JP3981267B2 - 耐震補強方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存の木造建築物の耐震補強方法に関し、在来工法及び2×4工法等の工法に拘わらず木造建築物に適用可能なものである。
【0002】
2×4(ツーバイフォー)工法は、壁を組み合わせて建築物を構築するものであり、在来工法の軸組工法に比較して高い剛性を建築物に与え、地震に強い構造物である。
【0003】
2×4工法に於いて、耐震性など建築物の強度を大きなものとするための基本は、耐震壁の量とそのバランスの取れた配置が重要である。耐震壁が建築物全体から見て偏在していると、地震力等が作用したときに壁の少ない部分が捻れるようになって建築物が破壊されるという場合が考えられる。また、2階建てにおいて、2階と1階の耐震壁の連続性についても考慮する必要がある。
在来工法において柱、梁の断面を大きくしたり、2×4工法で耐震壁量を多くしたり、2×6工法として耐震性能を増強すると、構造材が多くなっただけ材料を多く使用することになり、コストがかかるという問題がある。
本発明はコスト増加を抑えながら耐震性を大幅に向上させようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、既存の建築物の角部のみに耐震エレメントを設けるという建築物の限定した部分のみ補強することにより建築物全体としての耐震性能を向上させるものである。耐震エレメントは、角材を枠状にしたものでL型であり、必要に応じて木づり(桟材)、筋交い等の補強材を組み合わせ、枠材の少なくとも片面に構造用面材が固定してあり、低コストで耐震性能を大きく向上させることができる。
また、建築物の角部のみに設けた耐震エレメントは、基礎から建築物の軒高の途中までとした場合でも耐震性能は改善される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の基本的考え方は、図1に示すように、木造建築物の角部に耐震エレメント1を設けたものである。耐震エレメント1は、枠材の少なくとも片面に構造用合板を固定したもので、建築物の角部にL型に配置して建築物の隅部を限定的に補強することにより、建築物全体としての耐震性を向上させたものである。耐震エレメント1は、構造壁10や柱に釘、スタッド等適宜の手段で固定し、木造建築物本体と一体化する。
【0006】
角部を補強することにより、建築物の耐震性能がどれほど向上するかをシミュレーションによって示す。
【0007】
建築物については、2Dエレメントを用い、外周部を2×4工法の構造パネルから構成されている整形な矩形モデルを用い、地震力を想定した静的な水平力に対する解析をおこなった。作用地震力は構造パネルが弾性限耐力に達する大きな変位(層間変位1/150)を生じさせると推定される入力地動加速度が250gal(震度6弱程度)とした。
【0008】
従来の2×4工法建築物の耐震性能を向上させるため付加する耐震エレメントは2×4工法枠材に構造用合板を両面に配置したものとし、これを図1及び図2のに示すように建築物の四隅に配置したものであり、補強範囲は、角から0.3〜3m程度とする。
【0009】
また、最大級地震の発生を想定し、入力地動加速度が400gal(震度7)を想定し、有限要素法を使用して建築物モデルに水平加力を与えた場合についても建築物の終局耐力を比較した。
解析結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
表1からわかるように、本発明の補強2×4工法のせん断応力度が一番小さく、耐震性能の向上がかなり大きなことが判明した。
また、表1には構造用合板の弾性限せん断応力度及び終局時せん断応力度を示してある。各工法のシミュレーション値はそれらの値を超えることなくクリアしているが、本発明の補強2×4工法が限界値までのマージンが大きく、余裕があることがわかる。
【0012】
図3は、耐震エレメント1を設ける場合の基礎2の実施例の平面図であり、耐震エレメント1を設置する部分の基礎幅を拡幅してある。この基礎2上に耐震エレメント1が設置され、建築物の構造壁10に釘等の固定具によって一体化してある。
【0013】
図4〜図7に示すものは、在来工法の既存の二階建の木造建築物に本発明を適用して補強した例である。
既存の建築物の角部の外装を撤去し、既存の基礎2の角に沿って新たにL字型の基礎21を設置する。新旧の基礎は、アンカー筋等で一体化し、新たな基礎21の上に土台3を設置する。新旧の基礎を一体化せずに独立した基礎としてもよく、なお、外装を撤去することなく耐震エレメントを取り付けてもよく、また、新基礎は完全なL字型でなく、不連続なL字型配列としてもよい。
【0014】
在来工法の柱材である45×90(mm)の角材5を角部の柱4、間柱41、及び土台に釘等で固定し、角材5に構造用面材(図示しない)の合板を固定して補強を完成する。構造用面材は使用しない場合もある。
高さ方向の中間には、構造用合板の受材として適宜の間隔で同じ断面の角材51を設置する。また、上端部には同じ角材52を固定し、枠を形成する。
【0015】
【発明の効果】
木造建築物の角部のみを限定的に耐震エレメントによって補強することにより建築物の耐震性能を向上させた。耐震エレメントは、2×4工法等の枠材の少なくとも片面に構造用面材を固定したものであり、また、軒高全高に渡って設ける必要がないのでコストをかけずに耐震性能を向上させることができる。耐震エレメントの配置形態は建築物の角部にL型に配置することにより、耐震性能はさらに向上する。
また、四隅に耐震エレメントを付加するものであるので、意匠的にも処理しやすいという面があり、耐震エレメントを建築物外観のアクセントとすることも可能である。
既存の木造建築の耐震補強にも適用でき、既存の木造建築物の角部に耐震エレメントを一体固定することによって、低コストで耐震補強を達成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角部補強の基本的概念の説明図。
【図2】建築物角部の断面の対比図。
【図3】基礎の角部の平面図。
【図4】既存建築物の補強における平面図。
【図5】既存建築物の補強における基礎部分の斜視図。
【図6】既存建築物の補強における2階部分の斜視図。
【図7】既存建築物の補強における軒部分の斜視図。
【符号の説明】
1 耐震エレメント
2 基礎
21 L字型基礎
3 土台
4 柱
41 間柱
5 補強用角材
Claims (1)
- 既存の木造建築物の角部の基礎幅を拡幅し、木製枠材の少なくとも片面に構造用面材を固定したL型の基礎から軒高の途中までの耐震エレメントを角部のみに配置して建築物と一体化し、耐震エレメントを拡幅した基礎で受ける耐震補強方法。
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