JP2014208886A - 線状導体及びその製造方法 - Google Patents

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Tetsuya Ashida
哲哉 芦田
広 吉田
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広 吉田
幸治 橋本
Koji Hashimoto
幸治 橋本
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Abstract

【課題】可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化を図る。
【解決手段】横断面が円形に形成され、純度99.999質量%以上の銅電線からなる線状導体10であって、銅電線の横断面における平均結晶粒径は、銅電線の直径の1/20以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、線状導体及びその製造方法に関し、特に、電線やケーブルに用いる低電気抵抗の線状導体及びその製造方法に関するものである。
近年のエネルギー問題に伴って、電線やケーブルでは、低損失化が要望されている。
例えば、特許文献1には、銀が1ppm以下であり、イオウが0.5ppm以下であり、残部が実質的に銅からなり、かつ残留抵抗比が4000以上である高純度銅よりなる、超電導(超伝導)用の銅材が開示されている。
また、特許文献2には、純度99.9999質量%以上である高純度アルミニウムの圧延材からなり、その圧延材の表面に表面研磨処理が施されていることにより、極低温において低い電気抵抗率を発現しうる、高純度アルミニウム材が開示されている。
特公平7−107181号公報 特開2010−159446号公報
ところで、超伝導材料を導体に用いた超伝導ケーブルでは、必須条件である極低温環境を維持することができなくなると、導体の電気抵抗が急激に高くなってしまうので、超伝導材料からなる導線の周囲に無酸素銅などからなる安定化材や磁気遮蔽材が設けられている。そのため、超伝導ケーブルでは、多数の加工工数が必要であるので、製造及び加工のコストが高くなってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、高純度の銅電線に所定の条件の熱処理を施して銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上になるようにしたものである。
具体的に本発明に係る線状導体は、横断面が円形に形成され純度99.999質量%以上の銅電線からなる線状導体であって、上記銅電線の横断面における平均結晶粒径は、該銅電線の直径の1/20以上である。
上記の構成によれば、純度99.999質量%以上の銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上であるので、銅電線における結晶欠陥が減少して、1000以上の高い残留抵抗比(Residual Resistivity Ratio、以下、「RRR」とも称する)を有する線状導体が得られる。これにより、例えば、製造及び加工が比較的に困難なニオブチタンなどの超伝導材料を用いることなく、製造及び加工が比較的に容易な銅電線を用いて低損失化された線状導体が得られるので、可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化が図られる。なお、残留抵抗比は、温度293K(常温20℃)及び4.2Kでの電気抵抗の比である。
上記銅電線の純度は、99.9999質量%以上であってもよい。
上記銅電線の純度は、99.99998質量%以上であってもよい。
上記の構成によれば、銅電線の純度がいっそう高くなるので、いっそう高いRRRを有する線状導体が得られる。
上記銅電線の横断面における平均結晶粒径は、上記銅電線の直径の1/10以上であってもよい。
上記の構成によれば、銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/10以上であるので、銅電線における結晶欠陥がいっそう減少して、いっそう高いRRRを有する線状導体が得られる。
上記銅電線における鉄及びニッケルの総含有量は、1ppm以下であってもよい。
上記の構成によれば、銅電線における鉄及びニッケルの総含有量が1ppm以下であるので、例えば、磁気共鳴画像診断装置や核磁気共鳴診断装置などの磁束密度1T以上の強磁場での使用に好適な線状導体が得られる。
上記銅電線は、ポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆されていてもよい。
上記の構成によれば、銅電線がポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆されているので、その絶縁層の柔軟性により、極低温環境(例えば、液体窒素温度:−196℃)であっても、銅電線を被覆する絶縁層の割れによる破壊が抑制される。また、銅電線と絶縁層とでは、それらの材質を考慮すると、熱膨張係数が必然的に大きく異なってしまう。しかしながら、線状導体の環境温度に起因して銅電線が伸縮(膨張/収縮)しても、絶縁層がその柔軟性により銅電線の側面に密着したまま銅電線の伸縮に追従するので、常温環境と極低温環境とを繰り返すような過酷な条件下であっても、絶縁層の劣化が抑制される。
また、本発明に係る線状導体の製造方法は、横断面が円形に形成され、純度99.999質量%以上の銅電線を準備する準備工程と、上記銅電線を一括して300℃以上で1時間以上の条件で熱処理するバッチ処理、又は上記銅電線を搬送しながら500℃以上で30秒以上の条件で連続して熱処理する連続処理を行うことにより、上記銅電線の横断面における平均結晶粒径を該銅電線の直径の1/20以上にする熱処理工程とを備える。
上記の方法によれば、純度99.999質量%以上の銅電線に対して、一括して300℃以上で1時間以上の条件で熱処理するバッチ処理、又は搬送しながら500℃以上で30秒以上の条件で連続して熱処理する連続処理を行うことにより、銅電線の横断面における平均結晶粒径を銅電線の直径の1/20以上にするので、銅電線における結晶欠陥が減少して、1000以上の高いRRRを有する線状導体が製造される。これにより、例えば、製造及び加工が比較的に困難なニオブチタンなどの超伝導材料を用いることなく、製造及び加工が比較的に容易な銅電線を用いて低損失化された線状導体が製造されるので、可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化が図られる。
上記熱処理工程では、500℃以上で1時間以上の条件でバッチ処理、又は600℃以上で30秒以上の条件で連続処理を行ってもよい。
上記の方法によれば、純度99.999質量%以上の銅電線に対して、一括して500℃以上で1時間以上の条件で熱処理するバッチ処理、又は搬送しながら600℃以上で30秒以上の条件で連続して熱処理する連続処理を行うので、銅電線の横断面における平均結晶粒径が確実に銅電線の直径の1/20以上になる。
上記熱処理工程の後に、上記銅電線をポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆する絶縁層形成工程を備えてもよい。
上記の方法によれば、絶縁層形成工程において、銅電線がポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆されるので、その絶縁層の柔軟性により、極低温環境(例えば、液体窒素温度:−196℃)であっても、銅電線を被覆する絶縁層の割れによる破壊が抑制される。また、銅電線と絶縁層とでは、それらの材質を考慮すると、熱膨張係数が必然的に大きく異なってしまう。しかしながら、線状導体の環境温度に起因して銅電線が伸縮(膨張/収縮)しても、絶縁層がその柔軟性により銅電線の側面に密着したまま銅電線の伸縮に追従するので、常温環境と極低温環境とを繰り返すような過酷な条件下であっても、絶縁層の劣化が抑制される。
本発明によれば、高純度の銅電線に所定の条件の熱処理を施して銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上になっているので、可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化を図ることができる。
実施形態1に係る線状導体の斜視図である。 実施形態1に係る線状導体の横断面を示す模式図の第1例である。 実施形態1に係る線状導体の横断面を示す模式図の第2例である。 実施形態1に係る線状導体の製造工程を示すフローチャートである。 実施形態2に係る線状導体の斜視図である。 実施形態2に係る線状導体の製造方法を示すフローチャートである。 実施形態2に係る線状導体の製造方法を示すフローチャートの変形例である。 実施形態3に係る線状導体の斜視図である。 実施形態3に係る線状導体の製造工程を示すフローチャートである。 実施形態4に係る線状導体の斜視図である。 実施形態4に係る線状導体の製造工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図4は、本発明に係る線状導体及びその製造方法の実施形態1を示している。ここで、図1は、本実施形態の線状導体10の斜視図である。また、図2及び図3は、線状導体10の横断面を示す模式図の第1例及び第2例である。
線状導体10は、図1に示すように、横断面が円形に形成された銅電線からなっている。ここで、銅電線の純度は、99.999質量%以上であり、好ましくは99.9999質量%以上であり、より好ましくは、99.99998質量%以上である。また、銅電線の横断面における平均結晶粒径は、銅電線の直径の1/20以上(例えば、1/10程度、図2参照)であり、好ましくは、銅電線の直径の1/10以上(例えば、1/5程度、図3参照)である。また、銅電線における鉄及びニッケルの総含有量は、1ppm以下である。
