JP2014208826A - クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセス、及びそれらの使用方法 - Google Patents

クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセス、及びそれらの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた硬化性を示すクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの提供。
【解決手段】成分a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキサン、成分b)分子当たり平均平均4〜15個のケイ素原子及び成分a)中の各脂肪族不飽和有機基について少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン、成分c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有する反応種、並びにd)ヒドロシリル化触媒を含む組成物。ヒドロシリル化プロセスを用い、前記組成物をポリオルガノシロキサン鎖末端にクラスタ化官能性基を有するポリオルガノシロキサンに調製する。得られるクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは、エレクトロニクス用途の硬化性シリコーン組成物において有用である。
【選択図】なし

Description

クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセスは、脂肪族不飽和種、ケイ素
結合水素原子を含有する種、及び反応種をヒドロシリル化触媒の存在下で反応させるステ
ップを含む。このプロセスにより調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは
、異なるプロセスにより調製された「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンと比較して向
上した物理的特性(例えば、増加した引張強度及び伸び%)を有する。クラスタ化官能性
ポリオルガノシロキサンは充填剤を含有することができ、さらに異なるプロセスにより調
製された「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンと比べて向上した物理的特性のみならず
向上したディスペンス特性を示すことができる。
硬化してエラストマー材料となるポリオルガノシロキサン組成物は周知である。こうし
た組成物は、硬化性(例えば、加水分解性、放射線硬化性、又は熱硬化性)基を有するポ
リジオルガノシロキサンを必要に応じて架橋剤及び/又は触媒と混合することにより調製
することができる。一般的には、ポリジオルガノシロキサンは鎖末端当たり1〜3個の反
応性基を有することができる。次にこれらの成分を含む組成物を、存在する硬化性基に応
じて、例えば、大気水分への露出、放射線への露出、又は熱への露出により硬化すること
ができる。
特定の組成物の硬化速度は存在する反応性基のタイプ及び数を含む各種要因によって決
まる。異なる基は異なる反応性を有することが知られている。例えば、水分の存在下、す
べての他の条件が同じである場合、ケイ素結合アセトキシ基は通常ケイ素結合アルコキシ
基より速く加水分解するだろう。さらに、同じタイプの硬化性基であっても、特定のケイ
素原子に結合したそれらの硬化性基の数に応じて異なる反応性を有することができる。例
えば、ポリジオルガノシロキサンが鎖末端上で1個のケイ素原子に結合した3個のケイ素
結合アルコキシ基を有する場合、第1のアルコキシ基は一般的にはもっとも反応性である
(もっとも速く反応する)が、第1のアルコキシ基が反応した後、同じケイ素原子に結合
した第2のアルコキシ基が反応するにはより長い時間がかかり、第3についてはさらに長
い。従って、分子末端当たりより多くの「もっとも」反応性である基を有するクラスタ化
官能性ポリオルガノシロキサンを調製する継続的必要性がある。
さらに、シリコーン接着剤用途のような特定の用途についての有用性を示すため、充填
剤を組成物に添加し、組成物の得られる硬化生成物の物理的特性プロファイルを向上させ
る(例えば、引張強度を増加させ、破断伸び%を向上させる)ことができる。充填剤の性
質、その化学的性質、粒径及び界面化学反応はすべてポリオルガノシロキサンと充填剤と
の間の相互作用の大きさ及びひいては最終的な物理的特性に影響を及ぼすことが示されて
いる。接着性及びディスペンス性のような他の特性も、接着剤用途についての組成物の性
能及び市販性において役割を果たす。シリコーン接着剤は一般的には、幅広い金属、鉱物
及びプラスチック表面への接着性とともに、平方インチ当たり(psi)200ポンドを
超える引張特性及び100%の伸びを有する。
長いポリマー鎖が1つ以上の有機官能性基を有する環状、線状及び星状種でキャップさ
れた「ダンベル」シリコーンポリマーの合成については開示されている。こうしたポリマ
ーについては多数の硬化化学反応、例えばエポキシ(グリシジル、アルキルエポキシ、及
び脂環式エポキシ)、メタクリレート、アクリレート、ウレタン、アルコキシ、又は付加
を行うことができることが記載されている。
硬化性基がポリマーの末端でクラスタ化された多官能性末端ブロックコポリマー(クラ
スタ化官能性ポリオルガノシロキサン)を生成することが望ましい。「ダンベル」シリコ
ーンポリマーにおけるクラスタ化官能性基のそれらを分離する非官能性ポリマー鎖との組
み合わせは、硬化速度の最小限の低下でより高い物理的特性をもたらすことができる。こ
の方法は硬化性基が同じである(例えば、ポリマー鎖末端でクラスタ化したすべての硬化
性基がエポキシ又はアルコキシのいずれかであり得る)「ダンベル」シリコーンポリマー
について示されている。この方法は、硬化性基が異なる、例えば、ポリマー末端でクラス
タ化したすべての硬化性基がエポキシ及びアルコキシ基の組み合わせであり得る、いわゆ
る「多重硬化」システムについても示されている。
これらの「ダンベル」シリコーンポリマーを生成するための既知のプロセスでは、これ
らのポリマーは多重ステップにおいて調製される。まず、水素化シリコーン官能性「ダン
ベル」中間体はビニル末端ブロック線状ポリオルガノシロキサンの環状、線状又は分岐水
素化シリコーンとの反応によって調製される。高温で長時間の触媒の継続的存在は、一般
的には環状末端ブロックの開環又は残りのケイ素結合水素原子の架橋によって、ゲル化を
もたらすので、この初期ステップ後、白金族金属触媒を中和するための試薬の添加並びに
/又は水素化シリコーン官能性「ダンベル」中間体を未反応種及び副生成物から取り出す
ための精製ステップを行う。ゲル化を防止するいくつかの方法は、水素化シリコーン官能
性「ダンベル」中間体を形成した後、白金族金属触媒毒、シリル化剤、又はジアリルマレ
エートのような触媒阻害剤を用い、触媒を不活性化するステップを含む。これは溶媒、未
反応水素化シリコーン、及び反応副生成物を除去するための高温での中間体の(例えば、
揮散又は蒸留による)精製を可能にする。この方法の問題は、不飽和有機官能性部分との
その後の反応を達成するのにより多くの白金族金属触媒の添加(追加費用)及びより高温
、一般的には>80℃が長時間必要となり、これによりプロセスを行うのに必要な時間が
増加することである。上昇した温度は、大きなエキソサームが一般的にヒドロシリル化プ
ロセスに関連している小さな「ダンベル」種においてとくに問題となり得る。高い開始温
度及び大きなエキソサームでは産業プロセスにおける熱管理が問題となる。不飽和基(例
えば、メタクリレート、アクリレート、ビニル又はアリル)は望ましくないラジカルプロ
セスによって自動重合し得る。これらのラジカルプロセスはヒドロキノン(HQ)、4−
メトキシフェノール(MEHQ)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フェノチア
ジン(PTZ)、等のような重合阻害剤の添加により緩和することができる。しかしなが
ら、メタクリレート官能性材料の場合、ラジカル阻害剤が存在していても、この多重ステ
ッププロセスではメタクリレート自動重合の発生率は高い。これらの理由のため、開環及
び自動重合の傾向を低減又は削減するので、最小限のプロセスステップ及び最小限の熱履
歴を有するプロセスの必要性がある。これは有機官能性基のより大きなサイズを可能にす
るとともに、既知のプロセスに関連する追加の白金族金属触媒及び時間のかかるプロセス
ステップによるコストを低減することができる。
さらに、上述の既知のプロセスにより製造された「ダンベル」シリコーンポリマーの使
用はこれらのポリマーで充填剤を製剤するステップに関連する問題のために限定されてい
る。充填剤の添加は、ゴム、封止材、及び接着剤のような硬化シリコーン製品の物理的特
性を向上させる。こうした組成物において用いられる充填剤、例えばヒュームドシリカは
、表面シラノール基のため本質的に親水性であり、加工及び使用に重度の問題をもたらす
。シラノール基の水親和性は絶縁破壊、腐食、並びに接着促進剤、触媒、及び結合剤のゲ
ル化をもたらし得る。シラノール基はポリオルガノシロキサンとシリカ表面との間の必要
より大きな相互作用ももたらし、ディスペンスする又は取り扱うには高すぎる粘度を有す
る、クレープ硬化を示す材料をもたらす。従って、これらの問題を緩和するため疎水性種
で予備処理したヒュームドシリカを用いることは一般的な方法である。これらの充填剤は
シリカ製造業者により予備処理され得、例えば、Cabosil(登録商標)TS−53
0及びTS−720は米国マサチューセッツ州ビルリカのCabot Specialt
y Chemicals,Inc.のそれぞれヘキサメチルジシラザン(HMDZ)及び
ポリジメチルシロキサンで処理したヒュームドシリカであり、又は充填剤は製造プロセス
の一環としてin situ処理することができる。
ヒュームドシリカの利点にかかわらず、製品の製剤業者はヒュームドシリカの疎水性及
び親水性形態の両方の問題を挙げている。例えば、その水分吸収シラノール基のため水濃
度の増加は電気抵抗を減少させるので、親水性ヒュームドシリカは電子接着剤又はコーテ
ィング用途において問題を起こす傾向がある。さらに、コーティング用途において、親水
性ヒュームドシリカにより導入されるこの水分は被覆基板の腐食を促進し得る。また、親
水性ヒュームドシリカのせん断減粘効率は多くの場合不適切であり、これはヒュームドシ
リカ表面上での液体の吸収に起因し、シリカ凝集及びよってせん断減粘を妨げると考えら
れる。
「ダンベル」ポリオルガノシロキサンをまず製造した後、その後のプロセスステップに
おいて所望の量の充填剤を分散させ、高い引張特性を得ることが可能である。しかしなが
ら、処理充填剤を分散させる際に直面するせん断は、新規の未処理シリカの形成をもたら
し、よって粒子であるシラノール基は破壊及び破砕される。これは「ダンベル」ポリオル
ガノシロキサンのレオロジーの保存特性及び不安定性をもたらし得、「ダンベル」ポリオ
ルガノシロキサンを含有する組成物、及びその硬化生成物の金属への接着特性も低減し得
る。ヒュームドシリカは製造中に加工しにくくもあり得る。ヒュームドシリカを上述の「
ダンベル」ポリオルガノシロキサンを含有する組成物に添加する場合、高せん断ブレンド
でもヒュームドシリカ粒子を分散させるには不十分であり得る。シリカを十分に分散させ
るため、ヒュームドシリカ−ポリマー混合物を媒体ミル又は3ロールミルに通さなければ
ならないプロセスステップを添加する必要がある場合が多い。さらに、シリカ凝集を破壊
し、未処理シリカ表面を露出し、せん断減粘特性を破壊する、ヒュームドシリカの過剰分
散の危険性がある。これらの余分なプロセスステップの必要性をなくすとともに、シリカ
を過剰分散させる危険性を回避することは製品製剤業者にとって非常に望ましい。従って
、エレクトロニクス産業にはクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを処理充填剤の存
在下で合成するプロセスの必要性がある。
クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセスは、
平均で1分子当たり少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキ
サン、並びに、b)平均で、1分子当たり4〜15個のケイ素原子、及び、成分a)中の
1つの脂肪族不飽和有機基当たりのケイ素結合水素原子(SiH/Vi比)を少なく
とも4つ有するポリオルガノ水素シロキサンであって、成分a)中の各脂肪族不飽和有機
基当たり1分子の成分b)をもたらすのに十分な量で存在するポリオルガノ水素シロキサ
ンb)、を含む成分を、d)ヒドロシリル化触媒の存在下で、同時に反応させるステップ
を含む。成分b)中のケイ素結合水素原子/成分a)中の脂肪族不飽和有機基のモル比(
SiH/Vi比)は4/1〜20/1の範囲内である。本プロセスにより調製された
生成物は、成分a)のポリオルガノシロキサンの各末端に2個以上の硬化性基を有するク
ラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンである。本プロセスにより調製されたクラスタ化
官能性ポリオルガノシロキサンは硬化性シリコーン組成物において用いることができる。
実施例4〜6についてのトルク対時間の結果を示す。
用語の定義及び使用
冠詞「a」、「an」及び「the」はそれぞれ、とくに指示のない限り、1つ以上を
指す。本出願中のすべての量、比及び割合は、とくに指示のない限り、重量による。すべ
ての動粘度は、とくに指示のない限り、25℃で測定された。
プロセス
プロセスはクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを製造するのに有用である。本プ
ロセスは
1) a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノ
シロキサン、
b)分子当たり平均4〜15個のSi原子及び成分a)中の脂肪族不飽和有機基
当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン、並び

c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を
有する反応種
を含む成分をd)ヒドロシリル化触媒の存在下で同時に反応させるステップを含むことが
できる。このプロセスでは、ステップ1)の成分は、e)充填剤、f)非反応性シリコー
ン樹脂、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。上述のプロセスは任意で、
2)ステップ1)後、触媒阻害剤を添加し、触媒を不活性化するステップ、及び3)ステ
ップ2)の生成物を精製するステップをさらに含むことができる。
あるいは、本プロセスは:
I) a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノ
シロキサン、並びに
b)分子当たり平均4〜15個のSi原子及び成分a)中の脂肪族不飽和有機基
当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン
を含む成分を
d)ヒドロシリル化触媒の存在下で同時に反応させるステップ;並びにその後
II)ステップI)の生成物を
c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有する反
応種
を含む成分と反応させるステップを含むことができるが、
ただし、ステップI)及び/又はステップII)中の該成分はe)充填剤、f)非反応性
シリコーン樹脂、又はこれらの組み合わせをさらに含み、中間体精製ステップはステップ
I)とステップII)との間に行われず、SiH/Vi比は4/1〜20/1の範囲
内であり、本プロセスにより調製された生成物は成分a)のポリオルガノシロキサンの各
末端に平均2個以上の硬化性基を有する。本プロセスは任意で:III)ステップII)
後、触媒阻害剤を添加し、触媒を不活性化するステップ、及びIV)ステップIII)の
生成物を精製するステップをさらに含むことができる。上記プロセス中の生成物を精製す
るステップは、揮散又は蒸留のようないずれかの便利な手段により、任意で真空下で行う
ことができる。
成分
上述のプロセスにおいて用いられる成分は:
a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキサ
ン、
b)分子当たり平均4〜15個のケイ素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン、
c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有する反
応種、並びに、
d)ヒドロシリル化触媒
を含む。
成分a)ポリオルガノシロキサン
成分a)は、分子当たり平均少なくとも2個の、成分b)のケイ素結合水素原子とのヒ
ドロシリル化反応を行うことができる、脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキ
サンである。成分a)は線状又は分岐構造を有していてもよい。あるいは、成分a)は線
状構造を有していてもよい。成分a)は、以下の特性:構造、粘度、重合度、及び配列の
少なくとも1つが異なる2つ以上のポリオルガノシロキサンを含む組み合わせであっても
よい。
成分a)は100最小限の平均重合度(平均DP)を有する。あるいは、成分a)の平
均DPは100〜1000の範囲内とすることができる。成分a)のポリオルガノシロキ
サンの分布DPは二相性であり得る。例えば、成分a)は、60のDPを有する1つのア
ルケニル末端ポリジオルガノシロキサン及び100より高いDPを有する別のアルケニル
末端ポリジオルガノシロキサンを含むことができるが、ただし、ポリジオルガノシロキサ
ンの平均DPは100〜1000の範囲内である。しかしながら、成分a)に用いるのに
適したポリオルガノシロキサンは10の最小限の重合度(DP)を有するが、ただし、1
0未満のDPを有するポリオルガノシロキサンは100より大きいDPを有するポリオル
ガノシロキサンと組み合される。成分a)に適したポリジオルガノシロキサンは当技術分
野において知られ、市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)SF
D−128は980〜1000の範囲内のDPを有し、DOW CORNING(登録商
標)SFD120は120〜700の範囲内のDPを有し、DOW CORNING(登
録商標)7038は100のDPを有し、DOW CORNING(登録商標)SFD−
119は150のDPを有する。これらはすべて米国ミシガン州ミッドランドのダウコー
ニングコーポレーションから市販されるビニル末端ポリジメチルシロキサンである。成分
a)が二相性分布を有する場合、より低いDPを有するポリオルガノシロキサン(低DP
ポリオルガノシロキサン)はより高いDPを有するポリオルガノシロキサン(高DPポリ
オルガノシロキサン)よりも少ない量で存在している。例えば、二相性分布では、低DP
ポリオルガノシロキサン/高DPポリオルガノシロキサンの比は10/90〜25/75
の範囲内とすることができる。
成分a)の例としては、式(I)、式(II)、又はこれらの組み合わせのポリオルガ
ノシロキサンが挙げられる。式(I)はR SiO(R SiO)(R
SiO)SiR であり、式(II)はR SiO(R SiO)(R
SiO)SiR である。これらの式中、各Rは独立して脂肪族不飽和を含ま
ない一価有機基であり、各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、下付き文字aは2
〜1000の範囲内の平均値を有し、下付き文字bは0〜1000の範囲内の平均値を有
し、下付き文字cは0〜1000の範囲内の平均値を有し、下付き文字dは4〜1000
の範囲内の平均値を有する。式(I)及び(II)中、10≦(a+b)≦1000であ
り、10≦(c+d)≦1000である。
に適した一価有機基としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシ
ルのようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル
、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。各R
は独立して脂肪族不飽和一価有機基である。Rは脂肪族不飽和一価炭化水素基、例えば
、ビニル、アリル、プロぺニル、及びブテニルのようなアルケニル基;並びにエチニル及
びプロピニルのようなアルキニル基とすることができる。
成分a)は、
i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン
)、
iii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサ
ン)、
vii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン
)、
viii)フェニル、メチル、ビニル−シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ix)ジメチルへキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
x)ジメチルへキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルへキセニルシロ
キサン)、
xi)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルへキセニルシロキサ
ン)、又は
xiii)これらの組み合わせ
のようなポリジオルガノシロキサンを含むことができる。
成分b)ポリオルガノ水素シロキサン
成分b)は分子当たり平均4〜15個のケイ素原子を有するポリオルガノ水素シロキサ
ンである。成分b)は成分a)中の脂肪族不飽和有機基当たり平均少なくとも4個のケイ
素結合水素原子を有する。成分b)は環状、分岐、又は線状であってもよい。あるいは、
成分b)は環状であってもよい。成分b)は以下の特性:構造、粘度、重合度、及び配列
の少なくとも1つが異なる2個以上のポリオルガノ水素シロキサンを含む組み合わせであ
ってもよい。
成分b)は、分子当たり平均4〜15個のシロキサン単位を有する環状ポリオルガノ水
素シロキサンであってもよい。環状ポリオルガノ水素シロキサンは式(III)を有する
ことができ、式(III)は(R SiO2/2(HRSiO2/2であり
、式中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字eは0〜10の範囲内の平均値を有し、
下付き文字fは4〜15の範囲内の平均値を有し、
(e+f)は4〜15、あるいは4〜12、あるいは4〜10、あるいは4〜6、あるい
は5〜6の範囲内の値を有する。Rに適した一価有機基としては、これらに限定されな
いが、一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチ
ル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロア
ルキル;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリ
ールが挙げられる。
あるいは、成分b)は分岐ポリオルガノ水素シロキサンであってもよい。成分b)の分
岐ポリオルガノ水素シロキサンは式IV)を有することができ、式IV)はSi−(OS
iR (OSiHRg’(OSiR (OSiR H)(4−h)
あり、式中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字gは0〜10の範囲内の値を有し、
下付き文字g’は0〜10の範囲内の値を有し、
下付き文字hは0〜1の範囲内の値を有する。あるいは、下付き文字gは0であってもよ
い。下付き文字g’が0である場合、下付き文字hも0である。Rに適した一価有機基
としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル
、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル;シク
ロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及
び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。
あるいは、成分b)は分子当たり平均少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有する線
状ポリオルガノ水素シロキサンであってもよい。成分b)の線状ポリオルガノ水素シロキ
サンは(V)、(VI)、又はこれらの組み合わせから選択される式を有することができ

式(V)はR HSiO(R SiO)(RHSiO)SiR Hであり、
式(VI)はR SiO(R SiO)(RHSiO)SiR であり、式
中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字iは0〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字jは2〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字kは0〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字mは4〜12の範囲内の平均値を有し、
4≦(i+j)≦13であり、4≦(k+m)≦13である。
に適した一価有機基としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシル
のようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル、
キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。
成分a)及び成分b)は、4/1〜20/1、あるいは4/1〜10/1、あるいは5
/1〜20/1の範囲内の成分b)中のケイ素結合水素原子/成分a)中の不飽和有機基
のモル比(一般的にはSiH/Vi比と称される)をもたらすのに十分な量で存在す
ることができる。理論に縛られることは望まないが、SiH/Vi比が30/1以上
である場合、成分は架橋し、望ましくない物理的特性を有する生成物を形成し得;SiH
/Vi比が4/1未満である場合、プロセスの生成物は、とくに(分子当たり1個の
硬化性基を有する)単官能性反応種が成分c)として用いられる場合、十分に速い硬化速
度を有するのに十分なクラスタ化官能性基を有さないことがあり得ると考えられる。
理論に縛られることは望まないが、成分a)中の脂肪族不飽和有機基に対して過剰の成分
b)中のケイ素結合水素原子を用いることは、本明細書において記載するプロセスにより
調製したクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性シリコーン組成物中
で不溶性となる傾向があり、その保存寿命を低減し得るクラスタ化官能性ポリオルガノシ
ロキサンの高ホモログを生成する可能性を低減することができると考えられる。過剰の成
分b)中のケイ素結合水素原子は、反応性希釈剤又は粘度調整剤及び接着促進剤として機
能することができる小さな(比較的低DPの)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
をもたらすこともできる。小さな高官能性水素化シリコーンの阻害性質はヒドロシリル化
プロセスを開始させるのに一般的には50℃より高い温度が必要であることを意味するの
で、産業環境においてこれらの高官能性小分子を生成するのは難しい。この後大きなエキ
ソサームが発生し、これは大量の溶媒の存在下又は試薬の注意深い監視を用いて温度が制
御されない場合、危険であり得る。SiH/Vi比を単純に変えることにより、これ
らの種をクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン及び充填剤の希釈溶液において製造す
ることができ、これによりゲル化及び非制御発熱反応による発火の可能性を大幅に低減す
る。
成分c)反応種
反応種は、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンにおいて硬化性基をもたらすこと
ができるいずれかの種であってもよい。反応種は、分子当たり平均少なくとも1個の、成
分b)のケイ素結合水素原子との付加反応を行うことができる、脂肪族不飽和有機基を有
する。成分c)は分子当たり1個以上の硬化性基をさらに含む。硬化性基は、(上述のプ
ロセスにより調製される)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを硬化性にする官能
性(反応性)基である。成分c)上の硬化性基は、アクリレート、アルコール、アルコキ
シ、エポキシ、イソシアネート、メタクリレート、ウレタン、及びこれら組み合わせから
選択することができる。あるいは、成分c)上の硬化性基は、アクリレート、アルコキシ
、エポキシ、メタクリレート、及びこれらの組み合わせから選択することができる。成分
c)よりもたらされる硬化性基のすべてが同じである場合、プロセスの生成物は「単独硬
化」クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと考えられる。成分c)より2つ以上の異
なる硬化性基、例えばアルコキシ及びエポキシがもたらされる場合、生成物は「多重硬化
」クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと考えられる。成分c)は1つの反応種、又
は2つ以上の反応種を含む組み合わせであってもよい。成分c)が2つ以上の反応種を含
む場合、2つ以上の反応種は2つ以上の異なる硬化性基を有する。成分c)はケイ素含有
種又は有機種を含むことができる。あるいは、成分c)はシランのようなケイ素含有種を
含むことができる。
例えば、成分c)は式(VIII)のシランを含むことができ、式(VIII)はR
SiR (3−O)であり、式中、
下付き文字oは1〜3の範囲内の値を有し、
各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、
各Rは独立してアクリレート基、アルコール基、アルコキシ基、エポキシ基、イソシア
ネート基、メタクリレート基、及びウレタン基を含有する有機基から選択される。あるい
は、各Rは独立してアルケニル基又はアルキニル基から選択することができる。R
適したアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、及びブテニルが挙げら
れる。Rに適したアルキニル基の例としては、エチニル及びプロピニルが挙げられる。
あるいは、各Rは独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリ
レート基から選択することができる。あるいは、成分c)は2つ以上の式(VII)のシ
ランを含むことができ、式(VII)はR SiR (3−n)であり、式中、各下付
き文字nは独立して1〜3の範囲内の値を有し、
各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、
各Rは独立してアクリレート基、アルコール基、アルコキシ基、エポキシ基、イソシア
ネート基、メタクリレート基、及びウレタン基から選択される。
あるいは、各Rは独立してアルケニル基又はアルキニル基から選択することができる。
あるいは、各Rは独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリ
レート基から選択することができる。1つのシラン上の少なくとも1つのR基は別のシ
ラン上の少なくとも1つの他のR基とは異なり得る。式(VII)及び(VIII)に
適したシランの例としては、これらに限定されないが、アルケニル基、例えば、ビニル、
アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−イソブテニル、2−イソブテニル、1−se
c−ブテニル、2−sec−ブテニル、5−へキセニルを有する有機官能性シランが挙げ
られ、例としては、アリルトリメトキシシラン及び5−へキセニルトリメトキシシランが
挙げられる。
あるいは、成分c)は(ケイ素原子を含有しない)有機化合物を含むことができる。成
分c)の有機化合物は分子当たり平均1〜2個のアルケニル又はアルキニル基のような脂
肪族不飽和有機基、並びにアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリレ
ート基から選択される1個以上の反応性基を有することができる。成分c)に適した有機
化合物の例としては、これらに限定されないが、2−アリルフェノール、2−アリルオキ
シエタノール、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、又は4−アリル−2−メ
トキシフェノールのようなアリルアルコール;ビニルアルコール;アリルメタクリレート
(AMA)又はビニルメタクリレートのようなアルケニルアクリレート;4−ビニルシク
ロヘキサンオキシド(VCHO)、リモネンオキシド、7−エポキシ−1−オクテン、又
は4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシドのようなアルケニルエポキシド;
アリルトリメトキシシラン(ATMS)、アリルトリイソプロポキシシラン、ブテニルト
リエトキシシラン、5−へキセニルトリエトキシシラン、又は10−ウンデシルトリメト
キシシランのようなアルケニルトリアルコキシシラン;アリルグリシジルエーテル(AG
E)、アリルフェノールエーテル、1−アリルエーテル−2,3−プロパンジオール、ト
リメチロールプロパンアリルエーテル、又はアリルビニルエーテルのようなアリルエーテ
ル;アリルアルコールプロポキシレート;アリルアセテート;アリルアセトアセテート;
並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
成分c)の量は、成分b)のタイプ、量及びSiH含有量並びに選択される成分c)の
タイプを含む各種要因によって決まる。しかしながら、成分c)の量はSiHtot/V
totを1/1〜1/1.4、あるいは1/1.2〜1.1/1の範囲内とするのに十
分である。SiHtot/Vitot比は、組み合わされた成分a)及びc)上の脂肪族
不飽和有機基の総量で割った、成分b)並びに、存在する場合成分g)鎖延長剤及び/又
は成分h)末端キャップ剤(後述する)上のケイ素結合水素原子の総量のモル比を意味す
る。
成分d)ヒドロシリル化触媒
成分d)は、成分a)、b)、及びc)の反応を促進するヒドロシリル化触媒である。
成分d)は成分a)、b)、及びc)の反応を促進するのに十分な量で添加することがで
き、この量は、例えば、プロセスに用いられるすべての成分の総重量に対して、100万
分の0.1部(ppm)〜1000ppm、あるいは1〜500ppm、あるいは2pp
m〜200ppm、あるいは5ppm〜150ppmの白金族金属をもたらすのに十分で
あってもよい。
適切なヒドロシリル化触媒は当技術分野において知られ、市販されている。成分d)は
白金(Pt)、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム若しくはイリジウム金属
若しくはこれらの有機金属化合物、又はこれらの組み合わせから選択される白金族金属を
含むことができる。成分d)の例としては、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白
金、及び該化合物の低分子量オルガノシロキサンとの錯体のような化合物又はマトリクス
若しくはコアシェル型構造にマイクロカプセル化した白金化合物が挙げられる。白金の低
分子量オルガノポリシロキサンとの錯体としては、1,3−ジエテニル−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン白金錯体が挙げられる。これらの錯体は樹脂マトリクスにマ
イクロカプセル化することができる。あるいは、触媒は1,3−ジエテニル−1,1,3
,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体を含むことができる。触媒が低分子量オルガノ
シロキサンとの白金錯体である場合、触媒の量はプロセスにおいて用いられる成分の総重
量に対して0.04〜0.4%の範囲内とすることができる。
成分d)に適したヒドロシリル化触媒については、例えば、米国特許第3,159,6
01号;第3,220,972号;第3,296,291号;第3,419,593号;
第3,516,946号;第3,814,730号;第3,989,668号;第4,7
84,879号;第5,036,117号;及び第5,175,325号並びに欧州特許
第EP0347895B号に記載されている。マイクロカプセル化ヒドロシリル化触媒及
びそれらの調製方法は、米国特許第4,766,176号;及び米国特許第5,017,
654号において例示されているように、当技術分野において知られている。
追加成分
上述のプロセスにおいて用いられる成分は任意でe)充填剤、f)非反応性樹脂、g)
鎖延長剤、及びh)末端キャップ剤、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の
追加成分をさらに含むことができる。あるいは、本プロセスにおいて用いられる成分は、
成分a)、b)、c)、d)、及びe)であってもよい。あるいは、本プロセスにおいて
用いられる成分は、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びg)であってもよい。ある
いは、本プロセスにおいて用いられる成分は、成分a)、b)、c)、d)、e)、及び
h)であってもよい。あるいは、本プロセスにおいて用いられる成分は、成分a)、b)
、c)、d)、e)、g)及びh)であってもよい。
成分e)充填剤
充填剤は上述のプロセス中に添加することができる。充填剤の例としては、アルミナ、
炭酸カルシウム(例えば、ヒュームド、粉砕、及び/又は沈降)、珪藻土、石英、シリカ
(例えば、ヒュームド、粉砕、及び/又は沈降)、タルク、酸化亜鉛、チョップドKEV
LAR(登録商標)のような短繊維、又はこれらの組み合わせのような補強及び/又は増
量充填剤が挙げられる。充填剤の量は、選択される充填剤のタイプ及び本プロセスにより
製造されるクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの最終用途を含む各種要因によって
決まるだろう。しかしながら、充填剤の量は、すべての成分の総量に対して最大20%、
あるいは1%〜20%であってもよい。上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能
性ポリオルガノシロキサンを接着剤組成物に用いる場合、充填剤の量は10%〜20%の
範囲内とすることができる。あるいは、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを封止
材組成物に用いる場合、充填剤の量は4%〜10%の範囲内とすることができる。
理論に縛られることは望まないが、充填剤を本明細書に記載するプロセス中に添加する
場合、これは従来の「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンを多重ステッププロセスにお
いて形成し、その後充填剤を分散させる従来プロセスと比較して引張特性の向上をもたら
すだろうと考えられる。従って、本明細書に記載するプロセスは、段落[0013]で上
述したプロセスのステップI)前又はその間に成分e)、充填剤を成分a)と混合するス
テップをさらに含むことができる。あるいは、本プロセスはステップI)前若しくはその
間にe)充填剤を成分a)と混合するステップ又はステップI)後及び段落[0014]
において上述したプロセスのステップII)前若しくはその間にe)充填剤を成分と混合
するステップをさらに含むことができる。
充填剤を添加する上記プロセスステップは多くの硬化性基に利点をもたらすことができ
るが、(例えば、加水分解性基を含有する)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと
の有害反応は依然問題であり得る。この問題に対処するため、本プロセスは、段落[00
13]で上述したプロセスのステップ1)前又はその間にe)充填剤及びe’)充填剤処
理剤を成分a)と混合するステップをさらに含むことができる。あるいは、本プロセスは
、ステップI)前若しくはその間e)充填剤及びe’)充填剤処理剤を成分a)と混合す
るステップ又はステップI)後及び段落[0016]に上述したプロセスII)前若しく
はその間にe)充填剤及びe’)充填剤処理剤を成分と混合するステップをさらに含むこ
とができる。上述の充填剤表面の効果的なin situ処理は高温及び/又は真空条件
が必要であり得る。これらの条件は感温不飽和官能性基及びそれらの酸素使用可能酸化防
止剤にとっても望ましくなくあり得る。従って、充填剤は充填剤処理剤で成分a)の存在
下、高温で及び/又は真空下で予備処理することができる。これらの充填剤処理条件は、
例えば、Kunimatsu他の米国特許第6,013,701号に記載されるようにバ
ッチ又は連続プロセスで行うことができる。
ポリオルガノシロキサン中の処理充填剤の得られる組み合わせはマスターバッチと称さ
れる。マスターバッチは市販されている。マスターバッチの使用は、成分a)の脂肪族不
飽和有機基の成分b)のケイ素結合水素原子及び成分c)の不飽和有機基との速やかな反
応を単独低せん断ステップにおいて行うことを可能にし、向上したレオロジー及び保存特
性とともに優れた引張及び接着特性を有する充填クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサ
ンをもたらす。
脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキサン及び処理充填剤、任意で同じ又は
異なる分子量の(脂肪族不飽和有機基を有する)第2のポリオルガノシロキサンを含むマ
スターバッチを成分b)及びc)と組み合わせることができ、得られる混合物は成分d)
の添加前に室温でせん断することができる。次に50℃〜100℃、あるいは70℃〜8
5℃まで昇温することにより反応を開始させることができ、フーリエ変換赤外線分光法(
FT−IR)により約2170cm−1で観測されるSiHピークがスペクトルの背景ま
で減少するのに必要な時間により測定されるように、すべてのSiHが反応するまで温度
を維持する。
脂肪族不飽和ポリオルガノシロキサン及び充填剤処理剤の熱安定性のため、これらのプ
ロセスはより高い温度及びせん断で行うことができ、ビニル末端ブロックPDMSのよう
な脂肪族不飽和ポリオルガノシロキサン(ポリマー)中の(シリカのような)処理充填剤
の安定な、再生産可能なマスターバッチを生成する。理論に縛られることは望まないが、
ポリマー/充填剤界面を高い温度及びせん断に露出することがポリマー/充填剤相互作用
を最適化し、安定なマスターバッチを製造すると考えられる。マスターバッチを用いるこ
とにより、当業者であれば、低い温度及びせん断で硬化性シリコーン組成物を製剤するこ
とができ、硬化性シリコーン組成物を異なる硬化化学反応で調製するのに本プロセスをよ
り幅広く適用可能にする利点を提供する。
充填剤処理剤は当技術分野において知られる処理剤であってもよい。充填剤処理剤の量
は、充填剤が充填剤処理剤でin situ処理されようと成分a)と組み合わせる前に
予備処理されようと、成分e)について選択される充填剤のタイプ及び量を含む各種要因
に応じて異なり得る。しかしながら、成分e)の充填剤の重量に対して、0.1%〜2%
の範囲内の量の充填剤処理剤を含むことができる。
充填剤処理剤は、アルコキシシランのようなシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサ
ン、環状ポリオルガノシロキサン、ジメチルシロキサン又はメチルフェニルシロキサンの
ようなヒドロキシ官能性オリゴシロキサン、ステアリン酸塩、又は脂肪酸を含むことがで
きる。アルコキシシランは式:R10 Si(OR11(4−p)を有することができ
、式中、下付き文字pは1、2、又は3であり、あるいはpは3である。各R10は独立
して炭素原子1〜50個、あるいは炭素原子6〜18個の一価炭化水素基のような炭素原
子1〜50個の一価有機基である。R10に適した一価炭化水素基の例としては、ヘキシ
ル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルのようなアル
キル基;並びにベンジル、フェニル及びフェニルエチルのような芳香族基が挙げられる。
10は飽和又は不飽和及び分岐又は非分岐である一価炭化水素基とすることができる。
あるいは、R10は飽和、非分岐、一価炭化水素基とすることができる。各R11は炭素
原子1〜4個、あるいは炭素原子1〜2個の飽和炭化水素基であってもよい。
アルコキシシラン充填剤処理剤の例としては、へキシルトリメトキシシラン、オクチル
トリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラ
デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシ
シラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれ
らの組み合わせが挙げられる。
アルコキシ官能性オリゴシロキサンを処理剤として用いることもできる。アルコキシ官
能性オリゴシロキサン及びそれらの調製方法は当技術分野において知られ、例えば、欧州
特許第EP1101167A2号を参照されたい。例えば、適切なアルコキシ官能性オリ
ゴシロキサンとしては式(R14O)Si(OSiR12 13(4−q)のもの
が挙げられる。この式中、下付き文字qは1、2、又は3であり、あるいはqは3である
。各R12は独立して炭素原子1〜10個の飽和及び不飽和一価炭化水素基から選択する
ことができる。各R13は少なくとも11個の炭素原子を有する飽和又は不飽和一価炭化
水素基とすることができる。各R14はアルキル基とすることができる。
あるいは、アルコキシシランを、一般的には反応性の小さいアルコキシシランと表面ヒ
ドロキシルとの反応を触媒するシラザンと組み合わせて、用いることができる。こうした
反応は一般的には100℃より高い温度、高せん断で、アンモニア、メタノール及び水の
ような揮発性副生成物を除去しながら行われる。
あるいは、充填剤処理剤は、一般的にはシリカ充填剤を処理するのに用いられる有機ケ
イ素化合物のいずれかとすることができる。有機ケイ素化合物の例としては、これらに限
定されないが、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、及びトリメチルモノ
クロロシランのようなオルガノクロロシラン;ヒドロキシ末端ブロックジメチルシロキサ
ンオリゴマー、ヘキサメチルジシロキサン、及びテトラメチルジビニルジシロキサンのよ
うなオルガノシロキサン;ヘキサメチルジシラザン及びヘキサメチルシクロトリシラザン
のようなオルガノシラザン;並びにメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び3
−メタクリロールオキシプロピルトリメトキシシランのようなオルガノアルコキシシラン
が挙げられる。ステアリン酸塩の例としてはステアリン酸カルシウムが挙げられる。脂肪
酸の例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、獣脂、ココナツ油、及びこ
れらの組み合わせが挙げられる。充填剤処理剤及びそれらの使用方法の例は、例えば、欧
州特許第EP1101167A2号並びに米国特許第5,051,455号、第5,05
3,442号、及び第6,169,142号(第4段落第42行〜第5段落第12行)に
開示されている。
成分f)非反応性樹脂
本明細書において有用な非反応性シリコーン樹脂は、R15 SiO1/2により表さ
れる単官能性単位及びSiO4/2により表される三官能性単位を含有する。R15は炭
化水素基のような非官能性一価有機基を表す。シリコーン樹脂はベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘプタン等のような液体炭化水素中又は低粘度環状及び線状ポリジオルガノシロ
キサンのような液体有機ケイ素化合物中に可溶性である。
15 SiO1/2単位中、R15は最大20個の炭素原子、あるいは1〜10個の
炭素原子を含有する一価炭化水素基であってもよい。R15に適した一価炭化水素基の例
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル及びオ
クタデシルのようなアルキル基;シクロへキシル及びシクロへキセニルエチルのような脂
環式基;並びにフェニル、トリル、キシリル、ベンジル及び2−フェニルエチルのような
アリール基が挙げられる。R15の有機基の例としては、例えば、非反応性置換基で水素
原子を置き換えて修飾した上記炭化水素基が挙げられ、非反応性置換基としてはこれらに
限定されないがハロゲン及びシアノを挙げることができる。R15により表すことができ
る一般的な有機基としては、これらに限定されないが、クロロメチル及び3,3,3−ト
リフルオロプロピルが挙げられる。
シリコーン樹脂中のR15 SiO1/2及びSiO4/2単位のモル比は0.5/1
〜1.5/1、あるいは0.6/1〜0.9/1の範囲内とすることができる。これらの
モル比はケイ素29核磁気共鳴分光法(29Si NMR)により便利に測定される。こ
の技術は、シリコーン樹脂の総ヒドロキシル含有量に加え、シリコーン樹脂から誘導され
るR15 SiO1/2(「M」)及びSiO4/2(「Q」)単位の濃度を定質的に測
定することができる。
シリコーン樹脂は、2.0%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下の式
XSiO3/2により表される末端単位をさらに含むことができ、式中、Xはヒドロキシ
ル又は加水分解性基、例えばメトキシ及びエトキシのようなアルコキシを表す。シリコー
ン樹脂中に存在する加水分解性基の濃度はFT−IRを用いて測定することができる。
数平均分子量、Mは、少なくとも部分的にシリコーン樹脂の分子量及びこの成分中に
存在するR15により表される炭化水素基のタイプによって決まるだろう。本明細書にお
いて用いられるMは、ネオペンタマーを表すピークが測定から排除される場合、ゲル透
過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される分子量を表す。シリコーン樹脂のM
は一般的には3,000より大きく、あるいは、Mは4,500〜7,500の範囲
内とすることができる。
シリコーン樹脂はいずれかの適切な方法により調製することができる。このタイプのシ
リコーン樹脂は対応するシランの共加水分解により、又は当技術分野において知られるシ
リカヒドロゾルキャッピング法により調製されている。シリコーン樹脂は、Daudt他
の米国特許第2,676,182号;Rivers−Farrell他の米国特許第4,
611,042号;及びButlerの米国特許第4,774,310号のシリカヒドロ
ゾルキャッピングプロセスにより調製することができる。
シリコーン樹脂を調製するのに用いられる中間体は一般的には、式R15 SiX’の
トリオルガノシランであり、式中、X’は加水分解性基、及びハロゲン、アルコキシ若し
くはヒドロキシルのような4個の加水分解性基を有するシラン、又はケイ酸ナトリウムの
ようなアルカリ金属ケイ酸塩のいずれかを表す。
シリコーン樹脂中のケイ素結合ヒドロキシル基(すなわち、HOR15SiO1/2
はHOSiO3/2基)はシリコーン樹脂の総重量に対して0.7%未満、あるいは0.
