JP2008255711A - 木造建築物 - Google Patents

木造建築物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008255711A
JP2008255711A JP2007100926A JP2007100926A JP2008255711A JP 2008255711 A JP2008255711 A JP 2008255711A JP 2007100926 A JP2007100926 A JP 2007100926A JP 2007100926 A JP2007100926 A JP 2007100926A JP 2008255711 A JP2008255711 A JP 2008255711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
rigid
ramen
column
beams
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007100926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5142574B2 (ja
Inventor
Sadayuki Kondo
定幸 近藤
Masakazu Yamaguchi
雅和 山口
Keiji Shibue
圭司 渋江
Yoshiyuki Isozaki
芳之 磯崎
Tsuneaki Takagi
恒明 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEW HOME SYSTEM KK
Sumitomo Forestry Co Ltd
Original Assignee
NEW HOME SYSTEM KK
Sumitomo Forestry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEW HOME SYSTEM KK, Sumitomo Forestry Co Ltd filed Critical NEW HOME SYSTEM KK
Priority to JP2007100926A priority Critical patent/JP5142574B2/ja
Publication of JP2008255711A publication Critical patent/JP2008255711A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5142574B2 publication Critical patent/JP5142574B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

【課題】ベランダや上層階を大きな張り出し長さで設けるとともに、この張り出し部の下に大きな開口を設けても、開口上のたわみを小さく抑制する。
【解決手段】木製のラーメン柱3と木製のラーメン梁4とを曲げモーメントの伝達が可能に接合した門型のラーメン枠10,20を、ラーメン梁が互いに平行となるように設置する。ラーメン梁は、上下に間隔を開けて平行に架け渡された上梁11と下梁12とを含むものであって、上梁の側面から下梁の側面にわたって連続した板材13が固着されたものとする。2基のラーメン枠の内の第2のラーメン枠20の上梁と下梁との間に、複数の張り出し梁15の一端を差し入れ、第1のラーメン枠10の上梁と下梁との間を通過して、第2のラーメン枠と反対側に張り出し梁を突き出す。これらの張り出し梁の上にベランダ又は上層階の床を形成する。ラーメン枠は、2つの軸柱1の間に設置し、ラーメン柱3を軸柱1に当接させる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、木材を用いて構造躯体を形成した木造建築物に係り、特に外壁面からベランダ等が張り出すように設けられた木造建築物、又は上層階が下層階より張り出して設けられた木造建築物に関するものである。
木造建築物では、断面形状がほぼ正方形となった柱と複数の柱間に架け渡された梁、胴差等の横架材とで構造躯体が形成された、いわゆる軸組構造が多く採用されている。このような構造でも、外壁面から張り出すようにベランダを設けたり、下層階より上層階が張り出すように設けることが要求されることがある。
一般に、庇や出窓等の張り出し長さが小さくて作用する荷重も小さい構造では、特許文献1に記載されているように壁面に張り出し部材をボルトで固定することによって支持することができる。しかし、ベランダや上層階を片持状に張り出して設ける場合には、張り出し部分に大きな荷重が載荷されることになり、図8に示すような構造を採用することになる。