上記構成の線状導体10は、常温(20℃)での電気抵抗R293K及び4.2Kでの電気抵抗R4.2Kの比率、すなわち、残留抵抗比(RRR=R293K/R4.2K)が1000以上、好ましくは5000以上になっている。
次に、本実施形態の線状導体10の製造方法について説明する。ここで、図4は、線状導体10の製造工程を示すフローチャートである。なお、本実施形態の製造方法は、準備工程及び熱処理工程を備える。
<準備工程>
図4に示すように、電気銅を鋳造することにより純度99.999質量%以上のビレットを作製した後に、その作製されたビレットを複数のステップで伸線することにより、例えば、直径0.1mm〜3.2mm程度の銅電線を作製する。
<熱処理工程>
上記準備工程で作製され、ボビンに巻き取った銅電線をバッチ焼き鈍し炉の内部に搬入した後に、炉内の銅電線を300℃以上で1時間以上(好ましくは500℃以上で1時間以上)の条件で水素などの還元雰囲気、窒素などの不活性ガス雰囲気又は真空雰囲気で熱処理することにより、銅電線の横断面における平均結晶粒径を銅電線の直径の1/20以上、好ましくは1/10以上にする。
なお、本実施形態では、銅電線を一括して熱処理するバッチ処理を行う製造方法を例示したが、例えば、上記準備工程で作製された銅電線をそのまま筒状のパイプ焼き鈍し炉の内部に搬入及び搬送させることにより、炉内で銅電線を搬送しながら500℃以上で30秒以上(好ましくは600℃以上で30秒以上)の条件で水素などの還元雰囲気、又は窒素などの不活性ガス雰囲気で連続して熱処理してもよい。
以上のようにして、本実施形態の線状導体10を製造することができる。
次に、具体的に行った実験について説明する。
具体的には、下記の表1に示すように、実施例1〜9として、純度99.999質量%、99.9999質量%又は99.99998質量%の銅電線を用い、上述した線状導体10の製造方法と同様に、所定の条件の熱処理を行うことにより、直径0.32mmの線状導体を作製した。また、比較例1及び2として、純度99.99質量%及び99.999質量%の銅電線を用い、所定の条件の熱処理を行うことにより、直径0.32mmの線状導体を作製した。そして、それらの作製された各線状導体について、結晶粒径、RRR、並びに鉄及びニッケルの総含有量を評価した。ここで、結晶粒径、すなわち、平均結晶粒径については、線状導体の横断面のミクロ組織から{√(結晶の平均面積/π)}×2の式に基づいて算出した。また、RRRについては、室温(20℃=293K)における電気抵抗R293K、及び液体ヘリウム温度(4.2K)における電気抵抗R4.2Kを四端子法により測定して、R293K/R4.2Kの式より算出した。また、鉄及びニッケルの総含有量については、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のVG9000を用いて、グロー放電質量分析法により測定した。また、銅の純度は、同じくグロー放電質量分析法により、銅の含有量、又は不純物(銀、アルミニウム、ヒ素、ビスマス、クロム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、ニッケル、硫黄、アンチモン、ケイ素などの元素)の含有量を測定することにより、算出した。
Figure 2014208886
実験結果としては、比較例1では、99.99質量%の銅電線を500℃で1時間(3600秒)の条件で熱処理しても、RRRが400程度になるものの、実施例1〜3では、より高純度の99.999質量%の銅電線を用い、300℃以上で1時間以上の条件で熱処理することにより、RRRが1500〜4600程度に高くなることが確認された。また、連続処理を行った実施例4では、500℃で30秒の条件で熱処理するだけでRRRが2800程度に高くなることが確認された。さらに、99.9999質量%の銅電線を用いた実施例5では、500℃で30秒の条件で熱処理するだけでRRRが4500程度に高くなることが確認された。また、さらに高純度の99.99998質量%の銅電線を用いた実施例6では、500℃で30秒の条件で熱処理するだけでRRRが5400程度に高くなることが確認された。同じく99.99998質量%の銅電線を用いた実施例7〜9では、300℃以上で1時間以上の条件で熱処理することにより、RRRが4800〜9800程度に高くなることが確認された。
また、平均結晶粒径については、比較例1及び2で、銅電線の直径の1/22及び1/21程度となるものの、実施例1〜9では、銅電線の直径の1/16〜1/6程度となり、銅電線の直径の1/20(好ましくは1/10)以上になることが確認された。
また、鉄及びニッケルの総含有量については、比較例1及び2で、1.1及び0.3ppmになるものの、実施例1〜9では、0.02ppm〜0.5ppmとなり、1ppm以下になることが確認された。
