JP3130971U - 筋交いを菱形に構設した壁面構造用枠体。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木造建築における壁造体の軸組において、土台に直立の2本の柱と梁よりなるラ−メン構造の木枠の四隅を接合点として、筋交いを対角線の位置に添設した従来の耐震構造手法を見直し、より好適な構法により制振機能の向上を図る。
【解決手段】 壁面1を構成する木枠20の剛性を確保するため、筋交い3と木枠20との接合点4を、縦枠の2本の柱5と上枠の梁6と下枠の土台7の中間点とし、接合点4より2本の筋交い3をKトラス状に配設し、4本の筋交い3を継合、連結してなる菱形(◇形)の枠体8を木枠20の中に一体的に添設して、複合構造とすることによって筋交い3が有効に機能(部材強度の向上と隅角θの固定)するので、風や地震などの外力(水平力)が働いた場合、枠組2の揺れや変形が抑制されて壁造躯体の耐震性が向上する。
【選択図】図1
【解決手段】 壁面1を構成する木枠20の剛性を確保するため、筋交い3と木枠20との接合点4を、縦枠の2本の柱5と上枠の梁6と下枠の土台7の中間点とし、接合点4より2本の筋交い3をKトラス状に配設し、4本の筋交い3を継合、連結してなる菱形(◇形)の枠体8を木枠20の中に一体的に添設して、複合構造とすることによって筋交い3が有効に機能(部材強度の向上と隅角θの固定)するので、風や地震などの外力(水平力)が働いた場合、枠組2の揺れや変形が抑制されて壁造躯体の耐震性が向上する。
【選択図】図1
Description
本考案は、木造建築の軸組構造において、壁を構成する枠組の耐震性を高めるため壁面の木枠内に添設する筋交いに関し、詳しくは、木枠と筋交いとの接合点に係わるもの。
木造建築の建造物に風や地震などの外力が加わった場合、壁などを構成する枠組が揺れたり傾いたりするので、その揺れや振動による木枠の変位、変形を抑制するため、従来、図3および図1(点線)のように、壁面を構成する木枠の四隅を接合点(補強材と部材との取付点で、節点ともいう)として、耐震補強材(筋交い)を対角線の位置に斜設するほか、木枠の柱と柱の間に貫を横設したり、梁と土台の間に間柱を並設したりしている。
その貫や間柱を取付けるために、柱や梁や土台などの部材の一部を切欠したり、筋交いと柱を両ねじボルトによって締着しているので、接合点での素材の剛性が損なわれる。
また、構造力学上、木枠の四隅を接合点として筋交いを対角線の位置に斜設した場合、その筋交いは、柱とともに上からの荷重の一部を負担することになり、この状態において、風や地震などの外力(水平横荷重)が累加されると、これを支持する筋交いに圧縮力又は引張力が発生するため、圧縮力を受けた筋交の長さが長いと、筋交いが容易に弯曲するので、壁面の木枠(直方形)が水平方向に変位、変形(平行四辺形)し易くなる。
また、木枠の四隅を接合点として筋交いを斜設した場合、筋交いと部材との節点は、塑性ヒンジ構造(非剛性)なので、外力により発生する圧縮力によって弯曲した筋交いに相対する頂角(隅角θ)が直角から鋭角又は鈍角に変化し、それに伴い、他の内角も変化するので、筋交いの弯曲による隅角の変化が、木枠を容易に平行移動させる誘因となる。
図5は、耐震構造の一例を示す図で、柱と桁と土台より構成された壁面の枠組の内側に別途、縦桟と横桟よりなる木枠に筋交いを対角線上に斜設した矩形の木枠2個を連接状態で壁面内に嵌装した手法「筋交いを固着した木造建築構造用木枠」(文献1)が公報されている。この手法においては、縦桟と横桟を直角に接合させるために、筋交いとの接合点を補助材により固着することによって隅角の変形を抑制している点は評価できるが、この構造においては、壁面の枠組の寸法によって、嵌装する2個の木枠の寸法を決めなければならず、壁面の枠組と嵌装した2個の木枠とが密着しなければ耐震効果が得られないので、木枠材を正確に裁断して枠組する必要があり、施工に手間がかかる点に問題があった。
図6は、柱と上梁と下梁より形成された壁面の枠組の内側に、支持機構として、別途、竪枠と上枠と下枠よりなる木枠に筋交いを菱形に架設した制震パネルを、制震ゴムとブラケットを介して躯体の内側に装着した「制震パネル」(文献2)が公報されている。
この構造においては、筋交いを上枠、下枠の中央から両竪枠の中央に架設することによって、木枠の変形を抑えている点は評価できるが、枠組と制震パネルとを制震ゴムやブラケットなどを介して間椄的に接合、装着しているので、地震や風による建物の揺れや震動力を、装着した制震パネルなどの支持機構がどれほど吸収、抑制することができるか、その制震機能のほか多様な枠材や支持金具を使用するので、その施工性にも問題があった。