この構造は、外壁面が設けられる位置に立設した柱101上に横架材102を載せ掛けるように支持し、この横架材を建築物の内部から外壁面の外側に連続して張り出しすように支持する。この横架材を2本以上平行に設け、これらの先端部に外壁面と平行となるように桁103を架け渡す。そして、外壁面に沿って設けられた横架材104と上記桁103との間に床材を設けてベランダもしくは上層階の張り出し部分の床とするものである。このような構造では張り出し部の付け根つまり外壁面のある位置で張り出して設けられた横架材102に大きな曲げモーメントが生じるとともに、大きな鉛直方向の反力が作用する。このため横架材102を柱101で支持するとともに、横架材の曲げ剛性によって曲げモーメントに抵抗する構造となる。
特開2003−96902号公報
上記のような構造では、ベランダや上層階の張り出し長さが大きくなると、張り出して設けられた横架材の曲げモーメントが過大となり易い。このため、横架材を狭い間隔で複数本並べて配置する必要が生じる。そして、これらの横架材のそれぞれを外壁面の位置で支持するためには、ベランダ等の張り出し部分の下に多くの柱を並べて立設することになる。しかし、建築物の下層階は、店舗や車庫として用いる場合には大きな開口が必要となり、上記のように多くの柱をベランダ等の張り出し部の下側に立設することはできない。張り出すように設けられた横架材102を、図9に示すように、外壁に沿って柱間に支持された横架材105で支持することも考えられるが、ベランダ等の張り出し長さが大きくなると、外壁面に沿った横架材105に作用する鉛直方向の荷重は極めて大きくなり、大きなたわみが生じてしまう。また、クリープ変形も大きくなって、建具等の円滑な動きを阻害することになる。
本発明は、上記のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、ベランダや上層階を大きな張り出し長さで設けることができ、この張り出し部の下に大きな開口を設けても、開口上のたわみを小さく抑制することができる木造建築物を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 木製のラーメン柱と木製のラーメン梁とを曲げモーメントの伝達が可能に接合した門型のラーメン枠を2基備え、 これらのラーメン枠は、前記ラーメン梁が互いに平行となるように設置され、 前記ラーメン梁は、上下に間隔を開けて平行に架け渡された上梁と下梁とを含むものであって、該上梁の側面から前記下梁の側面にわたって連続した板材が固着されたものであり、 2基の前記ラーメン枠の内の第2のラーメン枠の前記上梁と前記下梁との間に一端が差し入れられ、第1のラーメン枠の前記上梁と前記下梁との間を通過して、第2のラーメン枠と反対側に突き出した複数の張り出し梁を有する木造建築物を提供する。
この木造建築物では、第1のラーメン枠が設けられた壁面から張り出すように張り出し梁を設けることができ、この張り出し梁を狭い間隔で並べて複数本を配置することができる。したがって、これらの張り出し梁上にベランダ等を設けると、この部分に作用する鉛直方向の荷重に対して複数の張り出し梁で荷重が分担され、張り出し長さを大きく設定することができる。また、これらの張り出し梁の第1のラーメン枠より張り出した部分に鉛直方向のが荷重が作用したときには、第1のラーメン枠には鉛直方向下向きの力が作用し、第2のラーメン枠には揚力が作用する。鉛直方向下向きの力及び揚力はそれぞれ第1のラーメン枠の下梁及び第2のラーメン枠の上梁によって拘束される。そして、これらの鉛直方向下向きの力及び揚力によってラーメン梁に作用する曲げモーメント及びせん断力に対しては、ラーメン枠の上梁と下梁とが合板で接合されていることにより、これらが一体となったラーメン梁によって抵抗する。また、ラーメン梁はラーメン柱と曲げモーメントの伝達が可能に接合されているのでラーメン梁の両端部における曲げ変形が拘束されて小さくなる。したがって、ラーメン梁のたわみは極めて小さく抑えられる。これにより、門型となったラーメン枠の内側に大きな開口を設けることが可能になり、張り出し長さも大きく設定することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の木造建築物において、 断面の形状がほぼ正方形である複数の軸柱を有し、 前記ラーメン枠の2つのラーメン柱の外側面が、隣り合って立設された2つの前記軸柱の側面と対向し、該側面に当接されているものとする。
この木造建築物では、ラーメン枠は二つの軸柱間に設置されており、軸柱とラーメン枠とが、ラーメン枠の上部で水平力の伝達が可能に接合されているだけでラーメン枠が軸柱及びこれに接合された横架材の変形を拘束するものとなる。したがって、軸柱に水平力が作用したときの変形に対してラーメン枠が抵抗し、耐力壁のように機能する。これによって高い耐震性を有する構造とすることができる。一方、ラーメン枠の軸線が含まれる面と直角方向に架け渡される横架材及びラーメン枠の軸線を含む面と平行な方向の横架材は、軸柱を介して接合することができ、従来から軸組構造に用いられている接合方法をそのまま使用して容易に組み立てることが可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の木造建築物において、 前記板材が、前記上梁と前記下梁と前記ラーメン柱と前記軸柱とにわたって連続して固着されているものとする。
