JP5839702B2 - 建物ユニットおよびユニット式建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物ユニットおよびユニット式建物に関する。
一般にユニット式建物は、四隅に配置される柱と、これら柱の上端部同士および下端部同士をそれぞれ結合する各四本の天井梁および床梁とを略箱形状に接合して構成されたラーメン構造のフレームに、内装材,外装材等が取付けられて生産される建物ユニットを複数組み合わせることで構築される。
従来、例えば玄関部分を構成する建物ユニットとして、ある側面の床梁をなくすか、または当該床梁を短く形成し、この側面における2本の柱間に、当該短く形成した床梁によって下端部間が結合されるように更に中間柱を設けることで、かかる側面の床梁部分に建具の一つである玄関扉を配設するための開口部を形成した建物ユニットが用いられることがあった(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、一般的な建物では玄関部分に土間が設けられており、当該土間は他の床面に比べて一段低い高さで形成されることになる。このため、玄関部分を構成する建物ユニットでは、ある側面の床梁をなくしたり、短くしたりすることで土間と、当該土間に対して階高な床面とを形成するようにしていた。
また、その他にも、玄関部分を構成する建物ユニットが知られている(例えば、特許文献2参照)。このような建物ユニットは階高ユニットと呼ばれ、規定寸法に基づく大きさで略直方体状に形成された通常の建物ユニットよりも高さ寸法が長く設定されている。
このような階高ユニットによれば、通常の建物ユニットとの高低差を利用して一段低い土間を形成できるようになっている。
特開平5−209440号公報 特開平8−120686号公報
しかしながら、特許文献1のような開口部が設けられた建物ユニットの側面における耐力や剛性を考慮すれば、床梁をなくしたり短くしたりせずに、土間や玄関扉を配設できるような建物ユニットが望まれていた。
そこで、特許文献2のように、通常の建物ユニットよりも高さ寸法が大きく(長く)形成された階高ユニットを利用することが考えられるが、この階高ユニットは、四隅すべての柱が通常の建物ユニットよりも長い分、当該階高ユニットを載置する基礎を、他の建物ユニットを載置する基礎よりも低く形成しなければならず、建築作業が煩雑化する場合があった。
本発明の課題は、耐力や剛性の低下を防止しつつ、建具の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる建物ユニットと、この建物ユニットを含んで構築されるユニット式建物とを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、規定寸法L1a,L2aに基づく大きさで略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニット2と組み合わされてユニット式建物を構築する建物ユニット1であって、
四隅に立設された柱11a〜11dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dによって連結して形成されており、
前記四本の床梁13a〜13dのうち、一本または二本の床梁13a(〜13d)が、前記柱11a〜11dの高さ方向において、前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部14を有し
前記四隅に立設された柱11a〜11dのうち、前記延出部14に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に突出するように長く設定され、
前記延出部14に配置された柱の下端部が前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に突出する分、前記床梁13b,13dから下方へ延在する補助柱11e,11fを備え、
前記補助柱11e,11fの下端部と前記延出部14に配置された柱の下端部とが、補助床梁13f,13gによって連結されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物ユニット1は、四隅に立設された柱11a〜11dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dによって連結して形成されており、四本の床梁13a〜13dのうち、一本〜三本の床梁13a(〜13d)が、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部14を有しているので、一つの建物ユニット1に対して延出部14を予め形成しておくことができる。
これによって、延出部14に玄関扉16等の建具や、土間15を容易に配設できる。このとき、建具を保持するための建具枠16aは予め延出部14に配置された床梁13a(〜13d)に対して強固に固定することができる。
従って、建物ユニット1では、床梁13a〜13dをなくしたり短くしたりせずに、土間15や玄関扉16を配設できる分、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、耐力や剛性の低下を防止することができる上、建具(玄関扉16等)の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる。
また、建物ユニット1は、四隅に立設された柱11a〜11dのうち、延出部14に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニット2のおける床梁23の位置よりも下方に突出するように長く設定されるので、当該延出部14に例えば土間15や建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16a等を容易に配設することができる。
さらに、四隅に柱11a〜11dを配置しているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2,図3,図5に示すように、請求項1に記載の建物ユニット1において、
