JP2015206161A - 建物ユニットおよびユニット式建物、建物ユニットの製造方法 - Google Patents

建物ユニットおよびユニット式建物、建物ユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユニット式建物を構築するに当たって容易に柱を省略することが可能な建物ユニットおよびユニット式建物、建物ユニットの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】建物ユニット30が、長辺と短辺と斜辺とを有する平面視直角三角形状に形成されたメインフレーム30aを備え、メインフレーム30aが、隅部にそれぞれ配置される三本の柱31と、三本の柱31の上端部を連結する複数の天井梁32a,32b,32cと、三本の柱31の下端部を連結する複数の床梁35a,35bと、を有する。そして、複数の天井梁32a,32b,32cはメインフレーム30aの長辺と短辺と斜辺に位置し、複数の床梁35a,35bはメインフレーム30aの長辺と短辺に位置する。【選択図】図1

Description

本発明は、略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニットと組み合わされてユニット式建物を構成する建物ユニットと、この建物ユニットを含んで構成されるユニット式建物と、建物ユニットの製造方法に関する。
従来、住宅等の建物の下階コーナー部に、玄関やガレージ、テラス等として利用されるピロティ等の開放空間が設けられる場合があった。建物に当該ピロティ等の開放空間を設ける方法として、例えば、箱形の建物ユニットのフレーム内をピロティ等の開放空間とする方式が採用されている(特許文献1参照)。
すなわち、箱形の建物本体の下階コーナー部に凹み状の開放空間を形成しようとする場合に、その部分の建物ユニットを省略してしまうと、直上に位置するバルコニーや部屋、屋根等の直上部を支持できず、建物全体の強度に影響する。ところが、上述のように建物ユニットのフレーム内をピロティ等の開放空間として利用すれば、通常の箱形に並んだユニット構成を崩さずに済み、建物全体の強度にはほとんど影響を与えないという利点がある。
また、略直方体状の建物ユニットを四つ、各建物ユニットそれぞれに定めた一箇所の柱省略コーナー部同士を突き合せて配置し、四つの建物ユニット間に亘る柱無しの大空間を形成するとともに、隣り合う建物ユニット間に補強梁を設けて建物全体を補強するユニット式建物が知られている(特許文献2参照)。
特開平08−128110号公報 特開2002−054236号公報
ところで、建物ユニット内をピロティ等の開放空間として利用した場合には、建物ユニットを構成する柱が見えてしまい、開放感や景観性を考慮すると、当該柱を省略したいという要望があった。
そこで、特許文献2に記載のような柱省略コーナー部を備えた建物ユニットを利用することが考えられる。ところが、ユニット式建物の外周に沿って補強梁を取り付けることは容易ではないし、柱を省略してしまうと、直上に位置する部屋やバルコニー等の直上部を支持することが困難になってしまうという問題があった。
また、特許文献2に記載のように、ユニット式建物の内部に柱無しの大空間を形成するに当たっては、各建物ユニットをそれぞれの柱省略コーナー部同士を突き合せた後、現場で、各建物ユニットと補強梁とを連結しなければならない。さらに補強梁は、建物ユニットを構成するその他の梁材とは異なる特殊な形状となっている。そのため、補強梁を製造するための手間やコストがかかったり、現場で補強梁の施工を行う手間がかかったりする場合がある。
以上の点を鑑みると、建物ユニットの一本の柱を省略し、ユニット式建物の外観を変化させたり、ユニット式建物の内部空間を拡張させたりしたいという要望があるものの、柱を省略した建物ユニットを採用するためには、補強梁もセットで採用しなければならない。しかしながら、補強梁もセットで採用するとなると、コストや施工手間の面で、柱を省略した建物ユニットを容易には採用しにくかった。
本発明の課題は、ユニット式建物を構築するに当たって容易に柱を省略することが可能な建物ユニットおよびユニット式建物、建物ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニット20と組み合わされてユニット式建物1を構成する建物ユニット30であって、
長辺と短辺と斜辺とを有する平面視直角三角形状に形成されたメインフレーム30aを備えており、
前記メインフレーム30aは、
隅部にそれぞれ配置される三本の柱31と、
前記三本の柱31の上端部を連結する複数の天井梁32a,32b,32cと、
前記三本の柱31の下端部を連結する複数の床梁35a,35bと、を有し、
前記複数の天井梁32a,32b,32cは当該メインフレーム30aの長辺と短辺と斜辺に位置し、前記複数の床梁35a,35bは当該メインフレーム30aの長辺と短辺に位置することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、メインフレーム30aを構成する複数の天井梁32a,32b,32cは当該メインフレーム30aの長辺と短辺と斜辺に位置し、複数の床梁35a,35bは当該メインフレーム30aの長辺と短辺に位置するので、建物ユニット30を、斜辺の天井梁32cを含むラーメン構造と、長辺および短辺のラーメン構造とを融合させたような構成とすることができる。さらに、メインフレーム30aは平面視直角三角形状に形成されており、複数の天井梁32a,32b,32c自体はトラス状に組むことができるので、建物ユニット30を、さらにトラス構造を融合させたような構成とすることができる。
これによって、建物ユニット30自体の構造的な強度を向上させることができるので、ユニット式建物を構築するに当たって、例えば従来のような補強梁を用いずとも、容易に柱を省略することができる。
換言すれば、建物ユニット30は、それ自体で構造体として成立することになるので、ユニット式建物の中の様々な箇所に適用させることができる。これによって、例えばユニット式建物の外観を変化させたり、補強梁を用いずとも建物内部に大空間を形成できたりする等、略直方体状に形成された通常の建物ユニットでは実現しにくい構成のユニット式建物を構築することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の建物ユニット30において、
前記メインフレーム30aの上端部に、平面視L字状に形成されたサブフレーム30bが固定されており、
前記サブフレーム30bは、
