JPS6019216Y2 - 耐震性吊り天井 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、地震が発生しても天井材が落下することのな
い耐震性吊り天井に関するものである。

従来、吊り天井は壁面に固定された載設片と天井部から
吊設されたＴ型バーとの間に天井材を載設して施工して
おり、地震などにより天井部が揺れ動くと壁面と天井の
動き方が異なるので、Ｔ型バーと載設片の間隔が天井材
の長さより大きくなり、このとき天井材がＴ型バーと載
設片の間から落下するという欠点があった。

本考案は上述した欠点を解消するものであり、その目的
とするところは引掛具にて天井材とＴ型バーを固定して
地震などにより天井部が揺れ動いても天井材が落下しな
いようにした耐震性吊り天井を提供するにある。

本考案を以下図示した実施例により詳述する。

載設片２は横長な断面路り字状をしていて、この長尺物
に形成された載設片２の水平部２ａの突出方向の幅Ｂは
地震による建築物の横変位幅と天井材３ａの載置幅Ａと
の和より広幅に形成されており、載設片２の垂直部２ｂ
はビルのような建物内の天井部６の一壁面１の全長にわ
たって水平に固定されていて水平部２ａは垂直部２ｂの
下端から対向する他方の壁面１側に突出している。

天井部６の他の３つの壁面１にも同様にして載設片２が
固着されていて壁面１から対向する他壁面１側に突出す
る４つの水平部２ａは互いに同水準に位置している。

上階床を形成する建物躯体１０の下面から天井部６に載
設片２と平行に複数の吊具５が一定間隔で吊設されてい
て対向する両側の壁面１間にわたって複数列の吊具５が
載設片２と平行に隔設されている。

Ｔ型バー４は横長な断面略逆Ｔ字状をしていて下端の両
側はそれぞれ載設部４ａになっており、Ｔ型バー４の上
端は全長にわたって両側に突出した突部１１になってい
る。

吊具５の下端には各列ごとにＴ型バー４の突部１１が取
着されていてＴ型バー４の下端に位置する各載設部４ａ
は対向する水平部２ａ及び並行する他のＴ型バー４の載
設部４ａと平行かつ同水準に位置するようになっており
、複数のＴ型バー４が対向する載設片２間に平行に吊設
されている。

隣接するＴ型バー４の突部１１間には連結片１２がＴ型
バー４と略直角に取着されており、複数の連結片１２が
Ｔ型バー４の全長にわたって隔設しである。

天井材３は方形板状をしていて石膏ボードやグラスウー
ル又は岩綿吸音板からなっており、載設片２とＴ型バー
４間に取着する天井材３ａの一方の側端の前部と後部の
路上半分はそれぞれ断面略り状に切欠かれていて切欠部
１３になっている。

金属製の引掛具７は断面略り字状をしていて水平片７ａ
と垂直片７ｂからなっており、水平片７ａの中央部には
先端はど垂直片７ｂの上部側に位置する切起片８ぎ突設
してあり、垂直片７ｂの上部は水平片７ａと反対側に略
コ字状に折返されていて下面が開口した係止部９となっ
ている。

しかして耐震性吊り天井を施工するに当って、天井材３
ａの切欠部１３と反対側の側端部をその載置幅Ａが地震
による建築物の横変位幅より広幅になるようにして載設
片２の水平部２ａの上面に載置し、天井材３ａの切欠部
１３側を載設片２に隣接するＴ型バー４の載設部４ａの
上面に載置する。

引掛具７の係止部９をＴ型バー４の突部１１に引掛ける
と共に水平片７ａを切欠部１３の上面に載置し、引掛具
７をＴ型バー４に沿って対向する切欠部１３側に摺動さ
せて水平片７ａの内側を天井材３ａに埋挿すると共に切
起片８を天井材３ａ内に食い込ませ、前部と後部の切欠
部１３にそれぞれ埋挿した引掛具７にて天井材３ａをＴ
型バー４に固定する。

同様にして対向する他の壁面１側の載設片２とＴ型バー
４の間にも天井材３ａを載置すると共に引掛具７にて天
井材３ａとＴ型バー４を固定し、互いに隣接するＴ型バ
ー４の載設部４ａ間にも天井材３を載設して耐震性吊り
天井を形成する。

いま、地震が発生すると壁面１と建物躯体１０は横方向
に揺動するが、壁面１と建物躯体１０ではその揺れ方が
異なり、水平部２ａと載設部４ａ間の間隔が広くなって
天井材３ａの切欠部１３例の側部は載設部４ａからずれ
落ちようとする。

