JP2008095327A - 建物の制振構造、及び制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることで建物に好適に設置する。
【解決手段】上大梁11及び下大梁12の間には、バネ構造体21と減衰ダンパ22とを主たる構成要素とする制振構造が構築されている。バネ構造体21は、上側凸形状となるように反らせた状態で各梁11,12に連結されている。バネ構造体21の下端部は、間柱13に沿うようにして同間柱13の柱脚プレート15に固定され、上端部は、間柱13とは離れた位置に設けられた固定用プレート18に固定されている。これにより、バネ構造体21の上端部は上大梁11に対して斜め所定角度で連結されている。バネ構造体21は、2枚の板バネとその間に挟んだ状態で設けられる高減衰ゴムとから構成されている。減衰ダンパ22は、一端がバネ構造体21の中間部に接続され、他端が上大梁11に接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の制振構造、及び制振装置に関するものである。
住宅等の建物では、地震等による揺れ対策として梁間や柱間に制振構造を付加したものが提案されている。その制振技術として、例えば、所定間隔を隔てて設けられた一対の縦材間に減衰ダンパを「くの字」型に備え付けたものが知られている(第1従来技術)。
また、トグル式の制振構造も提案されている(例えば、特許文献1参照)。詳しくは、四辺形に構成された枠体において、上側の横フレームに第1ブレースの一端が回転可能に取り付けられるとともに下側の横フレームに第2ブレースの一端が回転可能に取り付けられ、それら各ブレースの他端側が連結部材により回転可能に連結されている。また、横フレームと連結部材との間には、連結部材の運動を減衰する減衰ダンパが設けられている(第2従来技術)。
特開平11−81735号公報
上記第1従来技術の制振構造では、必要な減衰力(エネルギ吸収力)に合わせて減衰ダンパを設置することで所望の減衰効果が実現できるが、変位の伝達が非効率であるため、より高い減衰が必要となり、経済的に不利なものとなる。また、建物においては、その外壁部に窓等の開口部が配置されるが、同じ外壁部に窓等の開口部と制振構造(制振装置)とを設置しようとする場合には、開口部の設置又は制振構造(制振装置)の設置のいずれかが困難になる、或いは設置の自由度が下がるといった不都合が生じると考えられる。
上記第2従来技術においても、建物の外壁部に窓等の開口部と制振装置とを設置しようとすると装置幅に制約が生じたりする。この場合、装置幅が比較的狭い制振装置では、減衰ダンパが設置できるスペースが限られ、減衰ダンパにて適正な減衰力を得るための角度等を考慮すると、減衰ダンパの有効なストロークが確保できなくなると考えられる。また、スペース上の制約から減衰ダンパの減衰力を小さめに設定すると、制振装置の減衰能力が低下するため、制振装置の設置個数を増やさなければならず、コストアップが生じることも懸念される。さらに、第2従来技術では、2つのブレース材とそれらを回転可能に連結する連結部材(回転機構)が必須となるため、部品点数が増えるといった不都合も生じる。上述のとおり、既存の制振構造(制振装置)にはいまだ改善の余地が残されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることで建物に好適に設置することができる建物の制振構造、及び制振装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
本発明における建物の制振構造は、対向する上下一対の梁等の横材(上大梁11、下大梁12)を有する建物に適用され、前記上下一対の各横材に反り状態でかつそれら横材間を斜め方向に連結するようにして設けられた長尺状のバネ構造体(バネ構造体21)と、前記バネ構造体の中間部と前記各横材のうちいずれか一方との間に設けられ、それらとの連結端部が回転可能とされてなる減衰装置(減衰ダンパ22)と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の制振装置は、横フレーム(横フレーム41a)及び縦フレーム(縦フレーム41b)により構成される四辺形の枠体(枠体41)に、上下の横フレーム間を斜め方向に連結する長尺状のバネ構造体(バネ構造体42)を反り状態で設けるとともに、前記バネ構造体の中間部と上下いずれかの横フレームとの間に、それらとの連結端部を回転可能として減衰装置(減衰ダンパ43)を設けたことを特徴とする。
