JP2014199134A - 弾性体シート及びサスペンション装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの効果が相俟って、本構成は、弾性体シートの(特に着座部の)損傷を防止しつつ、コイルばねの塗装はげや折損等を防止できる。
本発明の第1実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。
サスペンション装置300の構成を説明する。
図1に示すように、サスペンション装置300は、四輪車に搭載され、ストラット型のサスペンションを構成している。サスペンション装置300は、油圧緩衝器400と、コイルばね100と、ばね受け200と、ラバーシート(弾性体シート)1と、を備えている。
油圧緩衝器400は、外殻を構成するダンパケース410と、ダンパケース410内に同軸で設けられたシリンダ(図示しない)と、シリンダ内を摺動するピストン(図示しない)と、ピストンに固定されると共に上方に突出するピストンロッド420と、を備えている。ダンパケース410の下端は、車輪側ブラケット411を介して、アッパーアーム等に連結されている。ピストンロッド420の上端は、車体側ブラケット421を介して、車体に固定されている。なお、車体側ブラケット421には、コイルばね100の上端を支持するばね受け422が固定されている。
コイルばね100は、油圧緩衝器400に外装すると共に、上下方向(軸方向)に延びる部品である。コイルばね100は、線材101を螺旋状に巻回することで形成されている。
ばね受け200は、コイルばね100を下方から支持する浅底で皿状を呈する部品であり、第1実施形態ではダンパケース410に固定されている。ばね受け200には、ラバーシート1が嵌合する平面視で約3/5円弧状の溝210(凹部)が形成されている(図9参照)。
ラバーシート1について、図2〜図13を参照して説明する。
ラバーシート1は、コイルばね100とばね受け200との間に介装されるゴム製の部品であって、平面視で約3/5円弧状を呈しており(図4参照)、縦断面視において略U字形を呈している(図9参照)。ラバーシート1は、着座部10と、第1側壁部20(一対の側壁部の一方)と、第2側壁部30(一対の側壁部の他方)と、を備えている。
図9〜図10に示すように、ラバーシート1単体の状態(ばね受け200への取付前、コイルばね100の取付前の状態)において、径方向断面視における着座部10の上面11の半径R11、第1側壁部20の第1内側面21(線材接触面)の半径R21、第2側壁部30の第2内側面31(線材接触面)の半径R31は、いずれも同一の半径であり、線材101の半径R101よりも小さく設定されている。これにより、コイルばね100の取付後、第1内側面21、第2内側面31と線材101との間に隙間が形成され難くなっている。
以下で、着座部10、第1側壁部20、第2側壁部30について詳述する。
ただし、ラバーシート1の周方向長さはコイルばね100の螺旋径に対応して変更され、例えば、1/3円弧状〜1/5円弧状の範囲で適宜に変更される。
着座部10は、コイルばね100が着座する部分であって、平面視(軸方向視)で約3/5円弧状を呈しており、その周方向の一方側がコイルばね100の入口側である。よって、コイルばね100の圧縮時、着座部10に作用する圧縮荷重は一方側(入口側)で最も大きくなり、そして、コイルばね100が圧縮・伸張を繰り返すことにより、着座部10に作用する軸方向(上下方向)における荷重の変動幅も大きくなる。一方、着座部10の周方向の他方側は、コイルばね100の先端側であり、線材101の端末102側に接する(図2参照)。
第1側壁部20は、着座部10の径方向(幅方向)の内側から上側(コイルばね100側)に延びる側壁部である(図9参照)。径方向断面視において、第1側壁部20の線材101側面である第1内側面21は円弧状であり、線材101に接触する線材接触面である。線材101の取り付け前において、第1内側面21の半径R21は、線材101の半径R101よりも小さい。これにより、第1内側面21と線材101との間に隙間が形成され難くなっており、第1側壁部20は、第1内側面21と線材101との間から砂や泥等が入りにくくなっている。
第2側壁部30は、着座部10の径方向(幅方向)の外側から上側(コイルばね100側)に延びる側壁部である(図9参照)。径方向断面視において、第2側壁部30の線材101側面である第2内側面31は円弧状であり、線材101に接触する線材接触面である。線材101の取り付け前において、第2内側面31の半径R31は、線材101の半径R101よりも小さい。これにより、第2内側面31と線材101との間に隙間が形成され難くなっており、第2側壁部30は、第2内側面31と線材101との間から砂や泥等が入りにくくなっている。
