JP2003096911A - 建築物又は建造物の補強構造 - Google Patents

建築物又は建造物の補強構造

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JP2003096911A JP2001287022A JP2001287022A JP2003096911A JP 2003096911 A JP2003096911 A JP 2003096911A JP 2001287022 A JP2001287022 A JP 2001287022A JP 2001287022 A JP2001287022 A JP 2001287022A JP 2003096911 A JP2003096911 A JP 2003096911A
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reinforcing
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Takuzo Nakamura
拓造 中村
Kiyotaka Shichima
清孝 七間
Takaaki Eguchi
孝明 江口
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Nakamura Bussan Co Ltd
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Nakamura Bussan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、防振性能及び耐震性能がより高め
られた建築物又は建造物をを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 建築物又は建造物の一方の構造材(A)
の途中から他方の構造材(B)の途中にかけて、ばね鋼
からなる補強部材が固定されていることを特徴とする建
築物又は建造物の補強構造に係り、ばね鋼が板ばね、重
ね板ばねであり、特に該補強部材が湾曲形状をなすもの
が好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物又は建造物
の補強構造に関し、詳しくは、防振性及び耐震性が強化
された建築物又は建造物の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木造軸組建築物における柱、間柱、土
台、梁及び胴差等の構造材、木造枠組壁構法建築物にお
ける角材等の構造材、鉄骨建築物における鉄骨等の構造
材であって、それら構造材の中で相互に接している2つ
の構造材の間において、筋交いやブレースのほかに、図
6に示すように、一方の構造材10の途中から他方の構
造材11の途中にかけて火打材等の木製又は金属製の補
強部材12を斜めに固定して建築物を補強することが行
なわれているが、これらの補強部材12はいずれも弾性
を有する材料ではない。上記補強部材を有する建築物
は、上記補強部材が存在しない建築物に比べ、耐震性が
向上されている。なお、図6は、従来技術の一例を示す
斜視図である。また、橋梁や鉄塔といった建造物におい
ては、トラス構造を採用して建造物を補強することが行
なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記補
強された建築物又は建造物をねばり強くすることによっ
て、防振性能及び耐震性能をより高いものとすることは
より大きな地震に耐え、さらには大風による揺れが小さ
い建築物又は建造物にするうえで重要である。即ち、本
発明は、防振性能及び耐震性能がより高められた建築物
又は建造物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)建築物
又は建造物の一方の構造材(A)の途中から他方の構造
材(B)の途中にかけて、ばね鋼からなる補強部材が固
定されていることを特徴とする建築物又は建造物の補強
構造に係り、(2)該補強部材が板ばねからなることを
特徴とする上記(1)記載の建築物又は建造物の補強構
造、(3)該板ばねが重ね板ばねであることを特徴とす
る上記(2)記載の建築物又は建造物の補強構造、及び
(4)該補強部材が湾曲状を有することを特徴とする上
記(1)乃至(3)のいずれかに記載の建築物又は建造
物の補強構造、を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき詳細に説明する。図1は木造軸組建築物の土台と柱
が相互に接する箇所と、柱と梁が相互に接する箇所にお