3%未満であることが望ましい。シリコーン樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロ
キシル基は、シリコーン樹脂を適当な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラ
ザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に変換す
ることができる。加水分解性基を含有するシランを一般的には、シリコーン樹脂のケイ素
結合ヒドロキシル基と反応させるのに必要な量を超えて添加する。
成分g)鎖延長剤
成分g)は鎖延長剤である。鎖延長剤は水素原子によって両端で終了するポリジオルガ
ノシロキサンであってもよい。例となる鎖延長剤は式(XVII):HR16 Si−(
16 SiO)−SiR16 Hを有することができ、式中、各R16は独立して一
価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのよ
うなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル、及びベンジルのようなアリールであ
る。下付き文字rは0〜400、あるいは10〜100の範囲内の平均値を有する。
鎖延長剤を用いるかどうか、及び存在する場合用いられる量は、システムにおける固有
の架橋度を含む各種要因によって決まる。例えば、比較的低い平均DP、例えば、60〜
400の範囲内の平均DPを有する成分a)のポリオルガノシロキサンで開始させる場合
、組み合わされたすべての成分中のSiH含有量の50モル%〜80モル%、あるいは7
0モル%は鎖延長剤からもたらすことができる。より長いビニル末端ブロックポリマー(
平均DP>400)を用いる場合、より低いレベル、例えば、鎖延長分子からのSiHは
25モル%〜50モル%、好適には40モル%が効果的である。
成分h)末端キャップ剤
成分h)は末端キャップ剤である。末端キャップ剤は分子当たり1個の水素原子を有す
るポリジオルガノシロキサンであってもよい。例となる末端キャップ剤は式(XVIII
)、式(XIX)、又はこれらの組み合わせを有することができる。式(XVIII)は
17 Si−(R17 SiO)−SiR17 Hである。各R17は独立して一価
炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのよ
うなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル及びベンジルのようなアリールであり
、下付き文字sは0〜10の範囲内、あるいは1〜10、あるいは1の値を有する。式(
XIX)はR18 Si−(R18 SiO)−(HR18SiO)−SiR18
ある。この式中、各R18は独立して一価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル
、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのようなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリ
ル及びベンジルのようなアリールである。下付き文字tは0〜10の範囲内、あるいは0
の値を有する。
あるいは、鎖延長剤又は末端キャップ剤の1つが用いられる;すなわち、この場合、鎖
延長剤及び末端キャップ剤は互いに組み合わされない。
末端キャップ剤は、システムにおいて使用可能なSiHのモルパーセントとして用いら
れる場合、より高い引張特性のより緩いネットワークを生成するという利点を提供するこ
とができる。添加される末端キャップ剤の量は、本プロセスにおいて用いられるすべての
成分の総重量に対して0〜15%の範囲内、あるいは2%〜15%、あるいは10%とす
ることができる。
本プロセスにおいて鎖延長剤又は末端キャップ剤を有する第2の利点は、反応前の粘度
の初期低減であり、反応を促進し、不十分な混合及び局所ゲル形成によるゲル化の傾向を
低減することができる。鎖延長剤又は末端キャップ剤を用いることは、成分a)の比較的
高い分子量のポリオルガノシロキサン(例えば、400より大きい平均DP)を用いる場
合及び充填剤が存在する場合とくに有益であり得る。
成分中のケイ素結合水素原子/成分中のヒドロシリル化を行うことができる不飽和有機
基の(一般的にはSiHtot/Vitot比と称される)モル比は1/1.4〜1/1
、あるいは1/1.2〜1/1.1の範囲内とすることができる。この比では、SiH
otは、 存在する場合成分g)及び/又はh)中のケイ素結合水素原子の量と組み合わ
せた、成分b)中のケイ素結合水素原子の量を指す。Vitotは、組み合わせた成分a
)及びc)中の脂肪族不飽和有機基の総量を指す。
成分i)触媒阻害剤
成分i)は触媒阻害剤である。成分i)を任意で段落[0013]において上述した方
法中のステップ1)後又は段落[0014]において上述した方法中のステップII)後
に添加し、反応を停止し、上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能性ポリオルガ
ノシロキサンを安定させることができる。適切な触媒阻害剤のいくつかの例としては、エ
チレン若しくは芳香族不飽和アミド;2−エチニル−イソプロパノール、2−エチニル−
ブタン−2−オル、2−メチル−3−ブチン−2−オル、2−フェニル−3−ブチン−2
−オル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オル、1−エチニル−1−シクロヘキサ
ノール、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、3,5−ジメチル−1−ヘキセ
ン−1−イン、3−エチル−3−ブテン−1−イン若しくは3−フェニル−3−ブテン−
1−インのようなアセチレン化合物;エチレン不飽和イソシアネート;シリル化アセチレ
ンアルコール、例えばトリメチル(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オキシ)シラ
ン、ジメチル−ビス−(3−メチル−1−ブチン−オキシ)シラン、メチルビニルビス(
3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、及び((1,1−ジメチル−2−プロピ
ニル)オキシ)トリメチルシラン;不飽和炭化水素ジエステル;共役エン−イン、例えば
2−イソブチル−1−ブテン−3−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、
3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3−メチル−3−ヘキセン−1−イン、1−エチ
ニルシクロヘキセン、3−エチル−3−ブテン−1−イン、及び3−フェニル−3−ブテ
ン−1−イン;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラビ
ニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、若しくは1,3−ジビニル−1,3−ジフェ
ニルジメチルジシロキサンのようなオレフィンシロキサン;1,3,5,7−テトラメチ
ル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン;上述の共役エン−イン及び
上述のオレフィンシロキサンの混合物;ヒドロペルオキシド;ニトリル及びジアジリン;
不飽和カルボン酸エステル、例えばジアリルマレエート、ジメチルマレエート、フジエチ
ルフマレート、ジアリルフマレート、及びビス−2−メトキシ−1−メチルエチルマレエ
ート、モノ−オクチルマレエート、モノ−イソオクチルマレエート、モノアリルマレエー
ト、モノメチルマレエート、モノエチルフマレート、モノアリルフマレート、及び2−メ
トキシ−1−メチルエチルマレエート;ジエチルフマレートのようなフマレート;アルコ
ールがベンジルアルコール若しくは1−オクタノール及びエテニルシクロへキシル−1−
オルであるフマレート/アルコール混合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、若しくはベンゾトリアゾールのような窒素含有化合物;トリフェニルホスフィン
のような同様のリン含有化合物;硫黄含有化合物;ヒドロペルオキシ化合物;又はこれら
の組み合わせが挙げられる。
阻害剤は、成分d)ヒドロシリル化触媒を非活性化する効果的な量で用いられる。その
量は触媒のタイプ及び量並びに選択される阻害剤のタイプに応じて変わるが、その量は成
分a)100重量部当たり0.001〜3重量部、あるいは0.01〜1重量部の範囲内
とすることができる。
使用方法
上述のプロセスは、反応性生成物として、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン、
又はクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン並びに充填剤及び/若しくは非反応性シリ
コーン樹脂のマスターバッチを製造する。集合的に、クラスタ化官能性ポリオルガノシロ
キサン、並びにクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン並びに充填剤及び/又は非反応
性シリコーン樹脂のマスターバッチを本明細書ではクラスタ化官能性生成物と称すること
ができる。このクラスタ化官能性生成物は、接着剤及び封止材のような硬化性シリコーン
組成物への製剤に有用である。硬化性シリコーン組成物の硬化メカニズムは、上述の成分
c)によりクラスタ化官能性生成物に与えられる硬化性基、及び後述する組成物に添加さ
れる他の成分によって決まる。硬化メカニズムは、例えば、熱ラジカル開始若しくは有機
ボラン開始のような熱硬化メカニズム;放射線ラジカル開始若しくはレドックス反応のよ
うな放射線硬化メカニズム;(熱の代わりにアミン反応性化合物を添加する場合)縮合反
応若しくは有機ボラン開始のような室温硬化メカニズム;又はこれらの組み合わせであっ
てもよい。
硬化性シリコーン組成物は:
(I)上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能性生成物、及び
(II)硬化剤
を含む。
硬化剤
硬化剤の選択は、成分(I)中の成分c)により供給される硬化性基のタイプ及び量に
よって決まるだろう。例えば、成分(I)がアクリレート若しくはメタクリレート基又は
エポキシ基のようなラジカル硬化性基を有する場合、硬化剤はラジカル開始剤を含むこと
ができる。
ラジカル開始剤は熱ラジカル開始剤又は放射線ラジカル開始剤であってもよい。熱ラジ
カル開始剤としては、これらに限定されないが、ジクミルペルオキシド、n−ブチル4,
4’−ビス(ブチルペロキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3
,3,5トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(t−
ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、1,1−ビス(tert−アミルペル
オキシ)シクロヘキサン(Luperox(登録商標)531M80)、2,2−ビス(
tert−ブチルペルオキシ)ブタン、2,4−ペンタンジオンペルオキシド(Lupe
rox(登録商標)224)、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−
ジメチルヘキサン(Luperox(登録商標)101)、2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、2−ブタノンペルオキシド、ベンゾ
イルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド(L
uperox(登録商標)DTA(登録商標))、ラウロイルペルオキシド(Luper
ox(登録商標)LP)、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペル
アセテート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ2
−エチルヘキシルカーボネート、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジク
ロロベンゾイルペルオキシド(米国コネチカット州ノーウォークのR.T.Vander
bilt Company,Inc.からVarox(登録商標)DCBPとして市販)
、ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロプロピル)ベンゼン、ジ(4−メチルベンゾ
イル)ペルオキシド、ブチル4,4−ジ(tert−ブチルペロキシ)バレレート、3,
3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、tert−ブチルペルオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサンノエート、tert−ブチルクミルペルオキシド
、ジ(4−tert−ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカーボネート(Perkad
ox16として市販)、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジ
カーボネート、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンジオクタノイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、tert−アミルペ
ルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルペルオキシピバレート、及びこ
れらの組み合わせが挙げられる。
こうした熱ラジカル開始剤の例は、以下の商品名:米国ペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのArkema,Inc.より販売されるLuperox(登録商標);米国イリノ
イ州シカゴのAkzo Nobel Polymer Chemicals LLCより
販売されるTrigonox及びPerkadox;米国デラウェア州ウィルミントンの
E.I.duPont deNemours and Co.より販売されるVAZO;
米国コネチカット州ノーウォークのR.T.Vanderbilt Company,I
nc.より販売されるVAROX(登録商標);並びに米国アラスカ州ヘレナのSyrg
is Performance Initiators,Inc.より販売されるNor
oxで市販されている。熱ラジカル開始剤の濃度は、組成物の重量に対して、0.01%
〜15%、あるいは0.1%〜5%、あるいは0.1%〜2%の範囲内とすることができ
る。
あるいは、ラジカル開始剤は、例えば、成分(I)がエポキシ基を有する場合、放射線
光開始剤であってもよい。放射線光開始剤は、Crivelloの米国特許第4,310
,469号及びKoshar他の第4,313,988号並びに欧州特許出願第EP05
62922号に開示されるもののような、当技術分野において知られる放射線硬化性シリ
コーン組成物のいずれかの従来型光開始剤であってもよい。光開始剤はカチオン性光開始
剤を含むことができる。カチオン性光開始剤は、150〜800nmの範囲内の波長を有
する放射線に露出するとクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの硬化(架橋)を開始
させることができるいずれかのカチオン性光開始剤とすることができる。カチオン性光開
始剤の例としては、これに限定されないが、オニウム塩が挙げられる。
適切なオニウム塩としては、R19 MG 、R19 MG 、R19
SeMG 、R19 MG 、及びR19 MG から選択される式を
有する塩が挙げられ、式中、各R19は独立して1〜30個の炭素原子を有する一価炭化
水素基のような一価有機基であり;Mは遷移金属、希土類金属、ランタニド金属、半金属
、リン、及び硫黄から選択される元素であり;Gはハロゲン原子(例えば、Cl、Br、
又はI)であり;下付き文字uは積u(G上の電荷数+Mの酸化数)=−1となるような
値を有する。炭化水素基上の置換基の例としては、これらに限定されないが、炭素原子1
〜8個のアルコキシ基、炭素原子1〜16個のアルキル基、ニトロ、クロロ、ブロモ、シ
アノ、カルボキシル、メルカプト、並びにピリジル、チオフェニル、及びピラニルのよう
な複素環芳香族基が挙げられる。Mにより表される金属の例としては、これらに限定され
ないが、Fe、Ti、Zr、Sc、V、Cr、及びMnのような遷移金属;Pr及びNd
のようなランタニド金属;Cs、Sb、Sn、Bi、Al、Ga、及びInのような他の
金属;B及びAsのような半金属;並びにPが挙げられる。式MG は非塩基性、非求
核性アニオンを表す。式MG を有するアニオンの例としては、これらに限定されない
が、BF 、PF 、AsF 、SbF 、SbCl 、及びSnCl
挙げられる。
オニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ビス(ドデシルフェニル)ヨード
ニウム塩、例えばビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアーセネート及
びビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートのようなビスジ
アリールヨードニウム塩;アルキルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
のようなアルキルフェニルヨードニウム塩;スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ス
ルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、及びボ
ロン酸のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。
スルホン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ペル
フルオロブタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロエタンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のジアリールヨードニウ
ム塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩のようなペルフル
オロアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩;並びにパラ−トルエンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩
、ベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、及び3−ニトロベンゼンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩のようなアリールスルホン酸のジアリールヨードニウム塩が
挙げられる。
スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ペ
ルフルオロブタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロエタンスルホ
ン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のトリアリールス
ルホニウム塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩のよう
なペルフルオロアルキルスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩;並びにパラ−トルエ
ンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリアリー
ルスルホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、及び3−ニトロ
ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩のようなアリールスルホン酸のトリア
リールスルホニウム塩が挙げられる。
ボロン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、これに限定されないが、ペルハロ
アリールボロン酸のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。ボロン酸のトリアリールス
ルホニウム塩の例としては、これに限定されないが、ペルハロアリールボロン酸のトリア
リールスルホニウム塩が挙げられる。
カチオン性光開始剤は、それぞれ上述のような、単一カチオン性光開始剤又は2つ以上
の異なるカチオン性光開始剤を含む組み合わせとすることができる。カチオン性光開始剤
の濃度は、硬化性シリコーン組成物の重量に対して、0.01%〜15%、あるいは0.
1%〜10%、あるいは0.1%〜5%、あるいは0.1%〜2%の範囲内とすることが
できる。
成分(I)がアルコール及び/又はアルコキシ基を有する場合、硬化剤は縮合反応触媒
を含むことができる。縮合反応触媒は、ルイス酸;第1級、第2級、若しくは第3級有機
アミン;金属酸化物;チタン化合物;スズ化合物;ジルコニウム化合物;又はこれらの組
み合わせであってもよい。縮合反応触媒は、金属の電気化学系列における鉛からマンガン
までの範囲内の金属のカルボン酸塩を含むことができる。あるいは、縮合反応触媒はキレ
ート化チタン化合物、テトラアルコキシチタネートのようなチタネート、チタンエステル
、又はこれらの組み合わせを含むことができる。適切なチタン化合物の例としては、これ
らに限定されないが、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセテート)、テトラブトキ
シチタネート、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、及びビス(エ
トキシアセトアセトネート)ジイソプロポキシチタン(IV)、並びにこれらの組み合わ
せが挙げられる。あるいは、縮合反応触媒は、ジブチルスズジアセテートのようなスズ化
合物;ジブチルスズジラウレート;ジブチルスズオキシド;第一スズオクトエート;スズ
オキシド;テトラブチルチタネート、テトラエチルヘキシルチタネート及びテトラフェニ
ルチタネートのようなチタンエステル;テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン及びビ
ス(トリメチルシロキシ)−ビス(イソプロポキシ)チタンのようなシロキシチタネート
;並びにビス(アセチルアセトニル)ジイソプロピルチタネートのようなβ−ジカルボニ
ルチタン化合物;又はこれらの組み合わせを含むことができる。あるいは、縮合反応触媒
はヘキシルアミンのようなアミン;又はアミンの酢酸塩若しくは第4級塩を含むことがで
きる。
縮合反応触媒の例は当技術分野において知られ、米国特許第4,962,076号;第
5,051,455号;第5,053,442号;第4,753,977号、第4段落第
35行〜第5段落第57行;及び第4,143,088号、第7段落第15行〜第10段
落第35行に開示されている。米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.du Pon
t de Nemours and CompanyからDuPont(商標)Tyzo
r(登録商標)PITAとして市販のチタンアセトアセテートエチル錯体のように、縮合
反応触媒は市販もされている。縮合反応触媒の量は、選択される触媒のタイプ及び組成物
中の残りの成分の選択を含む各種要因によって決まるが、縮合反応触媒の量は組成物の重
量に対して0.001%〜5%の範囲内とすることができる。
あるいは、硬化剤は有機ボラン−アミン錯体を含むことができる。有機ボランアミン錯
体は有機ボランと錯体を周囲条件で安定にする適切なアミン化合物との間で形成される錯
体である。錯体は、アミン反応性化合物の導入により、及び/又は加熱により成分(I)
の重合又は架橋を開始させることができなければならない。例としては、トリアルキルボ
ラン及び各種アミン化合物から形成されるアルキルボランアミン錯体がある。好適なモル
比は変わり得るが、最適なモル比は、Bがホウ素を表す場合、B原子当たり窒素基1〜1
0個の範囲内とすることができる。硬化剤を形成するのに有用なトリアルキルボランの例
としては、式B−R”のトリアルキルボランが挙げられるが、式中、R”は1〜20個
の炭素原子を含有する線状及び分岐脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。いくつかの例と
しては、トリメチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ
−sec−ブチルボラン、トリドデシルボラン、及びフェニルジエチルボランが挙げられ
る。
有機ボラン化合物との有機ボランアミン錯体を形成するのに有用なアミン化合物のいく
つかの例としては、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、メトキシプ
ロピルアミン、ピリジン、及びイソホロンジアミンが挙げられる。有機ボランアミン錯体
を形成するのに有用なアミン化合物の他の例は、米国特許第6,777,512号(‘5
12特許)、及び米国特許第6,806,330号に記載されている。
ケイ素含有アミン化合物を用い、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノメチ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノメチルトリエト
キシシラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、アミノプロピルシラントリオ
ール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
ジイソプロピルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラ
ン、N−(6−アミノへキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フ
ェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシ
ラン、及び(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミンのような組成物
を含む有機ボランアミン錯体を形成することもできる。
アミン官能性ポリオルガノシロキサンも、アミン官能性ポリジオルガノシロキサン、及
びアミン官能性ポリオルガノシロキサン樹脂を含む有機ボランアミン錯体を形成するのに
有用である。これは、分子が3−アミノプロピル、2−アミノエチル、アミノメチル、6
−アミノへキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイ
ソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、及び3−プロピルピロールのよう
な、少なくとも1つのアミン官能性基を含有するという条件に従っている。
具体例としては、末端及び/又は側鎖アミン官能性ポリジメチルシロキサンオリゴマー
及びポリマー、ポリジメチルシロキサン及びポリ(3,3,3−トリフルオロプロピル−
メチルシロキサン)の末端及び/又は側鎖アミン官能性ランダム、グラフト及びブロック
コポリマー及びコオリゴマー、ポリジメチルシロキサン及びポリ(6,6,6,5,5,
4,4,3,3−ノナフルオロへキシル−メチルシロキサン)の末端及び/又は側鎖アミ
ン官能性ランダム、グラフト及びブロックコポリマー及びコオリゴマー、並びにポリジメ
チルシロキサン及びポリフェニルメチルシロキサンの末端及び/又は側鎖アミン官能性ラ
ンダム、グラフト及びブロックコポリマー及びコオリゴマーが挙げられる。
有機ボランアミン錯体を形成するのに、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4
,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、窒素含有ポリオル
ガノシロキサン、及び少なくとも1つの基がイミダゾール、アミジン、又はウレイド官能
性基であるポリオルガノシロキサン樹脂を含む他の窒素含有化合物も有用である。アミン
化合物がポリマー性である場合、組成物の硬化又は重合を可能にするのに十分に高い濃度
のホウ素を維持するようなものでなければならない以外、分子量は限定されない。例えば
、二液型組成物中、有機ボラン開始剤を含有する液は組成物の他の成分で希釈することが
でき、又は開始剤錯体単独で構成することができる。
有機ボランアミン錯体が硬化剤として用いられる場合、硬化性シリコーン組成物は、有
機ボランアミン錯体と混合し、酸素化環境に露出すると組成物の重合又は架橋を開始させ
ることができるアミン反応性化合物をさらに含むことができる。アミン反応性化合物の存
在は、室温以下を含む有機ボランアミン錯体の解離温度より低い温度で重合又は架橋を開
始させることを可能にする。酸素の存在下での保存安定性を達成するため、有機ボランア
ミン錯体及びアミン反応性化合物は物理的に又は化学的に分離することができる。例えば
、アミン反応性化合物を含有する組成物は、多液型組成物として有機ボランアミン錯体と
は別々にパッケージングすることにより空気中で安定させることができる。あるいは、有
機ボランアミン錯体、アミン反応性化合物、若しくは両方をカプセル化する、又は別々の
相中で供給することができる。これは、有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物の
1つ又は両方を、有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物の密接な混合を妨げる固
体形態で導入することにより達成することができる。組成物の硬化は、(a)固相成分若
しくはカプセル化剤の軟化温度より高い温度で加熱するステップ、又は(b)有機ボラン
アミン錯体及びアミン反応性化合物を混合させる可溶化剤の導入ステップにより、活性化
させることができる。有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物は、2つの成分を混
合条件が嫌気性である容器中にパッケージングすることにより、顕著な重合又は架橋なし
に、単一容器中で組み合わせることもできる。
酸素の存在下で重合又は硬化を迅速に開始させることができるアミン反応性基を有する
いくつかのアミン反応性化合物の例としては、鉱酸、ルイス酸、カルボン酸、無水物及び
サクシネートのようなカルボン酸誘導体、カルボン酸金属塩、イソシアネート、アルデヒ
ド、エポキシド、酸塩化物、並びに塩化スルホニルが挙げられる。いくつかの適切なアミ
ン反応性化合物としては、アクリル酸、ポリアクリル酸、メタクリル酸、ポリメタクリル
酸、メタクリル酸無水物、ポリメタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、イソ
ホロンジイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、2−(メタクリロイルオキシ
)エチルアセトアセテート、ウンデシレンアルデヒド、及びドデシルサクシニック無水物
が挙げられる。
硬化性シリコーン組成物における向上した相溶性のため、アミン反応性化合物はアミン
官能性基を有するオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンであってもよい。いくつか
の例としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン;イソシアナトメチルトリ
メトキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;トリエトキシシリルプ
ロピルサクシニック無水物;プロピルサクシニック無水物官能基化線状、分岐、樹脂、及
び超分岐オルガノポリシロキサン;メチルサクシニック無水物官能基化線状、分岐、樹脂
、及び超分岐オルガノポリシロキサン;シクロへキセニル無水物官能性線状、樹脂、及び
超分岐オルガノポリシロキサン;カルボキシデシル末端オリゴマー又はポリマーポリジメ
チルシロキサンのようなカルボン酸官能基化線状、分岐、樹脂、及び超分岐オルガノポリ
シロキサン;並びにウンデシレンアルデヒド末端オリゴマー又はポリマーポリジメチルシ
ロキサンのようなアルデヒド官能基化線状、分岐、樹脂、及び超分岐オルガノポリシロキ
サンが挙げられる。’512特許は、水分に露出すると酸を放出する特定の化合物を含む
、用いることができるケイ素含有化合物について記載する。’512特許は、脱錯化剤と
称される他のアミン反応性化合物についても記載する。あるいは、脱錯化剤は酸、無水物
、イソシアネート、又はエポキシから選択することができる。具体例としては、3−(ト
リエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、ノネニルサクシニック無水物、酢酸、
2−カルボキシエチルアクリレート、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、
及びアクリル酸が挙げられる。
あるいは、硬化剤は、ラジカル重合の開始剤としてレドックス試薬を含むことができる
。試薬はペルオキシド及びアミン又は遷移金属キレートの組み合わせであってもよい。レ
ドックス試薬の例としては、これらに限定されないが、ベンゾイルペルオキシド及びアセ
チルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド;クメンヒドロペルオキシド及びt−ブ
チルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;メチルエチルケトンペルオキシド
及びシクロヘキサノンペルオキシドのようなケトンペルオキシド;ジクミルペルオキシド
及びジ−t−ブチルペルオキシドのようなジアルキルペルオキシド;t−ブチルペルオキ
シアセテートのようなペルオキシエステル;並びにチオグリセロール及びピラゾール及び
/又はピラゾロンの組み合わせが挙げられる。あるいは、レドックス試薬の例としては、
ジメチルアニリン、3,5−ジメチルピラゾール、チオグリセロール、及びこれらの組み
合わせを挙げることができる。適切なレドックス試薬開始剤の例は当技術分野において知
られ、米国特許第5,459,206号において例示されている。他の適切なペルオキシ
ドは当技術分野において知られ、ラウロイルペルオキシド(ArkemaのLupero
x(登録商標)LP)、ジクロロベンゾイルペルオキシド(R.T.Vanderbil
t Company,Inc.のVarox(登録商標)DCBP)及び6Ntert−
ブチルヒドロペルオキシドのように市販されている。
成分(I)がイソシアネート基又はウレタン基を有する場合、硬化剤は、ポリオールの
ような2つ以上のカルビノール基を有する化合物、又はアミン官能性化合物を含むことが
できる。硬化剤はカルビノール基及び/又はアミン官能性基を有する有機化合物又はシリ
コーン化合物であってもよい。イソシアネート及び/又はウレタン基を有する成分(I)
に適した硬化剤の例としては、米国特許第7,452,956号及び国際公開第WO20
08/088492号(段落[0018]〜[0037])に開示されるものが挙げられ
る。
あるいは、成分(I)が2つ以上のタイプの硬化性基を有する場合、2つ以上のタイプ
の硬化剤を組成物に添加することができる。例えば、成分(I)がエポキシ及びアルコキ
シ基のようなラジカル硬化性基及び縮合反応硬化性基の両方を有する場合、ラジカル開始
剤及び縮合反応触媒の組み合わせを用いることができる。
他の任意の成分
硬化性シリコーン組成物は任意で1つ以上の追加成分をさらに含むことができる。追加
成分の例としては、(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)着色
剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、及びこれ
らの組み合わせが挙げられる。硬化性シリコーン組成物は任意で、充填剤をクラスタ化官
能性ポリオルガノシロキサンの製造プロセス中に添加しなかった場合、又はより多くの若
しくは異なる充填剤を製剤することが望ましい、例えば、添加される充填剤が後述する熱
伝導性充填剤である場合、例えば、(X)充填剤、(XI)充填剤処理剤、(XII)酸
受容体、及びこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
成分(III)は架橋剤である。架橋剤のタイプ及び量は、成分(I)上の硬化性基の
タイプ及び量を含む各種要因によって決まるだろう。硬化性シリコーン組成物が縮合反応
硬化性である場合、組成物は任意で(III)架橋剤をさらに含むことができる。縮合反
応架橋剤は、例えば、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリ
メトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、及びメチルトリエトキシシランのようなトリアル
コキシシラン;メチルトリアセトキシシラン又はエチルトリアセトキシシランのようなア
セトキシシラン;メチルトリ(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラ(メチルエチル
ケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、及びビニルトリ
ス(メチルエチルケトキシモ)シランのようなケトキシモシラン;テトラエチルオルトシ
リケート、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及び一般的にはアルキルポリ
シリケートと称されるこれらのオルトシリケートの縮合生成物のようなアルキルオルトシ
リケート;メチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シラン;並びにこれらの組み合
わせから選択することができる。
成分(IV)は溶媒である。適切な溶媒の例としては、トルエン、キシレン、アセトン
、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、デシルアルコー
ル又はウンデシルアルコールのようなアルコール、及びこれらの組み合わせのような有機
溶媒;並びにトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、トリメチルシロキシ末端
ポリメチルフェニルシロキサン、及びこれらの組み合わせのような非架橋性シリコーン溶
媒が挙げられる。シリコーン溶媒の例は当技術分野において知られ、例えば、米国ミシガ
ン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーションからDOW CORNING(登録
商標)OS Fluidsとして市販されている。成分(IV)の量は硬化性シリコーン
組成物の重量に対して0.001%〜90%の範囲内とすることができる。
成分(V)は接着促進剤である。適切な接着促進剤の例としては、エポキシ官能性アル
コキシシラン、若しくはメルカプト官能性化合物のようなアルコキシシラン;アルコキシ
シラン及びヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ:メルカプト官能性化
合物;不飽和化合物;エポキシ官能性シラン;エポキシ官能性シロキサン;エポキシ官能
性シラン若しくはエポキシ官能性シロキサン及びヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサ
ンの反応生成物のような組み合わせ;又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切な接着
促進剤は当技術分野において知られ、市販されている。例えば、Silquest(登録
商標)A186は米国コネチカット州ミドルベリーのCrompton OSi Spe
cialtiesから市販のβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキ
シシランである。CD9050は、金属基板への接着性をもたらし、放射線硬化性組成物
用に設計された接着促進剤として有用な単官能性酸エステルである。CD9050はSa
rtomer Co.から市販されている。SR489Dはトリデシルアクリレートであ
り、SR395はイソデシルアクリレートであり、SR257はステアリルアクリレート
であり、SR506はイソボロニルアクリレートであり、SR833Sはトリシクロデカ
ンジメタノールジアクリレートであり、SR238は1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートであり、SR351はトリメチロールプロパントリアクリレートであり、これらも
すべてSartomer Co.から市販されている。組成物に添加する接着促進剤の量
は、選択される具体的な接着促進剤、組成物の他の成分、及び組成物の最終用途を含む各
種要因によって決まるが、その量は組成物の重量に対して0.1%〜5%の範囲内とする
ことができる。金属への接着を促進するのに有用な他の適切な接着促進剤としては、マレ
イン酸無水物、メタクリル酸無水物、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。
成分(V)は不飽和又はエポキシ官能性化合物とすることができる。適切なエポキシ官
能性化合物は当技術分野において知られ、市販されており、例えば、米国特許第4,08
7,585号;第5,194,649号;第5,248,715号;及び第5,744,
507号(第4〜5段落)を参照されたい。成分(g)は不飽和又はエポキシ官能性アル
コキシシランを含むことができる。例えば、官能性アルコキシシランは式R20 Si(
OR21(4−v)を有することができ、式中、下付き文字vは1、2、又は3であり
、あるいはvは1である。
各R20は独立して一価有機基であるが、ただし、少なくとも1つのR20は不飽和有
機基又はエポキシ官能性有機基である。R20のエポキシ官能性有機基の例としては、3
−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロへキシル)エチルが挙げられる。R20
不飽和有機基の例としては、3−メタクリロールオキシプロピル、3−アクリロールオキ
シプロピル、並びにビニル、アリル、へキセニル、及びウンデシレニルのような不飽和一
価炭化水素基が挙げられる。
各R21は独立して炭素原子1〜4個、あるいは炭素原子1〜2個の非置換、飽和炭化
水素基である。R21の例としては、メチル、エチル、プロピル、及びブチルが挙げられ
る。
適切なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロへキ
シル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロへキシル)エチルジエトキシシラン及
びこれらの組み合わせが挙げられる。適切な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、へキセ
ニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3−メタクリロールオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロールオキシプロピルトリエトキシシラン
、3−アクリロールオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロールオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、適切な接着促
進剤の例としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びグリシドキシプロピル
トリメトキシシランのアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせが
挙げられる。
成分(V)は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンの上述のようなエポキシ官能性
アルコキシシランとの反応生成物、又はヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンのエポキ
シ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドのようなエポキシ官能性シロキサンを含む
ことができる。成分(V)はエポキシ官能性アルコキシシラン及びエポキシ官能性シロキ
サンの組み合わせを含むことができる。例えば、成分(V)の例としては、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物の混合物、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの混合物、又は3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロ
キサンコポリマーの混合物が挙げられる。反応生成物ではなく物理的ブレンドとして用い
られる場合、これらの成分は多液型キット中に別々に保存することができる。
適切なメルカプト官能性化合物としては、オルガノメルカプタン、メルカプト含有シラ
ン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切なメルカプト含有シランとしては、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。適切なメルカプト官能性化合物に
ついては米国特許第4,962,076号に開示されている。当業者であれば、本明細書
に記載する特定の成分を2つ以上又は異なる目的のために組成物に添加することができる
ことを認識するだろう。例えば、アルコキシシランは、縮合反応硬化性シリコーン組成物
中接着促進剤、充填剤処理剤、及び/又はの架橋剤として用いることができる。
成分(VI)は着色剤(例えば、染料又は顔料)である。適切な着色剤の例としては、
カーボンブラック及び(PolyOneから市販される)Stan−Tone 50SP
01 Greenが挙げられる。着色剤の例は当技術分野において知られ、米国特許第4
,962,076号;第5,051,455号;及び第5,053,442号において開
示されている。硬化性シリコーン組成物に添加される着色剤の量は、組成物の他の成分、
及び選択される着色剤のタイプを含む各種要因によって決まるが、その量は組成物の重量
に対して0.001%〜20%の範囲内とすることができる。
成分(VII)は反応性希釈剤である。成分(VII)は成分(I)上の官能性基と反
応する希釈剤であってもよい。反応性希釈剤は単官能性反応性希釈剤、二官能性反応性希
釈剤、多官能性反応性希釈剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。選択される反応
性希釈剤は、成分(I)上の硬化性基を含む各種要因によって決まるだろう。しかしなが
ら、適切な反応性希釈剤の例としては、アクリレート、アルコール、マレイン酸無水物若
しくはメタクリル酸無水物のような無水物、単官能性エポキシ化合物のようなエポキシ、
グリシジルメタクリレートのようなメタクリレート、オキセタン、ビニルアセテート、ビ
ニルエステル、ビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリド
ンのようなビニルピロリドン、スチレン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
単官能性アクリレート及びメタクリレートエステルは、Sartomer、RohmHa
as、日立化成、Arkema,Inc.、Cytec、Sans Ester Cor
p、Rahn、及びBomar Specialties Co.のような会社から市販
されている。具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロ
へキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソ
デシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
、ヒドロキシプロピルアクレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−オクチルア
クリレート、シクロへキシルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルアクリ
レート、tert−ブチルメタクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド
、ジアセトンアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オ
クチルアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミド、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート、2−シアノエ
チルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルメタクリレート、1,12−ドデカンジオールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化
ネオペチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート
、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノ
ールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールaジアクリレート、エトキシル化ビスフェ
ノールaジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポ
キシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレ
ート、n,n’−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、金属ジアクリレート、金属ジメタクリレート、金属モノメタクリレート
、金属ジアクリレート(二官能性)、金属ジメタクリレート(二官能性)、トリエトキシ
シリルプロピルメタクリレート、トリブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジメトキ
シメチルシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルメタクリレー
ト、ジブトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプ
ロピルメタクリレート、ジメトキシシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシシリルプ
ロピルメタクリレート、ジブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシシ
リルプロピルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリエトキシ
シリルプロピルアクリレート、トリブトキシシリルプロピルアクリレート、ジメトキシメ
チルシリルプロピルアクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジブ
トキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルアク
リレート、ジメトキシシリルプロピルアクリレート、ジエトキシシリルプロピルアクリレ
ート、ジブトキシシリルプロピルアクリレート、及びジイソプロポキシシリルプロピルア
クリレートが挙げられる。
適切なアルコールの例としては、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、デカノール
、ウンデシルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。適切なエポキシ化合物
の例としては、ブチルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族グリシ
ジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、及びシクロヘキサンジメタノー
ルのグリシジルエーテルのようなグリシジルエーテル;並びにネオペンチルグリコール及
び1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルをベースとする二官能性反応性希釈剤
が挙げられる。これらのエポキシ化合物は当技術分野において知られ、米国ペンシルベニ
ア州アレンタウンのAir Products and Chemicals,Inc.