また、ラバーシート1は、取り付け前において、第1側壁部20の径方向内側部分に第1潰し代24を備えており、第2側壁部30の径方向外側部分に第2潰し代34を備えている(図10参照)。第1潰し代24及び第2潰し代34は、ラバーシート1のばね受け200側に形成され、潰されると第1側壁部20及び第2側壁部30が線材101に緊迫する緊迫力を発生させる部分である。すなわち、第1潰し代24及び第2潰し代34は、ばね受け200に設置し、コイルばね100の自重等が作用した際に、ラバーシート1の肉部のうち潰れる部分であり、ラバーシート1の肉部のうち、ばね受け200に対して干渉する部分の肉部であり、潰れる部分を意味する。
ラバーシート1のコイルばね100に接触する溝面41は、図9に示すように、径方向断面視において、着座部10の上面11と、第1内側面21と、第2内側面31と、を備えて構成されており、半円弧状(約1/2円弧状)である。溝面41は、図4に示すように、ラバーシート1全体において周方向に延びており、その一方側(入口側)には、線材101側(上側)に向かって突出するリップ42(凸部、図3、図4、図7参照)が形成されている。
着座部10の入口側端面12は、図7に示すように、周方向においてばね受け200側が凹むように斜めである。これにより、入口側端面12の下方には、周方向断面視で直角三角状を呈し、変形時に着座部10の逃げ場となる逃げ空間12aが形成されている。
着座部10の裏面14(ばね受け200側面)には、ばね受け200側に開口すると共に、周方向にやや延びるばね受け側凹部15(第2肉抜部、第2凹部)が形成されている(図5、図7参照)。
これらの効果が相俟って、本構成は、ラバーシート1の(特に着座部10の)損傷を防止しつつ、コイルばね100の塗装はげや折損等を防止できる。
着座部10の他方側(端末側、入口側の反対側)は、ばね受け200側に向けて肉厚である肉厚部16が形成されている(図12参照)。これにより、着座部10の他方側における耐久性は高くなっており、ラバーシート1の形状を維持することができる。一方、ばね受け200には、肉厚部16が嵌合する位置決め部211が形成されている。
ラバーシート1は、第1脱落防止部50と、第2脱落防止部60と、を備えている。第1脱落防止部50、第2脱落防止部60は、ラバーシート1のコイルばね100への装着後、ラバーシート1がコイルばね100から脱落することを防止する部分である。なお、第1脱落防止部50は、ラバーシート1の周方向中間に配置されており、第2脱落防止部60は、ラバーシート1の他方側(端末側)に配置されている。
ラバーシート1の作用効果を説明する。
第1側壁部20の第1内側面21の半径R21と、第2側壁部30の第2内側面31の半径R31とは、線材101の半径R101よりも小さく(図9参照)、第1側壁部20及び第2側壁部30が線材101を緊迫する(図9、矢印A1参照)。これにより、第1側壁部20及び第2側壁部30と線材101とが密着するので、第1側壁部20及び第2側壁部30と線材101との間に隙間が形成され難くなる。したがって、泥や砂等が、第1側壁部20及び第2側壁部30と線材101との間に侵入し難くなり、コイルばね100の塗装はげや折損等を防止できる。
同様に、第2側壁部30の第2上面33は、径方向外側がばね受け200に近づくように傾斜しているので、泥や砂等が第2上面33に沿って径方向外側に滑り落ちる。これにより、泥や砂等が第2側壁部30と線材101との間に侵入し難くなる。
より具体的には、後述するように、コイルばね100にラバーシート1を組み付けたうえで、(コイルばね100とラバーシート1の組付け体を)ばね受け200に組み付けることができる等、要するに、サスペンション装置300を部分的に且つ容易に組み付けることができ、組み付け性が良好である。
ここで、ラバーシート1の一組み付け方法を説明する。
第1に、ラバーシート1とコイルばね100とを組み付ける。
具体的には、コイルばね100の端末102と、ラバーシート1の端壁部17とを位置合わせした後、コイルばね100をラバーシート1に押し込む。そうすると、第1脱落防止部50の第1A脱落防止片51及び第1B脱落防止片52と、第2脱落防止部60の第2A脱落防止片61及び第2B脱落防止片62とが弾性変形し、線材101が、第1A脱落防止片51及び第1B脱落防止片52の間、第2A脱落防止片61及び第2B脱落防止片62の間に嵌まり込み、着座部10に着座する。
第2に、ラバーシート1とばね受け200とを組み付ける。
具体的には、凸部53をばね受け200に対して位置合わせをしたうえで、ラバーシート1の肉厚部16とばね受け200の位置決め部211とを位置合わせする。その後、ラバーシート1及びコイルばね100をばね受け200側に配置する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
この場合において、入口側凹部13の底面13aは、上下方向に延びる構成としてもよいし(図15参照)、図16に示すように、底面13aの下側が一方側に向けて傾斜し、入口側凹部13の深さが上側に向かうにつれて徐々に大きくなる構成としてもよい。
本発明の第2実施形態について、図18〜図19を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分を説明する。