上記制振構造又は制振装置によれば、バネ構造体の剛性を変形時の耐力要素として利用できるので、バネ構造体のない構成(従来技術のように2つのブレース材を用いた場合を含む)に比べて構造全体を小さくすることができる。したがって、建物において制振構造(制振装置)の近傍に窓等の開口部を設置する場合にも、制振構造(制振装置)や開口部の設置の自由度が増すとともに、減衰装置に及ぶ制限(減衰力の制限等)が緩和できる。また、上下一対の横材間(又は横フレーム間)に設けられるバネ構造体は途中部分に繋ぎ等を持たない一体物であるため、2つのブレース材を連結部材(回転機構)にて連結していた従来技術(上記の第2従来技術)に比して、部品点数の削減が可能となる。その結果、適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることで建物に好適に設置することが可能となる。
バネ構造体の具体的な構成としては、バネ構造体として板バネ(板バネ23,24)を用いると良い。又は、バネ構造体を、複数の板バネ材(板バネ23,24)と、その板バネ材の間に挟み込んで設けた高減衰のエネルギ吸収材(高減衰ゴム25)とにより構成すると良い。この場合、エネルギ吸収材は高減衰ゴム又は粘弾性体であると良い。特に、複数の板バネ材と高減衰のエネルギ吸収材とを組み合わせた構成によれば、板バネの層ズレによりエネルギ吸収材(高減衰ゴム又は粘弾性体)に層せん断変形が起こり、その反力を減衰力として利用できるので、制振構造の更なる小型化が実現できる。
バネ構造体を、上側凸形状となるように反らせて前記横材に連結するとともに、減衰装置の一端を上側の横材に連結すると良い。この場合、バネ構造体(板バネ)の反り形状によりバネ構造体の下方側に空間が確保できる。したがって、ドアなど開口部設置の自由度が増し、実用上好適なる構成が実現できる。
又は、バネ構造体を、下側凸形状となるように反らせて前記横材に連結するとともに、減衰装置の一端を下側の横材に連結すると良い。この場合、バネ構造体(板バネ)の反り形状によりバネ構造体の上方側に空間が確保できる。したがって、腰窓や高窓など開口部設置の自由度が増し、実用上好適なる構成が実現できる。
上下一対の横材間に縦材(間柱13)を設けた建物において、バネ構造体の少なくとも一方の端部と前記減衰装置の横材側端部とを、横材において縦材との接続部近傍に連結すると良い。この場合、横材と縦材との接続部近傍では、地震等による揺れの発生時において、横材の局部変形が抑えられる。したがって、横材と縦材との接続部近傍にバネ構造体や減衰装置を連結することにより、制振を効率的に行うことができる。
横材と縦材との間にベースプレート(柱脚プレート15)を介在させてそれら両部材を接続した建物において、バネ構造体の少なくとも一方の端部と減衰装置の横材側端部とを、ベースプレート上に連結すると良い。この場合、縦材取り付け用のベースプレートを用いてバネ構造体及び減衰装置を取り付けることで、バネ構造体や減衰装置の連結固定を容易に行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、建物に設置された制振構造の概略を示す図である。
図1において、上大梁11及び下大梁12は例えばH形鋼よりなり、その上大梁11及び下大梁12の間には間柱13が設けられている。間柱13の上下両端には柱脚プレート14,15が設けられており、この柱脚プレート14,15を介して間柱13が上大梁11及び下大梁12にそれぞれ固定されている。また、上大梁11及び下大梁12の間には、バネ構造体21と減衰ダンパ22とを主たる構成要素とする制振構造(制振ユニット)が構築されている。以下、かかる制振構造について詳述する。なお本実施形態の制振構造は基本的にトルク式制振構造である。
