JPH10306524A - 靱性壁部材及び靱性壁体構造並びに壁体施工方法 - Google Patents

靱性壁部材及び靱性壁体構造並びに壁体施工方法

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JPH10306524A
JPH10306524A JP9115397A JP11539797A JPH10306524A JP H10306524 A JPH10306524 A JP H10306524A JP 9115397 A JP9115397 A JP 9115397A JP 11539797 A JP11539797 A JP 11539797A JP H10306524 A JPH10306524 A JP H10306524A
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tough wall
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JP9115397A
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Seijiro Tsutsui
清治郎 筒井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度の高い壁を形成できる靱性壁部材及び靱
性壁体構造並びに壁体施工方法を提供する。 【構成】 複数の筋交20及び22が格子状に交叉させ
られつつ互いに固定されて形成された補強部材23を、
枠部材28内に固定することにより、靱性壁部材10を
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋等の建築にお
いて、壁を施工するための靱性壁部材及び靱性壁体構造
並びに壁体施工方法。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来から、家屋等の建
築において、靱性壁部材を予め製造しておき、この靱性
壁部材を複数個組み合わせて壁を施工するツーバイフォ
ー工法(枠組壁工法)が利用されている。このような工
法に使用される靱性壁部材の一例として、靱性壁部材6
0を図11に示す。この靱性壁部材60は、2本の縦部
材64及び2本の横部材66から成る枠部材67と、2
本の横部材66に掛け渡された補強部材62とから構成
されている。このような靱性壁部材60は、縦部材64
と平行な方向(以下、柱材と平行な方向を縦方向とい
う。)からの外力に対しては、横部材66及び補強部材
62により支えられるために、耐久性があるといえる
が、横部材66と平行な方向(以下、横架材と平行な方
向を横方向という。)からの外力に対しては、耐久性は
殆どない状態だった。
【0003】そこで、図12に示すように、靱性壁部材
60の枠部材68を壁板(板状部材)70に固定するこ
とにより耐久性を上げていた。すなわち、縦部材64及
び横部材66を壁板70に固定することにより、枠部材
68の形状が変形しないように補強を行っているのであ
る。しかし、このような壁板70に枠部材68を固定し
て補強を行う場合は、靱性壁部材60の耐久性は壁板7
0の耐久性に左右されることになり、耐久性をもたせる
ためには壁板70の厚さを分厚くすること等が必要とな
ってくる。そのため、壁板70の厚さが分厚くなり、壁
板70に用いる材量が増えてコストが高くなったり、壁
板70の重量が増えて作業性が悪くなったりする等の問
題がある。
【0004】また、他の方法として、例えば図13に示
すような、2本の縦部材74及び2本の横部材76から
成る枠部材78内にX字状の筋交72を設けたものもあ
る。このように、枠部材78内にX字状の筋交72を設
けることにより枠組78の構造をより強固にしている。
これにより、縦方向からの外力に対しても横方向からの
外力に対しても耐久性を高めることができる。
【0005】しかし、これらの筋交72は、その長さが
縦部材74や横部材76よりも長くなってしまうことも
あり、長さが長くなるほど筋交72自身の耐久性は悪く
なり、強度を上げるためには、筋交72を太くする必要
がある。更に、筋交72に加わる力の全てが、その端部
にかかるため、筋交72の負担が大きく、場合によって
は、枠部材78から外れてしまうという問題があった。
【0006】そこで、本発明者は、このような課題を解
