発生を防止することができ、本発明のN型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なハーフトーン画像の作製に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
又、N型半導性粒子は下記一般式(3)で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
一般式(3)
(R)n−Si−(Xa)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xaは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(3)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
(R)n−Si−(Xa)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xaは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(3)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(3)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(3)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(3)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXaはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、前記メチルハイドロジェンシロキサン共重合体や反応性有機ケイ素化合物の表面処理に先立ちN型半導性粒子をアルミナ、シリカ等の無機の表面処理を行ってもよい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
本発明のN型半導性粒子は、前記表面処理の前又は後に、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状メディアを用いた分散工程を含む工程にて数平均一次粒径3.0〜100nmのN型半導性粒子に調製される。前記分散工程で用いることのできる分散機は公知のもの、例えば、縦型サンドミル、横型サンドミル等の分散メディアを用いる分散機を挙げることができる。N型半導性粒子は、これらの分散機によって後述する、中間層塗布液で用いるバインダーと同一のバインダー中で分散される。特に好ましい分散機としては、VMA−GETZMANN社製のDIPERMAT(登録商標)SL−M−Ex5−200、SL−C−Ex5−200を挙げることができる。
得られた、分散後のN型半導性粒子の数平均一次粒径は、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリーが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が100nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通して絶縁破壊や黒ポチが発生しやすい。又、数平均一次粒径が100nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすい。
本発明に用いられる中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で0.5〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇やポチが発生せず、黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好なハーフトーン画像を作製できる有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を50〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
即ち、中間層にはバインダー樹脂に融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂が好ましい。該融解熱は0〜30J/gがより好ましく、0〜20J/gが最も好ましい。一方、前記吸水率が5質量%を超えると、中間層中の含水率が上昇し、中間層の整流性が低下し、黒ポチが発生しやすく、ハーフトン画像が劣化しやすい。該吸水率は4質量%以下がより好ましい。
上記樹脂の融解熱はDSC(示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetory)にて測定する。但し、DSCの測定値と同じ測定値が得られれば、DSC測定法にこだわらない。該融解熱はDSC昇温時の吸熱ピーク面積から求める。
一方、樹脂の吸水率は水中浸漬法による質量変化又はカールフィッシャー法により求める。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂は吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、たとえば高温高湿や低温低湿下の帯電特性や感度等が変化しやすく、黒ポチの発生やハーフトン画像の劣化を起しやすい。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂には、上記のような欠点を改良し、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を与えることにより、従来のアルコール可溶性ポリアミド樹脂の欠点を改良し、外部環境が変化しても、又有機感光体の長時間連続使用を行っても、良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明で好ましく用いることのできるポリアミド樹脂としては、特開2006−309116号段落(0122〜0124)に記載されている、N−1〜N−11を挙げることができる。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチやハーフトーン画像の劣化が発生しやすい。
上記ポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチやハーフトーン画像の劣化が発生しやすく、10μmを超えると、残留電位の上昇やポチが発生しやすく、鮮鋭性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
又、上記中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
(導電性支持体)
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
(N型半導性粒子の表面処理:N型半導性粒子1の作製)
メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルシロキサンの1:1共重合体0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行ない溶媒から分離して、表面処理済N型半導性粒子1得た。
メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルシロキサンの1:1共重合体0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行ない溶媒から分離して、表面処理済N型半導性粒子1得た。
〔電子写真感光体1の作製〕
(中間層)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部に加え65℃にて攪拌溶解、室温に戻した後に濾過(フィルター例:日本ポール社製プロファイルII、定格濾過精度5μm)、表面処理済N型半導性粒子1の3.5部を混合し、該混合液をVMA−GETZMANN社製のDIPERMAT(登録商標)SL−M−Ex5−200を用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ビーズ例:ニッカトー製YTZボール、充填率:80%)を用いた分散を分散法1とし、平均粒径0.8mmのガラスビーズ(ビーズ例:ハイビーD24)を主成分とする球状メディアを用いた分散を分散法2として、中間層分散液を作製した。