ける本発明の建築物の補強構造の一例を示す部分側面図
であり、図2は図1の要部Pの拡大図であり、図3
(a)は木造軸組建築物の梁と間仕切げたが相互に接す
る箇所における本発明の建築物の補強構造の一例を示す
部分平面図、同図(b)は、図3(a)の部分斜視図で
あり、同図(c)は、図3(b)の要部Rの拡大側面図
である。図4は木造軸組建築物の土台と土台が相互に接
する箇所における本発明の建築物の補強構造の一例を示
す部分平面図であり、図5(a)は、建造物の柱と梁が
相互に接する箇所における本発明の鉄骨建造物の補強構
造の一例を示す部分斜視図であり、同図(b)は、図5
(a)の要部Qの拡大図である。図中、1は基礎を、2
は構造材を、20及び21は土台(構造材)を、22は
柱(構造材)を、23は梁(構造材)を、24は間仕切
げた(構造材)を、3はばね鋼からなる補強部材を、3
0は親板を、31は全長板又は子ばね板を、32はクリ
ップみぞ形支持具を、33は全長板又は子ばね板取付け
部を、4は三角形状の空間を、5は固定具をそれぞれ示
す。
【0006】図1及び図2は、木造軸組建築物の土台2
0と柱22が相互に接する箇所と、柱22と梁23が相
互に接する箇所における本発明の建築物の補強構造を示
している。土台20と柱22が相互に接する箇所では、
土台20の途中から柱22の途中にかけてばね鋼からな
る補強部材3がボルト等の固定具5を使用して固定され
ている。この際、補強部材3は、土台20と柱22に固
定されたときに、三角形状の空間4が形成されるように
なされ、また、補強部材3は、柱22と梁23に固定さ
れたときに、三角形状の空間4が形成されるようになさ
れる。また、柱22と梁23が相互に接する箇所では、
柱22の途中から梁23の途中にかけてばね鋼からなる
補強部材3がボルト等の固定具5を使用して固定されて
いる。尚、木造軸組建築物においては、ボルト等の固定
具5は、補強部材3を固定する際、構造材内(ボルト等
を通すために構造材に設けられた貫通孔内)に接着剤を
充填して構造材と固定具とが接着一体化されていること
が好ましく、そのように接着一体化されていると、構造
材に固定具を通すための穴を設けたことによる強度低下
を極力防止することができる。
【0007】図3は、木造軸組建築物の梁23と間仕切
げた24が相互に接する箇所における本発明の建築物の
補強構造を示している。梁23と間仕切げた24が相互
に接する箇所では、梁23の途中から間仕切げた24の
途中にかけてばね鋼からなる補強部材3がボルト等の固
定具5を使用して、三角形状の空間4が形成されるよう
に固定されている。なお、図3は補強部材3が湾曲状の
補強部材からなり、親板30と子ばね板31からなる重
ね板ばねで構成されている例を示し、湾曲の方向が該三
角形状の空間が狭まるように、すなわち、梁と間仕切り
げたとの交点である角部に向かって湾曲するように固定
される。
【0008】図4は、木造軸組建築物の土台20とそれ
とは別な土台21が相互に接する箇所における本発明の
建築物の補強構造を示している。土台20と土台21が
相互に接する箇所では、土台20の途中から土台21の
途中にかけて、親板30と子ばね板32からなる重ね板
ばねで構成されているばね鋼からなる湾曲状の補強部材
3がボルト等の固定具5を使用して、三角形状の空間4
が形成されるように固定されている。
【0009】図5(a)は、建造物の柱と梁が相互に接
する箇所における本発明の鉄骨造建造物の補強構造の一
例を示す部分斜視図であり、同図(b)は、図5(a)
の要部Qの拡大図である。柱22と梁23が相互に接す
る箇所では、柱22の途中から梁23の途中にかけてば
ね鋼からなる湾曲状の補強部材3がボルト等の固定具5
を使用して、三角形状の空間4が形成されるように固定
されている。尚、湾曲状を呈する補強部材3は、その湾
曲の方向が該三角形状の空間が狭まるように、すなわ
ち、柱と梁との交点である角部に向かって湾曲するよう
に、柱22と梁23に固定されている。なお、図5は補
強部材3が、親板30と子ばね板31からなる重ね板ば
ねで構成されている例を示す。
【0010】上記いずれの態様においても、建築物又は
建造物を形成している構造材の中で相互に接している構
造材の間において、一方の構造材2の途中から他方の構
造材2の途中にかけてばね鋼からなる補強部材3が、三
角形状の空間4が形成されるように固定されている構造
を有している。なお、構造材2の途中とは、図1〜図5
からも明らかなように、一方の構造材と他方の構造材と
のある交点から他の交点までの間における構造材2の長
手方向の途中位置のことをいう。本発明においては、一
方の構造材2の途中から他方の構造材2の途中にかけ
て、ばね鋼からなる補強部材3が固定されている構造を
