JP6049139B2 - 補強構造 - Google Patents
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Description
第1に、天井裏空間に設備配管やダクトが密に配置されている場合や、天井高が高い場合には、ブレースを所定の位置に設置することが困難であった。
図11(a)は、従来の耐震補強が適用された廊下100の模式図である。
廊下100は、床スラブ101、内壁102、外壁103、天井104で囲まれた空間である。廊下100の天井104は、直上階の床スラブ105から支持されており、天井104と直上階の床スラブ105との間には、耐震補強ブレース106が設けられている。また、当階の内壁102および外壁103は、下端面が当階の床スラブ101に固定され、上端面が直上階の床スラブ105に固定されている。
当階の外壁103は、当階の床スラブ101および直上階の床スラブ105に固定されているので、この外壁103の天井レベルでの変位δ1は、層間変位δより小さくなる。
その結果、外壁103の天井レベルでの変位δ1は、天井104の変位δ2よりも小さくなるため、天井104の端部が外壁103に干渉して破損する場合があった。
また、一対の支柱は、当階の床スラブまたは梁、および、直上階の床スラブまたは梁に固定されているので、これら支柱の天井付近つまり横架材の高さ位置における変位は、当階の内壁および外壁の天井付近での変位と同一となる。
よって、地震動により建物が揺れても、天井の変位が壁の天井レベルでの変位と同一となるので、天井が周囲の壁に衝突して破損するのを防止できる。また、天井面の周縁に塞ぎ材を設ける必要がないので、天井面の美観を保つことができる。
また、天井裏空間に設備配管やダクトが密集している場合であっても、従来のような耐震補強ブレースが不要となるので、天井裏空間の設備配管やダクトの配置を変更する必要がなく、施工が容易である。
この発明によれば、横架材で設備機器を支持したので、従来のように設備機器を直上階の床スラブから吊りボルトで吊下げ支持する場合に比べて、設備機器をより強固に支持できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る補強構造1が適用された建物の所定のフロアの平面図である。
建物の所定のフロアには、廊下2、3、4が設けられている。これら廊下2〜4は、所定方向に延びる細長い空間であり、廊下2は、廊下3、4の突き当たりとなっている。
補強フレーム20は、一対の内壁11に沿って設けられた角形鋼管からなる一対の支柱21と、天井13に沿って設けられて一対の支柱21同士を連結する角形鋼管からなる横架材22と、を備える。
横架材22は、天井13の天井裏空間13Aに設けられている。天井13は、この横架材22により、図2に示すように、2つの領域A、Bに分割されている。
天井裏空間13Aには、設備機器としての設備配管40およびダクト41が密に配置されており、これら設備配管40およびダクト41は、横架材22に載置されて支持されている。
天井13は、直上階の床スラブ14から吊り下げ支持された天井下地15と、この天井下地の下面に支持された天井面材16と、を備える。
野縁受け31の端面は、L字形状の接合部材34を介して、補強フレーム20の横架材22の側面に接合されている。
また、天井面材16は、横架材22の下方に位置して、野縁32の下面に張り付けられている。
この場合、当階の外壁12は、当階の床スラブ10および直上階の床スラブ14に固定されているので、この外壁12の天井レベルでの変位δ1は、層間変位δより小さくなる。
(1)地震動により建物が揺れても、天井13の変位δ2が外壁12の天井レベルでの変位δ1と同一となるので、天井13が外壁12に衝突して破損するのを防止できる。また、天井面の周縁に塞ぎ材を設ける必要がないので、天井面の美観を保つことができる。
また、横架材22により天井13を複数の領域A、Bに小分割するので、従来のように地震時の水平力で天井13が座屈するのを防止できる。
また、天井裏空間13Aに設備配管やダクトが密集している場合であっても、従来のような耐震補強ブレースが不要となるので、天井裏空間13Aの設備配管やダクトの配置を変更する必要がなく、施工が容易である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る補強構造1Aが適用された居室5の斜視図である。
本実施形態では、居室5は、直方体形状であり、この居室5には、一対の補強フレーム20A、20Bが設けられている。
補強フレーム20Aは、一対の支柱21が居室5を幅方向に挟んで設けられ、補強フレーム20Bは、一対の支柱21が居室5を長さ方向に挟んで設けられる。つまり、補強フレーム20Aと補強フレーム20Bとは、互いに直交して設けられている。
これら一対の補強フレーム20A、20Bの横架材22同士は、交差部23で交差して互いに接合される。
これら横架材22により、天井13は、4つの領域C、D、E、Fに分割されている。
(4)一対の補強フレーム20A、20Bを互いに交差して設けたので、居室5のような直方体形状の空間について、地震時にどの方向に水平力が作用しても、天井の破損を確実に防止できる。
図7は、本発明の第3実施形態に係る補強構造1Bが適用された居室6の斜視図である。
本実施形態では、居室6の内部には、一対の補強フレーム20A、20Bの交差部23まで延びる第2の支柱24が設けられる点が、第2実施形態と異なる。
(5)一対の補強フレーム20A、20Bの交差部23を支持する第2の支柱24を設けたので、補強構造1の水平力に対する耐力をさらに向上できる。
例えば、上述の各実施形態では、野縁受け31を廊下2の長さ方向に配置し、野縁32を廊下2の幅方向に配置し、野縁受け33の端面を補強フレーム20の横架材22の側面に接合したが、これに限らない。すなわち、図8に示すように、野縁受け31を廊下2の幅方向に配置し、野縁32を廊下2の長さ方向に配置するとともに、野縁32の端面を、L字形状の接合部材35を介して、補強フレーム20の横架材22の側面に接合してもよい。
2、3、4…廊下(空間)
5、6…居室(空間)
10…当階の床スラブ
11…内壁
12…外壁
13…天井
13A…天井裏空間
14…直上階の床スラブ
15…天井下地
16…天井面材
20、20A、20B…補強フレーム
21…支柱
22…横架材
23…交差部
24…第2の支柱
25…中間柱
30…吊りボルト
31…野縁受け
32…野縁
33…野縁受け
34、35…接合部材
40…設備配管
41…ダクト
Claims (5)
- 天井と互いに対向する一対の壁とで囲まれた空間に設けられて、当該天井を耐震補強する補強構造であって、
前記一対の壁に沿って設けられた一対の支柱と、前記天井に沿って設けられて前記一対の支柱同士を連結する横架材と、を有する補強フレームを備え、
前記一対の支柱は、それぞれ、下端側が当階の床スラブまたは梁に固定され、上端側が直上階の床スラブまたは梁に固定され、
前記天井の天井下地は、前記横架材に当接あるいは接合されることを特徴とする補強構造。 - 前記補強フレームは、複数設けられ、
当該複数の補強フレームは、所定方向に並んで設けられることを特徴とする請求項1に記載の補強構造。 - 前記補強フレームは、一対設けられ、
当該一対の補強フレームは、互いに交差して設けられ、
当該一対の補強フレームの横架材同士は、交差部で互いに接合されることを特徴とする請求項1に記載の補強構造。 - 前記一対の補強フレームの交差部を支持する第2の支柱をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の補強構造。
- 前記横架材は、設備機器を支持することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の補強構造。
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