決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の靱性壁部材の要
旨とするところは、3本以上又は2対以上の筋交が、4
角形状をなす枠部材内に斜め方向に固定されたことにあ
る。ここに、靱性とは、負荷に対する粘り強さをいう。
【0008】このような靱性壁部材は、枠部材に筋交が
固定されることにより、工場等において、所定の数量製
造され、家屋等の施工現場まで運搬される。施工現場ま
で運搬されると、互いに組み合わされつつ、基礎構造体
の上に立設させられ、枠部材内に内装材が埋め込まれて
固定され、家屋等の壁が形成される。
【0009】このようにして靱性壁部材によって形成さ
れた壁は、3本以上又は2対以上の筋交が斜め方向に固
定された状態となっている。3本以上又は2対以上の筋
交が斜め方向に固定された状態となっているため、地震
や台風等によって、壁に振動や衝撃等が負荷された場合
であっても、筋交の靱性により靱性壁部材の強度が保た
れ、壁及び家屋が変形したり破損することがない。具体
的には、地震等の際には、壁に上下、左右又は斜め方向
に圧縮力、引っ張り力又は曲げモーメントが負荷され、
枠部材を変形させるような力が作用することとなるが、
高い靱性を有する筋交の張力によって枠部材の形状が保
たれる。すなわち、本発明の靱性壁部材は、高い靱性を
有し圧縮方向に強いという木造筋交の特性を効果的に利
用して、靱性壁部材自体の靱性を高めるものである。特
に、本発明の靱性壁部材は3本以上又は2対以上の筋交
を有しているため、外力がこれらの筋交に分散され、靱
性壁部材の強度は高められる。また、筋交が枠部材に対
して斜め方向に固定されているため、上下、左右又は斜
め方向の、あらゆる方向からの外力にも耐えることが可
能となる。このように、本発明の靱性壁部材を使用した
家屋は、壁及び家屋全体の靱性強度が向上させられる。
【0010】また、本発明の靱性壁部材の要旨とすると
ころは、前記靱性壁部材において、前記枠部材及び前記
補強部材の略全体に渡って板状部材が接合されたことに
ある。
【0011】このような靱性壁部材は、複数の筋交が格
子状に交叉させられつつ互いに固定されて形成された補
強部材によって補強されているため、板状部材を薄く構
成した場合であっても、強度が十分に確保される。
【0012】また、本発明の靱性壁部材の要旨とすると
ころは、前記靱性壁部材において、前記複数の筋交のそ
れぞれに複数の係合部が設けられ、該複数の筋交の係合
部同志が係合させられることにより、該複数の筋交が格
子状に交叉させられることにある。
【0013】このような靱性壁部材は、複数の筋交の係
合部同志が係合させられることにより、複数の筋交同志
が強固に固定されており、靱性壁部材全体の強度をより
向上させることができる。具体的には、複数の筋交は互
いに固定されているため、靱性壁部材に縦方向又は横方
向に力が負荷された場合に、板状部材が1個の格子単位
で歪むこととなり、板状部材が歪み難くなる。また、補
強部材が格子状に構成されているため、縦方向及び横方
向等からの外力に対して耐久性が高められる。
【0014】また、本発明の靱性壁体構造の要旨とする
ところは、少なくとも2本の鉛直方向の柱部材と、該柱
部材間に斜め方向に固定される3本以上又は2対以上の
筋交とを備えたことにある。
【0015】このような靱性壁体構造は、まず、土台部
材上に柱部材が立設され、次に、複数の筋交が互いに固
定されて形成された補強部材が2本の柱部材の間に固定
されて形成される。
【0016】また、本発明の壁体施工方法の要旨とする
ところは、3本以上又は2対以上の筋交を、立設された
2本の柱部材の間に斜め方向に固定する補強工程を含む
ことにある。
【0017】このような壁体施工方法による靱性壁体構
造は、土台部材上に柱部材を立設しておき、次に、複数
の筋交によって形成された補強部材を2本の柱部材の間
に固定する補強工程を経て形成される。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る靱性壁部材及
び靱性壁体構造並びに壁体施工方法の実施の形態につい
て、図面に基づいて詳しく説明する。
【0019】図1及び図2において、符号10は、本発
明に係る靱性壁部材である。この靱性壁部材10は、複
数の筋交20及び22が格子状に交叉させられつつ互い