から商品名EPODIL(登録商標)741、742、746、747、748、749
、750、751、757、及び759で市販されている。反応性希釈剤として適した他
のエポキシ化合物は、米国テキサス州ヒューストンのHexion Specialty
Chemicals,Inc.から商品名Heloxy Modifiers 7、8
、61、及び116で市販されている。適切なビニルエーテルの例としては、これらに限
定されないが、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロへキシルビニルエー
テル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル
、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル
、n−プロピルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコール
ジビニルエーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ビニルエーテルは当技術分野
において知られ、欧州ドイツのBASF AGから市販されている。成分(VII)の量
は選択される具体的な反応性希釈剤のような各種要因によって決まるが、その量は硬化性
シリコーン組成物の重量に対して0.5〜50%の範囲内とすることができる。当業者で
あれば、本明細書に記載の反応性希釈剤のいくつか(例えば二官能性及び多官能性アクリ
レート及びメタクリレート)は成分c)として上述した反応種に加え、又はその代わりに
用いることもできると認識するだろう。
成分(VIII)は腐食防止剤である。適切な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリア
ゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、並びにR.T.
Vanderbiltの2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体(C
UVAN(登録商標)826)及びアルキルチアジアゾール(CUVAN(登録商標)4
84)のような市販の腐食防止剤が挙げられる。成分(VIII)の量は硬化性シリコー
ン組成物の重量に対して0.05%〜0.5%の範囲内とすることができる。
成分(IX)は重合阻害剤である。アクリレート及びメタクリレート硬化性基に適した
重合阻害剤の例としては、これらに限定されないが:ヒドロキノン(HQ)、4−メトキ
シフェノール(MEHQ)、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−
ブトキシフェノール、4−ヘプトキシフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT
)、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−メトキシ
フェノール、2,5−ジクロロヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノ
ン、2−アセチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノベンゾエート、1,4−ジメルカプト
ベンゼン、1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,5−トリメチルヒドロキノン、4−
アミノフェノール、2−アミノフェノール、2−N,N−ジメチルアミノフェノール、2
−メルカプトフェノール、4−メルカプトフェノール、カテコールモノブチルエーテル、
4−エチルアミノフェノール、2,3−ジヒドロキシアセトフェノン、ピロガロール−1
,2−ジメチルエーテル、2−メチルチオフェノール、t−ブチルカテコール、ジ−te
rt−ブチルニトロキシド、ジ−tert−アミルニトロキシド、2,2,6,6−テト
ラメチル−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペ
リジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4
−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4−アミノ−
2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4−エタノールオキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジ
ニルオキシ、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ、2,2
,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ、2,2,
5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸、2,2,3,3
,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ、
4−ニトロソフェノレートの塩、2−ニトロソフェノール、4−ニトロソフェノール、ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン銅、ジブチルジチオカルバミン
銅、サリチル酸銅、メチレンブルー、鉄、フェノチアジン(PTZ)、3−オキソフェノ
チアジン、5−オキシフェノチアジン、フェノチアジン二量体、1,4−ベンゼンジアミ
ン、N−(1,4−ジメチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミン及びその塩、酸化窒素、ニトロベンゼン、p−ベンゾ
キノン若しくはその異性体、これらの2つ以上の組み合わせ、又は上記の1つ以上の酸素
分子との組み合わせが挙げられる。存在する場合、重合阻害剤を100ppm〜4,00
0ppmの範囲内の量で硬化性シリコーン組成物に添加することができる。重合阻害剤は
当技術分野において知られ、例えば欧州特許第EP1359137号において開示されて
いる。
成分(X)は、充填剤がクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの製造プロセスに用
いられなかった場合、又は熱伝導性充填剤のような追加の充填剤若しくは異なるタイプの
充填剤が望ましい場合、添加することができる充填剤である。充填剤は成分e)として上
述した充填剤であってもよい。あるいは、充填剤は熱伝導性充填剤であってもよい。
熱伝導性充填剤は熱伝導性及び導電性の両方であってもよい。あるいは、熱伝導性充填
剤は熱伝導性及び電気的に絶縁であってもよい。熱伝導性充填剤は、窒化アルミニウム、
酸化アルミニウム、アルミニウム三水塩、バリウムチタネート、酸化ベリリウム、窒化ホ
ウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、黒鉛、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、金属粒
子、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせから
なる群から選択することができる。熱伝導性充填剤は、金属充填剤、無機充填剤、溶融性
充填剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。金属充填剤としては、金属の粒子
及び粒子の表面上に層を有する金属の粒子が挙げられる。これらの層は、例えば、粒子の
表面上の金属窒化物層又は金属酸化物層であってもよい。適切な金属充填剤の例としては
、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れる金属、あるいはアルミニウムの粒子が挙げられる。適切な金属充填剤の例としては、
それらの表面上に窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化銀
、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される層を有する上記の金属の粒子がさら
に挙げられる。例えば、金属充填剤はそれらの表面上に酸化アルミニウム層を有するアル
ミニウム粒子を含むことができる。
無機充填剤の例としては:オニキス;アルミニウム三水塩;酸化アルミニウム、酸化ベ
リリウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛のような金属酸化物;窒化アルミニウム及び
窒化ホウ素のような窒化物;炭化ケイ素及び炭化タングステンのような炭化物;並びにこ
れらの組み合わせが挙げられる。あるいは、無機充填剤の例としては、酸化アルミニウム
、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は、Bi、Ga、In
、Sn、又はこれらの合金を含むことができる。溶融性充填剤は任意でAg、Au、Cd
、Cu、Pb、Sb、Zn、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。適切な
溶融性充填剤の例としては、Ga、In−Bi−Sn合金、Sn−In−Zn合金、Sn
−In−Ag合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Bi−Cu−Ag合金、Sn−Ag−
Cu−Sb合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Zn合金
、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は50℃〜250℃、あるいは1
50℃〜225℃の範囲内の融点を有することができる。溶融性充填剤は共晶合金、非共
晶合金、又は純金属であってもよい。溶融性充填剤は市販されている。
例えば、溶融性充填剤は、米国ニューヨーク州ウチカのIndium Corpora
tion of America;米国ロードアイランド州プロビデンスのArconi
um;及び米国ロードアイランド州クラストンのAIM Solderから入手すること
ができる。アルミニウム充填剤は、例えば、米国イリノイ州ネーパービルのToyal
America,Inc.及び米国カリフォルニア州ストックトンのValimet I
nc.から市販されている。銀充填剤は米国マサチューセッツ州アトルバロのMetal
or Technologies U.S.A.Corp.から市販されている。
熱伝導性充填剤は当技術分野において知られ、市販されており、例えば、米国特許第6
,169,142号(第4段落、第7〜33行)を参照されたい。例えば、CB−A20
S及びAl−43−Meは昭和電工から市販の異なる粒径の酸化アルミニウム充填剤であ
り、AA−04、AA−2、及びAA18は住友化学から市販の酸化アルミニウム充填剤
である。商標KADOX(登録商標)及びXX(登録商標)を有する酸化亜鉛のような酸
化亜鉛は米国ペンシルベニア州モナカのZinc Corporation of Am
ericaから市販されている。
熱伝導性充填剤粒子の形状はとくに限定されないが、円形又は球形粒子は組成物中への
熱伝導性充填剤の高充填の際に望ましくないレベルまで粘度が増加するのを防止すること
ができる。
熱伝導性充填剤は単独の熱伝導性充填剤又は充填剤の粒子形状、平均粒径、粒径分布、
及びタイプのような少なくとも1つの特性が異なる2つ以上の熱伝導性充填剤の組み合わ
せであってもよい。例えば、大きな平均粒径を有する第1酸化アルミニウム及び小さな平
均粒径を有する第2酸化アルミニウムのような無機充填剤の組み合わせを用いることが望
ましくあり得る。あるいは、例えば、大きな平均粒径を有する酸化アルミニウムの小さな
平均粒径を有する酸化亜鉛との組み合わせを用いることが望ましくあり得る。あるいは、
大きな平均粒径を有する第1アルミニウム及び小さな平均粒径を有する第2アルミニウム
のような金属充填剤の組み合わせを用いることが望ましくあり得る。あるいは、アルミニ
ウム及び酸化アルミニウム充填剤の組み合わせ;アルミニウム及び酸化亜鉛充填剤の組み
合わせ;又はアルミニウム、酸化アルミニウム、及び酸化亜鉛充填剤の組み合わせのよう
な、金属及び無機充填剤の組み合わせを用いることが望ましくあり得る。大きな平均粒径
を有する第1充填剤及び第1充填剤より小さな平均粒径を有する第2充填剤の使用は、パ
ッキング効率を向上させることができ、粘度を低減することができ、熱伝導を向上させる
ことができる。
熱伝導性充填剤の平均粒径は、選択される熱伝導性充填剤のタイプ及び硬化性シリコー
ン組成物に添加される正確な量、並びに硬化生成物が熱界面材料(TIM)として用いら
れる場合組成物の硬化生成物が用いられるデバイスのボンドライン厚を含む各種要因によ
って決まるだろう。しかしながら、熱伝導性充填剤は、0.1マイクロメートル〜80マ
イクロメートル、あるいは0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、あるいは0
.1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲内である平均粒径を有することがで
きる。
組成物中の熱伝導性充填剤の量は、硬化性シリコーン組成物について選択される硬化メ
カニズム及び選択される具体的な熱伝導性充填剤を含む各種要因によって決まる。しかし
ながら、熱伝導性充填剤の量は、組成物の30体積%〜80体積%、あるいは50体積%
〜75体積%の範囲内とすることができる。理論に縛られることは望まないが、充填剤の
量が80体積%より大きい場合、組成物は架橋していくつかの用途にとって不十分な寸法
保全性を有する硬化シリコーンを形成し得、充填剤の量が30%未満である場合、組成物
から調製される硬化シリコーンはTIM用途にとって不十分な熱伝導性を有し得ると考え
られる。
成分(XI)は充填剤処理剤である。充填剤処理剤は、成分e)の充填剤処理剤として
上述した充填剤処理剤であってもよい。あるいは、金属充填剤は、オクタデシルメルカプ
タン他のようなアルキルチオール、並びにオレイン酸、ステアリン酸、チタネート、チタ
ネート結合剤、ジルコネート結合剤、及びこれらの組み合わせのような脂肪酸で処理する
ことができる。
アルミナ又はパッシベーション化窒化アルミニウムの処理剤はアルコキシシリル官能性
アルキルメチルポリシロキサン(例えば、R22 23 Si(OR24(4−w−
x)の部分加水分解縮合物、共加水分解縮合物又は混合物)、又は同様の材料を含むこと
ができ、加水分解性基はシラザン、アシルオキシ又はオキシモを含むことができる。これ
らのすべてにおいて、上記式中のR22のような、Siに結合した基は、長鎖不飽和一価
炭化水素又は一価芳香族官能性炭化水素である。各R23は独立して一価炭化水素基であ
り、各R24は独立して炭素原子1〜4個の一価炭化水素基である。上記式中、下付き文
字wは1、2、又は3であり、下付き文字xは0、1、又は2であるが、ただし(w+x
)は1、2、又は3である。当業者であれば、成分(XI)の充填剤処理剤に加えて、又
はその代わりに、成分(V)の接着促進剤として上述したアルコキシシラン及びメルカプ
ト官能性化合物を代わりに用いることができることを認識するだろう。当業者であれば、
過度の実験なしに、充填剤の分散を助ける具体的な処理を最適化することができるだろう
成分(XII)は酸受容体である。酸受容体は酸化マグネシウムのような金属酸化物を
含むことができる。酸受容体は当技術分野において知られ、Rhenofit F、St
ar Mag CX−50、Star Mag CX−150、BLP−3、及びMax
Ox98LRを含む商品名で市販されている。Rhenofit Fは米国オハイオ州シ
ャードンのRhein Chemie Corporationの酸化カルシウムだった
。Star Mag CX−50は米国ニューハンプシャー州ポーツマスのMerran
d International Corp.の酸化マグネシウムだった。MagOX
98LRは米国ペンシルベニア州ウエストコンショホッケンのPremier Chem
icals LLCの酸化マグネシウムだった。BLP−3は米国オハイオ州シンシナテ
ィのOmya Americasの炭酸カルシウムだった。
本明細書に記載する硬化性シリコーン組成物は:
(I)上述のクラスタ化官能性生成物、及び
(II)硬化剤を含む。組成物は任意で:(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着
促進剤、(VI)着色剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)
重合阻害剤、(XII)(生成物により酸を生成する熱ラジカル開始剤に用いられる)酸
受容体、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の成分をさらに含むことができ
る。各種硬化メカニズムは、当業者によりクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを生
成するのに用いられる成分c)の選択に基づいて選択され得る。例えば、組成物は、成分
(II)が縮合反応触媒である場合、縮合反応硬化性であってもよく、組成物は任意でト
リアルコキシシラン、アセトキシシラン、ケトキシモシラン、アルキルオルトシリケート
、アルキルポリシリケート、メチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シラン、及び
これらの組み合わせから選択される(III)架橋剤をさらに含む。あるいは、組成物は
、成分(II)がラジカル開始剤を含む場合、放射線硬化性であってもよい。この放射性
硬化性組成物は、放射線、熱、有機ボラン、又はレドックス反応により生成されるラジカ
ルを有することができる。あるいは、組成物は、成分(I)がアルコキシ基を有し、成分
(I)がアクリレート基、メタクリレート基、又はこれらの組み合わせを有するものであ
ってもよい。
あるいは、組成物は、成分(I)が2つ以上のタイプの硬化性基を有する多重硬化組成
物であってもよい。例となる多重硬化組成物は成分(I)が縮合反応硬化性基及びラジカ
ル硬化性基の両方を有するものである。あるいは、多重硬化組成物は成分(I)がエポキ
シ及びアルコキシ基を有するものであってもよい。
あるいは、充填硬化性シリコーン組成物は:
(I)充填剤なしで段落[0013]において上述したプロセスにより調製されたクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサン、
(II)硬化剤、及び
(X)充填剤を含むことができる。充填剤は熱伝導性充填剤を含むことができる。充填硬
化性シリコーン組成物は(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)
着色剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、(X
I)充填剤処理剤、(XII)酸受容体及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上
の成分をさらに含むことができる。
当業者であれば、上記の記載及び本明細書において提供する実施例に基づき、適当な硬
化剤及び追加材料を選択し、封止材及び接着剤の組成物を製剤することができるだろう。
上述の硬化性シリコーン組成物は、各種用途、例えば、リッドシール(例えば、自動車
用リッドシール又はマイクロエレクトロニクス用リッドシール)の形成、接着剤(例えば
、ダイ接着剤又は熱伝導性接着剤)の形成、又は末端封止材の形成のような封止材用途に
おいて用いることができる。
上述の硬化性シリコーン組成物、及び組成物を硬化させることにより調製された硬化シ
リコーンは、マイクロエレクトロニクス及びマクロエレクトロニクス用途の両方を含むエ
レクトロニクス用途並びに光エレクトロニクス用途及び熱伝導性接着剤の製造のような熱
伝導性エレクトロニクス用途において有用である。こうした硬化性シリコーン組成物から
調製された硬化シリコーン接着剤は、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケルのような金
属を含む各種エレクトロニクス基板;並びにFR4、ナイロン、ポリカーボネート、Lu
cite(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、及びSolvay液晶ポリマーのようなポリマー基板に接着することができる。
これらの実施例は本発明を当業者に例示することを意図しており、特許請求の範囲に記
載する本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。後述する実施例では以下の成分
を用いた。
ポリマーa1)は、190mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端ポリ
ジメチルシロキサンだった。
ポリマーa2)は、450mPa.sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端ポリ
ジメチルシロキサンだった。
ポリマーa3)は、2,000mPa.sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端
ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa4)は、9,000mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端
ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa5)は、55,000mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末
端ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa6)は、22,000mm/sの粘度を有するフェニルメチルビニルシロ
キシ末端ポリ(ジメチル/フェニルメチルシロキサン)だった。
鎖延長剤g)は、13mm/sの粘度及び1,500ppmのSiH含有量を有する
水素末端ジメチルシロキサンだった。
SIHb2)は、1mm/sの粘度及び16,667ppmのSiH含有量を有する
、5%のヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、43%のペンタメチルシクロペンタシロ
キサン、及び52%のテトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物だった。
末端キャップ剤h)はヘプタメチルトリシロキサンだった。
SIHb4)は1,1,5,5−テトラメチル−3−(n−プロピル)−3−(ジメト
キシシリルオキシ)トリシロキサンだった。
SIHb5)はGelestのテトラキス(ジメチルシロキシ)シランだった。
阻害剤i)DAMはジアリルマレエートだった。
d)Pt触媒は1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの白
金との錯体だった。
c1)ATMSはアリルトリメトキシシランだった。
c2)AMAはアリルメタクリレートだった。
c3)VCHOはビニルクロロヘキサンオキシドだった。
PAGは、ダウコーニングコーポレーションからDow Corning 2−712
9として市販のヘキサフルオロアンチモン酸(3−メチルフェニル)((C12〜13分
岐)フェニル)ヨードニウム触媒だった。
c4)AGEはアリルグリシジルエーテルだった。
Luperox(登録商標)PはArkemaのtert−ブチルペルオキシベンゾエ
ートだった。
Luperox(登録商標)LPはArkemaのラウロイルペルオキシドだった。
Varox(登録商標)DCBPはR.T.Vanderbilt Company,
Inc.のジクロロベンゾイルペルオキシドだった。
Perkadox16はAkzo Nobelのジ(4−tert−ブチルシクロヘキ
シル)ペルオキシジカーボネートだった。
SR297はSartomer Co.の1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
トだった。
SR239はSartomer Co.の1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
だった。
CD9050は、金属基板への優れた接着性をもたらし、放射線硬化性組成物用に設計
された接着促進剤として有用な単官能性酸エステルだった。CD9050はSartom
er Co.から市販されている。
SR489Dは、Sartomer Co.から市販されるトリデシルアクリレートだ
った。
SR395は、Sartomer Co.から市販されるイソデシルアクリレートだっ
た。
SR257は、Sartomer Co.から市販されるステアリルアクリレートだっ
た。
SR506は、Sartomer Co.から市販されるイソボルニルアクリレートだ
った。
SR833Sは、Sartomer Co.から市販されるトリシクロデカンジメタノ
ールジアクリレートだった。
SR238は、Sartomer Co.から市販される1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレートだった。
SR351は、Sartomer Co.から市販されるトリメチロールプロパントリ
アクリレートだった。
SR203は、Sartomer Co.から市販されるテトラヒドロフルフリルメタク
リレートだった。
SR297中のPerkadox16は、等量のPerkadox16及びSR297
の混合物だった。
TBTは、米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.du Pont de Nem
ours and CompanyのDuPont(商標)Tyzor(登録商標)Tn
BTとして市販の反応性アルコキシドエステル交換触媒だった。
PITAチタンエチルアセトアセテート錯体は、米国デラウェア州ウィルミントンのE
.I.du Pont de Nemours and CompanyのDuPont
(商標)Tyzor(登録商標)PITAとして市販されている。
e’)HMDZはAldrichのヘキサメチルジシラザンだった。
MEHQはAldrichの4−メトキシフェノールだった。
PTZはAldrichのフェノチアジンだった。
Darocur1173はCibaの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プ
ロパン−1−オンだった。
Dowex(登録商標)2040は、製品番号Z2306を有するミシガン州ミッドラ
ンドのDow Chemical Companyのイオン交換樹脂だった。
IBTMSはイソブチルトリメトキシシランだった。
e1)EvonikR8200は、中国福建省南平のEvonik DegussaCo
rporationからAEROSIL(登録商標)R8200として市販される、ヘキ
サメチルジシラザンで処理したヒュームドシリカだった。
e2)TS530は、米国マサチューセッツ州ビルリカのCabot Special
ty Chemicals,Inc.からCabosil(登録商標)TS−530とし
て市販のヘキサメチルジシラザン処理ヒュームドシリカだった。
PDMSはポリジメチルシロキサンを表す。
UVA1500は、放射線/UV硬化性組成物において用いられる脂環式エポキシモノ
マーだった。
Z6040はグリシドキシプロピルトリメトキシシランだった。
Zr(acac)4はジルコニウムアセチルアセトネートだった。
Silquest(登録商標)A186は、米国コネチカット州ミドルベリのCrom
pton OSi Specialtiesから市販されるβ−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシランだった。
MgOは酸化マグネシウムだった。MgOをペルオキシドの分解からの酸副生成物を中
和するのに用いられる酸受容体として添加した。
参照例1―ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)
GPCデータをWatersの515ポンプ、Watersの717オートサンプラー
、及びWatersの2410示差屈折計を用いて収集した。分離はPolymer L
aboratoriesのPlgel5マイクロメーター(μm)ガードカラム、その後
2つの(300mm×7.5mm)Plgel5μmMixed−Cカラムで行った。高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードのトルエン溶離液を1分当たり1.0ミ
リリットル(mL/分)の流速で用い、カラム及び検出器を45℃まで加熱した。50マ
イクロリットル(μL)の注入量を用い、試料を0.45μmポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)シリンジフィルターを通して予めろ過した。1,300〜850,000
の分子量範囲にわたるポリジメチルシロキサン(PDMS)標準を用いて作成した較正曲
線(第4次)に従って分子量平均を割り出した。
参照例2― 29 SiNMR
29Si NMRデータをVarianのMercury300上でベンゼン−d
媒を用いて収集した。5ミリメートル(mm)の切替可能なPFGプローブをゲート分離
パルスシーケンス、60秒の緩和遅延で用いて実験を行った。あるいは、試料を、任意で
緩和試薬である0.03Mのクロムアセチルアセトネート、Cr(acac)とともに
Naloracの16mmのケイ素を含まないPulsetune(登録商標)プローブ
;及び定量条件を確保するゲート分離を用いるMercury400にかけた。両方とも
90度のパルス幅を用い、400は12秒の緩和遅延を用いた。
比較例
末端ブロックメタクリレートポリマーは、水素化シリコーン官能性シロキサンの調製、
及びその後の別のステップにおけるc2)AMAでのヒドロシリル化により生成すること
ができる。(これは、水素化シリコーン官能性シロキサンの調製及びc2)AMAでのヒ
ドロシリル化が同時に、又は間に入る精製ステップなしで行われる本明細書に記載するプ
ロセスとは異なる。)
比較例1―ポリマーの調製
鎖延長剤、環状ポリジメチルシロキサン(環状PDMS)及び触媒としてDowex(
登録商標)2040イオン交換樹脂を、濃縮器、機械的攪拌器及び熱電温度計が取り付け
られた3口丸底フラスコに添加した。(鎖延長剤と比較して)モル過剰の環状PDMSを
添加した。得られた混合物を4時間100℃で撹拌しながら窒素下で加熱した。得られた
ポリマーを冷却及びろ過し、触媒を除去した。次にポリマーを、ワイプト薄膜蒸発器(W
FE)を用いて150℃及び1mmHgで過剰環状PDMSを揮散した。100〜142
0の範囲内の重合度(DP)を有する5つの線状水素化シリコーン末端ブロックポリマー
を鎖延長剤の環状PDMSに対する比を変えることにより得た。得られた水素化シリコー
ン末端ブロックポリマーをGPC及び29SiNMRにより分析した。
上で調製された水素化シリコーン末端ブロックポリマーを、濃縮器、機械的攪拌器、及
び熱電温度計が取り付けられた3口丸底フラスコ中で、c2)AMAと1.3のSiH/
Vi比で組み合わせた。これらのポリマーを100万分の1部(ppm)のPt触媒で触
媒し、100ppmのMEHQの存在下80℃で加熱した。SiH基のヒドロシリル化を
、赤外線(IR)スペクトル中2173cm−1のSiHピークの消失により観察した。
得られたc2)AMA末端ブロックPDMSポリマーをWFEにより70℃及び1mm
Hgで揮散した。得られたポリマーは表1の指定ポリマー7〜11だった。ポリマー7〜
11をそれぞれ充填剤及びラジカル開始剤と表1に示す量で組み合わせた。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
表1中の試料を90℃でMonsantoのダイレオメーター(MDR)上で硬化させ
、それらの硬化の速度、及び相対硬度を測定した。二段階合成で生成される線状材料(ポ
リマー7〜11)、及び実施例7において後述する単一ステッププロセスで生成されるク
ラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを用いて生成される組成物の比較について表2を
参照されたい。
実施例
実施例の製造プロセスは一般的には、20分間ビニル末端ブロックポリマー(上述のa
1、a2、a3、a4、a5、又はa6)、ポリオルガノ水素シロキサン(SIHb2、
SIHb4、又はSIHb5)、及び不飽和反応種(c1、c2、c3、又はc4)を室
温で予備混合するステップを含んだ。Ptヒドロシリル化触媒を次に室温で添加し、さら
に20分間撹拌した。80℃まで昇温することにより反応を開始させた。反応の程度をF
T−IR中約2170cm−1のSiHピークの消失を観測することにより記録した。反
応は一般的には1時間以内に完了し、その際生成物を50℃まで冷却し、DAMを添加し
た。
実施例1
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、以下の成分:428.34部(部)のポリマーa4、7.65部のSIHb2、1
4.01部のc2)AMA、及び0.05部のPTZを添加した。得られた混合物を、室
温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.09部のPt触媒を添加
し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより
反応を開始させた。フーリエ変換赤外線(FT−IR)中2173cm−1のSiHピー
クの減少を測定することにより反応を観測した。一般的な反応時間は1時間だった。反応
温度を次に50℃まで冷却し、0.9部のDAMを混合しながら添加し、得られた混合物
を室温まで冷却した。得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは5rpmで1
5300cpsのBrookfield円錐平板粘度を有した。MDR上、125℃で1
5分間硬化させた40ミル厚試料の引張特性は、この実施例1において調製されたクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサンで生成した組成物について表3に示した。
Figure 2014208826
実施例2
10リットルTurrelloミキサー中、6515部のポリマーa2)、401部の
SIHb2)、900部のc1)ATMS、及び0.89部のMEHQを組み合わせた。
組み合わせを室温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、1.05部の
Pt触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を100℃まで上昇
させることにより反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減
少を測定することにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、8.9部の
DAMを混合しながら添加した後、混合物を室温まで冷却した。歯科用カップ中、95部
の得られた水分硬化クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを3部のIBTMS及び2
部のPITAチタネート触媒と混合した。得られた生成物は2分の薄膜不粘着時間を有し
た。
実施例3
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた3リットルガラス樹脂ケトル
中で、以下の成分:1369.1部のポリマーa6)、48.7部のSIHb2)、82
.2部のc3)VCHO、及び0.05部のPTZを組み合わせた。組み合わせを室温で
10分間、得られた混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.3部のPt触媒を添
加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることによ
り反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減少を測定するこ
とにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、0.9部のDAMを混合し
ながら添加した。得られたエポキシ官能性クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを室
温まで冷却した。実施例3により調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを
表3の成分と組み合わせ、引張特性を15分間80℃での硬化後に上述のように評価した
。成分及び量、並びに結果を表4に示す。
Figure 2014208826
実施例4〜6(鎖延長)
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、実施例4〜6を上述のように調製した。鎖延長のための各実施例における成分及び
量を表5に示す。
Figure 2014208826
粘度及びMDR結果を測定し、表6に示した。
Figure 2014208826
実施例4〜6を歯科用カップにおいて組成物に製剤した。試料組成物は表7の成分を含
有した。
Figure 2014208826
実施例4〜6において調製された充填及び触媒組成物をMDRにおいて125℃で15
分間硬化させた。結果は上の表6に示す。
実施例7―鎖延長クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中で、以下の成分:549.6部のポリマーa4)、7.6部のSIHb2)、58部の
鎖延長剤、23.1部のc2)AMA、及び0.06部のMEHQを組み合わせた。組み
合わせを室温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.11部のPt
触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させる
ことにより反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減少を測
定することにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、1.2部のDAM
を混合しながら添加した。得られたメタクリレートクラスタ化官能性ポリオルガノシロキ
サンを次に室温まで冷却した。このポリオルガノシロキサンは1rpmで27800cp
sのBrookfield円錐平板粘度を有した。(実施例7の)メタクリレートクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサンを表8の成分で組成物に製剤し、得られた組成物を8
0℃で15分間硬化させた後、MDRにより分析した。
Figure 2014208826
実施例8及び9(末端キャップ剤での鎖停止)
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル中
に、実施例8及び9を、表8の成分及び量が用いられた以外、上述のように調製した。組
成物試料を125℃で15分間硬化させ、上述のようにMDRにより評価し、結果を表9
に示す。
Figure 2014208826
実施例10
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5632部のポリマーa4)、125.7部のSIHb2)、30.49部のc1
)ATMS、213.4部のc2)AMA、及び1.2部のMEHQを添加し、10分間
室温で混合した。この後、1.15部のPt触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌
した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより反応を開始させた。80℃での混
合の1時間後、反応器を50℃まで冷却し、6.7部のDAMを混合しながら添加した。
この実施例では、得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは利用可能な反応性
基を含有し、その90モル%はメタクリレート系だったが、10モル%は水分硬化性基だ
った。得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは多重硬化クラスタ化官能性ポ
リオルガノシロキサンだった。
実施例11〜13
1クオートRossミキサー及びラジカル阻害剤としてPTZを用い、ポリマーa2)
、ポリマーa4)、SIHb2)環状メチル水素、及びc2)AMAを室温で10分間予
備混合した。Pt触媒を添加し、室温混合をさらに20分間継続した。ミキサー温度を8
0℃まで上昇させることにより反応を開始させた。80℃での混合の1時間後、ミキサー
を50℃まで冷却し、6.7部のDAMを混合しながら添加した。
調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを表10の成分を含有する組成物