上記上梁と下梁とに連続して固着された板材がラーメン柱及び軸柱の側面にも連続して固定されることにより、この板材を介してラーメン梁とラーメン柱との間の曲げモーメントが伝達される。また、軸柱もラーメン柱と一体となって挙動し、大きな水平力に抵抗できるものとなる。
請求項4に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の木造建築物において、前記ラーメン柱及び前記ラーメン梁の断面形状は、該ラーメン枠の軸線が含まれる面と平行な辺の寸法が、該ラーメン枠の軸線を含む面と直角となる方向の辺より長い、扁平な形状とする。
この構造では、軸組構造で用いられる軸柱間の壁に代えてラーメン枠を用いることができ、良好な納まりで、張り出し部によるたわみを小さく抑えることができる。また、大きな耐震性を有するものとなる。
以上説明したように、本発明の木造建築物では、ベランダ等を外壁面より大きく張り出して設けることや、下層階の外壁面より上層階を大きく張り出して設けることができるとともに、張り出し部の下側に大きな開口を設けることができる。さらに、このように開口を設けても開口上のたわみを小さく抑えることができる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。
この構造躯体は、断面が105mm×105mm、又は120mm×120mmのほぼ正方形となった木製の軸柱1と、軸柱間に架け渡される横架材2とで構成される、いわゆる軸組構造と、2つの木製のラーメン柱3とこれらの間に架け渡されるラーメン梁4とを門型に接合したラーメン枠10,20とを組み合わせて主要部が構成されている。
上記軸組構造は、土台(図示しない)の上に複数の軸柱1を立設し、これらの軸柱間に横架材2を架け渡して二階部分の床組を形成し、さらに二階部分の軸柱1aを立設して屋根構造を支持するものとなっている。一階部分の軸柱1は土台上に立設される場合に限らず、基礎上に柱支持金具を固定し、この上に立設されるものであっても良い。軸柱1と横架材2との接合は、例えば軸柱1の上端面上に横架材2を載せ掛けるように設置して接合することができるし、軸柱1が一階部分から二階部分に連続した通し柱であるときには二階部分の床組を構成する横架材が柱の側面に突き当てるようにして接合される。これらの軸柱1と横架材2との接合は、接合用の金具を用いて強固に固定されるものである。この他、一方の部材にほぞ又は切り欠き部を設け、他方の部材をこのほぞ又は切り欠き部に嵌め入れる等、従来から軸組構造において用いられている構造および方法を用いることができる。
上記ラーメン枠10,20は、建築物の外壁面となる部分に第1のラーメン枠10が設けられ、この第1のラーメン枠10が設けられた位置から建築物の内部側へ該外壁面と直角方向に後退した位置に第2のラーメン枠20が設けられている。第1のラーメン枠10と第2のラーメン枠20とは同寸法になっており、平行に配置されて対向している。これらのラーメン枠10,20は、いずれも2つの軸柱1−1,1−2,1−3,1−4の間に設けられており、門型となったラーメン枠の外側面が隣り合う2つの軸柱の互いに対向する側面とそれぞれ接触するように建て込まれている。
第1のラーメン枠10は、図2に示すように、2つのラーメン柱3−1,3−2とこれらのラーメン柱の互いに対向する側面にそれぞれ端面を突き当てて接合された上梁11及び下梁12を備えるものである。また、第2のラーメン枠20も第1のラーメン枠と同じ構成となっている。ラーメン枠の上梁11と下梁12とはいずれも水平に支持され、これらは間隔をあけてそれぞれ両端部が2つのラーメン柱3−1,3−2に固定されている。そして、これらの上梁11と下梁12とに連続するように合板13がビス又は釘によって固着され、上梁11と下梁12と上記合板13とが一体となって一つの部材つまりラーメン梁4として機能するものとなっている。さらに、この合板13はラーメン柱3−1,3−2及びこのラーメン柱と当接して立設されている両側の軸柱1−1,1−2に連続して当接され、ビス又は釘によって固定されている。この合板13は、ラーメン枠の軸線と平行に、接合されるラーメン柱、上梁及び下梁の一方の面に添設されるものであっても良いし、両面に添設されるものであっても良い。
上記ラーメン柱3−1,3−2、上梁11及び下梁12の断面はいずれも、これらが形成するラーメン枠の軸線を含む面と平行な辺が、ラーメン枠の軸線を含む面と直角な方向の辺より長い長方形となっている。そして、上梁11又は下梁12とラーメン柱3とは、図3に示すように、接合金具14を用いて接合されている。この接合金具14は、ラーメン柱3の側面に固定される板状の取付基部21と、この取付基部21の両側縁に回動軸によって接合された2つの板状の梁接合部22a,22bとを有するものである。取付基部21は、複数のボルト孔(図示しない)を有し、このボルト孔からラーメン柱3及び軸柱1に設けられたボルト孔23,24に挿通されたボルト25とこれに螺合されたナット(図示しない)とによってラーメン柱3の側面に固定されるものである。2つの梁接合部22a,22bは、上梁11又は下梁12の幅より小さい間隔で上記取付基部21とほぼ直角に突き出すように設けられており、それぞれにはドリフトピン28を挿通することができる孔26及び上部にはドリフトピン28を上方から係止することができる切り欠き部27が設けられている。上梁11又は下梁12には、これらの側面と平行に2つのスリット29が設けられており、これらの間隔は接合金具14の2つの梁接合部22a,22bが設けられた間隔と対応しており、それぞれに梁接合部22a,22bが挿入される。そして、上梁11又は下梁12の側面から水平方向に設けられた横孔30にドリフトピン28が挿入され、梁接合部22a,22bに設けられた孔26に挿通されて接合金具14が上梁11又は下梁12と接合されている。