前記四本の床梁13a〜13dのうち、前記延出部14に配置された床梁13a(〜13d)以外の他の三本〜一本の床梁13b(〜13d,13a)が、前記柱11a〜11dの高さ方向において、前記通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、建物ユニット1は、四本の床梁13a〜13dのうち、延出部14に配置された床梁13a(〜13d)以外の他の三本〜一本の床梁13b(〜13d,13a)が、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されているので、複数の通常の建物ユニット2と組み合わされてユニット式建物を構築する際に、延出部14以外に配置された床梁13b(〜13d,13a)と、通常の建物ユニット2の床梁23とを、柱11a〜11dの高さ方向において略等しい位置関係にすることができる。
これによって、延出部14以外に配置された床梁13b(〜13d,13a)上に形成される床面17と、通常の建物ユニット2の床梁23上に形成される床面24とを、柱11a〜11d(21)の高さ方向において略等しい位置に配置することができ、これら建物ユニット1と同一階で隣接する通常の建物ユニット2との床面17,24を、段差のない面一に形成できる。
請求項に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1,2のいずれか一項に記載の建物ユニット1において、
前記延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが前記延出部14に固定されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、玄関扉16等の重量のある建具を保持するための建具枠16aを建物ユニット1に対して予め設置しておくことができる。このとき、建具枠16aは延出部14に配置された床梁13a(〜13d)に対して強固に固定することができる。
これによって、例えば床梁をなくしたり短くしたりして玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、玄関扉16等の建具を設置するためのコストや手間を省略できるとともに、建物ユニット1に玄関扉16を容易に設置することができる。
また、建物ユニット1は、延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、建具枠16aを建物ユニット1に取り付けた状態で輸送したり、現場で施工したりすることができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、請求項1,2のいずれか一項に記載の建物ユニット1と、複数の前記通常の建物ユニット2とを組み合わせて構築されるユニット式建物であって、
前記建物ユニット1と複数の前記通常の建物ユニット2とからなる建物本体3を備えており、
前記建物本体3は、前記建物ユニット1が載置される載置部4(基礎等)を有しており、
前記載置部4のうち、前記建物ユニット1の前記延出部14に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該載置部4における高さ寸法が低く形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、ユニット式建物は、建物ユニット1と複数の通常の建物ユニット2とからなる建物本体3を備えており、当該建物本体3は、建物ユニット1が載置される載置部4(基礎等)を有している。そして、この載置部4のうち、建物ユニット1の延出部14に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該載置部4における高さ寸法が低く形成されている。
例えば、建物ユニット1を下階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部4としては基礎が相当し、この基礎のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13a(〜13d)や、柱11a,11b(11c,11d))に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該基礎(載置部4)における高さ寸法が低く形成される。
また、建物ユニット1を上階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部としては下階に配置される建物ユニット1または通常の建物ユニット2の上方側(すなわち、天井梁12a〜12dまたは天井梁22…および、これら天井梁12a〜12dまたは天井梁22…によって連結される柱11a〜11dまたは柱21…の上端部)が相当し、この載置部のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13a(〜13d)や、柱11a,11b(11c,11d))に対応する部分(すなわち、天井梁12a(〜12d)または天井梁22や、この天井梁12a(〜12d)または天井梁22によって連結される柱11a,11b(11a〜11dのうち対応する二本)または柱21,21)は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されている。
このため、通常の建物ユニット2とは異なり、延出部14を備える建物ユニット1であっても、載置部4に当該延出部14に対応する部分4aさえ形成すれば、通常の建物ユニット2と同様に設置作業を行うことができる。すなわち、載置部4に延出部14に対応する部分4aさえ形成すれば、延出部14が備えられた建物ユニット1の設置作業が煩雑化することを未然に回避することできる。
よって、建物本体3を構成する際、所望の位置に載置部4を設け、これに延出部14に対応する部分4aを形成すれば、建物ユニット1を所望の位置に配置できるので、建物本体3において建物ユニット1を自由に配置することができ、建物本体3のレイアウトに自由度を持たせることができる。
かくして、このユニット式建物では、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、建物ユニット1を容易に設置することができる分、建物ユニット1の設置に係る建築作業を格段と簡略化できる。