に製剤した。表10の組成物を歯科用カップ中で20%のTS530充填剤及び4%のV
arox(登録商標)DCBPと混合した。150℃での15分間の硬化後、試料の引張
試験を行った。成分及びそれらの量(部)、並びに引張試験結果を表10に示す。
Figure 2014208826
実施例14(充填剤の分散)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5000部の実施例7において生成したクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
(ポリマー)を添加した。200グラム(g)増分中、1470gのTS530を低せん
断混合しながら添加した。得られた20%のマスターバッチにより高いせん断を20分間
加えた。
実施例15(充填剤反応)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5160部のポリマーa4、及び1039gのTS530を添加し、ポリマーベー
スを調製した。TS530(処理充填剤)を約100g増分で75分間かけて添加した。
このポリマーベースに、69.1部のSIHb2、546.8部のc1)ATMS、21
7部のc2)AMA、及び0.1部のMEHQを添加し、10分間混合した。得られた充
填混合物を25℃まで冷却した後、ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより反応
を開始させ、1.05部のPt触媒を添加し、室温で20分間撹拌した。80℃での混合
の1時間後、ミキサーを50℃まで冷却し、10.98部のDAMを混合しながら添加し
た。
実施例11及び12において調製されたマスターバッチを4%のVarox(登録商標
)DCBPで製剤し、表11に示すように調節し、直接比較のため14.4%の充填剤を
有する接着剤を得た。組成物を125℃で15分間硬化させ、引張特性について及びMD
Rにより分析した。組成物の成分及びそれらの量、並びに引張及びMDR試験の結果は表
10に示す。物理的特性を公正比較するため、実施例7のクラスタ化官能性ポリオルガノ
シロキサンを用い、実施例14において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキ
サンを削減し、実施例15と同じ充填剤レベルとした。粘性相ポリマー−充填剤マスター
バッチと呼ばれるものを生成するため、実施例14のポリマーは20%の充填剤を有する
。粘性相は、せん断をポリマー/充填剤システム中に加えることにより、充填剤のもっと
も良好な分散をもたらすが、充填剤の新たな表面も生成させる。
Figure 2014208826
処理充填剤の存在下での反応性ネットワークの作製は、予備反応ポリマーネットワーク
において同じ充填剤を単純に分散させるステップから誘導されたものと比べて向上した引
張特性を有するベースを作製した。
理論に縛られることは望まないが、粘性相ポリオルガノシロキサン−充填剤マスターバ
ッチが調製される際存在する高せん断は充填剤凝集体の破壊及びより親密なポリオルガノ
シロキサン−充填剤相互作用をもたらすとゴム及び封止材産業において広く考えられてい
る。これらの相互作用がこうしたシステムの向上した引張及び機械的特性に関与している
。こうした高せん断事象中、処理剤を任意で導入し、充填剤表面を官能基化し、非常に高
粘度のマスターバッチ、極端な例では、もろく使用不能なマスターバッチをもたらす過度
の相互作用を防止することができる。実施例16では、わずかに処理した充填剤(TS5
30)を実施例7のクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン中に処理剤の存在下で分散
させた。このプロセスは既存の高せん断粘性相プロセスにおいて作製されたいずれかの新
たな表面を処理し、これにより得られたベースの安定性を増加させ、その接着性を向上さ
せる。残りの表面ヒドロキシル基はシラン接着促進剤を製剤及び保存熟成中に隔離し、組
成物を基板に塗布する際に接着性の向上のために使用可能な接着促進剤を少ししか残さな
い、又は全く残さないと考えられる。
実施例16(in situ処理充填剤)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、2667部の実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサ
ンを添加した。5つのほぼ等しい添加ステップにおいて、137gの3−(トリメトキシ
シリル)プロピルメタクリレート、及び1.2gのヘキサメチルジシラザンとともに、1
333gのTS530を添加した。この高せん断粘性相材料を80℃まで2時間25mm
Hgの真空で加熱した。実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロ
キサンを添加し、これを削減し、24.7%の充填剤を含有するマスターバッチを得た。
実施例14〜16において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを次に
14.4%の充填剤及び4%のVarox(登録商標)DCBPを含有する組成物に実施
例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを調節した充填剤レベ
ルで用いて製剤した。材料を、1インチのオーバーラップ及び40ミルのボンドラインを
有するクラッドアルミニウム1×3インチパネル間で硬化させた。試料を125℃で15
分間硬化させた後、ラップせん断接着性を測定した。同様の試料を85℃/85%相対湿
度(RH)で熟成させ、接着性損失を促進した。ラップせん断接着性試験の結果を表12
に示す。
Figure 2014208826
実施例1〜16は、多数の塗布領域において封止材及び接着剤として用いることができ
るクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン、及びそれらを含有する組成物を生成する。
実施例17(90モル%のc2)AMA及び10モル&のc1)ATMSを含むin s
itu処理充填剤)
1クオートRossミキサー中に、以下の成分:0.1gのMEHQ、393gのポリ
マーa4)、及び441gのポリマーa5)中のHMDZ処理充填剤マスターバッチを添
加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。
成分を10分間混合した。この後、15.9gのSIHb2、40.5gのc2)AMA
、及び4.87gのc1)ATMSを添加し、得られた組み合わせを10分間室温で混合
した。次に、0.2gのPt触媒を添加し、得られた組み合わせをさらに20分間室温で
混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開始させ、この温度を1時間
維持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、1.5gのDAMを添加した。
実施例17は、充填剤及びその反応性官能基の約90モルパーセントがメタクリレート
基によってラジカル硬化され、その反応性官能基の10モルパーセントがアルコキシ水分
硬化基である二重硬化クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンのマスターバッチだった
表13は、完全に製剤し、80℃で15分間硬化させた実施例17マスターバッチを含
有する組成物中の成分示す。製剤を1インチのオーバーラップ及び40ミルのボンドライ
ンを有するクラッドAl1×3インチパネル上での引張特性及びラップせん断の両方につ
いて試験した。初期熱硬化後、それぞれ1日及び7日かけて促進又は室温水分硬化を行っ
た。
Figure 2014208826
80℃で15分間の熱硬化後の初期引張特性は、ピーク応力について223lb/i
、及び伸びについて396%だった。熱硬化試料を85%RH/85℃下で熟成後、
同じ特性は422lb/in及び438%伸びまで増加した。第二次水分硬化の同様
の兆候が、50%RH及び25℃で熟成させた同様の熱硬化試料で観察され、413lb
/in及び447%伸びをもたらした。
実施例18〜20
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、6046部のポリマーa4、136.4部のSIHb2、257部のc2)AMA
、85部のc1)ATMS及び0.8部のMEHQを添加し、10分間混合した。この後
、1.2部のPt触媒を室温で20分間撹拌しながら添加した。ミキサー温度を80℃ま
で上昇させることにより反応を開始させた。80℃で1時間の混合後、反応器を50℃ま
で冷却し、11.5部のDAMを撹拌しながら添加した。
実施例18において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは、その反応
性官能基の80モルパーセントのメタクリレート及び20モルパーセントのアルコキシを
有した。このポリオルガノシロキサンを歯科用カップ中で4%のVarox(登録商標)
DCBP、及び15%の処理充填剤、Cabosil TS530又はEvonikのR
8200と混合した。実施例19〜20は実施例18において調製されたクラスタ化官能
性ポリオルガノシロキサンを含有する組成物であり、表14に示す成分を混合することに
より調製された。実施例19〜20は同等の充填剤レベルを有する。組成物中の成分及び
量、並びに引張特性、ラップせん断データ、及び粘度を表14に示す。すべての試料を8
0℃で30分間硬化させ、ラップせん断試料を1インチのオーバーラップ及び40ミルの
ボンドラインを有するクラッドAl1×3インチパネル上で試験した。
実施例21
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中で、0.6gのMEHQを6201gのポリマーa4)中にHMDZ処理充填剤を含有
するマスターバッチ、107gのSIHb2、201.4gのc2)AMA、及び83.
5gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75
ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、1.0gの
Pt触媒を添加し、組み合わせを室温でさらに20分間混合した。ミキサーを80℃まで
加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。この後、ミキサーを50℃まで冷
却し、13.8gのDAMを添加した。組成物中の成分及び量、並びに引張特性、ラップ
せん断データ、及び粘度を表14に示す。すべての試料を80℃で30分間硬化させ、ラ
ップせん断試料を上述のようにクラッドAl基板上で試験した。
Figure 2014208826
実施例22
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを459gのポリマーa5)中
にHMDZ処理充填剤を含有するマスターバッチ、及び223gのポリマーa4)に添加
した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。成
分を10分間混合した。このミキサーに、23.5gのSIHb2)、47gのc2)A
MA、及び15.1gのc1)ATMSを添加し、10分間室温で混合した。この後、0
.1gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱
することにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、
3.3gのDAMを添加した。
実施例23(比較)
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを707gのポリマーa4)中
のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、67.5gのSIHb4)、75gのc2)A
MA、及び24gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−Si
lMS−75ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、0.2
gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱する
ことにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、3.
3gのDAMを添加した。
実施例24
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを437gのポリマーa4)中
のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、67.5gのSIHb5)、47gのc2)A
MA、及び15gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−Si
lMS−75ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、0.2
gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱する
ことにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、2g
のDAMを添加した。
実施例21〜24において調製された生成物をVarox(登録商標)DCBPで組成
物に製剤した。成分及び量を表15に示す。ラップせん断データ及び引張特性を表16に
示す。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
実施例22及び23は、ビニル末端キャップポリマーの代わりの多官能性水素化シリコ
ーン種並びにモノマーアリル及びビニル種の結合を行い、単一又は多重硬化メカニズムを
有する充填材料を生成するプロセスの能力を示す。実施例23において用いられる線状ポ
リオルガノ水素シロキサンは、分子当たり3個のみのケイ素結合水素原子を有するSiH
成分のため、この実験において用いられる低温条件下でこの実施例の時間内に十分に硬化
させるのに十分な反応性官能基クラスターを有さず、生成されるポリマーの各末端にもた
らされる官能性基は少なすぎる。実施例21、22及び24における環状物及びネオペン
タマー系の例は各末端に最小3個の官能性基を有する。
実施例25
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中で、0.7gのMEHQを3921gのポリマーa5)中にHMDZ処理充填剤を含有
するマスターバッチ、2608gのポリマーa4)、115gのSIHb2)、及び43
8gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75
ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、1.3gの
Pt触媒を添加し、室温でさらに20分間混合した。ミキサーを80℃まで加熱すること
により反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、11.2gのD
AMを添加した。この後、96部の得られた生成物を歯科用カップ中で2部のメチルトリ
メトキシシラン及び2部のPITAと混合した。これを室内温度及び湿度で7日間硬化さ
せ、581psiの引張応力値及び262%の伸びを有する硬化生成物を得た。
実施例26 エポキシ/水分二重硬化
1クオートRossミキサー中、0.07gのMEHQを788.44gのポリマーa
5)中にHMDZ処理充填剤を含有するマスターバッチ、11.1gのSIHb2)、1
9.1gのVCHO、及び2.1gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤は
Cab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で
混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミ
キサーを80℃まで加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを5
0℃まで冷却し、2gのDAMを添加した。
実施例27 エポキシ/水分二重硬化
1クオートRossミキサー中で、0.07gのMEHQを567.68gのポリマー
a5)、11.1gのSIHb2)、19.1gのVCHO、及び2.1gのc1)AT
MSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカ
だった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加
し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開
始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、1.2gのDAMを添加した。
エポキシシリコーンの熱又はUV硬化を触媒することができる触媒混合物は、Dow
Corning(登録商標)2−7129ヨードニウムSbF光酸発生剤(米国ミシガ
ン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーションから市販)、Perkadox16
、Darocur1173及びデシルアルコールの等量混合物からなる。この触媒混合物
を表17の組成物に添加した。
実施例26及び27の混合は、存在する処理充填剤のレベルのみが異なる同等のポリマ
ー組成物の試料をもたらした。
クラッドAlパネルに対する引張及びラップせん断接着性を上述のように80℃で15
分間硬化させた試料について測定した。ドローダウンバーを用い、300ワットのFus
ion Hバルブからの600mJ/cm照射での単一パスで硬化させた10ミル湿潤
膜厚を堆積させることにより、試料をUV硬化についても確認した。
Figure 2014208826
実施例28
1クオートRossミキサー中で、0.08gのMEHQを401.78gのポリマー
a5)中のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、384.29gのポリマーa3)、2
5.5gのSIHb2)、40.7gのc4)AGE、及び10.2gのc1)ATMS
に添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだっ
た。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加し、
さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開始さ
せ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、0.75gのDAMを添加した。
実施例28をマレイン酸無水物と組み合わせ、上述のようにクラッドAl基板に対して
80℃で15分間硬化させた。ラップせん断接着性試験を上述のように行った。各成分の
量(部)及びせん断データを表18に示す。
Figure 2014208826
実施例29
1クオートRossミキサー中で、0.08gのMEHQを297.62gのポリマー
a5)中のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、408.85gのポリマーa3)、3
5.4gのSIHb2)、73.1gのc2)AMA、9.14gのc3)VCHO、及
び9.1gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS
−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.
11gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱
することにより反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、0.7
5gのDAMを添加した。実施例29の生成物を表17に示す成分と組み合わせ、組成物
を形成した。組成物をAlクラッド鋼板間で、80℃で30分間硬化させた後、ラップせ
ん断について試験した。ラップせん断データを表19に示す。
Figure 2014208826
実施例30
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー中
で、0.7gのMEHQを4241gのポリマーa5)中にHMDZ処理充填剤を含有す
るマスターバッチ、2095gのポリマーa5)、213gのSIHb2)、429gの
c2)AMA及び212gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−
o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した
。この後、1.2gのd)Pt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサー
を80℃まで加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。クラスタ化官能性生
成物を形成した。
実施例31
実施例30のクラスタ化官能性生成物を組成物に製剤した。生成物の88gの量を、4
gのSartomerのSR249、4gのベンゾイルペルオキシド及び4gのN,N−
ジメチル−p−トルイジンとともに歯科用ミキサー中に量り入れ、混合した。40ミルボ
ンドライン厚を有するラップせん断試料を、Alクラッド基板を用いて作成した。これら
の試料を周囲条件下で一晩放置した。24時間後、139lbs/insの引張特性は2
3%の破断伸びで展開した。
実施例32〜36―室温でのレドックス及び嫌気性硬化による製剤
実施例30のクラスタ化官能性生成物を、表20の成分を含有する組成物に製剤した。
Figure 2014208826
実施例37
10リットルクオートTurelloミキサー中で、0.3gのBHTを3233gの
ポリマーa5)中のHMDZ処理ヒュームドシリカ充填剤のマスターバッチ、3232g
のポリマーa4)、168.9gのSIHb2)、326.9gのc2)AMA、及び1
05gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−7
5ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、3.4gのd)P
t触媒を添加し、さらに20分室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することによ
り反応を開始させ、1時間保持した。得られたクラスタ化官能性生成物を50℃まで冷却
し、6gの阻害剤i)DAMを添加した。
実施例38
1クオートRossミキサー中、0.04gのBHTを399.4gのポリマーa1)
、90.9gのSIHb2)、76.6gのc2)AMA、及び183gのc1)ATM
Sに添加した。成分を10分間室温で混合した。この後、0.4gのd)Pt触媒を添加
し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開
始させ、1時間保持した。得られたクラスタ化官能性生成物を50℃まで冷却し、0.7
5gの阻害剤i)DAMを添加した。
実施例39―実施例37及び38のクラスタ化官能性生成物を含有する組成物
実施例37及び38のクラスタ化官能性生成物を表21の成分を含有する組成物に製剤し
た。
Figure 2014208826
比較例40
実施例39の組成物を1組の電極上にコーティングした。メルカプトベンゾチアゾール
腐食防止剤を含まない対照もコーティングした。2組の被覆電極を非被覆電極とともに配
線し、硫黄華を含有するガラスチャンバーに入れた。ガラスチャンバーを80℃オーブン
に入れた。銀電極の電気抵抗を、Keithleyの電位計を抵抗モードで用いて観測し
た。約5〜10オームの初期抵抗は対照及び非被覆電極について露出の2日以内でメガオ
ームまで上昇した。電極はまた目に見えて黒くなった。腐食防止剤を含有するコーティン
グは、露出の10日後、変わらない電気抵抗及び外観を有した。
実施例41〜49―不飽和酸の金属への接着性に対する影響
表22の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド基板に塗布し、80℃で30分間硬化させた。室
温で3日後、得られたラップせん断試料を試験した。成分、重量部でのそれらの量、及び
ラップせん断試験結果を表22に示す。
Figure 2014208826
比較例50及び実施例51〜58
表23の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド及びにCu被覆FR4基板の間に塗布し、80℃
で30分間硬化させた。室温で3日後、ラップせん断試料を試験した。第2組の試料を2
気圧及び130℃の圧力調理器中に24時間入れ、その後それらにラップせん断試験を行
った。成分、それらの量、及びラップせん断試験結果を表23に示す。実施例51〜58
は、アクリレート及びメタクリレートモノマーを用い、接着性のロバスト性をさらに向上
させることができることを示す。
Figure 2014208826
実施例59〜64 酸受容体の添加
表24の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド基板間に塗布し、80℃で30分間硬化させた。
室温で3日後、得られたラップせん断試料を、まず試料を80℃のオーブンに入れた5重
量%のNaCl溶液中に浸漬することにより試験し、その後ラップせん断試験を行った。
成分、それらの量、及びラップせん断試験結果を表24に示す。酸受容体種の使用はアル
ミニウムクラッド基板への湿潤接着性に対するペルオキシド分解産物の影響を低減するこ
とが示された。各成分の量は重量部で示す。
Figure 2014208826
実施例65及び比較例66〜68
表25及び26の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加し
ながら混合した。得られた組成物を引張特性のためAlクラッド基板間の溝中、80℃で
15分間硬化させた後、ラップせん断について試験した。2組の試料を調製した。1組を
25℃及び50%相対湿度(RH)に設定した環境チャンバーにおいて3日熟成させ、別
の組を85℃及び85%RHに設定した環境チャンバーにおいて3日熟成させた。成分及
びそれらの量、並びにラップせん断試験結果を表25及び26に示す。以下の引張特性に
ついて、このシステムにおける第2次水分硬化は前に硬化させた材料と比べて物理的特性
を向上させることが明らかとなり得る。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
実施例69〜71 熱伝導性組成物
156gの実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの試
料を、1クオートミキサーに入れ、0.02gのベンゾキノール及び16.16gのデシ
ルトリメトキシシラン、CH(CHSi(OCHを添加し、5分間室温で
混合した。507.6gのCBA05S及び507.6gのCBA20Sアルミナ充填剤
の試料を添加し、室温で65分間混合した。CBA05Sは米国ニューヨーク州ニューヨ
ークのShowa Denko America Inc.の5ミクロンアルミナ充填剤
だった。CBA20Sは同様にShowa Denkoの20ミクロンアルミナ充填剤だ
った。ミキサーを次に70℃〜75℃の範囲内の温度で60分間(蒸気で)加熱した。こ
の試料を以下の製剤実験のマスターバッチとして用いた。
0.92gのDCBP開始剤及び181gの上述のように調製されたマスターバッチの
試料を100mL歯科用カップにおいて2200rpmで30秒間歯科用ミキサーを用い
て2回混合した。20グラムの得られた材料を次にそれぞれ0.1gのSR297及び0
.1gのアクリル酸と混合した。アクリル酸添加剤の有無にかかわらず、組成物の接着特
性を80℃で30分間硬化させた後ラップせん断を用いて多数の基板で試験した。組成物
及び試験結果を以下の表に示す。
3つの各試料を調製し、80℃で30分間、Ticona Alumimumのポリブ
チレンテレフタレート(PBT)基板と銅被覆FR4板との間で硬化させた。各試料は2
3.4ミルのスペーサービードで1インチのボンドラインを有した。試料をラップせん断
について試験し、結果を表27に示す。
Figure 2014208826
実施例72
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、以下の成分:427.7部(部)のポリマーa2)、26.4部のSIHb2)、
46.0部のc2)AMA、及び0.05部のPTZを添加した。得られた混合物を室温
で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.09部のd)Pt触媒を添
加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることによ
り反応を開始させた。フーリエ変換赤外線(FT−IR)中2173cm−1のSiHピ
ークの減少を測定することにより反応を観測した。一般的な反応時間は1時間だった。
実施例73―有機ボラン硬化性組成物
8gの量の実施例72において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを
歯科用カップ中で0.1gのトリ−n−ブチルボランメトキシプロピルアミン(TnBB
−MOPA)錯体と混合した。脱錯化剤(0.11gのイソホロンジイソシアネート、I
PDI)の添加後、ポリマー基板へのグラフトにおける有用性を示すメタ(アクリレート
)系材料の反応に適したTnBB−MOPAラジカルを形成し、組成物は25秒以内に硬
化させた。成分、量及び硬化結果を表28に示す。
Figure 2014208826
実施例73〜77及び比較例78
表29の成分を含有するラップせん断試料を試験のためCu被覆FR4及びニッケル被
覆銅基板と組み合わせたAlクラッドの上にコーティングした。すべての試料を90℃で
30分間硬化させた。初期データは前に硬化させた試料の引張特性及び凝集破壊パーセン
トを示し、100%がもっとも望ましい。試料を2気圧及び120℃の圧力調理器に24
時間入れることにより加速試験も行い、再試験した。これは接着性の厳しい試験である。
Figure 2014208826
対照と比較して、接着促進剤を含有する実施例73〜77の組成物に引張及び湿潤接着特
性の向上が見られる。
本発明のプロセスは、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを生成するのに必要な
プロセスステップの数が低減されるという点において、従来プロセスと比べて向上を示す
。成分a)及び成分b)の成分c)との反応生成物を作成する場合、中間体精製又は触媒
不活性化ステップが存在しない。さらに、プロセスは、プロセスのクラスタ化官能性ポリ
オルガノシロキサン生成物の粘度及び他の取扱特性に悪影響を及ぼすことなしに充填剤の
組み込みを可能にする。
クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性接着剤組成物は、比較的に
低い温度(例えば、80℃以下)で硬化させた場合でも、自己接着性である(すなわち、
準備なしで上記基板への接着性を形成する)という利点を提供することができる。硬化性
シリコーン組成物は、上述のプロセスにより調製されるクラスタ化官能性ポリマーを含有
しない硬化性シリコーン組成物と比較して、エレクトロニクス産業用途について比較的短
い不粘着時間の利点をさらに提供することができる。
クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセスは、脂肪族不飽和種、ケイ素
結合水素原子を含有する種、及び反応種をヒドロシリル化触媒の存在下で反応させるステ
ップを含む。このプロセスにより調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは
、異なるプロセスにより調製された「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンと比較して向
上した物理的特性(例えば、増加した引張強度及び伸び%)を有する。クラスタ化官能性
ポリオルガノシロキサンは充填剤を含有することができ、さらに異なるプロセスにより調
製された「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンと比べて向上した物理的特性のみならず
向上したディスペンス特性を示すことができる。
硬化してエラストマー材料となるポリオルガノシロキサン組成物は周知である。こうし
た組成物は、硬化性(例えば、加水分解性、放射線硬化性、又は熱硬化性)基を有するポ
リジオルガノシロキサンを必要に応じて架橋剤及び/又は触媒と混合することにより調製
することができる。一般的には、ポリジオルガノシロキサンは鎖末端当たり1〜3個の反
応性基を有することができる。次にこれらの成分を含む組成物を、存在する硬化性基に応
じて、例えば、大気水分への露出、放射線への露出、又は熱への露出により硬化すること
ができる。
特定の組成物の硬化速度は存在する反応性基のタイプ及び数を含む各種要因によって決
まる。異なる基は異なる反応性を有することが知られている。例えば、水分の存在下、す
べての他の条件が同じである場合、ケイ素結合アセトキシ基は通常ケイ素結合アルコキシ
基より速く加水分解するだろう。さらに、同じタイプの硬化性基であっても、特定のケイ
素原子に結合したそれらの硬化性基の数に応じて異なる反応性を有することができる。例
えば、ポリジオルガノシロキサンが鎖末端上で1個のケイ素原子に結合した3個のケイ素
結合アルコキシ基を有する場合、第1のアルコキシ基は一般的にはもっとも反応性である
(もっとも速く反応する)が、第1のアルコキシ基が反応した後、同じケイ素原子に結合
した第2のアルコキシ基が反応するにはより長い時間がかかり、第3についてはさらに長
い。従って、分子末端当たりより多くの「もっとも」反応性である基を有するクラスタ化
官能性ポリオルガノシロキサンを調製する継続的必要性がある。
さらに、シリコーン接着剤用途のような特定の用途についての有用性を示すため、充填
剤を組成物に添加し、組成物の得られる硬化生成物の物理的特性プロファイルを向上させ
る(例えば、引張強度を増加させ、破断伸び%を向上させる)ことができる。充填剤の性
質、その化学的性質、粒径及び界面化学反応はすべてポリオルガノシロキサンと充填剤と
の間の相互作用の大きさ及びひいては最終的な物理的特性に影響を及ぼすことが示されて
いる。接着性及びディスペンス性のような他の特性も、接着剤用途についての組成物の性
能及び市販性において役割を果たす。シリコーン接着剤は一般的には、幅広い金属、鉱物
及びプラスチック表面への接着性とともに、平方インチ当たり(psi)200ポンドを
超える引張特性及び100%の伸びを有する。
長いポリマー鎖が1つ以上の有機官能性基を有する環状、線状及び星状種でキャップさ
れた「ダンベル」シリコーンポリマーの合成については開示されている。こうしたポリマ
ーについては多数の硬化化学反応、例えばエポキシ(グリシジル、アルキルエポキシ、及
び脂環式エポキシ)、メタクリレート、アクリレート、ウレタン、アルコキシ、又は付加
を行うことができることが記載されている。
硬化性基がポリマーの末端でクラスタ化された多官能性末端ブロックコポリマー(クラ
スタ化官能性ポリオルガノシロキサン)を生成することが望ましい。「ダンベル」シリコ
ーンポリマーにおけるクラスタ化官能性基のそれらを分離する非官能性ポリマー鎖との組
み合わせは、硬化速度の最小限の低下でより高い物理的特性をもたらすことができる。こ
の方法は硬化性基が同じである(例えば、ポリマー鎖末端でクラスタ化したすべての硬化
性基がエポキシ又はアルコキシのいずれかであり得る)「ダンベル」シリコーンポリマー
について示されている。この方法は、硬化性基が異なる、例えば、ポリマー末端でクラス
タ化したすべての硬化性基がエポキシ及びアルコキシ基の組み合わせであり得る、いわゆ
る「多重硬化」システムについても示されている。
これらの「ダンベル」シリコーンポリマーを生成するための既知のプロセスでは、これ
らのポリマーは多重ステップにおいて調製される。まず、水素化シリコーン官能性「ダン
ベル」中間体はビニル末端ブロック線状ポリオルガノシロキサンの環状、線状又は分岐水
素化シリコーンとの反応によって調製される。高温で長時間の触媒の継続的存在は、一般
的には環状末端ブロックの開環又は残りのケイ素結合水素原子の架橋によって、ゲル化を
もたらすので、この初期ステップ後、白金族金属触媒を中和するための試薬の添加並びに
/又は水素化シリコーン官能性「ダンベル」中間体を未反応種及び副生成物から取り出す
ための精製ステップを行う。ゲル化を防止するいくつかの方法は、水素化シリコーン官能
性「ダンベル」中間体を形成した後、白金族金属触媒毒、シリル化剤、又はジアリルマレ
エートのような触媒阻害剤を用い、触媒を不活性化するステップを含む。これは溶媒、未
反応水素化シリコーン、及び反応副生成物を除去するための高温での中間体の(例えば、
揮散又は蒸留による)精製を可能にする。この方法の問題は、不飽和有機官能性部分との
その後の反応を達成するのにより多くの白金族金属触媒の添加(追加費用)及びより高温
、一般的には>80℃が長時間必要となり、これによりプロセスを行うのに必要な時間が
増加することである。上昇した温度は、大きなエキソサームが一般的にヒドロシリル化プ
ロセスに関連している小さな「ダンベル」種においてとくに問題となり得る。高い開始温
度及び大きなエキソサームでは産業プロセスにおける熱管理が問題となる。不飽和基(例
えば、メタクリレート、アクリレート、ビニル又はアリル)は望ましくないラジカルプロ
セスによって自動重合し得る。これらのラジカルプロセスはヒドロキノン(HQ)、4−
メトキシフェノール(MEHQ)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フェノチア
ジン(PTZ)、等のような重合阻害剤の添加により緩和することができる。しかしなが
ら、メタクリレート官能性材料の場合、ラジカル阻害剤が存在していても、この多重ステ
ッププロセスではメタクリレート自動重合の発生率は高い。これらの理由のため、開環及
び自動重合の傾向を低減又は削減するので、最小限のプロセスステップ及び最小限の熱履
歴を有するプロセスの必要性がある。これは有機官能性基のより大きなサイズを可能にす
るとともに、既知のプロセスに関連する追加の白金族金属触媒及び時間のかかるプロセス
ステップによるコストを低減することができる。
さらに、上述の既知のプロセスにより製造された「ダンベル」シリコーンポリマーの使
用はこれらのポリマーで充填剤を製剤するステップに関連する問題のために限定されてい
る。充填剤の添加は、ゴム、封止材、及び接着剤のような硬化シリコーン製品の物理的特
性を向上させる。こうした組成物において用いられる充填剤、例えばヒュームドシリカは
、表面シラノール基のため本質的に親水性であり、加工及び使用に重度の問題をもたらす
。シラノール基の水親和性は絶縁破壊、腐食、並びに接着促進剤、触媒、及び結合剤のゲ
ル化をもたらし得る。シラノール基はポリオルガノシロキサンとシリカ表面との間の必要
より大きな相互作用ももたらし、ディスペンスする又は取り扱うには高すぎる粘度を有す
る、クレープ硬化を示す材料をもたらす。従って、これらの問題を緩和するため疎水性種
で予備処理したヒュームドシリカを用いることは一般的な方法である。これらの充填剤は
シリカ製造業者により予備処理され得、例えば、Cabosil(登録商標)TS−53
0及びTS−720は米国マサチューセッツ州ビルリカのCabot Specialt
y Chemicals,Inc.のそれぞれヘキサメチルジシラザン(HMDZ)及び
ポリジメチルシロキサンで処理したヒュームドシリカであり、又は充填剤は製造プロセス
の一環としてin situ処理することができる。
ヒュームドシリカの利点にかかわらず、製品の製剤業者はヒュームドシリカの疎水性及
び親水性形態の両方の問題を挙げている。例えば、その水分吸収シラノール基のため水濃
度の増加は電気抵抗を減少させるので、親水性ヒュームドシリカは電子接着剤又はコーテ
ィング用途において問題を起こす傾向がある。さらに、コーティング用途において、親水
性ヒュームドシリカにより導入されるこの水分は被覆基板の腐食を促進し得る。また、親
水性ヒュームドシリカのせん断減粘効率は多くの場合不適切であり、これはヒュームドシ
リカ表面上での液体の吸収に起因し、シリカ凝集及びよってせん断減粘を妨げると考えら
れる。
「ダンベル」ポリオルガノシロキサンをまず製造した後、その後のプロセスステップに
おいて所望の量の充填剤を分散させ、高い引張特性を得ることが可能である。しかしなが
ら、処理充填剤を分散させる際に直面するせん断は、新規の未処理シリカの形成をもたら
し、よって粒子であるシラノール基は破壊及び破砕される。これは「ダンベル」ポリオル