第2実施形態における第1潰し代24A、第2潰し代34Aは、ばね受け200Aと接する両端部に位置し、下方のばね受け200A側に部分的に突出する脚部分である。また、径方向断面において、ラバーシート1Aは、ラバーシート1とばね受け200との間であって、且つ、(ラバーシート1の)第1潰し代24A、第2潰し代34Aの間に空間を設けている。これらの構成により、線材101(コイルばね100)からラバーシート1Aの着座部10に入力される荷重を積極的に利用しつつ、ラバーシート1Aの第1潰し代24A、第2潰し代34Aがばね受け200Aに対して潰れたことにより、第1側壁部20、第2側壁部30に緊迫力を発生させることができる(図18、矢印A1参照)。
本発明の第3実施形態について、図20を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分を説明する。
上述した実施形態では、ばね受け側凹部15の形状として、径方向断面の形状が、四角形(図8参照)や、半円状(不図示)や、上側に近づくにつれて開口幅よりも大形に形成された形状(図17参照)であることを例示しているが特にかかる態様に限定されない。
図22は、第1変形例に係るばね受け側凹部15の径方向断面を示す図である。図22は、図4のX2−X2部の断面図でもある。
第1変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1においては、コイルばね100が圧縮した場合に、着座部10におけるコイルばね100を形成する線材101の直下にある部位(本変形例では、後述する頂部152a)が、ばね受け200に接触しないようにばね受け側凹部15(本発明における第2凹部)が形成されている。具体的には、第1変形例に係るばね受け側凹部15が、図22に示すように、径方向断面において、略三角形である例を示す。すなわち、第1変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1においては、着座部10におけるコイルばね100を形成する線材101の直下にある部位(後述する頂部152a)が頂点となる三角形状となるように、ばね受け側凹部15が形成されている。つまり、第1変形例に係るばね受け側凹部15は、ばね受け200側の開口部の縁にある縁部151と、凹みの最深部である底部152と、縁部151と底部152との間にある側部153とにより区画されている。
底部152は、ラバーシート1に着座するコイルばね100の線材101の中心を通り、ばね受け200の溝210の底面に垂直な線上に頂部152aがある、径方向断面視で円弧状を呈する部位である。そして、底部152は、図22に示した径方向断面視で、円弧の両端部152pそれぞれが、側部153の後述する他方の端部153qと接続する。以下、ラバーシート1に着座するコイルばね100の線材101の中心を通り、ばね受け200の溝210の底面に垂直な線を、「中心線」と称す場合もある。また、この中心線の符号として110を用いる。
ばね受け側凹部15の形状が、縁部151と底部152と側部153とにより区画された略三角形状であることによって、着座部10におけるばね受け200の溝210の底面に対向する部位は、底部152と側部153とにより区画された略三角形状である。付言すれば、着座部10における溝210の底面側の表面形状は、図22に示した径方向断面視で、底部152の頂部152aを一つの頂点とし、2つの側部153を側辺とする略正三角形状である。
なお、上述した第1変形例に係るばね受け側凹部15において、底部152は、円弧状に構成されているが、特にこの形状に限定されるわけではなく、溝210に対して平行な平状の形状としてもよいし、(本変形例のように、円弧状にして角部の丸みを取ることをせずに、)尖った形状としてもよい。また、2つの側部153それぞれを中心線110まで延長し、円弧状の底部152を設けなくてもよい。かかる形状の場合、側部153と中心線110との交点を頂部152aと定義する。
また、縁部151も、円弧状の形状であるが、これに限らず、溝210に対して垂直な直線状の形状でもよいし、(本変形例のように、円弧状にして角部の丸みを取ることをせずに、)尖ったままの形状でもよい。
なお、本変形例において、頂部152aが中心線110上にある例を示したが、これに限らず、径方向断面視において、頂部152aは中心線110の右側にあってもよいし、中心線110の左側にあってもよい。この場合においても、頂部152aは、本発明における『線材の直下にある部位』に相当する。