また、このような建物ユニット1の設置作業において、載置部4の延出部14に対応する部分4aに対し、建物ユニット1の延出部14を合致するように載置するだけで、当該建物ユニット1を位置決めした状態で正確に設置することができる利点も兼ね備えている。
しかも、建物ユニット1は四隅に柱11a〜11dが配設されているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1〜図3,図5および図6に示すように、請求項に記載のユニット式建物において、 前記建物ユニット1の前記延出部14には、当該延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aが、当該建具枠16aの下端部を取り付けられることによって固定されており、 前記延出部14に配置された床梁13a(〜13d)は、取り付けられた前記建具枠16aにおける前記下端部を有する下辺部の高さ寸法分、その他の床梁13b〜13d(13a〜13dのうちの延出部14に配置された床梁を除くいずれか三本〜一本)よりも前記柱11a〜11dの高さ方向において下方に位置するように配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、建物ユニット1の延出部14には、当該延出部14に配置された床梁13a(〜13d)の上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aが、当該建具枠16aの下端部を取り付けられることによって固定されている。そして、延出部14に配置された床梁13a(〜13d)は、取り付けられた建具枠16aの下端部を有する下辺部の高さ寸法分(換言すれば、建具枠16aの下辺部において、床梁13a(〜13d)に取り付けられた下端部の位置する部位から建具の高さ方向の上方側となる建物ユニット1の床面17側に位置する下辺部の上端部までの寸法分)、その他の床梁13b〜13d(13a〜13dのうちの延出部14に配置された床梁を除くいずれか三本〜一本)よりも柱11a〜11dの高さ方向において下方に位置するように配置されている。
これにより、建物本体3において、建物ユニット1の延出部14を介して他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を配置する場合、当該延出部14に配設される建具枠16aが、その下辺部を延出部14内(すなわち、建具枠16aが取り付けられる床梁13a(〜13d)の上端部と床面17との間)に収められるので、当該建具枠16aの下辺部が床面17から上方の天井側へ向かって突出することを防止することができる。従って、建物ユニット1が、延出部14を介して建物ユニット1や、通常の建物ユニット2と隣接する場合、自身の床面17と、隣接する建物ユニット1や、通常の建物ユニット2の床面17,24と、をほぼ面一で構築することができる。
また、延出部14において、床梁13a(〜13d)がその他の床梁13b〜13d(13a〜13dのうちの延出部14に配置された床梁を除くいずれか三本〜一本)よりも前記下方に位置する量(すなわち、当該下方への突出量)は、当該床梁13a(〜13d)に取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法と略等しいので、例えば、延出部14に土間等を設ける場合に比べて、床梁13a(〜13d)の下方への突出量を最小限に抑えることができる。
従って、建物本体3を構築する際に、当該建物ユニット1を載置する(設置する)載置部4(基礎等)の形成作業において、延出部14の床梁13a(〜13d)に対応する部分4aを形成するための形成作業を一段と簡略化できる。
本発明によれば、一つの建物ユニットに対して延出部を予め形成しておくことができる。これによって、延出部に玄関扉等の建具や、土間を容易に配設できる。このとき、建具を保持するための建具枠は予め延出部に配置された床梁に対して強固に固定することができる。従って、建物ユニットでは、床梁をなくしたり短くしたりせずに、土間や玄関扉を配設できる分、従来の建物ユニットに比べて、耐力や剛性の低下を防止しつつ、建具の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる。
本発明に係る建物ユニットと、複数の通常の建物ユニットとを組み合わせて構築されるユニット式建物を概略的に示す斜視図である。 図1のユニット式建物における建物本体の下階部分であり、建物ユニットの延出部に玄関扉を設置した状態を示す平面図である。 本発明に係る建物ユニットであり、一方の短辺方向に設けた延出部に土間を設置した状態を示す斜視図である。 図3の建物ユニットを載置する基礎の一例を示す斜視図である。 ユニット式建物の建物本体の他の一例を示す縦断面図である。 本発明に係る建物ユニットの他の一例を示す斜視図である。 建物ユニットの他の一例であり、一方の長辺方向に延出部を配設した状態を概略的に示す斜視図である。 建物ユニットの他の一例であり、双方の短辺方向に延出部を配設した状態を概略的に示す斜視図である。 建物ユニットの他の一例であり、双方の長辺方向に延出部を配設した状態を概略的に示す斜視図である。 建物ユニットの他の一例であり、双方の短辺方向と一方の長辺方向とに延出部を配設した状態を概略的に示す斜視図である。 建物ユニットの他の一例であり、双方の長辺方向と一方の短辺方向とに延出部を配設した状態を概略的に示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1,図2は本発明に係る建物ユニット1と、複数の通常の建物ユニット2とを組み合わせて構築されるユニット式建物の一例を示す斜視図であり、図3は、本発明に係る建物ユニット1であり、一例として、一方の短辺方向に設けた延出部14に土間15を設置した状態を示す斜視図である。この建物ユニット1は、図1,図2に示すような、規定寸法L1a,L2aに基づく大きさで略直方体状に形成された通常の建物ユニット2とともに複数組み合わされることによって構築されるユニット複数式建物の建物本体3に、土間15や、玄関扉16等の建具を設置するための延出部14を形成するものである(図3参照)。