バネ構造体21は、上大梁11及び下大梁12の間の高さ寸法よりも長い長尺状をなし、各梁11,12との連結位置を横方向にオフセットした状態で、かつ上側凸形状となるように反らせた状態(弾性変形させた状態)で各梁11,12に連結されている。この場合、バネ構造体21の下端部は、間柱13に沿うようにして同間柱13の柱脚プレート15に固定されている。これにより、バネ構造体21の下端部は下大梁12に対して略直交する向きに連結されている。間柱13とバネ構造体21との間にはスペーサ17が介装されている。また、バネ構造体21の上端部は、間柱13とは離れた位置に設けられた固定用プレート18に固定されている。これにより、バネ構造体21の上端部は上大梁11に対して斜め所定角度で連結されている。
バネ構造体21は、図2の要部拡大図(図1のA部拡大図)に示すように、2枚の板バネ23,24とその間に挟んだ状態で設けられる高減衰ゴム25とから構成されており、複数箇所に設けられた結束バンド等の保持具26(図1参照)によりそれらが一体化されている。2枚の板バネ23,24は、同じ長さでかつ同じバネ強さを有するものである。高減衰ゴム25は、2枚の板バネ23,24の間の全域にわたって設けられている。また、高減衰ゴム25は、例えば、高減衰特性を有する天然ゴムを主成分として構成されている。なお、保持具26は必須ではなく、要は2枚の板バネ23,24の間に高減衰ゴムが挟まれた状態で保持される構成であれば、任意の構成が適用できる。各板バネ23,24と高減衰ゴム25とは接着剤等を用いて接合することも可能である。
減衰ダンパ22は、一端がバネ構造体21の中間部に接続され、他端が上大梁11に接続されている。より具体的には、バネ構造体21において同構造体21の変形量が最大となる部位に減衰ダンパ22が接続されている。また、バネ構造体21の中間部と、上大梁11の下面に固定された柱脚プレート14とにはダンパ受け部27,28が設けられ、そのダンパ受け部27,28により、両端が回転可能な状態で減衰ダンパ22が取り付けられている。
減衰ダンパ22は、粘性ダンパ、粘弾性ダンパ、弾塑性ダンパ、摩擦ダンパなど、振動エネルギを吸収可能なものであれば種々のダンパが使用できるが、本実施形態では油圧ダンパを使用している。減衰ダンパ22は、主たる構成として、シリンダ22aと、同シリンダ22a内で摺動するピストン部(摺動体)を備えたロッド22bとを備えており、シリンダ22a及びロッド22b(詳しくはピストン部)により区画された2つの油室(図示略)内に作動油が充填されている。2つの油室はオリフィス等を通じて連通されている。そして、シリンダ22aの一端に設けたれた支持部22cがダンパ受け部27に回転可能に支持されている。また、ロッド22bは、支持部cとは逆側でシリンダ22a外に突出しており、その先端部に設けたれた支持部22dがダンパ受け部28に回転可能に支持されている。なお、こうした2つの油室を有する両ロッド型ダンパ以外に、1つの油室を有する片ロッド型ダンパを用いることなども可能である。
図3は、建物30における制振機構の設置例を示す略図である。建物30としては、複数の建物ユニット31を組み合わせて構築された2階建てのユニット式建物を想定しており、図3の(a)は建物30の骨組構造の概略を示す正面図、(b)は一階部分の概略を示す平面図である。建物ユニット31についての詳細な説明は割愛するが、略述すれば、同ユニット31は、基本的に四本の支柱と、その各柱の下端部及び上端部を連結するそれぞれ4本の天井梁(上大梁11に相当)及び床梁(下大梁12に相当)とにより構成されている。そして、天井梁と床梁との間に、上記構成の制振機構が設置されている。なお図3では、上記の制振構造を制振ユニットSとし、その設置場所にハッチングを付して示している。
図3に示すように、建物30の外壁に相当する部位に制振ユニットSが複数設置されている。この場合、その設置場所は、揺れのバランスに応じて任意に変更である。ここでは、一階部分にのみ制振ユニットSを設置しているが、一階及び二階の両方に制振構造を付加することも可能である。
次に、上記構成の制振構造について、地震等により揺れが生じた場合の作用を図4を参照して説明する。なお、図4には、制振構造において仮想的に設定した周囲枠Wを破線にて示している。
