JP6362988B2 - 耐震補強フレーム - Google Patents
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Description
外周柱の外側に設けられたスラブを備えた既存構造物の耐震補強に関する技術には、例えば特許文献1がある。
即ち、枠体を構成する一対の縦部材は、既存構造物の外周柱の外側の側面にそれぞれ接合される。また、下側横部材は、両端がスラブを切り欠いた開口部を貫通した縦部材の下端と接合され、スラブの下で、既存構造物の下側の梁の側面から張り出した連結部材を介して下側の梁に接合される。上側横部材は、上側の梁の側面から張り出した連結部材を介して、既存構造物の上側の梁に接合される。これにより、既存構造物の変形を、柱梁の構造部材に接合された耐震補強フレームで抑制することができる。
即ち、枠体を構成する一対の縦部材が、既存構造物の外周柱の外側の側面にそれぞれ接合される。また、下側横部材は、両端に縦部材が接合されると共に、スラブを切り欠き露出させた下側の梁に接合されてスラブの上面まで延出された連結部材を介して、既存構造物の下側の梁と接合される。上側横部材は、上側の梁の側面から張り出した連結部材を介して、既存構造物の上側の梁と接合される。これにより、既存構造物の変形を、柱梁の構造部材に接合された耐震補強フレームで抑制することができる。
即ち、枠体を構成する一対の縦部材が、既存構造物の外周柱の内側の側面にそれぞれ接合される。また、下側横部材は、両端に縦部材が接合されると共に、スラブを切り欠き露出させた下側の梁に下面が接合される。上側横部材は、上側の梁の側面から張り出した連結部材を介して、既存構造物の上側の梁と接合される。これにより、既存構造物の変形を、柱梁の構造部材に接合された耐震補強フレームで抑制することができる。
図1(A)〜3(B)を用いて、第1実施形態に係る耐震補強フレーム10について説明する。ここに、図1(A)は耐震補強フレーム10を取付けた状態の正面図であり、(B)はY1−Y1線断面図である。図2は図1のX1−X1線断面図である。図3(A)、(B)は補強部材の展開例を示す図である。
なお、外周柱12R、12Lの外側まで設けられたスラブ16U、16Dは、跳ね出しスラブ構造であっても良いし、跳ね出し大梁、小梁で支持されたスラブ構造であってもよい。
連結部(連結部材)24Dも、連結部24Uと同じ構成であり説明は省略する。
ブレース26R、26Lは、H形鋼で形成され、下端部が下側横枠材20Dの中央部に固定された板材28に固定されている。また、上端部が縦枠材18R、18Lと、上側横枠材20Uの接合部(角部)に固定されている。即ち、ブレース26R、26Lは、中央部が低く両端部が高い下に凸の形状に配置されている。
この結果、耐震補強フレーム10により、既存構造物30の構造部材である外周柱12R、12L、及び梁14U、14Lを補強することができる。更に、本実施形態によれば、枠体32が、外周柱12R、12Lの外側に固定され、下側横枠材20Dがスラブ16Dの下に設けられるので、室内空間を広く確保できる。
図3(A)に第1展開例を示す。第1展開例のブレース(補強部材)34R、34Lは、枠体32に対する取付け方向を、図1で説明したブレース26R、26Lと上下を逆にした構成である。即ち、ブレース34R、34Lを、中央部が上側横枠材20Uの中央部に固定された板材28に固定されている。また、下端部が縦枠材18R、18Lと、下側横枠材20Dの接合部(角部)に固定されている。即ち、中央部が高く両端部が低い、上に凸の形状に配置している。
この構成においても、ブレース26R、26Lと同じ効果を得ることができる。なお、ブレース34R、34Lは、要求される横荷重が小さい場合には、角部にのみ設けてもよい。
但し、この場合には、横荷重に対する枠体32の剛性を確保するため、補強部材36R、36Lの幅寸法は、ブレース26R、26Lより大きくする必要がある。
図4、図5を用いて、第2実施形態に係る耐震補強フレーム40について説明する。
ここに、図4は耐震補強フレーム40を取付けた状態の正面図であり、図5は図4のX1−X1線断面図である。
耐震補強フレーム40は、下側横枠材42Dをスラブ16Dの上に配置した点において、第1実施形態に係る耐震補強フレーム10と相違する。相違点を中心に説明する。
縦枠材46R、46L、下側横枠材42D、及び上側横枠材42Uで、枠体50が形成され、枠体50の内部にはブレース64R、64Lが設けられている。
上側横枠材42Uは、両端部が縦枠材46R、46Lの上部と接合され、上側の梁14Uの側面から張り出した連結部24Uに側面が接合されている。
下側横枠材42Dは、両端部が縦枠材46R、46Lの下部と接合され、側面がスラブ16Dの上で連結部材62に連結されている。
連結部材62は、H形鋼製の立上げ部材52を有し、立上げ部材52が、下側の梁14Dの上から開口部58を通り立ち上げられている。