ここで、規定寸法L1aとは、通常の建物ユニット2における骨組みの長辺方向の長さ、すなわち長辺寸法を指しており、規定寸法L2aとは、通常の建物ユニット2における骨組みの短辺方向の長さ、すなわち短辺寸法を指している。骨組みとは、この場合、通常の建物ユニット2を構成する構造部分を示し、四隅の柱21…と、その上端部同士および下端部同士をそれぞれ連結する四本の天井梁22…および四本の床梁23…とからなる(図5参照)。
つまり、これら規定寸法L1a,L2aは、建物ユニット1と通常の建物ユニット2とが、同一の規格に基づいて設計・製造されたものであることを示すものである。そして、このような建物ユニット1は、通常の建物ユニット2とほぼ同一の規格で形成されているため、通常の建物ユニット2と同じように、ユニット式建物に対して確実に組み込めるようになっている。延いては、ユニット式建物全体が、規定寸法L1a,L2aを定義する規格(モジュール)に基づいて設計・構築されることとなる。
具体的に、本実施形態の建物ユニット1は、図3に示すように、四隅に立設された柱11a〜11dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁12a〜12d(短辺天井梁12a,12c、長辺天井梁12b,12d)および床梁13a〜13d(短辺床梁13a,13c、長辺床梁13b,13d)によって連結して形成されている。
建物ユニット1は、これら四隅の柱11a〜11dと、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dと、によって箱形に形成される内部空間10を有している。そして、他の通常の建物ユニット2とともにユニット式建物の内部空間を形成するものである。すなわち、建物ユニット1の内部には、ユニット式建物における居室等の部屋が設けられることになる。
なお、本実施の形態においては、柱11a〜11dの上端部と天井梁12a〜12d、および、柱11a〜11dの下端部と床梁13a〜13dは、直接、溶接等によって接合する場合について述べるが、本発明はこれに限らず、例えば柱11a〜11dの上端部と天井梁12a〜12d、および、柱11a〜11dの下端部と床梁13a〜13dは、2方向から梁の端部が接合される柱梁接合部材(図示省略)を用いて接合されるようにしても良い。
天井梁12a〜12dは、建物ユニット1の短辺方向に配置される短辺天井梁12a,12cと、建物ユニット1の長辺方向に配置される長辺天井梁12b,12dと、を有している。
また、一方の長辺天井梁12bと他方の長辺天井梁12dとの間には、複数の天井小梁12e…が、建物ユニット1の長辺方向に間隔をあけて架設されている。なお、これら複数の天井小梁12e…の下面には、板部材が固定されることによって天井面18が形成されている。
床梁13a〜13dは、建物ユニット1の短辺方向に配置される短辺床梁13a,13cと、建物ユニット1の長辺方向に配置される長辺床梁13b,13dと、を有する。
また、一方の長辺床梁13bと他方の長辺床梁13dとの間には、複数の根太13e…が、建物ユニット1の長辺方向に間隔をあけて架設されている。なお、これら複数の根太13e…の上面には、板部材が固定されることによって床面17が形成されている。
さらに、図示省略するが、建物ユニット1のうち、ユニット式建物の外周面を構成する外側面には、PALC(プレキャストオートクレーブド軽量気泡コンクリート)等の外壁材が取り付けられており、ユニット式建物の内部空間を構成する内側面には、石膏ボード等の内装材が取り付けられている。
本実施形態の場合、建物ユニット1は、四本の床梁13a〜13dのうち、一本〜三本の床梁13a(ここでは、床梁13a一本と仮説するが、一例であってこれに限ることはない。)が、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23(図5参照)の位置よりも下方に位置するように配置されることによって形成される延出部14を備えている。
このとき、建物ユニット1では、四本の床梁13a〜13dのうち、延出部14に配置された床梁13a以外の他の三本〜一本の床梁13b〜13dが、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23(図5参照)の位置と略等しい位置に配置されている。すなわち、延出部14に配置された床梁13aは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13b〜13dよりも下方に配置されている。
そして、建物ユニット1は、四隅に立設された柱11a〜11dのうち、延出部14に配置された柱11a,11b(換言すれば、延出部14に配置された床梁13aによって下端部を連結された柱11a,11b)の高さ方向の寸法が、その他の柱11c,11dの高さ方向の寸法よりも長くなっている。
かくして延出部14は、建物ユニット1から、当該建物ユニット1の一辺(ここでは、一方側の短辺)に沿って下方へ延出するように設けられている。
また、建物ユニット1において、延出部14に配置された床梁13aの上端部には、玄関扉16等の建具を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられている。これにより、建具枠16aが延出部14に固定される(図1,図2参照)。
そして、延出部14の建具枠16aを取り付けられた床梁13aが、当該建具枠16aの下端部を備える下方の一辺(すなわち、建具枠16aの下辺部)の高さ寸法分、その他の床梁13b〜13dよりも柱11a〜11dの高さ方向において下方に位置するように配置されている。換言すれば、延出部14において、床梁13aは、取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法分、その他の床梁13b〜13dよりも前記下方へ突出した状態で配置されている。