第1変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1においては、コイルばね100が圧縮しラバーシート1に圧縮荷重が作用すると、着座部10には、コイルばね100の線材101の中心から下方へ(ばね受け200の溝210の底面側へ)向かう力が作用する。そして、第1側壁部20及び第2側壁部30は、ばね受け200の溝210の底面から反力を受ける。その結果、ばね受け側凹部15の側部153には、底部152側からの力と縁部151側からの力が作用する。つまり、側部153は、その両端部から圧縮される。一方、第1潰し代24(図10参照),第2潰し代34(図10参照)、及び第1側壁部20,第2側壁部30がばね受け200から反力を受けることに起因して、着座部10には、幅方向外側から中心側に向かう力が作用する。これらにより、図23に示すように、着座部10における溝210の底面側の表面形状をなす側部153の中央部153zが、溝210の底面側(換言すれば、溝210の中心線110側)に突出した凸形状となるように変形する。そして、底部152は、図23に示すように、ばね受け200の溝210の底面側に移動するものの、側部153の中央部が凸形状となるように変形することで、ばね受け200の溝210の底面に接触しない。すなわち、第1変形例に係るばね受け側凹部15は、コイルばね100が圧縮した場合に、コイルばね100を形成する線材101の中心の直下にある頂部152aが、ばね受け200に接触しない。
本変形例も、上述した第1変形例と同様に、ばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1において、コイルばね100が圧縮した場合に、着座部10におけるコイルばね100を形成する線材101の直下にある部位(本変形例では、後述する頂部152a)が、ばね受け200に接触しないようにばね受け側凹部15(本発明における第2凹部)が形成されている。
図24は、第2変形例に係るばね受け側凹部15の径方向断面を示す図である。図24は、図4のX2−X2部の断面図でもある。
第2変形例に係るばね受け側凹部15は、図24に示すように、径方向断面において、略五角形であることを特徴とする。つまり、側部153が屈曲している点が第1変形例に係るばね受け側凹部15と異なる。具体的には、第2変形例に係るばね受け側凹部15の側部153は、縁部151から上方にコイルばね100の中心線方向に延びる上方部153aと、底部152の端部152pからコイルばね100の中心線110に対して傾斜する方向に延びる傾斜部153bと、を有している。また、側部153は、これら上方部153aと傾斜部153bとを接続する円弧状の円弧状部153cを有している。付言すれば、第2変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1においては、着座部10における溝210の底面側の表面形状は、図24に示した径方向断面視で、底部152の頂部152aを一つの頂点とする略五角形状である。また、着座部10における溝210の底面側の表面形状は、側部153の円弧状部153cを一つの頂点とし、上方部153aおよび傾斜部153bをそれぞれ辺とする略五角形状である。
なお、上述した第2変形例に係るばね受け側凹部15において、底部152は、円弧状に構成されているが、特にこの形状に限定されるわけではなく、溝210に対して平行な平状の形状としてもよいし、(本変形例のように、円弧状にして角部の丸みを取ることをせずに、)尖った形状としてもよい。また、2つの側部153の傾斜部153bそれぞれを中心線110まで延長し、円弧状の底部152を設けなくてもよい。かかる形状の場合、側部153の傾斜部153bと中心線110との交点を頂部152aと定義する。
なお、本変形例において、頂部152aが中心線110上にある例を示したが、これに限らず、径方向断面視において、頂部152aは中心線110の右側にあってもよいし、中心線110の左側にあってもよい。この場合においても、頂部152aは、本発明における『線材の直下にある部位』に相当する。
上述のように構成された第2変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1においては、コイルばね100が圧縮しラバーシート1に圧縮荷重が作用した場合には、第1変形例に係るばね受け側凹部15が形成されたラバーシート1と同様に、着座部10における溝210の底面側の表面形状をなす傾斜部153bの中央部153yが、ばね受け200の溝210の底面側に突出した凸形状となるように変形する。そして、底部152の頂部152aは、ばね受け200の溝210の底面側に移動するものの、傾斜部153bが凸形状となるように変形することで、ばね受け200の溝210の底面に接触しない。すなわち、第2変形例に係るばね受け側凹部15は、コイルばね100が圧縮した場合に、コイルばね100を形成する線材101の中心の直下にある頂部152aが、ばね受け200に接触しない。言い換えれば、コイルばね100が圧縮した場合に、着座部10におけるコイルばね100を形成する線材101の中心の直下にある部位(頂部152a)が、ばね受け200に接触しないようにばね受け側凹部15が形成されている。それゆえ、もし、ばね受け200の溝210の底面上であってばね受け側凹部15内に砂等が入り込んでしまったとしても、底部152の頂部152aが溝210の底面上にある砂等に接触することが抑制され、ラバーシート1が破損することが抑制される。
また、縁部151も、円弧状の形状であるが、これに限らず、溝210に対して垂直な直線状の形状でもよいし、(本変形例のように、円弧状にして角部の丸みを取ることをせずに、)尖ったままの形状でもよい。
