JP4132405B2 - 建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震や交通振動や風に対する補強構造を備えた建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを複数結合させて構成したユニット建物における地震や交通振動や風に対する補強対策としては、(1)図17に示すように間柱01を追加する、(2)図18に示すように2本以上の間柱01と横材02とからなる補強枠組を追加する、(3)図19に示すように筋交い03を追加する、(4)柱ならびに梁の板厚や断面形状を変更する、等の手段が一般に採用されている((1)は特開平4-84501号公報、(2)は特開平2-197637号公報、(4)は特開平6‐42050号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)(2)(3)の手段にあっては、間柱や筋交いを追加したことにより室内に柱や間仕切り壁が生じてしまうため、室内のプランニング上の制約が大きくなり、設計の自由度が低くなるという問題があった。また、(4)にあっては、柱や梁自体の重量増加により建物ユニットの重量が大幅に増すため、生産性が低下するという問題があった。
【0004】
また、このようなボックス形ラーメン構造の建物ユニットは、図17〜図22に示されているように、基礎04あるいは上下階の建物ユニット05が、柱051の上下端部と床梁053ならびに天井梁052で隣接しているが、建物ユニット05を固定する機構は、通常、柱051の上下端部あるいはその周辺箇所に設けられており、天井梁052ならびに床梁053の部分は隣接するのみとなっている。そのため、柱051と天井梁052ならびに床梁053を接合しているジョイント部054によって、その板厚分の隙間が梁間に生じているような場合、外力による天井梁052ならびに床梁053の変形を抑えることができず、建物の揺れに対して抵抗が弱い。かといって、天井梁052ならびに床梁053を完全に固定してしまうと、剛性は著しく向上するものの、ラーメン構造の長所である大地震に対する柔軟性は低下してしまう。つまり、天井梁052ならびに床梁053の変形が必要以上に抑えられてしまい、柱で脆性破壊する虞れがある。
【0005】
また、補強対策が不足する結果、地震や交通振動や風等の外力によって建物が揺れたり変形したりしてしまった場合には、次のような問題も生じていた。
内壁を石膏ボート等を用いた複数の内壁パネルで構成し、各内壁パネルを、壁内にある木や鋼材等のフレームに釘やねじで固定した構造は公知であるが、従来、各内壁パネル間は、その隙間に充填材を設けただけの構成となっている。従って、建物に地震や交通振動や風等の外力が加わった場合に、躯体の変形に追随して内壁パネル同士の間に容易に隙間やずれ、段差が生じ、その表面に設けられた壁紙等の内装仕上げ材に亀裂が生じたりしていた。
【0006】
このことに対して、壁面を単一のパネルで構成するなどして壁剛性を増加すると、大震災規模の地震力が加わった場合に、その部分より脆性破壊する虞れが生じる。
また、従来の建物では、内壁パネルの取り付けは、柱に所定間隔をおいて取り付けられた木レンガに直接、釘等で固定されているから、釘による固定ピッチは木レンガの配置ピッチとなり、取付強度が充分に得られないことがある。このため、地震等による建物の振動により、特に、窓開口廻りの内壁パネルが相互変位を起こし、内壁パネルに貼り付けられている内装用クロスにクロス切れが発生する虞れがある。
【0007】
また、従来の建物では、室内の入隅に設けられている廻り縁や幅木等の化粧材は、室内の入隅に設けられている廻り縁や幅木等の化粧材は、外観を重視し、木材や塩化ビニル樹脂によって形成され、その固定は、釘等の固定具によって、化粧材自体が固定される程度の強度で行われていた。従って、化粧材自体の強度が低く、しかも、その固定強度も強くないために、建物に地震や交通振動や風等の外力が加わった場合には、躯体の変形に追随して内壁パネルと天井パネルとの間、あるいは内壁パネルと床パネルとの間に容易に隙間やずれ、段差が生じ、内装仕上げ材に亀裂が生じたりしていた。
【0008】
また、従来の建物では、地震による建物の振動により、室内の入隅部における石膏ボート同士の内壁コーナ継ぎ目部分に変位が生じ、内壁パネルに貼り付けられている内装用クロスのうち、室内の入隅部における石膏ボート同士の内壁コーナ継ぎ目部分に剪断力が作用し、クロス切れを生じることがある。