さらに、建物ユニット1は、延出部14に配置された床梁13a上に、玄関扉16から続く土間15が形成されている。この土間15は、柱11a,11bがその他の柱11c,11dよりも高さ方向の寸法において下方に長い分、床梁13d,13bから当該下方へ延在する補助柱11e、11fを備えており、これら補助柱11e,11fの下端部と柱11a,11bの下端部とが、補助床梁13f,13gによって連結されることで形成されている。従って、土間15は、延出部14以外に配置された床梁13b〜13d上に形成される床面17の位置よりも、柱11a〜11dの高さ方向において、一段低い位置になっている。
このように、建物ユニット1は、上述のように形成された延出部14に、建具としての玄関扉16と、当該玄関扉16から続く土間15とを配設することによって、内部空間10にユニット式建物における玄関部分を形成している。従って、建物ユニット1は、後述するように、複数の通常の建物ユニット2と組み合わされて建物本体3を形成した場合に、ユニット式建物における玄関部分を構成するようになっている。
かかる建物ユニット1は、複数の通常の建物ユニット2…や、他の建物ユニット(図示省略)等と組み合わされることでユニット式建物を構築する。このユニット式建物は、建物ユニット1と複数の通常の建物ユニット2とを含んで形成される建物本体3を備えている。
この建物本体3は、図1,図4および図5に示すように、建物ユニット1(複数の通常の建物ユニット2も同様)が載置される基礎等の載置部4を備えており、この載置部4上に配置されることによって構築される。
このとき、建物ユニット1は、延出部14を備えることによって、当該延出部14に配置された床梁13aが、通常の建物ユニット2における床梁23よりも柱11a〜11dの高さ方向において下方へ突出している。そのため、建物本体3は、建物ユニット1が配置される基礎(すなわち、載置部4)のうち、延出部14に対応する部分4aが、その他の部分(載置部4)よりも、前記下方へ突出している分、低く形成されるようになっている。
ところで、従来の建物ユニットにおいて、当該建物ユニットを玄関部分に使用する際、玄関扉を配設するための開口部が設けられたユニット本体部は、当該開口部を備えた部分(側面)における床梁の一部または全部がないため剛性が低下し、鉛直荷重によって天井梁が垂れ下がるおそれがあった。また、この開口部が設けられた側面に天井梁に合わせて外壁パネルを設けた場合、パネルの上部は天井梁に支持され、側面は柱や中間柱に支持されるが、パネルの下部には支持材が無いため、強風等でパネルに力が加わると支持材が無い部分が押されて変形するなどの問題が生じるおそれもあった。
一方、近年、建物ユニットは、生産性やコスト低減のために同じ材質、大きさの柱,梁が用いられ、これら柱や梁を剛接合することで構成されている。
このような従来の建物ユニットを基礎上にアンカーボルトを介してそれぞれ設置し、その上部に力Pを加えてその変位がδであったときの剛性をK=1とすると、玄関部分の建物ユニットの剛性は、中間柱の位置に応じてK=1.5〜2程度の範囲で変化して他の建物ユニットよりも大きくなる。このため、これら建物ユニットと玄関部分の建物ユニットとを用いてユニット式建物を構成すると、玄関部分の建物ユニットのみが他の建物ユニットに比べて剛性が高くなるため、建物全体に加わる力が玄関部分の建物ユニットに集中してしまい構造的に問題となっていた。
このため、他の建物ユニットを補強して玄関部分の建物ユニットと同程度まで剛性を向上させるか、玄関部分の建物ユニットにおける柱や梁を他の建物ユニットのものとは大きさ等の異なる別の柱や梁に変更してその剛性を他の建物ユニットと同程度まで下げなければならず、何れにしてもこれら建物ユニットと玄関部分の建物ユニットとの組立が煩雑となって生産性が悪いという問題があった。
また、中間柱を剛接合する場合、その接合部分の構造が複雑となって接合作業が煩雑になるという問題もあった。特に玄関扉を配設する側面の両側に配置された柱のうち、一方の柱に近接して中間柱を設け、この中間柱を溶接により剛接合する場合には、当該柱が邪魔となって作業性が低下するという問題もあった。
このような問題を鑑みてなされた本発明では、本実施形態のような建物ユニット1を用いることによって、上述した問題を解決することができるようになっている。
すなわち、以上、説明したように、本実施形態の建物ユニット1によれば、四隅に立設された柱11a〜11dの上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁12a〜12dおよび床梁13a〜13dによって連結して形成された建物ユニット1は、四本の床梁13a〜13dのうち、一本〜三本の床梁(本実施形態では、一本の床梁13a)を、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されて形成された延出部14を有しているので、一つの建物ユニット1に対して延出部14を予め形成しておくことができる。
これによって、延出部14に玄関扉16等の建具や、土間15を容易に配設できる。このとき、建具を保持するための建具枠16aは、予め延出部14に配置された床梁13aに対して強固に固定することができる。
従って、建物ユニット1では、床梁13a〜13dをなくしたり短くしたりせずに、土間15や玄関扉16を配設できる分、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、耐力や剛性の低下を防止することができる上、建具(玄関扉16等)の取り付けに係る建築作業の煩雑化を回避して施工コストを低減できる。
また、建物ユニット1は、四本の床梁13a〜13dのうち、延出部14に配置された床梁13a以外の他の三本〜一本の床梁(本実施形態では、三本の床梁13b〜13d)が、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されているので、複数の通常の建物ユニット2と組み合わされてユニット式建物を構築する際に、延出部14以外に配置された床梁13b〜13dと、通常の建物ユニット2の床梁23とを、柱11a〜11dの高さ方向において略等しい位置関係にすることができる。
これによって、延出部14以外に配置された床梁13b〜13d上に形成される床面17と、通常の建物ユニット2の床梁23上に形成される床面24とを、柱11a〜11d(21)の高さ方向において略等しい位置に配置することができ、これら建物ユニット1と同一階で隣接する通常の建物ユニット2との床面17,24を、段差なくほぼ面一で形成できる。