に固定されて形成された補強部材23が、4角形状をな
す枠部材28内に固定されて構成されている。また、枠
部材28及び補強部材23の全体に渡って板状部材29
が接合されている。なお、補強部材23によって十分に
枠部材28を補強できるため、板状部材29を備えない
ように構成しても良い。枠部材28は平行に配置された
同じ長さの2本の縦部材24と、縦部材24の端部間に
連結された2本の横部材26とから構成され、略長方形
状に形成されている。なお、縦部材24及び横部材26
は断面が長方形状の角柱に形成されている。そして、枠
部材28内には縦部材24及び横部材26に対して略4
5°に傾斜させて、格子状に配置した筋交20及び22
が設けられている。
【0020】ここで、補強部材23を構成する筋交20
及び22には、図3に示すように、交差部においてお互
いを噛み合わすことができるように、それぞれに係合部
30,32が設けられている。そして、図1に示すよう
に、交差部で互いに交わる筋交20及び22同志を係合
させながら、格子状に斜交した状態に筋交20及び22
が固定されている。なお、筋交20及び22は、釘又は
ピン等が筋交20又は22から縦部材24又は横部材2
6へ打ち込まれることにより、枠部材28へ固定されて
いる。また、筋交20及び22に設けられる係合部30
及び32は、筋交20及び22の一定側面部に設けら
れ、平行に配置された筋交20及び22は全て係合部3
0及び32の向きを揃えて配置されている。また、筋交
20及び22の材質は、加工が容易であるとともに軽量
である木材が好ましいが、金属や樹脂であっても良い。
【0021】このような靱性壁部材10は、枠部材28
に補強部材23及び板状部材29が固定されることによ
り、工場等において、所定の数量製造され、家屋等の施
工現場まで運搬される。施工現場まで運搬されると、互
いに組み合わされつつ、基礎構造体の上に立設させら
れ、家屋等の壁が形成されていく。ここで、一の靱性壁
部材10の縦部材24が他の靱性壁部材10の縦部材2
4にボルト、釘又はピン等によって固定されることによ
り、靱性壁部材10同志が組み合わせられていく。ま
た、靱性壁部材10の横部材26が基礎構造体にボル
ト、釘又はピン等によって固定されることにより、靱性
壁部材10が基礎構造体に固定されていく。なお、靱性
壁部材10は、通常、板状部材29が外側に向けられて
立設される。また、壁全体に渡って靱性壁部材10を使
用する必要はなく、高い強度の必要となる部分にのみ靱
性壁部材10を使用しても良い。
【0022】基礎構造体の上に靱性壁部材10が立設さ
れると、枠部材28内に内装材が埋め込まれて固定され
る。ここで、内装材とは、断熱材、モルタル又は壁土等
を言う。このようにして靱性壁部材10によって壁が形
成されつつ、家屋が形成されていく。すなわち、本発明
の靱性壁部材10は、主として、家屋の建築のツーバイ
フォー工法に使用されるものである。
【0023】このような靱性壁部材10によれば、複数
の筋交20及び22が格子状に交叉させられつつ互いに
固定されて形成された補強部材23が、枠部材28内に
固定されているため、靱性壁部材10全体の強度を向上
させることができる。具体的には、本発明の靱性壁部材
10によって形成された壁は、複数の筋交20及び22
が格子状に交叉させられつつ互いに固定された補強部材
23を含んだ状態となっているため、地震や台風等によ
って、壁に振動や衝撃等が負荷された場合であっても、
筋交20及び22の靱性により靱性壁部材10の強度が
保たれ、壁及び家屋が変形したり破損することがない。
すなわち、地震等の際には、壁に上下、左右又は斜め方
向に圧縮力、引っ張り力又は曲げモーメントが負荷さ
れ、枠部材28を変形させるような力が作用することと
なるが、高い靱性を有する筋交20及び22によって枠
部材28の形状が保たれる。例えば、図1において、靱
性壁部材10の上部に左から右への力が負荷された場合
には、筋交20に圧縮力が負荷されるが、筋交20の靱
性によって形状が保たれる。一方、図1において、靱性
壁部材10の上部に右から左への力が負荷された場合に
は、筋交22に圧縮力が負荷されるが、筋交22の靱性
によって形状が保たれる。特に、本発明の靱性壁部材1
0は多数の筋交20及び22を有しているため、外力が
これらの筋交20及び22に分散され、靱性壁部材10
の強度は高められる。また、筋交20及び22が斜め方