図4の(a)に示すように、建物の変形により上大梁11に図の右向きの変形力が加わった場合、周囲枠Wの一方の対角線の長さ(図のa1−a4間)が縮み、他方の対角線の長さ(図のa2−a3間)が伸びる。このとき、バネ構造体21の変形により、上大梁11の水平方向の変位量よりも減衰ダンパ22の変位量が増幅され、減衰ダンパ22においてロッド22bが伸びて振動が減衰される。また、上大梁11の変形時には、バネ構造体21(板バネ23,24)の剛性を耐力要素として利用することで振動の減衰がなされる。さらに、バネ構造体21においては、板バネ23,24の層ズレにより高減衰ゴム25に層せん断変形が起こり、その反力(せん断力)を減衰力として利用することで振動の減衰がなされる。
また、図4の(b)に示すように、建物の変形により上大梁11に図の左向きの変形力が加わった場合、周囲枠Wの一方の対角線の長さ(図のa1−a4間)が伸び、他方の対角線の長さ(図のa2−a3間)が縮む。このとき、バネ構造体21の変形により、上大梁11の水平方向の変位量よりも減衰ダンパ22の変位量が増幅され、減衰ダンパ22においてロッド22bが縮んで振動が減衰される。また、上大梁11の変形時には、上記同様、バネ構造体21(板バネ23,24)の剛性を耐力要素として利用すること、及び、バネ構造体21の高減衰ゴム25に生じるせん断力を減衰力として利用することで振動の減衰がなされる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
バネ構造体21と減衰ダンパ22とからなる制振構造を採用したため、バネ構造体21(板バネ23,24)の剛性を変形時の耐力要素として利用でき、バネ構造体21を持たない構成(従来技術のように2つのブレース材を用いた場合を含む)に比べて構造全体を小さくすることができる。したがって、建物において制振構造の近傍に窓等の開口部を設置する場合にも、制振構造や開口部の設置の自由度が増すとともに、減衰ダンパ22に及ぶ制限(減衰力やサイズの制限)が緩和できる。また、バネ構造体21は途中部分に繋ぎ等を持たない一体物であるため、2つのブレース材を連結部材(回転機構)にて連結していた従来技術(上記の第2従来技術)に比して、部品点数の削減が可能となる。その結果、適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることで建物に好適に設置することが可能となる。また、低コストも実現できることとなる。
基本構造としてはトグル構造を採用したため、建物に揺れが生じた際に変位が制振構造(減衰ダンパ22)に効率良く伝達される。したがって、減衰ダンパ22に必要とされる減衰力を小さくでき、その点でも経済的に有利な構成となる。
バネ構造体21を、2つの板バネ23,24と、その板バネ23,24の間に挟み込んだ高減衰ゴム25とにより構成したため、高減衰ゴム25のせん断力が減衰力として利用でき、制振構造の更なる小型化が実現できる。
バネ構造体21を、上側凸形状となるように反らせて上下の各梁11,12間に設けるとともに、減衰ダンパ22の一端を上大梁11に連結したため、バネ構造体21の反り形状によりバネ構造体21の下方側に空間が確保できる。したがって、ドアなど開口部設置の自由度が増し、実用上好適なる構成が実現できる。
バネ構造体21の下端部、及び減衰ダンパ22の上端部を、上下の各梁11,12において間柱13との接続部近傍(すなわち、地震等による揺れの発生時において各梁11,12の局部変形が抑えられる部位)に連結したため、制振を効率的に行うことができる。
上下の各梁11,12と間柱13との間に介在する柱脚プレート14,15上に、バネ構造体21の下端部、及び減衰ダンパ22の上端部を連結する構成としたため、バネ構造体21や減衰ダンパ22の連結固定を容易に行うことができる。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されても良い。
上記実施形態では、上大梁11及び下大梁12の間に1本の間柱13を立てて、その間柱13に沿ってバネ構造体21や減衰ダンパ22を設置したが、この構成を次のように変更しても良い。図5の(a)では、上大梁11及び下大梁12の間に2本の間柱13を立てる構成としており、その2本の間柱13に挟まれた領域にバネ構造体21と減衰ダンパ22とを設置している。また、図5の(b)では、上大梁11及び下大梁12の間に間柱を立てずに構成している。上記いずれの構成においても、上記同様、適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることができる。