しかも、建物ユニット1は、四隅に立設された柱11a〜11dのうち、延出部14に配置された柱11a,11bの高さ方向の寸法が、その他の柱11c,11dの高さ方向の寸法よりも長いので、当該延出部14に例えば土間15や建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16a等を容易に配設することができる。
また、四隅に柱11a〜11dを配置しているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
さらに、延出部14に配置された床梁13aの上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、玄関扉16等の重量のある建具を保持するための建具枠16aを建物ユニット1に対して予め設置しておくことができる。このとき、建具枠16aは延出部14に配置された床梁13aに対して強固に固定することができる。
これによって、例えば床梁をなくしたり短くしたりして玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、玄関扉16等の建具を設置するためのコストや手間を省略できるとともに、建物ユニット1に玄関扉16を容易に設置することができる。
また、建物ユニット1は、延出部14に配置された床梁13aの上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aの下端部が取り付けられることによって、当該建具枠16aが延出部14に固定されているので、建具枠16aを建物ユニット1に取り付けた状態で輸送したり、現場で施工したりすることができる。
さらに、本実施形態のユニット式建物によれば、ユニット式建物は、建物ユニット1と複数の通常の建物ユニット2とからなる建物本体3を備えており、当該建物本体3は、建物ユニット1が載置される載置部4(基礎等)を有している。そして、この載置部4のうち、建物ユニット1の延出部14に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該載置部4における高さ寸法が低く形成されている。
例えば、建物ユニット1を下階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部4としては基礎が相当し、この基礎のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13aや、柱11a,11b等)に対応する部分4aは、その他の部分よりも当該基礎(載置部4)における高さ寸法が低く形成される。
また、建物ユニット1を上階に配置する場合、当該建物ユニット1を載置する載置部としては下階に配置される建物ユニット1または通常の建物ユニット2の上方側(すなわち、天井梁12a〜12dまたは天井梁22…および、これら天井梁12a〜12dまたは天井梁22…によって連結される柱11a〜11dまたは柱21…の上端部)が相当し、この載置部のうち、延出部14(すなわち、延出部14に配置される床梁13aや、柱11a,11b等)に対応する部分(すなわち、天井梁12aまたは天井梁22等や、これらによって連結される柱11a,11bの上端部または柱21,21の上端部等)は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されている。
このため、通常の建物ユニット2とは異なり、延出部14を備える建物ユニット1であっても、載置部4に当該延出部14に対応する部分4aさえ形成すれば、通常の建物ユニット2と同様に設置作業を行うことができる。すなわち、載置部4に延出部14に対応する部分4aさえ形成すれば、延出部14が備えられた建物ユニット1の設置作業が煩雑化することを未然に回避することできる。
よって、建物本体3を構成する際、所望の位置に載置部4を設け、これに延出部14に対応する部分4aを形成すれば、建物ユニット1を所望の位置に配置できるので、建物本体3において建物ユニット1を自由に配置することができ、建物本体3のレイアウトに自由度を持たせることができる。
かくして、このユニット式建物では、例えば床梁をなくしたり短くしたりして土間や玄関扉を配設する従来の建物ユニットに比べて、建物ユニット1を容易に設置することができる分、建物ユニット1の設置に係る建築作業を格段と簡略化できる。
また、このような建物ユニット1の設置作業において、載置部4の延出部14に対応する部分4aに対し、建物ユニット1の延出部14を合致するように載置するだけで、当該建物ユニット1を位置決めした状態で正確に設置することができる利点も兼ね備えている。
しかも、建物ユニット1は四隅に柱11a〜11dが配設されているので、建物ユニット1自体の耐力や剛性の低下を防止(すなわち、建物ユニット1自体の強度の低下を防止)できるだけでなく、上部に他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を積層させる場合に、これら建物ユニット1や通常の建物ユニット2等を確実に支持することができる。
また、本実施形態のユニット式建物において、建物ユニット1の延出部14には、当該延出部14に配置された床梁13aの上端部に、建具(玄関扉16等)を保持するための建具枠16aが、当該建具枠16aの下端部を取り付けられることによって固定されている。そして、延出部14に配置された床梁13aは、取り付けられた建具枠16aの下端部を有する下辺部の高さ寸法分(換言すれば、建具枠16aの下辺部において、床梁13aに取り付けられた下端部の位置する部位から建具の高さ方向の上方側となる建物ユニット1の床面17側に位置する下辺部の上端部までの寸法分)、その他の床梁13b〜13dよりも柱11a〜11dの高さ方向において下方に位置するように配置されている。
これにより、建物本体3において、建物ユニット1の延出部14を介して他の建物ユニット1や通常の建物ユニット2を配置する場合、当該延出部14に配設される建具枠16aが、その下辺部を延出部14内(すなわち、建具枠16aが取り付けられる床梁13aの上端部と床面17との間)に収められるので、当該建具枠16aの下辺部が床面17から上方の天井側へ向かって突出することを防止することができる。