有しているので大風の際又は周辺で地震が起きた際に、
建築物又は建造物の揺れを小さくできると共に建築物又
は建造物の揺れを吸収して早期に揺れを小さくする働き
をする。また、補強部材3がばね鋼からなるので、補強
部材3の復元力が強いため、補強部材3が変形するよう
な大風又は地震の際にも、水平応力の強弱による変位に
対し、その変形が素早く元に戻るので建築物又は建造物
の揺れも速やかに収まると共に、建築物又は建造物にゆ
がみが起こりにくいという効果を奏し、建築物又は建造
物の耐久性を向上させる効果もある。また、想定を超え
た地震力が働いても建築物又は建造物にねばりが十分に
あり、建築物又は建造物の歪エネルギーで地震エネルギ
ーを吸収し、たとえ建築物又は建造物の変形が大きくな
っても倒壊を避けることができる。したがって、本発明
の建築物又は建造物の補強構造は、従来の木製または金
属製の補強部材3が使用された建築物又は建造物に比
べ、構造材2に対するねじれ変形等の変形を一層小さく
することができるので、建築物又は建造物の耐久性を向
上させることができる。尚、上記したように、一方の構
造材2の途中から他方の構造材2の途中にかけてばね鋼
からなる補強部材3が、三角形状の空間4が形成される
ように固定されていると、ばねの復元力を大きくするこ
とができるので好ましい。
【0011】本発明の補強部材3の形状としては、図3
に示すように、構造材2への固定を容易とする固定部
と、一方の固定部から他方の固定部の間の部分が実質的
に直線状または湾曲状をなすものが好ましく、特に湾曲
状の場合には、構造材2とそれと相互に接する別な構造
材2と補強部材3とで形成される三角形状の空間4が狭
まるように、すなわち、構造材2とそれと相互に接する
別な構造材2との交点である角部に向かって湾曲するよ
うに、補強部材3が構造材2に固定されることが好まし
い。
【0012】本発明のばね鋼からなる補強部材3は、板
ばねからなるものであることが好ましい。板ばねは厚み
の割に力の強いばねとすることができるので好ましい。
また、板ばねの幅方向と、取付けられる構造材の幅方向
とが一致するようにして板ばねからなる補強部材を構造
材に取付けると板ばねの力を効果的に利用できるので好
ましい。ばね鋼からなる補強部材3は復元力が強いた
め、補強部材3が変形するような大風又は地震の際に
も、水平応力の強弱による変位に対し、その変形が素早
く元に戻るので建築物又は建造物の揺れも速やかに収ま
ると共に、建築物又は建造物にゆがみが起こりにくいと
いう効果を奏するが、特に、ばね鋼からなる補強部材が
湾曲状を有する板ばねからからなり、構造材2とそれと
相互に接する別な構造材2と補強部材3とで形成される
三角形状の空間が狭まるように補強部材3が構造材2に
固定されていると、その効果は非常に大きく、その湾曲
がアーチ状の場合は、特にその効果が大きい。この場
合、湾曲状に形成されたばね鋼からなる補強部材3の湾
曲状部分の両端には、前記と同様に、固定部が形成され
ていることが好ましい。また、湾曲状の補強部材では、
補強部材3が変形するような大風又は地震の際にも応力
集中が生じにくいので好ましく、補強部材3が変形する
ような大風又は地震の際にも固定部で応力集中が生じに
くいので好ましい。ばね鋼は、板ばねを予め湾曲状に形
成されたものが用いられるほか、板状のものを用いて構
造材に固定する際に湾曲状に形成することもできる。特
に、ばね鋼からなる補強部材3を木造軸組建築物に使用
し、補強部材3を柱や梁等の構造材2にボルト等の固定
具5で固定すると共に、構造材2内(ボルト等を通すた
めに構造材に設けられた貫通孔内)に接着剤を充填して
該貫通孔内で構造材2と固定具5を接着一体化したもの
では、構造材2に固定具5を通すための穴を設けたこと
による強度低下を極力防止できることはもちろんのこ
と、ばね鋼からなる補強部材3を使用することによっ
て、固定具5が固定される構造材の木部に対する負担が
少なくなり、当該部分への応力集中を防ぐことができる
ので好ましい。
【0013】本発明の建築物又は建造物の補強構造に使
用される板ばねからなる補強部材3は、重ね板ばねで構
成されているものが最も好ましい。重ね板ばねで構成さ
れているものは、補強部材3が大きく変形するような大
風又は地震の際にもその変形を効果的に打ち消すことが
可能となる。また、重ね板ばねからなる場合、親板30
と、それに重合される全長板又は子ばね板31とを全長
板又は子ばね板の長手方向中央部において、例えばリベ
ット等により親板に取付けて両者を組み合わせることが
好ましい。全長板又は子ばね板を親板に取付けるに際し
ては、伸張時の摩擦抵抗によるばね効率を高めるためと