以上説明したように、本実施形態の線状導体10及びその製造方法によれば、純度99.999質量%以上の銅電線に対して、一括して300℃以上で1時間以上の条件で熱処理するバッチ処理、又は搬送しながら500℃以上で30秒以上の条件で連続して熱処理する連続処理を行うことにより、銅電線の横断面における平均結晶粒径を銅電線の直径の1/20以上にするので、銅電線における結晶欠陥が減少して、1000以上の高いRRRを有する線状導体10を製造することができる。これにより、例えば、製造及び加工が比較的に困難なニオブチタンなどの超伝導材料を用いることなく、製造及び加工が比較的に容易な銅電線を用いて低損失化された線状導体10を製造することができるので、可及的にコストを抑制して、線状導体10の低損失化を図ることができる。また、導体の断面積の増大を抑制して、線状導体10の低損失化を図ることができるので、配策スペースを小さくすることができる。
また、本実施形態の線状導体10によれば、銅電線における鉄及びニッケルの総含有量が1ppm以下であるので、例えば、磁気共鳴画像診断装置や核磁気共鳴診断装置などの磁束密度1T以上の強磁場での使用に好適な線状導体10を得ることができる。
《発明の実施形態2》
図5〜図7は、本発明に係る線状導体及びその製造方法の実施形態2を示している。ここで、図5は、本実施形態の線状導体20の斜視図である。また、図6及び図7は、線状導体20の製造方法を示すフローチャートである。なお、以下の各実施形態において、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
線状導体20は、図5に示すように、上記実施形態1の線状導体10を複数本(例えば、7本)撚り合わせた撚り線になっている。
上記構成の線状導体20は、図6に示すように、上記実施形態1と同様に、伸線及び熱処理を行った後に、その熱処理された複数の単線の銅電線を撚り合わせることにより、又は図7に示すように、上記実施形態1と同様に、伸線を行った後に、その伸線された複数の単線の銅電線を撚り合わせて撚り線を作製し、さらに、その作製された撚り線を熱処理することにより、製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の線状導体20及びその製造方法によれば、上記実施形態1と同様に、高純度の銅電線に所定の条件の熱処理を施して銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上になっているので、可及的にコストを抑制して、線状導体20の低損失化を図ることができる。
《発明の実施形態3》
図8〜図9は、本発明に係る線状導体及びその製造方法の実施形態3を示している。ここで、図8は、本実施形態の線状導体30の斜視図である。また、図9は、線状導体30の製造方法を示すフローチャートである。
線状導体30は、図8に示すように、上記実施形態1の線状導体10、すなわち、銅電線10と、銅電線10の側面を被覆するように設けられたポリイミド樹脂製の絶縁層11とを備えている。
絶縁層11は、例えば、ブロック共重合ポリイミドにより構成されている、ここで、このブロック共重合ポリイミドは、例えば、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を有し、分子中にアニオン性基を有している。また、このブロック共重合ポリイミドは、例えば、重量平均分子量が45000〜90000であり、数平均分子量が20000〜40000である。なお、絶縁層11の膜厚は、例えば、1μm〜50μm程度である。
上記構成の線状導体30は、図9に示すように、上記実施形態1と同様に、伸線及び熱処理を行った後に、絶縁層形成工程において、その熱処理された線状導体(銅電線)10の側面に対する電着塗装又はディップ塗装とその後の焼き付け処理とを行って、絶縁層11を形成することにより、製造することができる。
次に、具体的に行った実験について説明する。
実施例として、純度99.9999質量%で直径1.0mmの銅電線を用いて、上記実施形態1の実施例9の熱処理を行った後に、その側面にポリイミド樹脂を電着塗装することにより、厚さ10μm程度のポリイミド樹脂製の絶縁層を有する線状導体を作製した。また、比較例として、純度99.9999質量%で直径1.0mmの銅電線を用いて、上記実施形態1の実施例9の熱処理を行った後に、その側面にエポキシ樹脂をディップ塗装することにより、厚さ10μm程度のエポキシ樹脂製の絶縁層を有する線状導体を作製した。それらの作製された各線状導体を内径1mmでコイル状に緊密に10回巻き付けて試験体をそれぞれ作製し、それらの各試験体を液体窒素に10分間浸漬した後に、常温(20℃)に戻し、各試験体の絶縁層の表面を20倍の拡大鏡で観察して、割れの有無を確認した。
実験結果としては、実施例では、絶縁層に割れが確認されなかったのに対し、比較例では、絶縁層に割れが確認された。