従って、建物ユニット1が、延出部14を介して建物ユニット1や、通常の建物ユニット2と隣接する場合、当該建物ユニット1自体の床面17と、隣接する他の建物ユニット1や、通常の建物ユニット2の床面17,24と、をほぼ面一で構築することができる。
また、延出部14において、床梁13aがその他の床梁13b〜13dよりも前記下方に位置する量(すなわち、当該下方への突出量)は、当該床梁13aに取り付けられる建具枠16aの下辺部の高さ寸法と略等しいので、例えば、延出部14に土間等を設ける場合に比べて、床梁13aの下方への突出量を最小限に抑えることができる。
従って、建物本体3を構築する際に、当該建物ユニット1を載置する(設置する)載置部4(基礎等)の形成作業において、延出部14の床梁13aに対応する部分4aを形成するための形成作業を一段と簡略化できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜、種々の改良および設計の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、建物ユニット1における延出部14に土間15や玄関扉16を配置することで、当該建物ユニット1が玄関部分を構成する場合について述べたが、一例であってこれに限らず、この他、例えば延出部14にサッシなどの建具を設け、バルコニーへの出入口を配設するようにしても良い。
この場合、建物ユニット1は、図3との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、延出部14において、柱11a,11bの高さ方向における下方へ突出する大きさ(下方への突出量)を、床梁13aに取り付ける不図示のサッシを保持する建具枠における下辺部の高さ寸法と同程度とする。これにより、延出部14にサッシを配設した際に、床梁13aに取り付けられた建具枠の下端部分を有する当該建具枠の下辺部を、当該床梁13aの上端部と床面17との間の高さ寸法内に収めることができる。これにより、延出部14にサッシを配設した場合においても、当該サッシの建具枠における下辺部が、床面17から上方の天井側へ向けて突出することを回避することができる。従って、この延出部14をバルコニーやテラス等への出入口とする場合に、サッシを介して出入りするバルコニーやテラス等の床面と建物ユニット1の内部空間10に形成される部屋の床面17とをほぼ面一で形成することができる。
また、このような延出部14にサッシが配設された建物ユニット1は、図5に示すように、ユニット式建物の建物本体3において上階に配置される。この場合、上階に配置された建物ユニット1が載置される下階の建物ユニット(ここでは、例えば通常の建物ユニット2)においては、上階の建物ユニット1の延出部14に対応する部位の天井梁22と、当該天井梁22によって上端部が連結された柱21,21とが、当該延出部14の前記下方への突出量分、他の天井梁22や柱21,21よりも低く形成される。
そして、下階の通常の建物ユニット2における前記低く形成された部位に、上階の建物ユニット1の延出部14が位置するように載置されることで、当該延出部14における前記下方への突出を吸収できようになっている。このため、当該上階の建物ユニット1に隣接して上階に通常の建物ユニット2(勿論、他の建物ユニット1でも良い)を配置する場合においても、これら建物ユニット1の床面17と通常の建物ユニット2の床面24とをほぼ面一で形成することが可能になっている。
また、上述した実施形態においては、建物ユニット1が、床梁13aをその他の床梁13b〜13dよりも、柱11a〜11dの高さ方向において下方に配置することで延出部14を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、建物ユニット1は、四本の床梁13a〜13dのうち、一本〜三本の床梁が、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部14を有していれば良い。
すなわち、図3との対応部分に同一符号を付した図7に示すように、床梁13aに替わって床梁13bが柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部14を有するようにしても良い。このとき、その他の床梁13a,13c,13dは、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されるようにしても良い。つまり、床梁13bは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13a,13c,13dよりも下方に位置するように配置されるようにしても良い。
また、図3との対応部分に同一符号を付した図8に示すように、床梁13aに加えて床梁13cも柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されることで、建物ユニット1の2箇所に延出部14を有するようにしても良い。このとき、その他の床梁13b,13dは、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されるようにしても良い。つまり、床梁13a,13cは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13b,13dよりも下方に位置するように配置されるようにしても良い。
また、図3との対応部分に同一符号を付した図9に示すように、床梁13aに替わって床梁13bおよび13dが柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されることで、建物ユニット1の2箇所に延出部14を有するようにしても良い。このとき、その他の床梁13a,13cは、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されるようにしても良い。つまり、床梁13b,13dは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13a,13cよりも下方に位置するように配置されるようにしても良い。