前記メインフレーム30aの前記長辺の天井梁32aと略等しい長さに設定されるとともに当該長辺の天井梁32aと平行する長辺の補助天井梁33と、
前記メインフレーム30aの前記短辺の天井梁32bと略等しい長さに設定されるとともに当該短辺の天井梁32bと平行する短辺の補助天井梁34と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、メインフレーム30aの上端部に、平面視L字状に形成されたサブフレーム30bが固定されることによって、複数の天井梁32a,32b,32cを、斜辺の天井梁32cを含んだ矩形枠状に組むことができる。
これによって、建物ユニット30の直上に、通常の建物ユニット20や屋根等の直上部をオーバーハングさせて設置することができ、その際に、当該直上部を複数の天井梁32a,32b,32cの上に設置しやすくなるとともに、複数の天井梁32a,32b,32cによって直上部を支持しやすくなる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項1または2に記載の建物ユニット30において、
前記メインフレーム30aの前記斜辺の天井梁32cと略等しい長さに設定されるとともに当該斜辺の天井梁32cと平行する斜辺の補助床梁36が、前記柱31の下端部間に架け渡されて固定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、斜辺の補助床梁36によって柱31の下端部同士を連結することができるので、建物ユニット30自体の構造的な強度をより向上させることができる。また、間隔を空けて配置された柱31の下端部同士を、斜辺の補助床梁36によって連結できるので、建物ユニット30を一つの構造体として取り扱いやすくなる。
請求項4に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物ユニット30において、
前記斜辺の天井梁は、ラチス状に形成された補強梁32dであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、斜辺の天井梁は、ラチス状に形成された補強梁32dであるため、この斜辺の天井梁である補強梁32dによって、当該補強梁32dを含むラーメン構造を補強することができる。
また、補強梁32dを、建物ユニット30の外側ではなく、組み込んだ状態にすることができるので、建物ユニット30を一つの構造体として、より取り扱いやすくなる。
請求項5に記載の発明は、例えば図2,図4〜図10に示すように、建物本体2を備え、当該建物本体2が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニット30を含んで構成されるユニット式建物1であって、
前記建物本体2には、四つの前記建物ユニット30が、互いに前記メインフレーム30aの前記斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視矩形状となるように並設配置されて含まれており、
当該四つの建物ユニット30の内側に形成される空間S1は、中央に柱が無い大空間とされていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、四つの建物ユニット30が、互いにメインフレーム30aの斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視矩形状となるように並設配置されているので、四つの建物ユニット30の四本の斜辺の天井梁32cが菱形を成すように配置されることになる。そして、四つの建物ユニット30の内側に形成される空間S1は、中央に柱が無い大空間とされているので、ユニット式建物1に、例えば従来のような補強梁を用いずとも、中央に柱が無い大空間を形成することができる。これによって、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図2,図4〜図10に示すように、建物本体2を備え、当該建物本体2が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニット30を含んで構成されるユニット式建物1であって、
前記建物本体2には、三つの前記建物ユニット30が、互いに前記メインフレーム30aの前記斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視において略L字型(例えばL字型仮想空間L)を象るようにして並設配置されて含まれており、
当該三つの建物ユニット30の内側に形成される空間S2は、前記略L字型の入隅部(例えば入隅部La)に柱が無い平面視略L字状の大空間とされていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、三つの前記建物ユニット30が、互いにメインフレーム30aの斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視において略L字型を象るようにして並設配置されているので、三つの建物ユニット30の三本の斜辺の天井梁32cが、略L字型の入隅部を向くように配置されることになる。そして、三つの建物ユニット30の内側に形成される空間S2は、入隅部に柱が無い平面視略L字状の大空間とされているので、ユニット式建物1に、例えば従来のような補強梁を用いずとも、平面視略L字状の大空間を形成することができる。これによって、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
請求項7に記載の発明は、例えば図9に示すように、請求項5または6に記載のユニット式建物1において、
前記建物本体2のコーナー部C3に前記斜辺を外側に向けて前記建物ユニット30が配置されており、
当該建物ユニット30は、自身の前記斜辺の天井梁32cに沿うようにして配置される外壁面30cを有し、当該外壁面30cにバルコニー17が設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、建物ユニット30は、自身の斜辺の天井梁32cに沿うようにして配置される外壁面30cを有し、当該外壁面30cにバルコニー17が設けられているので、建物本体2のコーナー部C3に、斜めに配置されるバルコニー17を設置することができる。これによって、ユニット式建物1の外観を変化させることができる。すなわち、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