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、大地震時に建物躯体へ脆性破壊等の支障が生じないようにしながら、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力によって建物が揺れたり、変形したりするのを防止でき、またクロス切れを防止できる建物を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、複数の内壁パネルを並設して内壁が構成されている軸組建物において、前記内壁パネルはフレームと面材とで構成され、前記フレームは天井梁と床梁とに架け渡された間柱に固定され、前記内壁パネル間の継ぎ目部分に、隣接する内壁パネル同士を互いに連結する壁補強材が設けられている構成とし、また、内壁パネル間の継ぎ目部分に、隣接する内壁パネル同士を互いに連結する補強テープが貼付けられている構成とし、更に、前記壁補強材や前記補強テープは、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする。
【0010】
なお、壁補強材、補強テープは、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力に対しては変形または破壊、破断されず、大地震時の外力で変形または破壊、破断されるようにするとよい。
この構成によれば、壁補強材あるいは補強テープによって隣接する内壁パネル同士が互いに連結されているので、外力による内壁の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができる。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル同士の間に隙間やずれ、段差が生じることがなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることがなくなり、大地震時の外力では壁補強材、補強テープが変形または破壊、破断して、建物躯体の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊しないようにすることもできる。
【0011】
また、本発明では、内壁、天井または床を構成している内装用のパネル同士の継ぎ目を覆い隠す化粧材が室内の入隅部に沿って設けられている軸組建物において、前記化粧材の裏面側に存在する前記パネル同士の継ぎ目部分に、パネル同士を互いに連結するパネル補強材が取り付けられている構造とし、さらに、本発明では、前記化粧材の裏面側に存在する前記パネル同士の継ぎ目部分に、パネル同士を互いに連結する補強テープが貼付けられている構造とし、そして、本発明では、内壁、天井または床を構成しているパネル同士の継ぎ目を覆い隠す化粧材が室内の入隅部に沿って設けられている軸組建物において、前記化粧材が金属材料で形成され、当該化粧材がビスで前記パネルに固定されている構成とし、前記パネル補強材や前記補強テープや前記化粧材は、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする。
【0012】
なお、パネル補強材、補強テープは、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力に対しては変形または破壊、破断されず、大地震時の外力で変形または破壊、破断されるようにするとよい。
この構成によれば、内壁、天井または床を構成しているパネル同士がパネル補強材あるいは補強テープによって連結されているので、外力による内壁、天井または床の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができる。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、パネル同士の間に隙間やずれ、段差が生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることがなくなり、大地震時の外力ではパネル補強材、補強テープが変形または破壊、破断して、建物躯体の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊しないようにすることもできる。
【0013】
また、化粧材が金属材料で形成され、この化粧材がビスでパネルに固定されることで、化粧材自体の剛性が高くなると共に、化粧材のパネルに対する固定強度が高くなり、パネル同士が化粧材で連結されることによって、外力による内壁、天井または床の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができ、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、パネル同士の間に隙間やずれ、段差が生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることがなくなる。