上述した制振構造を間柱13に沿って設けるのではなく、建物ユニットを構成する支柱に沿って制振構造を設けることも可能である。この場合、前記支柱が「縦材」に相当する。
その他、図6の(a)に示すように、複数個の減衰ダンパ22を用いる構成とすることも可能である。図6の(a)では、2本の減衰ダンパ22を並列に設置し、それぞれの減衰ダンパ22の一端(図の下端部)をバネ構造体21の中間部に連結するとともに、他端(図の上端部)を上大梁11に連結する構成としている。この場合、減衰ダンパ22による減衰効果を高めることができる。
また、図6の(b)に示すように、バネ構造体21を、下側凸形状となるように反らせて上下の各梁11,12に連結するとともに、減衰ダンパ22の一端を下大梁12に連結することも可能である。この場合、バネ構造体21の反り形状によりバネ構造体21の上方側に空間が確保できる。したがって、腰窓や高窓など開口部設置の自由度が増し、実用上好適なる構成が実現できる。
上記実施形態では、バネ構造体を反らせた状態で、同バネ構造体の凸側に減衰ダンパを設置したが、これを変更し、同バネ構造体の凹側に減衰ダンパを設置することも可能である。すなわち、上下一対の梁材(横材)間にバネ構造体を反り状態で設けた構成では、バネ構造体の上下に、相対的にいって狭い空間部と広い空間部とが形成され、上記実施形態では狭い空間部側に減衰ダンパを設置していたが、これを変更し、広い空間部側に減衰ダンパを設置しても良い。
上記のようにバネ構造体や減衰ダンパを有する制振構造について、建物とは別体の制振装置としての具現化も可能である。図7は、制振装置40の構成を示す正面図である。図7に示すように、制振装置40は、上下一対の横フレーム41aと図の左右一対の縦フレーム41bとを四辺形に組み付けた枠体41を有している。そして、上下の横フレーム41a間を斜め方向に連結するようにしてバネ構造体42が反り状態で設けられるとともに、バネ構造体42の中間部と上側の横フレーム41a(下側の横フレーム41aでも可)とに、接続端部が回転可能になるようにして減衰ダンパ43が連結されている。バネ構造体42は、前述のバネ構造体21と同様に、2枚の板バネとその間に挟んだ状態で設けられる高減衰ゴムとから構成されている。また、減衰ダンパ43も前述の減衰ダンパ22と同様の構成を有しており、シリンダ43aやロッド43b等を備えるものとなっている。上記構成の制振装置40は、例えば、上下の横フレーム41a,41bが建物の上下の各梁に固定されることで、建物に組み付けられる。
上記構成の制振装置40によれば、既に詳述した図1の制振構造と同様に、バネ構造体42(板バネ)の剛性が変形時の耐力要素として利用できること、及び、高減衰ゴムに生じるせん断力が減衰力として利用できることにより制振効果を高めることができる。また、バネ構造体42を持たない構成(従来技術のように2つのブレース材を用いた場合を含む)に比べて構造全体を小さくすることができる。さらに、部品点数の削減が可能となる。その結果、適正なる制振効果を確保し、しかも構成の小型化を図ることで建物に好適に設置することが可能となる。また、低コストも実現できることとなる。
上記実施形態では、バネ構造体21,42を構成する2枚の板バネを、同じ長さでかつ同じバネ強さを有するものとしたが、これを変更しても良い。例えば、2枚の板バネの長さを長短異なるものとする(すなわち、一方を親バネ、他方を子バネとする)。又は、2枚の板バネのバネ強さを大小異なるものとする。なおこのとき、バネ構造体21,42を反り状態で設置した場合に内側となる板バネの方がバネ強さが大きいと良いと考えられる。
上記実施形態では、バネ構造体21,42において、2枚の板バネ間の全域にわたって高減衰ゴムを設けたが、これを変更し、高減衰ゴムを部分的に一カ所のみ設けたり、又は複数箇所に分散配置したりすることも可能である。ただしこの場合、2枚の板バネ間で大きい層ズレが生じる部位に高減衰ゴムを配置するのが望ましい。このように部分的に高減衰ゴムを設けることにより、高減衰ゴムの必要量を減らすことができ、コストダウンを図ることができる。