さらに、図3との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、床梁13aに加えて床梁13c,13dが柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されることで、建物ユニット1の3箇所に延出部14を有するようにしても良い。このとき、その他の床梁13bは、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されるようにしても良い。つまり、床梁13a,13c,13dは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13bよりも下方に位置するように配置されるようにしても良い。
さらに、図3との対応部分に同一符号を付した図11に示すように、床梁13aに替わって床梁13b〜13dが柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置よりも下方に位置するように配置されることで、建物ユニット1の3箇所に延出部14を有するようにしても良い。このとき、その他の床梁13aは、柱11a〜11dの高さ方向において、通常の建物ユニット2における床梁23の位置と略等しい位置に配置されるようにしても良い。つまり、床梁13b〜13dは、柱11a〜11dの高さ方向において、その他の床梁13aよりも下方に位置するように配置されるようにしても良い。
すなわち、本発明では、上述のような柱11a〜11dの高さ方向において、下方に位置するように配設される延出部14は、建物ユニット1の使用目的に応じて、建物ユニット1における任意の1〜3箇所に適宜配設することができる(図3,図7〜図11参照)。そして、延出部14以外に配置された床梁(床梁13a〜13dのうち三本〜一本)を通常の建物ユニット2の床梁23の位置と略等しい位置に配置することで、複数の通常の建物ユニット2とともにユニット式建物を構築する際、これら通常の建物ユニット2の床面24と建物ユニット1の床面17とをほぼ面一で形成することができる利点も有している。
つまり、本発明のユニット式建物は、上述した建物ユニット1や複数の通常の建物ユニット2…からなる建物本体3を備えるものに限ることはなく、例えば、図7〜図11に示すような、他の形態の建物ユニット1を備えた建物本体を採用しても良い。
なお、上述した本実施形態において、建物ユニット1の延出部14には、外壁材を始め、その他の付属物を予め工場等で設置しておいても良いものとする。この場合、付属物は建物ユニット1に対して固定される。この付属物としては、例えば図1および図5に示すように、玄関扉16および建具枠16aや、図示しないバルコニー、窓および窓枠、庇・玄関ポーチ屋根等が挙げられる。この場合、付属物を建物ユニット1に固定した状態で輸送したり、現場で施工したりすることができる利点を有することができる。
1…建物ユニット
2…通常の建物ユニット
3…建物本体
4…基礎(載置部)
11a〜11d…柱
12a〜12d…天井梁
13a〜13d…床梁
14…延出部
15…土間
16…玄関扉(建具)
16a…建具枠
17…床面
18…天井面
L1a…長辺寸法
L2a…短辺寸法

Claims (5)

  1. 規定寸法に基づく大きさで略直方体状に形成された複数の通常の建物ユニットと組み合わされてユニット式建物を構築する建物ユニットであって、
    四隅に立設された柱の上端部同士および下端部同士を、それぞれ四本の天井梁および床梁によって連結して形成されており、
    前記四本の床梁のうち、一本または二本の床梁が、前記柱の高さ方向において、前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に位置するように配置されてなる延出部を有し
    前記四隅に立設された柱のうち、前記延出部に配置された柱の高さ方向の寸法は、これら柱の下端部が前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に突出するように長く設定され、
    前記延出部に配置された柱の下端部が前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置よりも下方に突出する分、前記床梁から下方へ延在する補助柱を備え、
    前記補助柱の下端部と前記延出部に配置された柱の下端部とが、補助床梁によって連結されていることを特徴とする建物ユニット。
  2. 請求項1に記載の建物ユニットにおいて、
    前記四本の床梁のうち、前記延出部に配置された床梁以外の他の三本〜一本の床梁が、前記柱の高さ方向において、前記通常の建物ユニットにおける床梁の位置と略等しい位置に配置されていることを特徴とする建物ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の建物ユニットにおいて、
    前記延出部に配置された床梁の上端部に、建具を保持するための建具枠の下端部が取り付けられることによって、当該建具枠が前記延出部に固定されていることを特徴とする建物ユニット。
  4. 請求項1または2に記載の建物ユニットと、複数の前記通常の建物ユニットと、を組み合わせて構築されるユニット式建物であって、
    前記建物ユニットと複数の前記通常の建物ユニットとからなる建物本体を備えており、
    前記建物本体は、前記建物ユニットが載置される載置部を有しており、
    前記載置部のうち、前記建物ユニットの前記延出部に対応する部分は、その他の部分よりも当該載置部における高さ寸法が低く形成されていることを特徴とするユニット式建物。
  5. 請求項に記載のユニット式建物において、
    前記建物ユニットの前記延出部には、当該延出部に配置された床梁の上端部に、建具を保持するための建具枠が、当該建具枠の下端部を取り付けられることによって固定されており、
    前記延出部に配置された床梁は、取り付けられた前記建具枠における前記下端部を有する下辺部の高さ寸法分、その他の床梁よりも前記柱の高さ方向において下方に位置するように配置されていることを特徴とするユニット式建物。
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