【0014】
また、本発明では、内壁パネルの表面に内装用クロスが貼られる内装構造の建物において、室内の入隅部の内壁コーナ継ぎ目に、前記内装用クロスと同等以上の剪断強度を有する基材により構成され、前記内壁パネルが弱い粘着力を有し、且つ繰り返し貼付・剥離可能な粘着層を有し、前記内壁パネルの反対面にはクロス用パテを塗布されるテープが貼り付けられている構成とした。
【0015】
この構成により、中地震程度の振動で、建物に層間変位が生じると、テープが内壁パネルより剥離し、内壁コーナ部でのクロス切れが回避される。また、テープは、繰り返し貼付・剥離可能な粘着層により内壁パネルに貼り付けられるから、テープが内壁パネルより剥離しても、内装用クロスと共に、再度、内壁パネルに貼り付けることができる。
【0016】
また、本発明では、柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを基礎の上に複数配設させて構成する建物において、基礎と建物ユニットの床梁との間に硬度の高い材料で形成された補強プレートを介在させた構成とし、さらに、本発明では、柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを基礎の上に複数配設させて構成する建物において、下階建物ユニットの天井梁と上階建物ユニットの床梁との間に硬度の高い材料で形成された補強プレートを介在させた構成とすることを特徴とし、上記の発明において、前記補強プレートは、基礎や建物ユニットの床梁、天井梁に対して水平方向の反力の影響がほとんどないように非固定状態で設置されている構成とした。
【0017】
この構成により、基礎と建物ユニットの床梁との間に補強プレートが介在し、基礎と床梁との間の隙間をなくすことができるので、外力に対する床梁の剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができる。
また、下階の建物ユニットの天井梁と上階建物ユニットの床梁との間に補強プレートが介在し、天井梁と床梁との間の隙間をなくすことができるので、外力に対する天井梁ならびに床梁の剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができる。
【0018】
また、補強プレートが建物ユニットならびに基礎に対して非固定であることで、補強プレートによる水平方向の反力に対する影響をほとんどなくすことができ、天井梁ならびに床梁の剛性が強化されたことによる柱に対する負担が大きくならないようにすることができる。さらに、柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを基礎の上に複数配設させて構成する建物において、前記天井梁と前記床梁との間に、前記柱の側面に沿って柱の側面と直角に縦長の補強材が設けられている構成とした。
【0019】
この構成によれば、柱の側面に沿って柱の側面と直角に縦長の補強材(柱補強材)を設けたので、外力に対する柱の剛性を高めて建物全体の揺れを抑制することができる。また、柱補強材は、柱側面の若干のスペースに設置することができるので、この柱補強材の追加によるプランニング上の制約はほとんどない。更に、建物ユニットの重量増加も柱補強材分のみで済むので、生産性の低下を抑えることができる。
【0020】
また、複数の内壁パネルを並設して内壁が構成されている軸組建物において、柱に所定間隔をおいて固定された内壁パネル取付用の木レンガに床部より天井部に至る帯状の取付板が固定され、前記取付板に内壁パネルが取り付けられている構成とした。
【0021】
この構成によれば、取付板に内壁パネルを釘止めすることで、内壁パネルの釘止めピッチを木レンガの配置ピッチより小さくでき、また接着剤の併用によって床部より天井部に至るまで内壁パネルを連続的に柱側に接着でき、木レンガに内壁パネルを直接取り付ける場合より、内壁パネルの取付強度が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図16に基づき、実施の形態の建物について詳述する。
図1は実施の形態のユニット建物を示す斜視図であり、図示のユニット建物は、基礎1の上に下階の建物ユニット2を据え付けると共に、その下階の建物ユニット2の上に上階の建物ユニット2を据え付けることによって構成されている。なお、3階以上の部分は図示を省略している。