向に固定されているため、上下、左右又は斜め方向の、
あらゆる方向からの外力にも耐えることが可能となる。
【0024】また、複数の筋交20及び22は互いに固
定されており、靱性壁部材10に縦方向又は横方向に力
が負荷された場合に、板状部材29が1個の格子単位で
歪むこととなる。このため、補強部材の備えられていな
い靱性壁部材、又は補強部材が備えられていても筋交が
互いに固定されていない靱性壁部材のように板状部材全
体が歪む場合よりも歪みが小さくなる。
【0025】また、本発明の靱性壁部材10によれば、
補強部材23によって枠部材28を十分に補強できるた
め、板状部材29を薄く構成することができる。また、
本発明の靱性壁部材10によれば、補強部材23が格子
状に構成されているため、縦方向及び横方向等からの外
力に対して耐久性を高めることができる。
【0026】また、本発明の靱性壁部材10に設けられ
た筋交20及び22の斜交部においては、それぞれに設
けられた係合部30及び32を互いに噛み合わせた状態
で補強を行っている。そのため、各交差部において筋交
20,22同志が固定された状態となっており、筋交2
0及び22の支点間の長さが実質的に短くなり、その
分、耐久性は向上する。
【0027】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明に係る靱性壁部材はその他の態様でも実施し
得るものである。例えば、図4に示すような靱性壁部材
72であっても良い。この靱性壁部材72は、複数の筋
交74及び76が格子状に交叉させられつつ互いに固定
されて形成された補強部材78が、4角形状をなす枠部
材82内に固定されて構成されている。ここで、筋交7
4は、図4(b)に示すように、上面及び下面に交互に
係合部80が設けられている。また、筋交76にも、同
様に、上面及び下面に交互に係合部が設けられており、
この係合部同志が噛み合わせられることにより、補強部
材78が構成されている。
【0028】また、筋交の数は特に限定されず、任意の
数にすることができる。例えば、図5に示すように、5
本の筋交40及び5本の筋交42を備える靱性壁部材1
2であっても良い。このような筋交40及び42から成
る補強部材43であっても、枠部材48の強度をより高
めることができる。
【0029】また、筋交の傾斜角度は特に限定されず、
任意角度とすることができる。例えば、図6に示すよう
に、筋交50及び52が垂直に交わらず、鋭角に交わる
ように構成した靱性壁部材14であってもよい。このよ
うな筋交50及び52から成る補強部材53であって
も、枠部材58の強度をより高めることができる。
【0030】また、本発明の靱性壁部材の立設方法は、
特に限定はされない。例えば、図7(a)に示すよう
に、柱部材38の間に嵌め込んで立設しても良く、又
は、図7(b)に示すように、隣接させて立設しても良
い。なわち、本発明の靱性壁部材10は、それ自体が高
い強度を有するものであり、種々の組み合わせ方法によ
っても、強度を保持できるものである。
【0031】また、本発明の靱性壁部材は、図8に示す
ような靱性壁部材129であっても良い。この靱性壁部
材129は、縦部材130、132及び横部材133か
ら成る枠部材127と、枠部材127内に固定され、筋
交135a、135b及び137から成る2個の補強部
材131とから構成されている。なお、筋交135a
は、他の筋交135b及び137よりも太く構成されて
いる。
【0032】このような靱性壁部材129の立設方法の
一例を、図8に示す。図9(a)に示す立設方法は、靱
性壁部材129を柱部材100の間に嵌合するととも
に、板状部材134を柱部材100に接合しつつ補強部
材131に接合する方法である。図9(b)に示す立設
方法は、靱性壁部材129を柱部材100の間に嵌合す
るとともに、板状部材134を柱部材100の溝に嵌合
しつつ補強部材131に接合する方法である。なお、こ
れらの立設方法は一例であり、他の立設方法によって靱
性壁部材129を立設しても良い。
【0033】次に、本発明に係る靱性壁体構造及び壁体
施工方法について説明する。図10において、符号60
は、本発明に係る靱性壁体構造である。この靱性壁体構
造60は、少なくとも2本の鉛直方向の柱部材62と、
複数の筋交64及び66が格子状に交叉させられつつ互
いに固定されて形成され、柱部材62間に固定される補
強部材68とを備えて構成されている。