第3変形例に係るばね受け側凹部15は、図26に示すように、径方向断面において、略鍵穴状であることを特徴とする。つまり、図26に示すように、第3変形例に係るばね受け側凹部15の底部152は、径方向断面視で、ばね受け200の溝210の底面側が開口した円弧状である。また、第3変形例に係るばね受け側凹部15の側部153は、縁部151から上方に中心線110の方向に延びており、径方向内側の側部153と径方向外側の側部153との間の距離は、底部152の直径よりも小さい。また、径方向内側の側部153と径方向外側の側部153との間の距離L1は、ばね受け200の溝210の底面から底部152の頂部152aまでの距離L2よりも短い。付言すれば、着座部10における溝210の底面側の表面形状は、図26に示した径方向断面視で、底部152の頂部152aを最深部とする略鍵穴状である。
また、第3変形例に係るばね受け側凹部15においては、円弧状は略3/4であるが、この形状に限定されるものではなく、要は、後述するように、ばね受け側凹部15の頂部152aが溝210の底面に接触することを抑制できる趣旨を満たすのであれば、他の円弧状であってもよい。同様に、側部153についても、ばね受け200の溝210等の周辺の形状との兼ね合いにより、ばね受け側凹部15の頂部152aが溝210の底面に接触することを抑制できる趣旨を満たすのであれば、他の形状であってもよい。
10 着座部
12 入口側端面
13 入口側凹部(第1凹部)
14 裏面(ばね受け側面)
15 ばね受け側凹部(第2凹部)
16 肉厚部
20 第1側壁部
21 第1内側面(線材接触面)
22 上側部分
23 第1上面(傾斜面)
30 第2側壁部
31 第2内側面(線材接触面)
32 上側部分
33 第2上面(傾斜面)
41 溝面
42 リップ(凸部)
50 第1脱落防止部
60 第2脱落防止部
100 コイルばね
101 線材
200 ばね受け
211 位置決め部(嵌合部)
212 規制部
300 サスペンション装置
400 油圧緩衝器
410 ダンパケース
420 ピストンロッド
また、弾性体シートにおいて、前記傾斜面は、異物が滞り難くなるように傾斜していることが好ましい。
Claims (10)
- サスペンション装置に備えられ軸方向に延びるコイルばねと、前記コイルばねを支持するばね受けと、の間に介装される弾性体シートであって、
前記コイルばねが着座し、前記軸方向視において円弧状であり、その周方向の一方側が前記コイルばねの入口側である着座部と、
前記着座部の幅方向の両端からそれぞれ前記コイルばね側に延びる一対の側壁部と、
を備え、
前記側壁部の少なくとも一方は、前記コイルばねを形成する線材に接触する線材接触面と、前記線材接触面から幅方向外側に延びるにつれて前記ばね受けに近づくように傾斜する傾斜面と、を備え、
前記線材接触面の少なくとも開口側の半径は、前記線材の半径よりも小さい
ことを特徴とする弾性体シート。 - 前記コイルばねに接触する溝面の前記コイルばねの入口側には、前記線材に向かって突出する凸部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の弾性体シート。 - 前記ばね受け側に形成され、潰されると前記側壁部が前記線材に緊迫する緊迫力を発生させる潰し代を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾性体シート。 - 前記着座部の前記コイルばねの入口側端面には、第1凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弾性体シート。 - 前記着座部の前記コイルばねの入口側端面は、前記ばね受け側が凹むように斜めである
ことを特徴とする請求項4に記載の弾性体シート。 - 前記着座部の前記ばね受け側面には、前記ばね受け側に開口した第2凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の弾性体シート。 - 前記コイルばねが圧縮した場合に、前記着座部における当該コイルばねを形成する線材の直下にある部位が前記ばね受けに接触しないように、前記第2凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の弾性体シート。 - 前記着座部における前記コイルばねを形成する線材の直下にある部位が頂点となる三角形状となるように、前記第2凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載の弾性体シート。 - 車体側と車輪側とに架設された油圧緩衝器と、
コイルばねと、
前記コイルばねを支持するばね受けと、
前記コイルばねと前記ばね受けとの間に介装され、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の弾性体シートと、
を備える
ことを特徴とするサスペンション装置。 - 前記ばね受けは、前記弾性体シートの前記側壁部の変形を規制する規制部を備えている
ことを特徴とする請求項9に記載のサスペンション装置。
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