各建物ユニット2は、図2に示されているように、躯体鉄骨フレームである4本の鉄骨の柱21と4本の天井梁22ならびに4本の床梁23とがジョイント部材24を介して剛に接合されたボックスラーメン構造になっている。
【0023】
天井梁22と前記床梁23との間には、4本全ての柱21の側面に沿って柱21の側面と直角に縦長板状の柱補強材25が設けられており、これらの柱補強材25によって、外力に対する柱21の変形を防げ、建物ユニット2の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。柱補強材25は、柱21側面の若干のスペースに設置することができるので、この柱補強材25の追加によるプランニング上の制約はほとんどない。また、建物ユニット2の重量増加も柱補強材25分のみで済むので、生産性の低下を抑えることができる。なお、前記建物ユニット2には、適宜の場所に内壁パネル5(図5、図6参照)、天井パネル6(図9、図10参照)、床パネル9(図11参照)が取り付けられる。
【0024】
下階の建物ユニット2の裾付けは、図3に示されているように、基礎1の立ち上がり部上端から真上に突設されたアンカーボルト11を、柱21の下端部に設けられたボルト孔に差し込むことによってなされており、一方、上階の建物ユニット2の据付けは、図4に示されているように、下階の建物ユニット2の柱21の上端部に突設されたアンカーボルト26を、上階の建物ユニット2の柱21の下端部に設けられたボルト孔に差し込むことによってなされている。また、下階の建物ユニット2と上階の建物ユニット2は、図示は省略しているが、ジョイント部材24の位置においてボルトとナットで締結結合されている。
【0025】
そして、基礎1と下階の建物ユニット2の各床梁23との間には、図3に示されているように、その間の隙間を埋めるだけの厚さの補強プレート3が介在されており、一方、下階の建物ユニット2の各天井梁22と上階の建物ユニット2の各床梁23との間にも、図4に示されているように、その間の隙間を埋めるだけの厚さの補強プレート4が介在されている。
【0026】
これらの補強プレート3、4は、鋼鉄等硬度の高い材料で形成されており、外力に対する天井梁22ならびに床梁23の剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。これらの補強プレート3、4は、建物ユニット2ならびに基礎1とは固定されておらず、つまり、これらに対して非固定状態で設置されており、水平方向の反力に対する影響のほとんどない構造になっている。これにより、天井梁22ならびに床梁23の剛性が強化されたことによる柱21に対する負担が大きくなることはない。また、施工時には、補強プレート3、4を基礎1上や、下階の建物ユニット2の天井梁22の上に載せるだけでよいので、施工手間がかかることもない。
【0027】
図5は内壁パネル5の固定構造を示す斜視図、図6は内壁パネル5同士の連結構造を示す斜視図であり、図中、27は間柱、28は木片等の補助部品である。内壁パネル5は、木材や鋼材による枠形状のフレーム51と石膏ボード等による面材52とで構成され、フレーム51に面材52が取り付けられ、フレーム51が建物躯体の一部をなす補助部品28に対して釘またはねじ等で固定されている。また、これらの内壁パネル5は、横に複数並べて配設され、それぞれが上述のようにして固定されており、内壁パネル5間の継ぎ目部分には、隣接する内壁パネル5同士を互いに連結する壁補強材53が設けられている。
【0028】
図7は壁補強材53を示す斜視図であり、この壁補強材53は、金属片をコの字形に折曲したステープル形状に形成されており、内壁パネル5間の継ぎ目に沿って所定の間隔置きに複数打ち込まれている。なお、図示は省略しているが、これら内壁パネル5の表面には、壁紙等の内装仕上げ材が貼設される。
【0029】
このように、隣接する内壁パネル5同士を壁補強材53によって互いに連結させることにより、外力による内壁の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル5同士の間に隙間やずれが生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることもなくなる。
【0030】
壁補強材53は、大地震時には変形または破壊して内壁パネル5同士を連結させる機能を失う程度の強度しか備えておらず、よって、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊する虞れはない。更に、壁補強材53の固定を釘やねじで行えば、内壁パネル5は従来仕様のものを使用することができるので、簡易で安価である。
【0031】
また、上記補強自体は内装に対するもので、建物躯体とは直結していないから、建物の構造に対する影響も抑えることができる。
図8は内壁パネル5同士の連結構造を示す斜視図であり、本実施の形態では、内壁パネル5間の継ぎ目部分に、隣接する内壁パネル5同士を互いに連結する補強テープ54が貼付けられている。補強テープ54は、伸縮がすくない金属テープなどによる接着テープにより構成されており、所要の接着強度をもって内壁パネル5の面材52の表面に貼付けられる。
【0032】
このように、隣接する内壁パネル5同士を補強テープ54によって互いに連結させることにより、外力による内壁の変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル5同士の間に隙間やずれ、段差が生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることもなくなる。
【0033】
補強テープ54は、材料、テープ厚さの設計により、大地震時には、伸びたり、破断して内壁パネル5同士を連結させる機能を失う程度の強度しか備えていないものにすることができ、よって、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられるので、脆性破壊する虞れはない。更に、補強テープ54は面材52の表面に貼付けるだけであるから、内壁パネル5は従来仕様のものを使用することができるので、簡易で安価であり、しかも施工性も優れている。
【0034】
また、この場合も補強自体は内装に対するもので、建物躯体とは直結していないから、建物の構造に対する影響も抑えることができる。
図9、図10は内壁パネル5の取付構造を示している。スタッドと呼ばれる柱(外壁・内壁固定用小柱)30には、床部より天井部に至るまで、所定間隔、たとえば500mm程度の間隔をおいて内壁パネル取付用の木レンガ31が固定されている。木レンガ31には床部より天井部に至る連続帯状の一本の取付板32が釘止めにより固定されている。取付板32は、幅が70〜90mm程度で、厚さが9〜12mm程度の合板、パーチクルボート、OSB等の板材により構成され、木レンガ31に釘止め固定されている。
【0035】
取付板32には、内壁パネル5が釘33によって固定されている。釘33による内壁パネル5の釘止めピッチは、木レンガ31の配置ピッチ(500mm程度)に限られることがなく、それ以下のピッチ、たとえば150〜200mm程度に自由に設定できる。
【0036】
これより、内壁パネル5の取り付け強度が向上し、地震によって建物に層間変位が生じても、内壁パネル5に貼られる内装クロス(図示省略)のクロス切れが発生することが、窓開口廻りを含めて回避される。
取付板32に対する内壁パネル5の取り付けは、図11に示されているように、釘33と接着剤34とを併用することができる。この場合は、釘33だけの場合に比して、釘33による内壁パネル5の釘止めピッチを大きくできる。
【0037】
図12は内壁パネル5と天井パネル6間の連結構造を示す断面図で、図中、7は廻り縁である。廻り縁7は、内壁パネル5と天井パネル6間の継ぎ目を覆い隠すようにして、内壁パネル5と天井パネル6のそれぞれに釘71で固定されている。廻り縁7は、内壁パネル5と天井パネル6とで形成される入隅に沿って、そのほぼ全長に亘って設けられており、廻り縁7と内壁パネル5ならびに天井パネル6との間の隙間には、換言すれば、廻り縁7の裏面側の空間には内壁パネル5と天井パネル6との継ぎ目部分が存在し、この空間内に壁パネル5と天井パネル6とを互いに連結するパネル補強材8が設けられている。パネル補強材8は、金属などの剛性の高い材料によって断面L字形に形成されており、内壁パネル5と天井パネル6のそれぞれにビス(釘やねじ釘を含む)81で強固に固定されている。
【0038】
このように、内壁パネル5と天井パネル6をパネル補強材8で互いに連結することにより、外力による変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル5と天井パネル6との間に隙間やずれが生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることもなくなる。
【0039】
パネル補強材8は、大地震時には変形または破壊して内壁パネル5と天井パネル6を連結させる機能を失う程度の強度しか備えておらず、よって、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊する虞れはない。更に、パネル補強材8の固定を釘やねじ釘で行えば、内壁パネル5ならびに天井パネル6は従来仕様のものを使用することができるので、簡易で安価である。
【0040】