自由振動を止めるために、全長板又は子ばね板31の両
端部が親板30に沿って移動可能に、子ばね板31をク
リップみぞ形支持具32に固定し、クリップみぞ形支持
具が親板を挟持してスライドするように取付けることが
好ましい。重ね板ばねで構成された補強部材3の場合に
は、建築物又は建造物の変形の際、最初の小さい変形力
を親板で受け、それに続く大きな変形を親板と全長板又
は子ばね板の双方で受けるようにでき、これによって建
築物又は建造物の小さな変形から大きな変形までをも比
較的安価なばねで対応が可能となる。また、重ね板ばね
は、親板を共通のものとし、親板とは異なるばね力を有
する全長板又は子ばね板を複数種類用意しておくことが
好ましい。このようにすれば、建築物又は建造物の補強
度合いに応じて、親板に任意のばね力を有する全長板又
は子ばね板を組み合わせることができるので、部品点数
を少なくすることが可能となる。
【0014】以上では、本発明の建築物又は建造物の補
強構造を木造軸組建築物のある一部あるいは鉄骨造建造
物のある一部を例にして説明してきたが、上記した以外
の別な構造材の相互に接する箇所に本発明の建築物又は
建造物の補強構造を形成することもできる。本発明にお
いては、構造材の相互に接する箇所の全てに本発明の建
築物の補強構造を形成することもできるが、通常は、構
造材の相互に接する箇所で、窓等を形成するために筋交
い等の補強ができない箇所の一部または大部分又は全部
に本発明の建築物又は建造物の補強構造を形成すること
が好ましい。本発明の建築物又は建造物の補強構造は、
建築物又は建造物を形成している構造材の中で相互に接
している構造材の間において、一方の構造材の途中から
他方の構造材の途中にかけて補強部材を固定するので、
窓等を形成するために筋交い等の補強ができない箇所に
も導入することが可能である。また、建築物又は建造物
の構造材の相互に接する箇所のうち、補強が必要な箇所
にのみ本発明補強構造を形成することも可能である。
【0015】本発明の補強構造を建築物又は建造物の水
平方向に走る構造材間に設けた場合には大風の際の又は
地震時の横揺れに対して耐性を増し、本発明の補強構造
を建築物又は建造物の水平方向に走る構造材と垂直方向
に走る構造材間に設けた場合には大風の際の又は地震時
の縦揺れに対して耐性を増すことになる。よって、本発
明の補強構造を建築物又は建造物の水平方向に走る構造
材間と、建築物の水平方向に走る構造材と垂直方向に走
る構造材間の双方に設けることが好ましい。
【0016】以上では、主として木造軸組建築物を例に
挙げて説明してきたが、木造枠組壁構法建築物において
は角材等の構造材が存在し、鉄骨造建築物又は鉄骨造建
造物又は鉄骨コンクリート造建築物においては鉄骨等の
構造材が存在し、鉄筋コンクリート造建造物においては
鉄筋を配置した構造材又は剪断補強材の鋼板や炭素繊維
強化された構造材(CFRP)が存在するので、これら
建築物や建造物に対しても木造軸組建築物の例と同様に
して本発明の補強構造を導入することができる。
【0017】
【発明の効果】請求項1記載の建築物又は建造物の補強
構造では、建築物又は建造物の一方の構造材(A)の途
中から他方の構造材(B)の途中にかけて、ばね鋼から
なる補強部材が固定されているので周辺で地震が起きた
際または大風の際に、建築物又は建造物の揺れを小さく
できると共にばね鋼からなる補強部材が建築物又は建造
物の揺れを吸収して早期に揺れを小さくする働きをす
る。また、ばね鋼からなる補強部材の存在により、建築
物又は建造物の揺れに際しての変形の全部又は大部分は
元通りに戻る。したがって、本発明の建築物又は建造物
の補強構造は、従来の木製又は金属製の補強部材で補強
された建築物又は建造物に比べ、構造材に対するねじれ
変形等の変形を一層小さくすることができるので、建築
物又は建造物の耐久性を向上させることができる。
【0018】請求項2記載の建築物又は建造物の補強構
造では、補強部材が板ばねからなるものである。板ばね
は厚みの割に力の強いばねとすることができるので好ま
しい。また、板ばねの幅方向と、取付けられる構造材の
幅方向とが一致するようにして板ばねからなる補強部材
を構造材に取付けると板ばねの力を効果的に利用できる
ので好ましい。板ばねからなる補強部材3は復元力が強
いため、補強部材3が変形するような大風又は地震の際
にも、水平応力の強弱による変位に対し、その変形が素
早く元に戻るので建築物又は建造物の揺れも速やかに収
まると共に、建築物又は建造物にゆがみが起こりにくい
という効果を奏するが、特に、補強部材が湾曲状を有す
る板ばねからからなり、構造材2とそれと相互に接する
別な構造材2と補強部材3とで形成される三角形状の空