しかしながら天井材３ａとＴ型バー４は引掛具７にて固
定されているので天井材３ａが載設部４ａからずれ落ち
ることはなく、しかも切起片８は天井材３ａ中でＴ型バ
ー４側に開口しているので天井材３ａがＴ型バー４から
ずれ落ちようとすると切起片８が開口部に天井材３ａ内
の肉質部が当り、引掛具７の水平片７ａは天井材３ａか
ら抜は出すことがなくてもどり止めになっている。

また載設片２の水平部２ａの幅Ｂは地震による建築物の
横変位幅と天井材３ａの載置幅Ａとの和より広幅なので
天井材３ａがＴ型バー４と共に載設片２側に揺れても天
井材３ａの側端が載設片２の垂直部２ｂに衝突して損傷
することがなく、更に載置幅Ａを横変位幅より広幅にし
たので、天井材３ａが載設片２と反対側に揺れても天井
材３ａの側端が水平部２ａから落下することがない。

また互いに隣接するＴ型バー４間は長尺物の連結片１２
にて一体的に連結されているので、各Ｔ型バー４は一体
となって揺動し、隣接するＴ型バー４の載設部４ａ間の
間隔は変動しないので、天井材３は載設部４ａ間から落
下することがない。

本考案は上述のように、天井部の一壁面に沿って水平部
と垂直部とからなる断面略り字形で長尺物の載設片を取
着し、天井部に断面略Ｔ字状のＴ型バーを載設片と略平
行に複数本吊設すると共に、Ｔ型バーの長手方向と略直
交する方向の長尺物の連結片により各Ｔ型バーを連結保
持し、上記載設片の水平部に天井材の一端部を載設する
と共に、載設片側に突出したＴ型バーの載設部に天井材
の他端部を載設し、隣接するＴ型バーの載設部間に夫々
天井材を架設し、断面略り字状をした引掛具の水平片に
切起片を設けると共に引掛具の垂直片の上部を折曲げて
係止部を形威し、水平片を天井材のＴ型バー側端部に埋
挿すると共に係止部をＴ型バーに引掛けたものであるか
ら、水平片を天井材のＴ型バー側端部に埋挿して切起片
を天井材内に食い込ませ、水平片を天井材に固定すると
共に係止部をＴ型バーの上部に引掛けることができる。

したがって天井材を引掛具にてＴ型バーに固定できるか
ら、地震などによってＴ型バーと壁面が異なる横揺れを
して載設片とＴ型バーの載設部の間隔が広がっても天井
材は載設片とＴ型バーの間から落下することがないもの
である。

また、載設片の水平部の幅を地震による建築物の横変位
幅と天井材の載置幅との和より広幅としているので、天
井材がＴ型バーと共に載設片側に揺れても天井材の側端
が載設片の垂直部に衝突して損傷することがなく、更に
載置幅を横変位幅より広幅にしたので、天井材が載設片
と反対側に揺れても天井材の側端が水平部から落下する
ことがないものであり、しかもＴ型バーは連結片にて連
結保持されているために、Ｔ型バーと連結片とが一体に
なって動くことになり、そのため、天井材はあまり大き
く揺れることがなくて、載設片やＴ型バーの載設部から
天井材がずれ落ちることがなく、また、互いに隣接する
Ｔ型バーの載設部に架設されている天井材も、互いに隣
接するＴ型バー間が連結片にて一体的に連結されている
ので、各Ｔ型バーは一体となって揺動し、隣接するＴ型
バーの載設部間の間隔は変動しないので、天井材は載設
部間から落下することがない効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の静止状態の縦断面図、第２図ａ、ｂは
同上の揺動状態の縦断面図、第３図は本考案の一実施例
の縦断面図、第４図は同上の要部の斜視図、第５図は同
上の全体図であり、１は壁面、２は載設片、３は天井材
、４はＴ型バー、５は吊具、６は天井部、７は引掛具、
８は切起片、９は係止部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井部の一壁面に沿って水平部と垂直部とからなる断面
   路り字形で長尺物の載設片を取着し、天井部に断面略Ｔ
   字状のＴ型バーの載設片と略平行に複数本吊設すると共
   に、Ｔ型バーの長手方向と略直交する方向の長尺物の連
   結片により各Ｔ型バーを連結保持し、上記載設片の水平
   部に天井材の一端部を載設すると共に、載設片側に突出
   したＴ型バーの載設部の天井材の他端部を載設し、隣接
   するＴ型バーの載設部間に夫々天井材を架設し、上記載
   設片の水平部の突出幅を地震による建築物の横変位幅と
   天井材の載置幅との和より広幅に形成するとともに、天
   井材の載置幅を上記横変位幅よりも広幅に形成し、断面
   路り字状をした引掛具の水平片に切起片を設けると共に
   引掛具の垂直片の上部を折曲げて係止部を形成し、水平
   片を天井材のＴ型バー側端部に埋挿すると共に係止部を
   Ｔ型バーに引掛けて成る耐震性吊り天井。