また、この場合も補強自体は内装に対するもので、建物躯体とは直結していないから、建物の構造に対する影響も抑えることができる。
図13は内壁パネル5と天井パネル6間の連結構造の変形例を示す断面図であり、この連結構造では、廻り縁7の裏面側の空間に存在する内壁パネル5と天井パネル6との隅角継ぎ目部分に、内壁パネル5と天井パネル6を互いに連結する補強テープ82が貼付けられている。補強テープ82は、伸縮がすくない金属テープなどによる接着テープにより構成されており、所要の接着強度をもって内壁パネル5、天井パネル6の表面に貼付けられる。
【0041】
このように、内壁パネル5と天井パネル6を補強テープ82によって互いに連結することにより、外力による変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル5と天井パネル6との間に隙間やずれが生じることもなくなるので、その表面に貼設された内装仕上げ材に亀裂が生じたりすることもなくなる。
【0042】
補強テープ82は、材料、テープ厚さの設計により、大地震時には、伸びたり、破断して内壁パネル5と天井パネル6とを連結させる機能を失う程度の強度しか備えていないものにでき、よって、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊する虞れはない。更に、補強テープ82は内壁パネル5や天井パネル6の表面に貼付けるだけであるから、これらパネルは従来仕様のものを使用することができるので、簡易で安価であり、しかも施工性も優れている。
また、この場合も補強自体は内装に対するもので、建物躯体とは直結していないから、建物の構造に対する影響も抑えることができる。
【0043】
図14は内壁パネル5と床パネル9間の連結構造を示す断面図であり、図中、10は幅木である。幅木10は、内壁パネル5の最下部に沿って設けられ、内壁パネル5に釘101で固定されている。幅木9は、内壁パネル5と床パネル9とで形成される入隅に沿って、そのほぼ全長に亘って設けられており、幅木9の裏面側に存在する内壁パネル5と床パネル9との隅角継ぎ目部分に、内壁パネル5と床パネル9を互いに連結する補強テープ83が貼付けられている。補強テープ83は、伸縮がすくない金属テープなどによる接着テープにより構成されており、所要の接着強度をもって内壁パネル5、床パネル9の表面に貼付けられる。
【0044】
このように、内壁パネル5と床パネル9を補強テープ83によって互いに連結することにより、外力による変形に対する剛性を高めて建物全体の揺れを抑制している。また、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力では、内壁パネル5と床パネル9との間に隙間やずれが生じることもなくなる。
【0045】
補強テープ83は、補強テープ82と同様に、材料、テープ厚さの設計により、大地震時には、伸びたり、破断して内壁パネル5と床パネル9とを連結させる機能を失う程度の強度しか備えていないものにでき、よって、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられて脆性破壊する虞れはない。更に、補強テープ83は内壁パネル5や天井パネル6の表面に貼付けるだけであるから、これらパネルは従来仕様のものを使用することができるので、簡易で安価であり、しかも施工性も優れている。
【0046】
また、この場合も補強自体は内装に対するもので、建物躯体とは直結していないから、建物の構造に対する影響も抑えることができる。
図15は内壁パネル5と天井パネル6間の連結構造の変形例を示す断面図であり、この連結構造では、金属材料で形成された廻り縁70が、内壁パネル5と天井パネル6のそれぞれにビス(釘やねじ釘を含む)701によって強固に固定されている。すなわち、前記廻り縁70の長手方向に直交する方向の断面積は、該廻り縁70を取付けることによって、前記内壁パネル5の剛性が向上する断面積とされ、該内壁パネル5も強固に固定できることになる。
【0047】
このように、廻り縁70自体の剛性を高めると共に、廻り縁70の内壁パネル5ならびに天井パネル6に対する固定強度を高めたことにより、内壁パネル5と天井パネル6とが廻り縁70によって連結されることになり、よって、図8に示されている構造と同様の効果が得られる。
【0048】
このように本実施の形態のユニット建物では、外力に対する柱21、天井梁22、床梁23、内壁、天井の剛性を高めているので、中小規模の地震や交通振動、風程度の外力による建物全体の揺れを抑制することができる。また、廻り縁70の強度を、大地震時には、変形、破壊の生じる程度に設定することができ、これによって、柱21や天井梁22や床梁23の変形が必要以上に抑えられることがなく、大地震時に、柱21や天井梁22や床梁23が脆性破壊する虞れもない。
図16は内壁パネル5の室内入隅部を示している。内壁パネル5をなす石膏ボート52の室内側の表面には接着剤55によって表面紙56が貼られており、この表面紙56の表面に内装用クロス57が貼られる。
【0049】
室内の入隅部における石膏ボート52同士の内壁コーナ継ぎ目にはテープ60が貼り付けられている。テープ60は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET、ゴム、不織布、塩化ビニルクロス等、内装用クロス57と同等以上の剪断強度を有する幅20〜60mm程度、厚さ0,2〜0.5mm程度の基材61により構成され、該テープ60の表面紙56側が、接着剤55による石膏ボート52に対する表面紙56の接着力より弱い粘着力を有し、且つ繰り返し貼付・剥離可能な粘着層62を有しており、粘着層62によって石膏ボート52同士の内壁コーナ継ぎ目に貼り付けられている。テープ60の反対面はクロス用パテを塗布可能な面になっており、テープ60の反対面にはクロス用パテ(図示省略)の塗布により内装用クロス57が貼り付けられる。
【0050】
上述の構成により、中地震程度の振動で、建物に層間変位が生じると、テープ60が、表面紙56を石膏ボード52より剥がすことなく石膏ボード52の表面紙56より剥離する。これにより、内壁コーナ部において内装用クロス57に大きい剪断力が作用することが回避され、内壁コーナ部でのクロス切れが防止される。
【0051】
テープ60は、繰り返し貼付・剥離可能な粘着層62により石膏ボード52の表面紙56に貼り付けられるから、テープ60が表面紙56より剥離しても、内装用クロス57と共に、再度、石膏ボード52の表面紙56に貼り付けることができ、容易に元の状態に復元できる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を図面に用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、1つの建物ユニット2に対し縦長板状の柱補強材25が4本設けられている例を示したが、この柱補強材25の断面形状ならびに本数は、必要に応じて適宜設定することができる。
【0053】
また、実施の形態では、廻り縁7の内側に、内壁パネル5と天井パネル6とを連結するパネル補強材8を設けた例を示したが、幅木の内側にも、内壁パネル5と床パネル9とを連結するパネル補強材を設けるようにしてもよい。更に、当然のことながら、幅木の内側にパネル補強材を設けることに代えて、幅木を金属材料で形成し、ビスで各パネルに強固に固定するようにしてもよい。また、パネルに貼り付けられる補強テープ82、83の材質、形状等については、特定のものに限られることはなく、パネル間の貼付けにより剛性を高め、変位を吸収し、建物の揺れを抑制するものであればよい。
また、非免震の実施の形態を示したが、免震建物にしてもよい。その場合には、風揺れ防止のための免震ロック時(非免震状態)の振動防止の効果がある。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の建物にあっては、壁補強材、パネル補強材、補強テープ、補強プレート、補強材等の使用により、大地震時に建物躯体へ脆性破壊等の支障が生じないようにしながら、中小規模の地震や交通振動や風程度の外力によって建物が揺れたり変形したりするのを防止することができるという効果が得られる。
また、地震時に内装クロスに大きい剪断力が作用しないようにしたから、地震時に内装クロスにクロス切りが生じることを回避できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ユニット建物を示す斜視図である。
【図2】各建物ユニットを示す斜視図である。
【図3】図1の要部IIIの拡大図である。
【図4】図1の要部IVの拡大図である。
【図5】内壁パネルの固定構造を示す斜視図である。
【図6】内壁パネル同士の連結構造を示す斜視図である。
【図7】内壁パネル間の補強部材を示す斜視図である。
【図8】内壁パネル同士の連結構造の他の例を示す斜視図である。
【図9】内壁パネルの取付部構造を示す正面図である。
【図10】内壁パネルの取付構造を示す縦断面図である。
【図11】内壁パネルの取付構造の他の例を示す縦断面図である。
【図12】内壁パネルと天井パネル間の連結構造を示す断面図である。
【図13】内壁パネルと天井パネル間の連結構造の他の例を示す断面図である。
【図14】内壁パネルと床パネル間の連結構造を示す断面図である。