間が狭まるように補強部材3が構造材2に固定されてい
ると、その効果は非常に大きく、その湾曲がアーチ状の
場合は、特にその効果が大きい。
【0019】請求項3記載の建築物又は建造物の補強構
造では、補強部材が板ばねが重ね板ばねからなることを
特徴とするものである。重ね板ばねからなるものは、補
強部材3が大きく変形するような大風又は地震の際にも
その変形を効果的に打ち消すことが可能となる。また、
重ね板ばねは、親板を共通のものとし、親板とは異なる
ばね力を有する全長板又は子ばね板を複数種類用意して
おくことが好ましい。このようにすれば、建築物又は建
造物の補強度合いに応じて、親板に任意のばね力を有す
る全長板又は子ばね板を適宜組み合わせて使用すること
ができるので、部品点数を少なくすることが可能とな
る。また、重ね板ばねからなる場合、親板と、全長板又
は子ばね板を、伸張時に摩擦抵抗によるばね効率を高め
るために、全長板又は子ばね板の両端部が親板に沿って
移動可能にクリップみぞ形支持具に子ばね板を固定し、
クリップみぞ形支持具が親板を挟持してスライドするよ
うに取りつけることにより、建築物又は建造物の変形の
際、最初の小さい変形力を親板で受け、それに続く大き
な変形を親板と全長板又は子ばね板の双方で受けるよう
にでき、これによって建築物又は建造物の小さな変形か
ら大きな変形までをも比較的安価なばねで対応すること
が可能となる。
【0020】請求項4記載の建築物又は建造物の補強構
造では、補強部材が湾曲状を有することを特徴とするも
のである。湾曲状の補強部材では、補強部材3が変形す
るような大風又は地震の際にも応力集中が生じにくいの
で好ましく、補強部材3が変形するような大風又は地震
の際にも固定部で応力集中が生じにくいので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】木造軸組建築物の土台と柱が相互に接する箇所
と、柱と梁が相互に接する箇所における本発明の建築物
の補強構造の一例を示す部分側面図である
【図2】図1の要部Pの拡大図である。
【図3】(a)は、木造軸組建築物の梁と間仕切げたが
相互に接する箇所における本発明の建築物の補強構造の
一例を示す部分平面図、(b)は、(a)の部分斜視
図、(c)は図3(b)の要部Rの拡大側面図である。
【図4】木造軸組建築物の土台と土台が相互に接する箇
所における本発明の建築物の補強構造の一例を示す部分
平面図である。
【図5】(a)は、建造物の柱と梁が相互に接する箇所
における本発明の建造物の補強構造の一例を示す部分斜
視図であり、(b)は、(a)の要部Qの拡大図であ
る。
【図6】従来技術の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基礎 2 構造材 3 補強部材 30 親板 31 全長板又は子ばね板 32 クリップみぞ形支持具 4 三角形状の空間 5 固定具 20、21 土台(構造材) 22 柱(構造材) 23 梁(構造材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 七間 清孝 東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビ ル 株式会社ジェイエスピー内 (72)発明者 江口 孝明 東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビ ル 株式会社ジェイエスピー内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA18 AB11 AC23 AG03 AG12 BA54 BB02 BB03 BB32 CA05 CA63 EA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物又は建造物の一方の構造材(A)
    の途中から他方の構造材(B)の途中にかけて、ばね鋼
    からなる補強部材が固定されていることを特徴とする建
    築物又は建造物の補強構造。
  2. 【請求項2】 補強部材が板ばねからなることを特徴と
    する請求項1記載の建築物又は建造物の補強構造。
  3. 【請求項3】 板ばねが重ね板ばねであることを特徴と
    する請求項2記載の建築物又は建造物の補強構造。
  4. 【請求項4】 補強部材が湾曲状を有することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれかに記載の建築物又は建造
    物の補強構造。
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