請求項8に記載の発明は、例えば図10に示すように、請求項5〜7のいずれか一項に記載のユニット式建物1において、
前記建物本体2のコーナー部C4に前記斜辺を外側に向けて前記建物ユニット30が配置されており、
前記建物ユニット30の上に前記通常の建物ユニット20が設置されており、
当該通常の建物ユニット20は、前記建物ユニット30の前記斜辺の天井梁32cに沿うようにして配置される外壁面20aを有し、
当該通常の建物ユニット20には、前記外壁面20aの外側に配置され、かつ下方に支持部が無く、平面視略直角三角形状に形成されたバルコニー18が設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、通常の建物ユニット20には、外壁面20aの外側に配置され、かつ下方に支持部が無く、平面視略直角三角形状に形成されたバルコニー18が設けられているので、建物本体2のコーナー部C4に、下方に支持部の無い平面視略直角三角形状のバルコニー18を設置することができる。これによって、ユニット式建物1の外観を変化させることができる。すなわち、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20だけでは実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
請求項9に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニット30の製造方法であって、
製造時用および輸送時用として、
前記三本の柱31と略等しい長さに設定された一本の仮柱38と、
前記メインフレーム30aの長辺および短辺のそれぞれと略等しい長さに設定された複数の仮梁39a,39bと、
前記建物ユニット30のうち、少なくとも前記建物ユニット30を構成する前記三本の柱31と前記複数の天井梁32a,32b,32cと前記複数の床梁35a,35bと、を含むようにして略直方体状に建物ユニット30を形成し、
ユニット式建物1の施工時に、前記仮柱38と前記複数の仮梁39a,39bとを取り外すことを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、製造時用および輸送時用として、一本の仮柱38と、複数の仮梁39a,39bと、少なくとも建物ユニット30を構成する三本の柱31と複数の天井梁32a,32b,32cと複数の床梁35a,35bと、を含むようにして略直方体状に建物ユニット30を形成するので、斜辺の天井梁32cを設ける以外は、通常の建物ユニット20と略変わらない方法によって建物ユニット30を形成することができる。これによって、建物ユニット30を製造する際のコストや手間が増加することを防ぐことができるので、延いては、ユニット式建物1の施工コストや手間が増加することをも防ぐことができる。さらに、建物ユニット30の輸送方法も、通常の建物ユニット20の輸送方法と変わらずに行うことができるので、輸送効率が下がることを防ぐことができる。
ユニット式建物1の施工時には、仮柱38と複数の仮梁39a,39bとを取り外すので、メインフレーム30aを含んだ建物ユニット30として扱うことができる。すなわち、このように製造された建物ユニット30を用いれば、ユニット式建物1を構築するに当たって容易に柱を省略することができるので、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を構築することができる。
本発明によれば、ユニット式建物を構築するに当たって容易に柱を省略することができるので、略直方体状に形成された通常の建物ユニットでは実現しにくい構成のユニット式建物を構築することができる。
建物ユニットを示す斜視図である。 建物ユニットと直上部としての通常の建物ユニットとを示す斜視図である。 建物ユニットの変形例を示す斜視図である。 補助支持部の設置構造を示す側面図である。 ユニット式建物の一階を示す平面図である。 ユニット式建物の二階を示す平面図である。 柱が無い大空間の例を示す斜視図である。 柱が無い大空間の例を示す平面図である。 バルコニーの例を示す平面図である。 バルコニーの例を示す平面図である。 建物ユニットによって建物本体を略菱形状に形成した状態を示す斜視図である。 建物ユニットの製造方法を説明するための斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図5,図6において符号1は、複数階建てのユニット式建物を示す。このユニット式建物1は、複数の建物ユニット20,30を組み合わせてなる建物本体2と、当該建物本体2の上部に設けられる屋根14とを備える。
建物本体2は、複数の建物ユニット20,30を上下・左右・前後に組み合わせて形成されるものである。
建物ユニット30は、主要部が、長辺と短辺と斜辺とを有する平面視直角三角形状に形成されたメインフレーム30aとされており、後述する開放空間を形成するための特殊な形状のものである。建物本体2のその他の部分は、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20によって形成されている(ただし、後述するハンガーユニット20Aが一部に使用される)。
なお、本実施の形態の建物ユニット30は、対称的に構成された二種類のものを用いられている。このように対象構造の建物ユニット30を用いることによって、より多くのバリエーションに富んだユニット式建物1を構築することが可能となる。
まず、ユニット式建物1の間取りについて説明する。
図5は複数階建てのユニット式建物1の一階を示し、図6は二階を示している。また、図示はしないが、ユニット式建物1は三階を有する。
一階の中央南側には、建物ユニット30の柱31をポーチ柱3a,3aとした玄関ポーチ3が配設されている。
玄関ポーチ3の西側には、ユニット式建物1の下階コーナー部C1に相当する部分の柱が取り除かれた状態のピロティ4(すなわち、開放空間)が配設されている。
玄関ポーチ3の東側には、ユニット式建物1の下階コーナー部C2に相当する部分の柱が取り除かれた状態のカーポート出入口5(すなわち、開放空間)が配設されている。当該カーポート出入口5の北側にはカーポート6が配設されている。
なお、柱が取り除かれた状態の開放空間であるピロティ4およびカーポート出入口5は、柱等が取り除かれた状態の建物ユニット30によって構成されている。すなわち、平面視略直角三角形状に形成されたメインフレーム30aを備える建物ユニット30の上に、通常の建物ユニット20等の直上部が設置されている。
また、玄関ポーチ3と、ピロティ4と、カーポート出入口5は、建物正面における一続きのピロティ状空間として認識される。