ガノシロキサンのレオロジーの保存特性及び不安定性をもたらし得、「ダンベル」ポリオ
ルガノシロキサンを含有する組成物、及びその硬化生成物の金属への接着特性も低減し得
る。ヒュームドシリカは製造中に加工しにくくもあり得る。ヒュームドシリカを上述の「
ダンベル」ポリオルガノシロキサンを含有する組成物に添加する場合、高せん断ブレンド
でもヒュームドシリカ粒子を分散させるには不十分であり得る。シリカを十分に分散させ
るため、ヒュームドシリカ−ポリマー混合物を媒体ミル又は3ロールミルに通さなければ
ならないプロセスステップを添加する必要がある場合が多い。さらに、シリカ凝集を破壊
し、未処理シリカ表面を露出し、せん断減粘特性を破壊する、ヒュームドシリカの過剰分
散の危険性がある。これらの余分なプロセスステップの必要性をなくすとともに、シリカ
を過剰分散させる危険性を回避することは製品製剤業者にとって非常に望ましい。従って
、エレクトロニクス産業にはクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを処理充填剤の存
在下で合成するプロセスの必要性がある。
クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの調製プロセスは、
平均で1分子当たり少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキ
サン、並びに、b)平均で、1分子当たり4〜15個のケイ素原子、及び、成分a)中の
1つの脂肪族不飽和有機基当たりのケイ素結合水素原子(SiH/Vi比)を少なく
とも4つ有するポリオルガノ水素シロキサンであって、成分a)中の各脂肪族不飽和有機
基当たり1分子の成分b)をもたらすのに十分な量で存在するポリオルガノ水素シロキサ
ンb)、を含む成分を、d)ヒドロシリル化触媒の存在下で、同時に反応させるステップ
を含む。成分b)中のケイ素結合水素原子/成分a)中の脂肪族不飽和有機基のモル比(
SiH/Vi比)は4/1〜20/1の範囲内である。本プロセスにより調製された
生成物は、成分a)のポリオルガノシロキサンの各末端に2個以上の硬化性基を有するク
ラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンである。本プロセスにより調製されたクラスタ化
官能性ポリオルガノシロキサンは硬化性シリコーン組成物において用いることができる。
用語の定義及び使用
冠詞「a」、「an」及び「the」はそれぞれ、とくに指示のない限り、1つ以上を
指す。本出願中のすべての量、比及び割合は、とくに指示のない限り、重量による。すべ
ての動粘度は、とくに指示のない限り、25℃で測定された。
プロセス
プロセスはクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを製造するのに有用である。本プ
ロセスは
1) a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノ
シロキサン、
b)分子当たり平均4〜15個のSi原子及び成分a)中の脂肪族不飽和有機基
当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン、並び

c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を
有する反応種
を含む成分をd)ヒドロシリル化触媒の存在下で同時に反応させるステップを含むことが
できる。このプロセスでは、ステップ1)の成分は、e)充填剤、f)非反応性シリコー
ン樹脂、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。上述のプロセスは任意で、
2)ステップ1)後、触媒阻害剤を添加し、触媒を不活性化するステップ、及び3)ステ
ップ2)の生成物を精製するステップをさらに含むことができる。
あるいは、本プロセスは:
I) a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノ
シロキサン、並びに
b)分子当たり平均4〜15個のSi原子及び成分a)中の脂肪族不飽和有機基
当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン
を含む成分を
d)ヒドロシリル化触媒の存在下で同時に反応させるステップ;並びにその後
II)ステップI)の生成物を
c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有する反
応種
を含む成分と反応させるステップを含むことができるが、
ただし、ステップI)及び/又はステップII)中の該成分はe)充填剤、f)非反応性
シリコーン樹脂、又はこれらの組み合わせをさらに含み、中間体精製ステップはステップ
I)とステップII)との間に行われず、SiH/Vi比は4/1〜20/1の範囲
内であり、本プロセスにより調製された生成物は成分a)のポリオルガノシロキサンの各
末端に平均2個以上の硬化性基を有する。本プロセスは任意で:III)ステップII)
後、触媒阻害剤を添加し、触媒を不活性化するステップ、及びIV)ステップIII)の
生成物を精製するステップをさらに含むことができる。上記プロセス中の生成物を精製す
るステップは、揮散又は蒸留のようないずれかの便利な手段により、任意で真空下で行う
ことができる。
成分
上述のプロセスにおいて用いられる成分は:
a)分子当たり平均少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキサ
ン、
b)分子当たり平均4〜15個のケイ素原子を有するポリオルガノ水素シロキサン、
c)分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有する反
応種、並びに、
d)ヒドロシリル化触媒
を含む。
成分a)ポリオルガノシロキサン
成分a)は、分子当たり平均少なくとも2個の、成分b)のケイ素結合水素原子とのヒ
ドロシリル化反応を行うことができる、脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキ
サンである。成分a)は線状又は分岐構造を有していてもよい。あるいは、成分a)は線
状構造を有していてもよい。成分a)は、以下の特性:構造、粘度、重合度、及び配列の
少なくとも1つが異なる2つ以上のポリオルガノシロキサンを含む組み合わせであっても
よい。
成分a)は100最小限の平均重合度(平均DP)を有する。あるいは、成分a)の平
均DPは100〜1000の範囲内とすることができる。成分a)のポリオルガノシロキ
サンの分布DPは二相性であり得る。例えば、成分a)は、60のDPを有する1つのア
ルケニル末端ポリジオルガノシロキサン及び100より高いDPを有する別のアルケニル
末端ポリジオルガノシロキサンを含むことができるが、ただし、ポリジオルガノシロキサ
ンの平均DPは100〜1000の範囲内である。しかしながら、成分a)に用いるのに
適したポリオルガノシロキサンは10の最小限の重合度(DP)を有するが、ただし、1
0未満のDPを有するポリオルガノシロキサンは100より大きいDPを有するポリオル
ガノシロキサンと組み合される。成分a)に適したポリジオルガノシロキサンは当技術分
野において知られ、市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)SF
D−128は980〜1000の範囲内のDPを有し、DOW CORNING(登録商
標)SFD120は120〜700の範囲内のDPを有し、DOW CORNING(登
録商標)7038は100のDPを有し、DOW CORNING(登録商標)SFD−
119は150のDPを有する。これらはすべて米国ミシガン州ミッドランドのダウコー
ニングコーポレーションから市販されるビニル末端ポリジメチルシロキサンである。成分
a)が二相性分布を有する場合、より低いDPを有するポリオルガノシロキサン(低DP
ポリオルガノシロキサン)はより高いDPを有するポリオルガノシロキサン(高DPポリ
オルガノシロキサン)よりも少ない量で存在している。例えば、二相性分布では、低DP
ポリオルガノシロキサン/高DPポリオルガノシロキサンの比は10/90〜25/75
の範囲内とすることができる。
成分a)の例としては、式(I)、式(II)、又はこれらの組み合わせのポリオルガ
ノシロキサンが挙げられる。式(I)はR SiO(R SiO)(R
SiO)SiR であり、式(II)はR SiO(R SiO)(R
SiO)SiR である。これらの式中、各Rは独立して脂肪族不飽和を含ま
ない一価有機基であり、各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、下付き文字aは2
〜1000の範囲内の平均値を有し、下付き文字bは0〜1000の範囲内の平均値を有
し、下付き文字cは0〜1000の範囲内の平均値を有し、下付き文字dは4〜1000
の範囲内の平均値を有する。式(I)及び(II)中、10≦(a+b)≦1000であ
り、10≦(c+d)≦1000である。
に適した一価有機基としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシ
ルのようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル
、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。各R
は独立して脂肪族不飽和一価有機基である。Rは脂肪族不飽和一価炭化水素基、例えば
、ビニル、アリル、プロぺニル、及びブテニルのようなアルケニル基;並びにエチニル及
びプロピニルのようなアルキニル基とすることができる。
成分a)は、
i)ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン
)、
iii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
iv)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)、
v)トリメチルシロキシ末端ポリメチルビニルシロキサン、
vi)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサ
ン)、
vii)ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン
)、
viii)フェニル、メチル、ビニル−シロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
ix)ジメチルへキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、
x)ジメチルへキセニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルへキセニルシロ
キサン)、
xi)ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリメチルヘキセニルシロキサン、
xii)トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルへキセニルシロキサ
ン)、又は
xiii)これらの組み合わせ
のようなポリジオルガノシロキサンを含むことができる。
成分b)ポリオルガノ水素シロキサン
成分b)は分子当たり平均4〜15個のケイ素原子を有するポリオルガノ水素シロキサ
ンである。成分b)は成分a)中の脂肪族不飽和有機基当たり平均少なくとも4個のケイ
素結合水素原子を有する。成分b)は環状、分岐、又は線状であってもよい。あるいは、
成分b)は環状であってもよい。成分b)は以下の特性:構造、粘度、重合度、及び配列
の少なくとも1つが異なる2個以上のポリオルガノ水素シロキサンを含む組み合わせであ
ってもよい。
成分b)は、分子当たり平均4〜15個のシロキサン単位を有する環状ポリオルガノ水
素シロキサンであってもよい。環状ポリオルガノ水素シロキサンは式(III)を有する
ことができ、式(III)は(R SiO2/2(HRSiO2/2であり
、式中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字eは0〜10の範囲内の平均値を有し、
下付き文字fは4〜15の範囲内の平均値を有し、
(e+f)は4〜15、あるいは4〜12、あるいは4〜10、あるいは4〜6、あるい
は5〜6の範囲内の値を有する。Rに適した一価有機基としては、これらに限定されな
いが、一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチ
ル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロア
ルキル;フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリ
ールが挙げられる。
あるいは、成分b)は分岐ポリオルガノ水素シロキサンであってもよい。成分b)の分
岐ポリオルガノ水素シロキサンは式IV)を有することができ、式IV)はSi−(OS
iR (OSiHRg’(OSiR (OSiR H)(4−h)
あり、式中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字gは0〜10の範囲内の値を有し、
下付き文字g’は0〜10の範囲内の値を有し、
下付き文字hは0〜1の範囲内の値を有する。あるいは、下付き文字gは0であってもよ
い。下付き文字g’が0である場合、下付き文字hも0である。Rに適した一価有機基
としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル
、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシルのようなアルキル;シク
ロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及
び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。
あるいは、成分b)は分子当たり平均少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有する線
状ポリオルガノ水素シロキサンであってもよい。成分b)の線状ポリオルガノ水素シロキ
サンは(V)、(VI)、又はこれらの組み合わせから選択される式を有することができ

式(V)はR HSiO(R SiO)(RHSiO)SiR Hであり、
式(VI)はR SiO(R SiO)(RHSiO)SiR であり、式
中、
各Rは独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
下付き文字iは0〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字jは2〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字kは0〜12の範囲内の平均値を有し、
下付き文字mは4〜12の範囲内の平均値を有し、
4≦(i+j)≦13であり、4≦(k+m)≦13である。
に適した一価有機基としては、これらに限定されないが、一価炭化水素基、例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシル
のようなアルキル;シクロへキシルのようなシクロアルキル;並びにフェニル、トリル、
キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチルのようなアリールが挙げられる。
成分a)及び成分b)は、4/1〜20/1、あるいは4/1〜10/1、あるいは5
/1〜20/1の範囲内の成分b)中のケイ素結合水素原子/成分a)中の不飽和有機基
のモル比(一般的にはSiH/Vi比と称される)をもたらすのに十分な量で存在す
ることができる。理論に縛られることは望まないが、SiH/Vi比が30/1以上
である場合、成分は架橋し、望ましくない物理的特性を有する生成物を形成し得;SiH
/Vi比が4/1未満である場合、プロセスの生成物は、とくに(分子当たり1個の
硬化性基を有する)単官能性反応種が成分c)として用いられる場合、十分に速い硬化速
度を有するのに十分なクラスタ化官能性基を有さないことがあり得ると考えられる。
理論に縛られることは望まないが、成分a)中の脂肪族不飽和有機基に対して過剰の成分
b)中のケイ素結合水素原子を用いることは、本明細書において記載するプロセスにより
調製したクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性シリコーン組成物中
で不溶性となる傾向があり、その保存寿命を低減し得るクラスタ化官能性ポリオルガノシ
ロキサンの高ホモログを生成する可能性を低減することができると考えられる。過剰の成
分b)中のケイ素結合水素原子は、反応性希釈剤又は粘度調整剤及び接着促進剤として機
能することができる小さな(比較的低DPの)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
をもたらすこともできる。小さな高官能性水素化シリコーンの阻害性質はヒドロシリル化
プロセスを開始させるのに一般的には50℃より高い温度が必要であることを意味するの
で、産業環境においてこれらの高官能性小分子を生成するのは難しい。この後大きなエキ
ソサームが発生し、これは大量の溶媒の存在下又は試薬の注意深い監視を用いて温度が制
御されない場合、危険であり得る。SiH/Vi比を単純に変えることにより、これ
らの種をクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン及び充填剤の希釈溶液において製造す
ることができ、これによりゲル化及び非制御発熱反応による発火の可能性を大幅に低減す
る。
成分c)反応種
反応種は、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンにおいて硬化性基をもたらすこと
ができるいずれかの種であってもよい。反応種は、分子当たり平均少なくとも1個の、成
分b)のケイ素結合水素原子との付加反応を行うことができる、脂肪族不飽和有機基を有
する。成分c)は分子当たり1個以上の硬化性基をさらに含む。硬化性基は、(上述のプ
ロセスにより調製される)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを硬化性にする官能
性(反応性)基である。成分c)上の硬化性基は、アクリレート、アルコール、アルコキ
シ、エポキシ、イソシアネート、メタクリレート、ウレタン、及びこれら組み合わせから
選択することができる。あるいは、成分c)上の硬化性基は、アクリレート、アルコキシ
、エポキシ、メタクリレート、及びこれらの組み合わせから選択することができる。成分
c)よりもたらされる硬化性基のすべてが同じである場合、プロセスの生成物は「単独硬
化」クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと考えられる。成分c)より2つ以上の異
なる硬化性基、例えばアルコキシ及びエポキシがもたらされる場合、生成物は「多重硬化
」クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと考えられる。成分c)は1つの反応種、又
は2つ以上の反応種を含む組み合わせであってもよい。成分c)が2つ以上の反応種を含
む場合、2つ以上の反応種は2つ以上の異なる硬化性基を有する。成分c)はケイ素含有
種又は有機種を含むことができる。あるいは、成分c)はシランのようなケイ素含有種を
含むことができる。
例えば、成分c)は式(VIII)のシランを含むことができ、式(VIII)はR
SiR (3−O)であり、式中、
下付き文字oは1〜3の範囲内の値を有し、
各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、
各Rは独立してアクリレート基、アルコール基、アルコキシ基、エポキシ基、イソシア
ネート基、メタクリレート基、及びウレタン基を含有する有機基から選択される。あるい
は、各Rは独立してアルケニル基又はアルキニル基から選択することができる。R
適したアルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、及びブテニルが挙げら
れる。Rに適したアルキニル基の例としては、エチニル及びプロピニルが挙げられる。
あるいは、各Rは独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリ
レート基から選択することができる。あるいは、成分c)は2つ以上の式(VII)のシ
ランを含むことができ、式(VII)はR SiR (3−n)であり、式中、各下付
き文字nは独立して1〜3の範囲内の値を有し、
各Rは独立して脂肪族不飽和有機基であり、
各Rは独立してアクリレート基、アルコール基、アルコキシ基、エポキシ基、イソシア
ネート基、メタクリレート基、及びウレタン基から選択される。
あるいは、各Rは独立してアルケニル基又はアルキニル基から選択することができる。
あるいは、各Rは独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリ
レート基から選択することができる。1つのシラン上の少なくとも1つのR基は別のシ
ラン上の少なくとも1つの他のR基とは異なり得る。式(VII)及び(VIII)に
適したシランの例としては、これらに限定されないが、アルケニル基、例えば、ビニル、
アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−イソブテニル、2−イソブテニル、1−se
c−ブテニル、2−sec−ブテニル、5−へキセニルを有する有機官能性シランが挙げ
られ、例としては、アリルトリメトキシシラン及び5−へキセニルトリメトキシシランが
挙げられる。
あるいは、成分c)は(ケイ素原子を含有しない)有機化合物を含むことができる。成
分c)の有機化合物は分子当たり平均1〜2個のアルケニル又はアルキニル基のような脂
肪族不飽和有機基、並びにアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリレ
ート基から選択される1個以上の反応性基を有することができる。成分c)に適した有機
化合物の例としては、これらに限定されないが、2−アリルフェノール、2−アリルオキ
シエタノール、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、又は4−アリル−2−メ
トキシフェノールのようなアリルアルコール;ビニルアルコール;アリルメタクリレート
(AMA)又はビニルメタクリレートのようなアルケニルアクリレート;4−ビニルシク
ロヘキサンオキシド(VCHO)、リモネンオキシド、7−エポキシ−1−オクテン、又
は4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシドのようなアルケニルエポキシド;
アリルトリメトキシシラン(ATMS)、アリルトリイソプロポキシシラン、ブテニルト
リエトキシシラン、5−へキセニルトリエトキシシラン、又は10−ウンデシルトリメト
キシシランのようなアルケニルトリアルコキシシラン;アリルグリシジルエーテル(AG
E)、アリルフェノールエーテル、1−アリルエーテル−2,3−プロパンジオール、ト
リメチロールプロパンアリルエーテル、又はアリルビニルエーテルのようなアリルエーテ
ル;アリルアルコールプロポキシレート;アリルアセテート;アリルアセトアセテート;
並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
成分c)の量は、成分b)のタイプ、量及びSiH含有量並びに選択される成分c)の
タイプを含む各種要因によって決まる。しかしながら、成分c)の量はSiHtot/V
totを1/1〜1/1.4、あるいは1/1.2〜1.1/1の範囲内とするのに十
分である。SiHtot/Vitot比は、組み合わされた成分a)及びc)上の脂肪族
不飽和有機基の総量で割った、成分b)並びに、存在する場合成分g)鎖延長剤及び/又
は成分h)末端キャップ剤(後述する)上のケイ素結合水素原子の総量のモル比を意味す
る。
成分d)ヒドロシリル化触媒
成分d)は、成分a)、b)、及びc)の反応を促進するヒドロシリル化触媒である。
成分d)は成分a)、b)、及びc)の反応を促進するのに十分な量で添加することがで
き、この量は、例えば、プロセスに用いられるすべての成分の総重量に対して、100万
分の0.1部(ppm)〜1000ppm、あるいは1〜500ppm、あるいは2pp
m〜200ppm、あるいは5ppm〜150ppmの白金族金属をもたらすのに十分で
あってもよい。
適切なヒドロシリル化触媒は当技術分野において知られ、市販されている。成分d)は
白金(Pt)、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム若しくはイリジウム金属
若しくはこれらの有機金属化合物、又はこれらの組み合わせから選択される白金族金属を
含むことができる。成分d)の例としては、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、二塩化白
金、及び該化合物の低分子量オルガノシロキサンとの錯体のような化合物又はマトリクス
若しくはコアシェル型構造にマイクロカプセル化した白金化合物が挙げられる。白金の低
分子量オルガノポリシロキサンとの錯体としては、1,3−ジエテニル−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン白金錯体が挙げられる。これらの錯体は樹脂マトリクスにマ
イクロカプセル化することができる。あるいは、触媒は1,3−ジエテニル−1,1,3
,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体を含むことができる。触媒が低分子量オルガノ
シロキサンとの白金錯体である場合、触媒の量はプロセスにおいて用いられる成分の総重
量に対して0.04〜0.4%の範囲内とすることができる。
成分d)に適したヒドロシリル化触媒については、例えば、米国特許第3,159,6
01号;第3,220,972号;第3,296,291号;第3,419,593号;
第3,516,946号;第3,814,730号;第3,989,668号;第4,7
84,879号;第5,036,117号;及び第5,175,325号並びに欧州特許
第EP0347895B号に記載されている。マイクロカプセル化ヒドロシリル化触媒及
びそれらの調製方法は、米国特許第4,766,176号;及び米国特許第5,017,
654号において例示されているように、当技術分野において知られている。
追加成分
上述のプロセスにおいて用いられる成分は任意でe)充填剤、f)非反応性樹脂、g)
鎖延長剤、及びh)末端キャップ剤、又はこれらの組み合わせから選択される1つ以上の
追加成分をさらに含むことができる。あるいは、本プロセスにおいて用いられる成分は、
成分a)、b)、c)、d)、及びe)であってもよい。あるいは、本プロセスにおいて
用いられる成分は、成分a)、b)、c)、d)、e)、及びg)であってもよい。ある
いは、本プロセスにおいて用いられる成分は、成分a)、b)、c)、d)、e)、及び
h)であってもよい。あるいは、本プロセスにおいて用いられる成分は、成分a)、b)
、c)、d)、e)、g)及びh)であってもよい。
成分e)充填剤
充填剤は上述のプロセス中に添加することができる。充填剤の例としては、アルミナ、
炭酸カルシウム(例えば、ヒュームド、粉砕、及び/又は沈降)、珪藻土、石英、シリカ
(例えば、ヒュームド、粉砕、及び/又は沈降)、タルク、酸化亜鉛、チョップドKEV
LAR(登録商標)のような短繊維、又はこれらの組み合わせのような補強及び/又は増
量充填剤が挙げられる。充填剤の量は、選択される充填剤のタイプ及び本プロセスにより
製造されるクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの最終用途を含む各種要因によって
決まるだろう。しかしながら、充填剤の量は、すべての成分の総量に対して最大20%、
あるいは1%〜20%であってもよい。上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能
性ポリオルガノシロキサンを接着剤組成物に用いる場合、充填剤の量は10%〜20%の
範囲内とすることができる。あるいは、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを封止
材組成物に用いる場合、充填剤の量は4%〜10%の範囲内とすることができる。
理論に縛られることは望まないが、充填剤を本明細書に記載するプロセス中に添加する
場合、これは従来の「ダンベル」型ポリオルガノシロキサンを多重ステッププロセスにお
いて形成し、その後充填剤を分散させる従来プロセスと比較して引張特性の向上をもたら
すだろうと考えられる。従って、本明細書に記載するプロセスは、段落[0013]で上
述したプロセスのステップI)前又はその間に成分e)、充填剤を成分a)と混合するス
テップをさらに含むことができる。あるいは、本プロセスはステップI)前若しくはその
間にe)充填剤を成分a)と混合するステップ又はステップI)後及び段落[0014]
において上述したプロセスのステップII)前若しくはその間にe)充填剤を成分と混合
するステップをさらに含むことができる。
充填剤を添加する上記プロセスステップは多くの硬化性基に利点をもたらすことができ
るが、(例えば、加水分解性基を含有する)クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンと
の有害反応は依然問題であり得る。この問題に対処するため、本プロセスは、段落[00
13]で上述したプロセスのステップ1)前又はその間にe)充填剤及びe’)充填剤処
理剤を成分a)と混合するステップをさらに含むことができる。あるいは、本プロセスは
、ステップI)前若しくはその間e)充填剤及びe’)充填剤処理剤を成分a)と混合す
るステップ又はステップI)後及び段落[0016]に上述したプロセスII)前若しく
はその間にe)充填剤及びe’)充填剤処理剤を成分と混合するステップをさらに含むこ
とができる。上述の充填剤表面の効果的なin situ処理は高温及び/又は真空条件
が必要であり得る。これらの条件は感温不飽和官能性基及びそれらの酸素使用可能酸化防
止剤にとっても望ましくなくあり得る。従って、充填剤は充填剤処理剤で成分a)の存在
下、高温で及び/又は真空下で予備処理することができる。これらの充填剤処理条件は、
例えば、Kunimatsu他の米国特許第6,013,701号に記載されるようにバ
ッチ又は連続プロセスで行うことができる。
ポリオルガノシロキサン中の処理充填剤の得られる組み合わせはマスターバッチと称さ
れる。マスターバッチは市販されている。マスターバッチの使用は、成分a)の脂肪族不
飽和有機基の成分b)のケイ素結合水素原子及び成分c)の不飽和有機基との速やかな反
応を単独低せん断ステップにおいて行うことを可能にし、向上したレオロジー及び保存特
性とともに優れた引張及び接着特性を有する充填クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサ
ンをもたらす。
脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガノシロキサン及び処理充填剤、任意で同じ又は
異なる分子量の(脂肪族不飽和有機基を有する)第2のポリオルガノシロキサンを含むマ
スターバッチを成分b)及びc)と組み合わせることができ、得られる混合物は成分d)
の添加前に室温でせん断することができる。次に50℃〜100℃、あるいは70℃〜8
5℃まで昇温することにより反応を開始させることができ、フーリエ変換赤外線分光法(
FT−IR)により約2170cm−1で観測されるSiHピークがスペクトルの背景ま
で減少するのに必要な時間により測定されるように、すべてのSiHが反応するまで温度
を維持する。
脂肪族不飽和ポリオルガノシロキサン及び充填剤処理剤の熱安定性のため、これらのプ
ロセスはより高い温度及びせん断で行うことができ、ビニル末端ブロックPDMSのよう
な脂肪族不飽和ポリオルガノシロキサン(ポリマー)中の(シリカのような)処理充填剤
の安定な、再生産可能なマスターバッチを生成する。理論に縛られることは望まないが、
ポリマー/充填剤界面を高い温度及びせん断に露出することがポリマー/充填剤相互作用
を最適化し、安定なマスターバッチを製造すると考えられる。マスターバッチを用いるこ
とにより、当業者であれば、低い温度及びせん断で硬化性シリコーン組成物を製剤するこ
とができ、硬化性シリコーン組成物を異なる硬化化学反応で調製するのに本プロセスをよ
り幅広く適用可能にする利点を提供する。
充填剤処理剤は当技術分野において知られる処理剤であってもよい。充填剤処理剤の量
は、充填剤が充填剤処理剤でin situ処理されようと成分a)と組み合わせる前に
予備処理されようと、成分e)について選択される充填剤のタイプ及び量を含む各種要因
に応じて異なり得る。しかしながら、成分e)の充填剤の重量に対して、0.1%〜2%
の範囲内の量の充填剤処理剤を含むことができる。
充填剤処理剤は、アルコキシシランのようなシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサ
ン、環状ポリオルガノシロキサン、ジメチルシロキサン又はメチルフェニルシロキサンの
ようなヒドロキシ官能性オリゴシロキサン、ステアリン酸塩、又は脂肪酸を含むことがで
きる。アルコキシシランは式:R10 Si(OR11(4−p)を有することができ
、式中、下付き文字pは1、2、又は3であり、あるいはpは3である。各R10は独立
して炭素原子1〜50個、あるいは炭素原子6〜18個の一価炭化水素基のような炭素原
子1〜50個の一価有機基である。R10に適した一価炭化水素基の例としては、ヘキシ
ル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシルのようなアル
キル基;並びにベンジル、フェニル及びフェニルエチルのような芳香族基が挙げられる。
10は飽和又は不飽和及び分岐又は非分岐である一価炭化水素基とすることができる。
あるいは、R10は飽和、非分岐、一価炭化水素基とすることができる。各R11は炭素
原子1〜4個、あるいは炭素原子1〜2個の飽和炭化水素基であってもよい。
アルコキシシラン充填剤処理剤の例としては、へキシルトリメトキシシラン、オクチル
トリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラ
デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシ
シラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれ
らの組み合わせが挙げられる。
アルコキシ官能性オリゴシロキサンを処理剤として用いることもできる。アルコキシ官
能性オリゴシロキサン及びそれらの調製方法は当技術分野において知られ、例えば、欧州
特許第EP1101167A2号を参照されたい。例えば、適切なアルコキシ官能性オリ
ゴシロキサンとしては式(R14O)Si(OSiR12 13(4−q)のもの
が挙げられる。この式中、下付き文字qは1、2、又は3であり、あるいはqは3である
。各R12は独立して炭素原子1〜10個の飽和及び不飽和一価炭化水素基から選択する
ことができる。各R13は少なくとも11個の炭素原子を有する飽和又は不飽和一価炭化
水素基とすることができる。各R14はアルキル基とすることができる。
あるいは、アルコキシシランを、一般的には反応性の小さいアルコキシシランと表面ヒ
ドロキシルとの反応を触媒するシラザンと組み合わせて、用いることができる。こうした
反応は一般的には100℃より高い温度、高せん断で、アンモニア、メタノール及び水の
ような揮発性副生成物を除去しながら行われる。
あるいは、充填剤処理剤は、一般的にはシリカ充填剤を処理するのに用いられる有機ケ
イ素化合物のいずれかとすることができる。有機ケイ素化合物の例としては、これらに限
定されないが、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、及びトリメチルモノ
クロロシランのようなオルガノクロロシラン;ヒドロキシ末端ブロックジメチルシロキサ
ンオリゴマー、ヘキサメチルジシロキサン、及びテトラメチルジビニルジシロキサンのよ
うなオルガノシロキサン;ヘキサメチルジシラザン及びヘキサメチルシクロトリシラザン
のようなオルガノシラザン;並びにメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及び3
−メタクリロールオキシプロピルトリメトキシシランのようなオルガノアルコキシシラン
が挙げられる。ステアリン酸塩の例としてはステアリン酸カルシウムが挙げられる。脂肪
酸の例としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、獣脂、ココナツ油、及びこ
れらの組み合わせが挙げられる。充填剤処理剤及びそれらの使用方法の例は、例えば、欧
州特許第EP1101167A2号並びに米国特許第5,051,455号、第5,05
3,442号、及び第6,169,142号(第4段落第42行〜第5段落第12行)に
開示されている。
成分f)非反応性樹脂
本明細書において有用な非反応性シリコーン樹脂は、R15 SiO1/2により表さ
れる単官能性単位及びSiO4/2により表される三官能性単位を含有する。R15は炭
化水素基のような非官能性一価有機基を表す。シリコーン樹脂はベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘプタン等のような液体炭化水素中又は低粘度環状及び線状ポリジオルガノシロ
キサンのような液体有機ケイ素化合物中に可溶性である。
15 SiO1/2単位中、R15は最大20個の炭素原子、あるいは1〜10個の
炭素原子を含有する一価炭化水素基であってもよい。R15に適した一価炭化水素基の例
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ウンデシル及びオ
クタデシルのようなアルキル基;シクロへキシル及びシクロへキセニルエチルのような脂
環式基;並びにフェニル、トリル、キシリル、ベンジル及び2−フェニルエチルのような
アリール基が挙げられる。R15の有機基の例としては、例えば、非反応性置換基で水素
原子を置き換えて修飾した上記炭化水素基が挙げられ、非反応性置換基としてはこれらに
限定されないがハロゲン及びシアノを挙げることができる。R15により表すことができ
る一般的な有機基としては、これらに限定されないが、クロロメチル及び3,3,3−ト
リフルオロプロピルが挙げられる。
シリコーン樹脂中のR15 SiO1/2及びSiO4/2単位のモル比は0.5/1
〜1.5/1、あるいは0.6/1〜0.9/1の範囲内とすることができる。これらの
モル比はケイ素29核磁気共鳴分光法(29Si NMR)により便利に測定される。こ
の技術は、シリコーン樹脂の総ヒドロキシル含有量に加え、シリコーン樹脂から誘導され
るR15 SiO1/2(「M」)及びSiO4/2(「Q」)単位の濃度を定質的に測
定することができる。
シリコーン樹脂は、2.0%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下の式
XSiO3/2により表される末端単位をさらに含むことができ、式中、Xはヒドロキシ
ル又は加水分解性基、例えばメトキシ及びエトキシのようなアルコキシを表す。シリコー
ン樹脂中に存在する加水分解性基の濃度はFT−IRを用いて測定することができる。
数平均分子量、Mは、少なくとも部分的にシリコーン樹脂の分子量及びこの成分中に
存在するR15により表される炭化水素基のタイプによって決まるだろう。本明細書にお
いて用いられるMは、ネオペンタマーを表すピークが測定から排除される場合、ゲル透
過クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される分子量を表す。シリコーン樹脂のM
は一般的には3,000より大きく、あるいは、Mは4,500〜7,500の範囲
内とすることができる。
シリコーン樹脂はいずれかの適切な方法により調製することができる。このタイプのシ
リコーン樹脂は対応するシランの共加水分解により、又は当技術分野において知られるシ
リカヒドロゾルキャッピング法により調製されている。シリコーン樹脂は、Daudt他
の米国特許第2,676,182号;Rivers−Farrell他の米国特許第4,
611,042号;及びButlerの米国特許第4,774,310号のシリカヒドロ
ゾルキャッピングプロセスにより調製することができる。
シリコーン樹脂を調製するのに用いられる中間体は一般的には、式R15 SiX’の
トリオルガノシランであり、式中、X’は加水分解性基、及びハロゲン、アルコキシ若し
くはヒドロキシルのような4個の加水分解性基を有するシラン、又はケイ酸ナトリウムの
ようなアルカリ金属ケイ酸塩のいずれかを表す。
シリコーン樹脂中のケイ素結合ヒドロキシル基(すなわち、HOR15SiO1/2
はHOSiO3/2基)はシリコーン樹脂の総重量に対して0.7%未満、あるいは0.