実用新案登録第3121319号公報 特開2000−80818号公報
この構造においては、筋交いを上枠、下枠の中央から両竪枠の中央に架設することによって、木枠の変形を抑えている点は評価できるが、枠組と制震パネルとを制震ゴムやブラケットなどを介して間椄的に接合、装着しているので、地震や風による建物の揺れや震動力を、装着した制震パネルなどの支持機構がどれほど吸収、抑制することができるか、その制震機能のほか多様な枠材や支持金具を使用するので、その施工性にも問題があった。
本考案は、従来の耐震構造手法における上記のような問題点を解消するため、筋交いを添設する接合点と構成手法を構造力学の見地より見直し、外力によって筋交いに発生する応力と隅角の変化を抑制することにより耐震構造機能の一層の向上を図るものである。
そのため、従来の筋交い構造における外力により壁面の木枠が傾く(変形)要因を考察の結果、木枠と筋交いが接合する位置と隅角の角度変化が誘因であることが分かった。
よって、本考案は、従来、慣行的に木枠と筋交いの接合点を木枠の四隅としていたものを、木枠を構成する部材(柱、梁、土台)の中間点を接合点とするとともに、各接合点より2本の筋交いをKトラス状に斜設して、木枠内に別途、4本の筋交いを接合点で継合、連結してなる菱形(◇形)の枠体を構成することにより、外力(水平力)によって筋交いが負担する荷重の大きさは変わらないが、筋交いの長さが従来の半分となるので、素材の座屈強度(曲げ耐力)が増し、筋交いが容易に弯曲しなくなる。
また、部材の中間点間を火打ち梁のように橋架した筋交いによって、木枠の四隅に形成される直角三角形の隅角(直角)が固定化するとともに、接合点に取付けた連結金具により継合、連結された4本の筋交いによって形成される菱形の枠体の隅角θ(内角)も固定化され、壁面を構成する木枠の隅角と枠体の隅角が変化しないことから、壁面を構成する枠組の変形要素が大いに抑制されるので、木造建築における壁造躯体が剛性化する。
よって、本考案は、従来、慣行的に木枠と筋交いの接合点を木枠の四隅としていたものを、木枠を構成する部材(柱、梁、土台)の中間点を接合点とするとともに、各接合点より2本の筋交いをKトラス状に斜設して、木枠内に別途、4本の筋交いを接合点で継合、連結してなる菱形(◇形)の枠体を構成することにより、外力(水平力)によって筋交いが負担する荷重の大きさは変わらないが、筋交いの長さが従来の半分となるので、素材の座屈強度(曲げ耐力)が増し、筋交いが容易に弯曲しなくなる。
また、部材の中間点間を火打ち梁のように橋架した筋交いによって、木枠の四隅に形成される直角三角形の隅角(直角)が固定化するとともに、接合点に取付けた連結金具により継合、連結された4本の筋交いによって形成される菱形の枠体の隅角θ(内角)も固定化され、壁面を構成する木枠の隅角と枠体の隅角が変化しないことから、壁面を構成する枠組の変形要素が大いに抑制されるので、木造建築における壁造躯体が剛性化する。
さらに、中間点を接合点として、筋交い2本をKトラス状に配設してなる枠体に水平力(外力)が加わると、従来、対角線上に配設した筋交いが負担していた上からの荷重がなくなり、圧縮力と引張力が筋交いに負荷され、これを2本の筋交いが均等に負担する。
よって、垂直荷重分だけ菱形の枠体の負荷が軽減するので壁面の枠組が強化する。
よって、垂直荷重分だけ菱形の枠体の負荷が軽減するので壁面の枠組が強化する。
さらに、従来のように貫や間柱を取付けたり柱を切欠いたり穿孔したりすることなく、柱や梁や土台の中間の接合点に装着した連結金具に両ねじボルトやスクリュ−ネジを使って4本の筋交いをKトラス状に取り付け、壁面の木枠と菱形の枠体とを一体的に構成して固定化することによって、壁面を構成する壁造躯体の耐震機能と強度が向上する。
筋交いと部材との接合を中間点に移したことにより、以下のような効果が得られる。
(1)筋交いと部材を連結金具により継合するので、取付が簡単で作業性が向上する。
(2)筋交いの長さを短縮して圧縮曲げ応力を軽減するので、部材の強度が向上する。
(3)壁面木枠の四隅において部材と筋交いとを接合しないので、隅角が固定化する。
(4)壁面の木枠内に4本の筋交いを菱形に連結した枠体を構成すことによって両木枠の 隅角θ(内角8箇所)の角度が変化しないので、枠組みが剛性化する。
(5)中間点で筋交い2本をKトラス状に配設することで、筋交いが外力により圧縮力と 引張力のみを負担し、垂直荷重を負担しないので、枠組の載荷機能が向上する。