上記実施形態では、バネ構造体21,42を2枚の板バネを用いて構成したが、これを変更し、3枚以上の板バネを用いて構成することも可能である。また、高減衰ゴムを使わず、板バネのみでバネ構造体を構成することも可能である。板バネ以外のバネ材を用いることも可能であり、例えば棒状のバネ材を用いても良い。
上記実施形態では、バネ構造体21,42においてエネルギ吸収材として高減衰ゴムを用いたが、これに代えて、粘弾性体を用いることもできる。粘弾性体としては、シリコーンゴム系材料などが適用できる。
上記実施形態では、建物において上大梁(上側の横材に相当)と下大梁(下側の横材に相当)との間に制振構造を構築する構成について説明したが、これを変更し、例えば基礎上に設置される土台(下側の横材に相当)と天井梁(上側の横材に相当)との間に、上記構成の制振構造を構築することも可能である。
建物に設置された制振構造の概略を示す正面図。 図1におけるA部の拡大図。 建物における制振機構の設置例を示す略図。 制振構造の動きを説明するための略図。 別の実施形態における制振構造を示す正面図。 別の実施形態における制振構造を示す正面図。 別の実施形態における制振装置を示す正面図。
符号の説明
11…上大梁(横材)、12…下大梁(横材)、13…間柱(縦材)、14,15…柱脚プレート(ベースプレート)、21…バネ構造体、22…減衰ダンパ(減衰装置)、23,24…板バネ、25…高減衰ゴム(エネルギ吸収材)、30…建物、31…建物ユニット、40…制振装置、41…枠体、41a…横フレーム、41b…縦フレーム、42…バネ構造体、43…減衰ダンパ(減衰装置)。

Claims (12)

  1. 対向する上下一対の梁等の横材を有する建物に適用され、
    前記上下一対の横材に反り状態でかつそれら横材間を斜め方向に連結するようにして設けられた長尺状のバネ構造体と、
    前記バネ構造体の中間部と前記各横材のうちいずれか一方との間に設けられ、それらとの連結端部が回転可能とされてなる減衰装置と、
    を備えたことを特徴とする建物の制振構造。
  2. 前記バネ構造体として板バネを用いた請求項1に記載の建物の制振構造。
  3. 前記バネ構造体を、複数の板バネ材と、その板バネ材の間に挟み込んで設けた高減衰のエネルギ吸収材とにより構成した請求項1に記載の建物の制振構造。
  4. 前記エネルギ吸収材は高減衰ゴム又は粘弾性体である請求項3に記載の建物の制振構造。
  5. 前記バネ構造体を、上側凸形状となるように反らせて前記横材に連結するとともに、前記減衰装置の一端を上側の横材に連結した請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の制振構造。
  6. 前記バネ構造体を、下側凸形状となるように反らせて前記横材に連結するとともに、前記減衰装置の一端を下側の横材に連結した請求項1乃至4のいずれかに記載の建物の制振構造。
  7. 前記上下一対の横材間に縦材を設けた建物に適用され、
    前記バネ構造体の少なくとも一方の端部と前記減衰装置の横材側端部とを、前記横材において前記縦材との接続部近傍に連結した請求項1乃至6のいずれかに記載の建物の制振構造。
  8. 前記横材と前記縦材との間にベースプレートを介在させてそれら両部材を接続した建物に適用され、
    前記バネ構造体の少なくとも一方の端部と前記減衰装置の横材側端部とを、前記ベースプレート上に連結した請求項7に記載の建物の制振構造。
  9. 横フレーム及び縦フレームにより構成される四辺形の枠体に、上下の横フレーム間を斜め方向に連結する長尺状のバネ構造体を反り状態で設けるとともに、前記バネ構造体の中間部と上下いずれかの横フレームとの間に、それらとの連結端部を回転可能として減衰装置を設けたことを特徴とする制振装置。
  10. 前記バネ構造体として板バネを用いた請求項9に記載の制振装置。
  11. 前記バネ構造体を、複数の板バネ材と、その板バネ材の間に挟み込んで設けた高減衰のエネルギ吸収材とにより構成した請求項9に記載の制振装置。
  12. 前記エネルギ吸収材は高減衰ゴム又は粘弾性体である請求項11に記載の制振装置。
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