3%未満であることが望ましい。シリコーン樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロ
キシル基は、シリコーン樹脂を適当な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラ
ザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に変換す
ることができる。加水分解性基を含有するシランを一般的には、シリコーン樹脂のケイ素
結合ヒドロキシル基と反応させるのに必要な量を超えて添加する。
成分g)鎖延長剤
成分g)は鎖延長剤である。鎖延長剤は水素原子によって両端で終了するポリジオルガ
ノシロキサンであってもよい。例となる鎖延長剤は式(XVII):HR16 Si−(
16 SiO)−SiR16 Hを有することができ、式中、各R16は独立して一
価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのよ
うなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル、及びベンジルのようなアリールであ
る。下付き文字rは0〜400、あるいは10〜100の範囲内の平均値を有する。
鎖延長剤を用いるかどうか、及び存在する場合用いられる量は、システムにおける固有
の架橋度を含む各種要因によって決まる。例えば、比較的低い平均DP、例えば、60〜
400の範囲内の平均DPを有する成分a)のポリオルガノシロキサンで開始させる場合
、組み合わされたすべての成分中のSiH含有量の50モル%〜80モル%、あるいは7
0モル%は鎖延長剤からもたらすことができる。より長いビニル末端ブロックポリマー(
平均DP>400)を用いる場合、より低いレベル、例えば、鎖延長分子からのSiHは
25モル%〜50モル%、好適には40モル%が効果的である。
成分h)末端キャップ剤
成分h)は末端キャップ剤である。末端キャップ剤は分子当たり1個の水素原子を有す
るポリジオルガノシロキサンであってもよい。例となる末端キャップ剤は式(XVIII
)、式(XIX)、又はこれらの組み合わせを有することができる。式(XVIII)は
17 Si−(R17 SiO)−SiR17 Hである。各R17は独立して一価
炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのよ
うなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリル及びベンジルのようなアリールであり
、下付き文字sは0〜10の範囲内、あるいは1〜10、あるいは1の値を有する。式(
XIX)はR18 Si−(R18 SiO)−(HR18SiO)−SiR18
ある。この式中、各R18は独立して一価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル
、ブチル、ペンチル、及びヘキシルのようなアルキル;並びにフェニル、トリル、キシリ
ル及びベンジルのようなアリールである。下付き文字tは0〜10の範囲内、あるいは0
の値を有する。
あるいは、鎖延長剤又は末端キャップ剤の1つが用いられる;すなわち、この場合、鎖
延長剤及び末端キャップ剤は互いに組み合わされない。
末端キャップ剤は、システムにおいて使用可能なSiHのモルパーセントとして用いら
れる場合、より高い引張特性のより緩いネットワークを生成するという利点を提供するこ
とができる。添加される末端キャップ剤の量は、本プロセスにおいて用いられるすべての
成分の総重量に対して0〜15%の範囲内、あるいは2%〜15%、あるいは10%とす
ることができる。
本プロセスにおいて鎖延長剤又は末端キャップ剤を有する第2の利点は、反応前の粘度
の初期低減であり、反応を促進し、不十分な混合及び局所ゲル形成によるゲル化の傾向を
低減することができる。鎖延長剤又は末端キャップ剤を用いることは、成分a)の比較的
高い分子量のポリオルガノシロキサン(例えば、400より大きい平均DP)を用いる場
合及び充填剤が存在する場合とくに有益であり得る。
成分中のケイ素結合水素原子/成分中のヒドロシリル化を行うことができる不飽和有機
基の(一般的にはSiHtot/Vitot比と称される)モル比は1/1.4〜1/1
、あるいは1/1.2〜1/1.1の範囲内とすることができる。この比では、SiH
otは、 存在する場合成分g)及び/又はh)中のケイ素結合水素原子の量と組み合わ
せた、成分b)中のケイ素結合水素原子の量を指す。Vitotは、組み合わせた成分a
)及びc)中の脂肪族不飽和有機基の総量を指す。
成分i)触媒阻害剤
成分i)は触媒阻害剤である。成分i)を任意で段落[0013]において上述した方
法中のステップ1)後又は段落[0014]において上述した方法中のステップII)後
に添加し、反応を停止し、上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能性ポリオルガ
ノシロキサンを安定させることができる。適切な触媒阻害剤のいくつかの例としては、エ
チレン若しくは芳香族不飽和アミド;2−エチニル−イソプロパノール、2−エチニル−
ブタン−2−オル、2−メチル−3−ブチン−2−オル、2−フェニル−3−ブチン−2
−オル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オル、1−エチニル−1−シクロヘキサ
ノール、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、3,5−ジメチル−1−ヘキセ
ン−1−イン、3−エチル−3−ブテン−1−イン若しくは3−フェニル−3−ブテン−
1−インのようなアセチレン化合物;エチレン不飽和イソシアネート;シリル化アセチレ
ンアルコール、例えばトリメチル(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オキシ)シラ
ン、ジメチル−ビス−(3−メチル−1−ブチン−オキシ)シラン、メチルビニルビス(
3−メチル−1−ブチン−3−オキシ)シラン、及び((1,1−ジメチル−2−プロピ
ニル)オキシ)トリメチルシラン;不飽和炭化水素ジエステル;共役エン−イン、例えば
2−イソブチル−1−ブテン−3−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、
3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3−メチル−3−ヘキセン−1−イン、1−エチ
ニルシクロヘキセン、3−エチル−3−ブテン−1−イン、及び3−フェニル−3−ブテ
ン−1−イン;1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラビ
ニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、若しくは1,3−ジビニル−1,3−ジフェ
ニルジメチルジシロキサンのようなオレフィンシロキサン;1,3,5,7−テトラメチ
ル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン;上述の共役エン−イン及び
上述のオレフィンシロキサンの混合物;ヒドロペルオキシド;ニトリル及びジアジリン;
不飽和カルボン酸エステル、例えばジアリルマレエート、ジメチルマレエート、フジエチ
ルフマレート、ジアリルフマレート、及びビス−2−メトキシ−1−メチルエチルマレエ
ート、モノ−オクチルマレエート、モノ−イソオクチルマレエート、モノアリルマレエー
ト、モノメチルマレエート、モノエチルフマレート、モノアリルフマレート、及び2−メ
トキシ−1−メチルエチルマレエート;ジエチルフマレートのようなフマレート;アルコ
ールがベンジルアルコール若しくは1−オクタノール及びエテニルシクロへキシル−1−
オルであるフマレート/アルコール混合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、若しくはベンゾトリアゾールのような窒素含有化合物;トリフェニルホスフィン
のような同様のリン含有化合物;硫黄含有化合物;ヒドロペルオキシ化合物;又はこれら
の組み合わせが挙げられる。
阻害剤は、成分d)ヒドロシリル化触媒を非活性化する効果的な量で用いられる。その
量は触媒のタイプ及び量並びに選択される阻害剤のタイプに応じて変わるが、その量は成
分a)100重量部当たり0.001〜3重量部、あるいは0.01〜1重量部の範囲内
とすることができる。
使用方法
上述のプロセスは、反応性生成物として、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン、
又はクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン並びに充填剤及び/若しくは非反応性シリ
コーン樹脂のマスターバッチを製造する。集合的に、クラスタ化官能性ポリオルガノシロ
キサン、並びにクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン並びに充填剤及び/又は非反応
性シリコーン樹脂のマスターバッチを本明細書ではクラスタ化官能性生成物と称すること
ができる。このクラスタ化官能性生成物は、接着剤及び封止材のような硬化性シリコーン
組成物への製剤に有用である。硬化性シリコーン組成物の硬化メカニズムは、上述の成分
c)によりクラスタ化官能性生成物に与えられる硬化性基、及び後述する組成物に添加さ
れる他の成分によって決まる。硬化メカニズムは、例えば、熱ラジカル開始若しくは有機
ボラン開始のような熱硬化メカニズム;放射線ラジカル開始若しくはレドックス反応のよ
うな放射線硬化メカニズム;(熱の代わりにアミン反応性化合物を添加する場合)縮合反
応若しくは有機ボラン開始のような室温硬化メカニズム;又はこれらの組み合わせであっ
てもよい。
硬化性シリコーン組成物は:
(I)上述のプロセスにより調製されたクラスタ化官能性生成物、及び
(II)硬化剤
を含む。
硬化剤
硬化剤の選択は、成分(I)中の成分c)により供給される硬化性基のタイプ及び量に
よって決まるだろう。例えば、成分(I)がアクリレート若しくはメタクリレート基又は
エポキシ基のようなラジカル硬化性基を有する場合、硬化剤はラジカル開始剤を含むこと
ができる。
ラジカル開始剤は熱ラジカル開始剤又は放射線ラジカル開始剤であってもよい。熱ラジ
カル開始剤としては、これらに限定されないが、ジクミルペルオキシド、n−ブチル4,
4’−ビス(ブチルペロキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3
,3,5トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(t−
ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、1,1−ビス(tert−アミルペル
オキシ)シクロヘキサン(Luperox(登録商標)531M80)、2,2−ビス(
tert−ブチルペルオキシ)ブタン、2,4−ペンタンジオンペルオキシド(Lupe
rox(登録商標)224)、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−
ジメチルヘキサン(Luperox(登録商標)101)、2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、2−ブタノンペルオキシド、ベンゾ
イルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド(L
uperox(登録商標)DTA(登録商標))、ラウロイルペルオキシド(Luper
ox(登録商標)LP)、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペル
アセテート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ2
−エチルヘキシルカーボネート、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジク
ロロベンゾイルペルオキシド(米国コネチカット州ノーウォークのR.T.Vander
bilt Company,Inc.からVarox(登録商標)DCBPとして市販)
、ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロプロピル)ベンゼン、ジ(4−メチルベンゾ
イル)ペルオキシド、ブチル4,4−ジ(tert−ブチルペロキシ)バレレート、3,
3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、tert−ブチルペルオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサンノエート、tert−ブチルクミルペルオキシド
、ジ(4−tert−ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカーボネート(Perkad
ox16として市販)、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジ
カーボネート、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンジオクタノイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、tert−アミルペ
ルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルペルオキシピバレート、及びこ
れらの組み合わせが挙げられる。
こうした熱ラジカル開始剤の例は、以下の商品名:米国ペンシルベニア州フィラデルフ
ィアのArkema,Inc.より販売されるLuperox(登録商標);米国イリノ
イ州シカゴのAkzo Nobel Polymer Chemicals LLCより
販売されるTrigonox及びPerkadox;米国デラウェア州ウィルミントンの
E.I.duPont deNemours and Co.より販売されるVAZO;
米国コネチカット州ノーウォークのR.T.Vanderbilt Company,I
nc.より販売されるVAROX(登録商標);並びに米国アラスカ州ヘレナのSyrg
is Performance Initiators,Inc.より販売されるNor
oxで市販されている。熱ラジカル開始剤の濃度は、組成物の重量に対して、0.01%
〜15%、あるいは0.1%〜5%、あるいは0.1%〜2%の範囲内とすることができ
る。
あるいは、ラジカル開始剤は、例えば、成分(I)がエポキシ基を有する場合、放射線
光開始剤であってもよい。放射線光開始剤は、Crivelloの米国特許第4,310
,469号及びKoshar他の第4,313,988号並びに欧州特許出願第EP05
62922号に開示されるもののような、当技術分野において知られる放射線硬化性シリ
コーン組成物のいずれかの従来型光開始剤であってもよい。光開始剤はカチオン性光開始
剤を含むことができる。カチオン性光開始剤は、150〜800nmの範囲内の波長を有
する放射線に露出するとクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの硬化(架橋)を開始
させることができるいずれかのカチオン性光開始剤とすることができる。カチオン性光開
始剤の例としては、これに限定されないが、オニウム塩が挙げられる。
適切なオニウム塩としては、R19 MG 、R19 MG 、R19
SeMG 、R19 MG 、及びR19 MG から選択される式を
有する塩が挙げられ、式中、各R19は独立して1〜30個の炭素原子を有する一価炭化
水素基のような一価有機基であり;Mは遷移金属、希土類金属、ランタニド金属、半金属
、リン、及び硫黄から選択される元素であり;Gはハロゲン原子(例えば、Cl、Br、
又はI)であり;下付き文字uは積u(G上の電荷数+Mの酸化数)=−1となるような
値を有する。炭化水素基上の置換基の例としては、これらに限定されないが、炭素原子1
〜8個のアルコキシ基、炭素原子1〜16個のアルキル基、ニトロ、クロロ、ブロモ、シ
アノ、カルボキシル、メルカプト、並びにピリジル、チオフェニル、及びピラニルのよう
な複素環芳香族基が挙げられる。Mにより表される金属の例としては、これらに限定され
ないが、Fe、Ti、Zr、Sc、V、Cr、及びMnのような遷移金属;Pr及びNd
のようなランタニド金属;Cs、Sb、Sn、Bi、Al、Ga、及びInのような他の
金属;B及びAsのような半金属;並びにPが挙げられる。式MG は非塩基性、非求
核性アニオンを表す。式MG を有するアニオンの例としては、これらに限定されない
が、BF 、PF 、AsF 、SbF 、SbCl 、及びSnCl
挙げられる。
オニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ビス(ドデシルフェニル)ヨード
ニウム塩、例えばビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアーセネート及
びビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートのようなビスジ
アリールヨードニウム塩;アルキルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
のようなアルキルフェニルヨードニウム塩;スルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ス
ルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、及びボ
ロン酸のトリアリールスルホニウム塩が挙げられる。
スルホン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ペル
フルオロブタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロエタンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のジアリールヨードニウ
ム塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩のようなペルフル
オロアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩;並びにパラ−トルエンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩
、ベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、及び3−ニトロベンゼンスルホン酸
のジアリールヨードニウム塩のようなアリールスルホン酸のジアリールヨードニウム塩が
挙げられる。
スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩の例としては、これらに限定されないが、ペ
ルフルオロブタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロエタンスルホ
ン酸のトリアリールスルホニウム塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸のトリアリールス
ルホニウム塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩のよう
なペルフルオロアルキルスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩;並びにパラ−トルエ
ンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリアリー
ルスルホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、及び3−ニトロ
ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩のようなアリールスルホン酸のトリア
リールスルホニウム塩が挙げられる。
ボロン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、これに限定されないが、ペルハロ
アリールボロン酸のジアリールヨードニウム塩が挙げられる。ボロン酸のトリアリールス
ルホニウム塩の例としては、これに限定されないが、ペルハロアリールボロン酸のトリア
リールスルホニウム塩が挙げられる。
カチオン性光開始剤は、それぞれ上述のような、単一カチオン性光開始剤又は2つ以上
の異なるカチオン性光開始剤を含む組み合わせとすることができる。カチオン性光開始剤
の濃度は、硬化性シリコーン組成物の重量に対して、0.01%〜15%、あるいは0.
1%〜10%、あるいは0.1%〜5%、あるいは0.1%〜2%の範囲内とすることが
できる。
成分(I)がアルコール及び/又はアルコキシ基を有する場合、硬化剤は縮合反応触媒
を含むことができる。縮合反応触媒は、ルイス酸;第1級、第2級、若しくは第3級有機
アミン;金属酸化物;チタン化合物;スズ化合物;ジルコニウム化合物;又はこれらの組
み合わせであってもよい。縮合反応触媒は、金属の電気化学系列における鉛からマンガン
までの範囲内の金属のカルボン酸塩を含むことができる。あるいは、縮合反応触媒はキレ
ート化チタン化合物、テトラアルコキシチタネートのようなチタネート、チタンエステル
、又はこれらの組み合わせを含むことができる。適切なチタン化合物の例としては、これ
らに限定されないが、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセテート)、テトラブトキ
シチタネート、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、及びビス(エ
トキシアセトアセトネート)ジイソプロポキシチタン(IV)、並びにこれらの組み合わ
せが挙げられる。あるいは、縮合反応触媒は、ジブチルスズジアセテートのようなスズ化
合物;ジブチルスズジラウレート;ジブチルスズオキシド;第一スズオクトエート;スズ
オキシド;テトラブチルチタネート、テトラエチルヘキシルチタネート及びテトラフェニ
ルチタネートのようなチタンエステル;テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン及びビ
ス(トリメチルシロキシ)−ビス(イソプロポキシ)チタンのようなシロキシチタネート
;並びにビス(アセチルアセトニル)ジイソプロピルチタネートのようなβ−ジカルボニ
ルチタン化合物;又はこれらの組み合わせを含むことができる。あるいは、縮合反応触媒
はヘキシルアミンのようなアミン;又はアミンの酢酸塩若しくは第4級塩を含むことがで
きる。
縮合反応触媒の例は当技術分野において知られ、米国特許第4,962,076号;第
5,051,455号;第5,053,442号;第4,753,977号、第4段落第
35行〜第5段落第57行;及び第4,143,088号、第7段落第15行〜第10段
落第35行に開示されている。米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.du Pon
t de Nemours and CompanyからDuPont(商標)Tyzo
r(登録商標)PITAとして市販のチタンアセトアセテートエチル錯体のように、縮合
反応触媒は市販もされている。縮合反応触媒の量は、選択される触媒のタイプ及び組成物
中の残りの成分の選択を含む各種要因によって決まるが、縮合反応触媒の量は組成物の重
量に対して0.001%〜5%の範囲内とすることができる。
あるいは、硬化剤は有機ボラン−アミン錯体を含むことができる。有機ボランアミン錯
体は有機ボランと錯体を周囲条件で安定にする適切なアミン化合物との間で形成される錯
体である。錯体は、アミン反応性化合物の導入により、及び/又は加熱により成分(I)
の重合又は架橋を開始させることができなければならない。例としては、トリアルキルボ
ラン及び各種アミン化合物から形成されるアルキルボランアミン錯体がある。好適なモル
比は変わり得るが、最適なモル比は、Bがホウ素を表す場合、B原子当たり窒素基1〜1
0個の範囲内とすることができる。硬化剤を形成するのに有用なトリアルキルボランの例
としては、式B−R”のトリアルキルボランが挙げられるが、式中、R”は1〜20個
の炭素原子を含有する線状及び分岐脂肪族又は芳香族炭化水素基を表す。いくつかの例と
しては、トリメチルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ
−sec−ブチルボラン、トリドデシルボラン、及びフェニルジエチルボランが挙げられ
る。
有機ボラン化合物との有機ボランアミン錯体を形成するのに有用なアミン化合物のいく
つかの例としては、1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、メトキシプ
ロピルアミン、ピリジン、及びイソホロンジアミンが挙げられる。有機ボランアミン錯体
を形成するのに有用なアミン化合物の他の例は、米国特許第6,777,512号(‘5
12特許)、及び米国特許第6,806,330号に記載されている。
ケイ素含有アミン化合物を用い、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノメチ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノメチルトリエト
キシシラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、アミノプロピルシラントリオ
ール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル
ジイソプロピルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラ
ン、N−(6−アミノへキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フ
ェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシ
ラン、及び(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミンのような組成物
を含む有機ボランアミン錯体を形成することもできる。
アミン官能性ポリオルガノシロキサンも、アミン官能性ポリジオルガノシロキサン、及
びアミン官能性ポリオルガノシロキサン樹脂を含む有機ボランアミン錯体を形成するのに
有用である。これは、分子が3−アミノプロピル、2−アミノエチル、アミノメチル、6
−アミノへキシル、11−アミノウンデシル、3−(N−アリルアミノ)プロピル、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイ
ソブチル、p−アミノフェニル、2−エチルピリジン、及び3−プロピルピロールのよう
な、少なくとも1つのアミン官能性基を含有するという条件に従っている。
具体例としては、末端及び/又は側鎖アミン官能性ポリジメチルシロキサンオリゴマー
及びポリマー、ポリジメチルシロキサン及びポリ(3,3,3−トリフルオロプロピル−
メチルシロキサン)の末端及び/又は側鎖アミン官能性ランダム、グラフト及びブロック
コポリマー及びコオリゴマー、ポリジメチルシロキサン及びポリ(6,6,6,5,5,
4,4,3,3−ノナフルオロへキシル−メチルシロキサン)の末端及び/又は側鎖アミ
ン官能性ランダム、グラフト及びブロックコポリマー及びコオリゴマー、並びにポリジメ
チルシロキサン及びポリフェニルメチルシロキサンの末端及び/又は側鎖アミン官能性ラ
ンダム、グラフト及びブロックコポリマー及びコオリゴマーが挙げられる。
有機ボランアミン錯体を形成するのに、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4
,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、窒素含有ポリオル
ガノシロキサン、及び少なくとも1つの基がイミダゾール、アミジン、又はウレイド官能
性基であるポリオルガノシロキサン樹脂を含む他の窒素含有化合物も有用である。アミン
化合物がポリマー性である場合、組成物の硬化又は重合を可能にするのに十分に高い濃度
のホウ素を維持するようなものでなければならない以外、分子量は限定されない。例えば
、二液型組成物中、有機ボラン開始剤を含有する液は組成物の他の成分で希釈することが
でき、又は開始剤錯体単独で構成することができる。
有機ボランアミン錯体が硬化剤として用いられる場合、硬化性シリコーン組成物は、有
機ボランアミン錯体と混合し、酸素化環境に露出すると組成物の重合又は架橋を開始させ
ることができるアミン反応性化合物をさらに含むことができる。アミン反応性化合物の存
在は、室温以下を含む有機ボランアミン錯体の解離温度より低い温度で重合又は架橋を開
始させることを可能にする。酸素の存在下での保存安定性を達成するため、有機ボランア
ミン錯体及びアミン反応性化合物は物理的に又は化学的に分離することができる。例えば
、アミン反応性化合物を含有する組成物は、多液型組成物として有機ボランアミン錯体と
は別々にパッケージングすることにより空気中で安定させることができる。あるいは、有
機ボランアミン錯体、アミン反応性化合物、若しくは両方をカプセル化する、又は別々の
相中で供給することができる。これは、有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物の
1つ又は両方を、有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物の密接な混合を妨げる固
体形態で導入することにより達成することができる。組成物の硬化は、(a)固相成分若
しくはカプセル化剤の軟化温度より高い温度で加熱するステップ、又は(b)有機ボラン
アミン錯体及びアミン反応性化合物を混合させる可溶化剤の導入ステップにより、活性化
させることができる。有機ボランアミン錯体及びアミン反応性化合物は、2つの成分を混
合条件が嫌気性である容器中にパッケージングすることにより、顕著な重合又は架橋なし
に、単一容器中で組み合わせることもできる。
酸素の存在下で重合又は硬化を迅速に開始させることができるアミン反応性基を有する
いくつかのアミン反応性化合物の例としては、鉱酸、ルイス酸、カルボン酸、無水物及び
サクシネートのようなカルボン酸誘導体、カルボン酸金属塩、イソシアネート、アルデヒ
ド、エポキシド、酸塩化物、並びに塩化スルホニルが挙げられる。いくつかの適切なアミ
ン反応性化合物としては、アクリル酸、ポリアクリル酸、メタクリル酸、ポリメタクリル
酸、メタクリル酸無水物、ポリメタクリル酸無水物、ウンデシレン酸、オレイン酸、イソ
ホロンジイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、2−(メタクリロイルオキシ
)エチルアセトアセテート、ウンデシレンアルデヒド、及びドデシルサクシニック無水物
が挙げられる。
硬化性シリコーン組成物における向上した相溶性のため、アミン反応性化合物はアミン
官能性基を有するオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンであってもよい。いくつか
の例としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン;イソシアナトメチルトリ
メトキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;トリエトキシシリルプ
ロピルサクシニック無水物;プロピルサクシニック無水物官能基化線状、分岐、樹脂、及
び超分岐オルガノポリシロキサン;メチルサクシニック無水物官能基化線状、分岐、樹脂
、及び超分岐オルガノポリシロキサン;シクロへキセニル無水物官能性線状、樹脂、及び
超分岐オルガノポリシロキサン;カルボキシデシル末端オリゴマー又はポリマーポリジメ
チルシロキサンのようなカルボン酸官能基化線状、分岐、樹脂、及び超分岐オルガノポリ
シロキサン;並びにウンデシレンアルデヒド末端オリゴマー又はポリマーポリジメチルシ
ロキサンのようなアルデヒド官能基化線状、分岐、樹脂、及び超分岐オルガノポリシロキ
サンが挙げられる。’512特許は、水分に露出すると酸を放出する特定の化合物を含む
、用いることができるケイ素含有化合物について記載する。’512特許は、脱錯化剤と
称される他のアミン反応性化合物についても記載する。あるいは、脱錯化剤は酸、無水物
、イソシアネート、又はエポキシから選択することができる。具体例としては、3−(ト
リエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、ノネニルサクシニック無水物、酢酸、
2−カルボキシエチルアクリレート、エチレングリコールメタクリレートホスフェート、
及びアクリル酸が挙げられる。
あるいは、硬化剤は、ラジカル重合の開始剤としてレドックス試薬を含むことができる
。試薬はペルオキシド及びアミン又は遷移金属キレートの組み合わせであってもよい。レ
ドックス試薬の例としては、これらに限定されないが、ベンゾイルペルオキシド及びアセ
チルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド;クメンヒドロペルオキシド及びt−ブ
チルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;メチルエチルケトンペルオキシド
及びシクロヘキサノンペルオキシドのようなケトンペルオキシド;ジクミルペルオキシド
及びジ−t−ブチルペルオキシドのようなジアルキルペルオキシド;t−ブチルペルオキ
シアセテートのようなペルオキシエステル;並びにチオグリセロール及びピラゾール及び
/又はピラゾロンの組み合わせが挙げられる。あるいは、レドックス試薬の例としては、
ジメチルアニリン、3,5−ジメチルピラゾール、チオグリセロール、及びこれらの組み
合わせを挙げることができる。適切なレドックス試薬開始剤の例は当技術分野において知
られ、米国特許第5,459,206号において例示されている。他の適切なペルオキシ
ドは当技術分野において知られ、ラウロイルペルオキシド(ArkemaのLupero
x(登録商標)LP)、ジクロロベンゾイルペルオキシド(R.T.Vanderbil
t Company,Inc.のVarox(登録商標)DCBP)及び6Ntert−
ブチルヒドロペルオキシドのように市販されている。
成分(I)がイソシアネート基又はウレタン基を有する場合、硬化剤は、ポリオールの
ような2つ以上のカルビノール基を有する化合物、又はアミン官能性化合物を含むことが
できる。硬化剤はカルビノール基及び/又はアミン官能性基を有する有機化合物又はシリ
コーン化合物であってもよい。イソシアネート及び/又はウレタン基を有する成分(I)
に適した硬化剤の例としては、米国特許第7,452,956号及び国際公開第WO20
08/088492号(段落[0018]〜[0037])に開示されるものが挙げられ
る。
あるいは、成分(I)が2つ以上のタイプの硬化性基を有する場合、2つ以上のタイプ
の硬化剤を組成物に添加することができる。例えば、成分(I)がエポキシ及びアルコキ
シ基のようなラジカル硬化性基及び縮合反応硬化性基の両方を有する場合、ラジカル開始
剤及び縮合反応触媒の組み合わせを用いることができる。
他の任意の成分
硬化性シリコーン組成物は任意で1つ以上の追加成分をさらに含むことができる。追加
成分の例としては、(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)着色
剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、及びこれ
らの組み合わせが挙げられる。硬化性シリコーン組成物は任意で、充填剤をクラスタ化官
能性ポリオルガノシロキサンの製造プロセス中に添加しなかった場合、又はより多くの若
しくは異なる充填剤を製剤することが望ましい、例えば、添加される充填剤が後述する熱
伝導性充填剤である場合、例えば、(X)充填剤、(XI)充填剤処理剤、(XII)酸
受容体、及びこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
成分(III)は架橋剤である。架橋剤のタイプ及び量は、成分(I)上の硬化性基の
タイプ及び量を含む各種要因によって決まるだろう。硬化性シリコーン組成物が縮合反応
硬化性である場合、組成物は任意で(III)架橋剤をさらに含むことができる。縮合反
応架橋剤は、例えば、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリ
メトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、及びメチルトリエトキシシランのようなトリアル
コキシシラン;メチルトリアセトキシシラン又はエチルトリアセトキシシランのようなア
セトキシシラン;メチルトリ(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラ(メチルエチル
ケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、及びビニルトリ
ス(メチルエチルケトキシモ)シランのようなケトキシモシラン;テトラエチルオルトシ
リケート、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及び一般的にはアルキルポリ
シリケートと称されるこれらのオルトシリケートの縮合生成物のようなアルキルオルトシ
リケート;メチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シラン;並びにこれらの組み合
わせから選択することができる。
成分(IV)は溶媒である。適切な溶媒の例としては、トルエン、キシレン、アセトン
、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、デシルアルコー
ル又はウンデシルアルコールのようなアルコール、及びこれらの組み合わせのような有機
溶媒;並びにトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、トリメチルシロキシ末端
ポリメチルフェニルシロキサン、及びこれらの組み合わせのような非架橋性シリコーン溶
媒が挙げられる。シリコーン溶媒の例は当技術分野において知られ、例えば、米国ミシガ
ン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーションからDOW CORNING(登録
商標)OS Fluidsとして市販されている。成分(IV)の量は硬化性シリコーン
組成物の重量に対して0.001%〜90%の範囲内とすることができる。
成分(V)は接着促進剤である。適切な接着促進剤の例としては、エポキシ官能性アル
コキシシラン、若しくはメルカプト官能性化合物のようなアルコキシシラン;アルコキシ
シラン及びヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ:メルカプト官能性化
合物;不飽和化合物;エポキシ官能性シラン;エポキシ官能性シロキサン;エポキシ官能
性シラン若しくはエポキシ官能性シロキサン及びヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサ
ンの反応生成物のような組み合わせ;又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切な接着
促進剤は当技術分野において知られ、市販されている。例えば、Silquest(登録
商標)A186は米国コネチカット州ミドルベリーのCrompton OSi Spe
cialtiesから市販のβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキ
シシランである。CD9050は、金属基板への接着性をもたらし、放射線硬化性組成物
用に設計された接着促進剤として有用な単官能性酸エステルである。CD9050はSa
rtomer Co.から市販されている。SR489Dはトリデシルアクリレートであ
り、SR395はイソデシルアクリレートであり、SR257はステアリルアクリレート
であり、SR506はイソボロニルアクリレートであり、SR833Sはトリシクロデカ
ンジメタノールジアクリレートであり、SR238は1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートであり、SR351はトリメチロールプロパントリアクリレートであり、これらも
すべてSartomer Co.から市販されている。組成物に添加する接着促進剤の量
は、選択される具体的な接着促進剤、組成物の他の成分、及び組成物の最終用途を含む各
種要因によって決まるが、その量は組成物の重量に対して0.1%〜5%の範囲内とする
ことができる。金属への接着を促進するのに有用な他の適切な接着促進剤としては、マレ
イン酸無水物、メタクリル酸無水物、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。
成分(V)は不飽和又はエポキシ官能性化合物とすることができる。適切なエポキシ官
能性化合物は当技術分野において知られ、市販されており、例えば、米国特許第4,08
7,585号;第5,194,649号;第5,248,715号;及び第5,744,
507号(第4〜5段落)を参照されたい。成分(g)は不飽和又はエポキシ官能性アル
コキシシランを含むことができる。例えば、官能性アルコキシシランは式R20 Si(
OR21(4−v)を有することができ、式中、下付き文字vは1、2、又は3であり
、あるいはvは1である。
各R20は独立して一価有機基であるが、ただし、少なくとも1つのR20は不飽和有
機基又はエポキシ官能性有機基である。R20のエポキシ官能性有機基の例としては、3
−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロへキシル)エチルが挙げられる。R20
不飽和有機基の例としては、3−メタクリロールオキシプロピル、3−アクリロールオキ
シプロピル、並びにビニル、アリル、へキセニル、及びウンデシレニルのような不飽和一
価炭化水素基が挙げられる。
各R21は独立して炭素原子1〜4個、あるいは炭素原子1〜2個の非置換、飽和炭化
水素基である。R21の例としては、メチル、エチル、プロピル、及びブチルが挙げられ
る。
適切なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロへキ
シル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロへキシル)エチルジエトキシシラン及
びこれらの組み合わせが挙げられる。適切な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、へキセ
ニルトリメトキシシラン、ウンデシレニルトリメトキシシラン、3−メタクリロールオキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロールオキシプロピルトリエトキシシラン
、3−アクリロールオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロールオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、適切な接着促
進剤の例としては、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びグリシドキシプロピル
トリメトキシシランのアルミニウムキレート又はジルコニウムキレートとの組み合わせが
挙げられる。
成分(V)は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンの上述のようなエポキシ官能性
アルコキシシランとの反応生成物、又はヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンのエポキ
シ官能性アルコキシシランとの物理的ブレンドのようなエポキシ官能性シロキサンを含む
ことができる。成分(V)はエポキシ官能性アルコキシシラン及びエポキシ官能性シロキ
サンの組み合わせを含むことができる。例えば、成分(V)の例としては、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランとの反応生成物の混合物、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの混合物、又は3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン及びヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロ
キサンコポリマーの混合物が挙げられる。反応生成物ではなく物理的ブレンドとして用い
られる場合、これらの成分は多液型キット中に別々に保存することができる。
適切なメルカプト官能性化合物としては、オルガノメルカプタン、メルカプト含有シラ
ン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切なメルカプト含有シランとしては、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。適切なメルカプト官能性化合物に
ついては米国特許第4,962,076号に開示されている。当業者であれば、本明細書
に記載する特定の成分を2つ以上又は異なる目的のために組成物に添加することができる
ことを認識するだろう。例えば、アルコキシシランは、縮合反応硬化性シリコーン組成物
中接着促進剤、充填剤処理剤、及び/又はの架橋剤として用いることができる。
成分(VI)は着色剤(例えば、染料又は顔料)である。適切な着色剤の例としては、
カーボンブラック及び(PolyOneから市販される)Stan−Tone 50SP
01 Greenが挙げられる。着色剤の例は当技術分野において知られ、米国特許第4
,962,076号;第5,051,455号;及び第5,053,442号において開
示されている。硬化性シリコーン組成物に添加される着色剤の量は、組成物の他の成分、
及び選択される着色剤のタイプを含む各種要因によって決まるが、その量は組成物の重量
に対して0.001%〜20%の範囲内とすることができる。
成分(VII)は反応性希釈剤である。成分(VII)は成分(I)上の官能性基と反
応する希釈剤であってもよい。反応性希釈剤は単官能性反応性希釈剤、二官能性反応性希
釈剤、多官能性反応性希釈剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。選択される反応
性希釈剤は、成分(I)上の硬化性基を含む各種要因によって決まるだろう。しかしなが
ら、適切な反応性希釈剤の例としては、アクリレート、アルコール、マレイン酸無水物若
しくはメタクリル酸無水物のような無水物、単官能性エポキシ化合物のようなエポキシ、
グリシジルメタクリレートのようなメタクリレート、オキセタン、ビニルアセテート、ビ
ニルエステル、ビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリド
ンのようなビニルピロリドン、スチレン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
単官能性アクリレート及びメタクリレートエステルは、Sartomer、RohmHa
as、日立化成、Arkema,Inc.、Cytec、Sans Ester Cor
p、Rahn、及びBomar Specialties Co.のような会社から市販
されている。具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロ
へキシルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソ
デシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート
、ヒドロキシプロピルアクレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−オクチルア
クリレート、シクロへキシルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ラウリルアクリ
レート、tert−ブチルメタクリレート、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド
、ジアセトンアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オ
クチルアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミド、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルオキシエチルメタクリレート、2−シアノエ
チルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸、
メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルメタクリレート、1,12−ドデカンジオールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタン
ジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アルコキシル化
ネオペチルグリコールジアクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジアクリレート
、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノ
ールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコール
ジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールaジアクリレート、エトキシル化ビスフェ
ノールaジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジメタクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポ
キシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレ
ート、n,n’−m−フェニレンジマレイミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、金属ジアクリレート、金属ジメタクリレート、金属モノメタクリレート
、金属ジアクリレート(二官能性)、金属ジメタクリレート(二官能性)、トリエトキシ
シリルプロピルメタクリレート、トリブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジメトキ
シメチルシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルメタクリレー
ト、ジブトキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプ
ロピルメタクリレート、ジメトキシシリルプロピルメタクリレート、ジエトキシシリルプ
ロピルメタクリレート、ジブトキシシリルプロピルメタクリレート、ジイソプロポキシシ
リルプロピルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピルアクリレート、トリエトキシ
シリルプロピルアクリレート、トリブトキシシリルプロピルアクリレート、ジメトキシメ
チルシリルプロピルアクリレート、ジエトキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジブ
トキシメチルシリルプロピルアクリレート、ジイソプロポキシメチルシリルプロピルアク
リレート、ジメトキシシリルプロピルアクリレート、ジエトキシシリルプロピルアクリレ
ート、ジブトキシシリルプロピルアクリレート、及びジイソプロポキシシリルプロピルア
クリレートが挙げられる。
適切なアルコールの例としては、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、デカノール
、ウンデシルアルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。適切なエポキシ化合物
の例としては、ブチルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族グリシ
ジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、及びシクロヘキサンジメタノー
ルのグリシジルエーテルのようなグリシジルエーテル;並びにネオペンチルグリコール及
び1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルをベースとする二官能性反応性希釈剤
が挙げられる。これらのエポキシ化合物は当技術分野において知られ、米国ペンシルベニ
ア州アレンタウンのAir Products and Chemicals,Inc.
から商品名EPODIL(登録商標)741、742、746、747、748、749
、750、751、757、及び759で市販されている。反応性希釈剤として適した他
のエポキシ化合物は、米国テキサス州ヒューストンのHexion Specialty
Chemicals,Inc.から商品名Heloxy Modifiers 7、8
、61、及び116で市販されている。適切なビニルエーテルの例としては、これらに限
定されないが、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニル
エーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、シクロへキシルビニルエー
テル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテ
ル、ドデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル
、イソブチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル
、n−プロピルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコール
ジビニルエーテル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ビニルエーテルは当技術分野
において知られ、欧州ドイツのBASF AGから市販されている。成分(VII)の量
は選択される具体的な反応性希釈剤のような各種要因によって決まるが、その量は硬化性
シリコーン組成物の重量に対して0.5〜50%の範囲内とすることができる。当業者で
あれば、本明細書に記載の反応性希釈剤のいくつか(例えば二官能性及び多官能性アクリ
レート及びメタクリレート)は成分c)として上述した反応種に加え、又はその代わりに
用いることもできると認識するだろう。
成分(VIII)は腐食防止剤である。適切な腐食防止剤の例としては、ベンゾトリア
ゾール、メルカプトベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、並びにR.T.
Vanderbiltの2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール誘導体(C
UVAN(登録商標)826)及びアルキルチアジアゾール(CUVAN(登録商標)4
84)のような市販の腐食防止剤が挙げられる。成分(VIII)の量は硬化性シリコー
ン組成物の重量に対して0.05%〜0.5%の範囲内とすることができる。
成分(IX)は重合阻害剤である。アクリレート及びメタクリレート硬化性基に適した
重合阻害剤の例としては、これらに限定されないが:ヒドロキノン(HQ)、4−メトキ
シフェノール(MEHQ)、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−
ブトキシフェノール、4−ヘプトキシフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT
)、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−メトキシ
フェノール、2,5−ジクロロヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノ
ン、2−アセチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノベンゾエート、1,4−ジメルカプト
ベンゼン、1,2−ジメルカプトベンゼン、2,3,5−トリメチルヒドロキノン、4−
アミノフェノール、2−アミノフェノール、2−N,N−ジメチルアミノフェノール、2
−メルカプトフェノール、4−メルカプトフェノール、カテコールモノブチルエーテル、
4−エチルアミノフェノール、2,3−ジヒドロキシアセトフェノン、ピロガロール−1
,2−ジメチルエーテル、2−メチルチオフェノール、t−ブチルカテコール、ジ−te
rt−ブチルニトロキシド、ジ−tert−アミルニトロキシド、2,2,6,6−テト
ラメチル−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペ
リジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4
−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4−アミノ−
2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、4−エタノールオキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ、2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジ
ニルオキシ、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ、2,2
,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ、2,2,
5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸、2,2,3,3
,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ、
4−ニトロソフェノレートの塩、2−ニトロソフェノール、4−ニトロソフェノール、ジ
メチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン銅、ジブチルジチオカルバミン
銅、サリチル酸銅、メチレンブルー、鉄、フェノチアジン(PTZ)、3−オキソフェノ
チアジン、5−オキシフェノチアジン、フェノチアジン二量体、1,4−ベンゼンジアミ
ン、N−(1,4−ジメチルフェニル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、
N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン、N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミン及びその塩、酸化窒素、ニトロベンゼン、p−ベンゾ
キノン若しくはその異性体、これらの2つ以上の組み合わせ、又は上記の1つ以上の酸素
分子との組み合わせが挙げられる。存在する場合、重合阻害剤を100ppm〜4,00
0ppmの範囲内の量で硬化性シリコーン組成物に添加することができる。重合阻害剤は
当技術分野において知られ、例えば欧州特許第EP1359137号において開示されて
いる。
成分(X)は、充填剤がクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの製造プロセスに用
いられなかった場合、又は熱伝導性充填剤のような追加の充填剤若しくは異なるタイプの
充填剤が望ましい場合、添加することができる充填剤である。充填剤は成分e)として上
述した充填剤であってもよい。あるいは、充填剤は熱伝導性充填剤であってもよい。
熱伝導性充填剤は熱伝導性及び導電性の両方であってもよい。あるいは、熱伝導性充填
剤は熱伝導性及び電気的に絶縁であってもよい。熱伝導性充填剤は、窒化アルミニウム、
酸化アルミニウム、アルミニウム三水塩、バリウムチタネート、酸化ベリリウム、窒化ホ
ウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、黒鉛、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、金属粒
子、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせから
なる群から選択することができる。熱伝導性充填剤は、金属充填剤、無機充填剤、溶融性
充填剤、又はこれらの組み合わせを含むことができる。金属充填剤としては、金属の粒子
及び粒子の表面上に層を有する金属の粒子が挙げられる。これらの層は、例えば、粒子の
表面上の金属窒化物層又は金属酸化物層であってもよい。適切な金属充填剤の例としては
、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択さ
れる金属、あるいはアルミニウムの粒子が挙げられる。適切な金属充填剤の例としては、
それらの表面上に窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化ニッケル、酸化銀
、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される層を有する上記の金属の粒子がさら
に挙げられる。例えば、金属充填剤はそれらの表面上に酸化アルミニウム層を有するアル
ミニウム粒子を含むことができる。
無機充填剤の例としては:オニキス;アルミニウム三水塩;酸化アルミニウム、酸化ベ
リリウム、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛のような金属酸化物;窒化アルミニウム及び
窒化ホウ素のような窒化物;炭化ケイ素及び炭化タングステンのような炭化物;並びにこ
れらの組み合わせが挙げられる。あるいは、無機充填剤の例としては、酸化アルミニウム
、酸化亜鉛、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は、Bi、Ga、In
、Sn、又はこれらの合金を含むことができる。溶融性充填剤は任意でAg、Au、Cd
、Cu、Pb、Sb、Zn、又はこれらの組み合わせをさらに含むことができる。適切な
溶融性充填剤の例としては、Ga、In−Bi−Sn合金、Sn−In−Zn合金、Sn
−In−Ag合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Bi−Cu−Ag合金、Sn−Ag−
Cu−Sb合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Zn合金
、及びこれらの組み合わせが挙げられる。溶融性充填剤は50℃〜250℃、あるいは1
50℃〜225℃の範囲内の融点を有することができる。溶融性充填剤は共晶合金、非共
晶合金、又は純金属であってもよい。溶融性充填剤は市販されている。
例えば、溶融性充填剤は、米国ニューヨーク州ウチカのIndium Corpora
tion of America;米国ロードアイランド州プロビデンスのArconi
um;及び米国ロードアイランド州クラストンのAIM Solderから入手すること
ができる。アルミニウム充填剤は、例えば、米国イリノイ州ネーパービルのToyal
America,Inc.及び米国カリフォルニア州ストックトンのValimet I
nc.から市販されている。銀充填剤は米国マサチューセッツ州アトルバロのMetal
or Technologies U.S.A.Corp.から市販されている。
熱伝導性充填剤は当技術分野において知られ、市販されており、例えば、米国特許第6
,169,142号(第4段落、第7〜33行)を参照されたい。例えば、CB−A20
S及びAl−43−Meは昭和電工から市販の異なる粒径の酸化アルミニウム充填剤であ
り、AA−04、AA−2、及びAA18は住友化学から市販の酸化アルミニウム充填剤
である。商標KADOX(登録商標)及びXX(登録商標)を有する酸化亜鉛のような酸
化亜鉛は米国ペンシルベニア州モナカのZinc Corporation of Am
ericaから市販されている。
熱伝導性充填剤粒子の形状はとくに限定されないが、円形又は球形粒子は組成物中への
熱伝導性充填剤の高充填の際に望ましくないレベルまで粘度が増加するのを防止すること
ができる。
熱伝導性充填剤は単独の熱伝導性充填剤又は充填剤の粒子形状、平均粒径、粒径分布、
及びタイプのような少なくとも1つの特性が異なる2つ以上の熱伝導性充填剤の組み合わ
せであってもよい。例えば、大きな平均粒径を有する第1酸化アルミニウム及び小さな平
均粒径を有する第2酸化アルミニウムのような無機充填剤の組み合わせを用いることが望
ましくあり得る。あるいは、例えば、大きな平均粒径を有する酸化アルミニウムの小さな
平均粒径を有する酸化亜鉛との組み合わせを用いることが望ましくあり得る。あるいは、
大きな平均粒径を有する第1アルミニウム及び小さな平均粒径を有する第2アルミニウム
のような金属充填剤の組み合わせを用いることが望ましくあり得る。あるいは、アルミニ
ウム及び酸化アルミニウム充填剤の組み合わせ;アルミニウム及び酸化亜鉛充填剤の組み
合わせ;又はアルミニウム、酸化アルミニウム、及び酸化亜鉛充填剤の組み合わせのよう
な、金属及び無機充填剤の組み合わせを用いることが望ましくあり得る。大きな平均粒径
を有する第1充填剤及び第1充填剤より小さな平均粒径を有する第2充填剤の使用は、パ
ッキング効率を向上させることができ、粘度を低減することができ、熱伝導を向上させる
ことができる。
熱伝導性充填剤の平均粒径は、選択される熱伝導性充填剤のタイプ及び硬化性シリコー
ン組成物に添加される正確な量、並びに硬化生成物が熱界面材料(TIM)として用いら
れる場合組成物の硬化生成物が用いられるデバイスのボンドライン厚を含む各種要因によ
って決まるだろう。しかしながら、熱伝導性充填剤は、0.1マイクロメートル〜80マ
イクロメートル、あるいは0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、あるいは0
.1マイクロメートル〜10マイクロメートルの範囲内である平均粒径を有することがで
きる。
組成物中の熱伝導性充填剤の量は、硬化性シリコーン組成物について選択される硬化メ
カニズム及び選択される具体的な熱伝導性充填剤を含む各種要因によって決まる。しかし
ながら、熱伝導性充填剤の量は、組成物の30体積%〜80体積%、あるいは50体積%
〜75体積%の範囲内とすることができる。理論に縛られることは望まないが、充填剤の
量が80体積%より大きい場合、組成物は架橋していくつかの用途にとって不十分な寸法
保全性を有する硬化シリコーンを形成し得、充填剤の量が30%未満である場合、組成物
から調製される硬化シリコーンはTIM用途にとって不十分な熱伝導性を有し得ると考え
られる。
成分(XI)は充填剤処理剤である。充填剤処理剤は、成分e)の充填剤処理剤として
上述した充填剤処理剤であってもよい。あるいは、金属充填剤は、オクタデシルメルカプ
タン他のようなアルキルチオール、並びにオレイン酸、ステアリン酸、チタネート、チタ
ネート結合剤、ジルコネート結合剤、及びこれらの組み合わせのような脂肪酸で処理する
ことができる。
アルミナ又はパッシベーション化窒化アルミニウムの処理剤はアルコキシシリル官能性
アルキルメチルポリシロキサン(例えば、R22 23 Si(OR24(4−w−
x)の部分加水分解縮合物、共加水分解縮合物又は混合物)、又は同様の材料を含むこと
ができ、加水分解性基はシラザン、アシルオキシ又はオキシモを含むことができる。これ
らのすべてにおいて、上記式中のR22のような、Siに結合した基は、長鎖不飽和一価
炭化水素又は一価芳香族官能性炭化水素である。各R23は独立して一価炭化水素基であ
り、各R24は独立して炭素原子1〜4個の一価炭化水素基である。上記式中、下付き文
字wは1、2、又は3であり、下付き文字xは0、1、又は2であるが、ただし(w+x
)は1、2、又は3である。当業者であれば、成分(XI)の充填剤処理剤に加えて、又
はその代わりに、成分(V)の接着促進剤として上述したアルコキシシラン及びメルカプ
ト官能性化合物を代わりに用いることができることを認識するだろう。当業者であれば、
過度の実験なしに、充填剤の分散を助ける具体的な処理を最適化することができるだろう
成分(XII)は酸受容体である。酸受容体は酸化マグネシウムのような金属酸化物を
含むことができる。酸受容体は当技術分野において知られ、Rhenofit F、St
ar Mag CX−50、Star Mag CX−150、BLP−3、及びMax
Ox98LRを含む商品名で市販されている。Rhenofit Fは米国オハイオ州シ
ャードンのRhein Chemie Corporationの酸化カルシウムだった
。Star Mag CX−50は米国ニューハンプシャー州ポーツマスのMerran
d International Corp.の酸化マグネシウムだった。MagOX
98LRは米国ペンシルベニア州ウエストコンショホッケンのPremier Chem
icals LLCの酸化マグネシウムだった。BLP−3は米国オハイオ州シンシナテ
ィのOmya Americasの炭酸カルシウムだった。
本明細書に記載する硬化性シリコーン組成物は:
(I)上述のクラスタ化官能性生成物、及び
(II)硬化剤を含む。組成物は任意で:(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着
促進剤、(VI)着色剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)
重合阻害剤、(XII)(生成物により酸を生成する熱ラジカル開始剤に用いられる)酸
受容体、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の成分をさらに含むことができ
る。各種硬化メカニズムは、当業者によりクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを生
成するのに用いられる成分c)の選択に基づいて選択され得る。例えば、組成物は、成分
(II)が縮合反応触媒である場合、縮合反応硬化性であってもよく、組成物は任意でト
リアルコキシシラン、アセトキシシラン、ケトキシモシラン、アルキルオルトシリケート
、アルキルポリシリケート、メチルビニルビス(n−メチルアセトアミド)シラン、及び
これらの組み合わせから選択される(III)架橋剤をさらに含む。あるいは、組成物は
、成分(II)がラジカル開始剤を含む場合、放射線硬化性であってもよい。この放射性
硬化性組成物は、放射線、熱、有機ボラン、又はレドックス反応により生成されるラジカ
ルを有することができる。あるいは、組成物は、成分(I)がアルコキシ基を有し、成分
(I)がアクリレート基、メタクリレート基、又はこれらの組み合わせを有するものであ
ってもよい。
あるいは、組成物は、成分(I)が2つ以上のタイプの硬化性基を有する多重硬化組成
物であってもよい。例となる多重硬化組成物は成分(I)が縮合反応硬化性基及びラジカ
ル硬化性基の両方を有するものである。あるいは、多重硬化組成物は成分(I)がエポキ
シ及びアルコキシ基を有するものであってもよい。
あるいは、充填硬化性シリコーン組成物は:
(I)充填剤なしで段落[0013]において上述したプロセスにより調製されたクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサン、
(II)硬化剤、及び
(X)充填剤を含むことができる。充填剤は熱伝導性充填剤を含むことができる。充填硬
化性シリコーン組成物は(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)
着色剤、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、(X
I)充填剤処理剤、(XII)酸受容体及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上
の成分をさらに含むことができる。
当業者であれば、上記の記載及び本明細書において提供する実施例に基づき、適当な硬
化剤及び追加材料を選択し、封止材及び接着剤の組成物を製剤することができるだろう。
上述の硬化性シリコーン組成物は、各種用途、例えば、リッドシール(例えば、自動車
用リッドシール又はマイクロエレクトロニクス用リッドシール)の形成、接着剤(例えば
、ダイ接着剤又は熱伝導性接着剤)の形成、又は末端封止材の形成のような封止材用途に
おいて用いることができる。
上述の硬化性シリコーン組成物、及び組成物を硬化させることにより調製された硬化シ
リコーンは、マイクロエレクトロニクス及びマクロエレクトロニクス用途の両方を含むエ
レクトロニクス用途並びに光エレクトロニクス用途及び熱伝導性接着剤の製造のような熱
伝導性エレクトロニクス用途において有用である。こうした硬化性シリコーン組成物から
調製された硬化シリコーン接着剤は、アルミニウム、銅、及び無電解ニッケルのような金
属を含む各種エレクトロニクス基板;並びにFR4、ナイロン、ポリカーボネート、Lu
cite(ポリメチルメタクリレート、PMMA)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、及びSolvay液晶ポリマーのようなポリマー基板に接着することができる。
これらの実施例は本発明を当業者に例示することを意図しており、特許請求の範囲に記
載する本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。後述する実施例では以下の成分
を用いた。
ポリマーa1)は、190mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端ポリ
ジメチルシロキサンだった。
ポリマーa2)は、450mPa.sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端ポリ
ジメチルシロキサンだった。
ポリマーa3)は、2,000mPa.sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端
ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa4)は、9,000mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末端
ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa5)は、55,000mm/sの粘度を有するジメチルビニルシロキシ末
端ポリジメチルシロキサンだった。
ポリマーa6)は、22,000mm/sの粘度を有するフェニルメチルビニルシロ
キシ末端ポリ(ジメチル/フェニルメチルシロキサン)だった。
鎖延長剤g)は、13mm/sの粘度及び1,500ppmのSiH含有量を有する
水素末端ジメチルシロキサンだった。
SIHb2)は、1mm/sの粘度及び16,667ppmのSiH含有量を有する
、5%のヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、43%のペンタメチルシクロペンタシロ
キサン、及び52%のテトラメチルシクロテトラシロキサンの混合物だった。
末端キャップ剤h)はヘプタメチルトリシロキサンだった。
SIHb4)は1,1,5,5−テトラメチル−3−(n−プロピル)−3−(ジメト
キシシリルオキシ)トリシロキサンだった。
SIHb5)はGelestのテトラキス(ジメチルシロキシ)シランだった。
阻害剤i)DAMはジアリルマレエートだった。
d)Pt触媒は1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの白
金との錯体だった。
c1)ATMSはアリルトリメトキシシランだった。
c2)AMAはアリルメタクリレートだった。
c3)VCHOはビニルクロロヘキサンオキシドだった。
PAGは、ダウコーニングコーポレーションからDow Corning 2−712
9として市販のヘキサフルオロアンチモン酸(3−メチルフェニル)((C12〜13分
岐)フェニル)ヨードニウム触媒だった。
c4)AGEはアリルグリシジルエーテルだった。
Luperox(登録商標)PはArkemaのtert−ブチルペルオキシベンゾエ
ートだった。
Luperox(登録商標)LPはArkemaのラウロイルペルオキシドだった。
Varox(登録商標)DCBPはR.T.Vanderbilt Company,
Inc.のジクロロベンゾイルペルオキシドだった。
Perkadox16はAkzo Nobelのジ(4−tert−ブチルシクロヘキ
シル)ペルオキシジカーボネートだった。
SR297はSartomer Co.の1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
トだった。
SR239はSartomer Co.の1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
だった。
CD9050は、金属基板への優れた接着性をもたらし、放射線硬化性組成物用に設計
された接着促進剤として有用な単官能性酸エステルだった。CD9050はSartom
er Co.から市販されている。
SR489Dは、Sartomer Co.から市販されるトリデシルアクリレートだ
った。
SR395は、Sartomer Co.から市販されるイソデシルアクリレートだっ
た。
SR257は、Sartomer Co.から市販されるステアリルアクリレートだっ
た。
SR506は、Sartomer Co.から市販されるイソボルニルアクリレートだ
った。
SR833Sは、Sartomer Co.から市販されるトリシクロデカンジメタノ
ールジアクリレートだった。
SR238は、Sartomer Co.から市販される1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレートだった。
SR351は、Sartomer Co.から市販されるトリメチロールプロパントリ
アクリレートだった。
SR203は、Sartomer Co.から市販されるテトラヒドロフルフリルメタク
リレートだった。
SR297中のPerkadox16は、等量のPerkadox16及びSR297
の混合物だった。
TBTは、米国デラウェア州ウィルミントンのE.I.du Pont de Nem
ours and CompanyのDuPont(商標)Tyzor(登録商標)Tn
BTとして市販の反応性アルコキシドエステル交換触媒だった。
PITAチタンエチルアセトアセテート錯体は、米国デラウェア州ウィルミントンのE
.I.du Pont de Nemours and CompanyのDuPont
(商標)Tyzor(登録商標)PITAとして市販されている。
e’)HMDZはAldrichのヘキサメチルジシラザンだった。
MEHQはAldrichの4−メトキシフェノールだった。
PTZはAldrichのフェノチアジンだった。
Darocur1173はCibaの2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プ
ロパン−1−オンだった。
Dowex(登録商標)2040は、製品番号Z2306を有するミシガン州ミッドラ
ンドのDow Chemical Companyのイオン交換樹脂だった。
IBTMSはイソブチルトリメトキシシランだった。
e1)EvonikR8200は、中国福建省南平のEvonik DegussaCo
rporationからAEROSIL(登録商標)R8200として市販される、ヘキ
サメチルジシラザンで処理したヒュームドシリカだった。
e2)TS530は、米国マサチューセッツ州ビルリカのCabot Special
ty Chemicals,Inc.からCabosil(登録商標)TS−530とし
て市販のヘキサメチルジシラザン処理ヒュームドシリカだった。
PDMSはポリジメチルシロキサンを表す。
UVA1500は、放射線/UV硬化性組成物において用いられる脂環式エポキシモノ
マーだった。
Z6040はグリシドキシプロピルトリメトキシシランだった。
Zr(acac)4はジルコニウムアセチルアセトネートだった。
Silquest(登録商標)A186は、米国コネチカット州ミドルベリのCrom
pton OSi Specialtiesから市販されるβ−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシランだった。
MgOは酸化マグネシウムだった。MgOをペルオキシドの分解からの酸副生成物を中
和するのに用いられる酸受容体として添加した。
参照例1―ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)
GPCデータをWatersの515ポンプ、Watersの717オートサンプラー
、及びWatersの2410示差屈折計を用いて収集した。分離はPolymer L
aboratoriesのPlgel5マイクロメーター(μm)ガードカラム、その後
2つの(300mm×7.5mm)Plgel5μmMixed−Cカラムで行った。高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードのトルエン溶離液を1分当たり1.0ミ
リリットル(mL/分)の流速で用い、カラム及び検出器を45℃まで加熱した。50マ
イクロリットル(μL)の注入量を用い、試料を0.45μmポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)シリンジフィルターを通して予めろ過した。1,300〜850,000
の分子量範囲にわたるポリジメチルシロキサン(PDMS)標準を用いて作成した較正曲
線(第4次)に従って分子量平均を割り出した。
参照例2― 29 SiNMR
29Si NMRデータをVarianのMercury300上でベンゼン−d
媒を用いて収集した。5ミリメートル(mm)の切替可能なPFGプローブをゲート分離
パルスシーケンス、60秒の緩和遅延で用いて実験を行った。あるいは、試料を、任意で
緩和試薬である0.03Mのクロムアセチルアセトネート、Cr(acac)とともに
Naloracの16mmのケイ素を含まないPulsetune(登録商標)プローブ
;及び定量条件を確保するゲート分離を用いるMercury400にかけた。両方とも
90度のパルス幅を用い、400は12秒の緩和遅延を用いた。
比較例
末端ブロックメタクリレートポリマーは、水素化シリコーン官能性シロキサンの調製、
及びその後の別のステップにおけるc2)AMAでのヒドロシリル化により生成すること
ができる。(これは、水素化シリコーン官能性シロキサンの調製及びc2)AMAでのヒ
ドロシリル化が同時に、又は間に入る精製ステップなしで行われる本明細書に記載するプ
ロセスとは異なる。)
比較例1―ポリマーの調製
鎖延長剤、環状ポリジメチルシロキサン(環状PDMS)及び触媒としてDowex(
登録商標)2040イオン交換樹脂を、濃縮器、機械的攪拌器及び熱電温度計が取り付け
られた3口丸底フラスコに添加した。(鎖延長剤と比較して)モル過剰の環状PDMSを
添加した。得られた混合物を4時間100℃で撹拌しながら窒素下で加熱した。得られた
ポリマーを冷却及びろ過し、触媒を除去した。次にポリマーを、ワイプト薄膜蒸発器(W
FE)を用いて150℃及び1mmHgで過剰環状PDMSを揮散した。100〜142
0の範囲内の重合度(DP)を有する5つの線状水素化シリコーン末端ブロックポリマー
を鎖延長剤の環状PDMSに対する比を変えることにより得た。得られた水素化シリコー
ン末端ブロックポリマーをGPC及び29SiNMRにより分析した。
上で調製された水素化シリコーン末端ブロックポリマーを、濃縮器、機械的攪拌器、及
び熱電温度計が取り付けられた3口丸底フラスコ中で、c2)AMAと1.3のSiH/
Vi比で組み合わせた。これらのポリマーを100万分の1部(ppm)のPt触媒で触
媒し、100ppmのMEHQの存在下80℃で加熱した。SiH基のヒドロシリル化を
、赤外線(IR)スペクトル中2173cm−1のSiHピークの消失により観察した。
得られたc2)AMA末端ブロックPDMSポリマーをWFEにより70℃及び1mm
Hgで揮散した。得られたポリマーは表1の指定ポリマー7〜11だった。ポリマー7〜
11をそれぞれ充填剤及びラジカル開始剤と表1に示す量で組み合わせた。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
表1中の試料を90℃でMonsantoのダイレオメーター(MDR)上で硬化させ
、それらの硬化の速度、及び相対硬度を測定した。二段階合成で生成される線状材料(ポ
リマー7〜11)、及び実施例7において後述する単一ステッププロセスで生成されるク
ラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを用いて生成される組成物の比較について表2を
参照されたい。
実施例
実施例の製造プロセスは一般的には、20分間ビニル末端ブロックポリマー(上述のa
1、a2、a3、a4、a5、又はa6)、ポリオルガノ水素シロキサン(SIHb2、
SIHb4、又はSIHb5)、及び不飽和反応種(c1、c2、c3、又はc4)を室
温で予備混合するステップを含んだ。Ptヒドロシリル化触媒を次に室温で添加し、さら
に20分間撹拌した。80℃まで昇温することにより反応を開始させた。反応の程度をF
T−IR中約2170cm−1のSiHピークの消失を観測することにより記録した。反
応は一般的には1時間以内に完了し、その際生成物を50℃まで冷却し、DAMを添加し
た。
実施例1
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、以下の成分:428.34部(部)のポリマーa4、7.65部のSIHb2、1
4.01部のc2)AMA、及び0.05部のPTZを添加した。得られた混合物を、室
温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.09部のPt触媒を添加
し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより
反応を開始させた。フーリエ変換赤外線(FT−IR)中2173cm−1のSiHピー
クの減少を測定することにより反応を観測した。一般的な反応時間は1時間だった。反応
温度を次に50℃まで冷却し、0.9部のDAMを混合しながら添加し、得られた混合物
を室温まで冷却した。得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは5rpmで1
5300cpsのBrookfield円錐平板粘度を有した。MDR上、125℃で1
5分間硬化させた40ミル厚試料の引張特性は、この実施例1において調製されたクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサンで生成した組成物について表3に示した。
Figure 2014208826
実施例2
10リットルTurrelloミキサー中、6515部のポリマーa2)、401部の
SIHb2)、900部のc1)ATMS、及び0.89部のMEHQを組み合わせた。
組み合わせを室温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、1.05部の
Pt触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を100℃まで上昇
させることにより反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減
少を測定することにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、8.9部の
DAMを混合しながら添加した後、混合物を室温まで冷却した。歯科用カップ中、95部
の得られた水分硬化クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを3部のIBTMS及び2
部のPITAチタネート触媒と混合した。得られた生成物は2分の薄膜不粘着時間を有し
た。
実施例3
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた3リットルガラス樹脂ケトル
中で、以下の成分:1369.1部のポリマーa6)、48.7部のSIHb2)、82
.2部のc3)VCHO、及び0.05部のPTZを組み合わせた。組み合わせを室温で
10分間、得られた混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.3部のPt触媒を添
加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることによ
り反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減少を測定するこ
とにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、0.9部のDAMを混合し
ながら添加した。得られたエポキシ官能性クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを室
温まで冷却した。実施例3により調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを
表3の成分と組み合わせ、引張特性を15分間80℃での硬化後に上述のように評価した
。成分及び量、並びに結果を表4に示す。
Figure 2014208826
実施例4〜6(鎖延長)
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、実施例4〜6を上述のように調製した。鎖延長のための各実施例における成分及び
量を表5に示す。
Figure 2014208826
粘度及びMDR結果を測定し、表6に示した。
Figure 2014208826
実施例4〜6を歯科用カップにおいて組成物に製剤した。試料組成物は表7の成分を含
有した。
Figure 2014208826
実施例4〜6において調製された充填及び触媒組成物をMDRにおいて125℃で15
分間硬化させた。結果は上の表6に示す。
実施例7―鎖延長クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中で、以下の成分:549.6部のポリマーa4)、7.6部のSIHb2)、58部の
鎖延長剤、23.1部のc2)AMA、及び0.06部のMEHQを組み合わせた。組み
合わせを室温で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.11部のPt
触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させる
ことにより反応を開始させた。FT−IR中2173cm−1のSiHピークの減少を測
定することにより反応を観測した。反応温度を次に50℃まで冷却し、1.2部のDAM
を混合しながら添加した。得られたメタクリレートクラスタ化官能性ポリオルガノシロキ
サンを次に室温まで冷却した。このポリオルガノシロキサンは1rpmで27800cp
sのBrookfield円錐平板粘度を有した。(実施例7の)メタクリレートクラス
タ化官能性ポリオルガノシロキサンを表8の成分で組成物に製剤し、得られた組成物を8
0℃で15分間硬化させた後、MDRにより分析した。
Figure 2014208826
実施例8及び9(末端キャップ剤での鎖停止)
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル中
に、実施例8及び9を、表8の成分及び量が用いられた以外、上述のように調製した。組
成物試料を125℃で15分間硬化させ、上述のようにMDRにより評価し、結果を表9
に示す。
Figure 2014208826
実施例10
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5632部のポリマーa4)、125.7部のSIHb2)、30.49部のc1
)ATMS、213.4部のc2)AMA、及び1.2部のMEHQを添加し、10分間
室温で混合した。この後、1.15部のPt触媒を添加し、混合物を室温で20分間撹拌
した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより反応を開始させた。80℃での混
合の1時間後、反応器を50℃まで冷却し、6.7部のDAMを混合しながら添加した。
この実施例では、得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは利用可能な反応性
基を含有し、その90モル%はメタクリレート系だったが、10モル%は水分硬化性基だ
った。得られたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは多重硬化クラスタ化官能性ポ
リオルガノシロキサンだった。
実施例11〜13
1クオートRossミキサー及びラジカル阻害剤としてPTZを用い、ポリマーa2)
、ポリマーa4)、SIHb2)環状メチル水素、及びc2)AMAを室温で10分間予
備混合した。Pt触媒を添加し、室温混合をさらに20分間継続した。ミキサー温度を8
0℃まで上昇させることにより反応を開始させた。80℃での混合の1時間後、ミキサー
を50℃まで冷却し、6.7部のDAMを混合しながら添加した。
調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを表10の成分を含有する組成物
に製剤した。表10の組成物を歯科用カップ中で20%のTS530充填剤及び4%のV
arox(登録商標)DCBPと混合した。150℃での15分間の硬化後、試料の引張
試験を行った。成分及びそれらの量(部)、並びに引張試験結果を表10に示す。
Figure 2014208826
実施例14(充填剤の分散)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5000部の実施例7において生成したクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン
(ポリマー)を添加した。200グラム(g)増分中、1470gのTS530を低せん
断混合しながら添加した。得られた20%のマスターバッチにより高いせん断を20分間
加えた。
実施例15(充填剤反応)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、5160部のポリマーa4、及び1039gのTS530を添加し、ポリマーベー
スを調製した。TS530(処理充填剤)を約100g増分で75分間かけて添加した。
このポリマーベースに、69.1部のSIHb2、546.8部のc1)ATMS、21
7部のc2)AMA、及び0.1部のMEHQを添加し、10分間混合した。得られた充
填混合物を25℃まで冷却した後、ミキサー温度を80℃まで上昇させることにより反応
を開始させ、1.05部のPt触媒を添加し、室温で20分間撹拌した。80℃での混合
の1時間後、ミキサーを50℃まで冷却し、10.98部のDAMを混合しながら添加し
た。
実施例11及び12において調製されたマスターバッチを4%のVarox(登録商標
)DCBPで製剤し、表11に示すように調節し、直接比較のため14.4%の充填剤を
有する接着剤を得た。組成物を125℃で15分間硬化させ、引張特性について及びMD
Rにより分析した。組成物の成分及びそれらの量、並びに引張及びMDR試験の結果は表
10に示す。物理的特性を公正比較するため、実施例7のクラスタ化官能性ポリオルガノ
シロキサンを用い、実施例14において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキ
サンを削減し、実施例15と同じ充填剤レベルとした。粘性相ポリマー−充填剤マスター
バッチと呼ばれるものを生成するため、実施例14のポリマーは20%の充填剤を有する
。粘性相は、せん断をポリマー/充填剤システム中に加えることにより、充填剤のもっと
も良好な分散をもたらすが、充填剤の新たな表面も生成させる。
Figure 2014208826
処理充填剤の存在下での反応性ネットワークの作製は、予備反応ポリマーネットワーク
において同じ充填剤を単純に分散させるステップから誘導されたものと比べて向上した引
張特性を有するベースを作製した。
理論に縛られることは望まないが、粘性相ポリオルガノシロキサン−充填剤マスターバ
ッチが調製される際存在する高せん断は充填剤凝集体の破壊及びより親密なポリオルガノ
シロキサン−充填剤相互作用をもたらすとゴム及び封止材産業において広く考えられてい
る。これらの相互作用がこうしたシステムの向上した引張及び機械的特性に関与している
。こうした高せん断事象中、処理剤を任意で導入し、充填剤表面を官能基化し、非常に高
粘度のマスターバッチ、極端な例では、もろく使用不能なマスターバッチをもたらす過度
の相互作用を防止することができる。実施例16では、わずかに処理した充填剤(TS5
30)を実施例7のクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン中に処理剤の存在下で分散
させた。このプロセスは既存の高せん断粘性相プロセスにおいて作製されたいずれかの新
たな表面を処理し、これにより得られたベースの安定性を増加させ、その接着性を向上さ
せる。残りの表面ヒドロキシル基はシラン接着促進剤を製剤及び保存熟成中に隔離し、組
成物を基板に塗布する際に接着性の向上のために使用可能な接着促進剤を少ししか残さな
い、又は全く残さないと考えられる。
実施例16(in situ処理充填剤)
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、2667部の実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサ
ンを添加した。5つのほぼ等しい添加ステップにおいて、137gの3−(トリメトキシ
シリル)プロピルメタクリレート、及び1.2gのヘキサメチルジシラザンとともに、1
333gのTS530を添加した。この高せん断粘性相材料を80℃まで2時間25mm
Hgの真空で加熱した。実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロ
キサンを添加し、これを削減し、24.7%の充填剤を含有するマスターバッチを得た。
実施例14〜16において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを次に
14.4%の充填剤及び4%のVarox(登録商標)DCBPを含有する組成物に実施
例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを調節した充填剤レベ
ルで用いて製剤した。材料を、1インチのオーバーラップ及び40ミルのボンドラインを
有するクラッドアルミニウム1×3インチパネル間で硬化させた。試料を125℃で15
分間硬化させた後、ラップせん断接着性を測定した。同様の試料を85℃/85%相対湿
度(RH)で熟成させ、接着性損失を促進した。ラップせん断接着性試験の結果を表12
に示す。
Figure 2014208826
実施例1〜16は、多数の塗布領域において封止材及び接着剤として用いることができ
るクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサン、及びそれらを含有する組成物を生成する。
実施例17(90モル%のc2)AMA及び10モル&のc1)ATMSを含むin s
itu処理充填剤)
1クオートRossミキサー中に、以下の成分:0.1gのMEHQ、393gのポリ
マーa4)、及び441gのポリマーa5)中のHMDZ処理充填剤マスターバッチを添
加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。
成分を10分間混合した。この後、15.9gのSIHb2、40.5gのc2)AMA
、及び4.87gのc1)ATMSを添加し、得られた組み合わせを10分間室温で混合
した。次に、0.2gのPt触媒を添加し、得られた組み合わせをさらに20分間室温で
混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開始させ、この温度を1時間
維持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、1.5gのDAMを添加した。
実施例17は、充填剤及びその反応性官能基の約90モルパーセントがメタクリレート
基によってラジカル硬化され、その反応性官能基の10モルパーセントがアルコキシ水分
硬化基である二重硬化クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンのマスターバッチだった
表13は、完全に製剤し、80℃で15分間硬化させた実施例17マスターバッチを含
有する組成物中の成分示す。製剤を1インチのオーバーラップ及び40ミルのボンドライ
ンを有するクラッドAl1×3インチパネル上での引張特性及びラップせん断の両方につ
いて試験した。初期熱硬化後、それぞれ1日及び7日かけて促進又は室温水分硬化を行っ
た。
Figure 2014208826
80℃で15分間の熱硬化後の初期引張特性は、ピーク応力について223lb/i
、及び伸びについて396%だった。熱硬化試料を85%RH/85℃下で熟成後、
同じ特性は422lb/in及び438%伸びまで増加した。第二次水分硬化の同様
の兆候が、50%RH及び25℃で熟成させた同様の熱硬化試料で観察され、413lb
/in及び447%伸びをもたらした。
実施例18〜20
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中に、6046部のポリマーa4、136.4部のSIHb2、257部のc2)AMA
、85部のc1)ATMS及び0.8部のMEHQを添加し、10分間混合した。この後
、1.2部のPt触媒を室温で20分間撹拌しながら添加した。ミキサー温度を80℃ま
で上昇させることにより反応を開始させた。80℃で1時間の混合後、反応器を50℃ま
で冷却し、11.5部のDAMを撹拌しながら添加した。
実施例18において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンは、その反応
性官能基の80モルパーセントのメタクリレート及び20モルパーセントのアルコキシを
有した。このポリオルガノシロキサンを歯科用カップ中で4%のVarox(登録商標)
DCBP、及び15%の処理充填剤、Cabosil TS530又はEvonikのR
8200と混合した。実施例19〜20は実施例18において調製されたクラスタ化官能
性ポリオルガノシロキサンを含有する組成物であり、表14に示す成分を混合することに
より調製された。実施例19〜20は同等の充填剤レベルを有する。組成物中の成分及び
量、並びに引張特性、ラップせん断データ、及び粘度を表14に示す。すべての試料を8
0℃で30分間硬化させ、ラップせん断試料を1インチのオーバーラップ及び40ミルの
ボンドラインを有するクラッドAl1×3インチパネル上で試験した。
実施例21
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中で、0.6gのMEHQを6201gのポリマーa4)中にHMDZ処理充填剤を含有
するマスターバッチ、107gのSIHb2、201.4gのc2)AMA、及び83.
5gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75
ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、1.0gの
Pt触媒を添加し、組み合わせを室温でさらに20分間混合した。ミキサーを80℃まで
加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。この後、ミキサーを50℃まで冷
却し、13.8gのDAMを添加した。組成物中の成分及び量、並びに引張特性、ラップ
せん断データ、及び粘度を表14に示す。すべての試料を80℃で30分間硬化させ、ラ
ップせん断試料を上述のようにクラッドAl基板上で試験した。
Figure 2014208826
実施例22
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを459gのポリマーa5)中
にHMDZ処理充填剤を含有するマスターバッチ、及び223gのポリマーa4)に添加
した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。成
分を10分間混合した。このミキサーに、23.5gのSIHb2)、47gのc2)A
MA、及び15.1gのc1)ATMSを添加し、10分間室温で混合した。この後、0
.1gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱
することにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、
3.3gのDAMを添加した。
実施例23(比較)
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを707gのポリマーa4)中
のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、67.5gのSIHb4)、75gのc2)A
MA、及び24gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−Si
lMS−75ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、0.2
gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱する
ことにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、3.
3gのDAMを添加した。
実施例24
1クオートRossミキサー中で、0.1gのMEHQを437gのポリマーa4)中
のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、67.5gのSIHb5)、47gのc2)A
MA、及び15gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−Si
lMS−75ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、0.2
gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱する
ことにより反応を開始させ、1時間保持した。得られた生成物を50℃まで冷却し、2g
のDAMを添加した。
実施例21〜24において調製された生成物をVarox(登録商標)DCBPで組成
物に製剤した。成分及び量を表15に示す。ラップせん断データ及び引張特性を表16に
示す。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
実施例22及び23は、ビニル末端キャップポリマーの代わりの多官能性水素化シリコ
ーン種並びにモノマーアリル及びビニル種の結合を行い、単一又は多重硬化メカニズムを
有する充填材料を生成するプロセスの能力を示す。実施例23において用いられる線状ポ
リオルガノ水素シロキサンは、分子当たり3個のみのケイ素結合水素原子を有するSiH
成分のため、この実験において用いられる低温条件下でこの実施例の時間内に十分に硬化
させるのに十分な反応性官能基クラスターを有さず、生成されるポリマーの各末端にもた
らされる官能性基は少なすぎる。実施例21、22及び24における環状物及びネオペン
タマー系の例は各末端に最小3個の官能性基を有する。
実施例25
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー
中で、0.7gのMEHQを3921gのポリマーa5)中にHMDZ処理充填剤を含有
するマスターバッチ、2608gのポリマーa4)、115gのSIHb2)、及び43
8gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75
ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、1.3gの
Pt触媒を添加し、室温でさらに20分間混合した。ミキサーを80℃まで加熱すること
により反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、11.2gのD
AMを添加した。この後、96部の得られた生成物を歯科用カップ中で2部のメチルトリ
メトキシシラン及び2部のPITAと混合した。これを室内温度及び湿度で7日間硬化さ
せ、581psiの引張応力値及び262%の伸びを有する硬化生成物を得た。
実施例26 エポキシ/水分二重硬化
1クオートRossミキサー中、0.07gのMEHQを788.44gのポリマーa
5)中にHMDZ処理充填剤を含有するマスターバッチ、11.1gのSIHb2)、1
9.1gのVCHO、及び2.1gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤は
Cab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で
混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミ
キサーを80℃まで加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを5
0℃まで冷却し、2gのDAMを添加した。
実施例27 エポキシ/水分二重硬化
1クオートRossミキサー中で、0.07gのMEHQを567.68gのポリマー
a5)、11.1gのSIHb2)、19.1gのVCHO、及び2.1gのc1)AT
MSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカ
だった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加
し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開
始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、1.2gのDAMを添加した。
エポキシシリコーンの熱又はUV硬化を触媒することができる触媒混合物は、Dow
Corning(登録商標)2−7129ヨードニウムSbF光酸発生剤(米国ミシガ
ン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーションから市販)、Perkadox16
、Darocur1173及びデシルアルコールの等量混合物からなる。この触媒混合物
を表17の組成物に添加した。
実施例26及び27の混合は、存在する処理充填剤のレベルのみが異なる同等のポリマ
ー組成物の試料をもたらした。
クラッドAlパネルに対する引張及びラップせん断接着性を上述のように80℃で15
分間硬化させた試料について測定した。ドローダウンバーを用い、300ワットのFus
ion Hバルブからの600mJ/cm照射での単一パスで硬化させた10ミル湿潤
膜厚を堆積させることにより、試料をUV硬化についても確認した。
Figure 2014208826
実施例28
1クオートRossミキサー中で、0.08gのMEHQを401.78gのポリマー
a5)中のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、384.29gのポリマーa3)、2
5.5gのSIHb2)、40.7gのc4)AGE、及び10.2gのc1)ATMS
に添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−75ヒュームドシリカだっ
た。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.11gのPt触媒を添加し、
さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開始さ
せ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、0.75gのDAMを添加した。
実施例28をマレイン酸無水物と組み合わせ、上述のようにクラッドAl基板に対して
80℃で15分間硬化させた。ラップせん断接着性試験を上述のように行った。各成分の
量(部)及びせん断データを表18に示す。
Figure 2014208826
実施例29
1クオートRossミキサー中で、0.08gのMEHQを297.62gのポリマー
a5)中のHMDZ処理充填剤のマスターバッチ、408.85gのポリマーa3)、3
5.4gのSIHb2)、73.1gのc2)AMA、9.14gのc3)VCHO、及
び9.1gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS
−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した。この後、0.
11gのPt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱
することにより反応を開始させ、1時間保持した。ミキサーを50℃まで冷却し、0.7
5gのDAMを添加した。実施例29の生成物を表17に示す成分と組み合わせ、組成物
を形成した。組成物をAlクラッド鋼板間で、80℃で30分間硬化させた後、ラップせ
ん断について試験した。ラップせん断データを表19に示す。
Figure 2014208826
実施例30
剥離ブレード及び2つの分散ブレードを備えた10リットルTurrelloミキサー中
で、0.7gのMEHQを4241gのポリマーa5)中にHMDZ処理充填剤を含有す
るマスターバッチ、2095gのポリマーa5)、213gのSIHb2)、429gの
c2)AMA及び212gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−
o−SilMS−75ヒュームドシリカだった。これらの成分を10分間室温で混合した
。この後、1.2gのd)Pt触媒を添加し、さらに20分間室温で混合した。ミキサー
を80℃まで加熱することにより反応を開始させ、1時間保持した。クラスタ化官能性生
成物を形成した。
実施例31
実施例30のクラスタ化官能性生成物を組成物に製剤した。生成物の88gの量を、4
gのSartomerのSR249、4gのベンゾイルペルオキシド及び4gのN,N−
ジメチル−p−トルイジンとともに歯科用ミキサー中に量り入れ、混合した。40ミルボ
ンドライン厚を有するラップせん断試料を、Alクラッド基板を用いて作成した。これら
の試料を周囲条件下で一晩放置した。24時間後、139lbs/insの引張特性は2
3%の破断伸びで展開した。
実施例32〜36―室温でのレドックス及び嫌気性硬化による製剤
実施例30のクラスタ化官能性生成物を、表20の成分を含有する組成物に製剤した。
Figure 2014208826
実施例37
10リットルクオートTurelloミキサー中で、0.3gのBHTを3233gの
ポリマーa5)中のHMDZ処理ヒュームドシリカ充填剤のマスターバッチ、3232g
のポリマーa4)、168.9gのSIHb2)、326.9gのc2)AMA、及び1
05gのc1)ATMSに添加した。HMDZ処理充填剤はCab−o−SilMS−7
5ヒュームドシリカだった。成分を10分間室温で混合した。この後、3.4gのd)P
t触媒を添加し、さらに20分室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することによ
り反応を開始させ、1時間保持した。得られたクラスタ化官能性生成物を50℃まで冷却
し、6gの阻害剤i)DAMを添加した。
実施例38
1クオートRossミキサー中、0.04gのBHTを399.4gのポリマーa1)
、90.9gのSIHb2)、76.6gのc2)AMA、及び183gのc1)ATM
Sに添加した。成分を10分間室温で混合した。この後、0.4gのd)Pt触媒を添加
し、さらに20分間室温で混合した。ミキサーを80℃まで加熱することにより反応を開
始させ、1時間保持した。得られたクラスタ化官能性生成物を50℃まで冷却し、0.7
5gの阻害剤i)DAMを添加した。
実施例39―実施例37及び38のクラスタ化官能性生成物を含有する組成物
実施例37及び38のクラスタ化官能性生成物を表21の成分を含有する組成物に製剤し
た。
Figure 2014208826
比較例40
実施例39の組成物を1組の電極上にコーティングした。メルカプトベンゾチアゾール
腐食防止剤を含まない対照もコーティングした。2組の被覆電極を非被覆電極とともに配
線し、硫黄華を含有するガラスチャンバーに入れた。ガラスチャンバーを80℃オーブン
に入れた。銀電極の電気抵抗を、Keithleyの電位計を抵抗モードで用いて観測し
た。約5〜10オームの初期抵抗は対照及び非被覆電極について露出の2日以内でメガオ
ームまで上昇した。電極はまた目に見えて黒くなった。腐食防止剤を含有するコーティン
グは、露出の10日後、変わらない電気抵抗及び外観を有した。
実施例41〜49―不飽和酸の金属への接着性に対する影響
表22の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド基板に塗布し、80℃で30分間硬化させた。室
温で3日後、得られたラップせん断試料を試験した。成分、重量部でのそれらの量、及び
ラップせん断試験結果を表22に示す。
Figure 2014208826
比較例50及び実施例51〜58
表23の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド及びにCu被覆FR4基板の間に塗布し、80℃
で30分間硬化させた。室温で3日後、ラップせん断試料を試験した。第2組の試料を2
気圧及び130℃の圧力調理器中に24時間入れ、その後それらにラップせん断試験を行
った。成分、それらの量、及びラップせん断試験結果を表23に示す。実施例51〜58
は、アクリレート及びメタクリレートモノマーを用い、接着性のロバスト性をさらに向上
させることができることを示す。
Figure 2014208826
実施例59〜64 酸受容体の添加
表24の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加しながら混
合した。得られた組成物をAlクラッド基板間に塗布し、80℃で30分間硬化させた。
室温で3日後、得られたラップせん断試料を、まず試料を80℃のオーブンに入れた5重
量%のNaCl溶液中に浸漬することにより試験し、その後ラップせん断試験を行った。
成分、それらの量、及びラップせん断試験結果を表24に示す。酸受容体種の使用はアル
ミニウムクラッド基板への湿潤接着性に対するペルオキシド分解産物の影響を低減するこ
とが示された。各成分の量は重量部で示す。
Figure 2014208826
実施例65及び比較例66〜68
表25及び26の成分を歯科用ミキサー中で23.4ミルのスペーサービードを添加し
ながら混合した。得られた組成物を引張特性のためAlクラッド基板間の溝中、80℃で
15分間硬化させた後、ラップせん断について試験した。2組の試料を調製した。1組を
25℃及び50%相対湿度(RH)に設定した環境チャンバーにおいて3日熟成させ、別
の組を85℃及び85%RHに設定した環境チャンバーにおいて3日熟成させた。成分及
びそれらの量、並びにラップせん断試験結果を表25及び26に示す。以下の引張特性に
ついて、このシステムにおける第2次水分硬化は前に硬化させた材料と比べて物理的特性
を向上させることが明らかとなり得る。
Figure 2014208826
Figure 2014208826
実施例69〜71 熱伝導性組成物
156gの実施例7において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンの試
料を、1クオートミキサーに入れ、0.02gのベンゾキノール及び16.16gのデシ
ルトリメトキシシラン、CH(CHSi(OCHを添加し、5分間室温で
混合した。507.6gのCBA05S及び507.6gのCBA20Sアルミナ充填剤
の試料を添加し、室温で65分間混合した。CBA05Sは米国ニューヨーク州ニューヨ
ークのShowa Denko America Inc.の5ミクロンアルミナ充填剤
だった。CBA20Sは同様にShowa Denkoの20ミクロンアルミナ充填剤だ
った。ミキサーを次に70℃〜75℃の範囲内の温度で60分間(蒸気で)加熱した。こ
の試料を以下の製剤実験のマスターバッチとして用いた。
0.92gのDCBP開始剤及び181gの上述のように調製されたマスターバッチの
試料を100mL歯科用カップにおいて2200rpmで30秒間歯科用ミキサーを用い
て2回混合した。20グラムの得られた材料を次にそれぞれ0.1gのSR297及び0
.1gのアクリル酸と混合した。アクリル酸添加剤の有無にかかわらず、組成物の接着特
性を80℃で30分間硬化させた後ラップせん断を用いて多数の基板で試験した。組成物
及び試験結果を以下の表に示す。
3つの各試料を調製し、80℃で30分間、Ticona Alumimumのポリブ
チレンテレフタレート(PBT)基板と銅被覆FR4板との間で硬化させた。各試料は2
3.4ミルのスペーサービードで1インチのボンドラインを有した。試料をラップせん断
について試験し、結果を表27に示す。
Figure 2014208826
実施例72
濃縮器、機械的攪拌器、及び熱電温度計が取り付けられた1リットルガラス樹脂ケトル
中に、以下の成分:427.7部(部)のポリマーa2)、26.4部のSIHb2)、
46.0部のc2)AMA、及び0.05部のPTZを添加した。得られた混合物を室温
で10分間、混合物が均質になるまで撹拌した。この後、0.09部のd)Pt触媒を添
加し、混合物を室温で20分間撹拌した。ミキサー温度を80℃まで上昇させることによ
り反応を開始させた。フーリエ変換赤外線(FT−IR)中2173cm−1のSiHピ
ークの減少を測定することにより反応を観測した。一般的な反応時間は1時間だった。
実施例73―有機ボラン硬化性組成物
8gの量の実施例72において調製されたクラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを
歯科用カップ中で0.1gのトリ−n−ブチルボランメトキシプロピルアミン(TnBB
−MOPA)錯体と混合した。脱錯化剤(0.11gのイソホロンジイソシアネート、I
PDI)の添加後、ポリマー基板へのグラフトにおける有用性を示すメタ(アクリレート
)系材料の反応に適したTnBB−MOPAラジカルを形成し、組成物は25秒以内に硬
化させた。成分、量及び硬化結果を表28に示す。
Figure 2014208826
実施例73〜77及び比較例78
表29の成分を含有するラップせん断試料を試験のためCu被覆FR4及びニッケル被
覆銅基板と組み合わせたAlクラッドの上にコーティングした。すべての試料を90℃で
30分間硬化させた。初期データは前に硬化させた試料の引張特性及び凝集破壊パーセン
トを示し、100%がもっとも望ましい。試料を2気圧及び120℃の圧力調理器に24
時間入れることにより加速試験も行い、再試験した。これは接着性の厳しい試験である。
Figure 2014208826
対照と比較して、接着促進剤を含有する実施例73〜77の組成物に引張及び湿潤接着特
性の向上が見られる。
本発明のプロセスは、クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを生成するのに必要な
プロセスステップの数が低減されるという点において、従来プロセスと比べて向上を示す
。成分a)及び成分b)の成分c)との反応生成物を作成する場合、中間体精製又は触媒
不活性化ステップが存在しない。さらに、プロセスは、プロセスのクラスタ化官能性ポリ
オルガノシロキサン生成物の粘度及び他の取扱特性に悪影響を及ぼすことなしに充填剤の
組み込みを可能にする。
クラスタ化官能性ポリオルガノシロキサンを含有する硬化性接着剤組成物は、比較的に
低い温度(例えば、80℃以下)で硬化させた場合でも、自己接着性である(すなわち、
準備なしで上記基板への接着性を形成する)という利点を提供することができる。硬化性
シリコーン組成物は、上述のプロセスにより調製されるクラスタ化官能性ポリマーを含有
しない硬化性シリコーン組成物と比較して、エレクトロニクス産業用途について比較的短
い不粘着時間の利点をさらに提供することができる。

Claims (36)

  1. 1)a)平均で1分子当たり少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガ
    ノシロキサン、
    b)平均で、1分子当たり4〜15個のケイ素原子、及び、成分a)中の1つの脂肪族不
    飽和有機基当たり少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有するポリオルガノ水素シロキ
    サン、並びに、
    c)1分子当たり、少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有す
    る反応種、を含む成分を、
    d)ヒドロシリル化触媒の存在下で、
    同時に反応させるステップを具え、
    (成分b)中の、ケイ素結合水素原子)/(成分a)中の脂肪族不飽和有機基)の割合
    (SiH/Vi比)が、4/1〜20/1の範囲であり、本プロセスにより調製され
    る生成物は、成分a)の前記ポリオルガノシロキサンの各末端に2つ以上の硬化性基を有
    する、プロセス。
  2. ステップ1)中の前記成分が、e)充填剤、f)非反応性シリコーン樹脂、又は、これ
    らの組み合わせ、をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 2)触媒阻害剤を添加するステップと、任意で、3)ステップ2)の生成物を精製する
    ステップと、をさらに具える、請求項1に記載のプロセス。
  4. 1)a)平均で1分子当たり少なくとも2個の脂肪族不飽和有機基を有するポリオルガ
    ノシロキサン、並びに、
    b)平均で、1分子当たり4〜15個のケイ素原子、及び、成分a)中の1つの脂肪族不
    飽和有機基当たりのケイ素結合水素原子(SiH/Vi比)を少なくとも4つ有する
    ポリオルガノ水素シロキサンであって、成分a)中の各脂肪族不飽和有機基当たり1分子
    の成分b)をもたらすのに十分な量で存在するポリオルガノ水素シロキサンb)、を含む
    成分を、
    d)ヒドロシリル化触媒の存在下で、同時に反応させるステップと、
    その後、
    2)ステップ1)の生成物を、
    c)1分子当たり、少なくとも1個の脂肪族不飽和有機基及び1個以上の硬化性基を有す
    る反応種、を含む成分と反応させるステップとを具え、
    ステップ1)及び/又はステップ2)中の成分は、e)充填剤、f)非反応性シリコー
    ン樹脂、又は、これらの組み合わせをさらに含み;中間体精製ステップはステップ1)と
    ステップ2)との間で行われず;(成分b)中の、ケイ素結合水素原子)/(成分a)中
    の脂肪族不飽和有機基)の割合(SiH/Vi比)が4/1〜20/1の範囲内であ
    り、本プロセスにより調製される生成物が成分a)の該ポリオルガノシロキサンの各末端
    に2個以上の硬化性基を有する、プロセス。
  5. 3)触媒阻害剤を添加するステップと、任意で、4)ステップ2)の前記生成物を精製
    するステップと、をさらに含む、請求項4に記載のプロセス。
  6. 成分a)及び成分b)は、4/1〜10/1の範囲内の値を有する前記SiH/Vi
    比をもたらすのに十分な量で存在する、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記充填剤が存在し、該充填剤は、ステップ1)前に、前記充填剤、充填剤処理剤、及
    び成分a)の全て又は一部を混合するステップを含む方法、によって添加される、請求項
    2〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 成分a)が、式(I)、式(II)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され
    る式を有し、
    式(I)は、R SiO(R SiO)(RSiO)SiR
    であり、
    式(II)は、R SiO(R SiO)(RSiO)SiR であり

    各Rは、独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
    各Rは、独立して脂肪族不飽和有機基であり、
    下付き文字aは、2〜1000の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字bは、0〜1000の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字cは、0〜1000の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字dは、4〜1000の範囲内の平均値を有し、
    10≦(a+b)≦1000であり、10≦(c+d)≦1000である、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  9. 成分b)が、環状ポリオルガノ水素シロキサンである、請求項1〜5のいずれかに記載
    のプロセス。
  10. 成分b)が、式(III)を有し、
    式(III)は、(R SiO2/2(HRSiO2/2であり、
    各Rは、独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
    下付き文字eは、0〜10の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字fは、3〜12の範囲内の平均値を有し、
    (e+f)は、3〜12の範囲内の値を有する、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  11. 成分b)が、分岐ポリオルガノ水素シロキサンである、請求項1〜5のいずれかに記載
    のプロセス。
  12. 成分b)が式(IV)を有し、
    式(IV)は、Si−(OSiR (OSiHRg’(OSiR (O
    SiR H)(4−h)であり、
    式中、各Rは、独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
    下付き文字gは、0〜10の範囲内の値を有し、
    下付き文字g’は、0〜10の範囲内の値を有し、
    下付き文字hは、0〜1の範囲内の値を有し、
    下付き文字g’が0である場合、下付き文字hも0である、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  13. 成分b)が、分子当たり平均少なくとも4個のケイ素結合水素原子を有する線状ポリオ
    ルガノ水素シロキサンである、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  14. 成分b)が(V)、(VI)、又はこれらの組み合わせから選択される式を有し、
    式(V)は、R HSiO(R SiO)(RHSiO)SiR Hであり

    式(VI)は、R SiO(R SiO)(RHSiO)SiR であり、
    式中、各Rは、独立して脂肪族不飽和を含まない一価有機基であり、
    下付き文字iは、1〜12の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字jは、2〜12の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字kは、0〜12の範囲内の平均値を有し、
    下付き文字mは、4〜12の範囲内の平均値を有し、
    4≦(i+j)≦13であり、4≦(k+m)≦13である、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  15. 成分c)上の前記硬化性基が、アクリレート、アルコール、アルコキシ、エポキシ、イ
    ソシアネート、メタクリレート、ウレタン、及び、これらの組み合わせから選択される、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  16. 成分c)が2個以上の反応種を含み、該2個以上の反応種が2個以上の異なる硬化性基
    を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  17. 成分c)が2個以上の(VII)のシランを含み、
    式(VII)はR SiR (4−n)であり、
    式中、各下付き文字nは、独立して1〜3の範囲内の値を有し、
    各Rは、独立してアルケニル基又はアルキニル基であり、
    各Rは、独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリレート基
    から選択され、
    少なくとも1個のシラン上のR基は別のシラン上の少なくとも1個の他のR基とは
    異なる、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  18. 成分c)が、式(VIII)のシランを含み、
    式(VIII)はR SiR (4−o)であり、式中、
    下付き文字oは1〜3の範囲内の値を有し、
    各Rは独立してアルケニル基又はアルキニル基であり、
    各Rは独立してアクリレート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリレート基か
    ら選択される、
    請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  19. 成分c)が、1分子当たり平均、1〜2個のアルケニル又はアルキニル基と、アクリレ
    ート基、アルコキシ基、エポキシ基、及びメタクリレート基から選択される1個以上の反
    応性基と、を有する有機化合物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  20. 成分c)が、アリルアルコール、ビニルアルコール、アリルエーテル、アリルアルコー
    ルプロポキシレート、アリルアセテート、アリルアセトアセテート、アルケニルメタクリ
    レート、アルケニルエポキシド、アルケニルトリアルコキシシラン、アリルグリシジルエ
    ーテル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  21. ステップ1)中の前記成分が、g)鎖延長剤、h)末端キャップ剤、又は、両方をさら
    に含む、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  22. 前請求項のいずれか1項に記載のプロセスにより調製されるクラスタ化官能性生成物。
  23. (I)請求項22に記載のクラスタ化官能性生成物、及び、
    (II)硬化剤
    を含む、硬化性シリコーン組成物。
  24. (III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)着色剤、(VII)反
    応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、(XII)酸受容体、及び
    、これらの組み合わせから選択される1つ以上の成分をさらに含む、請求項23に記載の
    組成物。
  25. 前記組成物が縮合反応硬化性であり、成分(II)が縮合反応触媒であり、前記組成物
    が、任意で、トリアルコキシシラン、アセトキシシラン、ケトキシモシラン、アルキルオ
    ルトシリケート、アルキルポリシリケート、メチルビニルビス(n−メチルアセトアミド
    )シラン、及び、これらの組み合わせから選択される(III)架橋剤をさらに含む、請
    求項23又は請求項24に記載の組成物。
  26. 前記組成物が放射線硬化性であり、成分(II)がラジカル開始剤を含む、請求項23
    又は請求項24に記載の組成物。
  27. 前記ラジカルを、放射線、熱、有機ボラン、又はレドックス反応により生成することが
    できる、請求項26に記載の組成物。
  28. 成分(I)が、2つ以上のタイプの硬化性基を有する、請求項23又は請求項24に記
    載の組成物。
  29. 成分(I)が、縮合反応硬化性基及びラジカル硬化性基の両方を有する、請求項28に
    記載の組成物。
  30. 成分(II)が、放射線硬化性基である、請求項29に記載の組成物。
  31. 成分(I)が、エポキシ及びアルコキシ基を有する、請求項23又は請求項24に記載
    の組成物。
  32. 成分(I)がアルコキシ基を有し、成分(I)がアクリレート基、メタクリレート基、
    又はこれらの組み合わせを有する、請求項23又は請求項24に記載の組成物。
  33. (I)請求項1に記載のプロセスにより調製されるクラスタ化官能性ポリオルガノシロ
    キサン、
    (II)硬化剤、及び、
    (X)充填剤
    を含む、硬化性シリコーン組成物。
  34. 前記充填剤が熱伝導性充填剤を含む、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記組成物が、(III)架橋剤、(IV)溶媒、(V)接着促進剤、(VI)着色剤
    、(VII)反応性希釈剤、(VIII)腐食防止剤、(IX)重合阻害剤、(XI)充
    填剤処理剤、(XII)酸受容体、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の成
    分をさらに含む、請求項33又は請求項34に記載の組成物。
  36. 請求項23〜35のいずれか1項に記載の組成物のエレクトロニクス用途における使用
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