【0034】このような靱性壁体構造60は、まず、土
台部材70上に柱部材62を立設しておき、次に、複数
の筋交64及び66によって形成された補強部材68を
2本の柱部材62の間に固定する補強工程を経て形成さ
れる。なお、補強部材68を形成する筋交64及び66
の柱部材62への固定は、釘、ボルト又はピン等によっ
て行われる。
【0035】以上、本発明に係る靱性壁部材、靱性壁体
構造及び壁体施工方法の実施例について、図面に基づい
て種々説明したが、本発明は図示した靱性壁部材、靱性
壁体構造及び壁体施工方法に限定されるものではない。
例えば、本発明の靱性壁部材は、ツーバイフォー工法に
利用されることには限定されず、他の工法に利用しても
良い。また、本発明の靱性壁部材、靱性壁体構造及び壁
体施工方法によって建築する家屋、店舗、ビル等の建築
物は、鉄骨建築物、軽量鉄骨建築物、木造建築物、その
他の建築物等、特に限定されることはない。また、補強
部材を形成する複数の筋交は、係合部を噛み合わせるだ
けでなく、接着剤で接着したり、釘を打ち込んだりして
組み合わせることもできる。また、筋交同志は固定しな
くとも、靱性壁部材又は靱性壁体構造の強度を十分に確
保できる程度であれば良い。また、筋交の本数は特に限
定されず、3本以上又は2対以上であり、靱性壁部材又
は靱性壁体構造の強度を十分に確保できる程度であれば
良い。また、補強部材は、構成する複数の筋交を互いに
固定せずに、当接させ、端部を枠部材に固定するのみで
あっても良い。このような補強部材であっても、ある程
度強度を高めることができる。また、筋交は、上述のよ
うに、枠部材に対して斜め方向に固定されるものに限定
されず、鉛直及び平行方向に配列して枠部材に対して真
直方向に固定しても良い。
【0036】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を
加えた態様で実施できるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明の靱性壁部材によれば、この靱性
壁部材を使用して壁を形成することにより、壁及び家屋
の強度を向上させることができる。例えば、地震や台風
等によって、壁に振動や衝撃等が負荷された場合であっ
ても、筋交の靱性により靱性壁部材の強度を保つことに
より、壁及び家屋が変形したり破損することを防止でき
る。すなわち、地震等の際には、壁に上下、左右又は斜
め方向に圧縮力、引っ張り力又は曲げモーメントが負荷
され、枠部材を変形させるような力が作用することとな
るが、高い靱性を有する筋交によって枠部材の形状を保
つことにより、壁が変形したり破損するのを防止して家
屋全体の耐久性や安全性を高めることができる。また、
本発明の靱性壁部材は3本又は2対以上の筋交を有して
いるため、外力をこれらの筋交に分散させることによ
り、靱性壁部材の強度を高めることができる。また、筋
交が斜め方向に固定されているため、上下、左右又は斜
め方向の、あらゆる方向からの外力にも耐えることが可
能となる。このため、地震や台風等、あらゆる自然現象
に対応し得る家屋を建築することができ、耐震性、耐風
性、安全性及び耐久性に優れた家屋を建築することがで
きる。
【0038】また、枠部材及び補強部材の略全体に渡っ
て板状部材が接合されたことを特徴とする本発明の靱性
壁部材によれば、補強部材によって枠部材を十分に補強
できるため、板状部材を薄く構成することができる。
【0039】また、複数の筋交のそれぞれに複数の係合
部が設けられ、複数の筋交の係合部同志が係合させられ
ることにより、複数の筋交が格子状に交叉させられるこ
とを特徴とする本発明の靱性壁部材によれば、複数の筋
交が格子状に交叉させられつつ互いに固定されて形成さ
れた補強部材が、枠部材内に固定されているため、靱性
壁部材全体の強度を向上させることができる。また、本
発明の靱性壁部材によれば、補強部材が格子状に構成さ
れているため、縦方向及び横方向等からの外力に対して
耐久性を高めることができる。また、それぞれに設けら
れた係合部を互いに噛み合わせて補強部材を構成してい
るため、補強部材自体の強度をも向上させることができ
る。
【0040】また、本発明の靱性壁体構造によれば、3
本又は2対以上の筋交が、柱部材内に固定されているた
め、靱性壁部材全体の強度を向上させることができる。
また、本発明の靱性壁体構造によれば、補強部材が格子