(中間層)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部に加え65℃にて攪拌溶解、室温に戻した後に濾過(フィルター例:日本ポール社製プロファイルII、定格濾過精度5μm)、表面処理済N型半導性粒子1の3.5部を混合し、該混合液をVMA−GETZMANN社製のDIPERMAT(登録商標)SL−M−Ex5−200を用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ビーズ例:ニッカトー製YTZボール、充填率:80%)を用いた分散を分散法1とし、平均粒径0.8mmのガラスビーズ(ビーズ例:ハイビーD24)を主成分とする球状メディアを用いた分散を分散法2として、中間層分散液を作製した。
周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間、バッチ式または循環式にて分散し、中間層分散液を作製した。該分散液を分散時と同組成の溶媒を用いて2倍に希釈し、二昼夜静置後に濾過した(フィルター例:日本ポール社製プロファイルスター、定格濾過精度:5μm)。該中間層塗布液を洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y−チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体1を作製した。
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体1を作製した。
電荷輸送物質:表1記載の化合物 70部
バインダー:表1記載の化合物 100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
使用溶媒(使用溶媒を体積比は表1記載) 750部
(電子写真感光体2〜 の作製)
前記電子写真感光体1の作製において、中間層のN型半導性粒子分散方法を表1のように変化させ、電荷輸送層の電荷輸送物質、使用溶媒及びバインダーを表1のように変え以外は感光体1と同様にして電子写真感光体2〜 を作製した。
バインダー:表1記載の化合物 100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
使用溶媒(使用溶媒を体積比は表1記載) 750部
(電子写真感光体2〜 の作製)
前記電子写真感光体1の作製において、中間層のN型半導性粒子分散方法を表1のように変化させ、電荷輸送層の電荷輸送物質、使用溶媒及びバインダーを表1のように変え以外は感光体1と同様にして電子写真感光体2〜 を作製した。
表1において、それぞれの化合物は下記に示す。
ポリカーボネート:「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
THF:テトラヒドロフラン
To:トルエン
THF:テトラヒドロフラン
To:トルエン
評価
上記各電子写真感光体を、各種画像パターンが出力可能なコントローラを接続したコニカミノルタ製プリンタMagiColor2430DLに各々装着し、以下の評価項目で評価した。尚評価基準を下記に示す。
上記各電子写真感光体を、各種画像パターンが出力可能なコントローラを接続したコニカミノルタ製プリンタMagiColor2430DLに各々装着し、以下の評価項目で評価した。尚評価基準を下記に示す。
(電荷輸送物質(CTM)の析出評価)
高温高湿環境(30℃85%RH)にて黒ベタ画像を出力し、感光体周期の白ポチ発生の有無を観察する。対応する位置を50倍程度のレーザー顕微鏡で観察し、CTL中の結晶を確認できた箇所をカウントし、その数を記録する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
高温高湿環境(30℃85%RH)にて黒ベタ画像を出力し、感光体周期の白ポチ発生の有無を観察する。対応する位置を50倍程度のレーザー顕微鏡で観察し、CTL中の結晶を確認できた箇所をカウントし、その数を記録する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
5:0個
4:1〜2個
3:3〜10個
2:11〜30個
1:31個以上。
4:1〜2個
3:3〜10個
2:11〜30個
1:31個以上。
(色ポチの評価)
高温高湿環境(30℃85%RH)にて全面白地画像を出力し、感光体周期の色ポチをカウントし、その数を記録する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
高温高湿環境(30℃85%RH)にて全面白地画像を出力し、感光体周期の色ポチをカウントし、その数を記録する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
5:0個
4:1〜2個
3:3〜10個
2:11〜30個
1:31個以上。
4:1〜2個
3:3〜10個
2:11〜30個
1:31個以上。
(フィルミングの評価)
低温低湿環境(10℃20%RH)にて、印字率が各色2%のYMCK単色文字の混合画像を一枚間欠で5000枚出力する。その後に各種ハーフトーン画像を出力し、感光体周方向の、感光体周長周期で現れる、短い白線の有無を観察する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
低温低湿環境(10℃20%RH)にて、印字率が各色2%のYMCK単色文字の混合画像を一枚間欠で5000枚出力する。その後に各種ハーフトーン画像を出力し、感光体周方向の、感光体周長周期で現れる、短い白線の有無を観察する。基準は下記の通りとし、3以上をOKとする。
5:無し
4:1by1画像のみ有り
3:加えて2by2画像にも有り
2:加えて3by3画像にも有り
1:加えて4by4画像にも有り
尚、nbyn画像とは、n画素四方の黒と白により構成された市松パターンによるハーフトーン画像。
4:1by1画像のみ有り
3:加えて2by2画像にも有り
2:加えて3by3画像にも有り
1:加えて4by4画像にも有り
尚、nbyn画像とは、n画素四方の黒と白により構成された市松パターンによるハーフトーン画像。
(画像濃度安定性の評価)
高温高湿環境(30℃85%RH)にて、印字率が各色2%のYMCK単色文字の混合画像を連続で1000枚出力する。その前後で2by2ハーフトーンモノクロ画像を出力してマクベス反射濃度を測定、その濃度変動率を%で示す。これは低いほど好ましいが、ここでの目安として、10%を越えるとNGとする。
高温高湿環境(30℃85%RH)にて、印字率が各色2%のYMCK単色文字の混合画像を連続で1000枚出力する。その前後で2by2ハーフトーンモノクロ画像を出力してマクベス反射濃度を測定、その濃度変動率を%で示す。これは低いほど好ましいが、ここでの目安として、10%を越えるとNGとする。
本発明の方法で、電荷輸送物質の析出が皆無で均一であり、黒ポチ欠陥が無いだけでなくフィルミングによる画像欠陥も低減された電子写真感光体を得ることができる。
Claims (6)
- 前記電荷輸送層が前記一般式(1)で表される化合物を80%以上含有し、かつ前記一般式(2)で表される溶媒を10%以上含有する塗工液で作製された電荷輸送層であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)のR1とR3がメチル基で、R2とR4が水素原子であり、前記一般式(2)のXがメチル基で、Yが水素原子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層のバインダーがポリカーボネートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層に含まれる電荷発生物質がY−チタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
- 前記中間層は、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状メディアを用いた分散工程を含む工程にて調製された数平均一次粒径3〜100nmのN型半導性粒子を含有する塗布液を用いて作製されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真感光体。
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- 2007-07-19 US US11/780,397 patent/US7879517B2/en not_active Expired - Fee Related
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