以上説明したように、本実施形態の線状導体30及びその製造方法によれば、上記実施形態1及び2と同様に、高純度の銅電線に所定の条件の熱処理を施して銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上になっているので、可及的にコストを抑制して、線状導体30の低損失化を図ることができる。
また、本実施形態の線状導体30及びその製造方法によれば、銅電線10がポリイミド樹脂製の絶縁層11で被覆されているので、絶縁層11の柔軟性により、極低温環境(液体窒素温度:−196℃)であっても、銅電線10を被覆する絶縁層11の割れによる破壊を抑制することができる。また、銅電線10と絶縁層11とでは、それらの材質を考慮すると、熱膨張係数が必然的に大きく異なってしまう。しかしながら、線状導体30の環境温度に起因して銅電線10が伸縮(膨張/収縮)しても、絶縁層11がその柔軟性により銅電線10の側面に密着したまま銅電線10の伸縮に追従するので、常温環境と極低温環境とを繰り返すような過酷な条件下であっても、絶縁層11の劣化を抑制することができる。
《発明の実施形態4》
図10〜図11は、本発明に係る線状導体及びその製造方法の実施形態4を示している。ここで、図10は、本実施形態の線状導体40の斜視図である。また、図11は、線状導体40の製造方法を示すフローチャートである。
線状導体40は、図10に示すように、上記実施形態3の線状導体30を複数本(例えば、7本)撚り合わせた撚り線になっている。
上記構成の線状導体40は、図11に示すように、上記実施形態3と同様に、伸線、熱処理及び絶縁層形成を行った後に、その絶縁層11が形成された複数の単線の線状導体30を撚り合わせることにより、製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の線状導体40及びその製造方法によれば、上記実施形態1〜3と同様に、高純度の銅電線に所定の条件の熱処理を施して銅電線の横断面における平均結晶粒径が銅電線の直径の1/20以上になっているので、可及的にコストを抑制して、線状導体40の低損失化を図ることができる。
また、本実施形態の線状導体40及びその製造方法によれば、上記実施形態3と同様に、銅電線10がポリイミド樹脂製の絶縁層11で被覆されているので、極低温環境であっても、絶縁層11の割れによる破壊を抑制することができると共に、常温環境と極低温環境とを繰り返すような過酷な条件下であっても、絶縁層11の劣化を抑制することができる。
なお、上記各実施形態では、横断面が円形に形成された丸線の線状導体を例示したが、本発明は、横断面が扁平した円形に形成された線状導体、横断面が矩形状に形成された平角線の線状導体などにも適用することができる。
以上説明したように、本発明は、可及的にコストを抑制して、線状導体の低損失化を図ることができるので、電線やケーブル及びそれらの製造方法について有用である。
10 線状導体(銅電線)
11 絶縁層
20,30,40 線状導体

Claims (9)

  1. 横断面が円形に形成され、純度99.999質量%以上の銅電線からなる線状導体であって、
    上記銅電線の横断面における平均結晶粒径は、該銅電線の直径の1/20以上である、線状導体。
  2. 上記銅電線の純度は、99.9999質量%以上である、請求項1に記載された線状導体。
  3. 上記銅電線の純度は、99.99998質量%以上である、請求項1又は2に記載された線状導体。
  4. 上記銅電線の横断面における平均結晶粒径は、上記銅電線の直径の1/10以上である、請求項1乃至3の何れか1つに記載された線状導体。
  5. 上記銅電線における鉄及びニッケルの総含有量は、1ppm以下である、請求項1乃至4の何れか1つに記載された線状導体。
  6. 上記銅電線は、ポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆されている、請求項1乃至5の何れか1つに記載された線状導体。
  7. 横断面が円形に形成され、純度99.999質量%以上の銅電線を準備する準備工程と、
    上記銅電線を一括して300℃以上で1時間以上の条件で熱処理するバッチ処理、又は上記銅電線を搬送しながら500℃以上で30秒以上の条件で連続して熱処理する連続処理を行うことにより、上記銅電線の横断面における平均結晶粒径を該銅電線の直径の1/20以上にする熱処理工程とを備える、線状導体の製造方法。
  8. 上記熱処理工程では、500℃以上で1時間以上の条件でバッチ処理、又は600℃以上で30秒以上の条件で連続処理を行う、請求項7に記載された線状導体の製造方法。
  9. 上記熱処理工程の後に、上記銅電線をポリイミド樹脂製の絶縁層で被覆する絶縁層形成工程を備える、請求項7又は8に記載された線状導体の製造方法。
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