なお、上記接合金具14の梁接合部22は、取付基部21と回動が可能に接続されており、この接合金具14をラーメン柱3に取り付けて現場へ搬入するときには、梁接合部22をラーメン柱3の面に沿った位置に回動しておき、取り扱いを容易にすることができるものである。
上記のような構造によって上梁11及び下梁12のそれぞれが2つのラーメン柱3−1,3−2と接合され、さらにこれらの側面に連続して合板13が固定されている。この合板は、図4に示すように、上梁11と下梁12とラーメン柱3―1,3−2と軸柱1―1,1−2とのそれぞれに、例えば120〜150mm程度の間隔でビス31をねじ込むか又は釘を打ち付けて固定されている。したがって、上梁11と下梁12とは強固に一体となって曲げモーメントに抵抗するものとなり、ラーメン柱3−1,3−2との間で曲げモーメントが伝達されるものとなっている。また、ラーメン柱3−1,3−2と軸柱1−1,1−2とが一体となり、一つの部材のように機能して曲げモーメントに抵抗するものとなっている。
上記第1のラーメン枠10の上梁11−1と下梁12−1との間には、図5に示すように、複数の張り出し梁15が差し入れられ、一端が第2のラーメン枠20の上梁11−2と下梁12−2との間で上下方向の変位が拘束される。そして、これら張り出し梁15はラーメン枠10,20の軸線を含む面と直角に配置され、第1のラーメン枠10の上梁11−1と下梁12−1との間を通過して、外壁面から片持ち状に張り出している。これらの張り出し梁15が第1のラーメン枠10から張り出した先端部分には、外壁面と平行に桁16が架け渡され(図1参照)、この上に上層階の居室の床が支持されており、上層階が下層階の外壁より張り出して設けられている。
なお、上梁11、下梁12及びラーメン柱3にわたって連続して固定された合板13は、張り出し梁15が配置される位置と対応する部分に開口13aが設けられており、張り出し梁15がこれらの開口13に挿通された状態で、上梁11及び下梁12に固定されている。
上記ラーメン枠10,20及びこれらのラーメン枠と一体となった軸柱1−1,1−2,1−3,1−4の下端部は、基礎5上に固定された柱支持金具40の上に固定される。
この柱支持金具40は、図6に示すように、鋼からなる箱状の部材であって、基礎5に当接される底板41と、この底板41と平行に設けられ、ラーメン柱3および軸柱1の下端面が当接される上面板42と、上記底板41の上方に上記上面板42を支持する鉛直板43と、ラーメン柱3及び軸柱1と接続するために、上面板42上に鉛直に立設された接合板44とを有するものである。鉛直板43は座屈を防止するためのリブ45を備えており、底板41に設けられたアンカーボルト46を挿通するための複数の孔の周辺部を避けて設けられている。また、上面板42の上に立設された接合板44は、その鉛直面が上記ラーメン枠10の軸線を含む面と平行に設けられ、ドリフトピン47を挿通するために複数の孔48が設けられている。
この柱支持金具40は、下部が基礎5に埋め込まれ上部が基礎から上方に突出したアンカーボルト46を底板41の孔に挿通して基礎5上に設置されるものである。そして、アンカーボルト46に螺合されたナット49によって基礎に強固に固定されている。一方、ラーメン柱3及び軸柱1の下端部には、ラーメン枠10,20の軸線を含む面と同じ方向にスリットが設けられており、このスリットに上記接合板44が挿入され、ラーメン柱3及び軸柱1の下端面が上面板42の上に支持されている。ラーメン柱3及び軸柱1の下端部には上記接合板44に設けられた孔48と対応する位置に横孔50が設けられており、この横孔50から上記接合板44の孔48にドリフトピン47が挿入され、柱支持金具40とラーメン柱3及び軸柱1の下端部とが接合されている。これによりラーメン柱3及び軸柱1の下端は、水平方向の変位と鉛直方向の変位とが拘束される。
上記ラーメン枠10,20の両側に当接して設けられた軸柱1−1,1−2,1−3,1−4は、図5に示すように、上端面がラーメン枠10,20の上面より低い位置となるように長さが設定されており、この軸柱1の上にラーメン枠の軸線を含む面と直角方向の横架材2−1,2−2が載せ掛けるように接合されている。そして、ラーメン枠10,20の上記横架材2−1,2−2を支持する部分では、合板13に横架材2の寸法と対応する切り欠き13bが設けられ、横架材2―1,2−2がのラーメン枠10,20と直角方向に交差するように支持されている。
これらの横架材2−1,2−2は、図7に示すように上面がラーメン枠10,20の上面つまり上梁11の上面と高さが一致するように設けられている。したがって、これらに架け渡された根太51及びラーメン梁11とともに床組を形成しており、これらの上に床板を架け渡して二階部分の床とすることができる。