更に、本実施形態によれば、連結部材62がスラブ16Dの上に設けられ室内空間の一部が占められるが、下階の空間へ影響を及ぼさず補強工事を行うことができる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
図6、図7を用いて、第3実施形態に係る耐震補強フレーム60について説明する。
ここに、図6は耐震補強フレーム60を取付けた状態の正面図であり、図7は図6のX1−X1線断面図である。
耐震補強フレーム60は、縦部材68、横部材70で構成された枠体72を、柱梁架構44の内部に配置した点において、第1実施形態に係る耐震補強フレーム10と相違する。相違点を中心に説明する。
縦枠材68R、68L、下側横枠材70D、及び上側横枠材70Uで、枠体72が形成される。枠体72は、内部に設けられたブレース74R、74Lで補強されている。
なお、図示は省略するが、本実施形態の補強部材も、ブレース74R、74Lに替えて、第1実施形態で説明した第1展開例、第2展開例を採用してもよい。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
図8を用いて、第3実施形態に係る耐震補強フレーム80について説明する。
耐震補強フレーム80は、縦枠材18R、18L、上側横部材20U、下側横部材20Dで構成された枠体82の内部に、補強部材が取り付けられていない点において、第1実施形態に係る耐震補強フレーム10と相違する。相違点を中心に説明する。
また、耐震補強フレーム80の下側横枠材20Dは、スラブ16Dの下に配置され、両端部が縦枠材18R、18Lの下端部と、スラブ16Dの下で接合されている。下側横枠材20Dの側面は、梁14Dの側面から張り出した連結部24Dで接合されている(図2参照)。
12R、12L 外周柱
14U、14D 梁
16U、16D スラブ
18R、18L 縦枠材(縦部材)
20U、42U、70U 上側横枠材(横部材)
20D、42D、70D 下側横枠材(横部材)
22、58、94 開口部
24U、24D 連結部(連結部材)
26R、26L ブレース(枠体補強部材)
28 板材
30 既存構造物
32、50、72、82 枠体
34R、34L ブレース(枠体補強部材)
36R、36L 縦材(枠体補強部材)
46R、46L 縦枠材(縦部材)
62 連結部(連結部材)
68R、68L 縦枠材(縦部材)
74R、74L ブレース(枠体補強部材)
Claims (4)
- 外周柱と、前記外周柱に架設された梁と、前記梁に支持されて前記外周柱の外側まで設けられたスラブと、を備えた既存構造物を補強する耐震補強フレームであって、
前記外周柱に側面が接合された一対の縦部材と、
前記スラブの下に設けられ、両端に前記スラブを切り欠いた開口部を貫通した前記縦部材が接合されると共に、下側の前記梁の側面から張り出した連結部材に側面が接合された下側横部材と、両端に前記縦部材が接合されると共に、上側の前記梁の側面から張り出した連結部材に側面が接合された上側横部材と、を有する横部材と、
前記縦部材と前記横部材で矩形状に形成され、前記既存構造物が水平力を受けたとき、前記既存構造物の変形を抑制する枠体と、
を有する耐震補強フレーム。 - 外周柱と、前記外周柱に架設された梁と、前記梁に支持されて前記外周柱の外側まで設けられたスラブと、を備えた既存構造物を補強する耐震補強フレームであって、
前記外周柱に側面が接合された一対の縦部材と、
前記スラブの上に設けられ、両端に前記縦部材が接合されると共に、前記スラブを切り欠き露出させた下側の前記梁に接合されて前記スラブの上面まで延出された連結部材に側面が接合された下側横部材と、両端に前記縦部材が接合されると共に、上側の前記梁の側面から張り出した連結部材に側面が接合された上側横部材と、を有する横部材と、
前記縦部材と前記横部材で矩形状に形成され、前記既存構造物が水平力を受けたとき、前記既存構造物の変形を抑制する枠体と、
を有する耐震補強フレーム。 - 外周柱と、前記外周柱に架設された梁と、前記梁に支持されて前記外周柱の外側まで設けられたスラブと、を備えた既存構造物を補強する耐震補強フレームであって、
前記外周柱に側面が接合された一対の縦部材と、
前記縦部材に両端が接合されると共に、上側の前記梁へ上面が接合された上側横部材と、前記縦部材に両端が接合されると共に、前記スラブを切り欠き露出させた下側の前記梁へ下面が接合された下側横部材と、を有する横部材と、
前記縦部材と前記横部材で矩形状に形成され、前記既存構造物が水平力を受けたとき、前記既存構造物の変形を抑制する枠体と、
を有する耐震補強フレーム。 - 前記枠体には、
前記枠体が水平力を受けたとき、前記枠体の変形を抑制する枠体補強部材が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐震補強フレーム。
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