状に構成されているため、縦方向及び横方向等からの外
力に対して耐久性を高めることができる。
【0041】また、本発明の壁体施工方法によれば、複
数の筋交が格子状に交叉させられつつ互いに固定されて
形成された補強部材を有する靱性壁体構造を形成するこ
とができる。このため、従来の靱性壁体構造よりも強度
及び耐久性に優れた靱性壁体構造を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靱性壁部材の実施の形態を示す斜
視図である。
【図2】図1に示す靱性壁部材の正面図である。
【図3】図1に示す靱性壁部材の組み立て方法を説明す
るための一部拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る靱性壁部材の他の実施形態を示す
図であり、同図(a)は正面図であり、同図(b)は一
部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る靱性壁部材の更に他の実施形態を
示す正面図である。
【図6】本発明に係る靱性壁部材の更に他の実施形態を
示す正面図である。
【図7】同図(a)及び(b)は、本発明に係る靱性壁
部材の更に他の実施形態を示す正面図である。
【図8】本発明に係る靱性壁部材の更に他の実施形態を
示す正面図である。
【図9】同図(a)及び(b)は、図8に示す靱性壁部
材の使用状態を示す平面断面図である。
【図10】本発明に係る靱性壁体構造の実施形態を示す
正面図である。
【図11】従来の靱性壁部材を示す正面図である。
【図12】図8に示す靱性壁部材の側面図である。
【図13】従来の靱性壁部材を示す正面図である。
【符号の説明】
10,12,14,72,129:靱性壁部材 20,22,74,76,40,42,50,52,1
35a,135b,137,64,66;筋交 23;78,43,53,131,68;補強部材 28,48,58,127;枠部材 29;板状部材 62;柱部材 60;靱性壁体構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 622 E04B 2/56 622B 622H 643 643A 651 651D 651S 652 652H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3本以上又は2対以上の筋交が、4角形
    状をなす枠部材内に斜め方向に固定されたことを特徴と
    する靱性壁部材。
  2. 【請求項2】 前記枠部材及び前記補強部材の略全体に
    渡って板状部材が接合されたことを特徴とする請求項1
    に記載する靱性壁部材。
  3. 【請求項3】 前記複数の棒状部材のそれぞれに複数の
    係合部が設けられ、該複数の棒状部材の係合部同志が係
    合させられることにより、該複数の棒状部材が格子状に
    交叉させられることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載する靱性壁部材。
  4. 【請求項4】 少なくとも2本の鉛直方向の柱部材と、
    該柱部材間に斜め方向に固定される3本以上又は2対以
    上の筋交とを備えたことを特徴とする靱性壁体構造。
  5. 【請求項5】 3本以上又は2対以上の筋交を、立設さ
    れた2本の柱部材の間に斜め方向に固定する補強工程を
    含むことを特徴とする壁体施工方法。
JP9115397A 1997-05-06 1997-05-06 靱性壁部材及び靱性壁体構造並びに壁体施工方法 Withdrawn JPH10306524A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014234646A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 積水ハウス株式会社 耐力壁及び住宅
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JP2023016284A (ja) * 2021-07-21 2023-02-02 株式会社ホルツストラ一級建築士事務所 耐力壁の製造方法及び耐力壁

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