一方、上記横架材2の上に二階部分の軸柱1aが立設され、張り出し梁15の先端部から立ち上げられた柱1bとともに二階部分の構造躯体を構成している。
なお、ラーメン枠の両側に当接して設けられた軸柱1−1,1−2、1−3,1−4は、一階部分から二階部分に連続する通し柱とすることもできる。この場合には、ラーメン枠の軸線を含む面と直角方向の横架材は、通し柱の側面に端面を突き当てるようにして接合される。
このような木造建築物では、門型となった第1のラーメン枠10の内側を開口とすることができるとともに、第2のラーメン枠20の下側に及ぶ大きな空間を確保することができる。したがって、この部分を店舗や車庫として利用することができる。
また、張り出し梁15に鉛直荷重が作用したときには、第1のラーメン枠10に大きな下向きの力が作用するともに、第2のラーメン枠20には揚力が作用する。これらの力はのラーメン梁4つまり上梁11と下梁12と合板13とが一体に固定された部材に作用するが、ラーメン梁4が大きな曲げ剛性を有するものとなっていること及びラーメン梁4とラーメン柱3とが曲げモーメントに抵抗できるように接合されていることにより、ラーメン梁3のたわみは小さく抑えられる。また、これにともない、変形が徐々に進行するクリープ変形も少なくすることができる。
一方、地震時等においてラーメン枠10,20の軸線を含む方向の大きな水平力、つまり図1に示すX方向に大きな水平力が作用しても、ラーメン枠10,20がこれに抵抗し、大きな開口が設けられていても大きな耐震性を有するものとなる。
なお、上記実施の形態では、下層階の外壁面より上層階が張り出した木造建築物について説明したが、張り出し梁15で支持される部分がベランダ等であっても良い。また、上記のようなラーメン枠は、張り出したベランダが設けられる部分や、上層階が下層階の外壁面より張り出した部分以外にも設けることができる。例えば、図1中に示すように、他のラーメン枠60をY方向に設けることによって、Y方向の水平力に対してもラーメン枠で抵抗することができる。つまり、X方向及びY方向に適宜にラーメン枠を軸組構造に組み込んで設けることにより、充分な耐震性を有する躯体構造とすることができる。
さらに、上記ラーメン枠10,20は2つの軸柱1の間に建て込まれ、横架材2との接合は軸柱1を介して行われるのでラーメン枠10,20を組み込んでも横架材等との接合には従来の軸組構造で用いられている接合構造をそのまま用いることができる。したがって、ラーメン枠を組み込んでも容易に構造躯体を構築することができる。また、ラーメン枠として大きな部材を用いる部分は、限定的とすることができ、構築コストが過大になるのを抑えることができる。
以上に説明した木造建築物の構築は、次のように行うことができる。
あらかじめ工場等においてラーメン柱3と軸柱1とを一体に結合し、ラーメン梁4との接合金具14を取り付けておく。これらの柱を現場において所定の位置に設けられた柱支持金具40上に立設する。その後、下梁12及び上梁11の順で接合し、これらの梁11,12と柱3とに連続するように合板13を固定し、ラーメン枠を形成する。そして、張り出し梁15を組み込んで固定するとともに、他の軸組み構造を構成する部材と接合する。
また、ラーメン柱3と上梁11及び下梁12とをあらかじめ接合し、さらに合板13を固定してラーメン枠10,20の両側に接合する軸柱1も一体に組み立てておいても良い。構築現場では、他の軸柱を立設するとともに、上記のように組み立てられたラーメン枠をクレーン等によって吊り上げて、所定の位置に据え付ける。そして、張り出し梁15を組み込むとともに、他の軸組構造を構成する部材と接合する。
本願に係る発明の一実施形態である木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。 図1に示す構造躯体で用いられているラーメン枠を示す概略斜視図である。 図2に示すラーメン枠のラーメン柱とラーメン梁を構成する上梁又は下梁との接続構造を示す分解斜視図である。 図2に示すラーメン枠のラーメン柱とラーメン梁を構成する上梁及び下梁とに合板を取り付けた状態を示す正面図である。 図2に示すラーメン枠を用いて張り出し梁を支持した構造を示す概略斜視図である。 図2に示すラーメン枠のラーメン柱及びこのラーメン柱に当接された軸柱の下端部の支持構造を示す正面図及び側面図である。 図2に示されるラーメン枠及びこの周辺部の軸組構造の構成例を示す概略斜視図である。 従来の木造建築物における外壁より張り出した部分の構造例を示す概略断面図である。 従来の木造建築物における外壁より張り出した部分の他の構造例を示す概略断面図である。
符号の説明
1:軸柱、 2:横架材、 3:ラーメン柱、 4:ラーメン梁、 5:基礎、
10、20,60:ラーメン枠、
11:上梁、 12:下梁、 13:合板(板材)、 14:接合金具、 15:張り出し梁、 16:桁、
21:取付基部、 22:梁接合部、 23:ラーメン梁のボルト孔、 24:軸柱のボルト孔、 25:ボルト、 26:梁接合部に設けられた孔、 27:切り欠き部、 28:ドリフトピン、 29:スリット、 30:横穴、