【図15】内壁パネルと天井パネル間の連結構造の変形例を示す断面図である。
【図16】内壁パネルの室内入隅部の構成を示す平断面図である。
【図17】従来の建物ユニットの補強構造を示す斜視図である。
【図18】従来の建物ユニットの補強構造を示す斜視図である
【図19】従来の建物ユニットの補強構造を示す斜視図である。
【図20】従来のユニット建物を示す斜視図である。
【図21】図20の要部XIVの拡大図である。
【図22】図20の要部XVの拡大図である。
【符号の説明】
1 基礎
2 建物ユニット
20 躯体鉄骨フレーム
21 柱
22 天井梁
23 床梁
24 ジョイント部材
25 柱補強材
3 補強プレート
4 補強プレート
5 内壁パネル
51 フレーム
52 面材(石膏パネル)
53 壁補強材
54 補強テープ
55 接着剤
56 表面紙
57 内装用クロス
6 天井パネル
7 廻り縁(化粧材)
70 廻り縁
8 パネル補強材
82 補強テープ
83 補強テープ
9 床パネル
10 幅木
30 柱
31 木レンガ
32 取付板
33 釘
34 接着剤
60 テープ
61 基材
62 粘着層
Claims (8)
- 複数の内壁パネルを並設して内壁が構成されている軸組建物において、
前記内壁パネルはフレームと面材とで構成され、前記フレームは天井梁と床梁とに架け渡された間柱に固定され、
前記内壁パネル間の継ぎ目部分に、隣接する前記内壁パネル同士を互いに連結する壁補強材が設けられ、
前記壁補強材は、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする建物。 - 複数の内壁パネルを並設して内壁が構成されている軸組建物において、
前記内壁パネルはフレームと面材とで構成され、前記フレームは天井梁と床梁とに架け渡された内壁固定用小柱に固定され、
前記内壁パネル間の継ぎ目部分に、隣接する前記内壁パネル同士を互いに連結する補強テープが貼付けられ、
前記補強テープは、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする建物。 - 内壁、天井または床を構成している内装用のパネル同士の継ぎ目を覆い隠す化粧材が室内の入隅部に沿って設けられている軸組建物において、
前記化粧材の裏面側に存在する前記パネル同士の継ぎ目部分に、該パネル同士を互いに連結するパネル補強材が取り付けられ、
前記パネル補強材は、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする建物。 - 内壁、天井または床を構成している内装用のパネル同士の継ぎ目を覆い隠す化粧材が室内の入隅部に沿って設けられている軸組建物において、
前記化粧材の裏面側に存在する前記パネル同士の継ぎ目部分に、該パネル同士を互いに連結する補強テープが貼付けられ、
前記補強テープは、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を備えていることを特徴とする建物。 - 内壁、天井または床を構成している内装用のパネル同士の継ぎ目を覆い隠す化粧材が室内の入隅部に沿って設けられている軸組建物において、
前記化粧材が金属材料で形成され、当該化粧材がビスで前記パネルに固定され、
前記化粧材は、中小規模の地震に対しては破壊・破断されず、大地震時には柱や天井梁や床梁の変形を必要以上に抑えて脆性破壊させることがないように変形又は破壊・破断する強度を有することを特徴とする建物。 - 内壁パネルの表面に内装用クロスが貼られる内装構造の建物において、
室内の入隅部における内壁コーナ継ぎ目に、前記内装用クロスと同等以上の剪断強度を有する基材により構成され、前記内壁パネル側が弱い粘着力を有し、且つ繰り返し貼付・剥離可能な粘着層を有し、前記内壁パネル側の反対面にはクロス用パテを塗布されるテープが貼り付けられていることを特徴とする建物。 - 柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを基礎の上に複数配設させて構成する建物において、
前記基礎と前記建物ユニットの床梁との間に硬度の高い材料で形成された補強プレートを水平方向の反力の影響がほとんどないように非固定状態で設置することを特徴とする建物。 - 柱と天井梁と床梁からなるボックス形ラーメン構造の建物ユニットを基礎の上に複数配設させて構成する建物において、
下階建物ユニットの天井梁と上階建物ユニットの床梁との間に硬度の高い材料で形成された補強プレートを水平方向の反力の影響がほとんどないように非固定状態で設置することを特徴とする建物。
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