玄関ポーチ3およびピロティ4の北側であって、かつカーポート6の西側には、ユニット式建物1の屋内空間がある。当該屋内空間における玄関ポーチ3の北側には玄関土間および玄関ホールを含む玄関7が配設されている。また、当該玄関7には、一階と二階とを行き来するための階段7aが設けられている。
玄関7の北側から西側にかけて、平面視略L字状に形成されたコミュニティポーチ8が配設されている。コミュニティポーチ8の周囲の外壁には窓が複数設けられており、当該窓を開放することによって、コミュニティポーチ8を屋外に開けた開放的な空間として人に認識させることができる。
階段7aを上がった先には、二階の中央に位置するホール9が配設されている。ホール9の南側には、浴室・洗面所・トイレを有するサニタリー10が配設されている。また、当該サニタリー10の南側には、バルコニー10aが配設されている。
ホール9の北側にはキッチン11が配設されている。また、当該キッチン11、ホール9、サニタリー10、バルコニー10aの西側には、リビングルームとダイニングルームの機能を一室に併存させた部屋12が配設されている。また、当該部屋12の西側にはバルコニー12aが配設されている。
ホール9、サニタリー10、バルコニー10a、キッチン11の東側には主寝室13が配設されている。また、当該主寝室13の東側にはバルコニー13aが配設されており、当該主寝室13の北側部分は、小上がりの畳スペース13bとされている。
バルコニー12aの北側および南側には部屋12のための収納部12b,12bが設けられる。これらバルコニー12aおよび収納部12b,12bは建物本体2の一階の西側端部よりも外側に張り出しており、オーバーハングした状態となっている。
バルコニー13aの北側および南側には主寝室13のための収納部13c,13cが設けられる。これらバルコニー13aおよび収納部13c,13cは建物本体2の一階の東側端部よりも外側に張り出しており、オーバーハングした状態となっている。
これらオーバーハング部分を構成する建物ユニットとしては、前記建物ユニット20よりもサイズが小さく設定され、かつ隣接する建物ユニット20に連結されるハンガーユニット20Aが用いられている。
なお、本実施の形態においては、ピロティ4の直上には、前記部屋12の南側端部がある。すなわち、部屋12の南側端部を構成する建物ユニット20は、ピロティ4を構成する建物ユニット30の直上部として設けられている。
また、カーポート出入口5の直上には、前記主寝室13の南側端部がある。すなわち、主寝室13の南側端部を構成する建物ユニット20は、カーポート出入口5を構成する建物ユニット30の直上部として設けられている。
本実施の形態においては直上部として、建物ユニット20(その内部に設けられる部屋12,13)を例に挙げたが、これに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えばバルコニーを形成するためのバルコニーユニットや屋根等を直上部としてもよい。
このようなユニット式建物1は、建物ユニット30を含んで構成されるので、当該ユニット式建物1を構築するに当たって、例えば従来のような補強梁を用いずとも、容易に柱を省略することができる。
換言すれば、建物ユニット30は、それ自体で構造体として成立しているので、ユニット式建物1の中の様々な箇所に適用させることができる。これによって、例えばユニット式建物1の外観を変化させたり、補強梁を用いずとも建物内部に大空間を形成できたりする等、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を構築することができる。
また、建物ユニット30の上に、通常の建物ユニット20が設置されているので、当該通常の建物ユニット20を、建物ユニット30に対してオーバーハングするように設置でき、通常の建物ユニット20の下方に、柱が無い状態の開放空間を形成することができる。これによって、下階コーナー部C1,C2における開放感や景観性を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態のユニット式建物1は、複数階建てであるとしたが、これに限られるものではなく、平屋のユニット式建物であってもよい。その場合、下階コーナー部C1,C2は、平屋のユニット式建物における1階のコーナー部を指す。また、建物ユニット30の直上部としては、建物ユニット20ではなく、屋根14を構成する屋根ユニットや庇等のようなその他の直上部が設けられる。
なお、上記においては、建物ユニット30の上に、通常の建物ユニット20を設置したユニット式建物1の例を説明したが、これに限られるものではない。例えば複数の建物ユニット30を、上下または前後または左右に隣接して配置して建物本体2に組み込んだユニット式建物1であってもよい。
建物ユニット30を上下に隣接させて配置すれば、平面視において建物本体2の正面(背面)と側面との間に斜めに配置された外壁面を、建物本体2の上下方向に亘って形成することができる。
建物ユニット30を前後または左右に、かつメインフレーム30aの長辺同士または短辺同士が平行するように隣接させて配置すれば、一部または全体が、平面視略二等辺三角形状や平面視略菱形状の建物本体2を形成することができる(図11参照)。
このように複数の建物ユニット30を、上下または前後または左右に隣接して配置すれば、複数の建物ユニット30同士を組み合わせて形成された外観を有するユニット式建物1を容易に構築することができる。
また、ユニット式建物1を構築する際は、複数の通常の建物ユニット20と建物ユニット30とが組み合わされるパターンが多く、その際は、複数の通常の建物ユニット20のいずれかと建物ユニット30とが、上下または前後または左右に隣接配置されて建物本体2に組み込まれる。
上記の例が、通常の建物ユニット20と建物ユニット30とが上下に配置された例であり、直上部となる通常の建物ユニット20をオーバーハングさせることができる。通常の建物ユニット20と建物ユニット30とを上下に配置する例は、通常の建物ユニット20の上に、建物ユニット30を設置するものであってもよい。
また、通常の建物ユニット20と建物ユニット30とを前後または左右に隣接させて配置すれば、平面視において略台形状の建物本体2やその他多角形状の建物本体2を形成することができる。
このように複数の通常の建物ユニット20のいずれかと建物ユニット30を、上下または前後または左右に隣接して配置すれば、通常の建物ユニット20と建物ユニット30とを組み合わせて形成された外観を有するユニット式建物1を構築することができる。