31:ビス、
40:柱支持金具、 41:底板、 42:上面板、 43:鉛直板、 44:接合板、 45:リブ、 46:アンカーボルト、 47:ドリフトピン、 48:接合板に設けられた孔、 49:ナット、 50:横孔、 51:根太

Claims (4)

  1. 木製のラーメン柱と木製のラーメン梁とを曲げモーメントの伝達が可能に接合した門型のラーメン枠を2基備え、
    これらのラーメン枠は、前記ラーメン梁が互いに平行となるように設置され、
    前記ラーメン梁は、上下に間隔を開けて平行に架け渡された上梁と下梁とを含むものであって、該上梁の側面から前記下梁の側面にわたって連続した板材が固着されたものであり、
    2基の前記ラーメン枠の内の第2のラーメン枠の前記上梁と前記下梁との間に一端が差し入れられ、第1のラーメン枠の前記上梁と前記下梁との間を通過して、第2のラーメン枠と反対側に突き出した複数の張り出し梁を有することを特徴とする木造建築物。
  2. 断面の形状がほぼ正方形である複数の軸柱を有し、
    前記ラーメン枠の2つのラーメン柱の外側面が、隣り合って立設された2つの前記軸柱の側面と対向し、該側面に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物。
  3. 前記板材が、前記上梁と前記下梁と前記ラーメン柱と前記軸柱とにわたって連続して固着されていることを特徴とする請求項2に記載の木造建築物。
  4. 前記ラーメン柱及び前記ラーメン梁の断面形状は、該ラーメン枠の軸線が含まれる面と平行な辺の寸法が、該ラーメン枠の軸線を含む面と直角となる方向の辺より長い、扁平な形状であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の木造建築物。
JP2007100926A 2007-04-06 2007-04-06 木造建築物 Expired - Fee Related JP5142574B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007100926A JP5142574B2 (ja) 2007-04-06 2007-04-06 木造建築物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007100926A JP5142574B2 (ja) 2007-04-06 2007-04-06 木造建築物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008255711A true JP2008255711A (ja) 2008-10-23
JP5142574B2 JP5142574B2 (ja) 2013-02-13

Family

ID=39979564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007100926A Expired - Fee Related JP5142574B2 (ja) 2007-04-06 2007-04-06 木造建築物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5142574B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246728A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Misawa International Co Ltd 上階張出し構造及び木造建物
JP2016037814A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 積水ハウス株式会社 片持ち梁支持構造
JP2017089118A (ja) * 2015-11-04 2017-05-25 好光 大橋 丸太組耐力壁工法による建築物
JP2018031127A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 平木建築工房株式会社 木造建築の柱及び壁構造
JP2019157519A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 大和ハウス工業株式会社 持出し梁を有する門型架構

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05195575A (ja) * 1992-01-20 1993-08-03 Yoshino Meiboku Seizo Hanbai Kk パネル及び軸組プレカットパネル嵌め込み構法
JPH09228477A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Takemi Yoshigata 補強用金具及び木造建築物
JP2004285817A (ja) * 2003-08-29 2004-10-14 J Kenchiku Syst Kk 木造躯体に組込む木質耐震開口フレーム