(6)壁面の木枠材を切欠いたり穿孔したりせず、壁面の木枠と菱形の枠体を一体形成す るので枠組みが堅牢化する。などにより耐震性能が一層向上する。
(1)筋交いと部材を連結金具により継合するので、取付が簡単で作業性が向上する。
(2)筋交いの長さを短縮して圧縮曲げ応力を軽減するので、部材の強度が向上する。
(3)壁面木枠の四隅において部材と筋交いとを接合しないので、隅角が固定化する。
(4)壁面の木枠内に4本の筋交いを菱形に連結した枠体を構成すことによって両木枠の 隅角θ(内角8箇所)の角度が変化しないので、枠組みが剛性化する。
(5)中間点で筋交い2本をKトラス状に配設することで、筋交いが外力により圧縮力と 引張力のみを負担し、垂直荷重を負担しないので、枠組の載荷機能が向上する。
(6)壁面の木枠材を切欠いたり穿孔したりせず、壁面の木枠と菱形の枠体を一体形成す るので枠組みが堅牢化する。などにより耐震性能が一層向上する。
以下、本考案の実施の形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、壁面1の木枠20内に4本の筋交い3よりなる菱形の枠体8を添設した枠組2で、両側の柱5と梁6と土台7の中間点の部材の内面に梯形型の連結金具(I型9、II型10)をスクリュ−ねじで固定し、この連結金具に2本の筋交3いをKトラス状に継合、連結して枠体8を構成するとともに隅角θを固定化する。筋交い3を梁6および土台7に取付ける場合は、I型9金具を、両側の柱5に取付ける場合は、II型10金具を使用する。なお、筋交い3の断面は、長方形で、柱5と同じ幅で、厚みが、その半分の部材を使用する。
図2は、連結金具の形状と取付け状況図で、(a)は、I型9の側面図で、(b)は、その断面図である。また、(c)は、II型10の側面図で、(d)は、その断面図である。また、連結金具と筋交い3および部材との取付けは、スクリュ−ねじまたはスクリュ−ボルトを使用し、2本の筋交い3を(a)のI型9の連結金具により継合、連結する場合は、両ねじボルト11を使用して締着する。
図4は、図1の壁面1の木枠20内に4本の筋交い3を添設してなる菱形の枠体8の中央空間部の壁面1の活用を図るために考案された枠組2であって、接合点4よりKトラス状に配設する上下の筋交い3の長さと隅角θを変化させた変形枠体8内に窓枠08(木枠20)を嵌装して、壁面1を構成する木枠20内に3組の木枠20を一体的に形成した枠組である。この枠組により隅角θの変化も一層抑制されるので、壁造躯体の耐震性が向上する。
建造物補強のため軸組みする鋼構造の壁面や木製建具の面格子や障子、襖などの木枠に本考案の菱形枠体を取り入れれば枠組の制振機能が向上するので効果的である。
Claims (1)
- 木造建築構造において耐震補強のため、壁面を構成する木枠に筋交いを添設する手法において
(イ)木枠と筋交いの接合点を、構成する部材(2本柱と梁と土台)の中間点とする。
(ロ)接合点の部材に連結金具を取付け、これに筋交い2本をKトラス状に配設する。
(ハ)接合点の連結金具に2本の筋交いを継合、連結して、構成した部材を固定する。
(ニ)連結金具と部材および筋交との取付けは、スクリュ−ねじまたはボルトを使う。
(ホ)壁面の木枠内に4本の筋交いによって形成した菱形の枠体を一体的に構成する。
などを特徴とする制振性に富む筋交い構造。
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JP2006009765U JP3130971U (ja) | 2006-11-01 | 2006-11-01 | 筋交いを菱形に構設した壁面構造用枠体。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109339296A (zh) * | 2018-12-07 | 2019-02-15 | 南京林业大学 | 一种木结构抗震墙体 |
CN109706833A (zh) * | 2018-11-10 | 2019-05-03 | 重庆大学 | 一种含屈曲约束支撑的减震刚构桥桥墩 |
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2006
- 2006-11-01 JP JP2006009765U patent/JP3130971U/ja not_active Expired - Fee Related
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