JP4999435B2 - 既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造 - Google Patents

既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造 Download PDF

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Description

本発明は、既存建物の躯体に耐震補強材を接合するための接合構造に関する。
既存建物の躯体にアンカーボルトを接合し、躯体より突出するアンカーボルトの頭部に耐震補強材を連結し、この連結部分の周囲にコンクリートやモルタルを打設することで躯体と耐震補強材とを接合した建物が知られている。
特開平10−152997号公報
従来の躯体と耐震補強材との接合構造は、多数の固定具としてのアンカーで躯体と耐震補強材とを接合する構成であるので、躯体に多数のアンカー固定孔を形成するとともに耐震補強材に多数のアンカー通し孔を形成する必要がある。つまり、1つ1つのアンカーを個々に挿入するための1対のアンカー固定孔とアンカー通し孔とを複数組形成する必要がある。
アンカー固定孔とアンカー通し孔の形成方法としては、工場で耐震補強材に予めアンカー通し孔を形成しておいてからその耐震補強材を現場に搬入して、現場において耐震補強材のアンカー通し孔に合せて躯体にアンカー固定孔を形成する方法(以下、方法1という)と、躯体に先にアンカー固定孔を形成しておいてから現場でそのアンカー固定孔の位置に合わせて耐震補強材にアンカー通し孔を形成する方法(以下、方法2という)とが考えられる。
方法1では、アンカー通し孔の形成された耐震補強材を躯体の取り付け位置に位置決めし、位置決めされた耐震補強材のアンカー通し孔の位置を躯体の表面に移す作業を行うが、この作業の間、大きくて重量のある耐震補強材を躯体の取り付け位置に位置決めした状態に支持しなければならない。つまり、上記作業の間、クレーンや人力によって大きくて重量のある耐震補強材を支えていなければならないので、作業が大変であり、作業性が悪いという問題があった。
また、一般的には、現場での作業を少なくする観点からすれば方法1のように工場で耐震補強材に予めアンカー通し孔を形成しておいてからその耐震補強材を現場に搬入して作業を行うことが好ましい。しかしながら、この方法1では、アンカー固定孔を形成する予定の所定位置に鉄筋が存在した場合には所定位置からずれた位置にアンカー固定孔を形成し直す必要があり、この形成し直したアンカー固定孔に合せて耐震補強材にアンカー通し孔も形成し直さなければならないので、作業が煩雑となるとともに、耐震補強材に形成されるアンカー通し孔の数が多くなってしまうので、耐震補強材の強度が小さくなってしまうという問題がある。
方法2の場合、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を逐一計測して耐震補強材に移すことも考えられるが、作業が煩雑となるとともに、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を耐震補強材に正確に移すことも難しいため、現実的でない。そこで、耐震補強材を躯体の取り付け位置に位置決めし、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を耐震補強材に移すことが考えられるが、この場合も、アンカー固定孔の位置を耐震補強材に移す作業の間、大きくて重量のある耐震補強材を躯体の取り付け位置に位置決めした状態に支持しなければならない。つまり、上記作業の間、クレーンや人力によって大きくて重量のある耐震補強材を支えていなければならないので、作業が大変であり、作業性が悪いという問題があった。
即ち、従来の接合構造では、耐震補強材のアンカー通し孔の位置を躯体の表面に移す作業や、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を耐震補強材に移す作業を行う場合に、これら作業の間、重量のある耐震補強材を躯体の取り付け位置に位置決めした状態に支えていなければならないので、作業が大変であり、作業性が悪いという問題があった。
また、方法1の場合は、アンカー通し孔の形成し直しによって耐震補強材の強度が小さくなってしまうという問題があった。
また、方法2の場合は、現場での耐震補強材へのアンカー通し孔の形成作業が煩雑である。
本発明による既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造は、既存建物の躯体に耐震補強材の一部を取り付けるための既存建物の躯体と耐震補強材との接合部材であって、ベースプレートと、ベースプレートの表面より突出するようにベースプレートに設けられたピンと、ベースプレートの表裏面を貫通する固定具通し孔とを備え、ベースプレートが固定具通し孔を貫通して躯体に固定された固定具に取り付けられることによって躯体に接合され、ピンが耐震補強材と接合される接合部材を用いた既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造において、躯体と接合部材との接合部が、躯体に取付けられた接合部材のベースプレートの裏面と躯体との間に設けられた補強部を備え、補強部が、躯体に接合された接合部材のベースプレートの裏面と躯体との間に設けられて固化した固化材により形成されたことを特徴とする。
ベースプレートの躯体側に位置される裏面には、ベースプレートの裏面を補強する補強リブが設けられたことも特徴とする。
ベースプレートがピン取付孔を備え、ベースプレートの躯体とは反対側に位置される表面には、ベースプレートのピン取付孔に対応して表裏面を貫通するピン取付孔を備えたスペーサプレートが設けられ、ピンが、スペーサプレートの表面より突出するようにベースプレートのピン取付孔及びスペーサプレートのピン取付孔に取付けられ、スペーサプレートの厚さが、躯体に接合されたベースプレートの表面より突出する固定具の長さより大きい寸法に形成されたことも特徴とする。
体に接合された接合部材のベースプレートより躯体と反対側に突出するピンと耐震補強材とがピン接合により接合され、ピン接合が、耐震補強材に形成されたピン挿入孔と、ピン挿入孔に挿入されたピンと、ピン挿入孔に挿入されたピンとピン挿入孔との間に充填されて固化した固化材とにより構成され、地震時において、ピンの表面と固化材との付着、あるいは、ピン挿入孔の内面と固化材との付着が切れることによって、ピンを回転中心として躯体と耐震補強材とが互いに回転を許容された状態となるように形成されたことも特徴とする。
耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面に接合されたことも特徴とする。
耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面と1つの階の下階の躯体の外面又は1つの階の上階の躯体の外面とに跨るように設置されてこれら外面に接合されたことも特徴とする。
本発明による既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造は、躯体と接合部材との接合部が、補強部を備え、補強部が、躯体に接合された接合部材のベースプレートの裏面と躯体との間に設けられて固化した固化材により形成されたので、接合部材と躯体との接合部の強度を大きくできるとともに、耐震補強材と躯体との間が離れている場合でも適用できる。
また、固定具により躯体に取付けられるベースプレートと、耐震補強材と接合されるピンとを備えた接合部材を用いたことによって、耐震補強材が固定具で躯体に接合されない構造としたので、耐震補強材のアンカー通し孔を不要とできる。従って、従来のように、耐震補強材に形成されたアンカー通し孔の位置を躯体の表面に移す作業や、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を耐震補強材に移す作業を不要とでき、作業性を良くできる。
また、ピンの位置は、ベースプレートの躯体への取り付け位置を調整することによって所定の位置に正確に設定できるため、工場で予めピン挿入孔が形成された耐震補強材を使用できるとともに、ベースプレートが固定具で躯体に取付けられることによって、ピンが躯体の所望の所定位置に正確に取付けられる。
また、耐震補強材のピン挿入孔の形成し直しをなくすことができるので、作業性が良く、耐震補強材の強度を設計値に保つことができる。
また、ベースプレートに複数のピンが設けられている場合であっても、ベースプレートに設けられた複数のピンの位置、及び、ピン間は決まっているので、ベースプレートのピンの位置、及び、ピン間に合うように工場で予め複数のピン挿入孔が形成された耐震補強材を使用できるとともに、耐震補強材のピン挿入孔の形成し直しをなくすことができるので、作業性が良く、耐震補強材の強度を設計値に保つことができる。
ベースプレートの裏面に補強リブを備えたので、接合部材と躯体との接合部の強度を大きくできる。
ベースプレートの表面にスペーサプレートを備えたので、ベースプレートとピンとを補強できるとともに、固定具と耐震補強材の裏面との接触を回避できるので、スペーサプレートの表面と耐震補強材の裏面との接触を確実に確保でき、接合部材のピンと耐震補強材とを良好に接合できる。
存建物の躯体と耐震補強材とが回転を許容する接合、即ち、ピン接合によって接合されたので、地震時において、躯体と耐震補強材との接合部に曲げモーメントを作用させない(つまり、接合部に曲げモーメントを伝えない)ため、躯体と耐震補強材間の応力伝達が明快となり、ピン接合の設計においてせん断力だけを考慮すればよくなり、設計が容易となる。また、ピン接合部が、耐震補強材に形成されたピン挿入孔と、ピン挿入孔に挿入されたピンと、ピン挿入孔に挿入されたピンとピン挿入孔との間に充填されて固化した固化材とにより構成されたので、躯体の外面に耐震補強材を容易に接合できる。また、ピンの表面と固化材とによる互いの回転を許容するピン接合部、あるいは、ピン挿入孔と固化材とによる互いの回転を許容するピン接合を容易に形成できる。
耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面に接合されたので、既存建物の外側での作業によって接合工事を行えるため、既存建物の室内に立ち入って工事する場合に比べ、工事に際しての居住者への影響を少なくできる。
耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面と1つの階の下階の躯体の外面又は1つの階の上階の躯体の外面とに跨るように設置されてこれら外面に接合された場合は、即ち、1つの耐震補強材を2つの階に跨って接合した場合は、建物の耐震効果をより向上させることができる。
図1乃至図3は最良の形態1を示す。図1は、耐震補強材と躯体とが接合手段により接合された状態を示す断面図、図2(a)は、接合金物の正面図、図2(b)は、接合金物の平面図、図2(c)は、接合金物の底面図、図2(d)は、接合金物の側面図、図3は、建物をベランダ側から見た正面図である。
図3を参照し、耐震補強材が取り付けられた建物の構造を説明する。
建物1は、既存建物2と、既存建物2の外部に面した開口部12の周りの躯体6としての梁4と柱13、あるいは、梁4と躯体6としての図外の壁とに跨って当該梁4と柱13又は壁に接合された耐震補強材3とにより形成される。
開口部12は、例えば、集合住宅建物(マンション)の各戸の室内からベランダ11への出入口となる開口部、集合住宅建物の各戸の廊下から室内への出入口となる開口部、窓のような開口部である。
耐震補強材3は、例えばT字形状の平板に作製されたコンクリート板を用いる。高強度コンクリートにより形成された耐震補強材3を使用すれば、耐震強度を大きくできて好ましい。
耐震補強材3のT字の横部7の両方の端部8;8、及び、T字の縦部9の下端部10には、耐震補強材3を形成する板の両面を貫通するピン挿入孔44が形成される。
T字形状に形成されたコンクリート製の耐震補強材3の大きさ及び重量は、例えば、高さH=2500mm、横幅=5000mm、板厚=150mm、横部7の高さ=500mm、縦部9の横幅=800mm、ピン挿入孔33の径100mm、重量=1.5トンである。
耐震補強材3は、T字の横部7の両方の端部8;8が、接合手段30によって既存建物2の梁4に接合されるとともに、T字の縦部9の下端部10が、接合手段30によって既存建物2の柱13あるいは上述した図外の壁に接合される。
即ち、T字形状の耐震補強材3が、開口部12を塞がないように、既存建物2の外部に面した開口部12の周りの躯体6に接合手段30で接合される。
耐震補強材3の高さHは、下階のベランダ11の床の上面と上階のベランダ11の床の下面との間の距離Kより短い長さに形成される。耐震補強材3の高さHが距離Kより短く形成されているので、ベランダ11上に耐震補強材3をT字状態で搬入して耐震補強材3をそのままの状態で躯体6の方向に移動させてから当該躯体6に接合できるため、耐震補強材3の接合作業が容易となる。
つまり、1つ1つの耐震補強材3が、既存建物2の1つの階の躯体6の外面に接合される。
図2を参照し、耐震補強材3を、躯体6としての梁4や柱13や図外の壁に接合するために用いる接合部材としての接合金物20を説明する。
接合金物20は、既存建物2の躯体6に耐震補強材3の一部、例えば、耐震補強材3の横部7の両方の端部8;8、縦部9の下端部10をそれぞれ個別に取り付けるためのものである。
接合金物20は、例えば金属により形成され、ベースプレート21、スペーサプレート22、ピン23を備える。
ベースプレート21は、例えば長方形の平板により形成される。ベースプレート21の表面の中央及び裏面の中央には、表面および裏面に跨って貫通するピン取付孔24が形成される。
スペーサプレート22は、例えば正方形の平板により形成される。スペーサプレート22の表面の中央及び裏面の中央には、スペーサプレート22の表面および裏面に跨って貫通するピン取付孔25が形成される。スペーサプレート22は、ベースプレート21の表面の中央部に設けられる。即ち、ベースプレート21の表面の中央部においてスペーサプレート22のピン取付孔25とベースプレート21のピン取付孔24とが一致された状態に、スペーサプレート22とベースプレート21とが溶接により互いに接続される。スペーサプレート22は、厚さが、躯体6に接合されたベースプレート21の表面より突出する後述のアンカー31の他端部の長さより大きい寸法に形成されたことによって、ベースプレート21とピン23とを補強するとともに、後述のアンカー固定孔32に固定されたアンカー31の他端と耐震補強材3の裏面との接触を回避させる手段として機能する。
ピン23は、スペーサプレート22のピン取付孔25及びベースプレート21のピン取付孔24に一端部26が挿入され、一端26tがベースプレート21の裏面より突出せず、他端部27がスペーサプレート22の表面より突出した状態で、ベースプレート21及びスペーサプレート22に溶接により固定される。
ベースプレート21には、ベースプレート21の表裏面を貫通するアンカー通し孔28がスペーサプレート22の位置する場所を避けて複数形成される。
即ち、接合金物20は、ベースプレート21がピン取付孔24を備え、ベースプレート21の躯体6とは反対側に位置される表面には、ベースプレート21のピン取付孔24に対応して表裏面を貫通するピン取付孔25を備えたスペーサプレート22が設けられ、ピン23が、スペーサプレート22の表面より突出するようにベースプレート21のピン取付孔24及びスペーサプレート22のピン取付孔25に取付けられた構成であって、別々に製作されたベースプレート21、スペーサプレート22、ピン23を組み付けることで形成されるので、ベースプレート21、スペーサプレート22、ピン23とを一体に形成するための複雑で高価な成形型を使用せずに接合金物20を作製できる。
接合金物20の大きさ及び重量は、例えば、ベースプレート21の長辺が1000mm、短辺が500mm、厚さ32mm、ピン23の径は80mm、ベースプレート21の表面からのピン23の突出長さは168mmであり、全重量は、150kg程度であって、耐震補強材3の1/10程度の重さである。
図1を参照し、耐震補強材3を躯体6に接合する接合手段30を説明する。
接合手段30は、接合金物20と、固定具としてのアンカー31と、ハンマドリルやコア抜きマシンなどで躯体6の外面29から内部に形成されたアンカー固定孔32と、ベースプレート21をアンカー31に取り付けるための締結具としてのナット34と、ピン接合部40とを備える。
アンカー31としては、例えば、一端部に袋を備えて袋内に樹脂接着剤が封入された樹脂系アンカーや、金属系アンカーを用いる。樹脂系アンカーは、アンカー固定孔32に入れられて打撃が加えられと、アンカー固定孔32の孔底とアンカーの一端部との圧力で袋が破れて孔内に充填される樹脂接着剤により孔に固定されるアンカーである。金属系アンカーは、アンカー固定孔32に入れられて打撃が加えられると、一端部の金属がアンカー固定孔に係合されることによってアンカー固定孔に固定されるアンカーである。
次に、接合金物20を躯体6に接合する方法を説明する。
まず、躯体6の外面29から内部にアンカー固定孔32を形成する。複数のアンカー固定孔32にそれぞれアンカー31を一端側から挿入して固定する。接合金物20の裏面を躯体6の外面29に向け、接合金物20のアンカー通し孔28にアンカー31の他端側を通した状態において、アンカー31の他端部に形成されたねじ部にナット34を取り付けてナット34をベースプレート21の表面の方向に締結することによって、接合金物20が躯体6に接合される。
ピン接合部40の構造を説明する。
ピン接合部40は、ピン部41と、ピン部41の中心軸を回転中心として回転が許容された状態にピン部41と接合された耐震補強材3の取付部42と、取付部42によりピン部41に取り付けられた耐震補強材3の脱落を防止する脱落防止部43とにより形成される。
取付部42は、耐震補強材3の表面および裏面に跨って貫通するピン挿入孔44により形成される。
躯体6及び耐震補強材3の回転中心となるピン部41は、スペーサプレート22より突出するピン23の他端部27、あるいは、当該ピン23の他端部27と、当該他端部27がピン挿入孔44に挿入された状態で他端部27とピン挿入孔44との間に充填された固化材45とにより形成される。
固化材45としては、無収縮モルタル、無収縮セメント、エポキシ接着剤のような樹脂が用いられる。
脱落防止部43は、ピン挿入孔44の内側に位置されるピン23の他端部27の表面に形成されたピン側係合部46と、ピン挿入孔44の内面に形成された孔側係合部47とにより形成される。即ち、ピン23の他端部27とピン挿入孔44との間に充填された固化材45と係合するピン側係合部46と孔側係合部47とを備えたので、ピン部41からの耐震補強材3の脱落を防止できる構造を提供できる。
ピン23の他端部27は、円柱体の円形外周面の周囲を取り囲む凸部を円柱体の軸に沿った方向において所定の間隔を隔てて複数備え、この凸部と凸部との間の凹部がピン側係合部46を形成する。ピン側係合部46を形成する凹部は、円柱体の外周面を一周する凹部により形成される。
ピン挿入孔44は、円形断面孔の内周面に凹部を備え、この凹部が孔側係合部47を形成する。孔側係合部47を形成する凹部は、円形断面孔の内周面を一周する凹部により形成される。
即ち、ピン側係合部46及び孔側係合部47は、ピン23の中心軸を回転中心として固化材45に対して回転可能な構成である。
ピン挿入孔44に挿入されたピン23の他端部27の表面と固化材45とによって互いの回転を許容するピン接合部40が形成された場合には、ピン23によりピン部41が形成されることになる。
ピン挿入孔44の内面と固化材45とによって互いの回転を許容するピン接合部40が形成された場合には、ピン24と固化材45とによりピン部41が形成されることになる。
従って、ピン23の他端部27とピン挿入孔44との間に固化材45を充填し、固化材45が固化することによって、固化材45に対して回転可能なピン23によるピン部41、あるいは、ピン挿入孔44の内面に対して回転可能なピン23と固化材45とによるピン部41を容易に形成できる。
図2を参照し、ピン接合部40の施工方法を説明する。耐震補強材3のピン挿入孔44にピン23の他端部27を通し、耐震補強材3の裏面とスペーサプレート22の表面とを互いに接触させた状態で、ピン挿入孔44の他端側の開口からピン23の他端部27の表面とピン挿入孔44の内面との間に固化材45を充填し、固化材45を固化させる。
以上により、躯体6に接合された接合金物20と耐震補強材3とがピン接合部40を介して互いに回転可能に接合される。また、ピン側係合部46と固化材45との係合、孔側係合部47と固化材45とに係合により、ピン部41からの耐震補強材3の脱落を防止できる。
以上のように、耐震補強材3のT字の横部7の両方の端部8;8が接合手段30によって梁4に接合されるとともに、T字の縦部9の下端部10が接合手段30によって柱13又壁に接合される。そして、各階のベランダ11の柱13又は壁の1つ1つに対応して耐震補強材3を取り付けていくことによって、耐震補強材3が、既存建物2の外部に面した開口部12の周りの柱13又は壁と梁4とに跨って当該柱13又は壁と梁4とに接合された構造の建物1を構築できる。
最良の形態1の接合金物20は、既存建物2の躯体6に耐震補強材3の一部を取り付けるためのものであって、アンカー31により躯体6に取付けられるベースプレート21と、耐震補強材3と接合されるピン23とを備える。即ち、ベースプレート21がアンカー31によって躯体6に取付けられることによって、耐震補強材3がアンカー31で躯体6に接合されない構造としたので、耐震補強材3のアンカー通し孔を不要とできる。つまり、従来のように、耐震補強材に形成されたアンカー通し孔の位置を躯体の表面に移す作業や、躯体に形成されたアンカー固定孔の位置を耐震補強材に移す作業を不要とできるので、作業性を良くできる。
そして、ピン23の位置は、ベースプレート21の躯体6への取り付け位置を調整することによって所定の位置に正確に設定できるため、工場で予めピン挿入孔28が形成された耐震補強材3を使用できるとともに、ベースプレート21がアンカー31で躯体6に取付けられることによって、ピン23が躯体6の所望の所定位置に正確に取付けられる。この際、耐震補強材3に比べて小型で軽い接合金物20のベースプレート21に予め形成されたアンカー通し孔28の位置を躯体6の表面に移す作業が容易となり、作業性を良くできる。即ち、工場でピン挿入孔44が予め形成された耐震補強材3を現場に搬入して、現場でその耐震補強材3に加工を施すことなくその耐震補強材3とピン23とを接合することによって躯体6の所望の所定位置に耐震補強材3を正確に取付けることができる。よって、耐震補強材3のピン挿入孔44の形成し直しをなくすことができるので、作業性が良く、耐震補強材3の強度を設計値に保つことができる。
尚、ベースプレート21に形成するアンカー通し孔28は、工場などで予め形成しておいても良いが、アンカー固定孔32の形成予定位置に鉄筋が存在することによってアンカー固定孔32の形成位置がずれる可能性を考えて現場で形成してもよい。このように現場において、躯体6に形成されたアンカー固定孔32の位置に合うように接合金物20のベースプレート21に現場でアンカー通し孔28を形成する作業は、接合金物20が、耐震補強材の全体に渡って多数のアンカー通し孔が形成される従来の耐震補強材に比べて、小さくて軽く、ベースプレート21に形成するアンカー通し孔28の数も少ないため、従来の耐震補強材に現場で多数のアンカー通し孔を形成する作業に比べて容易に行うことができる。
また、接合金物20がスペーサプレート22を備え、スペーサプレート22の厚さが、躯体6に接合されたベースプレート21の表面より突出する後述のアンカー31の他端部の長さより大きい寸法に形成されたので、スペーサプレート22によって、ベースプレート21とピン23とを補強できるとともに、アンカー固定孔32に固定されたアンカー31の他端と耐震補強材3の裏面との接触を回避できるので、スペーサプレート22の表面と耐震補強材3の裏面との接触を確実に確保でき、良好なピン接合部40を形成できる。また、スペーサプレート22は、ピン挿入孔44の一端側の開口を塞ぐ型枠として機能するので、ピン23の他端部27の表面とピン挿入孔44の内面との間に固化材45を充填する作業が容易となる。
また、ピン接合部40は、地震時において、ピン20の他端部27の表面と固化材45との付着、あるいは、ピン挿入孔44の内面と固化材45との付着が切れることによって、ピン部41を回転中心として躯体6と耐震補強材3の端部とが互いに回転を許容された状態となるため、躯体6と耐震補強材3とのピン接合部40に曲げモーメントを作用させない(つまり、ピン接合部40に曲げモーメントを伝えない)ので、躯体6と耐震補強材3間の応力伝達が明快となり、耐震補強材3及びピン接合部40の設計においてせん断力だけを考慮すればよくなるので、設計が容易となる。
また、T字形状の耐震補強材3を用いて、開口部12を塞がないように、既存建物2の外部に面した開口部12の周りの梁4と柱13、あるいは、梁4と図外の壁とに跨って当該梁4と柱13又は壁とに耐震補強材3を接合したので、室内側から開口部12を通して室外を見た場合に、耐震補強材3が開口部12の前方に位置しないので、建物の外から見た場合の外観を損なわせたり、室内から開口部12を通した眺望を妨げてしまうこともなく、耐震補強材3が開口部12を通る人の出入を妨げることもない建物1を提供できる。
また、T字形状に加工した耐震補強材3を使用したので、1つの耐震補強材3で、1つの柱13又は壁と当該柱13又は壁の左右に設けられた梁4;4とに接合できるので、2つの耐震補強材3で1つの開口部4を囲むように設置でき、耐震補強材3を効率的に使用できる。また、梁4に沿った横部7の長さを長くすることができて、地震の際の力に対する耐震補強材2の強度を向上できるので、耐震効果の高い建物1を提供できる。
また、既存建物2の躯体6の外面29である梁4及び柱13の外面に耐震補強材3を接合したので、既存建物2の外側での作業によって接合工事を行えるため、既存建物2の室内に立ち入って工事する場合に比べ、工事に際しての居住者への影響を少なくできる。
最良の形態2
図4及び図5は最良の形態2を示す。図4は、耐震補強材と躯体としての梁とが接合手段により接合された状態を示す断面図、図5(a)は、接合部材としての接合金物の正面図、図5(b)は、接合金物の平面図、図5(c)は、接合金物の底面図、図5(d)は、接合金物の側面図である。
柱13の表面と梁4の表面とが同一面でない場合、即ち、柱13が梁4より出っ張っている場合には、T字形状の耐震補強材3の縦部9を柱13の表面に位置させ、横部7の両方の端部8;8を梁4の表面に位置させると、梁4の表面と耐震補強材3の裏面との間に隙間X(図4参照)が生じるが、このような場合に好適な最良の形態2による接合金物の構造を図5を参照して説明する。
この接合金物20は、最良の形態1の接合金物20のベースプレート21の裏面に補強リブ50を備えたものである。補強リブ50は、ベースプレート21の裏面に溶接された金属板により形成される。補強リブ50は、ベースプレート21の長方形の長辺と平行な横リブ51と、ベースプレート21の長方形の短辺と平行な縦リブ52とを備える。縦リブ52と横リブ51とが格子を形成するように設けられる。
図4を参照し、耐震補強材3を梁4に接合する接合手段30を説明する。
接合手段30は、接合金物20と、固定具としてのアンカー31と、ハンマドリルやコア抜きマシンなどで梁4の外面29から内部に形成されたアンカー固定孔32と、ベースプレート21をアンカー31に取付けるための締結具としてのナット34;35と、補強鉄筋36と、ベースプレート21の裏面と梁4の表面との間の空間内に充填されて固化された固化材37としてのコンクリート又はモルタルと、ピン接合部40とを備える。
次に、接合金物20を躯体6に接合する方法を説明する。
まず、躯体6としての梁4の外面29から内部にアンカー固定孔32を形成する。複数のアンカー固定孔32にそれぞれにアンカー31を挿入して固定する。複数のアンカー固定孔32にそれぞれ固定されて梁4の外面29より突出する複数のアンカー32の他端部の周りを取り囲むように補強鉄筋36を設置する。一端部がアンカー固定孔32に固定されたアンカー31の他端部に形成されたねじ部にナット35を取り付けてから接合金物20のアンカー通し孔28にアンカー31の他端部を通した後にアンカー31の他端からアンカー31の他端部のねじ部にナット34を取付ける。そして、ナット35をベースプレート21の裏面の方向に締結するとともに、ナット34をベースプレート21の表面の方向に締結する。この際、柱13の表面に位置される耐震補強材3の両端部8;8の裏面の位置に接合金物20のスペーサプレート22の表面が位置するように、ナット34;35により接合金物20の位置を調整して位置決めする。ベースプレート21の周縁と梁4の表面とに跨って設けられてベースプレート21の裏面と梁4の表面との間の空間を覆う図外の型枠を設置した後に、この型枠に設けられた図外の注入口より固化材37を上記空間内に充填して固化させることによって、接合金物20が梁4に接合される。
尚、ピン接合部40の構造及び施工方法は、最良の形態1と同じであるので、説明を省略する。
最良の形態2によれば、ペースプレート21及びスペーサプレート22の表裏面を貫通するピン23と、ベースプレート21の裏面に溶接される補強リブ50とを備えた接合金物20を用いたので、柱13の表面と梁4の表面とが同一面でなく隙間Xを固化材37で埋める必要がある場合において、ピン23と補強リブ50とにより接合金物20と梁4との接合部の強度を大きくできる。よって、アンカー31の負担を軽減できるために、アンカー31の使用本数を少なくできる。また、格子状に設けられた縦リブ52と横リブ51とで囲まれた空間に固化材37が入り込んで固化することによって、固化材57と補強リブ50とが一体化しやすくなるので、接合金物20の強度を大きくできる。
また、空間内において複数のアンカー32の他端部の周りを取り囲むように補強鉄筋36を配置したので、空間内に充填されて固化された固化材37としてのコンクリート又はモルタルが応力を伝達する際のコンクリート又はモルタルの割れや欠けを補強鉄筋36で防止できる。即ち、補強鉄筋36と固化材37とにより形成された補強部を備えたので、接合金物20と躯体6とのピン接合部40の強度を大きくできるとともに、耐震補強材3と躯体6との間が離れている場合でも耐震補強材3と躯体6とを良好に接合できるようになる。尚、隙間Xが小さい場合には補強鉄筋36を省略し、空間内に充填されて固化された固化材37による補強部を備えた接合構造としてもよい。
最良の形態3
隙間Xの長さが長い場合、例えば、隙間X=200mm以上の場合には、ピン接合部40にかかる偏心モーメントが大きくなることによりアンカー31がこの偏心モーメントによる引張力に抵抗しきれなくなる可能性がある。この場合には、図6に示すように、外周面にねじ部を備えた例えば高強度鋼材よりなるPC鋼棒と呼ばれるねじ棒60を用いる。つまり、梁4の表面と裏面とに跨って貫通するねじ棒貫通孔61を形成し、ねじ棒60をねじ棒貫通孔61に貫通させて、梁4の裏面より突出するねじ棒60の一端部にナット62を取付けて締結する。その他の構成は、最良の形態2と同じである。
最良の形態3によれば、隙間Xが200mm以上である場合においても、ねじ棒60により、ピン接合部40にかかる偏心モーメントに耐えることのできるように接合金物20と梁4との接合部の強度を大きくできる。
最良の形態4
図7に示すように、最良の形態1の接合金物20を最良の形態3のようにねじ棒60によって躯体6に取付ることによって、ねじ棒60により、ピン接合部40にかかる偏心モーメントに耐えることのできるように接合金物20と躯体6との接合部の強度を大きくできる。
最良の形態5
ベースプレート21に複数のピン23を備えた接合金物20、例えば図8に示すように、4つのピン23を備えた接合金物20を使用してもよい。尚、図8では、図5に示す補強リブ50を備えた接合金物20におけるピン23の数を複数に変更した接合金物20を図示したが、図2に示す接合金物20におけるピン23の数を複数に変更した接合金物20を用いてもよい。このような、複数のピン23を備えた接合金物20を用いて、図1、図4、図6、図7に示した接合構造を構成でき、これらの接合構造と同様の効果を得ることができる。尚、複数のピン23を備えた接合金物20を用いて、図1、図4、図6、図7に示した接合構造を構成した場合、図1、図4、図6、図7に示したピン接合部40は、回転を許容しない接合部となるため、躯体6から耐震補強材3に曲げモーメントが伝わるので、耐震補強材3で負担できる地震力が大きくなり、より大きな地震に対して耐震効果が得られる。このように、ベースプレート21に複数のピン23が設けられている場合であっても、ベースプレート21に設けられた複数のピン23の位置、及び、ピン間は決まっているので、ベースプレート21のピン23の位置、及び、ピン間に合うように工場で予め複数のピン挿入孔が形成された耐震補強材3を使用できるとともに、耐震補強材3のピン挿入孔28の形成し直しをなくすことができるので、作業性が良く、耐震補強材3の強度を設計値に保つことができる。図8では、スペーサプレート22や補強リブ50を備えた接合金物20を示したが、スペーサプレート22及び補強リブ50を備えない接合金物20を用いても、図1や図7のような接合構造を提供できる。
最良の形態6
耐震補強材3が、既存建物2の1つの階の躯体6の外面と1つの階の上階の躯体6の外面又は1つの階の下階の躯体6の外面とに跨るように設置されてこれら外面に接合された構造であってもよい。
例えば、図3において、T字形状の耐震補強材3の縦部9の長さを長くして、横部の両端を1つの階の躯体6の外面を形成する梁4に接合するとともに、縦部9の下端部10を1つの階の下階の躯体6の外面を形成する梁4に接合してもよい。
また、縦部9の長さを長くしたT字形状の耐震補強材3を図3の場合と上下を逆にして使用し、横部7の両端部を1つの階の躯体6の外面を形成する梁4に接合するとともに、縦部9の上端部を1つの階の上階の躯体の外面を形成する柱13の上部に接合してもよい。
最良の形態6によれば、建物1の耐震効果をより向上させることができる。
耐震補強材3としては、Zの縦部を垂直にした形、Z形、I形、ロ形、コ形、L形、十字形、H形、四角形のものを用いてもよい。
耐震補強材3は、鉄板、鋼板、鋳鉄板などの金属により形成されたものを用いてもよい
接合部材として、鋼管内にコンクリートやモルタルなどの充填材を充填したものにより形成されたものを用いてもよい。
成形型によってベースプレート21、スペーサプレート22、ピン23とが一体に形成された接合金物20でもよい。
スペーサプレート22及びを備えない接合部材を用いてもよい。このような接合部材であっても、ペースプレート21の表裏面を貫通するピン23を備えていれば、接合部材の強度を大きくできるので、アンカーの負担を軽減できるために、アンカーの使用本数を少なくでき、かつ、ベースプレート21の厚さを薄くすることができる。
図1や図7の接合金物20を用い、このベースプレート21と躯体6の外面29との間に固化材37及び補強鉄筋36を設けた接合構造としてもよい。
ベースプレート21の補強リブ50と躯体6の外面29とを接触させて補強リグ50の周囲及び内側に固化材37を設けた接合構造としてもよい。
耐震補強材と躯体とが接合手段により接合された状態を示す断面図(最良の形態1)。 接合金物を示す図(最良の形態1)。 建物をベランダ側から見た正面図(最良の形態1)。 耐震補強材と躯体とが接合手段により接合された状態を示す断面図(最良の形態2)。 接合金物を示す図(最良の形態2)。 耐震補強材と躯体とが接合手段により接合された状態を示す断面図(最良の形態3)。 耐震補強材と躯体とが接合手段により接合された状態を示す断面図(最良の形態4)。 接合金物を示す図(最良の形態5)。
符号の説明
1 建物、2 既存建物、3 耐震補強材、4 梁、6 躯体、7 横部、
8 横部の端部、9 縦部、10 縦部の下端部、12 開口部、13 柱、
20 接合金物(接合部材)、21 ベースプレート、22 スペーサプレート、23 ピン、24;25 ピン取付孔、27 ピンの一端部、
28 アンカー通し孔、30 接合手段、31 アンカー(固定具)、
32 アンカー固定孔、33 ピン固定孔、36 補強鉄筋、37 固化材、
40 ピン接合部、41 ピン部、43 脱落防止部、
44 ピン固定孔(取付部42)、45 固化材、46 ピン側係合部、
47 孔側係合部、50 補強リブ。

Claims (6)

  1. 既存建物の躯体に耐震補強材の一部を取り付けるための既存建物の躯体と耐震補強材との接合部材であって、ベースプレートと、ベースプレートの表面より突出するようにベースプレートに設けられたピンと、ベースプレートの表裏面を貫通する固定具通し孔とを備え、ベースプレートが固定具通し孔を貫通して躯体に固定された固定具に取り付けられることによって躯体に接合され、ピンが耐震補強材と接合される接合部材を用いた既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造において、躯体と接合部材との接合部が、躯体に取付けられた接合部材のベースプレートの裏面と躯体との間に設けられた補強部を備え、補強部が、躯体に接合された接合部材のベースプレートの裏面と躯体との間に設けられて固化した固化材により形成されたことを特徴とする既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造
  2. ベースプレートの躯体側に位置される裏面には、ベースプレートの裏面を補強する補強リブが設けられたことを特徴とする請求項1に記載の既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造
  3. ベースプレートがピン取付孔を備え、ベースプレートの躯体とは反対側に位置される表面には、ベースプレートのピン取付孔に対応して表裏面を貫通するピン取付孔を備えたスペーサプレートが設けられ、ピンが、スペーサプレートの表面より突出するようにベースプレートのピン取付孔及びスペーサプレートのピン取付孔に取付けられ、スペーサプレートの厚さが、躯体に接合されたベースプレートの表面より突出する固定具の長さより大きい寸法に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造
  4. 体に接合された接合部材のベースプレートより躯体と反対側に突出するピンと耐震補強材とがピン接合により接合され、ピン接合が、耐震補強材に形成されたピン挿入孔と、ピン挿入孔に挿入されたピンと、ピン挿入孔に挿入されたピンとピン挿入孔との間に充填されて固化した固化材とにより構成され、地震時において、ピンの表面と固化材との付着、あるいは、ピン挿入孔の内面と固化材との付着が切れることによって、ピンを回転中心として躯体と耐震補強材とが互いに回転を許容された状態となるように形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造。
  5. 耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面に接合されたことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造。
  6. 耐震補強材が、既存建物の1つの階の躯体の外面と1つの階の下階の躯体の外面又は1つの階の上階の躯体の外面とに跨るように設置されてこれら外面に接合されたことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の既存建物の躯体と耐震補強材との接合構造。
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