JP2005133323A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Tostem Homewell Kk 建築工法およびそれに利用する門型ラーメン構造体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05195575A (ja) * 1992-01-20 1993-08-03 Yoshino Meiboku Seizo Hanbai Kk パネル及び軸組プレカットパネル嵌め込み構法
JPH09228477A (ja) * 1996-02-20 1997-09-02 Takemi Yoshigata 補強用金具及び木造建築物
JP2004285817A (ja) * 2003-08-29 2004-10-14 J Kenchiku Syst Kk 木造躯体に組込む木質耐震開口フレーム
JP2005133323A (ja) * 2003-10-28 2005-05-26 Tostem Homewell Kk 建築工法およびそれに利用する門型ラーメン構造体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246728A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Misawa International Co Ltd 上階張出し構造及び木造建物
JP2016037814A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 積水ハウス株式会社 片持ち梁支持構造
JP2017089118A (ja) * 2015-11-04 2017-05-25 好光 大橋 丸太組耐力壁工法による建築物
JP2018031127A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 平木建築工房株式会社 木造建築の柱及び壁構造
JP2019157519A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 大和ハウス工業株式会社 持出し梁を有する門型架構
JP7085369B2 (ja) 2018-03-14 2022-06-16 大和ハウス工業株式会社 持出し梁を有する門型架構

Also Published As

Publication number Publication date
JP5142574B2 (ja) 2013-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3782817B1 (ja) スチールハウスの構造形式および構築方法
JP5142574B2 (ja) 木造建築物
JP5159821B2 (ja) 木造軸組建築物における耐力壁構築方法
JP5400283B2 (ja) 建物ユニットの連結構造及びユニット建物
JP4853422B2 (ja) 複合梁と木製柱の接続による門型フレーム
JP5142575B2 (ja) 木造建築物及び木造建築物の耐震補強方法
JP2017122361A (ja) 横架材、横架材を用いた面材の取り付け構造、及び横架材を用いた面材と枠材との取り付け構造
JP2007303105A (ja) 耐震補強構造体
JP5042796B2 (ja) スチールハウス用独立柱及びこれを用いたスチールハウス並びにパネル工法
JP4904100B2 (ja) 建物ユニットと基礎との連結構造、建物ユニットと基礎との連結方法及びユニット建物
JP7082100B2 (ja) 接続金具
JP6860354B2 (ja) 建物構造
JP5921954B2 (ja) 耐力壁
JP7298157B2 (ja) 耐力壁の下端構造
JP7298158B2 (ja) 耐力壁の下端構造
JP2007262660A (ja) 耐力壁パネルの取付方法、耐力壁パネル、建築構造物
JP7232401B2 (ja) 耐力壁の下端構造
JPH11131663A (ja) 架構体
JP7214025B1 (ja) 柱と横架材との接合構造
JP5091580B2 (ja) バルコニー床の支持構造
WO2022029990A1 (ja) 建築物
JP2019039180A (ja) 門型架構およびその施工方法
JP7303712B2 (ja) ユニット建物
JP4769040B2 (ja) 屋根部の施工方法
JP5000881B2 (ja) ユニット式建物およびそのユニット式建物の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100204

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121120

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151130

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees