JP2014201960A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸組構造を有しながら、壁式構造的な意匠を実現することができる建物を提供すること。
【解決手段】箱状の建物本体3を形成する軸組架構を備え、軸組架構の第1の外周構面から外側に持ち出された持ち出し部8を備え、第1の外周構面の外側を覆う外側帳壁6と、持ち出し部8の外側の側面を覆う外側持ち出し帳壁24とを同一直線上に連続させる。また、第1の外周構面の内側を覆う内側帳壁7と、持ち出し部8の内側の側面を覆う内側持ち出し帳壁25とを同一直線上に連続させる。これにより、内側持ち出し帳壁25を、軸組架構の内部まで入り込んだ内側帳壁に対して連続させることができるので、壁スラブとして認識される領域を広げて、壁式構造の建物1のような意匠を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨造あるいは木造の軸組架構を有する建物に関する。
従来から、建物の構造形式の代表的なものとして、柱梁等の棒状の強度部材を組み合わせて建物を構成する軸組構造と、壁スラブや床スラブで建物を構成する壁式構造とがある。壁式構造の建物は、壁スラブや床スラブを外側へ突出させることで軽快で鋭いデザインを実現することができる。特許文献1に記載のユニット式建物は、建物ユニットの柱に接合された袖壁パネルを備える構成とされている。
特開2008−144391号公報
壁式構造を適用しうる構造種別としては、PCパネルを採用したRC造の構造などであり、鉄骨造による壁式構造を実現することは困難であった。そこで、鉄骨造の軸組構造の建物を得意とする住宅メーカーにおいては、顧客に対して壁式構造の建物に似ている外観デザインを有する住宅を提案したいという要望があった。
しかし、特許文献1の従来技術のように、直方体形状の建物ユニットに対して単に袖壁を付加しただけでは、壁式構造的な意匠を実現することはできなかった。
本発明は、軸組構造を有しながら、あたかも壁式構造的な意匠、すなわち壁スラブで構成されているかのような意匠を実現することができる建物を提供することを目的とする。
本発明の建物は、箱状の建物本体の外周に沿って交差する第1及び第2の外周構面を有する鉄骨造あるいは木造の軸組架構を備えた建物において、軸組架構の第1の外周構面の外側を覆う外側帳壁と、第1の外周構面の内側を覆う内側帳壁と、第1及び第2の外周構面が交差する角部から外側へ持ち出された持ち出し部と、を備え、持ち出し部は、持ち出し部の構面を有する持ち出し架構と、持ち出し架構の持ち出し方向の先端面及び先端面と交差する両側面を覆う持ち出し帳壁とを有し、持ち出し帳壁のうち持ち出し架構の一方の側面を覆う外側持ち出し帳壁は、第1の外周構面の外側を覆う外側帳壁に対して同一直線上に連続し、持ち出し帳壁のうち持ち出し架構の他方の側面を覆う内側持ち出し帳壁は、第1の外周構面の内側を覆う内側帳壁に対して同一直線上に連続している、ことを特徴としている。
本発明の建物は、箱状の建物本体を形成する軸組架構を備え、軸組架構の第1の外周構面から外側に持ち出された持ち出し部を備え、第1の外周構面の外側を覆う外側帳壁と、持ち出し部の外側の側面を覆う外側持ち出し帳壁とが同一直線上に形成されているので、建物の外側から見た場合に外側帳壁及び外側持ち出し帳壁が連続した外壁として視認され、軸組構造を有する建物であるにもかかわらず、壁式構造の建物のような意匠を実現することができる。
また、第1の外周構面の内側を覆う内側帳壁と、持ち出し部の内側の側面を覆う内側持ち出し帳壁とが同一直線上に形成され、内側持ち出し帳壁は、軸組架構の内部まで入り込んだ内側帳壁と連続する構成とすることができるので、壁スラブとして認識される領域を広げることができ、壁式構造の建物のような意匠を実現することができる。
また、持ち出し部の持ち出し方向に面すると共に第1の外周構面に直交する第2の外周構面である直交外周構面より、建物本体の内側に配置され、第1の外周構面に直交する直交帳壁と、建物本体の内部床の持ち出し方向の先端を支持する梁の外側を覆う短帳壁と、を更に備え、内側帳壁は、直交外周構面より建物本体の内側へ、直交帳壁まで連続し、内部床の先端は、直交外周構面に一致しており、短帳壁の高さ寸法は、持ち出し部の先端面の幅寸法と略等しい構成としてもよい。
この構成の建物は、持ち出し部の先端より建物本体の内側に配置された内部床を形成し、第1の外周構面に直交する直交外周構面より内側に直交帳壁が配置され、内部床の先端を支持する梁の外面を覆う短帳壁が、直交外周構面に沿って配置されているので、建物の外部から見た場合に、持ち出し部の先端よりも後退した位置に、内部床の先端を示す短帳壁が配置され、この短帳壁よりも後退した位置に居室の外側を示す直交帳壁が配置される。これにより、持ち出し部による壁スラブとしての印象と、この壁スラブから後退した位置に形成された内部床による床スラブとしての印象とが強調されるので、壁式構造の建物のような意匠をより一層強調することができる。建物の外部から見た場合に、壁スラブとこの壁スラブに支持された床スラブとによって構成された壁式構造の建物のような印象を、より強調して与えることができる。
また、建物本体の上部側で、水平方向に延在すると共に持ち出し方向に張り出した張り出し部を更に備え、持ち出し帳壁の上端は、張り出し部よりも外側へ持ち出されている構成でもよい。
この構成の建物は、持ち出し帳壁の上端が、例えば庇など水平方向に延在する張り出し部よりも外側に持ち出された形状となり、張り出し部と非連続な形状を有する持ち出し部を強調することができる。持ち出し部の先端よりも後退した位置に、持張り出し部の先端を設けることで、持ち出し部の上端における壁スラブとしての印象を強調し、壁式構造の建物のような意匠を実現する。
また、持ち出し部は、第1の外周構面の延在する方向の両端から互いに反対方向に持ち出されている構成でもよい。
第1の外周構面の両側に持ち出し部を設けることができるので、建物本体から両側に突出した壁スラブとしての印象をより強調して、壁式構造の建物のような意匠を実現することができる。複数の方向から建物を見た場合に、建物全体として壁式構造のような意匠がより強調される。
本発明によれば、軸組構造の架構を有しながら、壁式構造の建物のように軽快で鋭い意匠を実現できる建物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る建物の外観を示す斜視図である。 図1に示す建物の1階部分の配置を示す水平断面図である。 図1に示す建物の2階部分の配置を示す水平断面図である。 図1に示す建物の3階部分の配置を示す水平断面図である。 外周構面及び持ち出し部の水平断面図である。 ロッジアの先端に設けられた短帳壁を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る建物の外観を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る建物の外観を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る建物の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、建物1は、3階建ての工業化住宅であり、各階の外周壁2の内側に、室内空間が設けられている。外周壁2は、壁の厚さ方向から見て、略矩形状に形成され、例えば、板状のALC(軽量気泡コンクリート)等の防火性能を有する部材によって構成されている。建物1は、外周壁2を有する箱状の建物本体3を備え、この建物本体3は鉄骨造の軸組架構4を有する。
また、建物1は、図2〜図4に示すように、軸組架構4の所定の外周構面5(第1の外周構面)の外側を覆う外側帳壁6と、所定の外周構面5の内側を覆う内側帳壁7と、所定の外周構面5の延在方向の端部から外方へ持ち出された持ち出し部8とを備え、持ち出し部8は、図5に示すように、軸組架構4から持ち出された持ち出し架構9と、持ち出し架構9の両側面及び先端面を覆う持ち出し帳壁10とを有する。持ち出し架構9の両側面とは、持ち出し架構9の長手方向と直交すると共に水平方向に向かい合う面である。
建物1では、南に向く面を正面とし、図2〜図4では、図示下側を南側としている。建物本体3は、例えば四角形に対応した敷地に配置され、建物本体3の外周は、四角形の四隅の角部のうち3つの角部がL字状に取り除かれた入隅部として形成されている。建物本体3では、南西角、南東角、及び北東角に入隅部が設けられている。
(軸組架構)
建物本体3の軸組架構4は、柱梁等の棒状の強度部材が組み合わされて構成されている。軸組架構4の柱11は、例えば中空の矩形断面を有する鉄骨部材であり、上下方向に延在し、柱11の下端は基礎から上方へ突出するアンカーボルトなどに固定されていてもよく、基礎に固定された梁12に連結されていてもよい。柱11は、水平方向に所定の間隔離れて複数配置されている。
軸組架構4の梁12は、例えばH型鋼など鉄骨部材であり、水平方向に延在し、上下方向に所定の間隔で配置され、長手方向の両端に配置された柱11同士を連結している。柱11には、外方に張出す取付け金具が固着され、この取付け金具を梁12とボルト結合することで、柱11及び梁12を連結する。梁12の一部は、建物本体3の外周に沿って延在している。
(外周構面)
軸組架構4は、建物本体3の外周に沿う所定の外周構面5、及び所定の外周構面5に対して直交する外周構面である直交外周構面(第2の外周構面)13を有している。所定の外周構面5及び直交外周構面13が直交する建物本体3の角部には、柱11が配置されている。所定の外周構面5及び直交外周構面13に沿うように、梁12が配置されている。
(外側帳壁)
外側帳壁6は、建物本体3の外周壁2を構成するいわゆるカーテンウォールであり、上述したように、ALC等の防火性能を有する部材によって構成され、建物1の外部に対して露出されている。外側帳壁6は、取付け金具を介して柱11及び梁12に固定されている。
(内側帳壁)
建物本体3は、軸組架構4の外周構面5の内側を覆う内側帳壁7を備えている。内側帳壁7は、平面視において建物本体3の内部側に配置されていると共に、建物1の外部に対して区切られていない空間に露出しており、建物1の外部から視認可能である。建物1では、1階部分にピロティ14、2階及び3階部分にロッジア15が設けられ、これらのピロティ14及びロッジア15に隣接する外周構面5の内側を覆うように内側帳壁7が設けられている。内側帳壁7は、外側帳壁6と同一の材質であり、ALC等の防火性能を有する部材によって構成されている。内側帳壁7は、取付け金具を介して柱11及び梁12に固定されている。なお、内側帳壁7の材質は、外側帳壁6と異なるものでもよい。
(ピロティ)
ピロティ14は、東側の外周構面5の内側に隣接すると共に、南北方向に延在し、建物本体3の外部に対して開放されている。例えば、外部から敷地内に進入した車両は、ピロティ14を通過して、反対側から敷地外の道路へ出ることが可能である。また、ピロティ14に隣り合う持ち出し部8は、外周構面5の延在する方向の両端から互いに反対方向に持ち出されている。持ち出し部8は、1階部分において、ピロティ14の外側でピロティ14に沿って延在している。
(ロッジア)
ロッジア15は、建物本体3の2階及び3階部分に設けられた洋室16から持ち出し方向に沿って持ち出され、建物本体3の外部に対して露出されている。ロッジア15は、外周構面5の建物本体3の内側に隣接している。また、外周構面5の延在する方向に沿って持ち出された持ち出し部8は、ロッジア15の先端より外方へ張り出している。
図5は、外周構面5及び持ち出し部8の水平断面図である。軸組架構4は、ロッジア15と洋室16との間で、外周構面5と直交する内側構面17を備えている。また、内側構面17は、所定の外周構面5と直交する直交外周構面13より持ち出し方向の基端側に配置されている。
内側構面17には、洋室16とロッジア15と間で人が通行できる開口部16aが設けられている。建物本体3は、内側構面17の外側を覆う直交帳壁18を備え、直交帳壁18は持ち出し方向に露出する面を成している。直交帳壁18は、開口部16aが設けられていない内側構面17の部分を覆い、洋室16の外側の壁面を構成している。直交帳壁18は、持ち出し方向において、直交外周構面13に対して後退した位置に配置されている。直交帳壁18は、例えば、ALCによって構成され、柱11及び梁12に固定されている。
図6に示すように、ロッジア15の床19の先端19aは、直交外周構面13に沿って延在する梁12によって支持されている。床19の先端19aに沿って延在する先端ラインは、直交外周構面13に一致している。ロッジア15の床19の先端19aを支持する梁12の外側は、短帳壁20によって覆われている。短帳壁20は、ALCによって構成され、取付け金具21を介して、梁12の上フランジ12a及び下フランジ12bにそれぞれ固定されている。短帳壁20の高さ寸法H20は、持ち出し部8の幅寸法Wと略同じであることが好ましい。短帳壁20の高さは、例えば、梁12の高さに対応している。梁12の高さとは、梁12の長手方向と交差する上下方向に沿う長さである。短帳壁20の高さ寸法H20は、例えば、梁12の高さ寸法より大きくてもよい。
ロッジア15は、南向きに張り出すものでもよく、東向きに張り出すものでもよく、張り出す向きは、限定されない。また、建物本体3は、一つの洋室16から異なる向きに張り出す複数のロッジア15を備えている。ロッジア15は、2階及び3階部分において、同じ位置に配置されていてもよく、異なる位置に配置されていてもよい。また、建物本体3は、ロッジア15に隣接するキャンディベランダ22を備えていてもよい。
(持ち出し部)
持ち出し部8は、いわゆる袖壁であり、図5に示すように、所定の外周構面5の延在方向の端部から建物本体3の外方に向けて持ち出されている。具体的には、所定の外周構面5と直交外周構面13とが交差する建物本体3の角部から、外周構面5の延在方向に沿って持ち出されている。持ち出し部8は、所定の外周構面5の一方の端部から持ち出されていてもよく、所定の外周構面5の両方の端部から互いに反対方向に持ち出されていてもよい。
持ち出し部8は、持ち出し部8の構面である持ち出し構面23を有する持ち出し架構9と、持ち出し架構9の持ち出し方向の先端面及び先端面に対して交差する両側面を覆う持ち出し帳壁10とを有する。
持ち出し部8は、建物本体3の角部から南向きに持ち出されていてもよく、東向きに持ち出されていてもよく、その他の向きに持ち出されていてもよい。
(持ち出し架構)
持ち出し部8の持ち出し架構9は、梁等の棒状の強度部材が組み合わされて構成され、建物本体3の軸組架構4から持ち出された片持ちの梁を有する。なお、持ち出し架構9は、強度部材として柱を備える構成でもよい。
(持ち出し構面)
持ち出し架構9は、持ち出し方向に沿う持ち出し構面23を有し、この持ち出し構面23は、外周構面5に対して同一直線上に連続している。持ち出し構面23は、所定の外周構面5に対して同一直線上に連続している。
(持ち出し帳壁)
持ち出し帳壁10は、持ち出し構面23の外側を覆う外側持ち出し帳壁24、持ち出し構面23の内側を覆う内側持ち出し帳壁25、及び持ち出し構面23の持ち出し方向の先端側を覆う先端持ち出し帳壁26を有する。
外側持ち出し帳壁24及び内側持ち出し帳壁25は、板状のALCによって構成されている。外側持ち出し帳壁24及び内側持ち出し帳壁25は、取付け金具を介して持ち出し架構9に固定されている。先端持ち出し帳壁26は、壁面が直交するようにL字状に形成されたALCを上下方向に配置し、このL字状のALCを持ち出し架構9の先端部を挟んで対向させることで構成されている。
持ち出し部8の外側持ち出し帳壁24は、外側帳壁6に対して同一直線上に連続している。外側持ち出し帳壁24の外表面及び外側帳壁6の外表面は、一直線状に連続している。持ち出し部8の内側持ち出し帳壁25は、内側帳壁7に対して同一直線上に連続している。内側持ち出し帳壁25の外表面及び内側帳壁7の外表面は、一直線状に連続している。内側持ち出し帳壁25の外表面は、外側持ち出し帳壁24の外表面に対して反対に向く面であり、内側帳壁7の外表面は、外側帳壁6の外表面に対して反対に向く面である。
内側帳壁7は、直交外周構面13より持ち出し方向の基端側である建物本体3の内側へ、直交帳壁18まで連続している。
(庇)
また、建物1は、建物本体3の上部側で水平方向に延在すると共に、持ち出し方向に張り出した張り出し部として庇27を備えている。庇27は、ロッジア15の上方にそれぞれ配置され、持ち出し部8は、上方に配置された庇27より外方に持ち出され、持ち出し部8の先端は、地面から上端まで上下方向に一直線状に連続し、短帳壁20及び庇27など水平方向に延在する部材によって遮られていない。
このような本実施形態の建物1では、軸組架構4の所定の外周構面5から外方に持ち出された持ち出し部8を備え、外周構面5の外側を覆う外側帳壁6と、持ち出し部8の外側の側面を覆う外側持ち出し帳壁24とが、一直線状に連続しているので、建物1の外側から見た場合に外側帳壁6及び外側持ち出し帳壁24が連続した外壁として視認され、軸組架構4を有する建物1であるにもかかわらず、壁式構造の建物1のような意匠を実現することができる。
また、建物1では、所定の外周構面5の内側を覆う内側帳壁7と、持ち出し部8の内側の側面を覆う内側持ち出し帳壁25とが一直線状に連続し、内側持ち出し帳壁25は、軸組架構4の内部である建物本体3の内部まで入り込んだ内側帳壁7と連続するので、壁スラブとして認識される領域を広げることができ、壁式構造の建物のような意匠を実現することができる。
建物1では、持ち出し部8の先端より持ち出し方向の基端側に配置されたロッジア15を形成し、ロッジア15の先端に配置された短帳壁20の奥に、直交帳壁18が配置されているので、持ち出し部8による壁スラブとしての印象と、この壁スラブから後退した位置に形成されたロッジア15の床19の先端19aを覆う短帳壁20による床スラブとしての印象とが強調されるので、壁式構造の建物1のような意匠をより一層強調することができる。建物1の外部から見た場合に、壁スラブとこの壁スラブに支持された床スラブとによって構成された壁式構造の建物1のような印象を、より強調して与えることができる。
建物1は、持ち出し帳壁10の上端が、例えば庇27よりも持ち出し方向の先端側に持ち出された形状であり、庇27と非連続な形状を有する持ち出し部8の壁スラブとしての印象を強調することができる。持ち出し部8の先端よりも後退した位置に、庇27の先端を設けることで、持ち出し部8の上端における壁スラブとしての印象を強調し、壁式構造の建物のような意匠を実現する。
次に、第2実施形態に係る建物31について説明する。上記の実施形態と同一の構成については説明を省略する。図7は、本発明の第2実施形態に係る建物31の外観を示す斜視図である。図7に示す建物31は、所定の外周構面5から持ち出された持ち出し部8を備え、この持ち出し部8は、建物31の正面側へ持ち出されている。建物31の1階部分には、正面側に開放されたガレージ32が設けられている。ガレージ32において、持ち出し部8の内側持ち出し帳壁25は、ガレージ32に隣接する内側帳壁7に対して同一直線上に連続している。
建物31の2階及び3階部分には、正面側に張出すロッジア15がそれぞれ設けられている。2階部分のロッジア15の先端部に設けられた短帳壁20は、3階部分のロッジア15の先端部に設けられた短帳壁20よりも、正面側へ持ち出されている。短帳壁20の高さ寸法は、持ち出し部8の先端面の幅寸法と略等しくなっている。
建物31の2階及び3階部分において、持ち出し部8の内側持ち出し帳壁25は、ロッジア15に隣接する内側帳壁7に対して同一直線上に連続している。内側帳壁7は、2階部分より3階部分の方が、建物本体3の内部側まで連続している。また、持ち出し部8は、建物31の上部側において、ロッジア15の上方に配置された庇27よりも正面側へ持ち出されている。
このような建物31においても、持ち出し部8が、正面側に持ち出され、内側持ち出し帳壁25と、所定の外周構面5の内側を覆う内側帳壁7とが同一直線上に連続しているので、軸組架構4の内部まで入り込んだ壁スラブとして認識される領域を広げることができ、軸組架構4を備えた建物1でありながら、壁式構造の建物31であるかのような印象を与えることができる。
次に、第3実施形態に係る建物41について説明する。上記の実施形態と同一の説明は省略する。図8は、本発明の第3実施形態に係る建物41の外観を示す斜視図である。図8に示す建物41は、所定の外周構面の端部から持ち出された持ち出し部8を備え、この持ち出し部8は、建物41の正面側へ持ち出されている。このような第3実施形態の建物41では、第2実施形態の建物31と同様に、ガレージ32、ロッジア15、及び庇27が設けられている。また、持ち出し部8の内側持ち出し帳壁51と、軸組架構4の所定の外周構面5の内側を覆う内側帳壁7とが持ち出し方向において一直線状に連続しているので、上記実施形態と同様の作用、効果を奏する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、鉄骨造の軸組架構4を備える建物1としているが、木造の強度部材が組み合わされた軸組架構を備える建物でもよい。
また、上記実施形態では、外周構面5,13が直交する角部から、持ち出し部8が持ち出されているが、例えば、45度の角度で外周構面が交差する角部から持ち出し部8が持ち出されていてもよい。
また、上記実施形態では、例えば、ロッジア15と洋室16との間に、直交帳壁18が設けられているが、直交帳壁18を備えていない構成でもよい。直交帳壁18がなく、さらに建物本体3の内部まで内側帳壁7が連続している構成でもよい。ロッジア15は、洋室16から張り出すものに限定されず、居間、和室、廊下、浴室などから張り出すものでもよい。
また、上記実施形態では、ロッジア15の上方に庇27を備える構成としているが、庇に代えて、建物本体3から持ち出し方向の先端側へ、離間すると共に水平方向に延在するフレーム部材を備え、このフレーム部材より持ち出し方向の先端側へ持ち出された持ち出し部を備える構成でもよい。庇27の一部に開口が設けられていてもよい。また、建物1は、庇27及びフレーム部材がロッジア15の上方に配置されていない構成でもよい。
また、正面視において、建物1の幅方向に両端に配置された持ち出し部8の持ち出し方向における長さは、同一でもよく、異なっていてもよい。一方の持ち出し部8が他方の持ち出し部8よりも、持ち出し方向において長いものでもよい。
また、持ち出し部8の側方から、建物を視認した場合に、持ち出し部8によって、視認できない位置に、建物本体3の窓部が設けられていると、持ち出し部8によって、屋内が見え難くなるので好ましい。また、中層階において建物1を貫通する内側帳壁7が設けられた建物でもよい。
また、上記の実施形態では、建物1の正面を南側としているが、建物1の向きは、何れの方向に向けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、建物1を住宅として説明しているが、建物は住宅に限定されず、事務所、店舗、工場、病院、公共施設など、その他の建物でもよい。
1,31,41…建物
3…建物本体
4…軸組架構
5…所定の外周構面(第1の外周構面)
6…外側帳壁
7…内側帳壁
8…持ち出し部
9…持ち出し架構
10…持ち出し帳壁
13…直交外周構面(第2の外周構面)
18…直交帳壁
19…床(内部床)
20…短帳壁
23…持ち出し構面
24…外側持ち出し帳壁
25…内側持ち出し帳壁
26…先端持ち出し帳壁
27…庇(張り出し部)

Claims (4)

  1. 箱状の建物本体の外周に沿って交差する第1及び第2の外周構面を有する鉄骨造あるいは木造の軸組架構を備えた建物において、
    前記軸組架構の前記第1の外周構面の外側を覆う外側帳壁と、
    前記第1の外周構面の内側を覆う内側帳壁と、
    前記第1及び第2の外周構面が交差する角部から外側へ持ち出された持ち出し部と、を備え、
    前記持ち出し部は、前記持ち出し部の構面を有する持ち出し架構と、
    前記持ち出し架構の持ち出し方向の先端面及び前記先端面と交差する両側面を覆う持ち出し帳壁とを有し、
    前記持ち出し帳壁のうち前記持ち出し架構の一方の側面を覆う外側持ち出し帳壁は、前記第1の外周構面の外側を覆う前記外側帳壁に対して同一直線上に連続し、
    前記持ち出し帳壁のうち前記持ち出し架構の他方の側面を覆う内側持ち出し帳壁は、前記第1の前記外周構面の内側を覆う前記内側帳壁に対して同一直線上に連続している、ことを特徴とする建物。
  2. 前記持ち出し部の持ち出し方向に面すると共に前記第1の外周構面に直交する前記第2の外周構面である直交外周構面より、前記建物本体の内側に配置され、前記第1の外周構面に直交する直交帳壁と、
    前記建物本体の内部床の前記持ち出し方向の先端を支持する梁の外側を覆う短帳壁と、を更に備え、
    前記内側帳壁は、前記直交外周構面より前記建物本体の内側へ、前記直交帳壁まで連続し、
    前記内部床の前記先端は、前記直交外周構面に一致しており、
    前記短帳壁の高さ寸法は、前記持ち出し部の先端面の幅寸法と略等しいことを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 前記建物本体の上部側で、水平方向に延在すると共に前記持ち出し方向に張り出した張り出し部を更に備え、
    前記持ち出し帳壁の上端は、前記張り出し部よりも外側へ持ち出されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記持ち出し部は、前記第1の外周構面の延在する方向の両端から互いに反対方向に持ち出されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の建物。
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