続いて、ユニット式建物1を構成する各建物ユニットについて、図面を参照して詳細に説明する。
〔建物ユニット20〕
建物ユニット20は、図2,図4等に示すように、骨組みとして、四隅に設けられた柱21と、四本の柱21の上端間を連結する長辺天井梁22および短辺天井梁23と、四本の柱21の下端間を連結する長辺床梁24および短辺床梁25とを備える。
すなわち、当該建物ユニット20の骨組みは直方体状に形成され、柱21や各梁22〜25に省略された部分がない状態となっている。上端部および下端部は、各梁22〜25によって矩形枠状に形成されている。
そして、ユニット式建物1を構築する上で、当該建物ユニット20が基本形状の建物ユニット(通常の建物ユニット)として用いられている。本実施の形態のユニット式建物1においては、ピロティ4およびカーポート出入口5、ハンガーユニット20Aの箇所を除いて、当該建物ユニット20が用いられている。
なお、ユニット式建物1に用いられる箇所に応じて、当該建物ユニット20のサイズ(柱21や各梁22〜25の長さ)は適宜変更されるが、説明の便宜上、符号は同一とする。
また、各柱21と各梁22〜25とは、各柱21の端部と各梁22〜25の端部が接合される柱梁接合部材26(ダイヤフラム、仕口とも言う)を介して連結されてもよい(図4参照)。
また、柱21は角筒状に形成されており、各梁22〜25は断面コ字状に形成された所謂溝形鋼である。
以下に説明する建物ユニット30における各柱および各梁自体の形状も、建物ユニット20の柱21および各梁22〜25と同様に形成されている。さらに、建物ユニット30においても柱梁接合部材26と同様の部材が利用されてもよい。
なお、前記ハンガーユニット20Aも、建物ユニット20に比して全体のサイズは小さいものの、建物ユニット20と略同様の形状の部材によって構成されているものとする。
なお、上階に設けられた通常の建物ユニット20の上には、図4に示すように、矩形枠状に形成された小屋パネル15が設置されている。さらに、当該小屋パネル15上に屋根束等の屋根支持部材16が設置されており、屋根14を支持している。
このように通常の建物ユニット20の上に小屋パネル15を設置したうえで屋根14を設ければ、小屋パネル15によって屋根14の荷重を分散できるので好ましい。
〔建物ユニット30〕
建物ユニット30は、図1,図2に示すように、長辺と短辺と斜辺とを有する平面視直角三角形状に形成されたメインフレーム30aを備える。
メインフレーム30aは、隅部にそれぞれ配置される三本の柱31と、三本の柱31の上端部を連結する複数の天井梁32a〜32cと、三本の柱31の下端部を連結する複数の床梁35a,35bと、を有する。
また、複数の天井梁32a〜32cはメインフレーム30aの長辺と短辺と斜辺に位置し、複数の床梁35a,35bはメインフレーム30aの長辺と短辺に位置する。すなわち、メインフレーム30aの上端は、長辺天井梁32aと短辺天井梁32bと斜辺天井梁32cとによって直角三角形状の枠として形成され、下端は、長辺床梁35aと短辺床梁35bによってL字状に形成されている。
さらに、三本の柱31のうち、玄関ポーチ3側の柱31は、上述のように当該玄関ポーチ3のポーチ柱3aとして使用されている。本実施の形態におけるポーチ柱3aには、外観が円柱状に見えるように円筒状のカバーが施されている。
なお、各柱31と各梁32a〜32c,35a,35bは、各柱31の端部と各梁32a〜32c,35a,35bの端部が接合される柱梁接合部材37を介して連結されてもよい(図4,図12参照)。
これによって、建物ユニット30を、斜辺の天井梁32cを含むラーメン構造と、長辺および短辺のラーメン構造とを融合させたような構成とすることができる。
さらに、メインフレーム30aは平面視直角三角形状に形成されており、複数の天井梁32a〜32c自体はトラス状に組むことができるので、建物ユニット30を、さらにトラス構造を融合させたような構成とすることができる。
斜辺天井梁32cとしては、上述のように断面コ字状に形成された所謂溝形鋼(図12参照)が採用されているが、これに限られるものではない。
例えば図3に示すように、斜辺天井梁として、ラチス状に形成された補強梁32dを採用してもよい。すなわち、当該補強梁32dは、上弦材32eと、下弦材32fと、上弦材32eと下弦材32fとの間にジグザグに設けられるラチス材32gと、を備える。
このようなラチス状の補強梁32dは、ラチス材32gをジグザグに設けることでトラス構造となっており、メインフレーム30aにおいて、長辺と短辺よりも長い斜辺部分の剛性を高めることができる。
そして、このように斜辺天井梁が、ラチス状に形成された補強梁32dであれば、この補強梁32dによって、当該補強梁32dを含むラーメン構造を補強することができる。これによって、補強梁32dを、建物ユニット30の外側ではなく、組み込んだ状態にすることができるので、建物ユニット30を一つの構造体として、より取り扱いやすくなる。また、上記のユニット式建物1の例においては、建物ユニット30の直上にオーバーハングして設置される通常の建物ユニット20や屋根等の直上部を、より確実に支持することができる。
また、図示はしないが、断面矩形の角筒状に形成された斜辺天井梁32cを採用してもよい。
メインフレーム30aは、それ単体で建物本体2に組み込んで使用することもできるが、各種補助梁を用いることで、直上部を設置させやすくしたり、建物ユニット30自体の構造的な強度を向上させたりすることができる。
例えば図1に示すように、メインフレーム30aの上端部に、平面視L字状に形成されたサブフレーム30bを固定してもよい。
当該サブフレーム30bは、長辺および短辺の補助天井梁33,34を有するものである。長辺の補助天井梁33は、メインフレーム30aの長辺天井梁32aと略等しい長さに設定されるとともに当該長辺天井梁32aと平行するものである。短辺の補助天井梁34は、メインフレーム30aの短辺天井梁32bと略等しい長さに設定されるとともに当該短辺天井梁32bと平行するものである。
そして、サブフレーム30bは、メインフレーム30aの複数の天井梁32a〜32cと一体的に設けられ、一本の対角線があるような矩形枠状体として形成されている(所謂「枡」を記号化した文字に類似している)。また、このようなサブフレーム30bがメインフレーム30aに固定されることによって、建物ユニット30の上端部と、直上部となる通常の建物ユニット20の下端部とが、同様に矩形枠状であるため合致させやすい。
これによって、建物ユニット30の直上に、通常の建物ユニット20や屋根等の直上部をオーバーハングさせて設置することができ、その際に、当該直上部を、複数の天井梁32a,32b,32cの上に設置しやすくなるとともに、複数の天井梁32a,32b,32cによって直上部を支持しやすくなる。
なお、図示はしないが、本実施の形態においてサブフレーム30bは、長辺の補助天井梁33と、短辺の補助天井梁34とを有するものとしたが、これら補助天井梁33,34を、床梁(補助床梁)に置き換えてもよい。
すなわち、メインフレーム30aの下端部に、平面視L字状に形成されたサブフレーム30bを固定してもよい。サブフレーム30bをメインフレーム30aの下端部に固定すると、当該サブフレーム30bを含む矩形枠状の床梁部分が、通常の建物ユニット20における矩形枠状の床梁部分と略等しい構成となる。
このようにサブフレーム30bをメインフレーム30aの下端部に固定することにより、通常の建物ユニット20の下端部と同様の安定感を発揮することができるので好ましい。したがって、建物ユニット30の安定性についての要望がある際には、サブフレーム30bをメインフレーム30aの下端部に固定する。
また、図1,図2に示すように、メインフレーム30aの斜辺天井梁32cと略等しい長さに設定されるとともに当該斜辺天井梁32cと平行する斜辺の補助床梁36を、柱31,31の下端部間に架け渡して固定してもよい。
すなわち、斜辺天井梁32cと共に門型のラーメン構造を構成する二本の柱31,31の下端部間を、補助床梁36によって連結し、より強固な構造を形成することができる。
このような補助床梁36が設けられた建物ユニット30によれば、建物ユニット30自体の構造的な強度をより向上させることができる。また、間隔を空けて配置された柱31の下端部同士を、斜辺の補助床梁36によって連結できるので、建物ユニット30を一つの構造体として取り扱いやすくなる。また、上記のユニット式建物1の例においては、建物ユニット30の直上にオーバーハングして設置される通常の建物ユニット20等の直上部を、より確実に支持することができる。
なお、建物ユニット30に、上述のような補強梁32dを、斜辺の天井梁として組み込む場合は、必要な構造的強度を確保できるので、補助床梁36は必ずしも取り付ける必要はないものとする。
このような形状の建物ユニット30を四つ使用すれば、図7に示すように、中央に柱が無い大空間を形成することができる。
すなわち、四つの建物ユニット30が、互いにメインフレーム30aの斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視矩形状となるように並設配置されている。そして、当該四つの建物ユニット30の内側に形成される空間S1が、中央に柱が無い大空間とされている。四つの建物ユニット30のいずれの上にも、通常の建物ユニット20等の直上部を設けることができる。
図7に示す例は、建物ユニット30を、外形が平面視矩形状となるように前後・左右に配置したものであり、四つの建物ユニット30の四本の斜辺の天井梁32cが菱形を成すように配置されている。このように四つの建物ユニット30を配置すれば、当該四つの建物ユニット30の内側に形成される空間S1は、必然的に、中央に柱が無い大空間となる。
そして、このように四つの建物ユニット30を配置すれば、ユニット式建物1に、例えば従来のような補強梁を用いずとも、中央に柱が無い大空間を形成することができる。これによって、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
また、このような形状の建物ユニット30を三つ使用すれば、図8に示すように、入隅部に柱が無い大空間を形成することができる。
すなわち、三つの前記建物ユニット30が、互いにメインフレーム30aの斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視において略L字型を象るようにして並設配置されている。三つの建物ユニット30を略L字型に配置する場合は、図示のようにL字型仮想空間Lに沿って配置される。当該L字型仮想空間Lは、建物の設計段階で仮想的に採用された目印情報である。
そして、当該三つの建物ユニット30の内側に形成される空間S2は、略L字型の入隅部Laに柱が無い平面視略L字状の大空間とされている。三つの建物ユニット30のいずれの上にも、通常の建物ユニット20等の直上部を設けることができる。
図8に示す例は、建物ユニット30を、外形が平面視において略L字型を象るように前後・左右に配置したものであり、三つの建物ユニット30の三本の斜辺の天井梁32cが、略L字型の入隅部を向くように配置されている。このように三つの建物ユニット30を配置すれば、当該三つの建物ユニット30の内側に形成される空間S2は、必然的に、入隅部Laに柱が無い大空間となる。
そして、このように三つの建物ユニット30を配置すれば、ユニット式建物1に、例えば従来のような補強梁を用いずとも、平面視略L字状の大空間を形成することができる。これによって、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
また、このような形状の建物ユニット30を使用すれば、図9に示すように、バルコニー17をユニット式建物1に設けることができる。
より詳細に説明すると、コーナー部C3に斜辺を外側に向けて建物ユニット30が配置されており、当該建物ユニット30は、自身の斜辺の天井梁32cに沿うようにして配置される外壁面30cを有する。そして、当該外壁面30cにバルコニー17が設けられている。すなわち、バルコニー17は、平面視において外壁面30cに対して直交する方向(90度)に設けられることになる。
なお、バルコニー17は、図示の例では平面視矩形状に形成されているが、その他の形状でもよい。
このように外壁面30cにバルコニー17を設ければ、ユニット式建物1のコーナー部C3に、斜めに配置されるバルコニー17を設置することができる。これによって、ユニット式建物1の外観を変化させることができる。すなわち、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。
また、このような形状の建物ユニット30を使用すれば、図10に示すように、平面視略直角三角形状に形成されたバルコニー18をユニット式建物1に設けることができる。
より詳細に説明すると、建物ユニット30の上に設置される通常の建物ユニット20として、建物ユニット30の斜辺天井梁32cに沿うようにして配置される外壁面20aを有するものを使用する。
そして、当該通常の建物ユニット20のコーナー部C4に、外壁面20aの外側に配置され、かつ下方に支持部が無く、平面視略直角三角形状に形成されたバルコニー18を設けるようにする。すなわち、建物ユニット30によって、コーナー部C4にバルコニー18が設けられた通常の建物ユニット20を確実に支持することができる。
これによって、ユニット式建物1のコーナー部に、下方に支持部の無い平面視略直角三角形状のバルコニー18を設置することができる。これによって、ユニット式建物1の外観を変化させることができる。すなわち、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20だけでは実現しにくい構成のユニット式建物1を容易に構築することができる。また、バルコニー18の下方に柱が無い状態の開放空間を形成することができる。
以上のような建物ユニット30によれば、メインフレーム30aを構成する複数の天井梁32a,32b,32cは当該メインフレーム30aの長辺と短辺と斜辺に位置し、複数の床梁35a,35bは当該メインフレーム30aの長辺と短辺に位置するので、建物ユニット30を、斜辺の天井梁32cを含むラーメン構造と、長辺および短辺のラーメン構造とを融合させたような構成とすることができる。さらに、メインフレーム30aは平面視直角三角形状に形成されており、複数の天井梁32a,32b,32c自体はトラス状に組むことができるので、建物ユニット30を、さらにトラス構造を融合させたような構成とすることができる。
これによって、建物ユニット30自体の構造的な強度を向上させることができるので、ユニット式建物を構築するに当たって、例えば従来のような補強梁を用いずとも、容易に柱を省略することができる。
換言すれば、建物ユニット30は、それ自体で構造体として成立することになるので、ユニット式建物の中の様々な箇所に適用させることができる。これによって、例えばユニット式建物の外観を変化させたり、補強梁を用いずとも建物内部に大空間を形成できたりする等、略直方体状に形成された通常の建物ユニットでは実現しにくい構成のユニット式建物を構築することができる。
また、建物ユニット30の直上に、通常の建物ユニット20等の直上部をオーバーハングさせて設置でき、これを確実に支持することができる。したがって、直上部の下方に、柱が無い状態の開放空間を形成することができ、下階コーナー部C1,C2における開放感や景観性を向上させることが可能となる。
〔建物ユニットの製造方法〕
次に、建物ユニット30の製造方法について説明する。
通常の建物ユニット20は、四隅の柱21と、四本の柱21の上端間を連結する長辺天井梁22および短辺天井梁23と、四本の柱21の下端間を連結する長辺床梁24および短辺床梁25とによって、略直方体状の骨組みを形成して製造される。また、このような通常の建物ユニット20は、当該建物ユニット20に合わせた各種設備が設置された工場で生産される。
そのため、特殊な形状である建物ユニット30も、通常の建物ユニット20と同様にして工場生産されることが望ましい。
そこで、建物ユニット30を製造する際は、まず、製造時用および輸送時用として、三本の柱31と略等しい長さに設定された一本の仮柱38と、メインフレーム30aの長辺および短辺のそれぞれと略等しい長さに設定された複数の仮梁39a,39bと、建物ユニット30のうち、少なくとも建物ユニット30を構成する三本の柱31と複数の天井梁32a〜32cと複数の床梁35a,35bと、を含むようにして略直方体状に建物ユニット30を形成する。
より詳細に説明すると、図12に示すように、一本の仮柱38と、複数の仮梁39a,39bと、三本の柱31と、斜辺の天井梁32cを除く複数の天井梁32a,32bと、複数の床梁35a,35bとによって略直方体状の骨組みを形成する。また、斜辺の天井梁32cを、メインフレーム30aの斜辺に位置するようにして二本の柱31,31間に架け渡して固定する。
なお、斜辺の天井梁32を略直方体状の骨組みに対して固定することを考慮すると、当該斜辺の天井梁32cを固定することが可能な柱梁接合部材37を用いることが望ましい。
また、斜辺天井梁32cは、略直方体状の骨組みを形成した後に固定してもよいし、略直方体状の骨組みを形成するのと同時に固定してもよい。
サブフレーム30bや補助床梁36を設ける場合は、建物ユニット30の製造時に、通常の建物ユニット20の天井梁や床梁と同様に、当該建物ユニット30に適宜組み込むようにする。すなわち、補助天井梁33,34や補助床梁36を、メインフレーム30aおよび仮柱38に対して固定する。
特に、サブフレーム30bをメインフレーム30aに固定してなる建物ユニット30の場合は、当該サブフレーム30bを含む矩形枠状の天井梁部分が、通常の建物ユニット20における矩形枠状の天井梁部分と略等しい構成である。そのため、仮柱38を一本と、長短の仮梁39a,39bを一本ずつしか使用しない。したがって、仮柱38および仮梁39a,39bを現場で取り外す作業を合計三本で済ませることができるので、施工手間を省略することができる。
また、サブフレーム30bをメインフレーム30aの下端部にも(すなわち、メインフレーム30aの上下端部に)固定した場合には、その大部分が通常の建物ユニット20の構成と同様であり、仮梁39a,39bは使用せずに、仮柱38のみ使用となる。サブフレーム30bをメインフレーム30aの下端部のみに固定する場合は、仮柱38を一本と、仮の天井梁として長短の仮梁39a,39bを一本ずつ使用する。
以上の点を鑑みると、本実施の形態の建物ユニット30の製造方法は、仮柱38や仮梁39a,39bを適宜使用することで、通常の建物ユニット20の製造方法と略変わらない方法で建物ユニット30を製造できる。しかも、サブフレーム30bや、補助床梁36も適宜選択的に取り付けることが可能となっている。
そして、仮柱38および仮梁39a,39bが設けられた状態で、通常の建物ユニット20と一緒に施工現場へと輸送する。
ユニット式建物1の施工時には、仮柱38と複数の仮梁39a,39bとを取り外せば、必要な部分として、少なくともメインフレーム30aを残した状態の建物ユニット30を用いることができる。
このような建物ユニット30の製造方法によれば、斜辺の天井梁32cを設ける以外は、通常の建物ユニット20と略変わらない方法によって建物ユニット30を形成することができる。これによって、建物ユニット30を製造する際のコストや手間が増加することを防ぐことができるので、延いては、ユニット式建物1の施工コストや手間が増加することをも防ぐことができる。さらに、建物ユニット30の輸送方法も、通常の建物ユニット20の輸送方法と変わらずに行うことができるので、輸送効率が下がることを防ぐことができる。
また、ユニット式建物1の施工時には、仮柱38と複数の仮梁39a,39bとを取り外すので、メインフレーム30aを含んだ建物ユニット30として扱うことができる。すなわち、このように製造された建物ユニット30を用いれば、ユニット式建物1を構築するに当たって容易に柱を省略することができるので、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を構築することができる。
なお、サブフレーム30bを備えていない状態の建物ユニット30の場合は、仮柱38および仮梁39a,39bを用いない場合がある。
すなわち、メインフレーム30aが平面視略直角三角形状に形成されているため、対称的に形成された二つの建物ユニット30,30であれば、斜辺同士を向い合せることによって二つ同時に輸送車両に載せることができる。斜辺同士を向い合せにした場合の二つの建物ユニット30,30の形状は、略直方体状の通常の建物ユニット20に近い形状となる。
以上のような本実施の形態によれば、ユニット式建物1を構築するに当たって容易に柱を省略することができるので、略直方体状に形成された通常の建物ユニット20では実現しにくい構成のユニット式建物1を構築することができる。
1 ユニット式建物
2 建物本体
3 玄関ポーチ
3a ポーチ柱
4 ピロティ(開放空間)
5 カーポート出入口(開放空間)
20 通常の建物ユニット
30 建物ユニット
30a メインフレーム
31 柱
32a 長辺天井梁
32b 短辺天井梁
32c 斜辺天井梁
35a 長辺床梁
35b 短辺床梁
38 仮柱
39a 仮梁
39b 仮梁

Claims (9)

  1. 略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニットと組み合わされてユニット式建物を構成する建物ユニットであって、
    長辺と短辺と斜辺とを有する平面視直角三角形状に形成されたメインフレームを備えており、
    前記メインフレームは、
    隅部にそれぞれ配置される三本の柱と、
    前記三本の柱の上端部を連結する複数の天井梁と、
    前記三本の柱の下端部を連結する複数の床梁と、を有し、
    前記複数の天井梁は当該メインフレームの長辺と短辺と斜辺に位置し、前記複数の床梁は当該メインフレームの長辺と短辺に位置することを特徴とする建物ユニット。
  2. 請求項1に記載の建物ユニットにおいて、
    前記メインフレームの上端部に、平面視L字状に形成されたサブフレームが固定されており、
    前記サブフレームは、
    前記メインフレームの前記長辺の天井梁と略等しい長さに設定されるとともに当該長辺の天井梁と平行する長辺の補助天井梁と、
    前記メインフレームの前記短辺の天井梁と略等しい長さに設定されるとともに当該短辺の天井梁と平行する短辺の補助天井梁と、を有することを特徴とする建物ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の建物ユニットにおいて、
    前記メインフレームの前記斜辺の天井梁と略等しい長さに設定されるとともに当該斜辺の天井梁と平行する斜辺の補助床梁が、前記柱の下端部間に架け渡されて固定されていることを特徴とする建物ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物ユニットにおいて、
    前記斜辺の天井梁は、ラチス状に形成された補強梁であることを特徴とする建物ユニット。
  5. 建物本体を備え、当該建物本体が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニットを含んで構成されるユニット式建物であって、
    前記建物本体には、四つの前記建物ユニットが、互いに前記メインフレームの前記斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視矩形状となるように並設配置されて含まれており、
    当該四つの建物ユニットの内側に形成される空間は、中央に柱が無い大空間とされていることを特徴とするユニット式建物。
  6. 建物本体を備え、当該建物本体が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニットを含んで構成されるユニット式建物であって、
    前記建物本体には、三つの前記建物ユニットが、互いに前記メインフレームの前記斜辺同士を対向させた状態で、かつ平面視において略L字型を象るようにして並設配置されて含まれており、
    当該三つの建物ユニットの内側に形成される空間は、前記略L字型の入隅部に柱が無い平面視略L字状の大空間とされていることを特徴とするユニット式建物。
  7. 請求項5または6に記載のユニット式建物において、
    前記建物本体のコーナー部に前記斜辺を外側に向けて前記建物ユニットが配置されており、
    当該建物ユニットは、自身の前記斜辺の天井梁に沿うようにして配置される外壁面を有し、当該外壁面にバルコニーが設けられていることを特徴とするユニット式建物。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載のユニット式建物において、
    前記建物本体のコーナー部に前記斜辺を外側に向けて前記建物ユニットが配置されており、
    当該建物ユニットの上に前記通常の建物ユニットが設置されており、
    当該通常の建物ユニットは、前記建物ユニットの前記斜辺の天井梁に沿うようにして配置される外壁面を有し、
    当該通常の建物ユニットには、前記外壁面の外側に配置され、かつ下方に支持部が無く、平面視略直角三角形状に形成されたバルコニーが設けられていることを特徴とするユニット式建物。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物ユニットの製造方法であって、
    製造時用および輸送時用として、
    前記三本の柱と略等しい長さに設定された一本の仮柱と、
    前記メインフレームの長辺および短辺のそれぞれと略等しい長さに設定された複数の仮梁と、
    前記建物ユニットのうち、少なくとも前記建物ユニットを構成する前記三本の柱と前記複数の天井梁と前記複数の床梁と、を含むようにして略直方体状に建物ユニットを形成し、
    ユニット式建物の施工時に、前記仮柱と前記複数の仮梁とを取り外すことを特徴とする建物ユニットの製造方法。
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